JP2017204661A - パラメトリックスピーカ - Google Patents
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また近年、ハイブリッド車や電気自動車において静音性が高まり、歩行者の中でも視覚障害者がこれらの自動車が近接していても気付きにくく事故のリスクが高まると考えられている。
この問題に対し、静音性の高い車を走行させる際に人工なエンジン音等を鳴らすことが検討されており、特定の対象にのみ音を伝達させるパラメトリックスピーカの研究が拡大している。
従来のアレイ状に多数並べたパラメトリックスピーカに用いられる開放型超音波センサと称される発音体を構成する従来の超音波センサの概略図を図1に示す。
従来は、超音波スピーカを超音波帯域の40kHz付近の共振周波数で振動させるために、圧電素子3を曲げ弾性率の高いニッケル合金やアルミニウム合金等からなる振動板2に貼り合せたユニモルフ振動子を利用している。
振動板3の圧電素子が貼りあわされた面の反対側には、アルミニウム合金からなるコーン形状の共振子1が接着されている。
共振子1の内側には、共振周波数を微調整するために低粘度のシリコーン樹脂が塗布されている。
振動板2の圧電素子3を接着した面は、高粘度のシリコーン樹脂を用いて、樹脂モールド5に保持されている。
圧電素子3の両側に設けられた電極には、それぞれリード線4が半田付されており、各リード線4の一端は樹脂モールド5に設けられた入出力端子6に半田付されている。
入出力端子6がパラメトリックスピーカの駆動回路に接続されることにより、前記駆動回路からの駆動信号をユニモルフ振動子、更には前記ユニモルフより発生した振動をコーンに伝達することが可能となる。
屋外で使用する場合には、水滴などの付着により圧電素子の電極や半田付されたリード線が水滴の付着で短絡しないように、雨などに直接さらされない箇所に設置する必要がある。
このため、従来の開放型超音波センサを用いたパラメトリックスピーカでは、雨や洗車などで水滴の付着が避けられない車体外部への搭載が困難であり、防滴構造とする必要がある。
加えて、一つのパラメトリックスピーカは数十個から数千個の超音波スピーカから構成される為、各超音波スピーカの組み立てやパラメトリックスピーカへの配列に関係する部品数や工数が多くなり製造コストが高いことも課題である。
上記の製造コストの課題に対しては、同一の金属板もしくは樹脂板の上に複数の圧電素子を接着した振動板を用いて部品数や工数を削減することで解決が可能である。
防滴構造とする解決案としては、この振動板の圧電素子を配置した面を大気に触れないように密閉や樹脂等で封止を行うことが考えられるが、振動板に用いる板の材質に起因する新たな課題が生じている。
複数の圧電素子を金属板に貼り合せた場合、金属板を介して配置された各圧電素子と振動部分とからなる振動子の振動が互いに干渉することで不要振動が発生して音圧や音質が低下する。
また、上記干渉を抑えるため圧電素子を接着する間隔を広げると指向性が広がると共に音圧が低下するという課題がある。
曲げ弾性率が20GPa以下の一般的な樹脂を振動板に用いる場合では、超音波帯域の共振周波数で振動させた際に必要な音圧が得られないことが課題となっていた。
同一振動板上に複数の振動素子を配置して互いの振動の干渉による音圧低下や不要振動の発生が抑制され、圧電素子をより密に配置できて音圧アップ、更にはパラメトリックスピーカとしての復調音の音圧アップや音質、指向性を狭めることが可能となる。
加えて、振動板に用いる樹脂の曲げ弾性率を24GPa以上とすることにより、従来の曲げ弾性率が20GPa以下の樹脂と比較してユニモルフ振動子の共振周波数を高めても音圧が大きく低下することなく発音体の実現が可能となる。
また、従来はパラメトリックスピーカの構成に必要な振動板はユニモルフ構造体と同数必要であったのに対し、本発明では1つの振動板に複数のユニモルフ構造体を設けることで部品点数が減少し、
さらに個々のユニモルフ振動子を同一振動板内に形成することで基板上に配列する工数の削減も出来るため、製造コストを抑えることが出来る。
二酸化珪素、カーボンファイバー、珪酸アルミニウムのフィラーや結晶を主成分とする粉体の含有するエポキシ樹脂との複合材料を使用することで、従来のエポキシ樹脂よりも曲げ弾性率を上げる事が出来、優れた音響特性を持つ超音波センサ、発音体の製造が実現出来る樹脂となる。
請求項2に記載の発明では、振動板の裏面に振動板と一体となるホーンを設けることで、パラメトリックスピーカの指向性をより鋭くして音圧を高めることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、振動板の裏面に凹形状を設けることで、パラメトリックスピーカから放出される超音波の焦点が調整できるため、パラメトリックスピーカの指向性をより鋭くして音圧を高めることが可能となる。
請求項4に記載の発明では、振動板の裏面を曲面とすることで、パラメトリックスピーカから放出される超音波の焦点が調整できるため、パラメトリックスピーカの指向性をより鋭くして音圧を高めることが可能となる。
振動板2は、金属フィラーを配合した熱硬化型エポキシ樹脂を用いた成形品である。
尚、振動板2に使用する材質は、曲げ弾性率が実用上必要な24GPa以上であれば、樹脂については熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂でもよく、フィラーについては炭素繊維や有機繊維を用いてもよい。
振動板2は外径φ50で厚み6mmの円盤状で、表面2aには底部がφ11の凹部9が等間隔に設けられたハニカム構造となっている。
