JP2004312395A - パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供すること。
【解決手段】パラメトリックスピーカ用電気音響変換器2は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するものであり、板状をなし、電気信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータ3と、圧電アクチュエータ3の振動に伴って超音波を発生するように振動する振動板5と、超音波を共鳴させる共鳴器6とを備える。共鳴器6は、共鳴室63と、共鳴室63に連通する放音孔64とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】パラメトリックスピーカ用電気音響変換器2は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するものであり、板状をなし、電気信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータ3と、圧電アクチュエータ3の振動に伴って超音波を発生するように振動する振動板5と、超音波を共鳴させる共鳴器6とを備える。共鳴器6は、共鳴室63と、共鳴室63に連通する放音孔64とを有する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
音を向ける方向に関して高い指向性が得られるパラメトリックスピーカ(俗にオーディオ・スポットライトとも称される)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、電気信号を超音波に変換して放射する電気音響変換器を備えており、音声信号に応じて振幅変調した超音波をこの電気音響変換器から放射し、この超音波が空中を伝播する間に音波の非線形現象によって自己復調されることによって生じた可聴音を人間の耳に聞かせる。このように、パラメトリックスピーカは、指向性の高い超音波帯域の音波を放射することによって可聴音を発生することができるので、音を向ける方向に関して高い指向性を有している。
【0003】
しかしながら、従来のパラメトリックスピーカでは、超音波源となる電気音響変換器の変換効率が悪く、かつ大型であった。このため、従来のパラメトリックスピーカでは、重量が重い、大型である、電力消費量が大きい、音質が悪い、製造コストが高い等の多くの欠点がある。そして、パラメトリックスピーカは、自己復調によって可聴音に変換される際に生じる損失のために、エネルギー効率が低いので、上述したような欠点を克服するのが極めて困難であった。
【0004】
【非特許文献1】
M.Yoneyama, et al., J.Acoust.Soc.Am v73 1532−1536 (1983)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
板状をなし、前記電気信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの振動に伴って発生する超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とする。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を提供することができる。このパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0007】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有することが好ましい。
これにより、超音波の音圧をより強く放射することができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0008】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電アクチュエータと重ねて接合され、前記圧電アクチュエータの撓み振動に伴って超音波を発生するように振動する振動板を有することが好ましい。
これにより、変換効率をさらに向上することができ、また、耐久性もさらに向上することができる。
【0009】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板とスペーサプレートと放音プレートとがこの順に重ねて接合されており、前記スペーサプレートにより前記振動板と前記放音プレートとの間に形成された空間によって前記共鳴器の共鳴室の少なくとも一部が形成されていることが好ましい。
これにより、共鳴器部分の製造(組み立て)を容易に行うことができる。
【0010】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電アクチュエータは、板状の圧電素子と、該圧電素子の両面にそれぞれ接合された第1の電極および第2の電極とを有することが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータの構造が簡単で、容易に製造することができる。
【0011】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電素子は、前記第1の電極上に、水熱法により形成されたものであることが好ましい。
これにより、第1の電極上に圧電素子の結晶が成長している構造を備えるため、両者の接合強度が高く、また焼成よりもはるかに低い温度で行うことができるため、熱膨張差に起因する反りの発生や、残留応力の発生がない。また、圧電素子の成長時間を調整することによって圧電素子の膜厚を制御できるため、極めて薄くかつ均一に形成することができる。この結果、圧電素子に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることができる。
【0012】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電素子の膜厚が1〜10μmであることが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータの圧電素子に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることができ、その結果、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができる。
【0013】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板は、導電性材料から構成され、前記圧電アクチュエータに対する電極としての機能を有することが好ましい。
これにより、構造のさらなる簡素化が図れ、さらに容易かつ低コストで製造することができる。
【0014】
本発明のパラメトリックスピーカは、本発明の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とする。
