JP2004314270A - 棒材供給機のフィードパイプ搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】棒材供給機で棒材を円滑に走行させる。
【解決手段】棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ(18)走行用の条体(21)と、条体(21)の弛み部分を受け止めて案内する案内レール(23)と、スライダ(18)に連結されるフィードパイプと、フィードパイプを案内する溝部材とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体の弛み部分を案内レール(23)の案内面(23a)上に浮上させる突起(36)が案内面(23a)に設けられる。案内レールの案内面に条体の弛み部分が接触しようとしても、突起が条体を案内面上に浮上させ、条体を案内面上の油から離反させる。条体に油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材を適正な送出力で送ることができ、また棒材に加わる圧縮力が低減する。
【選択図】 図7
【解決手段】棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ(18)走行用の条体(21)と、条体(21)の弛み部分を受け止めて案内する案内レール(23)と、スライダ(18)に連結されるフィードパイプと、フィードパイプを案内する溝部材とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体の弛み部分を案内レール(23)の案内面(23a)上に浮上させる突起(36)が案内面(23a)に設けられる。案内レールの案内面に条体の弛み部分が接触しようとしても、突起が条体を案内面上に浮上させ、条体を案内面上の油から離反させる。条体に油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材を適正な送出力で送ることができ、また棒材に加わる圧縮力が低減する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒材供給機のフィードパイプ搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒材の加工に棒材供給機が用いられている。この棒材供給機は棒材を旋盤、転造機等の加工機に送るためのフィードパイプ搬送装置を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来のフィードパイプ搬送装置は、図1に示すように、棒材供給機の前後部のプーリ100,101間に掛け渡された無端タイミングベルト102と、この無端タイミングベルト102の上走行部102aに固定されたスライダ103と、スライダ103に接してスライダ103を案内する案内レール104とを備える。図示しないが、スライダ103にはフィードパイプが連結され、フィードパイプは溝部材内を走行するようになっている。
【0004】
後部の駆動プーリ101が正転することにより無端タイミングベルト102の上走行部102aがスライダ103と共に案内レール104上を前進すると、棒材の後端を把持したフィードパイプが溝部材上を前進し、棒材を加工機の方に供給する。加工機はフィードパイプに保持された棒材を主軸のチャックで掴んで回転させながら加工する。フィードパイプの先端のフィンガーチャックは棒材の後端を支持しつつ棒材と共に回転する。加工機は棒材に対して所定の加工を行うと製品部分を切り離してチャックを開き棒材を解放する。そこで、加工機が主軸固定型旋盤の場合は棒材供給機が無端タイミングベルト102の駆動により棒材を所定長さだけ加工機の方に送ると、加工機が主軸のチャックで棒材の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。また、加工機が主軸移動型旋盤の場合は棒材供給機が無端タイミングベルト102の駆動により棒材の先端を加工機側のストッパに押し付け、加工機の主軸が反ストッパ側に後退してチャックで棒材の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。以後上記と同様な動作が繰り返され、棒材から多数の製品が切り出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−315472号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
無端タイミングベルト102は長いので、図1乃至図3に示すように、棒材の搬送中に無端タイミングベルト102の上走行部102aに弛みを生じる。スライダ103の案内レールはこの無端タイミングベルト102の弛み部分Aを受け止めて案内する案内レールとしても機能するようになっている。すなわち、スライダ103が案内レール104の案内面104a上を走行するとき、無端タイミングベルト102の弛み部分Aがこの案内面104aに接触しつつ走行する。
【0007】
ところで、この無端タイミングベルト102の弛み部分Aと案内面104aとの接触面が乾いた状態にあればさして問題は生じないのであるが、この接触面に油が付着した場合に不具合が生じる。すなわち、無端タイミングベルト102又は案内レール104の案内面104aには切削油、潤滑油等の油が付着しやすく、この油が無端タイミングベルト102と案内レール104の案内面104aとの接触面に介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト102に対してブレーキ力となって作用する。図3に示すように、油は無端タイミングベルト102の歯溝部にも溜まるが、この油105も無端タイミングベルト102に対してブレーキ力となって作用する。このようなブレーキ力が生じると、棒材を加工機側に前進させる場合に棒材に与える送出力が低下して棒材の加工機に対する送り出し不足が発生し、加工精度の低下を招くおそれがある。また、無端タイミングベルト102の弛み部分Aの案内面104aに対する接触具合はスライダ103の案内面104a上での位置により異なるので、加工の進行に従って棒材の送出力が変動し、加工精度の低下を招くおそれがある。
【0008】
また、加工機が主軸移動型旋盤である場合は製品の加工中主軸が後退すると同時にフィードパイプも後退するが、その際上記ブレーキ力が作用すると主軸の後退により棒材に無理な圧縮力がかかり、棒材が屈曲し変形するおそれがある。この棒材の屈曲は棒材が細くなるほど顕著に現れる。
【0009】
本発明は上記諸問題点を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ(18)走行用の条体(21)と、条体(21)の弛み部分(A)を受け止めて案内する案内レール(23)と、スライダ(18)に連結されるフィードパイプ(4)と、フィードパイプ(4)を案内する溝部材(6)とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体(21)の弛み部分(A)を案内レール(23)の案内面(23a)上に浮上させる突起(36,38,39,40,41,42)が案内面(23a)に設けられた棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0011】
条体には、ロープ、平ベルト、タイミングベルト等が含まれる。また、両端が開放されたもの、両端が連結された無端状のものも含まれる。
【0012】
この請求項1に係る発明によれば、条体(21)の作動によりスライダ(18)が走行し、スライダ(18)を介してフィードパイプ(4)が溝部材(6)内を移動し、フィードパイプ(4)に保持された棒材(5)が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際案内レール(23)の案内面(23a)に条体(21)の弛み部分(A)が接触しようとしても、案内面(23a)の突起(36,38,39,40,41,42)が条体(21)を案内面(23a)上に浮上させ、条体(21)を案内面(23a)上の油から離反させる。このため、条体(21)には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材(5)を加工機側に前進させる場合は棒材(5)に適正な送出力を与えて正確に送ることができ、また棒材(5)を後退させる場合は棒材(5)に加わる圧縮力を低減して棒材(5)の変形を防止することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(36,42)が案内レール(23)の案内面(23a)上に所定間隔で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0014】
