JP2004312838A - 電線保護部材の固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】壁部20,37に、電線保護部材30を固定する電線取付部21,38を斜めに設け、電線取付部21,38には、電線保護部材30に形成された係止部30aと係合する係合部23を設ける。電線保護部材30は、係止部30aとしての溝を外周に有するコルゲートチューブであり、係合部23は溝に係合するリブである。リブ23を両側に一対設け、各リブ23をコルゲートチューブ30の径方向両側で互い違いに位置させる。リブ23をコルゲートチューブ30の引き出し方向と直交する方向に設ける。一対のリブ23の先端には、テーパ部を形成する。電線取付部21,38を、壁部20,37の内側と外側とに跨って設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のエンジンルーム等のスペースが狭い場所で、電気接続箱やプロテクタ等に取り付けられる電線保護部材の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、外部干渉や接触などによる電線の保護を図ったり、ケース内の防水・防塵を図ったりする電線保護部材が広く用いられている。例えば、電気接続箱等から導出される電線や、電気接続箱等に導入される電線を保護する電線保護部材は、電気接続箱を構成する組付部品であり、電気接続箱等に着脱可能に固定されるようになっている。
【0003】
この種の電線保護部材の固定構造に関連する従来技術の一例として、図5及び図6に示すものが知られている。図5は、電気接続箱に対する電線保護部材の固定構造の一例であり、図6は、プロテクタに対する電線保護部材の固定構造の一例である。
【0004】
第1の従来技術(例えば、特許文献1)は、電気接続箱50に複数種類の電線保護部材51を取り付けることができるようにしたものであり、電線保護部材51としてのコルゲートチューブが固定される電線取付部54,58に、コルゲートチューブ51の溝51aに係合する大きさの異なる複数の突出片54a,58aが設けられている。
【0005】
自動車のエンジンルーム内に取り付けられる電気接続箱50は、ロアケース53と、アッパケース57と、図示しないカバーとにより構成されていて、ロアケース53とアッパケース57とからなるケース本体52にリレーやヒューズなどの電気部品が収納されている。
【0006】
ロアケース53には、外側に突出する半円筒状の下側電線取付部54が設けられており、この下側電線取付部54の内周面には、下半突出片54aが軸方向に複数並設されている。アッパケース57には、下側電線取付部54に対向して位置する上部電線取付部58が突設されており、上部電線取付部58の内周面には、下半突出片54aに対向して位置する上半突出片58aが設けられている。
【0007】
ロアケース53にアッパケース57を重ねると、上下の電線取付部54,58が重なり、コルゲートチューブ51を挿通させる挿通孔55が形成され、また、上下の突出片54a,58aも重なり合って、環状の突出片が形成されるようになっている。電線取付部54,58の軸線方向に並設された突出片54a,58aは、電線取付部54,58の内端側に位置するものが外端側に位置するものより、内周面からの突き出し量が大きく形成されている。
【0008】
電線59を内側に挿通させるコルゲートチューブ51には、スリット状の溝51aが複数設けられていて、周壁は軸方向に山と谷とが連続する蛇腹状に形成されている。これにより、コルゲートチューブ51は、軸方向に伸縮可能となり、軸直角方向にも折曲可能となる。
【0009】
コルゲートチューブ51の溝51aは、電線取付部54,58の突出片54a,58aに係合可能な寸法に形成されていて、コルゲートチューブ51が電線取付部54,58から抜け出さず、突出片54a,58aによって外部からの水が堰き止められ、電気接続箱50に水が浸入しないようになっている。
【0010】
第2の従来技術(例えば、特許文献2)は、プロテクタ60に電線69をその軸線方向に確実に固定することができるようにしたものであり、電線保護部材61としてのコルゲートチューブが外嵌された電線69を、ケース本体63と、固定部材66との間に位置させ、コルゲートチューブ61の溝61aにケース本体63と固定部材66のそれぞれの半環状の突出片64a(固定部材の突出片は図示せず)を上下からと係合させるものである。
【0011】
