JP2004312561A - パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供すること。
【解決手段】パラメトリックスピーカ用電気音響変換器2は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するものであり、電気信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板41と、発生した超音波を共鳴させる共鳴器6とを備える。共鳴器6は、共鳴室61と、共鳴室61に連通する放音孔62とを有する。また、振動板41と間隙を介して対向して電極71が配置されており、クーロン力は、振動板41と電極71との間に作用する。
【選択図】図1
【解決手段】パラメトリックスピーカ用電気音響変換器2は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するものであり、電気信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板41と、発生した超音波を共鳴させる共鳴器6とを備える。共鳴器6は、共鳴室61と、共鳴室61に連通する放音孔62とを有する。また、振動板41と間隙を介して対向して電極71が配置されており、クーロン力は、振動板41と電極71との間に作用する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
音を向ける方向に関して高い指向性が得られるパラメトリックスピーカ(俗にオーディオ・スポットライトとも称される)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、電気信号を超音波に変換して放射する電気音響変換器を備えており、音声信号に応じて振幅変調した超音波をこの電気音響変換器から放射し、この超音波が空中を伝播する間に音波の非線形現象によって自己復調されることによって生じた可聴音を人間の耳に聞かせる。このように、パラメトリックスピーカは、指向性の高い超音波帯域の音波を放射することによって可聴音を発生することができるので、音を向ける方向に関して高い指向性を有している。
【0003】
しかしながら、従来のパラメトリックスピーカでは、超音波源となる電気音響変換器の変換効率が悪く、かつ大型であった。このため、従来のパラメトリックスピーカでは、重量が重い、大型である、電力消費量が大きい、音質が悪い、製造コストが高い等の多くの欠点がある。そして、パラメトリックスピーカは、自己復調によって可聴音に変換される際に生じる損失のために、エネルギー効率が低いので、上述したような欠点を克服するのが極めて困難であった。
【0004】
【非特許文献1】
M.Yoneyama, et al., J.Acoust.Soc.Am v73 1532−1536 (1983)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
前記電気信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板と、
発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とする。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を提供することができる。このパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0007】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有することが好ましい。
これにより、超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強く指向性をもって放射することができる。よって、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0008】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板と間隙を介して対向して配置された電極を備え、
前記クーロン力は、前記振動板と前記電極との間に作用することが好ましい。
これにより、構造をさらに簡素化することができ、さらなる小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0009】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、第1のプレートと、第2のプレートと、第3のプレートとをこの順に積層した構造を有し、
前記第2のプレートの一部で前記振動板が形成され、前記第1のプレートと前記第2プレートとで前記共鳴器の共鳴室が画成され、前記振動板に対向する電極が前記第3のプレートに設けられていることが好ましい。
これにより、より製造が容易で、量産により適した構造とすることができ、さらなる小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0010】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの少なくとも一方の接合面側に形成された溝部により、前記共鳴室に連通する放音孔が構成されていることが好ましい。
これにより、放音孔の存在によって超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強い指向性をもって放射することができる。また、製造に際し放音孔を容易に形成することができる。
【0011】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第1のプレートに、前記共鳴室に連通する放音孔が形成されていることが好ましい。
これにより、放音孔の存在によって超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強い指向性をもって放射することができる。また、製造に際し放音孔を容易に形成することができる。
【0012】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第2のプレートと前記第3のプレートとは、陽極接合によって接合されたものであることが好ましい。
これにより、製造(組み立て)をさらに容易に行うことができるとともに、第2のプレートと第3のプレートとを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
【0013】
本発明のパラメトリックスピーカは、本発明の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とする。
これにより、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0014】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板を共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0015】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0016】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0018】