この請求項2に係る発明によれば、突起を簡易に案内レール(23)の案内面(23a)に形成することができる。また、既存の棒材供給機であっても機械を細かく分解することなく突起(36,42)を形成することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(38,39,40,41)が案内レール(23)の案内面(23a)上に線状に形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0016】
この請求項3に係る発明によれば、突起(38,39,40,41)が案内レール(23)の案内面(23a)上に線状に形成されているので、条体(21)を案内面(23a)の全長にわたって浮上させ、案内面(23a)上の油との接触を確実に防止することができる。
【0017】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(39)が案内レール(23)の案内面(23a)上に複数列で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0018】
この請求項4に係る発明によれば、突起(39)が案内レール(23)の案内面(23a)上に複数列で形成されているので、条体(21)が例えば帯状であっても案内面(23a)上に適正に浮上させ、案内面(23a)上の油との接触を確実に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
<実施の形態1>
図4及び図5に示すように、この棒材供給機は、二本の脚1a、脚1a上に水平に且つ平行に固定された二本の梁1b,1c、梁1b,1c上にその前後方向に間欠的に固定された枠体1d等よりなるフレーム1を有する。二本の梁1b,1cはこの棒材供給機の前後方向に伸びており、各枠体1dはこの棒材供給機の左右方向に延びている。
【0021】
上記枠体1dの全てには、図示しないが相互に連通する貫通穴と貫通穴に至る斜面とが形成されている。貫通穴間には、図4に示すように、フィードパイプ4や棒材5を案内する溝部材6を備えたフィードパイプ搬送装置7が収容され、斜面間には棒材5の新材を補給するための新材補給装置が装着されている。
【0022】
新材補給装置は、公知の装置であるから詳しくは説明しないが、制御部から棒材5の新材の補給を要求する信号が発せられると、突上げリンクが上記斜面後方の棚から一本の棒材5を斜面上に突き上げるようになっている。この突き上げられた棒材5は斜面上を転がってフィードパイプ搬送装置7の溝部材6の溝内へと落下する。
【0023】
溝部材6の溝内に入った新しい棒材5は、図4及び図6に示す押し棒17によって溝内を前方へ押され、次にフィードパイプ4により後端を把持される。
【0024】
押し棒17は丸棒で構成され、図6に示すように、板状の連結腕17aによりフィードパイプ搬送装置7の後述するスライダ18に連結される。
【0025】
フィードパイプ4は、図6に示すように、棒材5の後端を把持するフィンガーチャック4aを棒状本体4bの先端に有し、棒状本体4bをフィードパイプ搬送装置7に係脱自在に連結する連結腕4cを棒状本体4bの後端に有する。フィンガーチャック4aは図示しないすり割り溝で形成されたフィンガーを有し、その弾性変形によって棒材5の後端を把持する。フィンガーチャック4aは図示しないラジアルベアリング及びスラストベアリングを介し丸棒本体4bに連結されている。連結腕4cは板状体であり、フィードパイプ搬送装置7の方へと片持ち状に突出し、フィードパイプ搬送装置7の後述するスライダ18に係脱自在に係合する。
【0026】
フィードパイプ搬送装置7は、図4乃至図8に示すように、棒材供給機の前後部に設けられたプーリ19,20と、両プーリ19,20間に掛け渡された条体である無端タイミングベルト21と、この無端タイミングベルト21に固定された、フィードパイプ4が連結されるスライダ18と、スライダ18を案内する上下の案内レール22,23と、フィードパイプ4を案内する溝部材6とを具備する。
【0027】
溝部材6は、図4に示すように、棒材供給機のフレーム1上を前後方向に伸びている。また、溝部材6は前部と後部とに分割され、前後部の溝部材6a,6b間には図示しないクランプ装置を収納するためのスペース24が設けられている。溝部材6は、図8に示すように円筒をその中心軸を含む水平面で割ったような形であり、押し棒17やフィードパイプ4や棒材5を収容したり案内したりする溝を有する。なお、クランプ装置は公知の構成であるから詳しく説明しないが、フィードパイプ4が棒材5の後端を把持するまで棒材5を固定しておくためのもので、棒材5をクランプする一対の爪片や、爪片を駆動するためのエアシリンダ等を有している。
【0028】
図示しないが後部溝部材6bは上下二段になっており、上段の後部溝部材6bUはフィードパイプ4の案内用となり、下段の後部溝部材6bLは押し棒17の案内用となる。上下二段の後部溝部材6bU、6bLはエアシリンダ等により一体で上下二位置に選択的に切り換えられ、下降位置では上段の後部溝部材6bUが前部溝部材6aに連通し、上昇位置では下段の後部溝部材6bLが前部溝部材6aに連通し上段の後部溝部材6bUはフィードパイプ4を保持したまま上昇する。図4に示すように、新材の棒材5が補給される際は、フィードパイプ4は上段の後部溝部材6bU内で待機し(この時、後部溝部材6bUは上昇している。)、押し棒17は下段の後部溝部材6bLの後方で待機する(この時、後部溝部材6bLは上昇し前部溝部材6aに連通している。)。
【0029】
前部の従動プーリ19は、図6に示すように、上記フレーム1の前端に固定されたブラケット1eに水平軸を介し回転自在に支持され、後部の駆動プーリ20は上記フレーム1の後端に固定されたサーボモータ25の水平な出力軸に固定される。
【0030】
図7及び図8に示すように、両プーリ19,20間に掛け渡された無端タイミングベルト21は、上走行部21aと下走行部21bとを有し、そのうち上走行部21aにスライダ18を有している。スライダ18は上板片18aと下板片18bとで構成され、上下の板片18a,18bが無端タイミングベルト21の上走行部21aの上下面に当てられた上で三者間に固定ボルト26が通されることによりブロック化される。このスライダ18は望ましくはタイミングベルト21の継部に設けられることによりタイミングベルトを無端状にするための継手を兼ねる。このスライダ18の上板片18aの上面と下板片18bの下面は上下の案内レール22,23に対して滑りやすいように夫々平滑面33に形成され、各平滑面33が上下の案内レール22,23の案内面に接触する。また、スライダ18の上部すなわち上板片18aの上部にはフィードパイプ4の連結腕4cが係脱自在に係合する係合溝27と、押し棒17の連結腕17aが嵌め込まれ固定される固定溝28とが形成されている。これら二つの連結腕4c,17aの上面も平滑面34とされ、スライダ18と同様に上案内レール22の案内面に接触する。なお、フィードパイプ4の搬送を円滑化し振動を低減する上でスライダ18は摩擦係数が小さく、軽量であり、低騒音であるのが望ましく、そのため上下板片18a,18bは例えば軽量金属や合成樹脂等で形成される。
【0031】
図6及び図7に示すように、上下の案内レール22,23は棒材供給機の前後部のプーリ19,20間に平行に設けられ、図7及び図8に示すように上案内レール22はスライダ18の上側の平滑面33及び二つの連結腕4c,17aの上面の平滑面34に接触し、下案内レール23はスライダ18の下側の平滑面33に接触する。これによりスライダ18及び二つの連結腕4c,17aは上下両案内レール22,23により上下から挟まれるので、フィードパイプ4は滑らかに溝部材6の溝内を往復動する。また、フィードパイプ4が把持した棒材5が回転する際にもフィードパイプ4の振動が低減する。図7に示すように、上案内レール22の後端22aは、フィードパイプ4の上昇時にその連結腕4cに干渉しないように、フィードパイプ4の待機位置における連結腕4cの位置よりも前方で終わっている。
【0032】
また、図8に示すように、望ましくは上記スライダ18の左右両側にも平滑面35が形成され、これらの平滑面35に夫々接してスライダ18を案内する左右両側の案内レール29,30が棒材供給機の前後部間に平行に設けられる。これにより、スライダ18は上下左右から案内レール22,23,29,30により囲まれることになり、ガタつきがより低減した状態で案内され、従ってフィードパイプ4の振動は更に低減する。
