JP6114917B2 - 熱可塑性樹脂再生材および熱可塑性再生材の分別回収方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂再生材および熱可塑性再生材の分別回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み家電製品などの複数種の合成樹脂材が混在する廃材から対象樹脂を分別・選別した上で、再資源化する熱可塑性樹脂の再生技術に関するものである。
近年の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済活動が、地球温暖化や資源の枯渇など地球規模での環境問題を引き起こしている。このような状況の中、循環型社会の構築に向けて、平成13年4月から家電リサイクル法が完全施行され、使用済みになったエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機のリサイクルが義務付けられている。
回収された家電製品は、家電リサイクル工場において、破砕後に、磁気、風力、振動等を利用して材料毎に分別回収され、再資源化されている。特に金属材料は、比重選別装置や磁気選別装置を用いることで、鉄、銅、アルミニウムなど材料毎に高純度で回収され、高い再資源化率が実現されている。
一方、合成樹脂材料では、軽比重物であるポリプロピレン(PP)が、水を利用した比重選別法により高比重物と分別され、比較的高純度で回収されている。しかしながら、水を利用した比重選別法は、大量の排水が発生することや比重の近いポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ポリマー(以下、ABSと表記)とが分別できないことが大きな課題となっている。また近年、高比重物であるフィラー入りポリプロピレンの需要が拡大しているが、フィラー入りポリプロピレンは、従来の比重選別法では選別できなくなっている。
上記課題を解決するために、合成樹脂材料を再資源化するための分別方法が特許文献1及び特許文献2等にて提案されている。
特許文献1及び特許文献2は、材質選別装置により材質を選別することで、従来の比重選別法では分別できない合成樹脂材料の分別を可能にしている。
具体的には、搬送装置によって搬送される合成樹脂混在物を、材料選別装置により個々に材質識別し、搬送装置の搬出端より合成樹脂混在物が落下する際に、識別した特定材質の合成樹脂に向けて、落下経路の下方から高圧空気を吐出し、前記特定材質の合成樹脂を他の合成樹脂混在物の自然落下位置よりも遠方に吹飛ばすことにより特定材質の合成樹脂を分別する方法である。
この分別方法によれば、比重の近いPSとABSとを分別でき、高比重物であるフィラー入りポリプロピレンを分別することができる。
特開2002−263587号公報 特開2011−104461号公報
特許文献1や特許文献2の長所としては、水を使わない乾式選別方法によって樹脂選別を行うことができるため、比較的小型の装置で処理できることや排水処理が不要な点など
が挙げられる。
一方、対象樹脂を純度100%で得ることは難しく、最大0.5%程度の異樹脂混入は避けられない。母材となる樹脂に異樹脂が3%程度混入した場合でも、物性的な低下は小さく、かつ耐久性に関しても問題はないが、塩素脱離などが生じやすい塩素系樹脂(例えば塩化ビニル樹脂など)が混入した場合には、金型による成形時に滞留時間が長い場合などに、変色が生じるなどの外観品位上の課題を発生することがある。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、複数種の合成樹脂材が混在する廃材から対象樹脂を分別・選別して再資源化するに際し、長期間にわたり外観上も問題なく使用し得る熱可塑性樹脂再生材を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱可塑性樹脂再生材は、ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を含む熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材から乾式選別手段を用いて分別回収する熱可塑性樹脂再生材であって、前記乾式選別手段は、近赤外分光法による第1の選別手段と、振動を利用した比重選別による第2の選別手段を有し、前記第1の選別手段は、ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を、他の熱可塑性樹脂と分別して回収し、前記第2の選別手段は、ポリプロピレン樹脂を、塩化ビニル樹脂と分別して回収するものである。
