JP4124154B2 - 音響変換器およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、音あるいは振動と電気信号を双方的に変換するものであり、特にイヤホン、マイクロレシーバ、補聴器など小型化が要求される音響変換器およびその製造方法に関するものである。
従来、この種の音響変換器としては次のようなものがある。
例えば補聴器では、空気中に伝わる音波を的確にとらえて電気信号に変換し、その電気信号をDSPなどで増幅処理、波長調整などの信号処理を行った後、再び電気信号を音波に変換する。このように補聴器では音波を電気信号に変換する音響変換器と、電気信号を音波に変換する音響変換器がそれぞれ用いられている。そして、これらが組み込まれた補聴器は使用者の耳穴に適切な形でセットされる。
また、音あるいは振動と電気信号を変換するためには各種の方法があり、例えば音波の振動によってコンデンサの容量が変化することを利用して音波を電気信号に変換する方式や、コイルに電流を流して磁場を発生し、この磁場と周辺磁場との相互作用力によってダイアフラム部を振動させることで電気信号を音波に変換するものがある。
一方、補聴器には小型のものが望まれ、耳穴に完全に隠れた状態にするためには音響変換器は極めて小さなサイズとする必要がある。しかし、音波の振動を発生もしくは受信する振動部の大きさが小さくなると、振動部が持つ共振周波数が高くなり、可聴域である100〜20000Hzの振動レベルが下がるので音波の変換効率が著しく下がる。その結果として、補聴器として望まれる小さなサイズのものを実現することが難しく、耳かけ型のように耳穴の外に装置を設置せざるを得ない。
一方、このような振動部での振動レベルが小さくてもシステム全体として振動レベルを大きくする手段として管共鳴現象がよく知られている。これは管楽器に用いられるように、演奏者によってもたらされた振動部の小さな振動をこれに接続した管楽器の管内へ伝達し、管内で共振を発生させることで結果として大きな空気振動を発生するものである。この原理を応用したものとして小型スピーカなどをあげることができる。この小型スピーカは電気−音響変換を行う振動面を有する変換手段と、圧力波を伝播する媒体(一般的には空気)と振動面の間でエネルギを伝達する伝送ラインとを有した圧力波エネルギ伝達装置について検討し、伝送ラインの有効長を伝達される圧力波エネルギの最低周波数における四分の一波長に一致させることによりコンパクトなシステムであっても低音応答が改善されるとしている(例えば特許文献1参照)。
また、電気−音響変換部によって生成される圧力波エネルギを伝達する音響導波路部があり、この音響導波路部は螺旋形状に形成された管を備えていることにより比較的小型の構造の中に長い導波路チャネルを有するので圧力波エネルギの伝達を改善することができるものもある(例えば特許文献2参照)。
以上のように、振動部における小さな振動レベルを管共鳴現象を利用して効率よく伝達することにより、結果として大きな音波を伝達させる方法であり、例えば小型のスピーカシステムであっても大型に匹敵する幅広い周波数特性を有した性能を発揮することができる。
特開昭60−177794号公報 特開2003−264887号公報
しかしながら、前記従来の構成では一般家庭用小型スピーカシステムとしての利用を想定したものであり、もっと小型化が要求される音響変換装置、例えば人の耳穴に完全に入ってしまうほどの小さな補聴器などへの利用を可能とする高性能な音響変換器については何ら開示されていない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少なくとも電気−音響変換部と音響導波路部を備えた高性能な音響変換器を極めて小さなものとするための音響変換器およびその製造方法を実現することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために本発明は、溝を有する第一の基板と、この第一の基板の溝側に接合された第二の基板と、この第二の基板と前記溝とで形成された空洞とを備え、この空洞は、前記第一の基板の側面において、外方へ通じる少なくとも二つ以上の開口部と、前記溝の一部で形成されたポンプ室とを有し、このポンプ室の上部であって、前記第一の基板上には、第一の導電層と圧電体と第二の導電層とから構成されたアクチュエータが設けられている構成とするものである。