【0033】
上記上下の案内レール22,23又は上下左右の案内レール22,23,29,30は互いに別体として形成した上でフレーム1上に取り付けることもできるが、図8に示すように、望ましくは一体の成形体として構成される。この成形体は例えばアルミニウムの押し出し成形品として得ることができる。このように上下の案内レール22,23又は上下左右の案内レール22,23,29,30が一体の成形体として構成されることにより、案内レール22,23,29,30の棒材供給機に対する組み付けが簡易化され、組み付け後も狂いが生ぜず、従ってフィードパイプ4の移動が円滑になり振動が低減する。
【0034】
図1に示したように、条体である無端タイミングベルト102は長いので弛みやすい。そこで、この実施の形態ではスライダ18の案内レール23を無端タイミングベルト21の弛み部分Aを受け止めて案内する案内レールとしても利用している。すなわち、スライダ18が案内レール23の案内面23a上を走行するとき、この案内面23aが無端タイミングベルト21の弛み部分Aを受け止めつつ案内する。ところが、既述の如くこの弛み部分Aと案内レール23の案内面23aとの接触面に切削油、潤滑油等の油が介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト21に対してブレーキ力となって作用する。
【0035】
このブレーキ力を低減するため、図7乃至図10に示すように、条体である無端タイミングベルト21の弛み部分Aを案内レール23の案内面23a上に浮上させる突起36がスライダ18に干渉しないようにこの案内面23aに設けられる。
【0036】
無端タイミングベルト21の作動によりスライダ18が案内レール23上をスライドし、スライダ18を介してフィードパイプ4が溝部材6の溝内を移動し、フィードパイプ4に保持された棒材5が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際下案内レール23の案内面23aに無端タイミングベルト21の上走行部21aの弛み部分Aが接触しようとしても、案内面23aの突起36が弛み部分Aを案内面23a上に浮上させ、弛み部分Aを案内面23a上の油から離反させる。このため、無端タイミングベルト21には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材5を加工機側に前進させる場合は棒材5に適正な送出力が与えられ、また棒材5を後退させる場合は棒材5に加わる圧縮力が低減する。
【0037】
突起36は略半球形に形成され、この略半球形の突起36が案内レール23の案内面23a上に所定間隔で一列に設けられる。もちろん、突起36は円錐台形等他の形状に形成してもよく、また複数列で設けても良い。突起36は、例えばポンチ等の工具を案内レール23に押し付ける等プレス形成される。その場合は既存の棒材供給機に対して機械を細かく分解することなく突起36を加工することができる。
【0038】
突起36がスライダ18を案内する案内レール23の案内面23a上に形成される結果、突起36がスライダ18に干渉しないようにするため、干渉防止手段が設けられる。具体的には、図7及び図8に示すように、スライダ18の下面に突起36との衝突を避けるための縦溝37がスライダ18の長さ方向に形成される。これにより、スライダ18は案内面23a上に突起36を跨ぐように乗って案内面23aの両側の平滑な案内面23aの上を円滑にスライドする。
【0039】
次に、上記棒材供給機の作用について説明する。
【0040】
新材である棒材5を棒材供給機に補給するに当たり、図4の状態において図示しない新材補給装置が作動する前に後部溝部材6bが上昇し、上段の後部溝部材6bUがフィードパイプ4を持ち上げる。フィードパイプ4が持ち上げられるとその連結腕4cはスライダ18の係合溝27から離脱し無端タイミングベルト21から離れる。また、下段の後部溝部材6bLが前部溝部材6aに連通し、押し棒17の先端が下段の後部溝部材6bLの入口に臨む。
【0041】
そこで、図示しない新材補給装置が作動し、棒材5を溝部材6の溝内に補給すると、無端タイミングベルト21が駆動し、スライダ18が案内レール22,23,29,30により囲まれたトンネル内を前進する。押し棒17は連結腕17aを介しスライダ18に牽引されつつ溝部材6の溝内を前進し、その前端で棒材5の後端を押す。押し棒17は棒材5の後部が前部溝部材6aと後部溝部材6bとの間に設けられる図示しないクランプ装置に到達するまで棒材5を前方へ押し出す。クランプ装置はこの押し出された棒材5をクランプする。
【0042】
押し棒17が無端タイミングベルト21の逆転により原位置に復帰すると、後部溝部材6bが下降しフィードパイプ4を原位置に復帰させる。フィードパイプ4の連結腕4cはスライダ18の係合溝27に係合し、これによりフィードパイプ4は無端タイミングベルト21に連結される。
【0043】
フィードパイプ4が無端タイミングベルト21の正転により溝部材6の溝内を前進すると、その先端のフィンガーチャック4aが、クランプ装置により固定された棒材5の後端を把持する。そこで、クランプ装置が棒材5のクランプを解除する。
【0044】
その後、フィードパイプ4は駆動プーリ20の正転による無端タイミングベルト21の走行により更に前進し、棒材5を加工機の方に供給する。加工機は棒材5をチャックで掴んで回転させながら加工する。フィードパイプ4のフィンガーチャック4aは棒材5の後端を支持しつつ棒材5と共に回転する。この棒材5の回転中、フィードパイプ4の連結腕4cはスライダ18を介し上下の案内レール22,23更には左右の案内レール29,30によりガタつかないように保持されるのでフィードパイプ4の振動が低減し、従って棒材5に対し精度のよい加工がなされる。
【0045】
加工機は棒材5に対して一加工を行うと製品部分を切り離して棒材5を解放する。そこで、加工機が主軸固定型旋盤の場合は、棒材供給機が無端タイミングベルト21を駆動して棒材5を所定長さだけ加工機の方に送り、加工機のチャックが棒材5の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行う。また、加工機が主軸移動型旋盤の場合は、棒材供給機が無端タイミングベルト21の駆動により棒材5の先端を加工機側の図示しないストッパに押し付け、加工機の主軸が反ストッパ側に後退してチャックで棒材5の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。
【0046】
このような加工が一本の棒材5に対して繰り返され、棒材5が消費されると、残材が除去された後、上記と同様にして新しい棒材5が補給され、上記加工が繰り返される。
【0047】
上記棒材の搬送中に無端タイミングベルト21の上走行部21aが弛み、この弛み部分Aが案内レール23の案内面23aに接触する場合がある。この接触面に切削油、潤滑油等の油が介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト21に対してブレーキ力となって作用するが、案内レール23上の突起36が弛み部分Aを案内面23a上に浮上させるのでこのようなブレーキ力の発生を防止する。
【0048】
これにより、棒材5を加工機側に前進させる場合に棒材5に適正な送出力が与えられ、棒材5は加工機に正確に送り出される。従って、精度良く加工が行われる。また、加工機が主軸移動型旋盤である場合は製品の加工中に主軸が後退するが、この主軸の後退によっても棒材5に大きな圧縮力が作用しなくなるので棒材の屈曲変形が防止される。
【0049】
ちなみに、案内面104aに突起を有しない従来品、案内面104aに油を塗布した従来品、案内面23aに突起36を設け油を塗布した本発明品の三点について送出力を測定したところ表1の結果を得ることができた。表1において、目盛りは無端タイミングベルト102,21の駆動プーリ101,20のモータ25の出力を制御する抵抗器の目盛りであり、0%は出力0に対応し、100%は最大出力に対応する。テストはプーリ100,101又は19,20間の距離を4600mmとし、油圧作動油を約100cc案内面104a,23a上に流し込み5分経過した後に開始した。
【0050】
【表1】
【0051】
図25は表1の結果をグラフ化したものである。
【0052】
表1及び図25から明らかなように、従来品では案内面104aに油が付着すると送出力が約10N低下するが、案内面23aに突起36を形成した場合は油が付着しても従来品の油が付着していない場合と同程度の送出力を回復することができる。
【0053】
<実施の形態2>