図1に示すパラメトリックスピーカ用電気音響変換器(以下、単に「電気音響変換器」と言う)2は、パラメトリックスピーカに用いられるものであり、入力された電気信号を超音波(超音波振動)に変換して空中に放射するものである。なお、電気音響変換器2を備えたパラメトリックスピーカ1の全体構成については後述する。
【0019】
この電気音響変換器2は、電気信号が入力されることによって生じるクーロン力(静電気力)に起因して振動(撓み振動)し、超音波を発生する振動板41と、該振動板41が発生した超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。また、共鳴器6は、共鳴室61と、該共鳴室61に連通する放音孔62とを有している。
【0020】
本実施形態の電気音響変換器2は、シリコン製の第2のプレート(第2の基板)4を挟んで、上側に、同じくシリコン製の第1のプレート(第1の基板)3と、下側に、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス製の第3のプレート(第3の基板)5とがそれぞれ積層された3層構造を有している。
なお、本実施形態では、これらの各プレートは、図1の紙面に垂直な方向に長く連続している。そして、これらの各プレートには、図1の紙面に垂直な方向に並ぶ複数個の電気音響変換器2が形成され、電気音響変換器アレイを構成しているが、各電気音響変換器2は、その構成が互いに同じであるので、以下では、1つの電気音響変換器2について代表して説明する。
【0021】
また、第1のプレート3、第2のプレート4および第3のプレート5の構成材料としては、それぞれ、上記のものに限らず、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO2、ポリイミド、ポリサルフォン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
【0022】
中央の第2のプレート4は、第1のプレート3との接合面側に形成された凹部を有している。この凹部は、例えば、第2のプレート4の表面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。この凹部内の空間は、共鳴室61となるものである。すなわち、第1のプレート3と第2プレート4とが共鳴室61を画成している。このように、共鳴器6は、第1のプレート3と、第2のプレート4の一部とで構成されている。共鳴室61は、図1中の左右方向に長い直方体状に形成されている。この共鳴器6は、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。
また、第2のプレート4は、第1のプレート3との接合面側に、共鳴室61から第2のプレート4の端面に渡り形成された溝部を有している。この溝部により、共鳴室61に連通する放音孔62が形成されている。この放音孔62は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0023】
第2のプレート4の、共鳴室61に面する部分の底壁(低部)は、他の部分より薄肉に形成されており、この薄肉部分により、振動板41が構成されている。振動板41は、図1中の上下方向に弾性変形(弾性変位)可能な振動板(ダイヤフラム)として機能する。共鳴室61は、振動板41の振動(変位)により、その容積が変化する。
【0024】
この振動板41は、導電性を有しており、電極としても機能する。本実施形態では、第2のプレート4に不純物を注入して第2のプレート4自体に導電性を付与することにより、振動板41が導電性を有するものとなっている。また、このような構成と異なり、例えば、振動板41の一方の面に例えば金や銅などの導電性材料の薄膜を形成してもよく、その場合には、より低い電気抵抗で(より効率良く)振動板41に電圧(電荷)を供給することができる。この薄膜は、例えば蒸着あるいはスパッタリング等によって形成すればよい。
【0025】
振動板41は、その固有振動数ν1が、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、後述するように、この固有振動数ν1は、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2の近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数ν1と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
なお、本発明では、図示の構造に限らず、振動板41がより大きな変位で振動し易くする構造として、例えば、第2のプレート4の振動板41の周囲の部分に溝(凹部)を形成する構造や、振動板41を片持ちで支持する構造などになっていてもよい。
【0026】
第3のプレート5は、第2のプレート4との接合面側であって共鳴室61に対応した位置に、浅い凹部51を有している。この凹部51の底面(底部)52は、間隙を介して振動板41と対向して位置している。なお、凹部51は、例えば、エッチングなどで形成することができる。この凹部51の内部空間は、外部と連通している。これにより、凹部51内の圧力が振動板41の振動を抑制するのを防止することができる。
【0027】
底面52上には、振動板41に対向する電極71が形成されている。なお、この電極71は、前記電気音響変換器アレイにおける各電器音響変換器2に個別に設けられるセグメント電極となっている。
また、この電極71は、シリコンの酸化膜(SiO2)からなる絶縁層(絶縁膜)72により上側から覆われている。絶縁層72は、電極71を保護する機能と、振動板41とのショートを防ぐ機能とを有している。なお、絶縁層72は、振動板41の下面に設けられていてもよい。
電極71および絶縁層72は、振動板41との間に間隙(空隙)を介して位置している。このように、振動板41と、電極71とは、間隙および絶縁層72を介して互いに対向する一対の対向電極を構成する。
【0028】
第3のプレート5には、電極71と導通する入力端子73が形成されている。また、第2のプレート4には、振動板41と導通する入力端子74が形成されている。電気音響変換器2では、この入力端子73、74を介して、振動板41と電極71との間に電気信号(電圧)を入力(印加)することができるようになっている。
なお、前述したように、第2のプレート4は、それ自体が導電性を有するため、前記電気音響変換器アレイの各電器音響変換器2の振動板41は、互いに導通する共通電極となっており、1つの入力端子74からこれらの振動板41の各々に導通することができる。
【0029】
ここで、電気音響変換器2の製造方法の一例について説明する。第1のプレート3および第2のプレート4をシリコン製とした場合、シリコンは単結晶であるため、異方性エッチングが可能で、例えば(100)面をエッチングした場合は、55°の方向に規則正しくエッチングできる。また、(111)面では、90°方向にエッチングが可能である。そこで、この特性を用いて、精度良く、放音孔62、共鳴室61等の各部を第1のプレート3または第2のプレート4に形成することができる。そして、この第2のプレート4の下面側に、電極71および絶縁層72を形成した第3のプレート5(第3のプレート5の構成材料には、シリコンと熱膨張係数が近いガラスまたは絶縁材料を用いるのが好ましい)を重ねて例えば300〜500℃の温度に加熱し、第2のプレート4側を陽極、第3のプレート5側を陰極として、例えば数百ボルト程度の電圧を印加し、陽極接合することにより、第2のプレート4と第3のプレート5とを容易に、かつ高い密着性を持たせて結合することができる。第2のプレート4の上面側には、その陽極結合において電極として用いる導電膜が形成されており、この導電膜をそのまま振動板41への入力端子74として用いることができる。なお、本発明では、例えば、入力端子74を省略してもよく、また、第2のプレート4と第3のプレート5との接合方法は、陽極接合に限定されない。
