JP2004349815A - パラメトリックスピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】発生する音の指向性を特に強くすることができるパラメトリックスピーカを提供すること。
【解決手段】本発明のパラメトリックスピーカは、超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、発振器が生成した信号を音声信号に基づいて振幅変調する振幅変調器と、振幅変調器によって変調された被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器2を並べてなる電気音響変換器アレイ10とを備える。電気音響変換器アレイ10は、放射する超音波の波長λより短いピッチdで電気音響変換器2が並んだものである。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラメトリックスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
音を向ける方向に関して高い指向性が得られるパラメトリックスピーカ(俗にオーディオ・スポットライトとも称される)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、電気信号を超音波に変換して放射する電気音響変換器を備えており、音声信号に応じて振幅変調した超音波をこの電気音響変換器から放射し、この超音波が空中を伝播する間に音波の非線形現象によって自己復調されることによって生じた可聴音を人間の耳に聞かせる。このように、パラメトリックスピーカは、指向性の高い超音波を放射することによって可聴音を発生することができるので、音を向ける方向に関して比較的高い指向性を有している。
【0003】
しかしながら、従来のパラメトリックスピーカでは、発生する音の指向性の強さ(鋭さ)が必ずしも十分ではなく、指向性のさらなる向上が要求されている。
また、従来のパラメトリックスピーカでは、超音波源となる電気音響変換器の変換効率が悪く、かつ大型であるため、重量が重い、大型である、電力消費量が大きい、音質が悪い、製造コストが高い等の多くの問題もある。
【0004】
【非特許文献1】
M.Yoneyama, et al., J.Acoust.Soc.Am v73 1532−1536 (1983)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発生する音の指向性を特に強くすることができるパラメトリックスピーカを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のパラメトリックスピーカは、超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて、前記発振器が生成した信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器を並べてなる電気音響変換器アレイとを備えるパラメトリックスピーカであって、
前記電気音響変換器アレイは、放射する超音波の波長より短いピッチで前記電気音響変換器が並んだものであることを特徴とする。
これにより、発生する音の指向性を特に強くすることができるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0007】
本発明のパラメトリックスピーカは、超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて、前記発振器が生成した信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器を並べてなる電気音響変換器アレイとを備えるパラメトリックスピーカであって、
前記電気音響変換器アレイは、放射する超音波の波長を直径とする円とほぼ同じかまたはこれより大きい領域に渡って前記電気音響変換器が配置されたものであることを特徴とする。
これにより、発生する音の指向性を特に強くすることができるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0008】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器アレイが放射する超音波の波長をλ、前記電気音響変換器アレイにおける前記電気音響変換器の配列ピッチをdとしたとき、λ/dの値が2以上であることが好ましい。
これにより、電気音響変換器アレイから放射される超音波の波面がより平面に近くなるので、発生する音の指向性をさらに強くすることができる。
【0009】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器アレイが放射する超音波の波長をλとしたとき、前記電気音響変換器アレイは、λの2〜8倍の長さを直径とする円と同じかこれより大きい領域に渡って前記電気音響変換器が配置されたものであることが好ましい。
これにより、超音波を発生する面の広さがさらに広くなるので、発生する音の指向性をさらに強くすることができる。
【0010】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器アレイは、前記電気音響変換器を2次元的に配列したものであることが好ましい。
これにより、より強い音圧の音を発生することができる。
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記各電気音響変換器に入力される前記被変調信号を増幅する増幅器をさらに備えることが好ましい。
これにより、より強い音圧の音を発生することができる。
【0011】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器は、
長尺形状をなし、前記被変調信号が入力されることによりその長手方向に伸縮振動する圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの基端部を支持する基台と、
前記圧電アクチュエータの先端側に設置され、前記圧電アクチュエータの伸縮振動に伴って振動する振動部を有し、超音波を発生する振動板と、
発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものであることが好ましい。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利な電気音響変換器アレイを構成でき、その結果、パラメトリックスピーカの電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0012】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記圧電アクチュエータは、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に積層した部分を有することが好ましい。
これにより、電気音響変換器の圧電アクチュエータが、比較的低い電圧でも大きな変位量が得られるとともに、制御性(応答性)に優れるものとすることができるので、さらに優れた変換効率が得られる。また、圧電アクチュエータの加工性を優れたものにすることもできるので、量産に適し、より低いコストで製造することができる。
【0013】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器は、