図11及び図12に示すように、この実施の形態2では、他の実施の形態と異なり、突起38が案内レール23の案内面23a上に線状に形成される。
【0054】
このように、突起38が案内レール23の案内面23a上に線状に形成されることで、条体である無端タイミングベルト21は案内面23aの全長にわたって浮上し、案内面23a上の油との接触を絶たれる。
【0055】
この突起38は、プレス成形等により断面山形に形成されているが、台形、半円形等他の形状とすることができる。
【0056】
<実施の形態3>
図13及び図14に示すように、この実施の形態3では、実施の形態2の場合と同様に突起39が案内レール23の案内面23a上に線状に形成されるが、実施の形態2の場合と異なり断面円形に形成される。
【0057】
この突起39は、具体的には細長い丸棒を案内面23a上に溶接等により固着することにより形成される。
【0058】
<実施の形態4>
図15に示すように、この実施の形態4では、実施の形態1,2,3の場合と異なり、突起39が案内レール23の案内面23a上に複数列で形成される。
【0059】
このように、突起39が案内レール23の案内面23a上に複数列で形成されることにより、帯状の無端タイミングベルト21が案内面23a上に適正に浮上することとなり、案内面23a上の油との接触が確実に防止される。
【0060】
この突起39は実施の形態3の突起39を形成する丸棒が複数本平行に配置されているが、実施の形態1の突起36、実施の形態2の突起38、その他後述する実施の形態の突起等を複数列で配置してもよい。
【0061】
<実施の形態5>
図16及び図17に示すように、この実施の形態5では、実施の形態3の場合と同様に突起40が案内レール23の案内面23a上に固着された線材で形成されるが、実施の形態3と異なり断面三角形に形成される。
【0062】
<実施の形態6>
図18及び図19に示すように、この実施の形態6では、実施の形態3,4,5の場合と同様に突起41が案内レール23の案内面23a上に固着された線材で形成されるが、実施の形態3,4,5と異なり断面四角形に形成される。
【0063】
<実施の形態7>
図20に示すように、この実施の形態7では、実施の形態1の場合と同様に突起42が案内面23a上に間欠的に形成されるが、実施の形態1の場合と異なり、案内レール23と別体のブロック片が案内面23a上に所定のピッチで固着されることにより形成される。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記各種実施の形態1〜7では断面略四角形の案内レール22,23,29,30を用いたが、その他図21〜図24の各種の形状の案内レールを使用することができる。図21に示す案内レールは、実施の形態1の断面略四角形の案内レール22,23,29,30から側面のレール30が省略され、図22に示す案内レールは、実施の形態1の断面略四角形の案内レール22,23,29,30から天面のレール22が省略され、図23に示す案内レールは、さらに一方の側面のレール30が省略され、図24に示す案内レールは、さらに他方の側面のレール29が省略されている。このような各種の形状の案内レールを用いた場合でも表1及び図25に示した結果と同様な結果を得ることができる。また、スライダ18と無端タイミングベルト21を同一の案内レール23で案内しているが、スライダ18と無端タイミングベルト21をそれぞれ別個の案内レールで案内するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によれば、棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ走行用の条体と、条体の弛み部分を受け止めて案内する案内レールと、スライダに連結されるフィードパイプと、フィードパイプを案内する溝部材とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体の弛み部分を案内レールの案内面上に浮上させる突起が案内面に設けられた棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体の作動によりスライダが走行し、スライダを介してフィードパイプが溝部材内を移動し、フィードパイプに保持された棒材が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際案内レールの案内面に条体の弛み部分が接触しようとしても、案内面の突起が条体を案内面上に浮上させ、条体を案内面上の油から離反させる。このため、条体には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材を加工機側に前進させる場合は棒材に適正な送出力を与えて正確に送ることができ、また棒材を後退させる場合は棒材に加わる圧縮力を低減して棒材の変形を防止することができる。
【0066】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に所定間隔で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、突起を簡易に案内レールの案内面に形成することができる。また、既存の棒材供給機であっても機械を細かく分解することなく突起を形成することができる。
【0067】
請求項3に係る発明によれば、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に線状に形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体を案内面の全長にわたって浮上させ、案内面上の油との接触を確実に防止することができる。
【0068】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に複数列で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体が例えば帯状であっても案内面上に適正に浮上させ、案内面上の油との接触を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフィードパイプ搬送装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1中、II−II線矢視断面図である。
【図3】図2中、III−III線矢視断面図である。
【図4】本発明実施の形態1に係るフィードパイプ搬送装置を備えた棒材供給機の平面図である。
【図5】図4に示した棒材供給機の立面図である。
【図6】フィードパイプ搬送装置の平面図である。
【図7】図6中VII−VII線矢視断面図である。
【図8】図7中VIII−VIII線矢視断面である。
【図9】図7中IX−IX線矢視断面図である。
【図10】図9中X−X線矢視断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2を示す、図9と同様な断面図である。
【図12】図11中XII−XII線矢視断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3を示す、図9と同様な断面図である。
【図14】図13中XIV−XIV線矢視断面図である。
【図15】本発明の実施の形態4を示す、図9と同様な断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5を示す、図9と同様な断面図である。
【図17】図16中XVII−XVII線矢視断面図である。
【図18】本発明の実施の形態6を示す、図9と同様な断面図である。
【図19】図18中XIX−XIX線矢視断面図である。
【図20】本発明の実施の形態7を示す、図10と同様な断面図である。
【図21】案内レールの一変形例を示す断面図である。
【図22】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図23】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図24】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図25】案内面に突起を有しない従来品、案内面に油を塗布した従来品、案内面に突起を設け油を塗布した本発明品の三点についての送出力の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
4…フィードパイプ
5…棒材
6…溝部材
18…スライダ
21…無端タイミングベルト
23…案内レール
23a…案内レールの案内面
36,38,39,40,41,42…突起