本発明の熱可塑性樹脂再生材は、使用済み家電製品などの、複数種の熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材から乾式手段を用いて分別回収された熱可塑性樹脂再生材において、乾式手段として、近赤外分光法による選別手段と、乾式比重差法による選別手段を用いることを特徴とするものであり、樹脂中の純度をさらに向上させることができ、耐久物性は当然ながら、外観品位上も問題なく使用し得る熱可塑性樹脂再生材を提供できる。
本発明の実施の形態1におけるリサイクル方法を含めた一般的なリサイクル工程を示す図 本実施の形態1における近赤外線選別システムを示す図 本実施の形態1における乾式比重差選別装置を示す図
第1の発明は、複数種の熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材から乾式手段を用いて分別回収された熱可塑性樹脂再生材において、前記乾式手段が、近赤外分光法による選別手段と、乾式比重差法による選別手段を有することにより、高純度かつ、高外観品位を提供できる熱可塑性樹脂再生材を得ることができる。
近赤外自動選別法では、樹脂の分子構造に起因する近赤外分光スペクトルの差を利用して、例えば、PP、PS、ABSなどを瞬時に分別することができるが、主鎖骨格が同じで、側鎖の一部が置換されたような樹脂種、例えば塩化ビニル樹脂(以下PVCと表記)は、PPと類似する近赤外分光スペクトルとなるため、樹脂種を判定し難い場合がある。そこで、近赤外自動選別法により分別した後に、さらに乾式比重差選別を利用して選別することにより、より高精度にPPとPVCを選別することができる。
また、場合によっては、近赤外自動選別装置の回収率を上げるために、低い純度でPSやABSの回収を行った上で、含まれる可能性のあるPPを比重差選別法によって選別する方法として用いることも可能である。
第2の発明は、第1の発明の熱可塑性樹脂再生材において、複数種の熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材が家庭用冷蔵庫・冷凍庫、家庭用空調機、洗濯機から選ばれるも
のであり、家電リサイクル工場に回収された廃家電機器を有効に利用することが可能となり、環境に配慮したリサイクル取組みを実現できることになる。
家電リサイクルされた機器から熱可塑性樹脂を回収する方法を確立することにより、再商品化時においても、安定した材料供給を確保することができる。また、これにより家電リサイクル法で定められたリサイクル率に対して、鉄、銅、アルミなどといった金属系のみでなく、熱可塑性樹脂を中心に、再利用化を促進でき、リサイクル率をさらに向上でき、環境配慮型商品展開を更に推し進めることが可能となる。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明の熱可塑性再生材において、複数種の熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材が、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン系ポリマー、アクリロニトリル−スチレン系ポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ポリマー、ハイインパクトポリスチレンからなる群より選ばれる熱可塑性樹脂を2種以上含むものである。
これら熱可塑性樹脂は家庭用電化機器に多く使用される樹脂群であり、これら複数種の樹脂群から、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ポリマー、といったように分別回収することにより、部品の要求特性に応じた再利用を効果的に促進できる。
第4の発明は、第1〜第3の発明の熱可塑性樹脂再生材において、乾式比重法による選別手段が、振動比重による選別手段からなるものであり、排水処理を必要としない小型でコンパクトな装置により、再生材の純度を向上させることができる。
