JP2004313080A - 燻製の製造方法及び燻製器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内鍋3の底部にスモークチップ8を載置し、係止用突部3dに載置した網部材7に、下処理を施した燻煙用食材Sを載置する。内鍋3をガス台に掛けて加熱し、スモークチップ8から煙が出たら、内鍋3に蓋4をしてガス台の火を弱火にする。スモークチップ8の煙を内鍋3内に充満させた後、内鍋3をガス台から降ろして、断熱容器2内に収容し、燻煙用食材Sを所定温度で保温しながら燻す。所定時間経過後、燻煙用食材Sが高温で適度に加熱調理されながら適度に燻され燻製ができあがる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭で簡便に燻製を製造することのできる燻製の製造方法及び燻製器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家庭で燻製を製造する際には、底部に開口部を有した陶磁器製の燻製器が用いられている。この燻製器は、上部開口部に、燻煙をコントロールするレギュレータを備えた蓋が載置され、蓋近傍には、温度計がセットされている。燻製器は、ガス台で加熱される加熱板に開口部を載置されるとともに、燻製器の底部開口部分にスモークチップが載置される。また、燻製器内部の中間位置には、網部材が配設され、該網部材に燻煙用食材が載置される。
【0003】
この燻製器では、台所のガス台で熱せられた加熱板が、燻製器の底部開口部分に載置されたスモークチップを熱し、スモークチップを発煙させた後、スモークチップに着火しないように、且つ、燻製器内の温度を所定温度に保つように、温度計を見ながら、加熱温度をコントロールして燻煙用食材を燻している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
登録実用新案第3053379号公報(第1−2頁 図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のものでは、燻煙処理中に燻製器内の温度を所定の温度に保つために、温度計を見ながら常にガス台の火力を調整しなくてはならず、燻煙処理に手間がかかっていた。また、加熱板を長時間加熱しなければならないため、燃料費が嵩んでいた。
【0006】
そこで本発明は、燻煙処理中に火力調整の必要がなく、燻製を家庭で手軽に製造することができ、また、燃料費の節約を図ることができる燻製の製造方法及び燻製器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明の燻製の製造方法は、内鍋の底部にスモークチップを敷き、内鍋を加熱することによって前記スモークチップを発煙させ、内鍋の中間位置に配設する網部材に下処理を施した燻煙用食材を載置し、内鍋に蓋をした後、内鍋を断熱容器内に収容し、燻煙用食材を一定の温度に保温しながら燻すことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の燻製器は、底部にスモークチップを敷く内鍋と、該内鍋の上部開口を閉塞し前記スモークチップの燻煙を内鍋内部に閉じこめる蓋と、内鍋内部の中間位置に配設される燻煙用食材を載置する網部材と、前記燻煙処理中の内鍋を収容して該内鍋を保温する断熱容器とで構成されることを特徴とし、前記内鍋の中間位置内周壁に係止用突部を設け、該係止用突部に前記網部材を載置するもの、また、前記蓋の裏面より、前記網部材を吊り下げるもの、前記網部材の下面に複数の脚部を形成し、該脚部を前記内鍋の底部に載置させるものでもよい。さらに前記内鍋が陶磁器製であり、また、前記断熱容器が、真空断熱容器であると好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各形態例を図面に基づいて詳しく説明する。図1及び図2は、本発明の第1形態例を示すもので、燻製器1は、保温用の断熱容器2と、該断熱容器2内に出し入れ自在に収容される内鍋3と、該内鍋3の上部開口に被着される蓋4とを有している。断熱容器2は、ステンレス製の内側板2aと外側板2bとを鍋形に形成して上縁部同士を接合し、これらの間に真空の断熱層5を画成した断熱二重構造で、内側板2aの上部開口に上下に連続する周状の大径段部2cと小径段部2dに、環状の気密部材6が着脱自在に嵌着されている。
【0010】