A…無端タイミングベルトの弛み部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒材供給機のフィードパイプ搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒材の加工に棒材供給機が用いられている。この棒材供給機は棒材を旋盤、転造機等の加工機に送るためのフィードパイプ搬送装置を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来のフィードパイプ搬送装置は、図1に示すように、棒材供給機の前後部のプーリ100,101間に掛け渡された無端タイミングベルト102と、この無端タイミングベルト102の上走行部102aに固定されたスライダ103と、スライダ103に接してスライダ103を案内する案内レール104とを備える。図示しないが、スライダ103にはフィードパイプが連結され、フィードパイプは溝部材内を走行するようになっている。
【0004】
後部の駆動プーリ101が正転することにより無端タイミングベルト102の上走行部102aがスライダ103と共に案内レール104上を前進すると、棒材の後端を把持したフィードパイプが溝部材上を前進し、棒材を加工機の方に供給する。加工機はフィードパイプに保持された棒材を主軸のチャックで掴んで回転させながら加工する。フィードパイプの先端のフィンガーチャックは棒材の後端を支持しつつ棒材と共に回転する。加工機は棒材に対して所定の加工を行うと製品部分を切り離してチャックを開き棒材を解放する。そこで、加工機が主軸固定型旋盤の場合は棒材供給機が無端タイミングベルト102の駆動により棒材を所定長さだけ加工機の方に送ると、加工機が主軸のチャックで棒材の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。また、加工機が主軸移動型旋盤の場合は棒材供給機が無端タイミングベルト102の駆動により棒材の先端を加工機側のストッパに押し付け、加工機の主軸が反ストッパ側に後退してチャックで棒材の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。以後上記と同様な動作が繰り返され、棒材から多数の製品が切り出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−315472号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
無端タイミングベルト102は長いので、図1乃至図3に示すように、棒材の搬送中に無端タイミングベルト102の上走行部102aに弛みを生じる。スライダ103の案内レールはこの無端タイミングベルト102の弛み部分Aを受け止めて案内する案内レールとしても機能するようになっている。すなわち、スライダ103が案内レール104の案内面104a上を走行するとき、無端タイミングベルト102の弛み部分Aがこの案内面104aに接触しつつ走行する。
【0007】
ところで、この無端タイミングベルト102の弛み部分Aと案内面104aとの接触面が乾いた状態にあればさして問題は生じないのであるが、この接触面に油が付着した場合に不具合が生じる。すなわち、無端タイミングベルト102又は案内レール104の案内面104aには切削油、潤滑油等の油が付着しやすく、この油が無端タイミングベルト102と案内レール104の案内面104aとの接触面に介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト102に対してブレーキ力となって作用する。図3に示すように、油は無端タイミングベルト102の歯溝部にも溜まるが、この油105も無端タイミングベルト102に対してブレーキ力となって作用する。このようなブレーキ力が生じると、棒材を加工機側に前進させる場合に棒材に与える送出力が低下して棒材の加工機に対する送り出し不足が発生し、加工精度の低下を招くおそれがある。また、無端タイミングベルト102の弛み部分Aの案内面104aに対する接触具合はスライダ103の案内面104a上での位置により異なるので、加工の進行に従って棒材の送出力が変動し、加工精度の低下を招くおそれがある。
【0008】
また、加工機が主軸移動型旋盤である場合は製品の加工中主軸が後退すると同時にフィードパイプも後退するが、その際上記ブレーキ力が作用すると主軸の後退により棒材に無理な圧縮力がかかり、棒材が屈曲し変形するおそれがある。この棒材の屈曲は棒材が細くなるほど顕著に現れる。
【0009】
本発明は上記諸問題点を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ(18)走行用の条体(21)と、条体(21)の弛み部分(A)を受け止めて案内する案内レール(23)と、スライダ(18)に連結されるフィードパイプ(4)と、フィードパイプ(4)を案内する溝部材(6)とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体(21)の弛み部分(A)を案内レール(23)の案内面(23a)上に浮上させる突起(36,38,39,40,41,42)が案内面(23a)に設けられた棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0011】
条体には、ロープ、平ベルト、タイミングベルト等が含まれる。また、両端が開放されたもの、両端が連結された無端状のものも含まれる。
【0012】
この請求項1に係る発明によれば、条体(21)の作動によりスライダ(18)が走行し、スライダ(18)を介してフィードパイプ(4)が溝部材(6)内を移動し、フィードパイプ(4)に保持された棒材(5)が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際案内レール(23)の案内面(23a)に条体(21)の弛み部分(A)が接触しようとしても、案内面(23a)の突起(36,38,39,40,41,42)が条体(21)を案内面(23a)上に浮上させ、条体(21)を案内面(23a)上の油から離反させる。このため、条体(21)には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材(5)を加工機側に前進させる場合は棒材(5)に適正な送出力を与えて正確に送ることができ、また棒材(5)を後退させる場合は棒材(5)に加わる圧縮力を低減して棒材(5)の変形を防止することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(36,42)が案内レール(23)の案内面(23a)上に所定間隔で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0014】
この請求項2に係る発明によれば、突起を簡易に案内レール(23)の案内面(23a)に形成することができる。また、既存の棒材供給機であっても機械を細かく分解することなく突起(36,42)を形成することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(38,39,40,41)が案内レール(23)の案内面(23a)上に線状に形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0016】
この請求項3に係る発明によれば、突起(38,39,40,41)が案内レール(23)の案内面(23a)上に線状に形成されているので、条体(21)を案内面(23a)の全長にわたって浮上させ、案内面(23a)上の油との接触を確実に防止することができる。
【0017】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起(39)が案内レール(23)の案内面(23a)上に複数列で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置を採用する。
【0018】
この請求項4に係る発明によれば、突起(39)が案内レール(23)の案内面(23a)上に複数列で形成されているので、条体(21)が例えば帯状であっても案内面(23a)上に適正に浮上させ、案内面(23a)上の油との接触を確実に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
<実施の形態1>
図4及び図5に示すように、この棒材供給機は、二本の脚1a、脚1a上に水平に且つ平行に固定された二本の梁1b,1c、梁1b,1c上にその前後方向に間欠的に固定された枠体1d等よりなるフレーム1を有する。二本の梁1b,1cはこの棒材供給機の前後方向に伸びており、各枠体1dはこの棒材供給機の左右方向に延びている。