本発明の音響変換器およびその製造方法は、少なくとも電気−音響変換部と音響導波路部を備えた音響変換器を低周波領域にも十分なレベルを持ちながら極めて小さく構成することにより、例えば人の耳穴に完全に入ってしまうほどのサイズの小型化が実現できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における音響変換器およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における音響変換器の斜視図であり、図2は同上面図である。また、図3は図2のA−A部における断面図である。
図1〜図3において、1はシリコンよりなる第一の基板であり、この第一の基板1の一面には溝2が形成されている。さらに、第一の基板1の下面側にはさらにガラスよりなる第二の基板5が溝2を塞ぐように接合されている。特に、前記第一の基板1と第二の基板5が接合する界面には接着剤など異種材料が存在していない構成としている。
この接合面を実現するために、第一の基板1の材料をシリコンとすることにより、シリコンを構成する原子であるSi、Oと第二の基板5の材料をガラスとすることにより、ガラスを構成する原子であるSi、O、Na、Kなどが直接分子間接合していることを特徴としている。この組み合わせが最も生産性の観点からは望ましいが、その他にもシリコン−シリコン、シリコン−水晶、水晶−ガラスなどの組み合わせがあり、形状、特性、生産性の観点から音響変換器の用途に応じて適宜選択することが可能である。
また、図2に示すように第一の基板1の一面に形成した溝2は第一の開口部3と第二の開口部4の断面積が第一の開口部3と第二の開口部4の間を接続する溝部の断面積より広い形状となっており、第一の開口部3および第二の開口部4は第一の基板1の側面で外部に開口した形状としている。このような形状とすることにより、第一の開口部3および第二の開口部4から外部へ向けて、あるいは外部から溝2の内部への音波の伝達をより効率よく行うことができる。
また、第一の基板1の側面に形成された少なくとも一つの開口部3、4は前記第一の基板1に形成された溝2の断面積よりも大きくすることにより、側面から音波が進入もしくは送出することができる上、断面積が溝2より広いために外方との間で効率よく音波を伝達することができる。
さらに、図3に示すように溝2は第一の基板1の一面である下面側から形成しているが第一の基板1の上面側を一部残すように形成されている。そして、溝2の中心より第一の開口部3に寄った部分には一部が膨らんだ形状に加工したポンプ室10を形成している。
また、このポンプ室10の上部にある第一の基板1の上面には白金よりなる第一の導電層6、チタン酸ジルコン酸鉛よりなる圧電体8、金よりなる第二の導電層7によってアクチュエータ9が構成されている。この導電層6、7を白金、チタン、イリジウム、金、クロムのいずれか一つまたは複合された材料で構成し、圧電体8をチタン酸ジルコン酸鉛より構成することによって圧電体8の厚みが薄くても大きな圧電常数を持つことができることから効率的な電気−音響変換を行うことができる。
さらに、第一の基板1に形成された溝2の長さはアクチュエータ9の形成される長さの少なくとも2倍以上としている。
このように構成された音響変換器は、第一の基板1に形成された溝2に第二の基板5を接合することで音波を伝達する媒体、通常は空気が満たされる空洞を構成できるので、音波は第一の基板1の内部に形成された溝2と第二の基板5とで構成される空洞を伝達することになり、この溝2は均質な材料で構成されるために音波の伝達ロスを少なくすることができる。
さらに、前記空洞には第一の基板1の側面に形成した開口部3、4が設けられているので、音波は第一の基板1の側面から入出力を行えるので空洞の管内での伝達ロスが少ない。
また、前記空洞の一部にはアクチュエータ9が音響的に連結するように接合されているので、このアクチュエータ9を振動させることにより、空洞内へ音波を伝達する媒体を空洞内で振動させることができる。
これにより、前記空洞内で音波を伝達する媒体を共鳴させることができ、アクチュエータ9に加えた電気信号による小さな振動を空洞内で共鳴させることにより、大きな音波へ変換することができる。