【0030】
以上説明したような電気音響変換器2の振動板41と電極71との間に電圧が印加されると、振動板41と電極71とが帯電して両者の間にクーロン力による引力が発生し、この引力によって振動板41は、電極71側へ撓む。この状態で、振動板41および電極71への電圧の印加が解除されると、前記クーロン力が消失し、振動板41は、その弾性復元力によって図1中の上方に復元し、中立位置(図1に示す状態)を超えてさらに図1中上方に変位する。
超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(振動電圧)を振動板41と電極71との間に入力すると、上記のような振動板41の変位が繰り返し生じて、振動板41が撓み振動し、超音波を発生する。振動板41で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、放音孔62より、図1中の左方向に向かって放射される。
【0031】
本発明の電気音響変換器2では、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率(以下、単に「変換効率」と言う場合もある)が高い。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
【0032】
さらに、電気音響変換器2は、上述したように、第1のプレート3、第2のプレート4および第3のプレート5を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。このため、多数の電気音響変換器2を例えば行列状に並べて設置する場合、単位面積当たりの配置個数を極めて多くすることができる。よって、比較的小さいパラメトリックスピーカでも、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカの小型化・軽量化が図れる。
【0033】
特に、本実施形態では、共鳴器6に放音孔62を設けたことにより、超音波がより強く共鳴し、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波の音圧をより強く放射することができる。よって、上述した効果(電力消費量の低減、小型化・軽量化)がより顕著に発揮されるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性を十分生かすことができる。
【0034】
なお、共鳴器6は、より優れた共鳴状態を得るために、次のような条件を満足するものであるのが好ましい。共鳴器6の共鳴周波数ν3は、10kHz〜200kHzであるのが好ましく、20kHz〜100kHzであるのがより好ましい。なお、後述するように、この共鳴周波数ν3は、振動板41の固有振動数ν1やパラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2と近傍にあることや倍音関係の近傍にあることがより好ましい。共鳴器6が上記のような条件を満足するものであることにより、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、上述した共鳴器6の効果がより顕著に発揮される。
なお、一般に、ヘルムホルツ共鳴器は、次式で示される共鳴周波数νを持つ。
【0035】
【数1】
ただし、上記式において、cは音速、Sはポート部(放音孔)の開口面積、Vは共鳴室の容積、Lはポート部の長さ(図2中のLで示す長さ)である。
【0036】
以下、上記式に基づいて、例えばある実施例における共鳴周波数νを計算する。S=50μm×50μm、L=50μm、V=100μm×100μm×1.5mmの共鳴器を考えると、共鳴周波数νは約99kHzである。この場合、後述するパラメトリックスピーカ1において、この共鳴周波数νの近傍の発振周波数ν2を使うことにより、さらに高い効率で空気にエネルギーを伝達させることができる。ただし、実際の共鳴器6は複雑な幾何学的構造を持つため、上記のような計算値は目安に留め、実物での合わせこみが望ましい。こうすれば、より低パワー(低消費電力)で高効率なパラメトリックスピーカが得られる。
【0037】
また、電気音響変換器2は、クーロン力(静電気力)によって振動板41を振動(変位)させるので、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
【0038】
図2は、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の他の実施形態を示す断面側面図である。以下、図2に基づいて説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2に示す電気音響変換器2’は、共鳴器6の放音孔62が、第1のプレート3に形成された貫通孔で構成されていること以外は、前記電気音響変換器2と同様である。この電気音響変換器2’では、放音孔62は、振動板41と対向する位置に形成されている。そして、この放音孔62から、超音波が図2中の上方向に向けて放射される。また、本実施形態における共鳴器6では、図2中のLで示す長さがポート部の長さとなる。
【0039】
図3は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図、図4は、パラメトリックスピーカの原理を説明するための図である。以下、同図に基づいて、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態について説明する。
図3に示すパラメトリックスピーカ(パラメトリックアレイスピーカ)1は、前述した電気音響変換器2と、発振器(搬送波発生手段)11と、振幅変調器(振幅変調手段)12と、増幅器(増幅手段)13と、音声入力インターフェース14とを備えている。
このパラメトリックスピーカ1は、可聴音(音声信号)によって超音波帯域の周波数をもつ搬送波(信号)を振幅変調したものを空中に放射し、空気の非線型特性を利用して可聴音を復調(自己復調)することにより、指向性の高い音響放射を行うことができるスピーカである。
【0040】
パラメトリックスピーカ1における電気音響変換器2の設置個数は、1個でもよいが、複数個であるのが好ましい。この設置個数の調整により、十分な大きさ(音圧)の可聴音を発生させることができる。前述したように、本発明の電気音響変換器2は、小型化に有利であるので、多数の電気音響変換器2を高い集積度(密度)で配置することができる。
発振器11は、超音波帯域の周波数(約20kHz以上)で電圧が振動する信号(搬送波)を生成(発生)する。発振器11の発振周波数(搬送波の周波数)は、超音波帯域であれば特に限定されないが、20kHz〜400kHz程度であるのが好ましく、40kHz〜100kHz程度であるのがより好ましい。
【0041】