これにより、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0015】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にあることが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータを共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0016】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0017】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1、図2および図3は、それぞれ、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面正面図、断面側面図および平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0019】
これらの図に示すパラメトリックスピーカ用電気音響変換器2(以下、単に「電気音響変換器2」と言う)は、パラメトリックスピーカに用いられるものであり、入力された電気信号を超音波(超音波振動)に変換して空中に放射するものである。なお、電気音響変換器2を備えたパラメトリックスピーカ1の全体構成については後述する。
【0020】
図3に示すように、本実施形態では、行列状(図3では2行×6列)に並ぶ複数(12個)の電気音響変換器2が一体となった構成(電気音響変換器アレイ)になっている。また、図3中、上の行の電気音響変換器2と、下の行の電気音響変換器2とは、半ピッチずらして配置されている。この電気音響変換器アレイにおける各電気音響変換器2は、その構造が互いに同じであるので、以下では、1つの電気音響変換器2について代表して説明する。
【0021】
図1および図2に示すように、電気音響変換器2は、板状をなす圧電アクチュエータ(圧電振動体)3と、該圧電アクチュエータ3と重ねて接合された振動板5と、振動板5が発生する超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。なお、前記電気音響変換器アレイにおいては、圧電アクチュエータ3の第2の電極33、振動板5および共鳴器6は、それぞれ、各電気音響変換器2のものが一体に形成されている。
【0022】
圧電アクチュエータ3は、板状の圧電素子31と、該圧電素子31の下面側に接合された第1の電極32と、上面側に接合された第2の電極33とを有している。この圧電アクチュエータ3は、撓み振動モードのものであり、第1の電極32と第2の電極33との間に電気信号(振動電圧)が入力(印加)されることにより、撓み振動する。
【0023】
図示の構成では、第1の電極32は、前記電気音響変換器アレイにおける各電気音響変換器2に個別に設けられたセグメント電極となっており、第2の電極33は、各電気音響変換器2に共通の共通電極となっている。そして、各第1の電極32には、外に引き出すためのリード部321が接続されている。なお、図示の構成と逆に、第1の電極32が共通電極、第2の電極がセグメント電極となっていてもよい。
【0024】
圧電アクチュエータ3は、撓み振動の固有振動数ν1が、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、後述するように、この固有振動数ν1は、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2の近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数ν1と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
このような圧電アクチュエータ3の第1の電極32および圧電素子31は、絶縁層8に形成された開口部(窓部)内に設けられている。絶縁層8は、例えば二酸化シリコン(SiO2)、ポリイミド等の絶縁材料で構成されている。第2の電極33は、絶縁層8の上面にも連続して形成されている。
【0025】
圧電アクチュエータ3および絶縁層8の下面側には、振動板5が接合(固定)されている。振動板5は、圧電アクチュエータ3の撓み振動により変形可能な弾性を有する薄板で構成されている。この振動板5は、圧電アクチュエータ3の撓み振動に伴って弾性変形し、超音波を発生するように振動(撓み振動)する。
振動板5の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、表面に電気絶縁膜形成処理がなされた不錆鋼、シリコン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
なお、振動板5を導電性材料で構成し、振動板5に圧電アクチュエータ3に対する電極としての機能を持たせてもよい。これにより、構造のさらなる簡素化が図れ、さらに容易かつ低コストで製造することができる。
【0026】
振動板5の下面側には、共鳴器6が設置されている。この共鳴器6は、共鳴室63を有し、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。共鳴器6は、振動板5の下面側に接着剤層7を介して重ねて接合(固定)されたスペーサプレート62と、該スペーサプレート62の下面側に重ねて接合(固定)された放音プレート61とで構成されている。スペーサプレート62によって、振動板5と放音プレート61との間に空間が形成され、この空間が共鳴室63を構成している。
【0027】
スペーサプレート62の製造方法は、特に限定されないが、例えば、共鳴室63を形成するのに適した厚さを備えた基板(例えば、単結晶シリコン基板や不錆鋼基板等)を一方の面から他方の面まで貫通するように異方性エッチングや化学エッチングして開口を形成する方法や、グリーンシート状のセラミックスをプレスで成形した後これを焼成する方法により、好適に製造することができる。
放音プレート61には、共鳴室63に連通する放音孔64が形成されている。放音プレート61は、スペーサプレート62に対し、例えば接着剤による接着等の方法により気密的に固定されている。この放音孔64は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0028】
このような電気音響変換器2の圧電アクチュエータ3に超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(振動電圧)を入力すると、圧電アクチュエータ3は、撓み振動し、これに伴って振動板5が厚み方向に振動(撓み振動)して、超音波を発生する。振動板5で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、図1および図2中の下方向に向かって放射される。
【0029】