【0021】
上記枠体1dの全てには、図示しないが相互に連通する貫通穴と貫通穴に至る斜面とが形成されている。貫通穴間には、図4に示すように、フィードパイプ4や棒材5を案内する溝部材6を備えたフィードパイプ搬送装置7が収容され、斜面間には棒材5の新材を補給するための新材補給装置が装着されている。
【0022】
新材補給装置は、公知の装置であるから詳しくは説明しないが、制御部から棒材5の新材の補給を要求する信号が発せられると、突上げリンクが上記斜面後方の棚から一本の棒材5を斜面上に突き上げるようになっている。この突き上げられた棒材5は斜面上を転がってフィードパイプ搬送装置7の溝部材6の溝内へと落下する。
【0023】
溝部材6の溝内に入った新しい棒材5は、図4及び図6に示す押し棒17によって溝内を前方へ押され、次にフィードパイプ4により後端を把持される。
【0024】
押し棒17は丸棒で構成され、図6に示すように、板状の連結腕17aによりフィードパイプ搬送装置7の後述するスライダ18に連結される。
【0025】
フィードパイプ4は、図6に示すように、棒材5の後端を把持するフィンガーチャック4aを棒状本体4bの先端に有し、棒状本体4bをフィードパイプ搬送装置7に係脱自在に連結する連結腕4cを棒状本体4bの後端に有する。フィンガーチャック4aは図示しないすり割り溝で形成されたフィンガーを有し、その弾性変形によって棒材5の後端を把持する。フィンガーチャック4aは図示しないラジアルベアリング及びスラストベアリングを介し丸棒本体4bに連結されている。連結腕4cは板状体であり、フィードパイプ搬送装置7の方へと片持ち状に突出し、フィードパイプ搬送装置7の後述するスライダ18に係脱自在に係合する。
【0026】
フィードパイプ搬送装置7は、図4乃至図8に示すように、棒材供給機の前後部に設けられたプーリ19,20と、両プーリ19,20間に掛け渡された条体である無端タイミングベルト21と、この無端タイミングベルト21に固定された、フィードパイプ4が連結されるスライダ18と、スライダ18を案内する上下の案内レール22,23と、フィードパイプ4を案内する溝部材6とを具備する。
【0027】
溝部材6は、図4に示すように、棒材供給機のフレーム1上を前後方向に伸びている。また、溝部材6は前部と後部とに分割され、前後部の溝部材6a,6b間には図示しないクランプ装置を収納するためのスペース24が設けられている。溝部材6は、図8に示すように円筒をその中心軸を含む水平面で割ったような形であり、押し棒17やフィードパイプ4や棒材5を収容したり案内したりする溝を有する。なお、クランプ装置は公知の構成であるから詳しく説明しないが、フィードパイプ4が棒材5の後端を把持するまで棒材5を固定しておくためのもので、棒材5をクランプする一対の爪片や、爪片を駆動するためのエアシリンダ等を有している。
【0028】
図示しないが後部溝部材6bは上下二段になっており、上段の後部溝部材6bUはフィードパイプ4の案内用となり、下段の後部溝部材6bLは押し棒17の案内用となる。上下二段の後部溝部材6bU、6bLはエアシリンダ等により一体で上下二位置に選択的に切り換えられ、下降位置では上段の後部溝部材6bUが前部溝部材6aに連通し、上昇位置では下段の後部溝部材6bLが前部溝部材6aに連通し上段の後部溝部材6bUはフィードパイプ4を保持したまま上昇する。図4に示すように、新材の棒材5が補給される際は、フィードパイプ4は上段の後部溝部材6bU内で待機し(この時、後部溝部材6bUは上昇している。)、押し棒17は下段の後部溝部材6bLの後方で待機する(この時、後部溝部材6bLは上昇し前部溝部材6aに連通している。)。
【0029】
前部の従動プーリ19は、図6に示すように、上記フレーム1の前端に固定されたブラケット1eに水平軸を介し回転自在に支持され、後部の駆動プーリ20は上記フレーム1の後端に固定されたサーボモータ25の水平な出力軸に固定される。
【0030】
図7及び図8に示すように、両プーリ19,20間に掛け渡された無端タイミングベルト21は、上走行部21aと下走行部21bとを有し、そのうち上走行部21aにスライダ18を有している。スライダ18は上板片18aと下板片18bとで構成され、上下の板片18a,18bが無端タイミングベルト21の上走行部21aの上下面に当てられた上で三者間に固定ボルト26が通されることによりブロック化される。このスライダ18は望ましくはタイミングベルト21の継部に設けられることによりタイミングベルトを無端状にするための継手を兼ねる。このスライダ18の上板片18aの上面と下板片18bの下面は上下の案内レール22,23に対して滑りやすいように夫々平滑面33に形成され、各平滑面33が上下の案内レール22,23の案内面に接触する。また、スライダ18の上部すなわち上板片18aの上部にはフィードパイプ4の連結腕4cが係脱自在に係合する係合溝27と、押し棒17の連結腕17aが嵌め込まれ固定される固定溝28とが形成されている。これら二つの連結腕4c,17aの上面も平滑面34とされ、スライダ18と同様に上案内レール22の案内面に接触する。なお、フィードパイプ4の搬送を円滑化し振動を低減する上でスライダ18は摩擦係数が小さく、軽量であり、低騒音であるのが望ましく、そのため上下板片18a,18bは例えば軽量金属や合成樹脂等で形成される。
【0031】
図6及び図7に示すように、上下の案内レール22,23は棒材供給機の前後部のプーリ19,20間に平行に設けられ、図7及び図8に示すように上案内レール22はスライダ18の上側の平滑面33及び二つの連結腕4c,17aの上面の平滑面34に接触し、下案内レール23はスライダ18の下側の平滑面33に接触する。これによりスライダ18及び二つの連結腕4c,17aは上下両案内レール22,23により上下から挟まれるので、フィードパイプ4は滑らかに溝部材6の溝内を往復動する。また、フィードパイプ4が把持した棒材5が回転する際にもフィードパイプ4の振動が低減する。図7に示すように、上案内レール22の後端22aは、フィードパイプ4の上昇時にその連結腕4cに干渉しないように、フィードパイプ4の待機位置における連結腕4cの位置よりも前方で終わっている。
【0032】
また、図8に示すように、望ましくは上記スライダ18の左右両側にも平滑面35が形成され、これらの平滑面35に夫々接してスライダ18を案内する左右両側の案内レール29,30が棒材供給機の前後部間に平行に設けられる。これにより、スライダ18は上下左右から案内レール22,23,29,30により囲まれることになり、ガタつきがより低減した状態で案内され、従ってフィードパイプ4の振動は更に低減する。
【0033】
上記上下の案内レール22,23又は上下左右の案内レール22,23,29,30は互いに別体として形成した上でフレーム1上に取り付けることもできるが、図8に示すように、望ましくは一体の成形体として構成される。この成形体は例えばアルミニウムの押し出し成形品として得ることができる。このように上下の案内レール22,23又は上下左右の案内レール22,23,29,30が一体の成形体として構成されることにより、案内レール22,23,29,30の棒材供給機に対する組み付けが簡易化され、組み付け後も狂いが生ぜず、従ってフィードパイプ4の移動が円滑になり振動が低減する。
【0034】
図1に示したように、条体である無端タイミングベルト102は長いので弛みやすい。そこで、この実施の形態ではスライダ18の案内レール23を無端タイミングベルト21の弛み部分Aを受け止めて案内する案内レールとしても利用している。すなわち、スライダ18が案内レール23の案内面23a上を走行するとき、この案内面23aが無端タイミングベルト21の弛み部分Aを受け止めつつ案内する。ところが、既述の如くこの弛み部分Aと案内レール23の案内面23aとの接触面に切削油、潤滑油等の油が介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト21に対してブレーキ力となって作用する。
【0035】
このブレーキ力を低減するため、図7乃至図10に示すように、条体である無端タイミングベルト21の弛み部分Aを案内レール23の案内面23a上に浮上させる突起36がスライダ18に干渉しないようにこの案内面23aに設けられる。
【0036】