図示しない音声生成器で生成された音声信号は、音声入力インターフェース14を介して振幅変調器12に入力される。振幅変調器12は、この音声信号に基づいて、発振器11から発振された信号、すなわち搬送波を振幅変調する。振幅変調器12における振幅変調方式は、特に限定されず、通常の振幅変調方式のものでもよく、また、信号の包絡をもって振幅変調する包絡変調方式でもよい。
【0042】
振幅変調器12によって変調された被変調信号は、増幅器13に入力され、電気音響変換器2を駆動可能なレベルに増幅される。増幅器13で増幅された被変調信号は、電気音響変換器2に入力される。電気音響変換器2は、この入力された信号を超音波に変換し、空中に、指向性を持って(図1中の左方向に)放射する。
【0043】
電気音響変換器2から空中に放射された超音波(被変調波)は、空気の非線形特性によって歪み波となり、空気中を伝搬中に元の音声信号の可聴音に復調される。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っているため、パラメトリックスピーカ1は、所望の特定空間(特定方向)に対してのみ音響放射を行うことができる。
【0044】
上記のようなパラメトリックスピーカ1の原理について、図4に基づいてさらに説明する。図4(a)は、伝送波、すなわち音声生成器から出力された音声信号の波形である。図4(b)は、発振器11で生成された信号(搬送波)の波形である。この搬送波を伝送波にのせることによって、伝送波は、図4(c)のような被変調波(被変調信号)に変換される。この被変調波を空中に放射すると、空気の非線形特性により空気が順方向に震動するときには早く進み、空気が逆方向に進むときには遅く進むことから、音波は、図4(d)のように歪んでゆき、元の可聴音が復調されていく(図4(e))。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っている。
【0045】
このようなパラメトリックスピーカ1では、電気音響変換器2の振動板41の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2とが近傍にあるのが好ましい。ここで、ν1とν2とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν1/ν2≦1.2、より好ましくは0.9≦ν1/ν2≦1.1なる関係を満足することを言う。これにより、振動板41を共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0046】
また、パラメトリックスピーカ1では、発振器11の発振周波数ν2と、電気音響変換器2の共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν2とν3とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν2/ν3≦1.2、より好ましくは0.9≦ν2/ν3≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν2とν3とが倍音関係の近傍にあるとは、mおよびnをそれぞれ正の整数として、m×ν2と、n×ν3とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板41で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0047】
また、パラメトリックスピーカ1では、共鳴器6の共鳴周波数ν3と、振動板41の固有振動数ν1とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν3とν1とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν3/ν1≦1.2、より好ましくは0.9≦ν3/ν1≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν3とν1とが倍音関係の近傍にあるとは、iおよびjをそれぞれ正の整数として、i×ν3と、j×ν1とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板41で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0048】
さらに、パラメトリックスピーカ1では、振動板41の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが互いに近傍にあるか倍音関係の近傍にあるのが最も好ましい。
なお、このようなパラメトリックスピーカ1は、複数の電気音響変換器2を有するものである場合、複数(複数組)の電気音響変換器2から互いに異なる周波数の超音波を放射してもよい。
【0049】
以上、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の他の実施形態を示す断面側面図。
【図3】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図。
【図4】パラメトリックスピーカの原理を説明するための図。
【符号の説明】
1……パラメトリックスピーカ 11……発振器 12……振幅変調器 13……増幅器 14……音声入力インターフェース 2、2’……パラメトリックスピーカ用電気音響変換器 3……第1のプレート 4……第2のプレート 41……振動板 5……第3のプレート 51……凹部 52……底面 6……共鳴器 61……共鳴室 62……放音孔 71……電極 72……絶縁層 73、74……入力端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
音を向ける方向に関して高い指向性が得られるパラメトリックスピーカ(俗にオーディオ・スポットライトとも称される)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、電気信号を超音波に変換して放射する電気音響変換器を備えており、音声信号に応じて振幅変調した超音波をこの電気音響変換器から放射し、この超音波が空中を伝播する間に音波の非線形現象によって自己復調されることによって生じた可聴音を人間の耳に聞かせる。このように、パラメトリックスピーカは、指向性の高い超音波帯域の音波を放射することによって可聴音を発生することができるので、音を向ける方向に関して高い指向性を有している。
【0003】
しかしながら、従来のパラメトリックスピーカでは、超音波源となる電気音響変換器の変換効率が悪く、かつ大型であった。このため、従来のパラメトリックスピーカでは、重量が重い、大型である、電力消費量が大きい、音質が悪い、製造コストが高い等の多くの欠点がある。そして、パラメトリックスピーカは、自己復調によって可聴音に変換される際に生じる損失のために、エネルギー効率が低いので、上述したような欠点を克服するのが極めて困難であった。
【0004】
【非特許文献1】
M.Yoneyama, et al., J.Acoust.Soc.Am v73 1532−1536 (1983)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器は、パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
前記電気信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板と、