反対に、空洞内に進入した音波は空洞内で共鳴することにより、アクチュエータ9の振動を大きく発生させることも可能であるので、音波を電気信号へ変換することができる。
ここで、第一の基板1、第二の基板5の材料にはシリコン、水晶、単結晶基板、ガラスなどを用いることができ、これらの材料に後に述べる加工技術を用いることにより、上記音響変換器は極めて高精度でしかも小さい形状を実現することができる。
次に、音響変換器を用いて電気信号を音波に変換する手順について詳細に説明する。
まず、発生させたい音波の周波数と同じ周波数の電気信号を第一の導電層6および第二の導電層7の間に印加する。このように導電層6と導電層7の間で電場を発生させると圧電体8は自身の寸法を周波数に伴う電場強度に従って伸び縮みさせることができる。一方、第二の導電層7には第一の基板1を構成する一部が連結固着されているので、この圧電体8の伸縮に伴って第一の基板1に歪みが発生する。この歪みはポンプ室10内の体積を膨張あるいは圧縮することとなり、ポンプ室10の内部は一時的に圧力が変化するのでこの圧力変化に伴って、第一の開口部3および第二の開口部4から音波を伝達する媒体、例えば空気が電気信号の周波数に応じて周期的に流入もしくは排出される。ここでポンプ室10の大きさを溝2より大きくしているのは、こうすることで空気が流れる際にポンプ室10の内部に一時的に滞留されることから、より安定した空気の流れが期待できる。
さらに、ポンプ室10を大きくすることにより、このポンプ室10の上部に設置されるアクチュエータ9の大きさを大きくすることができるのでアクチュエータ9の共振周波数が下がることから低周波域の振動レベルが上がり、より大きな変位を発生させることが可能となり、より効率のよい電気−音響変換を行えるという効果も有する。
一方、この空気の流れは溝2の内部を流れる際に長さに応じた共鳴周波数を有している。この共鳴周波数と同じ周波数の電気信号をアクチュエータ9に加えると、溝2の内部で管共鳴が起こることにより大きな音波を発生させることができる。
ここで、アクチュエータ9は耳穴に入るほどの小さいサイズ、例えば5mm以下であることから、このアクチュエータ9の共振周波数は100kHz以上になり、可聴域である20〜20000Hzの低周波領域では振動レベルが低く、アクチュエータ9だけでは十分な音波変換ができない。これに対して、本発明ではアクチュエータ9が形成される領域は溝2の全長の少なくとも半分以下としている。このように、本発明ではアクチュエータ9によって生成される音波が溝2の内部へ伝達される際に溝2の長さがアクチュエータ9の2倍以上としていることから、音波が伝達される方向は溝2の長さ方向となり、長さ方向では音波が共鳴する周波数はアクチュエータ9が共振する周波数より低いので、アクチュエータ9が単体で生成する音波に比べて、アクチュエータ9が溝2に接合されている方が低周波領域であっても大きな振動レベルを発生させることが可能となることから小型の音響変換器でありながら大きな音波を生成することができる。その結果、低周波での音響変換をより効率よく行うことができる。
また、アクチュエータ9は第一の開口部3により近く寄った箇所に形成するとともに第一の開口部3の大きさは第二の開口部4より小さくしている。これにより音波を伝達する媒体は第一の開口部3から第二の開口部4へ向かって流れることとなり、音波の伝達に方向性を付与することができる。
なお、上記説明では溝2が直線状である形状について示したが、溝2は直線である必要はなく、例えば図4に示すように曲線を複数含んでもよい。このような構成では溝2の全長を長くすることができるので溝2による管共鳴周波数はより低周波にすることが可能となり、低周波における振動レベルをより大きくすることができる。
また、第一の基板1に形成されたアクチュエータ9の下方に位置する溝2の断面積は前記2つ以上の開口部3,4を接続する溝2の断面積よりも大きくしてポンプ室10とすることにより、アクチュエータ9がより大きな駆動を行うことができる上にアクチュエータ9の共振周波数を下げることができることから、低周波における電気−音響変換効率を上げることができる。
また、第一の基板1をシリコンとし、第二の基板5をガラスより構成することにより、もっとも生産効率を高めることができる。