折返し電極7と電極8を有するφ10の圧電素子3は、圧電素子3の電極8を有する面の反対側が接着面となるようにエポキシ樹脂で凹部9の底面内部に貼り合わされており、ユニモルフ振動子を形成している。
この折り返し電極7と電極8はケーブルにより、外部のパラメトリックスピーカの駆動回路と電気的に接続されている。
駆動回路から発信されたパルス信号が、ケーブルを介して各圧電素子3に入力されることにより、各ユニモルフ振動子が振動して、振動板の裏面2bより超音波が放出される。
振動板2の表面2a側は、水等の液体が浸入して折り返し電極7と電極8の間で短絡が生じないように、防水対策としてシリコーン樹脂により封止を行っている。
尚、防水対策は、折り返し電極7と電極8が外気に直接触れない密閉性が保たれていればウレタン樹脂や発泡樹脂による封止等でもよい。
各ユニモルフ振動子の共振周波数を等しくするために、振動板2内における圧電素子3の接着面の振動板2の厚みを同一にしている。
尚、振動板2内における圧電素子3の接着面の振動板2の厚みは、複数の異なる寸法の圧電素子3を用いる場合や、複数の異なる共振周波数を用いる場合には異なる厚みにしても良い。
図3は図2に示したスピーカにおいて、振動板2の曲げ弾性率を21GPaから26GPaまで変化させた際のスピーカの音圧を、スピーカから1m離した位置に設置したマイクを用いて測定した際の出力電圧のグラフである。
曲げ弾性率の同じ振動板2からなるスピーカの共振周波数の調整は、振動板2における圧電素子3の接着部の板厚みを変えることで調整を行い、板厚みを増すことで共振周波数を上昇させることができる。
図3から明らかの様に、同一の曲げ弾性率を有する振動板2であれば共振周波数の上昇と共に出力電圧が低下する。
また、曲げ弾性率が異なる振動板2であれば、曲げ弾性率が上昇するにつれて、より高い共振周波数においても、より高い出力電圧が得られるようになる。
図4は、横軸を各スピーカに用いた振動板2の樹脂の曲げ弾性率とし、縦軸を各スピーカの40kHzにおける出力電圧としたグラフである。
従来のスピーカと同じく40kHz近傍の共振周波数領域を利用する場合、出力電圧が1.5mV以上が実用上要求されている。
図4から明らかなように、出力電圧が1.5mV以上となる24GPa以上の曲げ弾性率の樹脂を用いることで、本願発明の目的とする効果を得ることが出来る。
また、振動板2を樹脂材料としたことで、当初想定していなかった残響時間の短縮による音質改善が見られた。
図5に示すパラメトリックスピーカは、実施例1で示したパラメトリックスピーカにおける振動板2の裏面2bに筒状のホーン11を設けたものである。
各ホーン11は、振動板2の表面2aの圧電素子3を設けた凹部9の反対側に設けることが好ましく、ユニモルフ振動子から放出される音波の拡がりを効果的に抑えて指向性が鋭くできる。
よって、振動板2内の各ユニモルフ振動子の指向性が鋭くなり、パラメトリックスピーカの指向性も鋭くすることができる。
また、指向性が鋭くなることは、音波が収束されることであるため、音圧も向上する。
図6に示すパラメトリックスピーカは、実施例1で示したパラメトリックスピーカにおける振動板2の表面2aの圧電素子3を設けた凹部9の反対側に凹形状12を設けたものである。各ユニモルフ振動子から放出される音波が凹形状12に依存した焦点距離を有することで、凹形状12の無い場合と比較して焦点距離付近での指向性を鋭くすることが出来る。よって、焦点距離付近における振動板2内の各ユニモルフ振動子の指向性が鋭くなり、パラメトリックスピーカの指向性も鋭くすることができる。
振動板2内の圧電素子の貼り合せ面の反対の面を超音波の放出面とする。
図7に示すパラメトリックスピーカは、実施例1で示したパラメトリックスピーカにおける振動板2の裏面2bに凹形状12を設け、超音波の放出面の高さを2箇所以上変えたものである。
放出面の高さは、振動板2の中心方向に向かうにつれて凹むように変えることが好ましい。これにより、振動板2内の各ユニモルフ振動子から放出される音の合成波が焦点距離を有し、焦点距離付近におけるパラメトリックスピーカの指向性も鋭くすることができる。
図8に示すパラメトリックスピーカは、実施例1で示したパラメトリックスピーカにおける振動板2の裏面2bを曲面の凹形状12としたものである。
これにより、実施例4と同様に振動板2内の各ユニモルフ振動子から放出される音の合成波でが焦点距離を有し、焦点距離付近におけるパラメトリックスピーカの指向性も鋭くすることができる。
2 振動板
2a 振動板の表面
2b 振動板の裏面
3 圧電素子
4 リード線
5 樹脂モールド
6 入出力端子
7 折り返し電極
8 電極
9 凹部
10 凸部
11 ホーン
12 凹形状
Claims (4)
- 振動板に圧電素子を固着したユニモルフ構造体を2つ以上設けたスピーカと、前述スピーカを制御する回路部とからなる、変調をかけた超音波により可聴域の音を発生させるパラメトリックスピーカにおいて、
前述振動板に表面に2つ以上の凹部が設け、前述振動板を構成する材質が主として曲げ弾性率が24GPa以上となる様にフィラーを含んだエポキシ樹脂であることを特徴とする発音体。
- 前述振動板の裏面にホーン形状を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
- 前述振動板の裏面に凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
- 前述振動板における、裏面を凹状の曲面としたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
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