無端タイミングベルト21の作動によりスライダ18が案内レール23上をスライドし、スライダ18を介してフィードパイプ4が溝部材6の溝内を移動し、フィードパイプ4に保持された棒材5が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際下案内レール23の案内面23aに無端タイミングベルト21の上走行部21aの弛み部分Aが接触しようとしても、案内面23aの突起36が弛み部分Aを案内面23a上に浮上させ、弛み部分Aを案内面23a上の油から離反させる。このため、無端タイミングベルト21には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材5を加工機側に前進させる場合は棒材5に適正な送出力が与えられ、また棒材5を後退させる場合は棒材5に加わる圧縮力が低減する。
【0037】
突起36は略半球形に形成され、この略半球形の突起36が案内レール23の案内面23a上に所定間隔で一列に設けられる。もちろん、突起36は円錐台形等他の形状に形成してもよく、また複数列で設けても良い。突起36は、例えばポンチ等の工具を案内レール23に押し付ける等プレス形成される。その場合は既存の棒材供給機に対して機械を細かく分解することなく突起36を加工することができる。
【0038】
突起36がスライダ18を案内する案内レール23の案内面23a上に形成される結果、突起36がスライダ18に干渉しないようにするため、干渉防止手段が設けられる。具体的には、図7及び図8に示すように、スライダ18の下面に突起36との衝突を避けるための縦溝37がスライダ18の長さ方向に形成される。これにより、スライダ18は案内面23a上に突起36を跨ぐように乗って案内面23aの両側の平滑な案内面23aの上を円滑にスライドする。
【0039】
次に、上記棒材供給機の作用について説明する。
【0040】
新材である棒材5を棒材供給機に補給するに当たり、図4の状態において図示しない新材補給装置が作動する前に後部溝部材6bが上昇し、上段の後部溝部材6bUがフィードパイプ4を持ち上げる。フィードパイプ4が持ち上げられるとその連結腕4cはスライダ18の係合溝27から離脱し無端タイミングベルト21から離れる。また、下段の後部溝部材6bLが前部溝部材6aに連通し、押し棒17の先端が下段の後部溝部材6bLの入口に臨む。
【0041】
そこで、図示しない新材補給装置が作動し、棒材5を溝部材6の溝内に補給すると、無端タイミングベルト21が駆動し、スライダ18が案内レール22,23,29,30により囲まれたトンネル内を前進する。押し棒17は連結腕17aを介しスライダ18に牽引されつつ溝部材6の溝内を前進し、その前端で棒材5の後端を押す。押し棒17は棒材5の後部が前部溝部材6aと後部溝部材6bとの間に設けられる図示しないクランプ装置に到達するまで棒材5を前方へ押し出す。クランプ装置はこの押し出された棒材5をクランプする。
【0042】
押し棒17が無端タイミングベルト21の逆転により原位置に復帰すると、後部溝部材6bが下降しフィードパイプ4を原位置に復帰させる。フィードパイプ4の連結腕4cはスライダ18の係合溝27に係合し、これによりフィードパイプ4は無端タイミングベルト21に連結される。
【0043】
フィードパイプ4が無端タイミングベルト21の正転により溝部材6の溝内を前進すると、その先端のフィンガーチャック4aが、クランプ装置により固定された棒材5の後端を把持する。そこで、クランプ装置が棒材5のクランプを解除する。
【0044】
その後、フィードパイプ4は駆動プーリ20の正転による無端タイミングベルト21の走行により更に前進し、棒材5を加工機の方に供給する。加工機は棒材5をチャックで掴んで回転させながら加工する。フィードパイプ4のフィンガーチャック4aは棒材5の後端を支持しつつ棒材5と共に回転する。この棒材5の回転中、フィードパイプ4の連結腕4cはスライダ18を介し上下の案内レール22,23更には左右の案内レール29,30によりガタつかないように保持されるのでフィードパイプ4の振動が低減し、従って棒材5に対し精度のよい加工がなされる。
【0045】
加工機は棒材5に対して一加工を行うと製品部分を切り離して棒材5を解放する。そこで、加工機が主軸固定型旋盤の場合は、棒材供給機が無端タイミングベルト21を駆動して棒材5を所定長さだけ加工機の方に送り、加工機のチャックが棒材5の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行う。また、加工機が主軸移動型旋盤の場合は、棒材供給機が無端タイミングベルト21の駆動により棒材5の先端を加工機側の図示しないストッパに押し付け、加工機の主軸が反ストッパ側に後退してチャックで棒材5の他の箇所を把持し、前回と同様な加工を行って製品を切り出す。
【0046】
このような加工が一本の棒材5に対して繰り返され、棒材5が消費されると、残材が除去された後、上記と同様にして新しい棒材5が補給され、上記加工が繰り返される。
【0047】
上記棒材の搬送中に無端タイミングベルト21の上走行部21aが弛み、この弛み部分Aが案内レール23の案内面23aに接触する場合がある。この接触面に切削油、潤滑油等の油が介在すると、油の粘性等が無端タイミングベルト21に対してブレーキ力となって作用するが、案内レール23上の突起36が弛み部分Aを案内面23a上に浮上させるのでこのようなブレーキ力の発生を防止する。
【0048】
これにより、棒材5を加工機側に前進させる場合に棒材5に適正な送出力が与えられ、棒材5は加工機に正確に送り出される。従って、精度良く加工が行われる。また、加工機が主軸移動型旋盤である場合は製品の加工中に主軸が後退するが、この主軸の後退によっても棒材5に大きな圧縮力が作用しなくなるので棒材の屈曲変形が防止される。
【0049】
ちなみに、案内面104aに突起を有しない従来品、案内面104aに油を塗布した従来品、案内面23aに突起36を設け油を塗布した本発明品の三点について送出力を測定したところ表1の結果を得ることができた。表1において、目盛りは無端タイミングベルト102,21の駆動プーリ101,20のモータ25の出力を制御する抵抗器の目盛りであり、0%は出力0に対応し、100%は最大出力に対応する。テストはプーリ100,101又は19,20間の距離を4600mmとし、油圧作動油を約100cc案内面104a,23a上に流し込み5分経過した後に開始した。
【0050】
【表1】
【0051】
図25は表1の結果をグラフ化したものである。
【0052】
表1及び図25から明らかなように、従来品では案内面104aに油が付着すると送出力が約10N低下するが、案内面23aに突起36を形成した場合は油が付着しても従来品の油が付着していない場合と同程度の送出力を回復することができる。
【0053】
<実施の形態2>
図11及び図12に示すように、この実施の形態2では、他の実施の形態と異なり、突起38が案内レール23の案内面23a上に線状に形成される。
【0054】
このように、突起38が案内レール23の案内面23a上に線状に形成されることで、条体である無端タイミングベルト21は案内面23aの全長にわたって浮上し、案内面23a上の油との接触を絶たれる。
【0055】
この突起38は、プレス成形等により断面山形に形成されているが、台形、半円形等他の形状とすることができる。
【0056】
<実施の形態3>
図13及び図14に示すように、この実施の形態3では、実施の形態2の場合と同様に突起39が案内レール23の案内面23a上に線状に形成されるが、実施の形態2の場合と異なり断面円形に形成される。
【0057】
この突起39は、具体的には細長い丸棒を案内面23a上に溶接等により固着することにより形成される。
【0058】
<実施の形態4>
図15に示すように、この実施の形態4では、実施の形態1,2,3の場合と異なり、突起39が案内レール23の案内面23a上に複数列で形成される。
【0059】
このように、突起39が案内レール23の案内面23a上に複数列で形成されることにより、帯状の無端タイミングベルト21が案内面23a上に適正に浮上することとなり、案内面23a上の油との接触が確実に防止される。
【0060】
この突起39は実施の形態3の突起39を形成する丸棒が複数本平行に配置されているが、実施の形態1の突起36、実施の形態2の突起38、その他後述する実施の形態の突起等を複数列で配置してもよい。
【0061】
<実施の形態5>
図16及び図17に示すように、この実施の形態5では、実施の形態3の場合と同様に突起40が案内レール23の案内面23a上に固着された線材で形成されるが、実施の形態3と異なり断面三角形に形成される。
【0062】
<実施の形態6>
図18及び図19に示すように、この実施の形態6では、実施の形態3,4,5の場合と同様に突起41が案内レール23の案内面23a上に固着された線材で形成されるが、実施の形態3,4,5と異なり断面四角形に形成される。
【0063】
<実施の形態7>