また、第一の基板1と第二の基板5を直接接合もしくは陽極接合等による接着剤を介さない方法で接合していることにより、伝達ロスを非常に少なくすることができる。
次に、図面を用いて本発明の音響変換器の製造方法について説明する。
図5〜図9は本発明の音響変換器の製造方法を説明するための断面図を示したものである。
まず始めに、図5に示すようにシリコンよりなる第一の基板1の上面に第一の導電層6として白金を蒸着法にて形成し、この白金の上に圧電体8としてチタン酸ジルコン酸鉛をスパッタリング法で形成し、さらにその上に第二の導電層7として金を蒸着法にて形成する。
このとき、白金、チタン酸ジルコン酸鉛はスパッタリング法が望ましく、金は蒸着法が望ましい。この組み合わせにより圧電体8を構成するチタン酸ジルコン酸鉛は高い結晶性および配向性を持ち、良好な圧電特性を有するので電気−音響変換を効率よく行えるのである。
次に、図6に示すようにレジストマスク14を所定パターンに形成し、金およびチタン酸ジルコン酸鉛をエッチングして、第二の導電層7および圧電体8をパターニングする。これに用いるエッチング方法としては微細なパターンを高精度に形成するためドライエッチング法が望ましい。またレジストマスク14はエッチング後に除去する。
次に、図7に示すようにレジストマスク15を所定のパターンに形成し、白金をエッチングして、第一の導電層6をパターニングする。このときのエッチング方法としてはドライエッチング法、ウェットエッチング法が適用できる。またレジストマスク15はエッチング後に除去する。
次に、図8に示すように第一の基板1の下面にレジストマスク16を所定のパターンに形成し、第一の基板1であるシリコンをエッチングして溝2をパターニングする。このとき、エッチングする量はシリコンを貫通してしまわないように注意が必要であり、10μm程度は残すことが望ましい。またレジストマスク16はエッチング後に除去する。
ここで、第一の基板1をエッチングする方法としてはエッチングを抑制するガス、例えばC48、CHF3などと、エッチングを促進するガス、例えばSF6、CF4、XeF2など、少なくとも2種類のガスを交互に用いてドライエッチングする方法と、それぞれのガスを混合して行うドライエッチング法であることが望ましい。これはエッチングを促進するガスによってエッチングを少し行った後、エッチングを抑制するガスによってエッチング壁面に保護膜を形成する工程を繰り返すことにより、第一の基板1の下面に対して垂直な方向にエッチングを進行させることができることにより溝2の形成をより高密度にできる。また、第一の基板1に溝2を形成する工程はエッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスの2種類を混合してドライエッチングを行うことにより、第一の基板1に形成する溝2を高密度にできるとともに生産性の高い製造方法とすることができる。
次に、図9に示すように第二の基板5を第一の基板1の下面に接合する。接合する方法としては直接接合もしくは陽極接合が望ましい。この方法は第一の基板1の下面および第二の基板5の上面をあらかじめ鏡面に研磨しておかなければならないことから、第一の基板1をシリコンとし、第二の基板5をガラスとすることにより最も前記接合技術の適用を行いやすい。このように、第一の基板1の下面と第二の基板5を接合するためにはそれぞれの基板の貼り合わせ面にゴミが無いように洗浄した後、貼り合わせを行うことが必要である。
また、直接接合の場合には貼り合わせた状態で少なくとも250℃以上の温度に上げることで両基板は接着剤などを必要とせず、強固に分子間接合が完了する。
また、陽極接合の場合には両基板の間に500V程度の電圧を加えて両基板を静電吸着した上、少なくとも250℃以上の温度にすることで、直接接合と同様に強固な分子間接合が完了する。
このように第一の基板1に第二の基板5を接着剤を介さない方法により接合することで、音波の伝播に影響を与える伝達ロスが非常に少なくなり、余分な材料を用いることなく、より望ましい音響変換器構成とすることができる。
以上のような製造方法により、電気信号を効率よく音波に変換するための小型の音響変換器を効率的に得られる製造方法を提供することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における音響変換器およびその製造方法について、図面を用いて説明する。