板状をなし、前記被変調信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの振動に伴って発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものであることが好ましい。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利な電気音響変換器アレイを構成でき、その結果、パラメトリックスピーカの電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0014】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器は、前記圧電アクチュエータと重ねて接合され、前記圧電アクチュエータの撓み振動に伴って振動して超音波を発生する振動板をさらに備えることが好ましい。
これにより、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、また、耐久性もさらに向上することができる。
【0015】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器は、
前記被変調信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板と、
発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものであることが好ましい。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利な電気音響変換器アレイを構成でき、その結果、パラメトリックスピーカの電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0016】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記電気音響変換器は、前記振動板と間隙を介して対向して配置された電極をさらに備え、前記クーロン力は、前記振動板と前記電極との間に作用することが好ましい。
これにより、構造をさらに簡素化することができ、さらなる小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパラメトリックスピーカを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態における電気音響変換器アレイを示す平面図、図2は、図1に示す電気音響変換器アレイにおける1つの電気音響変換器を示す断面側面図、図3は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図、図4は、パラメトリックスピーカの原理を説明するための図、図5は、図1に示す電気音響変換器アレイの側面図である。
【0018】
本発明のパラメトリックスピーカ1は、超音波帯域の周波数をもつ搬送波(信号)を可聴音(音声信号)によって振幅変調した被変調信号を超音波に変換して空中に放射し、空気の非線型特性を利用して可聴音を復調(自己復調)することにより、指向性の強い音響放射を行うことができるスピーカである。
図1に示すように、このパラメトリックスピーカ1は、前記被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器2を並べてなる(2次元的に配列してなる)電気音響変換器アレイ10を有している。本実施形態の電気音響変換器アレイ10は、複数(多数)の電気音響変換器2が行列状(図示では11行×11列)に並べて配置され、一体とされたものである。
【0019】
図示の電気音響変換器アレイ10は、平面視で正方形をなしており、この正方形の領域に各電気音響変換器2が配置されているが、この形状は、正方形に限らず、長方形、円形、楕円形、多角形などいかなる形状でもよい。
また、電気音響変換器アレイ10における電気音響変換器2の配置個数は、特に限定されないが、少なくとも16個以上であるのが好ましく、できれば64個以上であるのがより好ましい。
【0020】
電気音響変換器アレイ10の各電気音響変換器2は、その構成が互いに同様であるので、以下、図2に基づき、1つの電気音響変換器2の構成について説明する。なお、図2に基づく説明では、説明の都合上、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図2に示すように、電気音響変換器2は、電気信号(前記被変調信号)が入力されることによって生じるクーロン力(静電気力)に起因して振動(撓み振動)し、超音波を発生する振動板221と、該振動板221が発生した超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。また、共鳴器6は、共鳴室63と、該共鳴室63に連通する放音孔64とを有している。
【0021】
本実施形態の電気音響変換器2は、シリコン製の第2のプレート(第2の基板)22を挟んで、上側に、同じくシリコン製の第1のプレート(第1の基板)21と、下側に、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス製の第3のプレート(第3の基板)23とがそれぞれ積層された3層構造を有している。これらの各プレートは、図2の紙面に垂直な方向に長く連続している。そして、これらの各プレートには、図2の紙面に垂直な方向に並ぶ複数の電気音響変換器2が形成されている。
【0022】
第1のプレート21、第2のプレート22および第3のプレート23の構成材料としては、それぞれ、上記のものに限らず、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO、ポリイミド、ポリサルフォン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
【0023】
中央の第2のプレート22は、第1のプレート21との接合面側に形成された凹部を有している。この凹部は、例えば、第2のプレート22の表面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。この凹部内の空間は、共鳴室63となるものである。すなわち、第1のプレート21と第2のプレート22とが共鳴室63を画成している。このように、共鳴器6は、第1のプレート21と、第2のプレート22の一部とで構成されている。共鳴室63は、図2中の左右方向に長い直方体状に形成されている。この共鳴器6は、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。
また、第2のプレート22は、第1のプレート21との接合面側に、共鳴室63から第2のプレート22の端面に渡り形成された溝部を有している。この溝部により、共鳴室63に連通する放音孔64が形成されている。この放音孔64は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0024】
第2のプレート22の、共鳴室63に面する部分の底壁(底部)は、他の部分より薄肉に形成されており、この薄肉部分により、振動板221が構成されている。振動板221は、図2中の上下方向に弾性変形(弾性変位)可能な振動板(ダイヤフラム)として機能する。共鳴室63は、振動板221の振動(変位)により、その容積が変化する。
【0025】
この振動板221は、導電性を有しており、電極としても機能する。本実施形態では、第2のプレート22に不純物を注入して第2のプレート22自体に導電性を付与することにより、振動板221が導電性を有するものとなっている。また、このような構成と異なり、例えば、振動板221の一方の面に例えば金や銅などの導電性材料の薄膜を形成してもよく、その場合には、より低い電気抵抗で(より効率良く)振動板221に電圧(電荷)を供給することができる。この薄膜は、例えば蒸着あるいはスパッタリング等によって形成すればよい。
【0026】
振動板221は、その固有振動数νが、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。
なお、本発明では、図示の構造に限らず、振動板221がより大きな変位で振動し易くする構造として、例えば、第2のプレート22の振動板221の周囲の部分に溝(凹部)を形成する構造や、振動板221を片持ちで支持する構造などになっていてもよい。