発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とする。
これにより、電気信号を超音波に変換する際の変換効率に優れるとともに、小型化に有利なパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を提供することができる。このパラメトリックスピーカ用電気音響変換器を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0007】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有することが好ましい。
これにより、超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強く指向性をもって放射することができる。よって、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性をさらに十分に生かすことができる。
【0008】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記振動板と間隙を介して対向して配置された電極を備え、
前記クーロン力は、前記振動板と前記電極との間に作用することが好ましい。
これにより、構造をさらに簡素化することができ、さらなる小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0009】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、第1のプレートと、第2のプレートと、第3のプレートとをこの順に積層した構造を有し、
前記第2のプレートの一部で前記振動板が形成され、前記第1のプレートと前記第2プレートとで前記共鳴器の共鳴室が画成され、前記振動板に対向する電極が前記第3のプレートに設けられていることが好ましい。
これにより、より製造が容易で、量産により適した構造とすることができ、さらなる小型化・軽量化、低コスト化が図れる。
【0010】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの少なくとも一方の接合面側に形成された溝部により、前記共鳴室に連通する放音孔が構成されていることが好ましい。
これにより、放音孔の存在によって超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強い指向性をもって放射することができる。また、製造に際し放音孔を容易に形成することができる。
【0011】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第1のプレートに、前記共鳴室に連通する放音孔が形成されていることが好ましい。
これにより、放音孔の存在によって超音波をより強く共鳴させることができ、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波をより強い指向性をもって放射することができる。また、製造に際し放音孔を容易に形成することができる。
【0012】
本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器では、前記第2のプレートと前記第3のプレートとは、陽極接合によって接合されたものであることが好ましい。
これにより、製造(組み立て)をさらに容易に行うことができるとともに、第2のプレートと第3のプレートとを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
【0013】
本発明のパラメトリックスピーカは、本発明の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とする。
これにより、電力消費量の低減、小型化・軽量化、低コスト化が図れるパラメトリックスピーカを提供することができる。
【0014】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板を共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0015】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0016】
本発明のパラメトリックスピーカでは、前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にあることが好ましい。
これにより、振動板で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器の変換効率をさらに向上することができ、さらなる電力消費量の低減、小型化・軽量化が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0018】
図1に示すパラメトリックスピーカ用電気音響変換器(以下、単に「電気音響変換器」と言う)2は、パラメトリックスピーカに用いられるものであり、入力された電気信号を超音波(超音波振動)に変換して空中に放射するものである。なお、電気音響変換器2を備えたパラメトリックスピーカ1の全体構成については後述する。
【0019】
この電気音響変換器2は、電気信号が入力されることによって生じるクーロン力(静電気力)に起因して振動(撓み振動)し、超音波を発生する振動板41と、該振動板41が発生した超音波を共鳴させる共鳴器6とを備えている。また、共鳴器6は、共鳴室61と、該共鳴室61に連通する放音孔62とを有している。
【0020】
本実施形態の電気音響変換器2は、シリコン製の第2のプレート(第2の基板)4を挟んで、上側に、同じくシリコン製の第1のプレート(第1の基板)3と、下側に、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス製の第3のプレート(第3の基板)5とがそれぞれ積層された3層構造を有している。
なお、本実施形態では、これらの各プレートは、図1の紙面に垂直な方向に長く連続している。そして、これらの各プレートには、図1の紙面に垂直な方向に並ぶ複数個の電気音響変換器2が形成され、電気音響変換器アレイを構成しているが、各電気音響変換器2は、その構成が互いに同じであるので、以下では、1つの電気音響変換器2について代表して説明する。
【0021】
また、第1のプレート3、第2のプレート4および第3のプレート5の構成材料としては、それぞれ、上記のものに限らず、例えば、ステンレス鋼、シリコン、SiO2、ポリイミド、ポリサルフォン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカルボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂窒化珪素、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等の、各種金属材料、各種樹脂材料、各種セラミックを用いることができる。
【0022】