乾式比重差選別は、近赤外自動選別後に選別する2種の樹脂の比重差が大きいことが条件となり、例えば、上述したような低比重のPPに高比重のPVCなどが混在している場合に適している。乾式比重差選別の原理としては、傾斜した選別デッキに比重差の異なる2種以上の樹脂を配し、重比重物が登っていく方向の振動を与え、空気を供給する。傾斜した選別デッキ上に定量供給された原料は吹き上げる空気により浮遊を繰り返し、低比重物は傾斜の低い方に排出されるが、重比重物は空気で浮遊しないため、振動力によりデッキを登ることになり、徐々に排出側に集束していく。このような振動を利用した振動比重差選別装置であるが、例えばこのようなものを利用することにより、PPとPVCを容易に選別することが可能となる。
第5の発明は、廃棄回収された家庭用冷蔵庫・冷凍庫から分別回収された熱可塑性樹脂廃材を用いて、近赤外分光法による選別手段及び、乾式比重差法による選別手段によりポリオレフィン系樹脂材料を得ることにより、耐久物性と外観品位に優れた熱可塑性樹脂再生材を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱可塑性樹脂廃材の再資源化方法の再生化工程の一例を示すものである。
本実施の形態1においては、回収された廃家電品のリサイクル工程の一例として、使用済み冷蔵庫のリサイクル工程を説明する。
本実施の形態1においては、使用済み冷蔵庫から、冷媒やコンプレッサーを取り除き、
さらに野菜室・冷凍室ケースや冷蔵室の棚などの樹脂を手解体により取り除いた後、破砕機で破砕し、さらに、金属やプラスチックが混ざった破砕片から、磁力により鉄などの金属を取り除き、軽量のウレタンフォーム等を風力で吸引除去する。そして、鉄などの金属とウレタンフォーム等を取り除いた破砕片を、うず電流選別器で金属とそれ以外の破砕片に分別した後、さらに篩い分けすることにより5〜150mmの大きさの混合熱可塑性樹脂廃材を回収する。
次に、混合熱可塑性樹脂廃材から近赤外分光分析法を用いた近赤外線選別システムにより熱可塑性樹脂再生材を分別回収する。
以下に、近赤外分光分析法を用いた近赤外線選別システムについて説明する。
有機化合物は物質中の原子団ごとに光の吸収波長帯が異なるため、分子構造によって固有の近赤外線吸収スペクトルを示す。近赤外線選別システムとは、有機化合物が分子構造によって固有の近赤外線吸収スペクトルを示すことを利用して、有機化合物の材質を識別するシステムのことである。
具体的には、合成樹脂材料に近赤外線を照射し、吸収スペクトルを計測することで、合成樹脂材料の種類を特定する。近赤外線吸収スペクトルの特徴として、水素結合や分子間相互作用でピーク位置や幅、強度が変化するため、臭素含有樹脂も近赤外線吸収スペクトルを計測することにより識別することができる。
図2は、本発明の実施の形態1における近赤外線識別システムを模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、近赤外線識別システム20は、粉砕された混合材料を搬送する搬送装置1と、搬送装置1により運搬される混合材料の個々の材質を判別する情報取得装置である近赤外線識別装置4と、吐出口5を備える管体8と、管体8に高圧空気を供給する空圧源15と、空圧源15から管体8への高圧空気を制御する電磁弁10と、制御手段14と、分別板6とを備えている。
本実施の形態1においては、近赤外線識別装置4は、分別対象とする熱可塑性樹脂材としてポリプロピレンを設定しており、粉砕された混合材料からポリプロピレンを判別する。
以下、近赤外自動選別システムの動作、作用を説明する。
分別対象となる熱可塑性樹脂材料2やその他の樹脂材料3を含む粉砕された熱可塑性樹脂廃材11を、それぞれが重ならないように搬送装置1の上に散布する。搬送装置1は、熱可塑性樹脂廃材11を約2m/秒の速度で、情報取得装置である近赤外線識別装置4に向けて搬送する。近赤外線識別装置4は、搬送装置1により搬送される熱可塑性樹脂廃材11の種類を判別すると共に、個々の幅方向(x軸方向)の位置情報を取得する。
具体的には、近赤外線識別装置4は、近赤外線センサを備え、分別対象となる熱可塑性樹脂材料2とその他の樹脂材料3との近赤外線吸収スペクトルの差に基づいて分別対象となる熱可塑性樹脂材料2とその他の樹脂材料3とを識別する。また、熱可塑性樹脂廃材11を撮像し、得られた画像の解析結果と近赤外線吸収スペクトルによる識別結果に基づいて分別対象となる熱可塑性樹脂材料2の位置情報を取得する。