放音プレート61、スペーサプレート62の構成材料は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO2、ポリイミド、ポリサルフォン、ネガ型またはポジ型の感光性樹脂材料(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂など)等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種ガラス、各種セラミックスを用いることができる。
【0030】
本発明の電気音響変換器2では、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率(以下、単に「変換効率」と言う場合もある)が高い。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
【0031】
さらに、電気音響変換器2は、上述したように板状の各部材を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。このため、多数の電気音響変換器2を例えば行列状に並べて設置する場合、単位面積当たりの配置個数を極めて多くすることができる。よって、比較的小さいパラメトリックスピーカでも、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカの小型化・軽量化が図れる。
【0032】
特に、本実施形態では、共鳴器6に放音孔64を設けたことにより、超音波がより強く共鳴し、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波の音圧をより強く放射することができる。よって、上述した効果(電力消費量の低減、小型化・軽量化)がより顕著に発揮されるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0033】
なお、共鳴器6は、より優れた共鳴状態を得るために、次のような条件を満足するものであるのが好ましい。共鳴器6の共鳴周波数ν3は、10kHz〜200kHzであるのが好ましく、20kHz〜100kHzであるのがより好ましい。なお、後述するように、この共鳴周波数ν3は、圧電アクチュエータ3の撓み振動の固有振動数ν1やパラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2と近傍にあることや倍音関係の近傍にあることがより好ましい。共鳴器6が上記のような条件を満足するものであることにより、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、上述した共鳴器6の効果がより顕著に発揮される。
なお、一般に、ヘルムホルツ共鳴器は、次式で示される共鳴周波数νを持つ。
【0034】
【数1】
ただし、上記式において、cは音速、Sはポート部(放音孔)の開口面積、Vは共鳴室の容積、Lはポート部の長さ(図2中のLで示す長さ)である。
【0035】
以下、上記式に基づいて、例えばある実施例における共鳴周波数νを計算する。S=50μm×50μm、L=50μm、V=100μm×100μm×1.5mmの共鳴器を考えると、共鳴周波数νは約99kHzである。この場合、後述するパラメトリックスピーカ1において、この共鳴周波数νの近傍の発振周波数ν2を使うことにより、さらに高い効率で空気にエネルギーを伝達させることができる。ただし、実際の共鳴器6は複雑な幾何学的構造を持つため、上記のような計算値は目安に留め、実物での合わせこみが望ましい。こうすれば、より低パワー(低消費電力)で高効率なパラメトリックスピーカが得られる。
【0036】
また、電気音響変換器2は、圧電アクチュエータ3を撓み振動モードで用いることにより、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
なお、本発明の電気音響変換器では、振動板5がなく、圧電アクチュエータ3自体が振動板としても機能するようなものでもよい。
【0037】
次に、圧電アクチュエータ3について、さらに詳細に説明する。
圧電アクチュエータ3の圧電素子31は、第1の電極32上に、水熱法(水熱合成法)により形成されたものであるのが好ましい。この水熱法では、圧電素子31は、例えばチタンで構成された第1の電極32を成長基板として、圧電材料を成長させて層状に形成することができる。なお、水熱法については、例えば、特開平5−136476号公報、特開平6−206787号公報、特開平6−314821号公報等に記載されている。
【0038】
圧電素子31を水熱法によって形成した場合には、第1の電極32上に圧電素子31の結晶が成長している構造を備えるため、両者の接合強度が高く、また焼成よりもはるかに低い温度で行うことができるため、熱膨張差に起因する反りの発生や、残留応力の発生がない。また、圧電素子31は、その成長時間を調整することによって膜厚を制御できるため、極めて薄くかつ均一に形成することができる。この結果、圧電素子31に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることが可能となる。この場合、圧電素子31の膜厚は、0.5μm〜50μmであるのが好ましく、1μm〜10μmであるのがより好ましい。
【0039】
図4は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図、図5は、パラメトリックスピーカの原理を説明するための図である。以下、同図に基づいて、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態について説明する。
図4に示すパラメトリックスピーカ(パラメトリックアレイスピーカ)1は、前述した電気音響変換器2と、発振器(搬送波発生手段)11と、振幅変調器(振幅変調手段)12と、増幅器(増幅手段)13と、音声入力インターフェース14とを備えている。
このパラメトリックスピーカ1は、可聴音(音声信号)によって超音波帯域の周波数をもつ搬送波(信号)を振幅変調したものを空中に放射し、空気の非線型特性を利用して可聴音を復調(自己復調)することにより、指向性の高い音響放射を行うことができるスピーカである。
【0040】
パラメトリックスピーカ1における電気音響変換器2の設置個数は、1個でもよいが、複数個であるのが好ましい。この設置個数の調整により、十分な大きさ(音圧)の可聴音を発生させることができる。前述したように、本発明の電気音響変換器2は、小型化に有利であるので、多数の電気音響変換器2を高い集積度(密度)で配置することができる。
【0041】
発振器11は、超音波帯域の周波数(約20kHz以上)で電圧が振動する信号(搬送波)を生成(発生)する。発振器11の発振周波数(搬送波の周波数)ν2は、超音波帯域であれば特に限定されないが、20kHz〜400kHz程度であるのが好ましく、40kHz〜100kHz程度であるのがより好ましい。
【0042】