中央の第2のプレート4は、第1のプレート3との接合面側に形成された凹部を有している。この凹部は、例えば、第2のプレート4の表面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。この凹部内の空間は、共鳴室61となるものである。すなわち、第1のプレート3と第2プレート4とが共鳴室61を画成している。このように、共鳴器6は、第1のプレート3と、第2のプレート4の一部とで構成されている。共鳴室61は、図1中の左右方向に長い直方体状に形成されている。この共鳴器6は、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものである。
また、第2のプレート4は、第1のプレート3との接合面側に、共鳴室61から第2のプレート4の端面に渡り形成された溝部を有している。この溝部により、共鳴室61に連通する放音孔62が形成されている。この放音孔62は、ヘルムホルツ共鳴器におけるポート部を構成する。
【0023】
第2のプレート4の、共鳴室61に面する部分の底壁(低部)は、他の部分より薄肉に形成されており、この薄肉部分により、振動板41が構成されている。振動板41は、図1中の上下方向に弾性変形(弾性変位)可能な振動板(ダイヤフラム)として機能する。共鳴室61は、振動板41の振動(変位)により、その容積が変化する。
【0024】
この振動板41は、導電性を有しており、電極としても機能する。本実施形態では、第2のプレート4に不純物を注入して第2のプレート4自体に導電性を付与することにより、振動板41が導電性を有するものとなっている。また、このような構成と異なり、例えば、振動板41の一方の面に例えば金や銅などの導電性材料の薄膜を形成してもよく、その場合には、より低い電気抵抗で(より効率良く)振動板41に電圧(電荷)を供給することができる。この薄膜は、例えば蒸着あるいはスパッタリング等によって形成すればよい。
【0025】
振動板41は、その固有振動数ν1が、20kHz〜800kHzであるのが好ましく、40kHz〜400kHzであるのがより好ましい。また、後述するように、この固有振動数ν1は、パラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2の近傍にあることがより好ましい。また、固有振動数ν1と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあることがより好ましい。
なお、本発明では、図示の構造に限らず、振動板41がより大きな変位で振動し易くする構造として、例えば、第2のプレート4の振動板41の周囲の部分に溝(凹部)を形成する構造や、振動板41を片持ちで支持する構造などになっていてもよい。
【0026】
第3のプレート5は、第2のプレート4との接合面側であって共鳴室61に対応した位置に、浅い凹部51を有している。この凹部51の底面(底部)52は、間隙を介して振動板41と対向して位置している。なお、凹部51は、例えば、エッチングなどで形成することができる。この凹部51の内部空間は、外部と連通している。これにより、凹部51内の圧力が振動板41の振動を抑制するのを防止することができる。
【0027】
底面52上には、振動板41に対向する電極71が形成されている。なお、この電極71は、前記電気音響変換器アレイにおける各電器音響変換器2に個別に設けられるセグメント電極となっている。
また、この電極71は、シリコンの酸化膜(SiO2)からなる絶縁層(絶縁膜)72により上側から覆われている。絶縁層72は、電極71を保護する機能と、振動板41とのショートを防ぐ機能とを有している。なお、絶縁層72は、振動板41の下面に設けられていてもよい。
電極71および絶縁層72は、振動板41との間に間隙(空隙)を介して位置している。このように、振動板41と、電極71とは、間隙および絶縁層72を介して互いに対向する一対の対向電極を構成する。
【0028】
第3のプレート5には、電極71と導通する入力端子73が形成されている。また、第2のプレート4には、振動板41と導通する入力端子74が形成されている。電気音響変換器2では、この入力端子73、74を介して、振動板41と電極71との間に電気信号(電圧)を入力(印加)することができるようになっている。
なお、前述したように、第2のプレート4は、それ自体が導電性を有するため、前記電気音響変換器アレイの各電器音響変換器2の振動板41は、互いに導通する共通電極となっており、1つの入力端子74からこれらの振動板41の各々に導通することができる。
【0029】
ここで、電気音響変換器2の製造方法の一例について説明する。第1のプレート3および第2のプレート4をシリコン製とした場合、シリコンは単結晶であるため、異方性エッチングが可能で、例えば(100)面をエッチングした場合は、55°の方向に規則正しくエッチングできる。また、(111)面では、90°方向にエッチングが可能である。そこで、この特性を用いて、精度良く、放音孔62、共鳴室61等の各部を第1のプレート3または第2のプレート4に形成することができる。そして、この第2のプレート4の下面側に、電極71および絶縁層72を形成した第3のプレート5(第3のプレート5の構成材料には、シリコンと熱膨張係数が近いガラスまたは絶縁材料を用いるのが好ましい)を重ねて例えば300〜500℃の温度に加熱し、第2のプレート4側を陽極、第3のプレート5側を陰極として、例えば数百ボルト程度の電圧を印加し、陽極接合することにより、第2のプレート4と第3のプレート5とを容易に、かつ高い密着性を持たせて結合することができる。第2のプレート4の上面側には、その陽極結合において電極として用いる導電膜が形成されており、この導電膜をそのまま振動板41への入力端子74として用いることができる。なお、本発明では、例えば、入力端子74を省略してもよく、また、第2のプレート4と第3のプレート5との接合方法は、陽極接合に限定されない。
【0030】
以上説明したような電気音響変換器2の振動板41と電極71との間に電圧が印加されると、振動板41と電極71とが帯電して両者の間にクーロン力による引力が発生し、この引力によって振動板41は、電極71側へ撓む。この状態で、振動板41および電極71への電圧の印加が解除されると、前記クーロン力が消失し、振動板41は、その弾性復元力によって図1中の上方に復元し、中立位置(図1に示す状態)を超えてさらに図1中上方に変位する。
超音波帯域の周波数で電圧が振動する電気信号(振動電圧)を振動板41と電極71との間に入力すると、上記のような振動板41の変位が繰り返し生じて、振動板41が撓み振動し、超音波を発生する。振動板41で発生した超音波は、共鳴器6で共鳴し、放音孔62より、図1中の左方向に向かって放射される。
【0031】
本発明の電気音響変換器2では、共鳴器6を設けたことにより、超音波を共鳴させて放射することができるので、入力された電気信号を超音波(音響エネルギー)に変換する変換効率(以下、単に「変換効率」と言う場合もある)が高い。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、比較的低い電圧の電気信号でも十分な強さで超音波を放射することができるので、電力消費量の低減が図れる。
【0032】
さらに、電気音響変換器2は、上述したように、第1のプレート3、第2のプレート4および第3のプレート5を積層することによって製造することができることから、小型化に極めて有利である。このため、多数の電気音響変換器2を例えば行列状に並べて設置する場合、単位面積当たりの配置個数を極めて多くすることができる。よって、比較的小さいパラメトリックスピーカでも、十分な強さの可聴音が得られ、パラメトリックスピーカの小型化・軽量化が図れる。
【0033】