プロテクタ60は、ケース本体63と、ケース本体63との間で電線69を挟持する固定部材66と、ケース本体63の開口を塞ぐカバー67とから構成されている。電線69には、周壁に複数の溝61aが形成されたコルゲートチューブ61が外嵌されている。ケース本体63には、仕切壁62で区画された樋状の電線取付部64が突設されていて、この電線取付部64には、半環状の突出片64aが内周面に突出形成されている。固定部材66には、ケース本体63の仕切壁62と突出片64aとに対向する位置に、それぞれ図示しない仕切壁と突出片とが形成されている。カバー67は、その側壁に形成された係合爪68をケース本体63の係合部65に係合させることにより、ケース本体63の上部開口を覆うようになっている。
【0012】
また、第3の従来技術(例えば、特許文献3)として、内部に電線が挿通されたコルゲートチューブをワンタッチでケース本体に固定することができる固定構造が開示されている。この固定構造は、ケース本体の側壁に開設された開口部に相対向する一対の挟持片を設け、コルゲートチューブを半径方向に動かしながら、一対の挟持片にコルゲートチューブの溝をスライド挿入させるものである。ケース本体には、コルゲートチューブを支持するための電線取付部が突設されていない点で、前記第1、2の従来技術と相違する。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−299909号公報(第3頁、第2図)
【特許文献2】
特開平11−196517号公報(第3頁、第1図)
【特許文献3】
実開平7−11822号公報(第7−9頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電線保護部材の固定構造では、解決すべき以下の問題点がある。
【0015】
第1の従来技術は、ケース本体52の外側に電線取付部54,58が長く突き出すという問題がある。殊に、エンジンルーム内に密集した状態で各種の自動車部品が搭載されていて、取付スペースが狭い場合には、突き出した電線取付部54,58が他部品と干渉したり、取付スペースに電気接続箱50を装着することができなくこともある。
【0016】
また、ケース本体52から電線59を任意の方向に引き出す場合には、電線59が挿通されたコルゲートチューブ51を引き出す方向に屈曲させなければならず、その際に電線取付部54,58とコルゲートチューブ51との間に隙間が生じ、その隙間からケース本体52に水が浸入し、防水性が損なわれる心配もある。
【0017】
第2の従来技術は、コルゲートチューブ61が外嵌された電線69をケース本体63に確実に固定することできるものであるが、この場合も上記と同様に、ケース本体63から電線取付部64が長く突き出すという問題がある。3本の各電線69は、互いに並行に同一方向に引き出されるようになっているため、引き出し方向に障害物がある場合には、障害物を避けるため電線69を屈曲させて迂回させなければならず、電線69の根本側において外力が電線取付部64に作用して、ケース本体63と固定部材66の係止が解除されて電線69がケース本体63の外側に飛び出す心配がある。また、電線69自体が屈曲されることで、信号用電線の品質信頼性が低下するという虞もある。
【0018】
第3の従来技術は、電線を支持する電線取付部が形成されていないため、ケース本体の外側に電線取付部が突き出すことはなく、電線取付部の干渉の問題はない。しかしながら、開口部の一対の挟持片によって支持される電線が重い場合には、薄肉片である挟持片に曲げ力が集中し、挟持片がその板厚方向に変形する心配がある。挟持片が変形しない程度の強い材料で成形されている場合には、逆に、コルゲートチューブの溝に挟持片が食い込み、コルゲートチューブが損傷する心配がある。
【0019】
本発明は、上記した点に鑑み、電線保護部材が固定される電線取付部の突き出し量を抑えることができ、しかも、電線保護部材を不動に保持することができる電線保護部材の固定構造を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、壁部に着脱可能に固定される電線保護部材の固定構造において、前記壁部に、前記電線保護部材を固定する電線取付部が斜めに設けられ、該電線取付部には、該電線保護部材に形成された係止部と係合する係合部が設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、電線取付部に電線保護部材が安定して保持されるとともに、電線取付部の突き出し量を抑えることができ、壁部前方のスペースが開放される。
【0021】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電線保護部材の固定構造において、前記電線保護部材が、係止部としての溝を外周に有するコルゲートチューブであり、前記係合部が該溝に係合するリブであることを特徴とする。