内鍋3と蓋4には、金属よりも熱伝導率の低い陶磁器製または素焼きのいわゆる土鍋が用いられ、内鍋3は、断熱容器2の内側板2aよりもやや小さな相似形の本体部3aの上部外周に、断熱容器2の上部開口と略同径の段部3bを連設し、該段部3bの周壁外面に一対の把手3c,3cを相対向して突出させており、蓋4の下面を段部3bの上面で支承するようにしている。蓋4は、内鍋3の上部開口全面を覆うように形成されるが、内鍋3内で発煙するスモークチップ8の煙を外に逃がす穴を適宜設けてもよい。内鍋3の中間位置内周壁には係止用突部3dが周設されていて、該係止用突部3dには、網部材7が載置されている。この係止用突部3dは、周設されるものに限らず、複数の突部を内鍋3の中間位置内周壁に設けるものでも良い。
【0011】
気密部材6は、形状保持用の剛性体6aと、気密保持用の環状エラストマー6bとの組み合わせからなっている。剛性体6aは、例えばポリプロピレン等の合成樹脂を用いて、上部の大径フランジと下部の小径フランジとをウェブでつないだ断面略コ字状に形成されている。環状エラストマー6bは、上部のコ字状体と下部の環状体とを、軟質で耐熱性に優れた例えばシリコン樹脂で形成しており、大径フランジを外周面側からコ字状体で挟むようにして覆い、さらにウェブの外周面を環状体で囲繞して、剛性体6aと一体に組み付けされている。
【0012】
このように形成された燻製器1では、内鍋3を断熱容器2内に収容すると、内鍋3の段部3bが気密部材6の環状エラストマー6bに支承され、内鍋3と良く密着し、断熱容器2の内側板2aと内鍋3の本体部3aとの間には空間部が画成される。
【0013】
次に、上述のような燻製器1を用いて、燻製を製造する方法について説明する。まず、図1に示されるように、内鍋3の底部にスモークチップ8を載置し、係止用突部3dに載置した網部材7に、下処理を施した燻煙用食材Sを載置する。内鍋3をガス台に掛けて加熱し、スモークチップ8から煙が出たら、内鍋3に蓋4をしてガス台の火を弱火にする。スモークチップ8の煙を内鍋3内に充満させた後、内鍋3をガス台から降ろして、断熱容器2内に収容し、燻煙用食材Sを所定温度で保温しながら燻す。
【0014】
断熱容器2内に収容された内鍋3は、断熱容器2の内側板2aと内鍋3の本体部3aとの間に画成された空間部と、断熱二重構造の断熱容器2と相俟って、内鍋3と内部の燻煙用食材Sとをよく保温し、燻煙処理中、内鍋3の内部は約180℃の高温で保温される。所定時間経過後、燻煙用食材Sが高温で適度に加熱調理されながら適度に燻され燻製ができあがる。このとき、内鍋3が陶磁器で形成されていることから、放射される遠赤外線が燻煙用食材Sの内部に浸透し、燻煙用食材Sが効率よく加熱殺菌される。
【0015】
図3及び図4に示す燻製器10,20は、本発明の第2形態例及び第3形態例を示すもので、第1形態例と同一構成部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0016】
図3に示す第2形態例の燻製器10は、網部材11を蓋12に取り付けたもので、内鍋13上部に載置される蓋12の外周側裏面には、複数のフック14が設けられ、チェーン15を介してこれらフック14に網部材11が取り付けられる。チェーン14の長さは、蓋12を内鍋13に載置したときに、網部材11が内鍋13の中間位置に配設されるように調整され、さらに網部材11が傾くことがないように調節される。
【0017】
本形態例の燻製器10を用いて燻煙用食材Sを燻す場合には、スモークチップ8を載置した内鍋13をガス台に掛けて加熱し、スモークチップ8から充分に煙を発生させてから、網部材11に燻煙用食材Sを載置して、内鍋13に蓋を載せる。
【0018】
図4に示す第3形態例の燻製器20は、網部材21の下面に複数の脚部21aを設け、脚部21aを内鍋13の底部に載置させるもので、簡単な構造で、内鍋13の中間位置に網部材21を配設させることができる。
【0019】
なお、本発明は上述の形態例に限るものではなく、燻煙処理中に内鍋内の温度が約180℃程度の高温で保温されることから、スモークチップの代りに焼いた石を内鍋の底部に敷き、燻煙用食材Sの代りにサツマイモやジャガイモやトウモロコシ等を加熱調理することもできる。
【0020】
また、本発明の内鍋及び蓋をステンレス等の金属や、セラミックス,耐熱ガラス等の材料に代えることもでき、断熱容器の断熱層は、形態例に例示した真空断熱以外に、空気層または空気よりも熱伝導率が小さいクリプトンガス,キセノンガス,アルゴンガス等のガス類を封入したり、発砲材を充填したものであってもよい。さらに、気密部材を形態例以外の形状とすることもできる。
【0021】
次に、上述の形態例1で説明した燻製器を用いて燻製を製造する手順について説明する。
【0022】
【実施例1】
チーズの燻製
材料:プロセスチーズ6個(約180g)
(1) 内鍋3に、5gのスモークチップを入れ、網部材を内鍋の係止用突部に載置する
(2) プロセスチーズを網部材に載せ、内鍋をガス台に掛け強火で加熱する