【0027】
第3のプレート23は、第2のプレート22との接合面側であって共鳴室63に対応した位置に、浅い凹部231を有している。この凹部231の底面(底部)232は、間隙を介して振動板221と対向して位置している。なお、凹部231は、例えば、エッチングなどで形成することができる。この凹部231の内部空間は、外部と連通している。これにより、凹部231内の圧力が振動板221の振動を抑制するのを防止することができる。
【0028】
底面232上には、振動板221に対向する電極71が形成されている。なお、この電極71は、電気音響変換器アレイ10における各電気音響変換器2に個別に設けられるセグメント電極となっている。
また、この電極71は、シリコンの酸化膜(SiO)からなる絶縁層(絶縁膜)72により上側から覆われている。絶縁層72は、電極71を保護する機能と、振動板221とのショートを防ぐ機能とを有している。なお、絶縁層72は、振動板221の下面に設けられていてもよい。
電極71および絶縁層72は、振動板221との間に間隙(空隙)を介して位置している。このように、振動板221と、電極71とは、間隙および絶縁層72を介して互いに対向する一対の対向電極を構成する。
【0029】
第3のプレート23には、電極71と導通する入力端子73が形成されている。また、第2のプレート22には、振動板221と導通する入力端子74が形成されている。電気音響変換器2では、この入力端子73、74を介して、振動板221と電極71との間に電気信号(電圧)を入力(印加)することができるようになっている。
なお、前述したように、第2のプレート22は、それ自体が導電性を有するため、図2の紙面に垂直な方向に並ぶ複数の電気音響変換器2の振動板221は、互いに導通する共通電極となっており、1つの入力端子74からこれらの振動板221の各々に導通することができる。
【0030】
ここで、電気音響変換器2の製造方法の一例について説明する。第1のプレート21および第2のプレート22をシリコン製とした場合、シリコンは単結晶であるため、異方性エッチングが可能で、例えば(100)面をエッチングした場合は、55°の方向に規則正しくエッチングできる。また、(111)面では、90°方向にエッチングが可能である。そこで、この特性を用いて、精度良く、放音孔64、共鳴室63等の各部を第1のプレート21または第2のプレート22に形成することができる。そして、この第2のプレート22の下面側に、電極71および絶縁層72を形成した第3のプレート23(第3のプレート23の構成材料には、シリコンと熱膨張係数が近いガラスまたは絶縁材料を用いるのが好ましい)を重ねて例えば300〜500℃の温度に加熱し、第2のプレート22側を陽極、第3のプレート23側を陰極として、例えば数百ボルト程度の電圧を印加し、陽極接合することにより、第2のプレート22と第3のプレート23とを容易に、かつ高い密着性を持たせて結合することができる。第2のプレート22の上面側には、その陽極結合において電極として用いる導電膜が形成されており、この導電膜をそのまま振動板221への入力端子74として用いることができる。なお、本発明では、例えば、入力端子74を省略してもよく、また、第2のプレート22と第3のプレート23との接合方法は、陽極接合に限定されない。
【0031】
以上説明したような電気音響変換器2の振動板221と電極71との間に電圧が印加されると、振動板221と電極71とが帯電して両者の間にクーロン力による引力が発生し、この引力によって振動板221は、電極71側へ撓む。この状態で、振動板221および電極71への電圧の印加が解除されると、前記クーロン力が消失し、振動板221は、その弾性復元力によって図2中の上方に復元し、中立位置(図2に示す状態)を超えてさらに図2中上方に変位する。
【0032】
超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(前記被変調信号)を振動板221と電極71との間に入力すると、上記のような振動板221の変位が繰り返し生じて、振動板221が撓み振動し、超音波を発生する。振動板221で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、放音孔64より、図2中の左方向に向かって放射される。
【0033】
本実施形態の電気音響変換器2では、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率(以下、単に「変換効率」と言う場合もある)が高い。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
【0034】
さらに、電気音響変換器2は、上述したように、第1のプレート21、第2のプレート22および第3のプレート23を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。後述するように、電気音響変換器アレイ10は、放射する超音波の波長λより短いピッチdで電気音響変換器2が並んでいるものであるが、この電気音響変換器2の場合、小型化に極めて有利であるので、上記のような配列ピッチdの小さい電気音響変換器アレイ10であっても、容易に製造することができる。また、電気音響変換器アレイ10の単位面積当たりの電気音響変換器2の配置個数を極めて多くすることができるので、比較的小さい電気音響変換器アレイ10であっても、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカ1の小型化・軽量化が図れる。
【0035】
特に、本実施形態では、共鳴器6に放音孔64を設けたことにより、超音波がより強く共鳴し、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波の音圧をより強く放射することができる。よって、上述した効果(電力消費量の低減、小型化・軽量化)がより顕著に発揮されるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性の強さを十分生かすことができる。
【0036】
なお、共鳴器6は、より優れた共鳴状態を得るために、次のような条件を満足するものであるのが好ましい。共鳴器6の共鳴周波数νは、10kHz〜200kHzであるのが好ましく、20kHz〜100kHzであるのがより好ましい。なお、後述するように、この共鳴周波数νは、振動板221の固有振動数νやパラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数νと近傍にあることや倍音関係の近傍にあることがより好ましい。共鳴器6が上記のような条件を満足するものであることにより、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、上述した共鳴器6の効果がより顕著に発揮される。
なお、一般に、ヘルムホルツ共鳴器は、次式で示される共鳴周波数νを持つ。
【0037】
【数1】
Figure 2004349815
ただし、上記式において、cは音速、Sはポート部(放音孔)の開口面積、Vは共鳴室の容積、Lはポート部の長さ(図2中のLで示す長さ)である。
【0038】
以下、上記式に基づいて、例えばある実施例における共鳴周波数νを計算する。S=50μm×50μm、L=50μm、V=100μm×100μm×1.5mmの共鳴器を考えると、共鳴周波数νは約99kHzである。この場合、後述するパラメトリックスピーカ1において、この共鳴周波数νの近傍の発振周波数νを使うことにより、さらに高い効率で空気にエネルギーを伝達させることができる。ただし、実際の共鳴器6は複雑な幾何学的構造を持つため、上記のような計算値は目安に留め、実物での合わせこみが望ましい。こうすれば、より低パワー(低消費電力)で高効率なパラメトリックスピーカ1が得られる。
【0039】