特に、本実施形態では、共鳴器6に放音孔62を設けたことにより、超音波がより強く共鳴し、さらに優れた変換効率が得られるとともに、超音波の音圧をより強く放射することができる。よって、上述した効果(電力消費量の低減、小型化・軽量化)がより顕著に発揮されるとともに、パラメトリックスピーカの特徴である音の指向性を十分生かすことができる。
【0034】
なお、共鳴器6は、より優れた共鳴状態を得るために、次のような条件を満足するものであるのが好ましい。共鳴器6の共鳴周波数ν3は、10kHz〜200kHzであるのが好ましく、20kHz〜100kHzであるのがより好ましい。なお、後述するように、この共鳴周波数ν3は、振動板41の固有振動数ν1やパラメトリックスピーカ1の発振器11の発振周波数ν2と近傍にあることや倍音関係の近傍にあることがより好ましい。共鳴器6が上記のような条件を満足するものであることにより、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、上述した共鳴器6の効果がより顕著に発揮される。
なお、一般に、ヘルムホルツ共鳴器は、次式で示される共鳴周波数νを持つ。
【0035】
【数1】
ただし、上記式において、cは音速、Sはポート部(放音孔)の開口面積、Vは共鳴室の容積、Lはポート部の長さ(図2中のLで示す長さ)である。
【0036】
以下、上記式に基づいて、例えばある実施例における共鳴周波数νを計算する。S=50μm×50μm、L=50μm、V=100μm×100μm×1.5mmの共鳴器を考えると、共鳴周波数νは約99kHzである。この場合、後述するパラメトリックスピーカ1において、この共鳴周波数νの近傍の発振周波数ν2を使うことにより、さらに高い効率で空気にエネルギーを伝達させることができる。ただし、実際の共鳴器6は複雑な幾何学的構造を持つため、上記のような計算値は目安に留め、実物での合わせこみが望ましい。こうすれば、より低パワー(低消費電力)で高効率なパラメトリックスピーカが得られる。
【0037】
また、電気音響変換器2は、クーロン力(静電気力)によって振動板41を振動(変位)させるので、低電圧での駆動でも変位量が大きく、また、高い制御性が得られる。よって、電気音響変換器2を用いたパラメトリックスピーカでは、電力消費量の低減を図りつつ、高い音質が得られる。さらに、耐久性、加工性に優れ、量産にも適する。
【0038】
図2は、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の他の実施形態を示す断面側面図である。以下、図2に基づいて説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2に示す電気音響変換器2’は、共鳴器6の放音孔62が、第1のプレート3に形成された貫通孔で構成されていること以外は、前記電気音響変換器2と同様である。この電気音響変換器2’では、放音孔62は、振動板41と対向する位置に形成されている。そして、この放音孔62から、超音波が図2中の上方向に向けて放射される。また、本実施形態における共鳴器6では、図2中のLで示す長さがポート部の長さとなる。
【0039】
図3は、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図、図4は、パラメトリックスピーカの原理を説明するための図である。以下、同図に基づいて、本発明のパラメトリックスピーカの実施形態について説明する。
図3に示すパラメトリックスピーカ(パラメトリックアレイスピーカ)1は、前述した電気音響変換器2と、発振器(搬送波発生手段)11と、振幅変調器(振幅変調手段)12と、増幅器(増幅手段)13と、音声入力インターフェース14とを備えている。
このパラメトリックスピーカ1は、可聴音(音声信号)によって超音波帯域の周波数をもつ搬送波(信号)を振幅変調したものを空中に放射し、空気の非線型特性を利用して可聴音を復調(自己復調)することにより、指向性の高い音響放射を行うことができるスピーカである。
【0040】
パラメトリックスピーカ1における電気音響変換器2の設置個数は、1個でもよいが、複数個であるのが好ましい。この設置個数の調整により、十分な大きさ(音圧)の可聴音を発生させることができる。前述したように、本発明の電気音響変換器2は、小型化に有利であるので、多数の電気音響変換器2を高い集積度(密度)で配置することができる。
発振器11は、超音波帯域の周波数(約20kHz以上)で電圧が振動する信号(搬送波)を生成(発生)する。発振器11の発振周波数(搬送波の周波数)は、超音波帯域であれば特に限定されないが、20kHz〜400kHz程度であるのが好ましく、40kHz〜100kHz程度であるのがより好ましい。
【0041】
図示しない音声生成器で生成された音声信号は、音声入力インターフェース14を介して振幅変調器12に入力される。振幅変調器12は、この音声信号に基づいて、発振器11から発振された信号、すなわち搬送波を振幅変調する。振幅変調器12における振幅変調方式は、特に限定されず、通常の振幅変調方式のものでもよく、また、信号の包絡をもって振幅変調する包絡変調方式でもよい。
【0042】
振幅変調器12によって変調された被変調信号は、増幅器13に入力され、電気音響変換器2を駆動可能なレベルに増幅される。増幅器13で増幅された被変調信号は、電気音響変換器2に入力される。電気音響変換器2は、この入力された信号を超音波に変換し、空中に、指向性を持って(図1中の左方向に)放射する。
【0043】
電気音響変換器2から空中に放射された超音波(被変調波)は、空気の非線形特性によって歪み波となり、空気中を伝搬中に元の音声信号の可聴音に復調される。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っているため、パラメトリックスピーカ1は、所望の特定空間(特定方向)に対してのみ音響放射を行うことができる。
【0044】
上記のようなパラメトリックスピーカ1の原理について、図4に基づいてさらに説明する。図4(a)は、伝送波、すなわち音声生成器から出力された音声信号の波形である。図4(b)は、発振器11で生成された信号(搬送波)の波形である。この搬送波を伝送波にのせることによって、伝送波は、図4(c)のような被変調波(被変調信号)に変換される。この被変調波を空中に放射すると、空気の非線形特性により空気が順方向に震動するときには早く進み、空気が逆方向に進むときには遅く進むことから、音波は、図4(d)のように歪んでゆき、元の可聴音が復調されていく(図4(e))。この復調された可聴音は、元の超音波の超指向特性を持っている。
【0045】
このようなパラメトリックスピーカ1では、電気音響変換器2の振動板41の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2とが近傍にあるのが好ましい。ここで、ν1とν2とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν1/ν2≦1.2、より好ましくは0.9≦ν1/ν2≦1.1なる関係を満足することを言う。これにより、振動板41を共振現象によってより大きな振幅で振動させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0046】