図示しない音声生成器で生成された音声信号は、音声入力インターフェース14を介して振幅変調器12に入力される。振幅変調器12は、この音声信号に基づいて、発振器11から発振された信号、すなわち搬送波を振幅変調する。振幅変調器12における振幅変調方式は、特に限定されず、通常の振幅変調方式のものでもよく、また、信号の包絡をもって振幅変調する包絡変調方式でもよい。
【0043】
振幅変調器12によって変調された被変調信号は、増幅器13に入力され、電気音響変換器2を駆動可能なレベルに増幅される。増幅器13で増幅された被変調信号は、電気音響変換器2に入力される。電気音響変換器2は、この入力された信号を超音波に変換し、空中に、指向性を持って(図1および図2中の下方向に)放射する。
【0044】
電気音響変換器2から空中に放射された超音波(被変調波)は、空気の非線形特性によって歪み波となり、空気中を伝搬中に元の音声信号の可聴音に復調される。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っているため、パラメトリックスピーカ1は、所望の特定空間(特定方向)に対してのみ音響放射を行うことができる。
【0045】
上記のようなパラメトリックスピーカ1の原理について、図5に基づいてさらに説明する。図5(a)は、伝送波、すなわち音声生成器から出力された音声信号の波形である。図5(b)は、発振器11で生成された信号(搬送波)の波形である。この搬送波を伝送波にのせることによって、伝送波は、図5(c)のような被変調波(被変調信号)に変換される。この被変調波を空中に放射すると、空気の非線形特性により空気が順方向に震動するときには早く進み、空気が逆方向に進むときには遅く進むことから、音波は、図5(d)のように歪んでゆき、元の可聴音が復調されていく(図5(e))。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っている。
【0046】
このようなパラメトリックスピーカ1では、電気音響変換器2の圧電アクチュエータ3の撓み振動の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2とが近傍にあるのが好ましい。ここで、ν1とν2とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν1/ν2≦1.2、より好ましくは0.9≦ν1/ν2≦1.1なる関係を満足することを言う。ただし、固有振動数ν1は駆動中の発熱などによって微妙に変化するので、実際には、ほんのわずかに発振周波数ν2をずらすことによって結果として安定する条件を選ぶことも好ましい。以上のような条件を満足することにより、圧電アクチュエータ3を共振現象によって比較的低い電圧でもより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0047】
また、パラメトリックスピーカ1では、発振器11の発振周波数ν2と、電気音響変換器2の共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν2とν3とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν2/ν3≦1.2、より好ましくは0.9≦ν2/ν3≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν2とν3とが倍音関係の近傍にあるとは、mおよびnをそれぞれ正の整数として、m×ν2と、n×ν3とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板5で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0048】
また、パラメトリックスピーカ1では、共鳴器6の共鳴周波数ν3と、圧電アクチュエータ3の固有振動数ν1とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν3とν1とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν3/ν1≦1.2、より好ましくは0.9≦ν3/ν1≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν3とν1とが倍音関係の近傍にあるとは、iおよびjをそれぞれ正の整数として、i×ν3と、j×ν1とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板5で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0049】
さらに、パラメトリックスピーカ1では、圧電アクチュエータ3の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが互いに近傍にあるか倍音関係の近傍にあるのが最も好ましい。
なお、このようなパラメトリックスピーカ1は、複数の電気音響変換器2を有するものである場合、複数(複数組)の電気音響変換器2から互いに異なる周波数の超音波を放射してもよい。
【0050】
以上、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面正面図。
【図2】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面側面図。
【図3】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す平面図。
【図4】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図。
【図5】パラメトリックスピーカの原理を説明するための図。
【符号の説明】
1……パラメトリックスピーカ 11……発振器 12……振幅変調器 13……増幅器 14……音声入力インターフェース 2……パラメトリックスピーカ用電気音響変換器 3……圧電アクチュエータ 31……圧電素子 32……第1の電極 321……リード部 33……第2の電極 5……振動板 6……共鳴器 61……放音プレート 62……スペーサプレート 63……共鳴室 64……放音孔 7……接着剤層 8……絶縁層
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
音を向ける方向に関して高い指向性が得られるパラメトリックスピーカ(俗にオーディオ・スポットライトとも称される)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、電気信号を超音波に変換して放射する電気音響変換器を備えており、音声信号に応じて振幅変調した超音波をこの電気音響変換器から放射し、この超音波が空中を伝播する間に音波の非線形現象によって自己復調されることによって生じた可聴音を人間の耳に聞かせる。このように、パラメトリックスピーカは、指向性の高い超音波帯域の音波を放射することによって可聴音を発生することができるので、音を向ける方向に関して高い指向性を有している。
【0003】