また、電気音響変換器2は、クーロン力(静電気力)によって振動板221を振動(変位)させるので、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカ1では、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
【0040】
以下、上述したような電気音響変換器アレイ10を備えるパラメトリックスピーカ1の全体構成について説明する。図3に示すように、パラメトリックスピーカ1は、電気音響変換器アレイ10と、発振器(搬送波発生手段)11と、振幅変調器(振幅変調手段)12と、電気音響変換器2と同数の増幅器(増幅手段)13と、音声入力インターフェース14とを備えている。なお、図3中では、図面の都合上、電気音響変換器2の数を11個としているが、実際には電気音響変換器アレイ10の各電気音響変換器2にそれぞれ被変調信号が入力される。
【0041】
発振器11は、超音波帯域の周波数(約20kHz以上)で電圧が振動する信号(搬送波)を生成(発生)する。発振器11の発振周波数(搬送波の周波数)νは、超音波帯域であれば特に限定されないが、20kHz〜400kHz程度であるのが好ましく、40kHz〜100kHz程度であるのがより好ましい。
【0042】
図示しない音声信号生成器で生成された音声信号は、音声入力インターフェース14を介して振幅変調器12に入力される。振幅変調器12は、この音声信号に基づいて、発振器11から発振された信号、すなわち搬送波を振幅変調する。振幅変調器12における振幅変調方式は、特に限定されず、通常の振幅変調方式のものでもよく、また、信号の包絡をもって振幅変調する包絡変調方式でもよい。
【0043】
振幅変調器12によって変調された被変調信号は、各増幅器13に入力され、電気音響変換器2を駆動可能なレベルに増幅される。各増幅器13で増幅された被変調信号は、電気音響変換器アレイ10の各電気音響変換器2に入力される。各電気音響変換器2は、この入力された信号を超音波に変換し、空中に、指向性を持って、図2中の左方向(図5中では上方向)に放射する。
【0044】
電気音響変換器アレイ10から空中に放射された超音波(被変調波)は、空気の非線形特性によって歪み波となり、空気中を伝播中に元の音声信号の可聴音に復調される。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っているため、パラメトリックスピーカ1は、所望の特定空間(特定方向)に対してのみ音響放射を行うことができる。
【0045】
上記のようなパラメトリックスピーカ1の原理について、図4に基づいてさらに説明する。図4(a)は、伝送波、すなわち音声信号生成器から出力された音声信号の波形である。図4(b)は、発振器11で生成された信号(搬送波)の波形である。この搬送波を伝送波にのせることによって、伝送波は、図4(c)のような被変調波(被変調信号)に変換される。この被変調波を空中に放射すると、空気の非線形特性により空気が順方向に震動するときには早く進み、空気が逆方向に進むときには遅く進むことから、音波は、図4(d)のように歪んでゆき、元の可聴音が復調されていく(図4(e))。この復調された可聴音は、元の超音波と同様の指向性を持っている。
【0046】
さて、以上説明したような本発明のパラメトリックスピーカ1における電気音響変換器アレイ10では、図1および図5に示すように、放射する超音波の波長λより短いピッチ(配列間隔)dで電気音響変換器2が並んでいる。これにより、パラメトリックスピーカ1では、ホイヘンスの原理で知られているように、波源の重ね合わせにより、発生する音の指向性をより強く(より鋭く)することができる。
【0047】
この理由をさらに説明すると、電気音響変換器アレイ10では、電気音響変換器2の配列ピッチdが、放射される超音波の波長λより短いことにより、隣接する電気音響変換器2から放射される超音波の波面200同士が重なり合って、より平面に近い波面300が発生する(図5参照)。よって、電気音響変換器アレイ10から放射される超音波は、広がることなく、より真っ直ぐに図5中の上方向に進むので、パラメトリックスピーカ1は、発生する音の指向を特に強くすることができる。
なお、電気音響変換器アレイ10が放射する超音波の周波数は、発振器11の発振周波数νと同じであるので、電気音響変換器アレイ10が放射する超音波の波長λは、空中での音速をcとすると、λ=c/νで与えられる。
【0048】
本発明では、前述したように、電気音響変換器アレイ10における電気音響変換器2の配列ピッチdは、放射する超音波の波長λより小さければよい、すなわち、λ/d>1であればよいが、λ/dの値は、2以上であるのがより好ましく、8以上であるのがさらに好ましい。これにより、電気音響変換器アレイ10から放射される超音波の波面300がより平面に近くなるので、発生する音の指向性をさらに強くすることができる。また、λ/dの上限値は特に限定されないが、製造の容易化、製造コスト低減、歩留まり、微細化ルール、配線ルール等を考慮する観点から、通常、λ/dの値は、32以下程度であるのが好ましい。
【0049】
本実施形態の電気音響変換器アレイ10では、図1中の横方向の配列ピッチと縦方向の配列ピッチとが共に等しくdとなっているが、この横方向の配列ピッチと縦方向の配列ピッチとは、互いに異なっていてもよい。また、その場合、横方向の配列ピッチと縦方向の配列ピッチとの一方だけが超音波の波長λより短くされていてもよいが、両方ともが超音波の波長λより短くされているのが好ましい。また、図示の電気音響変換器アレイ10では、電気音響変換器2の配列ピッチdが全領域に渡って一定になっているが、このような構成に限らず、局所的に変化してもよい。また、各列(または各行)が互いに半ピッチずつずれて配置されているような並び方であってもよい。
【0050】
また、本発明における電気音響変換器アレイ10では、放射する超音波の波長λを直径とする円とほぼ同じかまたはこれより大きい領域に渡って電気音響変換器2が配置されている。すなわち、電気音響変換器アレイ10の図1中の横方向の寸法をL、縦方向の寸法をLとしたとき、L≧λ、かつ、L≧λである。これにより、パラメトリックスピーカ1では、発生する音の指向性をより強く(より鋭く)することができる。
【0051】
これは、次のような理由によるものである。一般に、音(超音波を含む)は、音を出す面が広くなると指向性を持つようになり、音を出す面が例えば円形の場合には、その直径が波長と同程度以上になると、顕著な指向性を持つ。よって、上記のように、L≧λかつL≧λとすることにより、電気音響変換器アレイ10の大きさ、すなわち、超音波を発生する面の広さがλを直径とする円よりも広くなるので、発生する音の指向性をより強くすることができる。
【0052】
また、本発明では、超音波の波長λの2〜8倍の長さを直径とする円と同じかこれより大きい領域に渡って電気音響変換器2が配置されたものであるのがより好ましい。これにより、超音波を発生する面の広さがさらに広くなるので、発生する音の指向性をさらに強くすることができる。
さらに、このようなパラメトリックスピーカ1では、電気音響変換器2の振動板221の固有振動数νと、発振器11の発振周波数νとが近傍にあるのが好ましい。ここで、νとνとが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν/ν≦1.2、より好ましくは0.9≦ν/ν≦1.1なる関係を満足することを言う。これにより、振動板221を共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0053】