上記構成によれば、リブがコルゲートチューブの外周に形成された溝に係合して、コルゲートチューブが長手方向に抜け出すことが防止される。また、リブが外からの水や塵埃を堰き止める壁として機能し、壁部の内側の防水性及び防塵性が高まる。
【0022】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の電線保護部材の固定構造において、前記リブが両側に一対設けられ、各リブが前記コルゲートチューブの径方向両側で互い違いに位置していることを特徴とする。
上記構成によれば、各リブがコルゲートチューブの異なる溝に係合して、コルゲートチューブが長手方向に係止される。このため、電線取付部の全長を長く形成しなくても、コルゲートチューブを電線取付部に斜めに固定することができ、壁部からの電線取付部の突き出し量を抑えることができる。
【0023】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の電線保護部材の固定構造において、一対の前記リブのピッチが、前記溝のピッチの整数倍であることを特徴とする。
上記構成によれば、一対のリブが、コルゲートチューブの異なる溝に確実に係合する。
【0024】
また、請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造において、前記リブが前記コルゲートチューブの引き出し方向と直交する方向に設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、リブとコルゲートチューブの溝とが相対向して位置することとなり、電線取付部に対してコルゲートチューブをスムーズにスライド係合させることができる。
【0025】
また、請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造において、前記一対のリブの先端にテーパ部が形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、一対のリブの間にコルゲートチューブを引っ掛かりなくスライド挿入することができる。
【0026】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造において、前記電線取付部が、前記壁部の内側と外側とに跨って設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、電線取付部が壁部の内側と外側の両側に跨って設けられているから、壁部からの電線取付部の突き出し量を抑えることができる。このため、スペースの狭い場所での電線取付部の外部干渉を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜4は、本発明に係る電線保護部材の固定構造の一実施形態を示すものである。
【0028】
図1には、本発明が適用される電気接続箱組付体の分割されたカバー体10が示されている。カバー体10は、ヒューズユニットやリレーユニットが収納される図示しないケース本体の上部開口及び側部開口を覆うアッパカバー35と、ケース本体の側部開口の下側を覆うサイドカバー15とから構成されている。
【0029】
アッパカバー35は、全体としてみれば、略L字形状をなしており、上壁36が上部開口を覆うようにケース本体に宛われ、側壁(壁部)37が側部開口の上側を覆うようにケース本体に宛われる。アッパカバー35がこのような略L字形状をなしているのは、取付スペースの狭いエンジンルーム内において、ブロック状のヒューズユニットやリレーユニットが、ケース本体に対してその側部開口側から取り付けられるためである。ケース本体に対するヒューズユニットの取付構造は、この電気接続箱組付体の一つの特徴となっており、別出願で詳細に説明することとする。
【0030】
また、アッパカバー35の側壁37下端部には、サイドカバー15の電線取付部21と対向する位置に、上側の電線取付部38が半環状に形成されている。図示される一対の上側の電線取付部21,38の間には、アッパカバー35をサイドカバー15に回動自在に連結させるための連結部39と、アッパカバー35とサイドカバー15の固定状態を維持するための係止枠40とがそれぞれ形成されている。
【0031】
サイドカバー15は、ケース本体の側部開口の下側に着脱自在に宛われて、両側の壁部に設けられている係止部17をケース本体の係合部に係合させることにより係止されるようになっている。サイドカバー15とケース本体とが別体として形成されているのは、成形上の理由によるものであって、サイドカバー15をケース本体に一体的に成形し、ケース本体の壁部を構成するようにしてもよい。