図20に示すように、この実施の形態7では、実施の形態1の場合と同様に突起42が案内面23a上に間欠的に形成されるが、実施の形態1の場合と異なり、案内レール23と別体のブロック片が案内面23a上に所定のピッチで固着されることにより形成される。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記各種実施の形態1〜7では断面略四角形の案内レール22,23,29,30を用いたが、その他図21〜図24の各種の形状の案内レールを使用することができる。図21に示す案内レールは、実施の形態1の断面略四角形の案内レール22,23,29,30から側面のレール30が省略され、図22に示す案内レールは、実施の形態1の断面略四角形の案内レール22,23,29,30から天面のレール22が省略され、図23に示す案内レールは、さらに一方の側面のレール30が省略され、図24に示す案内レールは、さらに他方の側面のレール29が省略されている。このような各種の形状の案内レールを用いた場合でも表1及び図25に示した結果と同様な結果を得ることができる。また、スライダ18と無端タイミングベルト21を同一の案内レール23で案内しているが、スライダ18と無端タイミングベルト21をそれぞれ別個の案内レールで案内するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によれば、棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ走行用の条体と、条体の弛み部分を受け止めて案内する案内レールと、スライダに連結されるフィードパイプと、フィードパイプを案内する溝部材とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体の弛み部分を案内レールの案内面上に浮上させる突起が案内面に設けられた棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体の作動によりスライダが走行し、スライダを介してフィードパイプが溝部材内を移動し、フィードパイプに保持された棒材が棒材供給機の前後方向に移動するが、その際案内レールの案内面に条体の弛み部分が接触しようとしても、案内面の突起が条体を案内面上に浮上させ、条体を案内面上の油から離反させる。このため、条体には油の粘性等によるブレーキ力が作用しなくなり、棒材を加工機側に前進させる場合は棒材に適正な送出力を与えて正確に送ることができ、また棒材を後退させる場合は棒材に加わる圧縮力を低減して棒材の変形を防止することができる。
【0066】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に所定間隔で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、突起を簡易に案内レールの案内面に形成することができる。また、既存の棒材供給機であっても機械を細かく分解することなく突起を形成することができる。
【0067】
請求項3に係る発明によれば、請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に線状に形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体を案内面の全長にわたって浮上させ、案内面上の油との接触を確実に防止することができる。
【0068】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に複数列で形成された棒材供給機のフィードパイプ搬送装置であるから、条体が例えば帯状であっても案内面上に適正に浮上させ、案内面上の油との接触を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフィードパイプ搬送装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1中、II−II線矢視断面図である。
【図3】図2中、III−III線矢視断面図である。
【図4】本発明実施の形態1に係るフィードパイプ搬送装置を備えた棒材供給機の平面図である。
【図5】図4に示した棒材供給機の立面図である。
【図6】フィードパイプ搬送装置の平面図である。
【図7】図6中VII−VII線矢視断面図である。
【図8】図7中VIII−VIII線矢視断面である。
【図9】図7中IX−IX線矢視断面図である。
【図10】図9中X−X線矢視断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2を示す、図9と同様な断面図である。
【図12】図11中XII−XII線矢視断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3を示す、図9と同様な断面図である。
【図14】図13中XIV−XIV線矢視断面図である。
【図15】本発明の実施の形態4を示す、図9と同様な断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5を示す、図9と同様な断面図である。
【図17】図16中XVII−XVII線矢視断面図である。
【図18】本発明の実施の形態6を示す、図9と同様な断面図である。
【図19】図18中XIX−XIX線矢視断面図である。
【図20】本発明の実施の形態7を示す、図10と同様な断面図である。
【図21】案内レールの一変形例を示す断面図である。
【図22】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図23】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図24】案内レールの他の変形例を示す断面図である。
【図25】案内面に突起を有しない従来品、案内面に油を塗布した従来品、案内面に突起を設け油を塗布した本発明品の三点についての送出力の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
4…フィードパイプ
5…棒材
6…溝部材
18…スライダ
21…無端タイミングベルト
23…案内レール
23a…案内レールの案内面
36,38,39,40,41,42…突起
A…無端タイミングベルトの弛み部分
Claims (4)
- 棒材供給機の前後部間に掛け渡されたスライダ走行用の条体と、条体の弛み部分を受け止めて案内する案内レールと、スライダに連結されるフィードパイプと、フィードパイプを案内する溝部材とを具備した棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、条体の弛み部分を案内レールの案内面上に浮上させる突起が案内面に設けられたことを特徴とする棒材供給機のフィードパイプ搬送装置。
- 請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に所定間隔で形成されたことを特徴とする棒材供給機のフィードパイプ搬送装置。
- 請求項1に記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に線状に形成されたことを特徴とする棒材供給機のフィードパイプ搬送装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の棒材供給機のフィードパイプ搬送装置において、突起が案内レールの案内面上に複数列で形成されたことを特徴とする棒材供給機のフィードパイプ搬送装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016539815A (ja) * | 2013-12-11 | 2016-12-22 | エルエヌエス マネジメント ソシエテ アノニム | 棒送り装置 |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003114448A patent/JP2004314270A/ja active Pending
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JP2016539815A (ja) * | 2013-12-11 | 2016-12-22 | エルエヌエス マネジメント ソシエテ アノニム | 棒送り装置 |
TWI645924B (zh) * | 2013-12-11 | 2019-01-01 | Lns Management Sa | 棒材進給裝置及其使用方法 |
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