JP3948422B2 - 音放射デバイス及び該音放射デバイスを用いたスピーカー装置 - Google Patents

音放射デバイス及び該音放射デバイスを用いたスピーカー装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響信号を放射する電気−音響変換素子に関し、特に、高分子ポリマーによる圧電素子を電気−音響変換素子として用いて,超音波領域の音響信号を放射させる音放射デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の突起部を形成した圧電フィルムの断面図である。
図13において、180は発泡材の弧形状をした突起184を有する支持プレート183に重合され、図示の通り力Fを加えることにより弧状に変形して突起部が形成される圧電フィルムである。
上記のように突起部が形成された圧電フィルムに信号電圧を印加し、該印加電圧に応じて圧電フィルムの突起部と平面部が振動して超音波を放射する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特表2002−526004号公報(第17図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、上記のように圧電フィルム180の突起部は前記発泡材の突起184を有する支持プレート183によって、保持されている。したがって、前記発泡材の材料等で圧電フィルム180の突起部を保持したりした場合、圧電フィルム180に信号電圧を印加し振動した際に、圧電フィルム180の突起部が前記発泡材の突起184に接触して不要に振動を抑制してしまい、目的とする周波数を得ることが出来ないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、目的とする周波数を確実に得ることのできる突起部を有する圧電膜の音放射デバイスを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る音放射デバイスは、表面の一部を一方向に突出変形することにより1ないしは複数の中空状の振動面が形成された圧電膜と、この圧電膜の表裏面に設けた一対の電極と、前記圧電膜の振動面以外の圧電膜分の振動を阻止する保持体とを具備したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における例えば半球状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図を、図2は前記図1のA−A´の概略端面図を、図3は前記図2の一部拡大端面図をそれぞれ示す。尚、上記図1〜3において同一符号は同一または相当部分を示す。
図1〜3において、10は例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの高分子ポリマーの圧電膜であり、この圧電膜10は、表裏をプラス(+)電極11とマイナス(−)電極12との一対の電極で挟み構成される。尚、前記一対の電極11、12は、例えば前記圧電膜10の表面にシルク印刷によって形成される。また、前記一対の電極11、12は、金や銀、アルミなどの金属系材料による金属電極で構成され、例えば酸化インジウムにアンチモンを配合した場合、透明電極として構成することができる。
【0008】
前記圧電膜10の前記高分子ポリマーのPVDF素材そのものは、薄膜の透明素材で、もともと平らな面構成をしたものであり、この素材の或る方向に力(例えば、素材の両端を強力に引張る)を加えて、かつ、この状態に強電圧を加えることで、次に述べる圧電効果を持つ圧電材料を構成することができる。
まず1つ目の圧電効果は、前述のように例えば素材の両端を強力に引張った圧電材料に対して、或る電圧を印加すると、力を加えた方向に伸縮動作を行うものである。この伸縮動作を振動子として利用することで、該圧電材料を電気−音響変換素子として利用することが可能になる。
2つ目の圧電効果は、圧電材料として形成するときに前述の任意方向への引張り動作により、その圧電材料に変形(例えば、湾曲形状など)を加えることで、更に前記伸縮作用を起こしやすくなる。
【0009】
13は一対の電極11、12で挟み構成される前記圧電膜10に対して、前述のように伸縮作用を起こしやすく振動子として利用するよう、例えば半球状に形成された前記圧電膜10の突起部である。
この突起部13は、例えば半球状に成型した冶具(図示せず)を用いて、例えば裏面と想定する面(図3では電極11側の面)に押し当てて、表面(図3では電極12側)と想定する方向に対して押し出し成形することで、前記圧電膜10に形成することができる。したがって、上記図1〜3に示す突起部13の形状は、前記半球状の冶具を用いて形成した場合の突起部である。