また、パラメトリックスピーカ1では、発振器11の発振周波数νと、電気音響変換器2の共鳴器6の共鳴周波数νとが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、νとνとが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν/ν≦1.2、より好ましくは0.9≦ν/ν≦1.1なる関係を満足することを言う。また、νとνとが倍音関係の近傍にあるとは、mおよびnをそれぞれ正の整数として、m×νと、n×νとが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板221で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0054】
また、パラメトリックスピーカ1では、共鳴器6の共鳴周波数νと、振動板221の固有振動数νとが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、νとνとが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν/ν≦1.2、より好ましくは0.9≦ν/ν≦1.1なる関係を満足することを言う。また、νとνとが倍音関係の近傍にあるとは、iおよびjをそれぞれ正の整数として、i×νと、j×νとが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板221で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
さらに、パラメトリックスピーカ1では、振動板221の固有振動数νと、発振器11の発振周波数νと、共鳴器6の共鳴周波数νとが互いに近傍にあるか倍音関係の近傍にあるのが最も好ましい。
【0055】
以上、本発明のパラメトリックスピーカ1の第1実施形態について説明したが、電気音響変換器アレイ10の各電気音響変換器の構成は、前述した電気音響変換器2のような構成のものに限らず、いかなるものでもよく、例えば、以下に説明する第2〜第5実施形態における電気音響変換器2A〜2Dのような構成のものであってもよい。なお、下記の第2〜第5実施形態の説明においては、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0056】
<第2実施形態>
図6は、本発明のパラメトリックスピーカの第2実施形態における電気音響変換器を示す断面側面図である。
図6に示す電気音響変換器2Aは、共鳴器6の放音孔64が、第1のプレート21に形成された貫通孔で構成されていること以外は、前記第1実施形態の電気音響変換器2と同様である。この電気音響変換器2Aでは、放音孔64は、振動板221と対向する位置に形成されている。そして、この放音孔64から、超音波が図6中の上方向に向けて放射される。また、本実施形態における共鳴器6では、図6中のLで示す長さがポート部の長さとなる。
【0057】
<第3実施形態>
図7および図8は、それぞれ、本発明のパラメトリックスピーカの第3実施形態における電気音響変換器を示す斜視図および断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図7および図8中の上側を「先端」、下側を「基端」と言う。
【0058】
図7および図8に示す電気音響変換器2Bは、長尺形状(細長い形状)をなす圧電アクチュエータ(圧電振動体)3と、該圧電アクチュエータ3の基端(固定端)部を支持する基台4と、圧電アクチュエータ3の先端(自由端)側に設置された振動板5と、振動板5が発生する超音波を共鳴させる共鳴器6と、固定部材75とを備えている。
【0059】
図7に示すように、本実施形態では、n行×2列(nは、2以上の整数)に並ぶ複数の電気音響変換器2Bが一体になっており、基台4、振動板5、共鳴器6および固定部材75(固定部材75は図7中では省略)は、それぞれ、各電気音響変換器2Bのものが一体に形成されている。
図8に示すように、同図中で左側の列の電気音響変換器2Bと右側の列の電気音響変換器2Bとは、その構造が互いに面対称の関係にある。また、各列の複数の電気音響変換器2Bは、その構造が互いに同じになっている。よって、以下では、1つの電気音響変換器2Bについて代表して説明する。
【0060】
圧電アクチュエータ3は、電気信号(振動電圧)が入力(印加)されることにより、その長手方向に伸縮振動するものである。この圧電アクチュエータ3は、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に積層した部分を有している。また、本実施形態では、圧電材料と導電材料とは、圧電アクチュエータ3の伸縮方向(長手方向)に対し平行に積層されている。
【0061】
以下、この圧電アクチュエータ3の製造方法の一例について説明するが、製造工程の図示は省略する。また、以下の例は、列方向(図8の紙面に垂直な方向)に並ぶ複数の圧電アクチュエータ3を同時に製造する場合の例である。
定盤の上にペースト状に調製した圧電材料(例えばチタン酸・ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミックス材料)を薄く塗布して第1の圧電材料層31を形成し、これの表面に例えば蒸着または導電性塗料の塗布等の方法により、第1の圧電材料層31の一部に露出部を残すようにして第1の導電層32を形成し、さらにこの第1の導電層32および第1の圧電材料層31の露出部との表面に圧電材料を薄く塗布して第2の圧電材料層33を形成し、さらにこれの上に第1の導電層32とは異なる側に第2の導電層34を形成する、という工程を必要な回数だけ繰り返す。
【0062】
このようにして所定の層数を形成した段階で、乾燥させ、これに圧力を加えた状態で温度1000〜1200℃で1時間程度焼成することにより板状のセラミック(圧電板)に仕上がる。次いで、各第1の導電層32が露出している一方の端部に導電塗料を塗布して一方の集電極35を、また各第2の導電層34が露出している他方の端部に導電塗料を塗布して集電極36を形成する。このようにして形成された圧電板を基台4(基台4の集合体)の突部41に例えば導電性接着剤等を用いて固定し、所定幅間隔で、基台4の表面近傍までダイヤモンドカッタ等によりカット(歯割加工)する。この歯割加工(切削)により生じたスリットによって前記圧電板を複数の長尺形状部材に分離することにより、複数の圧電アクチュエータ3が形成される。圧電アクチュエータ3は、例えば以上説明したような方法により、比較的容易かつ低コストで製造することができる。
【0063】
このような圧電アクチュエータ3では、複数の第1の導電層32と、複数の第2の導電層34とが、一対の櫛歯電極として機能する。そして、電気音響変換器2Bでは、集電極35、36に、それぞれ、図示しない導電材料(導電部材)が接続されており、一対の櫛歯電極としての第1の導電層32および第2の導電層34に電気信号(電圧)を入力(印加)することができるようになっている。なお、振動板5が導電材料で構成されている場合には、振動板5が集電極35に対する導電部材として機能してもよい。
【0064】
図8に示す圧電アクチュエータ3では、圧電材料と導電材料(電極)とが伸縮方向(長手方向)に平行に配置されていることにより、他の振動モードと比較してより高いエネルギー効率が得られる。
圧電アクチュエータ3は、伸縮振動の固有振動数νが、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、前記と同様に、この固有振動数νは、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数νの近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数νと、共鳴器6の共鳴周波数νとが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
【0065】
図9は、本実施形態における圧電アクチュエータの他の構成例を示す斜視図である。図9に示す圧電アクチュエータ3Aでは、圧電材料と導電材料とが圧電アクチュエータ3Aの伸縮方向(長手方向)に対し垂直に積層されている。本実施形態では、前記圧電アクチュエータ3に代えて、この圧電アクチュエータ3Aのようなものを用いてもよい。図9に示す圧電アクチュエータ3Aでは、圧電材料と導電材料とをより多くの層で積層することができるので、より低い電圧で駆動することができる。