しかしながら、従来のパラメトリックスピーカでは、超音波源となる電気音響変換器の変換効率が悪く、かつ大型であった。このため、従来のパラメトリックスピーカでは、重量が重い、大型である、電力消費量が大きい、音質が悪い、製造コストが高い等の多くの欠点がある。そして、パラメトリックスピーカは、自己復調によって可聴音に変換される際に生じる損失のために、エネルギー効率が低いので、上述したような欠点を克服するのが極めて困難であった。
【0004】
【非特許文献1】
M.Yoneyama, et al., J.Acoust.Soc.Am v73 1532−1536 (1983)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
板状をなし、前記電気信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの振動に伴って発生する超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とする。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を提供することができる。このパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0007】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有することが好ましい。
これにより、超音波の音圧をより強く放射することができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0008】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電アクチュエータと重ねて接合され、前記圧電アクチュエータの撓み振動に伴って超音波を発生するように振動する振動板を有することが好ましい。
これにより、変換効率をさらに向上することができ、また、耐久性もさらに向上することができる。
【0009】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板とスペーサプレートと放音プレートとがこの順に重ねて接合されており、前記スペーサプレートにより前記振動板と前記放音プレートとの間に形成された空間によって前記共鳴器の共鳴室の少なくとも一部が形成されていることが好ましい。
これにより、共鳴器部分の製造(組み立て)を容易に行うことができる。
【0010】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電アクチュエータは、板状の圧電素子と、該圧電素子の両面にそれぞれ接合された第1の電極および第2の電極とを有することが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータの構造が簡単で、容易に製造することができる。
【0011】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電素子は、前記第1の電極上に、水熱法により形成されたものであることが好ましい。
これにより、第1の電極上に圧電素子の結晶が成長している構造を備えるため、両者の接合強度が高く、また焼成よりもはるかに低い温度で行うことができるため、熱膨張差に起因する反りの発生や、残留応力の発生がない。また、圧電素子の成長時間を調整することによって圧電素子の膜厚を制御できるため、極めて薄くかつ均一に形成することができる。この結果、圧電素子に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることができる。
【0012】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記圧電素子の膜厚が1〜10μmであることが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータの圧電素子に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることができ、その結果、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができる。
【0013】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板は、導電性材料から構成され、前記圧電アクチュエータに対する電極としての機能を有することが好ましい。
これにより、構造のさらなる簡素化が図れ、さらに容易かつ低コストで製造することができる。
【0014】
本発明のパラメトリックスピーカは、本発明の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とする。
これにより、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0015】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にあることが好ましい。
これにより、圧電アクチュエータを共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0016】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0017】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1、図2および図3は、それぞれ、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面正面図、断面側面図および平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0019】
これらの図に示すパラメトリックスピーカ用電気音響変換器2(以下、単に「電気音響変換器2」と言う)は、パラメトリックスピーカに用いられるものであり、入力された電気信号を超音波(超音波振動)に変換して空中に放射するものである。なお、電気音響変換器2を備えたパラメトリックスピーカ1の全体構成については後述する。
【0020】
図3に示すように、本実施形態では、行列状(図3では2行×6列)に並ぶ複数(12個)の電気音響変換器2が一体となった構成(電気音響変換器アレイ)になっている。また、図3中、上の行の電気音響変換器2と、下の行の電気音響変換器2とは、半ピッチずらして配置されている。この電気音響変換器アレイにおける各電気音響変換器2は、その構造が互いに同じであるので、以下では、1つの電気音響変換器2について代表して説明する。
【0021】
図1および図2に示すように、電気音響変換器2は、板状をなす圧電アクチュエータ(圧電振動体)3と、該圧電アクチュエータ3と重ねて接合された振動板5と、振動板5が発生する超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。なお、前記電気音響変換器アレイにおいては、圧電アクチュエータ3の第2の電極33、振動板5および共鳴器6は、それぞれ、各電気音響変換器2のものが一体に形成されている。