【0010】
そして、上記図3の拡大図に示すように、前記突起部13において、Aは該突起部13の振動面開口部直径であり、Bは前記振動面開口部直径Aの中心から突起部13の頂上点までの半径を示す。Cは表面(図3では電極12側)の電極12を含む前記突起部13の立ち上げ端部である。
【0011】
14は上記のように前記突起部13を形成した圧電膜10の裏面を保持するための硬質材の裏面保持体であり、図3に示すように前記突起部13の開口面に対向して開口部15を有し(特許請求の範囲でいう中空状)、前記圧電膜10の突起部13以外の裏面の電極11の平らな面に重合状態に固着され、突起部13以外の面が振動しないように保持する役目を成すものである。
【0012】
尚、図3においては、前記裏面保持体14を圧電膜10の突起部13に対向して開口部15を有するものとしたが、開口部15の無い一枚の板状のものでもよい。
【0013】
16は前記圧電膜10の表面を保持するための硬質材の表面保持体であり、前記突起部13の振動面開口部直径Aとほぼ同等の開口を有して、突起部13以外の表面となる電極12の平らな面に重合状態に固着され、突起部13の立ち上げ端部Cを確実に固定保持する役目を成すものである。この表面保持体16で、前記立ち上げ端部Cを確実に固定保持することにより、圧電膜10の前記電極11、12に電圧を印加したときに、前述した圧電膜10の伸縮作用で突起部13が振動した場合に、前記立ち上げ端部Cも伸縮動作を行い、結果的に前記振動面直径Aの寸法変化による突起部13で放射する音響信号の発振周波数値が変動しないようにするものである。
【0014】
したがって、前記圧電膜10は、前記裏面保持体14と表面保持体16とで挟み固定保持されることで、前記突起部13だけが確実に振動することができ、目的とする周波数の音響放射が可能になる。
【0015】
前記突起部13における音響放射のための周波数fは以下の関係で成り立つ。
周波数f=1/2πB×(Y/ρ)1/2
ここで、Y:PVDF(圧電膜)のヤング率(5×109
ρ:PVDF(圧電膜)の密度(1780)
B:図3に示す突起部13の振動面開口部直径Aの中心から突起部13の頂上点までの半径
である。
上記式から、前記圧電膜10の突起部13から超音波領域(例えば20kHz以上)の周波数fの信号で放射するとき、10mm以下の半径Bを有する図3に示す突起部13の振動面開口部直径Aが計算できる。
【0016】
上記式の関係から得られる放射周波数値は、前記突起部13の立ち上げ端部Cの変形で変化するため、前記立ち上げ端部Cの確実な固定が電気−音響変換素子の振動子として利用する圧電膜10の必要な条件となる。
【0017】
上記のように構成される前記突起部13は、圧電膜10の表面となる面に複数個形成することができ、一枚のシート状の圧電膜に、上記図1に示すように複数個の振動子としての突起部13を形成することが可能であり、また、前記複数個の突起部13は、一対の共通の電極11、12で形成しているので、該電極11、12への信号線は、電極11、12の各々の任意の位置に一本ずづ設けるだけで、全ての振動子を駆動することができる。
【0018】
以上のように、本実施の形態においては、一枚のシート状の一対の電極で挟み構成される圧電膜に、例えば半球状に成型した冶具を用いて、該半球状の複数個の突起部を形成し、該突出面側(表面側)の圧電膜の前記突起部の立ち上がり端部と、反突出面側(裏面側)の圧電膜の前記突起部以外の平らな面とを、表面保持体と裏面保持体とで挟み固定保持するようにしたので、圧電膜の突起部以外の面の振動を防ぎ、また振動発生時の前記突起部の立ち上がり端部の変形を防ぐことができ、圧電膜の突起部から確実に必要な任意の周波数の音響放射が可能になる。
【0019】
尚、本実施の形態においては、圧電膜10としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0020】
また、前述したように前記圧電膜10の前記高分子ポリマーのPVDF素材そのものは透明素材であり、前述したような一対の透明電極で構成した場合には、例えば映像を映し出すCRT画面や液晶画面に直接固着することができるので、画面そのものから音が放射しているかのように創造することが可能になる。
【0021】
また、圧電膜10の突起部13を図1に示すような規則正しい配列として示したが、不規則な配列でも構わない。
【0022】
また、圧電膜10の突起部13を複数としたが、1個の突起部13を形成する圧電膜10としてもよい。
【0023】
また、圧電膜10の突起部13を半球状の例として説明したが、これに限られるものではなく、振動面開口部直径が20mm以下であれば、湾曲や弓形等の突起部13の形状としても構わないもので、同等の効果を発揮するものである。
【0024】
実施の形態2.