【0066】
図8に示すように、基台4は、その基端側の部分に、圧電アクチュエータ3を固定するための側方に突出した突部41を有している。圧電アクチュエータ3は、その先端(先端面)が振動板5に接合され、その基端部が基台4の突部41に固定されている。
本実施形態では、圧電アクチュエータ3の基端部が基台4に固着されているため、基台4の強度(剛性)により、圧電アクチュエータ3にはそれほど大きな強度が必要とされないことから、製造が容易であり、小型化にも有利である。また、図示の構成では、圧電アクチュエータ3は、その伸縮方向(長手方向)に平行な面が基台4の突部41に重なるように固着されている。これにより、上記効果がより顕著に発揮される。
【0067】
基台4は、その先端の位置が圧電アクチュエータ3の先端面とほぼ一致し、また基端の位置が圧電アクチュエータ3の基端を超えて基端方向に突出する大きさに構成されている。すなわち、圧電アクチュエータ3の伸縮方向についての基台4の長さは、圧電アクチュエータ3の長さより長くなっている。そして、基台4は、その基端(基端面)を固定部材75に固定されている。また、基台4の先端(先端面)は、振動板5に接合(固定)されている。固定部材75は、振動板5および共鳴器6を支持するとともに、基台4を介して圧電アクチュエータ3の先端を振動板5に当接させている。
【0068】
基台4の先端面には、後述する共鳴室63と圧電アクチュエータ3とを隔離する振動板5が固定されている。この振動板5は、圧電アクチュエータ3の先端面と接合(固定または当接)された振動部51を有している。また、振動板5は、振動部51の近傍に設けられた凹部52、53によって形成された薄肉部を有している。これにより、振動部51は、圧電アクチュエータ3の振動により確実に追従して振動できるようになっている。
【0069】
振動板5の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、シリコン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
【0070】
振動板5の先端面側には、共鳴室63を有する共鳴器6が設置されている。この共鳴器6は、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。共鳴器6は、振動板5の先端面側に重ねて接合(固定)されたスペーサプレート(スペーサ部材)62と、該スペーサプレート62の先端面側に重ねて接合(固定)された放音プレート61とで構成されている。
【0071】
スペーサプレート62は、振動板5との接合面側に形成された凹部621と、凹部621から先端面側に貫通する貫通孔622とを有している。凹部621によって、振動板5と放音プレート61との間に空間(隙間)が形成されており、この凹部621内の空間が共鳴室63を構成している。
放音プレート61には、貫通孔622を介して共鳴室63に連通する放音孔64が形成されている。この放音孔64および貫通孔622は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0072】
図示の構成では、放音孔64および貫通孔622は、圧電アクチュエータ3の先端面と非対向な位置に形成されている。これにより、放音孔64の配置位置の自由度を高めることができ、例えば本実施形態のように、各列の放音孔64を互いに近づけて配置することも可能になる(図7参照)。
このような電気音響変換器2Bの圧電アクチュエータ3に前記被変調信号を入力すると、圧電アクチュエータ3は、その長手方向に伸縮振動し、これに伴って振動板5の振動部51が振動して、超音波を発生する。振動板5で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、図8中の上方向に向かって放射される。
【0073】
基台4、放音プレート61、スペーサプレート62、固定部材75の構成材料は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO、ポリイミド、ポリサルフォン、ネガ型またはポジ型の感光性樹脂材料(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂など)等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種ガラス、各種セラミックスを用いることができる。
【0074】
本実施形態の電気音響変換器2Bでは、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率が高い。よって、電気音響変換器2Bを用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
さらに、本実施形態の電気音響変換器2Bは、小型化に極めて有利である。よって、比較的小さい電気音響変換器アレイ10でも、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカの小型化・軽量化が図れる。
【0075】
また、電気音響変換器2Bでは、基台4を介して共鳴器6(振動板5)に対し圧電アクチュエータ3を位置決めできるため、固定部材75と基台4との相対的な位置関係を調整することにより共鳴器6(振動板5)に対して圧電アクチュエータ3を正確に位置決めすることができる。よって、圧電アクチュエータ3の先端を振動部51に高い位置精度で当接させることが可能となる。また、基台4に前記圧電板の基端側を固着した状態で歯割加工してから、固定部材75に位置決めできるため、機械的強度が高い基台4を介して脆弱な圧電アクチュエータ3を位置決めでき、共鳴器6(振動板5)への位置決め時のハンドリングを容易化することができ、さらに基台4と固定部材75とが別部材として構成できるため、それぞれの目的に合致した材料、つまり基台4には圧電アクチュエータ3からの反力を受け止めるに十分な剛性の高い材料を、また固定部材75には射出成形等により製造することが可能な高分子材料等を選択することができる。このようなことから、電気音響変換器2Bでは、高性能化(高変換効率化)と、製造コストの低減との両立を、高いレベルで達成することができる。
【0076】
また、本実施形態では、圧電アクチュエータ3は、前述したような積層構造を有していることにより、比較的低い電圧でも大きな変位量が得られるとともに、制御性(応答性)に優れる。これにより、本実施形態の電気音響変換器2Bは、さらに優れた変換効率が得られ、パラメトリックスピーカに用いた場合、より優れた音質が得られる。また、圧電アクチュエータ3は、前述したような積層構造を有していることにより、加工性にも優れ、量産に適し、より低いコストで製造することができ、さらに耐久性も高い。
【0077】
<第4実施形態>
図10は、本発明のパラメトリックスピーカの第4実施形態における電気音響変換器を示す斜視図である。図10に示す電気音響変換器2Cでは、前記電気音響変換器2Bと異なり、共鳴器6がスペーサプレート62を有さず、振動板5’に放音プレート61’が重ねて接合(固定)されている。そして、振動板と放音プレートとの接合面側にそれぞれ形成された凹部54、55と凹部65とにより、共鳴器6の共鳴室63が形成されている。なお、図示の構成では、凹部54、55は、隣り合う電気音響変換器2Cのものが連通しているが、共鳴器として独立させるためには、隔壁を形成することにより分離することがより望ましい。図10に示す実施形態では、スペーサプレート62が不要となり、組立工程の簡素化が図れる。上記の点以外は、電気音響変換器2Cは、前記電気音響変換器2Bと同様である。
【0078】
<第5実施形態>