【0032】
サイドカバー15は、長手方向に長く延びる壁部20と、この壁部20の両端部に交差して連なる短手方向の短い壁部16とからなっており、長手方向の壁部20の両側には、コルゲートチューブ(電線保護部材)30を保持し、かつ壁部20に対して斜め方向にコルゲートチューブ30を引き出す略半環状の下側の電線取付部21が2箇所に設けられ、電線取付部21の内端側の延長部22に、コルゲートチューブ30の溝(係止部)30aに係合する一対のリブ(係合部)23,23が設けられたことを、本発明は第1の特徴とする。
【0033】
電線取付部21は、壁部20の内側と外側とに跨って設けられていることも本発明の特徴である。従来例に示された電線取付部54,58,64は、壁部の外側に突き出して形成されているが、本発明の電線取付部21は、壁部20の両側に跨って設けられているから、電線取付部21が壁部20の内側に入り込んでいる分だけ、外側への電線取付部21の突き出し量を抑えることができ、狭いスペースにおいて電線取付部21の外部干渉を有効に防止することができるようになっている。
【0034】
電線取付部21は、斜めに設けられているから、壁部20から電線取付部21を垂直に突出させた従来構造に比べて、電線取付部21の突き出し量を小さく抑えることができ、壁部20前方にスペースが開放されて、エンジンルーム内における電線取付部21と他部品との干渉が防止されるようになっている。しかも、電線取付部21の突き出し量が小さくなっても、電線取付部21の全長は変わらないから、コルゲートチューブ30が安定して保持されるようになっている。
【0035】
電線33は、斜めに固定されたコルゲートチューブ30の内側を挿通し、壁部20に対して任意の傾斜角度α,β,γでケース本体へ導入され、又はケース本体から導出されるようになっている。ここで、この実施形態における3箇所の電線取付部21の傾斜角度は、それぞれα=55°、β=62°、γ=70°に設定されている。なお、これらの傾斜角度α,β,γは、任意の傾斜角度であって、電線33の導入・導出方向にあわせて自由に設定することができる。
【0036】
ケース本体に収容されるヒューズユニットやリレーユニットに接続される外部電線33には、バッテリに接続された電線33や、各種計器類に接続された電線33や、制御機器に接続された電線33などがあり、これらの各電線33は同一方向からではなく四方からケース本体に導入され、ケース本体から導出されるようになっている。このため、本発明によれば、ケース本体から電線33が斜めに引き出されるから、電線33を屈曲させることなく、バッテリや計器類の方向に電線33を引き出すことも可能となり、電線33やコルゲートチューブ30に余計な力をかけて折り曲げる必要がなくなり、電線33やコルゲートチューブ30を痛めることが防止される。また、コルゲートチューブ30の根本側においてコルゲートチューブ30と電線取付部21との間に隙間が形成されなくなり、ケース本体の耐防水防塵性が向上する効果もある。
【0037】
コルゲートチューブ30は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド又はポリエチレンテレフタレートその他の耐熱性及び耐衝撃性に優れる合成樹脂材料を構成材料とし、ブロー成形により一体成形されたものである。周壁には、所定ピッチの蛇腹状の溝30aが軸方向全長に亘り形成されていて、周壁は、長手方向に山と谷が連続する波状に形成されている。このため、コルゲートチューブ30は、長手方向に伸縮可能であり、長手方向に直交する方向にも屈曲可能になっている。
【0038】
溝30aは、環状に形成されているが、溝30aに代えて螺旋状の溝が形成されてもいい。溝の深さや隣り合う溝のピッチは、コルゲートチューブ30の寸法に応じ、しかも湾曲しやすい寸法に設定されている。
【0039】
このようなコルゲートチューブ30は、電線取付部21の内端側の延長部22に設けられた一対のリブ23,23に半径方向両側から挟まれて仮係止されるようになっている(本係止は、アッパカバー35で行われる)。一対のリブ23,23は、図2に示すように、電線取付部21の内面に互い違いに突設されている。
【0040】
互い違いの一対の各リブ23,23は、コルゲートチューブ30の異なる溝30aにそれぞれ係合して、コルゲートチューブ30の軸方向の抜け出しを防止する。このため、電線取付部21の全長を長く形成することなく、コルゲートチューブ30を電線取付部21に斜めに固定することができ、しかも壁部20からの電線取付部21の突き出し量を抑えることができる。