図4は、上記実施の形態1の図3に示す圧電膜10の突起部13の、他の例を示した一部拡大端面図である。尚、図4において、上記実施の形態1の図3と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。また、他の構成については上記実施の形態1の図1〜3と同様である。
図4において、20は前記圧電膜10の突起部13の裏面となる電極11側の面に、接着固定された圧電膜10と同等又はそれ以下の厚みを有する同じ半球状に成形された金属材料の放射板である。
【0025】
本実施の形態においては、上記のように前記圧電膜10の突起部13の裏面となる電極11側の面に、半球状に成形した金属材料の放射板20を接着固定したことのみが上記実施の形態1と異なり、他の構成やその作用及び効果等については、上記実施の形態1の説明で述べたことと基本的に同様である。本実施の形態における前記放射板20は、前記圧電膜10の突起部13の形状を保持して経年変化による突起部13の撓みを防ぐとともに、放射板20が有する固有振動数と前記突起部13の超音波領域の固有振動数とが一致して共振するように構成している。この共振現象により、高い音圧レベルを得ることができる。
【0026】
尚、図4においては、前記裏面保持体14を圧電膜10の突起部13の開口面に対向して開口部15を有するものとしたが、上記実施の形態1で前述したように、開口部15の無い一枚の板状のものとしてもよい。
【0027】
図5は、上記のように構成された前記ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの高分子ポリマーの圧電膜10をスピーカーとして活用したスピーカー装置の構成図である。このスピーカー装置においては、上記のように構成された圧電膜10を用いて超音波に例えば可聴周波数帯域(20Hz〜18kHz)の音響信号を重畳させて搬送させる場合のスピーカー装置の構成を示したものである。
尚、図5において、上記図1〜4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。また、図5においては、前記裏面保持体14を前述した前記開口部15の無い一枚の板状の裏面保持体として構成している。
【0028】
図5において、21、22は前記圧電膜10の電極11及び電極12にそれぞれ接続された信号線、30は前述した20kHz以上の超音波領域の信号を創生する超音波発振器、31は例えばコンパクトディスク(CD)やディジタルビデオディスク(DVD)などの可聴周波数帯域の音響信号を再生及び出力する音響信号発生装置、32は前記超音波発振器30による超音波領域の信号と前記音響信号発生装置31による可聴周波数帯域の音響信号とを結合させる乗算器、33は前記乗算器32での結合信号を任意の出力レベルに調整する増幅器である。
【0029】
上記のように構成されたスピーカー装置では、前記超音波発振器30で創生された20kHz以上の超音波領域の信号と、前記音響信号発生装置31による前記(CD)や(DVD)などの可聴周波数帯域の信号を前記乗算器32に伝送し、乗算器32で両者の信号を結合させる。そして、増幅器33では、前記乗算器32から伝送された前記超音波発振器30で創生された超音波領域の信号と、前記音響信号発生装置31による可聴周波数帯域の音響信号との結合信号を任意の出力レベルに調整して、該出力信号を前記信号線21、22を介して、スピーカーとして構成した前記圧電膜10の電極11、12に伝送する。
【0030】
そして、圧電膜10では、該圧電膜10に形成された複数個の突起部13と、この突起部13の裏面に固着された前記放射板20との共振周波数により、音響信号発生装置31で再生した可聴周波数帯域の音響信号を重畳した超音波発振器30で創生した超音波信号の音圧レベルが高められて放射される。
【0031】
つまり、前記ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの高分子ポリマーの圧電膜10を用いて、超音波信号に可聴周波数領域の音響信号を重畳させて、超音波で目的のところに伝送するための超音波伝送スピーカーとして活用することができる。尚、突起部13の裏面に放射板20を設けていない上記実施の形態1で示した圧電膜10を用いた場合においても、上記のように超音波伝送スピーカーとして活用できるものである。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、上記実施の形態1で示した圧電膜の半球状の突起部の裏面に、半球状に成型した金属材料の放射板を接着固定するようにしたので、経年変化による前記突起部の撓みを防ぐとともに、放射板が有する固有振動数と突起部の超音波領域の固有振動数とが一致して共振することにより高い音圧レベルを得ることができる。
【0033】
また、上記のように構成される圧電膜を用いて、超音波信号に可聴周波数領域の音響信号を重畳させて、超音波で目的のところに伝送するための超音波伝送スピーカーとして活用することができる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、圧電膜10としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0035】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3における例えば角型形状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図を、図7は前記図6のB−B´の一部拡大端面図をそれぞれ示す。尚、図6、7において、上記実施の形態1、2の図1〜4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0036】