図11、図12および図13は、それぞれ、本発明のパラメトリックスピーカの第5実施形態における電気音響変換器を示す断面正面図、断面側面図および平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図11および図12中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0079】
図13に示すように、本実施形態では、行列状(図13では2行×6列)に並ぶ複数(12個)の電気音響変換器2Dが一体に形成されている。また、図13中、上の行の電気音響変換器2Dと、下の行の電気音響変換器2Dとは、半ピッチずらして配置されている。各電気音響変換器2Dは、その構造が互いに同じであるので、以下では、1つの電気音響変換器2Dについて代表して説明する。
【0080】
図11および図12に示すように、電気音響変換器2Dは、板状をなす圧電アクチュエータ(圧電振動体)3Bと、該圧電アクチュエータ3Bと重ねて接合された振動板5Aと、振動板5Aが発生する超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。なお、圧電アクチュエータ3Bの第2の電極39、振動板5Aおよび共鳴器6は、それぞれ、図13に示す各電気音響変換器2Dのものが一体に形成されている。
【0081】
圧電アクチュエータ3Bは、板状の圧電素子37と、該圧電素子37の下面側に接合された第1の電極38と、上面側に接合された第2の電極39とを有している。この圧電アクチュエータ3Bは、撓み振動モードのものであり、第1の電極38と第2の電極39との間に電気信号(振動電圧)が入力(印加)されることにより、撓み振動する。
【0082】
図示の構成では、第1の電極38は、各電気音響変換器2Dに個別に設けられたセグメント電極となっており、第2の電極39は、各電気音響変換器2Dに共通の共通電極となっている。そして、各第1の電極38には、外に引き出すためのリード部381が接続されている。なお、図示の構成と逆に、第1の電極38が共通電極、第2の電極がセグメント電極となっていてもよい。
【0083】
圧電アクチュエータ3Bは、撓み振動の固有振動数νが、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、前記と同様に、この固有振動数νは、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数νの近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数νと、共鳴器6の共鳴周波数νとが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
このような圧電アクチュエータ3Bの第1の電極38および圧電素子37は、絶縁層77に形成された開口部(窓部)内に設けられている。絶縁層77は、例えば二酸化シリコン(SiO)、ポリイミド等の絶縁材料で構成されている。第2の電極39は、絶縁層77の上面にも連続して形成されている。
【0084】
圧電アクチュエータ3Bおよび絶縁層77の下面側には、振動板5Aが接合(固定)されている。振動板5Aは、圧電アクチュエータ3Bの撓み振動により変形可能な弾性を有する薄板で構成されている。この振動板5Aは、圧電アクチュエータ3Bの撓み振動に伴って弾性変形し、超音波を発生するように振動(撓み振動)する。
振動板5Aの構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、表面に電気絶縁膜形成処理がなされた不錆鋼、シリコン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
なお、振動板5Aを導電性材料で構成し、振動板5Aに圧電アクチュエータ3Bに対する電極としての機能を持たせてもよい。これにより、構造のさらなる簡素化が図れ、さらに容易かつ低コストで製造することができる。
【0085】
振動板5Aの下面側には、共鳴器6が設置されている。この共鳴器6は、共鳴室63を有し、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。共鳴器6は、振動板5Aの下面側に接着剤層76を介して重ねて接合(固定)されたスペーサプレート62と、該スペーサプレート62の下面側に重ねて接合(固定)された放音プレート61とで構成されている。スペーサプレート62によって、振動板5Aと放音プレート61との間に空間が形成され、この空間が共鳴室63を構成している。
【0086】
スペーサプレート62の製造方法は、特に限定されないが、例えば、共鳴室63を形成するのに適した厚さを備えた基板(例えば、単結晶シリコン基板や不錆鋼基板等)を一方の面から他方の面まで貫通するように異方性エッチングや化学エッチングして開口を形成する方法や、グリーンシート状のセラミックスをプレスで成形した後これを焼成する方法により、好適に製造することができる。
放音プレート61には、共鳴室63に連通する放音孔64が形成されている。放音プレート61は、スペーサプレート62に対し、例えば接着剤による接着等の方法により気密的に固定されている。この放音孔64は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0087】
このような電気音響変換器2Dの圧電アクチュエータ3Bに超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(前記被変調信号)を入力すると、圧電アクチュエータ3Bは、撓み振動し、これに伴って振動板5Aが厚み方向に振動(撓み振動)して、超音波を発生する。振動板5Aで発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、図11および図12中の下方向に向かって放射される。
【0088】
放音プレート61、スペーサプレート62の構成材料は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO、ポリイミド、ポリサルフォン、ネガ型またはポジ型の感光性樹脂材料(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂など)等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種ガラス、各種セラミックスを用いることができる。
【0089】
このような電気音響変換器2Dは、上述したように板状の各部材を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。
また、電気音響変換器2Dは、圧電アクチュエータ3Bを撓み振動モードで用いることにより、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2Dを用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
なお、本実施形態の電気音響変換器では、振動板5Aがなく、圧電アクチュエータ3B自体が振動板としても機能するようなものでもよい。
【0090】
次に、圧電アクチュエータ3Bについて、さらに詳細に説明する。
圧電アクチュエータ3Bの圧電素子37は、第1の電極38上に、水熱法(水熱合成法)により形成されたものであるのが好ましい。この水熱法では、圧電素子37は、例えばチタンで構成された第1の電極38を成長基板として、圧電材料を成長させて層状に形成することができる。なお、水熱法については、例えば、特開平5−136476号公報、特開平6−206787号公報、特開平6−314821号公報等に記載されている。
【0091】