【0022】
圧電アクチュエータ3は、板状の圧電素子31と、該圧電素子31の下面側に接合された第1の電極32と、上面側に接合された第2の電極33とを有している。この圧電アクチュエータ3は、撓み振動モードのものであり、第1の電極32と第2の電極33との間に電気信号(振動電圧)が入力(印加)されることにより、撓み振動する。
【0023】
図示の構成では、第1の電極32は、前記電気音響変換器アレイにおける各電気音響変換器2に個別に設けられたセグメント電極となっており、第2の電極33は、各電気音響変換器2に共通の共通電極となっている。そして、各第1の電極32には、外に引き出すためのリード部321が接続されている。なお、図示の構成と逆に、第1の電極32が共通電極、第2の電極がセグメント電極となっていてもよい。
【0024】
圧電アクチュエータ3は、撓み振動の固有振動数ν1が、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、後述するように、この固有振動数ν1は、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2の近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数ν1と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
このような圧電アクチュエータ3の第1の電極32および圧電素子31は、絶縁層8に形成された開口部(窓部)内に設けられている。絶縁層8は、例えば二酸化シリコン(SiO2)、ポリイミド等の絶縁材料で構成されている。第2の電極33は、絶縁層8の上面にも連続して形成されている。
【0025】
圧電アクチュエータ3および絶縁層8の下面側には、振動板5が接合(固定)されている。振動板5は、圧電アクチュエータ3の撓み振動により変形可能な弾性を有する薄板で構成されている。この振動板5は、圧電アクチュエータ3の撓み振動に伴って弾性変形し、超音波を発生するように振動(撓み振動)する。
振動板5の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、表面に電気絶縁膜形成処理がなされた不錆鋼、シリコン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
なお、振動板5を導電性材料で構成し、振動板5に圧電アクチュエータ3に対する電極としての機能を持たせてもよい。これにより、構造のさらなる簡素化が図れ、さらに容易かつ低コストで製造することができる。
【0026】
振動板5の下面側には、共鳴器6が設置されている。この共鳴器6は、共鳴室63を有し、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。共鳴器6は、振動板5の下面側に接着剤層7を介して重ねて接合(固定)されたスペーサプレート62と、該スペーサプレート62の下面側に重ねて接合(固定)された放音プレート61とで構成されている。スペーサプレート62によって、振動板5と放音プレート61との間に空間が形成され、この空間が共鳴室63を構成している。
【0027】
スペーサプレート62の製造方法は、特に限定されないが、例えば、共鳴室63を形成するのに適した厚さを備えた基板(例えば、単結晶シリコン基板や不錆鋼基板等)を一方の面から他方の面まで貫通するように異方性エッチングや化学エッチングして開口を形成する方法や、グリーンシート状のセラミックスをプレスで成形した後これを焼成する方法により、好適に製造することができる。
放音プレート61には、共鳴室63に連通する放音孔64が形成されている。放音プレート61は、スペーサプレート62に対し、例えば接着剤による接着等の方法により気密的に固定されている。この放音孔64は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0028】
このような電気音響変換器2の圧電アクチュエータ3に超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(振動電圧)を入力すると、圧電アクチュエータ3は、撓み振動し、これに伴って振動板5が厚み方向に振動(撓み振動)して、超音波を発生する。振動板5で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、図1および図2中の下方向に向かって放射される。
【0029】
放音プレート61、スペーサプレート62の構成材料は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO2、ポリイミド、ポリサルフォン、ネガ型またはポジ型の感光性樹脂材料(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂など)等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種ガラス、各種セラミックスを用いることができる。
【0030】
本発明の電気音響変換器2では、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率(以下、単に「変換効率」と言う場合もある)が高い。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
【0031】
さらに、電気音響変換器2は、上述したように板状の各部材を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。このため、多数の電気音響変換器2を例えば行列状に並べて設置する場合、単位面積当たりの配置個数を極めて多くすることができる。よって、比較的小さいパラメトリックスピーカでも、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカの小型化・軽量化が図れる。
【0032】
特に、本実施形態では、共鳴器6に放音孔64を設けたことにより、超音波がより強く共鳴し、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波の音圧をより強く放射することができる。よって、上述した効果(電力消費量の低減、小型化・軽量化)がより顕著に発揮されるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0033】
なお、共鳴器6は、より優れた共鳴状態を得るために、次のような条件を満足するものであるのが好ましい。共鳴器6の共鳴周波数ν3は、10kHz〜200kHzであるのが好ましく、20kHz〜100kHzであるのがより好ましい。なお、後述するように、この共鳴周波数ν3は、圧電アクチュエータ3の撓み振動の固有振動数ν1やパラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2と近傍にあることや倍音関係の近傍にあることがより好ましい。共鳴器6が上記のような条件を満足するものであることにより、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、上述した共鳴器6の効果がより顕著に発揮される。