本実施の形態においては、角型形状(升形状)の複数の突起部13を持つ圧電膜10とし、実施の形態2同様に圧電膜10の突起部13の裏面となる電極11側の面に、同じ角型形状(升形状)に成型した金属材料の放射板20を接着固定したものである。本実施の形態の前記突起部13は、例えば角型形状(升形状)に成型した冶具(図示せず)を用いて、例えば裏面と想定する面(図7では電極11側の面)に押し当てて、表面(図7では電極12側)と想定する方向に対して押し出し成形することで、前記圧電膜10に形成することができる。したがって、上記図6、7に示す突起部13の形状は、前記角型形状(升形状)の冶具を用いて形成した場合の突起部である。尚、図7に示すように、前記角型形状(升形状)の突起部13の振動面開口部の一辺の長さは、上記実施の形態1で前述した半径Bから得られる直径Aの寸法と同様となるようにする。
【0037】
また、図7においては、前記裏面保持体14を圧電膜10の突起部13の開口面に対向して開口部15を有するものとしたが、上記実施の形態1で前述したように、開口部15の無い一枚の板状のものとしてもよい。
【0038】
本実施の形態においては、上記のように突起部13の裏面となる電極11側の面に、金属材料の放射板20を接着固定した角型形状(升形状)の複数の突起部13を有する圧電膜10としたことのみが、上記実施の形態1、2と異なるもので、他の構成やその作用及び本実施の形態の複数個の角型形状(升形状)の突起部13を有する圧電膜10をスピーカーとして活用させた場合のスピーカー装置の動作等については、上記実施の形態1、2の説明で述べたことと基本的に同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0039】
以上のように、本実施の形態においては、一枚のシート状の一対の電極で挟み構成される圧電膜に、例えば角型形状(升形状)に成型した冶具を用いて、該角型形状の複数個の突起部を形成し、突起部の裏面に角型形状に成型した金属材料の放射板を接着固定し、突出面側(表面側)の圧電膜の前記突起部の立ち上がり端部と、反突出面側(裏面側)の圧電膜の前記突起部以外の平らな面とを、表面保持体と裏面保持体とで挟み固定保持するようにしたので、上記実施の形態1、2と同様の効果を発揮するものである。
【0040】
尚、本実施の形態においては、圧電膜としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0041】
また、圧電膜10の突起部13を図6に示すような規則正しい配列として示したが、不規則な配列でも構わない。
【0042】
また、圧電膜10の突起部13を複数としたが、1個の突起部13を形成する圧電膜10としてもよい。
【0043】
また、圧電膜10の突起部13の形状を角型(升型)の例として説明したが、これに限られるものではなく、突起面を形成できれば、これ以外の突起部の形状を持つ圧電膜10としても構わないもので、同等の効果を発揮するものである。
【0044】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4における例えば四角錐形状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図を、図9は前記図8のC−C´の一部拡大端面図をそれぞれ示す。尚、図8、9において、上記実施の形態1、2の図1〜4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
本実施の形態においては、四角錐形状の複数の突起部13を持つ圧電膜10とし、実施の形態2同様に圧電膜10の突起部13の裏面となる電極11側の面に、同じ四角錐形状に成型した金属材料の放射板20を接着固定したものである。本実施の形態の前記突起部13は、例えば四角錐形状に成型した冶具(図示せず)を用いて、例えば裏面と想定する面(図9では電極11側の面)に押し当てて、表面(図9では電極12側)と想定する方向に対して押し出し成形することで、前記圧電膜10に形成することができる。したがって、上記図8、9に示す突起部13の形状は、前記四角錐形状の冶具を用いて形成した場合の突起部である。尚、図9に示すように、前記四角錐形状の突起部13の振動面開口部の一辺の長さは、上記実施の形態1で前述した半径Bから得られる直径Aの寸法と同様となるようにする。
【0046】
また、図9においては、前記裏面保持体14を圧電膜10の突起部13の開口面に対向して開口部15を有するものとしたが、上記実施の形態1で前述したように、開口部15の無い一枚の板状のものとしてもよい。
【0047】
本実施の形態においては、上記のように突起部13の裏面となる電極11側の面に、金属材料の放射板20を接着固定した四角錐形状の複数の突起部13を有する圧電膜10としたことのみが、上記実施の形態1、2と異なるもので、他の構成やその作用及び本実施の形態の複数個の四角錐形状の突起部13を有する圧電膜10をスピーカーとして活用させた場合のスピーカー装置の動作等については、上記実施の形態1、2の説明で述べたことと基本的に同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0048】
以上のように、本実施の形態においては、一枚のシート状の一対の電極で挟み構成される圧電膜に、例えば四角錐形状に成型した冶具を用いて、該四角錐形状の複数個の突起部を形成し、突起部の裏面に四角錐形状に成型した金属材料の放射板を接着固定し、突出面側(表面側)の圧電膜の前記突起部の立ち上がり端部と、反突出面側(裏面側)の圧電膜の前記突起部以外の平らな面とを、表面保持体と裏面保持体とで挟み固定保持するようにしたので、上記実施の形態1、2と同様の効果を発揮するものである。
