JP2004311218A - 燃料電池システムの暖機装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】暖機時に2次電池の温度が低温のまま電気ヒータに通電して燃料電池を加熱する場合に比べて、暖機時間を短縮する。
【解決手段】燃料電池11及び2次電池13の電力がパワーコントローラ19を介してモータジェネレータ18に供給される。2次電池13の電力で2次電池13を加熱する第1のヒータ15と、2次電池13の電力で燃料電池11を加熱する第2のヒータ16とを備えている。制御装置17は、燃料電池11の暖機時には、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させて燃料電池11を発電可能な温度まで加熱する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池11及び2次電池13の電力がパワーコントローラ19を介してモータジェネレータ18に供給される。2次電池13の電力で2次電池13を加熱する第1のヒータ15と、2次電池13の電力で燃料電池11を加熱する第2のヒータ16とを備えている。制御装置17は、燃料電池11の暖機時には、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させて燃料電池11を発電可能な温度まで加熱する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池及び蓄電手段を備えた燃料電池システムの暖機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車の動力源等として、クリーンでエネルギー効率の優れた燃料電池が注目されている。燃料電池は、周知のように、酸素と水素とを化学反応させることで生じる起電力を利用するものである。そして、カソード側に酸素を供給するとともに、アノード側に水素を供給し、水素と酸素とを反応させることによって、化学エネルギーが直接的に電気エネルギーに変換されるので、優れた変換効率が得られる。
【0003】
燃料電池にはいくつかの種類があるが、燃料電池自動車に使用するには小型で高出力であることが要求され、固体高分子型燃料電池(PEFC)が好適に使用される。固体高分子型燃料電池は、所定の温度(約80℃程度)で効率よく発電が行われる。燃料電池は発熱反応のため、発電を開始して所定時間経過すれば、環境温度が低くても効率良く発電を継続できるが、発電開始時に低温(例えば、0℃以下)では発電できないか極めて効率が悪い。
【0004】
また、燃料電池で生成する水は、通常未反応ガスとともに外部に捨てられるが、燃料電池停止時等にはガス通路に生成水が残ったまま停止する場合がある。寒冷地で外気温が水の凝固点である0℃以下になると、ガス流通路に残った水が凍結してガス流通路を塞いでしまい、燃料ガスが流れなくなるため、燃料電池が起動できない問題がある。
【0005】
また、低温時には固体高分子型燃料電池の電解質膜内に存在する水分が凍結することがあり、発電できないか発電効率が著しく低下することがある。また、水が凍結しない温度であっても、固体高分子型燃料電池は通常前記所定の温度で発電されるため、寒い日には燃料電池を速く暖機する必要がある。
【0006】
従来、燃料電池と蓄電池とを組み合わせた電源装置において、燃料電池本体及び蓄電池が設置された収納容器内の温度を検知し、その温度が設定値より低下した場合には収容容器内を加熱するヒータに蓄電池から通電して、燃料電池本体及び蓄電池を加熱する方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、収納容器内の温度が−15℃〜−5℃の間にあるときは燃料電池を加熱するヒータに通電し、収納容器内の温度が−15℃以下のときに燃料電池を加熱するヒータと、蓄電池を加熱するヒータとに通電する方法も開示されている。
【0007】
また、燃料電池に蓄電池を組合せ、燃料電池と蓄電池を同一の負荷に接続するようにしたハイブリッド燃料電池において、低温時における蓄電池の容量低下を防止するために、蓄電池温度を所定範囲に維持するようにしたハイブリッド燃料電池が提案されている(特許文献2参照)。このハイブリッド燃料電池では、蓄電池に蓄電池温度を検出する温度センサと、前記燃料電池が発生する余熱又は電気によって発熱する加熱手段とが設けられ、かつ前記温度センサの検出温度に基づき蓄電池温度を所定範囲に維持するように前記加熱手段を制御する制御部が設けられている。
【0008】
また、燃料電池の暖機方法として、燃料電池セルの温度を検出する温度検出手段と、燃料電池セルの空気極に供給する空気を加熱する空気加熱手段とを設け、燃料電池セルの温度が設定温度以下のときに空気加熱手段を作動させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。空気加熱手段は蓄電池から電力が供給されるヒータを備えている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−91967号公報(3頁、図3)
【特許文献2】
特開平3−272567号公報(2頁、図)
【特許文献3】
特開2002−93445号公報(明細書の段落[0028]〜[0030]、[0037]図1,2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法では、燃料電池及び蓄電池(2次電池)が蓄電池の電力で作動(駆動)されるヒータにより加熱されるが、蓄電池を余熱することなくヒータが作動される。ところが、燃料電池自動車に搭載されている2次電池は通常温度(暖機が不要な温度)では高出力であるが、暖機が必要な低温下では低出力となる。従って、特許文献1に記載の方法を燃料電池自動車の暖機に適用した場合、2次電池の低出力状態においてヒータに通電されて、燃料電池及び2次電池が暖められるため、暖機に時間がかかるという問題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載のハイブリッド燃料電池では、蓄電池の温度を温度センサで検出し、蓄電池温度を所定範囲に維持するように加熱手段が制御される。しかし、加熱手段は燃料電池が発生する余熱又は電気によって発熱するため、常に燃料電池を作動させておく必要がある。従って、寒冷地で使用される燃料電池自動車のように、低温下での暖機が必要な場合に適用するには、燃料電池自動車を使用しないときにも、暖機のために燃料電池で発電しなければならないという問題がある。