なお、一般に、ヘルムホルツ共鳴器は、次式で示される共鳴周波数νを持つ。
【0034】
【数1】
ただし、上記式において、cは音速、Sはポート部(放音孔)の開口面積、Vは共鳴室の容積、Lはポート部の長さ(図2中のLで示す長さ)である。
【0035】
以下、上記式に基づいて、例えばある実施例における共鳴周波数νを計算する。S=50μm×50μm、L=50μm、V=100μm×100μm×1.5mmの共鳴器を考えると、共鳴周波数νは約99kHzである。この場合、後述するパラメトリックスピーカ1において、この共鳴周波数νの近傍の発振周波数ν2を使うことにより、さらに高い効率で空気にエネルギーを伝達させることができる。ただし、実際の共鳴器6は複雑な幾何学的構造を持つため、上記のような計算値は目安に留め、実物での合わせこみが望ましい。こうすれば、より低パワー(低消費電力)で高効率なパラメトリックスピーカが得られる。
【0036】
また、電気音響変換器2は、圧電アクチュエータ3を撓み振動モードで用いることにより、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
なお、本発明の電気音響変換器では、振動板5がなく、圧電アクチュエータ3自体が振動板としても機能するようなものでもよい。
【0037】
次に、圧電アクチュエータ3について、さらに詳細に説明する。
圧電アクチュエータ3の圧電素子31は、第1の電極32上に、水熱法(水熱合成法)により形成されたものであるのが好ましい。この水熱法では、圧電素子31は、例えばチタンで構成された第1の電極32を成長基板として、圧電材料を成長させて層状に形成することができる。なお、水熱法については、例えば、特開平5−136476号公報、特開平6−206787号公報、特開平6−314821号公報等に記載されている。
【0038】
圧電素子31を水熱法によって形成した場合には、第1の電極32上に圧電素子31の結晶が成長している構造を備えるため、両者の接合強度が高く、また焼成よりもはるかに低い温度で行うことができるため、熱膨張差に起因する反りの発生や、残留応力の発生がない。また、圧電素子31は、その成長時間を調整することによって膜厚を制御できるため、極めて薄くかつ均一に形成することができる。この結果、圧電素子31に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることが可能となる。この場合、圧電素子31の膜厚は、0.5μm〜50μmであるのが好ましく、1μm〜10μmであるのがより好ましい。
【0039】
図4は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図、図5は、パラメトリックスピーカの原理を説明するための図である。以下、同図に基づいて、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態について説明する。
図4に示すパラメトリックスピーカ(パラメトリックアレイスピーカ)1は、前述した電気音響変換器2と、発振器(搬送波発生手段)11と、振幅変調器(振幅変調手段)12と、増幅器(増幅手段)13と、音声入力インターフェース14とを備えている。
このパラメトリックスピーカ1は、可聴音(音声信号)によって超音波帯域の周波数をもつ搬送波(信号)を振幅変調したものを空中に放射し、空気の非線型特性を利用して可聴音を復調(自己復調)することにより、指向性の高い音響放射を行うことができるスピーカである。
【0040】
パラメトリックスピーカ1における電気音響変換器2の設置個数は、1個でもよいが、複数個であるのが好ましい。この設置個数の調整により、十分な大きさ(音圧)の可聴音を発生させることができる。前述したように、本発明の電気音響変換器2は、小型化に有利であるので、多数の電気音響変換器2を高い集積度(密度)で配置することができる。
【0041】
発振器11は、超音波帯域の周波数(約20kHz以上)で電圧が振動する信号(搬送波)を生成(発生)する。発振器11の発振周波数(搬送波の周波数)ν2は、超音波帯域であれば特に限定されないが、20kHz〜400kHz程度であるのが好ましく、40kHz〜100kHz程度であるのがより好ましい。
【0042】
図示しない音声生成器で生成された音声信号は、音声入力インターフェース14を介して振幅変調器12に入力される。振幅変調器12は、この音声信号に基づいて、発振器11から発振された信号、すなわち搬送波を振幅変調する。振幅変調器12における振幅変調方式は、特に限定されず、通常の振幅変調方式のものでもよく、また、信号の包絡をもって振幅変調する包絡変調方式でもよい。
【0043】
振幅変調器12によって変調された被変調信号は、増幅器13に入力され、電気音響変換器2を駆動可能なレベルに増幅される。増幅器13で増幅された被変調信号は、電気音響変換器2に入力される。電気音響変換器2は、この入力された信号を超音波に変換し、空中に、指向性を持って(図1および図2中の下方向に)放射する。
【0044】
電気音響変換器2から空中に放射された超音波(被変調波)は、空気の非線形特性によって歪み波となり、空気中を伝搬中に元の音声信号の可聴音に復調される。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っているため、パラメトリックスピーカ1は、所望の特定空間(特定方向)に対してのみ音響放射を行うことができる。
【0045】
上記のようなパラメトリックスピーカ1の原理について、図5に基づいてさらに説明する。図5(a)は、伝送波、すなわち音声生成器から出力された音声信号の波形である。図5(b)は、発振器11で生成された信号(搬送波)の波形である。この搬送波を伝送波にのせることによって、伝送波は、図5(c)のような被変調波(被変調信号)に変換される。この被変調波を空中に放射すると、空気の非線形特性により空気が順方向に震動するときには早く進み、空気が逆方向に進むときには遅く進むことから、音波は、図5(d)のように歪んでゆき、元の可聴音が復調されていく(図5(e))。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っている。
【0046】
このようなパラメトリックスピーカ1では、電気音響変換器2の圧電アクチュエータ3の撓み振動の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2とが近傍にあるのが好ましい。ここで、ν1とν2とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν1/ν2≦1.2、より好ましくは0.9≦ν1/ν2≦1.1なる関係を満足することを言う。ただし、固有振動数ν1は駆動中の発熱などによって微妙に変化するので、実際には、ほんのわずかに発振周波数ν2をずらすことによって結果として安定する条件を選ぶことも好ましい。以上のような条件を満足することにより、圧電アクチュエータ3を共振現象によって比較的低い電圧でもより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0047】