【0049】
尚、本実施の形態においては、圧電膜としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0050】
また、圧電膜10の突起部13を図8に示すような規則正しい配列として示したが、不規則な配列でも構わない。
【0051】
また、圧電膜10の突起部13を複数としたが、1個の突起部13を形成する圧電膜10としてもよい。
【0052】
また、圧電膜10の突起部13の形状を四角錐型の例として説明したが、これに限られるものではなく、突起面を形成できれば、これ以外の突起部の形状を持つ圧電膜10としても構わないもので、同等の効果を発揮するものである。
【0053】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5における例えば波型形状とした圧電膜の端面図である。尚、図10において、上記実施の形態1の図2、3と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0054】
本実施の形態においては、例えば前記一対の電極11、12で挟み構成される前記高分子ポリマーのPVDF素材の一枚のシート状の圧電膜10を、上記図10に示すように、例えば上記実施の形態1で前述した半球状の波型に形成して、該圧電膜10の周縁部と波型形状の各中間部とをその両面から前記表面保持体16と裏面保持体14とで固定保持するようにしたものである。この表面保持体16と裏面保持体14との保持によって、経年変化等による波型の圧電膜10の変形を防ぎ、常に設計当初の周波数を再生/放射できるようにする。
【0055】
上記のように構成された波型形状の圧電膜10においては、その作用及び該圧電膜10をスピーカーとして活用させた場合のスピーカー装置の動作等については、上記実施の形態1、2の説明で述べたことと基本的に同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、一対の電極で挟み構成される一枚のシート状の圧電膜を例えば半球状の波型に形成して、該圧電膜の周縁部と波型形状の各中間部とをその両面から前記表面保持体と裏面保持体とで挟み固定保持するようにしたので、振動発生時や経年変化等による波型の圧電膜の変形を防ぐことができ、波型の圧電膜から確実に必要な任意の周波数の音響放射が可能になる。
【0057】
また、上記のように構成される圧電膜を用いて、超音波信号に可聴周波数領域の音響信号を重畳させて、超音波で目的のところに伝送するための超音波伝送スピーカーとして活用することができる。
【0058】
尚、本実施の形態においては、圧電膜としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0059】
また、本実施の形態においては、圧電膜10を例えば半球状の波型の例として説明したが、これに限られるものではなく、圧電膜10をこれ以外の波型形状として上記同様に構成しても構わないもので、同等の効果を発揮するものである。
【0060】
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6における上記実施の形態5の他の例を示す圧電膜の平面図を、図12は前記図11のD−D´の端面図をそれぞれ示す。尚、上記図11、12において同一符号は同一または相当部分を示す。また、上記実施の形態1の図2、3と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0061】
本実施の形態においては、例えば前記一対の電極11、12で挟み構成される前記高分子ポリマーのPVDF素材の一枚のシート状の圧電膜10を、上記図12に示すように、例えば上記実施の形態1で前述した半球状の波型に形成して、該圧電膜10の両面に波型と同形状の硬質の非導電材の表面保持体16と裏面保持体14とを重合し、この表面保持体16と裏面保持体14の一部を切り欠いて圧電膜10の一部を露出させて、圧電膜10を保持するようにしたものである。
【0062】
上記のように構成された波型形状の圧電膜10においては、その作用及び該圧電膜10をスピーカーとして活用させた場合のスピーカー装置の動作等については、上記実施の形態1、2の説明で述べたことと基本的に同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0063】
以上のように、本実施の形態においては、一対の電極で挟み構成される一枚のシート状の圧電膜を例えば半球状の波型に形成して、該圧電膜の両面に波型と同形状の硬質の非導電材の表面保持体と裏面保持体とを重合し、この表面保持体と裏面保持体の一部を切り欠いて圧電膜の一部を露出させて、圧電膜を保持するようにしたので、上記実施の形態5同様振動発生時や経年変化等による波型の圧電膜の変形を防ぐことができ、波型の圧電膜から確実に必要な任意の周波数の音響放射が可能になる。
【0064】
また、上記のように構成される圧電膜を用いて、超音波信号に可聴周波数領域の音響信号を重畳させて、超音波で目的のところに伝送するための超音波伝送スピーカーとして活用することができる。
【0065】
尚、本実施の形態においては、圧電膜としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた例として説明したが、これに限られるものではなく、柔らかい圧電材料であれば同等の効果を発揮するものである。
【0066】