搬送装置1は、熱可塑性樹脂廃材11を近赤外線識別装置4下流側に向けて搬送する。
制御手段14は、近赤外線識別装置4からの位置情報に基づいて電磁弁10を制御し、搬送装置1端部から落下する分別対象となる熱可塑性樹脂材料2に向けて吐出口5から高圧空気(吐出圧力:5bar)を噴射して、分別板6を飛び越えさせる。分別対象となる熱可塑性樹脂材料2以外のその他の樹脂材料3が吐出口5を通過する際には、吐出口5から高圧空気を噴射させないため、分別板6を飛び越えることなく落下する。これにより、分別対象となる熱可塑性樹脂材料2とその他の樹脂材料3とを分別し、熱可塑性樹脂材料2を効率的に高純度で回収することが可能となる。
近赤外線識別システム20の各構成部品の具体構成を説明すると、管体8は、具体的には金属製のパイプを例示することができる。電磁弁10は、具体的にはいわゆるソレノイドバルブである。制御手段14は、具体的にはいわゆるコンピュータである。空圧源15は、具体的には空気を一定の圧力で供給するコンプレッサーである。
近赤外線選別システムにより分別した熱可塑性樹脂材料2は、破砕機で2〜50mmの大きさに粉砕した後、図1のフローチャートに示すように乾式洗浄装置により表面付着物を除去して、樹脂片表面の汚れやシールなどを除去する。乾式洗浄の後、さらに、風力選別や静電セパレーター選別、金属感知選別などを行って、さらに不純物を除去するようにしてもよい。
なお、洗浄方法としては、乾式洗浄、湿式洗浄など種々の方式が存在するが、本発明では、水を使用しないために環境への影響が最も少ない乾式洗浄を採用した。また、乾式洗浄装置には、高速回転するハンマブレードの打撃によって表面付着物を除去する手段や、原料同士の相互擦り作用によって洗浄する手段等があるが、特に限定するものではない。
図3は、本発明の実施の形態1における乾式比重差選別装置を模式的に示す図である。
図3に示すように、乾式比重差選別装置30は、装置上部より供給された熱可塑性樹脂再生材21を、選別する選別デッキ22と、選別デッキ22上で熱可塑性樹脂再生材21を重比重と低比重に分別するための空気を吹出すための送風機23、送風機23からの空気を選別デッキ22に送り込むための一次コントロール室24、整流格子25、二次コントロール室26、通風多孔板27を備えている。
以下、乾式比重差選別装置による動作、作用を説明する。
傾斜した選別デッキ22上に比重差の異なる複数種類の熱可塑性樹脂再生材21を上部側から投入する。乾式比重差選別装置30内に備えられた送風機23が、外部よりエアーフィルタなどを介して吸気した空気を一次コントロール室24、整流格子25、二次コントロール室26、通風多孔板27を通過させる。その際、送風機23からの風量が選別デッキ22に均等に送られるように調整を行う。選別デッキ22は、振動により重比重物が登っていく方向に設定が行われており、供給された熱可塑性樹脂再生材21は、吹き上げる空気により浮遊を繰り返し、低比重物は傾斜の低い方に移動し、空気により浮遊しない重比重物は振動力により選別デッキ22を登ることになる。
このような振動を利用した振動比重差選別装置を利用することにより、例えば近赤外自動選別装置での選別が難しいPPとPVCを容易に選別することが可能となる。
このように、不純物として含まれていたPVCを、乾式比重差選別装置を用いて取除いたポリプロピレン樹脂材料を用いて、混練機のシリンダ、ダイス温度を180〜240℃に設定して加熱混練押出しを行った。この押出し時に、メッシュサイズ40〜100程度のスクリーンを通過させることで、メッシュより大きい金属成分やシリコン成分、ゴム成
分等の不溶異物を除去することができる。
また、再生材を利用した成形品の耐久性や機械物性を更に向上させるために、樹脂材再生化工程中の任意の工程において、酸化防止剤や熱安定性、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、抗菌剤、および着色剤などの添加剤を添加することもできる。
なお、押出機は、一軸押出機でも二軸押出機でも多軸押出機でもよいが、スクリュー形状や回転数、押出径や長さ等にもよるが、混練条件を向上させるために二軸以上の多軸押出機を用いることが好ましい。
また、本実施の形態1は、冷蔵庫のリサイクル工程を説明したが、冷蔵庫の合成樹脂廃材に限定されることなく、エアコンや洗濯乾燥機などの他の製品から回収した合成樹脂廃材や複数種類の製品から回収した合成樹脂廃材であってもよい。