また、パラメトリックスピーカ1では、発振器11の発振周波数ν2と、電気音響変換器2の共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν2とν3とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν2/ν3≦1.2、より好ましくは0.9≦ν2/ν3≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν2とν3とが倍音関係の近傍にあるとは、mおよびnをそれぞれ正の整数として、m×ν2と、n×ν3とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板5で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0048】
また、パラメトリックスピーカ1では、共鳴器6の共鳴周波数ν3と、圧電アクチュエータ3の固有振動数ν1とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν3とν1とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν3/ν1≦1.2、より好ましくは0.9≦ν3/ν1≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν3とν1とが倍音関係の近傍にあるとは、iおよびjをそれぞれ正の整数として、i×ν3と、j×ν1とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板5で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0049】
さらに、パラメトリックスピーカ1では、圧電アクチュエータ3の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが互いに近傍にあるか倍音関係の近傍にあるのが最も好ましい。
なお、このようなパラメトリックスピーカ1は、複数の電気音響変換器2を有するものである場合、複数(複数組)の電気音響変換器2から互いに異なる周波数の超音波を放射してもよい。
【0050】
以上、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面正面図。
【図2】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面側面図。
【図3】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す平面図。
【図4】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図。
【図5】パラメトリックスピーカの原理を説明するための図。
【符号の説明】
1……パラメトリックスピーカ 11……発振器 12……振幅変調器 13……増幅器 14……音声入力インターフェース 2……パラメトリックスピーカ用電気音響変換器 3……圧電アクチュエータ 31……圧電素子 32……第1の電極 321……リード部 33……第2の電極 5……振動板 6……共鳴器 61……放音プレート 62……スペーサプレート 63……共鳴室 64……放音孔 7……接着剤層 8……絶縁層
Claims (12)
- パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
板状をなし、前記電気信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの振動に伴って発生する超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とするパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。 - 前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有する請求項1に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記圧電アクチュエータと重ねて接合され、前記圧電アクチュエータの撓み振動に伴って超音波を発生するように振動する振動板を有する請求項1または2に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記振動板とスペーサプレートと放音プレートとがこの順に重ねて接合されており、前記スペーサプレートにより前記振動板と前記放音プレートとの間に形成された空間によって前記共鳴器の共鳴室の少なくとも一部が形成されている請求項3に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記圧電アクチュエータは、板状の圧電素子と、該圧電素子の両面にそれぞれ接合された第1の電極および第2の電極とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記圧電素子は、前記第1の電極上に、水熱法により形成されたものである請求項5に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記圧電素子の膜厚が1〜10μmである請求項6に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記振動板は、導電性材料から構成され、前記圧電アクチュエータに対する電極としての機能を有する請求項1ないし7のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とするパラメトリックスピーカ。 - 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にある請求項9に記載のパラメトリックスピーカ。
- 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にある請求項9または10に記載のパラメトリックスピーカ。
- 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の圧電アクチュエータの撓み振動の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にある請求項9ないし11のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
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