また、パラメトリックスピーカ1では、発振器11の発振周波数ν2と、電気音響変換器2の共鳴器6の共鳴周波数ν3とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν2とν3とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν2/ν3≦1.2、より好ましくは0.9≦ν2/ν3≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν2とν3とが倍音関係の近傍にあるとは、mおよびnをそれぞれ正の整数として、m×ν2と、n×ν3とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板41で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0047】
また、パラメトリックスピーカ1では、共鳴器6の共鳴周波数ν3と、振動板41の固有振動数ν1とが近傍、または倍音関係の近傍にあるのが好ましい。ここで、ν3とν1とが近傍にあるとは、好ましくは0.8≦ν3/ν1≦1.2、より好ましくは0.9≦ν3/ν1≦1.1なる関係を満足することを言う。また、ν3とν1とが倍音関係の近傍にあるとは、iおよびjをそれぞれ正の整数として、i×ν3と、j×ν1とが上記と同様に近傍にあることを言う。これにより、振動板41で発生した超音波をより強く共鳴させることができるので、電気音響変換器2の変換効率をさらに向上することができる。
【0048】
さらに、パラメトリックスピーカ1では、振動板41の固有振動数ν1と、発振器11の発振周波数ν2と、共鳴器6の共鳴周波数ν3とが互いに近傍にあるか倍音関係の近傍にあるのが最も好ましい。
なお、このようなパラメトリックスピーカ1は、複数の電気音響変換器2を有するものである場合、複数(複数組)の電気音響変換器2から互いに異なる周波数の超音波を放射してもよい。
【0049】
以上、本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器の他の実施形態を示す断面側面図。
【図3】本発明のパラメトリックスピーカの実施形態を示すブロック図。
【図4】パラメトリックスピーカの原理を説明するための図。
【符号の説明】
1……パラメトリックスピーカ 11……発振器 12……振幅変調器 13……増幅器 14……音声入力インターフェース 2、2’……パラメトリックスピーカ用電気音響変換器 3……第1のプレート 4……第2のプレート 41……振動板 5……第3のプレート 51……凹部 52……底面 6……共鳴器 61……共鳴室 62……放音孔 71……電極 72……絶縁層 73、74……入力端子
Claims (11)
- パラメトリックスピーカに用いられ、入力された電気信号を超音波に変換して放射するパラメトリックスピーカ用電気音響変換器であって、
前記電気信号が入力されることによって生じるクーロン力に起因して振動し、超音波を発生する振動板と、
発生した超音波を共鳴させる共鳴器とを備えることを特徴とするパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。 - 前記共鳴器は、共鳴室と、前記共鳴室に連通する放音孔とを有する請求項1に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記振動板と間隙を介して対向して配置された電極を備え、
前記クーロン力は、前記振動板と前記電極との間に作用する請求項1または2に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。 - 第1のプレートと、第2のプレートと、第3のプレートとをこの順に積層した構造を有し、
前記第2のプレートの一部で前記振動板が形成され、前記第1のプレートと前記第2プレートとで前記共鳴器の共鳴室が画成され、前記振動板に対向する電極が前記第3のプレートに設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。 - 前記第1のプレートと前記第2のプレートとの少なくとも一方の接合面側に形成された溝部により、前記共鳴室に連通する放音孔が構成されている請求項4に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記第1のプレートに、前記共鳴室に連通する放音孔が形成されている請求項4に記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 前記第2のプレートと前記第3のプレートとは、陽極接合によって接合されたものである請求項4ないし6のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ用電気音響変換器。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の少なくとも1つのパラメトリックスピーカ用電気音響変換器と、
超音波帯域の周波数で電圧が振動する信号を生成する発振器と、
音声信号に基づいて前記信号を振幅変調する振幅変調器と、
前記振幅変調器によって変調された被変調信号を増幅する増幅器とを備え、
前記増幅器で増幅された被変調信号を前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器に入力して超音波を放射することを特徴とするパラメトリックスピーカ。 - 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記発振器の発振周波数とが近傍にある請求項8に記載のパラメトリックスピーカ。
- 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の共鳴器の共鳴周波数と、前記発振器の発振周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にある請求項8または9に記載のパラメトリックスピーカ。
- 前記パラメトリックスピーカ用電気音響変換器の振動板の固有振動数と、前記共鳴器の共鳴周波数とが近傍、または倍音関係の近傍にある請求項8ないし10のいずれかに記載のパラメトリックスピーカ。
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JP2003105783A JP2004312561A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | パラメトリックスピーカ用電気音響変換器およびパラメトリックスピーカ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9185495B2 (en) | 2010-06-30 | 2015-11-10 | Nec Corporation | Oscillation device and electronic apparatus |
US9853578B2 (en) | 2012-02-23 | 2017-12-26 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Ultrasonic generator |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003105783A patent/JP2004312561A/ja active Pending
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