圧電素子37を水熱法によって形成した場合には、第1の電極38上に圧電素子37の結晶が成長している構造を備えるため、両者の接合強度が高く、また焼成よりもはるかに低い温度で行うことができるため、熱膨張差に起因する反りの発生や、残留応力の発生がない。また、圧電素子37は、その成長時間を調整することによって膜厚を制御できるため、極めて薄くかつ均一に形成することができる。この結果、圧電素子37に作用する電界強度が大きくなり、より低い駆動電圧で大きな撓み振動を生じさせることが可能となる。この場合、圧電素子37の膜厚は、0.5μm〜50μmであるのが好ましく、1μm〜10μmであるのがより好ましい。
【0092】
以上、本発明のパラメトリックスピーカを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメトリックスピーカを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態における電気音響変換器アレイを示す平面図。
【図2】図1に示す電気音響変換器アレイにおける1つの電気音響変換器を示す断面側面図。
【図3】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図。
【図4】パラメトリックスピーカの原理を説明するための図。
【図5】図1に示す電気音響変換器アレイの側面図。
【図6】本発明のパラメトリックスピーカの第2実施形態における電気音響変換器を示す断面側面図。
【図7】本発明のパラメトリックスピーカの第3実施形態における電気音響変換器を示す斜視図。
【図8】本発明のパラメトリックスピーカにおける電気音響変換器の第3実施形態を示す断面側面図。
【図9】第3実施形態における圧電アクチュエータの他の構成例を示す斜視図。
【図10】本発明のパラメトリックスピーカの第4実施形態における電気音響変換器を示す斜視図。
【図11】本発明のパラメトリックスピーカの第5実施形態における電気音響変換器を示す断面正面図。
【図12】本発明のパラメトリックスピーカの第5実施形態における電気音響変換器を示す断面側面図。
【図13】本発明のパラメトリックスピーカの第5実施形態における電気音響変換器を示す平面図。
【符号の説明】
1……パラメトリックスピーカ 10……電気音響変換器アレイ 11……発振器 12……振幅変調器 13……増幅器 14……音声入力インターフェース 2、2A、2B、2C、2D……電気音響変換器 21……第1のプレート22……第2のプレート 221……振動板 23……第3のプレート 231……凹部 232……底面 3、3A、3B……圧電アクチュエータ 31……第1の圧電材料層 32……第1の導電層 33……第2の圧電材料層 34……第2の導電層 35、36……集電極 37……圧電素子 38……第1の電極 381……リード部 39……第2の電極 4……基台 41……突部 5、5’、5A……振動板 51……振動部 52、53、54、55……凹部6……共鳴器 61、61’……放音プレート 62……スペーサプレート 621……凹部 622……貫通孔 63……共鳴室 64……放音孔 65……凹部 71……電極 72……絶縁層 73、74……入力端子 75……固定部材 76……接着剤層 77……絶縁層 200、300……波面

Claims (12)

  1. 超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
    音声信号に基づいて、前記発振器が生成した信号を振幅変調する振幅変調器と、
    前記振幅変調器によって変調された被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器を並べてなる電気音響変換器アレイとを備えるパラメトリックスピーカであって、
    前記電気音響変換器アレイは、放射する超音波の波長より短いピッチで前記電気音響変換器が並んだものであることを特徴とするパラメトリックスピーカ。
  2. 超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
    音声信号に基づいて、前記発振器が生成した信号を振幅変調する振幅変調器と、
    前記振幅変調器によって変調された被変調信号を超音波に変換して空中に放射する複数の電気音響変換器を並べてなる電気音響変換器アレイとを備えるパラメトリックスピーカであって、
    前記電気音響変換器アレイは、放射する超音波の波長を直径とする円とほぼ同じかまたはこれより大きい領域に渡って前記電気音響変換器が配置されたものであることを特徴とするパラメトリックスピーカ。
  3. 前記電気音響変換器アレイが放射する超音波の波長をλ、前記電気音響変換器アレイにおける前記電気音響変換器の配列ピッチをdとしたとき、λ/dの値が2以上である請求項1または2に記載のパラメトリックスピーカ。
  4. 前記電気音響変換器アレイが放射する超音波の波長をλとしたとき、前記電気音響変換器アレイは、λの2〜8倍の長さを直径とする円と同じかこれより大きい領域に渡って前記電気音響変換器が配置されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  5. 前記電気音響変換器アレイは、前記電気音響変換器を2次元的に配列したものである請求項1ないし4のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  6. 前記各電気音響変換器に入力される前記被変調信号を増幅する増幅器をさらに備える請求項1ないし5のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  7. 前記電気音響変換器は、
    長尺形状をなし、前記被変調信号が入力されることによりその長手方向に伸縮振動する圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの基端部を支持する基台と、
    前記圧電アクチュエータの先端側に設置され、前記圧電アクチュエータの伸縮振動に伴って振動する振動部を有し、超音波を発生する振動板と、
    発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものである請求項1ないし6のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  8. 前記圧電アクチュエータは、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に積層した部分を有する請求項7に記載のパラメトリックスピーカ。
  9. 前記電気音響変換器は、
    板状をなし、前記被変調信号が入力されることにより撓み振動する圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの振動に伴って発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものである請求項1ないし6のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  10. 前記電気音響変換器は、前記圧電アクチュエータと重ねて接合され、前記圧電アクチュエータの撓み振動に伴って振動して超音波を発生する振動板をさらに備える請求項9に記載のパラメトリックスピーカ。
  11. 前記電気音響変換器は、
    前記被変調信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板と、
    発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えるものである請求項1ないし6のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
  12. 前記電気音響変換器は、前記振動板と間隙を介して対向して配置された電極をさらに備え、前記クーロン力は、前記振動板と前記電極との間に作用する請求項11に記載のパラメトリックスピーカ。
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