図10は本発明の実施の形態2における音響変換器の斜視図であり、図11は図10のB−B部における断面図である。
図10および図11において、実施の形態2が実施の形態1と違う点は第一の基板18の材料を下部シリコン層21と、二酸化珪素層20と、上部シリコン層19とからなる積層基板とすることであり、その他の構成は実施の形態1と同じである。
このような構成にすることにより音響変換器の機能は同じであるので詳細な説明は省略する。一方、この構成の音響変換器は製造をより容易にすることができるので、この製造方法について詳細に述べる。
まず、図12に示すように上部シリコン層19、二酸化珪素層20および下部シリコン層21が形成された積層基板からなる第一の基板18に白金からなる第一の導電層22、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体23、金からなる第二の導電層24をそれぞれ形成し、その後図13に示すようにレジストマスク30を形成して第2の導電層24と圧電体23をパターニングする。
次に、図14に示すようにレジストマスク31を形成して第一の導電層22をパターニングしてアクチュエータ25を第一の基板18の上面に得る。
なお、上部シリコン層19、二酸化珪素層20、下部シリコン層21が積層された積層基板は一般にSOI基板と呼ばれ、上部シリコン層19、二酸化珪素層20、下部シリコン層21の厚みをあらかじめ決められた値にしたものが容易に入手できる。本発明で重要なのは上部シリコン層19と二酸化珪素層20の厚みであり、所定の厚みを有するものを用意する必要がある。上部シリコン層19の厚みは2〜20μm、二酸化珪素層20の厚みは0.1〜2μm程度が望ましい。
次に、図15のように第一の基板18の下部にレジストマスク32を形成して下部シリコン層21をドライエッチングすることによって溝26を形成する。このとき、同時に第一の開口部と第二の開口部も形成できる。またこのときのエッチング方法としては実施の形態1と同様、エッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスを用いて交互にまたは混合してドライエッチングすることが望ましい。
本実施の形態2では、実施の形態1と違って下部シリコン層21をエッチングすると、エッチングストップ層として二酸化珪素層20が存在することになる。これによって、エッチングを多少過剰にエッチングしても上部シリコン層19は全く影響を受けないので、アクチュエータ25の下部に位置する上部シリコン層19の厚みが基板間でばらつくことなく、安定した製造を可能にする。
次に、図16のように第二の基板29を接合することにより、実施の形態2で示す音響変換器を得る。
以上説明してきたように、第一の基板18をシリコンと、二酸化珪素または二酸化珪素を含むガラスと、シリコンとからなる積層基板とし、第二の基板29をガラスより構成することにより、アクチュエータ25の振動部分を高精度に加工できることから特性を安定化させることが可能となり、音波が伝達する媒体で満たされる溝26も高精度に加工できることから音波伝達特性を安定化できる音響変換器の製造方法を実現することができる。
以上のように本発明にかかる音響変換器およびその製造方法は、電気−音響変換部と音響導波路部を備えた音響変換器を低周波領域にも十分なレベルを持ちながら極めて小さく構成することが可能となることから、イヤホン、マイクロレシーバ、補聴器など小型化が要求される音響変換装置に有用できる。
本発明の実施の形態1における音響変換器の斜視図 同上面図 同図2のA−A部における断面図 同別の例の音響変換器の上面図 同音響変換器の製造方法を説明するための断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 本発明の実施の形態2における音響変換器の斜視図 同図10のB−B部における断面図 同音響変換器の製造方法を説明するための断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図
符号の説明
1 第一の基板
2 溝
3 第一の開口部
4 第二の開口部
5 第二の基板