【0041】
一対のリブ23の離間距離(ピッチ)x,y,zは、電線取付部21の傾斜角度α,β,γに応じて相違している。すなわち、傾斜角度αが小さいほど離間距離xが大きく、傾斜角度γが大きいほど離間距離zが小さくなっている。この離間距離x,y,zは、コルゲートチューブ30の溝30aの整数倍に形成されているため、リブ23と溝30aとが確実に係合するようになっている。傾斜角度が90°の場合は、従来と同じであり、離間距離がゼロになり、一対の各リブ23は対向して位置する。
【0042】
図3に示すように、リブ23は、両側に傾斜面23aを有する山形状をなし、コルゲートチューブ30の引き出し方向と直交する方向に設けられている。言い換えると、電線取付部21の内面に対して垂直に突設されている。このため、リブ23は、コルゲートチューブ30の溝30aに対向して位置するようになり、電線取付部21に対してコルゲートチューブ30をスムーズにスライド係合させることができるようになっている。リブ23が溝30aに係合すると、コルゲートチューブ30が長手方向に抜け出さないように仮係止される。リブ23の根本側を溝30aの溝幅より太くなるように形成すれば、溝30aとリブ23との間の隙間が吸収されて、コルゲートチューブ30の軸方向のがたつきが防止される。
【0043】
なお、一対のリブ23,23の間隔をコルゲートチューブ30の谷径よりやや幅狭に設定して、一対のリブ23,23の間でコルゲートチューブ30が挿入反対方向に抜け出ないように挟持することも可能である。このような場合は、サイドカバー15との間でコルゲートチューブ30を挟むアッパカバー35を不要とすることができる。
【0044】
次ぎに、電気接続箱組付体に対するコルゲートチューブ30の固定方法を説明する。
サイドカバー15の電線取付部21の上方に、電線33が挿通されたコルゲートチューブ30を寝かした状態で位置させ、電線取付部21の一対のリブ23,23にコルゲートチューブ30の溝30aを対向させ、コルゲートチューブ30をその半径方向に動かして、一対のリブ23,23に溝30aをスライド係合させる。一対のリブ23,23の先端には、図4に示すように、テーパ部23bが形成されているから、コルゲートチューブ30は、リブ23の先端に引っ掛からないようにスライド挿入される。
【0045】
コルゲートチューブ30の仮係止状態においては、コルゲートチューブ30の上半分は開放されているため、コルゲートチューブ30を簡単に挿入反対方向へスライドさせることにより抜き出すことができるようになっている。しかし、一対のリブ23,23と溝30aとが係合しているため、コルゲートチューブ30をその軸方向へは動かすことはできないようになっている。
【0046】
次ぎに、アッパカバー35をサイドカバー15の上方に配置させ、アッパカバー35の電線取付部38とサイドカバー15の電線取付部21とが対向するよう位置させる。そして、アッパカバー35を斜め下方へ移動させて、アッパカバー35の連結部39をサイドカバー15の係止突片26に係合させ、アッパカバー35の係止枠40をサイドカバー15の係止突部27に係合させ、ケース本体の上部開口を覆う方向にアッパカバー35を回動させることで、コルゲートチューブ30がアッパカバー35とサイドカバー15の上下の電線取付部38,21に挟持される。
【0047】
なお、前記の実施形態から把握できる請求項記載以外の技術思想について、以下にその効果とともに記載する。
カバー体10の壁部20,37に着脱可能に固定される電線保護部材30の固定構造において、前記壁部20,37が上側の壁部37と下側の壁部20とに分割して構成され、上側の壁部37に電線保護部材30の上半部を押圧する半環状の上側電線取付部38が斜めに設けられ、下側の壁部20に電線保護部材30の下半部を支持する半環状の下側電線取付部21が斜めに設けられ、該下側電線取付部21には、該電線保護部材30に形成された係止部30aと係合する係合部23が設けられ、該上側電線取付部38と該下側電線取付部21との間に電線保護部材30が挟まれて固定されることを特徴とする。
上記構成によれば、電線保護部材30が上側の壁部37と下側の壁部20との間に挟まれて固定されるから、カバー体10に対して電線保護部材30を容易に取り付けることができ、取付作業性を向上することができる。
【0048】