また、本実施の形態においては、圧電膜10を例えば半球状の波型の例として説明したが、これに限られるものではなく、圧電膜10をこれ以外の波型形状として上記同様に構成しても構わないもので、同等の効果を発揮するものである。
【0067】
この発明は以上のように、表面の一部を突出変形することにより、1ないしは複数の中空状の振動面が形成された圧電膜と、この圧電膜の表裏面に設けた一対の電極と、前記圧電膜の振動面以外の圧電膜部分の振動を阻止する保持体とを具備した音放射デバイスにおいては、前記一対の電極に信号電圧を印加した際に、圧電膜の突出面以外の面の振動を防ぎ、また振動発生時の前記突出面の立ち上がり端部の変形を防ぐことができ、圧電膜の突出面から確実に必要な任意の周波数の音響放射が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における例えば半球状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図である。
【図2】 上記図1のA−A´の概略端面図である。
【図3】 上記図2の一部拡大端面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における上記実施の形態1の突起部の、他の例を示した一部拡大端面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1〜6に係る圧電膜をスピーカーとして活用したスピーカー装置の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における例えば角型形状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図である。
【図7】 上記図6のB−B´の一部拡大端面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4における例えば四角錐形状の複数の突起部を持つ圧電膜の平面図である。
【図9】 上記図8のC−C´の一部拡大端面図である。
【図10】 この発明の実施の形態5における波型形状の圧電膜の端面図である。
【図11】 この発明の実施の形態6における上記実施の形態5の他の例を示した圧電膜の平面図である。
【図12】 上記図11のD−D´の端面図である。
【図13】 従来の突起部を形成した圧電フィルムの断面図である。
【符号の説明】
10 圧電膜、 11 プラス(+)電極、 12 マイナス(−)電極、 13 突起部、 14 裏面保持体、 15 開口部、 16 表面保持体、 20 放射板、 21、22 信号線、 30 超音波発振器、 31 音響信号発生装置、 32 乗算器、 33 増幅器。

Claims (12)

  1. 表面の一部を一方向に突出変形することにより1ないしは複数の中空状の振動面が形成された圧電膜と、この圧電膜の表裏面に設けた一対の電極と、前記圧電膜の振動面以外の圧電膜部分の振動を阻止する保持体とを具備したことを特徴とする音放射デバイス。
  2. 前記保持体は、前記振動面以外の圧電膜部分の表面と裏面とを挟み込んで固定保持することを特徴とする請求項1記載の音放射デバイス。
  3. 前記保持体は、前記振動面の突出の立ち上げ端部を固定保持するように固着することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の音放射デバイス。
  4. 前記振動面が半球状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の音放射デバイス。
  5. 前記振動面が矩形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の音放射デバイス。
  6. 前記振動面が四角錘状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の音放射デバイス。
  7. 前記振動面の内側表面に前記圧電膜と共振周波数を同じくする補強体を重合したことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の音放射デバイス。
  8. 前記振動面の開口部の直径または一辺の長さを次式で得られた値に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音放射デバイス。
    [1/2πf×(5×10/1780)1/2]×2
  9. 前記振動面の開口部の直径または一辺の長さを20mm以下に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音放射デバイス。
  10. 両表面に一対の電極が形成された圧電膜を波型に折り曲げるとともに該圧電膜の周縁部と波型形状の各中間部とをその両表面から保持体で保持したことを特徴とする音放射デバイス。
  11. 両表面に一対の電極が形成された圧電膜を波型に折り曲げるとともに該圧電膜の両表面に波型と同形状の保持体を重合し、この保持体の一部を切り欠くことにより前記圧電膜の一部を露出させたことを特徴とする音放射デバイス。
  12. 前記請求項1〜11のいずれかに記載の音放射デバイスと、可聴周波数帯域の音響信号を生成する音源と、前記音放射デバイスで放射する超音波領域の搬送用の信号を生成する超音波発生源とを備え、前記超音波領域の搬送用の信号に前記可聴周波数帯域の音響信号を重畳させて、前記音放射デバイスで放射させることを特徴とする超音波伝送スピーカー装置。
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