得られた熱可塑性樹脂再生材は、射出成型を行うことにより、冷蔵庫やエアコンなどの家電製品や一般の樹脂成型品として再利用される。
(実施例1)
廃家電として回収された冷蔵庫の熱可塑性樹脂廃材から近赤外線選別システム及び乾式比重差選別装置を用いて選別回収したポリプロピレン樹脂からなる熱可塑性樹脂再生材を用いた。押出機により200℃で加熱しながら混練し、メッシュサイズを60で押出してペレットを作製し、射出成形の条件を成形温度200℃、金型温度30℃として、プレート(100mm角、3mm厚さ)を成形して変色評価用サンプルとした。
(比較例1)
廃家電として回収された冷蔵庫の熱可塑性樹脂廃材から近赤外線選別システムのみを用いて選別回収したポリプロピレン樹脂からなる熱可塑性樹脂再生材を用いた。押出機により200℃で加熱しながら混練し、メッシュサイズを60で押出してペレットを作製し、射出成形の条件を成形温度200℃、金型温度30℃として、プレート(100mm角、3mm厚さ)を成形して変色評価用サンプルとした。
実施例1及び比較例1で作成したプレート成形品中の塩素含有率は、蛍光X線測定装置によって測定を行った。経時的な変色評価は、まず成形後の評価用プレートを色彩色差計にて測定した表色値を初期の基準色として、そのプレートを100℃恒温槽に200時間入れ、取り出した後の表色値を測定し、初期基準色との色差ΔEを求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0006114917
表1の結果からわかるように、比較例1の塩素濃度が1500ppm程度のものは、Δ
Eが大きく、変色度合いが著しいことがわかる。それに比べて実施例1は塩素濃度及びΔEが小さく、変色しないことがわかった。
以上のように、本発明にかかる熱可塑性樹脂再生材によれば、再生材を用いた成形品の外観品位を向上させることができ、廃家電や一般廃棄物を別の成型品に再資源化できる手法として、材料の資源循環に適用できる。
1 搬送装置
2 熱可塑性樹脂材料
3 その他の樹脂材料
4 近赤外線識別装置
5 吐出口
6 分別板
8 管体
10 電磁弁
11 熱可塑性樹脂廃材
14 制御手段
15 空圧源
20 近赤外線識別システム
21 熱可塑性樹脂再生材
22 選別デッキ
23 送風機
24 一次コントロール室
25 整流格子
26 二次コントロール室
27 通風多孔板
30 乾式比重差選別装置

Claims (4)

  1. ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を含む熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材から乾式選別手段を用いて分別回収する熱可塑性樹脂再生材であって
    前記乾式選別手段は、近赤外分光法による第1の選別手段と、振動を利用した比重選別による第2の選別手段を有し、
    前記第1の選別手段は、ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を、他の熱可塑性樹脂と分別して回収し、
    前記第2の選別手段は、ポリプロピレン樹脂を、塩化ビニル樹脂と分別して回収する熱可塑性樹脂再生材。
  2. 前記第1の選別手段で分別回収したポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂に対して、乾式洗浄を行う請求項1に記載の熱可塑性樹脂再生材。
  3. 前記熱可塑性樹脂廃材が、家庭用冷蔵庫・冷凍庫、家庭用空調機、洗濯機から回収された請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂再生材。
  4. ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を含む熱可塑性樹脂が混在する熱可塑性樹脂廃材から熱可塑性樹脂再生材を分別回収する方法であって、
    近赤外分光法により、ポリプロピレン樹脂および塩化ビニル樹脂を、他の熱可塑性樹脂と分別して回収し、
    振動を利用した比重選別により、ポリプロピレン樹脂を、塩化ビニル樹脂と分別して回収する熱可塑性再生材の分別回収方法。
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