6 第一の導電層
7 第二の導電層
8 圧電体
9 アクチュエータ
10 ポンプ室
14 レジストマスク
15 レジストマスク
16 レジストマスク
18 第一の基板
19 上部シリコン層
20 二酸化珪素層
21 下部シリコン層
22 第一の導電層
23 圧電体
24 第二の導電層
25 アクチュエータ
26 溝
29 第2の基板
30 レジストマスク
31 レジストマスク
32 レジストマスク

Claims (19)

  1. 少なくとも一面に溝を有する第一の基板と、
    この第一の基板の前記溝側に接合された第二の基板と、
    この第二の基板と前記溝とで構成された空洞とを備え、
    この空洞は、前記第一の基板の側面において、外方へ通じる少なくとも二つ以上の開口部と、前記溝の一部で形成されたポンプ室とを有し、
    このポンプ室の上部であって、前記第一の基板上には、第一の導電層と圧電体と第二の導電層とから構成されたアクチュエータが設けられている音響変換器。
  2. 少なくとも一つの開口部の断面積を溝の断面積よりも大きくした請求項1に記載の音響変換器。
  3. 一方の開口部の断面積を他方の開口部の断面積よりも小さくし、且つアクチュエータを一方の開口部に接近して設けた請求項1に記載の音響変換器。
  4. 溝の長さをアクチュエータの長さの2倍以上とした請求項1に記載の音響変換器。
  5. アクチュエータの下方に位置する前記ポンプ室の断面積を2つ以上の開口部に接続する溝の断面積よりも大きくした請求項1に記載の音響変換器。
  6. 第一の基板をシリコンとした請求項1に記載の音響変換器。
  7. 第二の基板をガラスとした請求項1に記載の音響変換器。
  8. 第一の基板をシリコンとし、第二の基板をガラスとした請求項1に記載の音響変換器。
  9. 前記アクチュエータの駆動により、前記ポンプ室内の体積は膨張あるいは圧縮する請求項1に記載の音響変換器。
  10. 前記第一、第二の導電層を白金、チタン、イリジウム、金、クロムのいずれか一つを含む電極とした請求項9に記載の音響変換器。
  11. 圧電体をチタン酸ジルコン酸鉛とした請求項9に記載の音響変換器。
  12. 前記第一、第二の導電層を白金、チタン、イリジウム、金、クロムのいずれか一つを含む電極とし、圧電体をチタン酸ジルコン酸鉛とした請求項1に記載の音響変換器。
  13. 第一の基板をシリコンと、二酸化珪素または二酸化珪素を含むガラスと、シリコンとからなる積層基板とした請求項1に記載の音響変換器。
  14. 第一の基板をシリコンと、二酸化珪素または二酸化珪素を含むガラスと、シリコンとからなる積層基板とし、第二の基板をガラスとした請求項1に記載の音響変換器。
  15. 第一の基板と第二の基板を直接接合もしくは陽極接合で接着した請求項8または11に記載の音響変換器。
  16. 一の基板の上面に第一の導電層と圧電体と第二の導電層を順番に形成する工程と、
    前記第一の導電層と前記圧電体と前記第二の導電層をエッチングしてアクチュエータを形成する工程と、
    前記第一の基板の下面をエッチングして溝を形成し、前記アクチュエータの下方に位置する前記溝をポンプ室とする工程と、
    前記第一の基板の下面に第二の基板を接合し、
    この第二の基板と前記溝とで形成され、前記第一の基板の側面において、外方へ通じる少なくとも二つ以上の開口部を有する空洞とを形成する工程とからなる音響変換器の製造方法。
  17. 第一の基板に溝を形成する工程がエッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスの2種類を交互に用いてエッチングを行うドライエッチングからなる請求項16に記載の音響変換器の製造方法。
  18. 第一の基板に溝を形成する工程がエッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスの2種類を混合して行うドライエッチングからなる請求項16に記載の音響変換器の製造方法。
  19. 第一の基板に第二の基板を接合する方法が直接接合あるいは陽極接合からなる請求項16に記載の音響変換器の製造方法。
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