また、本実施形態の電気接続箱組付体は、自動車のエンジンルームに限らず、あらゆる狭いスペースに適用可能である。また、実使用の際の電気接続箱組付体は、上下を逆にして用いられたり、90°回転させて用いられたりすることもある。リブ23は下側の電線取付部21に設けられているが、上側の電線取付部38に設けてもよい。さらに、電線保護部材30の固定構造は、電気接続箱組付体のカバー体10に限らず、複数の電線を束ねた状態で収納保護するプロテクタに適用されることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、壁部に電線取付部が斜めに設けられ、電線取付部に電線保護部材の係止部と係合する係合部が設けられているから、電線取付部に電線保護部材が安定して保持されるとともに、電線取付部の突き出し量を抑えることができ、壁部前方のスペースが開放される。また、電線及びコルゲートチューブを屈曲させることなく壁部の外方に真直に引き出すことができる。
【0050】
また、請求項2記載の発明によれば、リブがコルゲートチューブの周壁に形成された溝に係合して、コルゲートチューブが長手方向に抜け出すことが防止される。
【0051】
また、請求項3記載の発明によれば、一対のリブがコルゲートチューブの半径方向両側で互い違いに位置しているから、各リブがコルゲートチューブの異なる溝に係合して、コルゲートチューブが長手方向に係止される。従って、電線取付部の全長を長く形成しなくても、コルゲートチューブを電線取付部に斜めに固定することができる。
【0052】
また、請求項4記載の発明によれば、一対のリブのピッチが、溝のピッチの整数倍に形成されているから、一対のリブが、コルゲートチューブの異なる溝に確実に係合する。従って、請求項3記載の効果と同等の効果を奏する。
【0053】
また、請求項5記載の発明によれば、リブがコルゲートチューブの引き出し方向と直交する方向に設けられているから、リブとコルゲートチューブの溝とが相対向して位置することとなる。従って、電線取付部に対してコルゲートチューブをスムーズにスライド係合させることができる。
【0054】
また、請求項6記載の発明によれば、一対のリブの間にコルゲートチューブを引っ掛かりなくスライド挿入することができ、コルゲートチューブの挿入作業性が向上する。
【0055】
また、請求項7記載の発明によれば、電線取付部が、壁部の内側と外側とに跨って設けられているから、壁部からの電線取付部の突き出し量を抑えることができる。従って、取付スペースが狭い場所であっても、電線及び電線保護部材の干渉が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電線保護部材の固定構造を示す斜視図である。
【図2】図1の斜視図に示されたサイドカバーの平面図である。
【図3】図2に示されたサイドカバーのリブを示す拡大図である。
【図4】同じくサイドカバーの電線取付部のA方向矢視図である。
【図5】従来の電線取付部材の固定構造の一例を示す斜視図である。
【図6】従来の電線取付部材の固定構造の他の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 カバー体
15 サイドカバー
20 壁部
21,38 電線取付部
23 リブ(係合部)
23b テーパ部
30 コルゲートチューブ(電線保護部材)
30a 溝(係止部)
35 アッパカバー
37 側壁(壁部)
Claims (7)
- 壁部に着脱可能に固定される電線保護部材の固定構造において、前記壁部に、前記電線保護部材を固定する電線取付部が斜めに交差して設けられ、該電線取付部には、該電線保護部材に形成された係止部と係合する係合部が設けられたことを特徴とする電線保護部材の固定構造。
- 前記電線保護部材が、係止部としての溝を外周に有するコルゲートチューブであり、前記係合部が該溝に係合するリブであることを特徴とする請求項1記載の電線保護部材の固定構造。
- 前記リブが両側に一対設けられ、各リブが前記コルゲートチューブの径方向両側で互い違いに位置していることを特徴とする請求項2記載の電線保護部材の固定構造。
- 一対の前記リブのピッチが、前記溝のピッチの整数倍であることを特徴とする請求項3記載の電線保護部材の固定構造。
- 前記リブが前記コルゲートチューブの引き出し方向と直交する方向に設けられたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造。
- 前記一対のリブの先端にテーパ部が形成されたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造。
- 前記電線取付部が、前記壁部の内側と外側とに跨って設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電線保護部材の固定構造。
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