(3) スモークチップから煙が出たら弱火にし、内鍋に蓋をして5分間加熱する
(4) 蓋をした内鍋を断熱容器に収容し15分間保温する
【0023】
【実施例2】
イカの燻製
材料:生イカ約80g
(1) 生のイカのはらわた,軟骨を取り、1〜2分ボイルする
(2) 水1リットルに、粗塩40g,三温糖10g,酒75gを加え、沸騰させる
(3) (2)の漬け込み液が冷めたら、ボイルしたイカを入れ、2時間浸す
(4) 漬け込み液からイカを取り出し、水分を拭き取り、1時間乾燥させる
(5) 内鍋に5gのスモークチップを入れ、網部材を内鍋の係止用突部に載置する
(6) 乾燥させたイカを網に載せ、内鍋をガス台に掛け強火で加熱する
(7) スモークチップから煙が出たら弱火にし、内鍋に蓋をして10分間加熱する
(8) 蓋をした内鍋を断熱容器に収容し20分間保温する
【0024】
【実施例3】
焼きいも
材料:さつまいも1〜2本(約400g)
(1) さつまいもを洗い、水気を拭き取る
(2) 内鍋に焼き石を敷き、その上にさつまいもを置く
(3) 内鍋に蓋をし、ガス台に掛けて弱火で15分間加熱する
(4) 内鍋を断熱容器に収容し約25分間保温する
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、燻煙処理中に火力調整の必要がなく、燻製を家庭で手軽に製造することができるようになる。また、本発明の燻製器は、高温で保温しながら、燻煙用食材を燻すことができるので、燃料費の節約を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1形態例を示す燻煙処理中の燻製器の断面図
【図2】本発明の第1形態例を示す燻製器の分解斜視図
【図3】本発明の第2形態例を示す燻煙処理中の燻製器の断面図
【図4】本発明の第3形態例を示す燻煙処理中の燻製器の断面図
【符号の説明】
1,10,20…燻製器、2…断熱容器、3,13…内鍋、4,12…蓋、7,11,21…網部材、8…スモークチップ、S…燻煙用食材
Claims (7)
- 内鍋の底部にスモークチップを敷き、内鍋を加熱することによって前記スモークチップを発煙させ、内鍋の中間位置に配設する網部材に下処理を施した燻煙用食材を載置し、内鍋に蓋をした後、内鍋を断熱容器内に収容し、燻煙用食材を一定の温度に保温しながら燻すことを特徴とする燻製の製造方法。
- 底部にスモークチップを敷く内鍋と、該内鍋の上部開口を閉塞し前記スモークチップの燻煙を内鍋内部に閉じこめる蓋と、内鍋内部の中間位置に配設される燻煙用食材を載置する網部材と、前記燻煙処理中の内鍋を収容して該内鍋を保温する断熱容器とで構成されることを特徴とする燻製器。
- 前記内鍋の中間位置内周壁に係止用突部を設け、該係止用突部に前記網部材を載置することを特徴とする請求項2記載の燻製器。
- 前記蓋の裏面より、前記網部材を吊り下げたことを特徴とする請求項2記載の燻製器。
- 前記網部材の下面に複数の脚部を形成し、該脚部を前記内鍋の底部に載置させることを特徴とする請求項2記載の燻製器。
- 前記内鍋が陶磁器製であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の燻製器。
- 前記断熱容器が、真空断熱容器であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項記載の燻製器。
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JP2003111520A JP2004313080A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 燻製の製造方法及び燻製器 |
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KR100844175B1 (ko) | 2007-03-20 | 2008-07-04 | 정경원 | 탈취 구조를 갖는 이중 조리 냄비 |
CN102133033A (zh) * | 2011-03-31 | 2011-07-27 | 美的集团有限公司 | 一种带烟熏功能的电热锅 |
KR101434156B1 (ko) | 2012-09-19 | 2014-08-29 | 도현민 | 플레이트가 구비된 냄비뚜껑 |
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2003
- 2003-04-16 JP JP2003111520A patent/JP2004313080A/ja active Pending
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