【0012】
また、特許文献3に記載の暖機方法では、燃料電池セルの温度が設定温度以下のときに、蓄電池から電力が供給されるヒータで燃料電池セルを加熱する構成であり、低温下における蓄電池の低出力に対する配慮はなされておらず、特許文献1の場合と同様に暖機に時間がかかるという問題がある。
【0013】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、暖機時に蓄電池(2次電池)の温度が低温のまま電気ヒータに通電して燃料電池を加熱する場合に比べて、燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる燃料電池システムの暖機装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、燃料電池及び蓄電手段を備えた燃料電池システムの暖機装置である。そして、前記蓄電手段を加熱する蓄電手段加熱手段と、前記蓄電手段の電力で前記燃料電池を加熱する燃料電池加熱手段と、暖機時に、先ず前記蓄電手段加熱手段を駆動させて前記蓄電手段を設定温度まで加熱した後、前記燃料電池加熱手段を駆動させる制御手段とを備えている。ここで、「蓄電手段」とは、2次電池のように充電及び放電を繰り返すことが可能な電源を意味する。
【0015】
この発明では、燃料電池システムの暖機時には、先ず蓄電手段加熱手段が駆動されて蓄電手段が設定温度まで加熱され、次に燃料電池加熱手段が加熱される。蓄電手段は暖機が必要な低温下では低出力となるため、低温状態のまま燃料電池加熱手段を駆動させると暖機に時間がかかる。しかし、蓄電手段を設定温度まで加熱した後、燃料電池加熱手段を駆動させることにより、蓄電手段の高出力状態で燃料電池の加熱が行われるため、燃料電池の加熱に必要な時間を短縮することができ、燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記燃料電池加熱手段は前記燃料電池の一部を加熱可能に構成され、前記制御手段は前記燃料電池の一部が発電可能な温度に到達した後、その部分の燃料電池の発電を開始させるように制御を行う。
【0017】
この発明では、燃料電池加熱手段は燃料電池全体を暖めるのではなく、一部、例えば半分を暖める。そして、燃料電池の一部が発電可能な温度に到達した後は、燃料電池の一部で発電が開始され、燃料電池の発電時に発生する熱は燃料電池の他の部分を暖めるのに使用される。従って、暖機時に必要な畜電手段の放電容量を少なくできる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力で該蓄電手段を加熱する加熱手段に加えて、前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで前記蓄電手段を加熱する補助加熱手段を備えている。蓄電手段は暖機の必要な低温下では低出力のため、蓄電手段の電力だけで自身を設定温度まで暖めるのに時間がかかる。しかし、前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで加熱を行う補助加熱手段で蓄電手段を加熱することにより、補助加熱手段のない場合に比べて蓄電手段を短時間で設定温度まで加熱でき、燃料電池システムの暖機時間をより短縮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を燃料電池自動車に適用した第1の実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1は本発明の燃料電池システムを示す概略構成図であり、図2は燃料電池スタックの部分模式断面図である。
【0020】
図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池11、水素源としての水素タンク12、蓄電手段としての2次電池13、酸素供給源としてのエアコンプレッサ14、蓄電手段加熱手段としての第1のヒータ15、燃料電池加熱手段としての第2のヒータ16及び制御手段としての制御装置17を備えている。また、燃料電池システム10は、燃料電池自動車の駆動輪を駆動するモータジェネレータ18及びパワーコントローラ19を備えている。
【0021】
燃料電池11は、例えば固体高分子型の燃料電池からなり、水素タンク12から供給される水素と、エアコンプレッサ14から供給される酸素とを反応させて直流の電気エネルギー(直流電力)を発生する。水素タンク12は、例えば約35MPaの高圧で水素を貯蔵し、水素をタンク内部で減圧して燃料電池11に一定の圧力で供給する。
【0022】
2次電池13にはニッケル水素電池が使用されている。2次電池13は減速時の回生エネルギーや、燃料電池11で発生した余剰電力等を貯蔵(充電)し、加速時には燃料電池11の出力をアシストする。2次電池13は、少なくとも暖機時に自身を設定温度まで加熱するのに必要な熱量と、燃料電池11を発電可能な温度まで加熱するのに必要な熱量を第1及び第2のヒータ15,16を介して供給するのに必要な電力を充電可能な容量を備えている。
【0023】
モータジェネレータ18には交流同期電動機が使用され、減速時には発電機として機能する(働く)。
パワーコントローラ19は燃料電池11の出力と2次電池13の充放電を制御する。即ち、燃料電池11及び2次電池13はパワーコントローラ19を介してモータジェネレータ18に電力を供給する。パワーコントローラ19はインバータを備えており、減速時にはモータジェネレータ18を発電機として機能させることで、モータジェネレータ18で発生した交流電力を、インバータにより直流に変換して2次電池13へ充電する。また、パワーコントローラ19は、加速時には燃料電池11及び2次電池13から出力される直流電力をインバータにより交流に変換してモータジェネレータ18に供給し、モータジェネレータ18をモータとして機能させて駆動輪を駆動する。パワーコントローラ19は、走行条件によって燃料電池11で余剰電力が生まれる場合には、燃料電池11の余剰電力を2次電池13に充電する。
【0024】
燃料電池11には燃料電池11の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ20が設けられている。温度センサ20は制御装置17に電気的に接続され、制御装置17は温度センサ20の検出信号を入力し、その検出信号に基づいて燃料電池11の温度を把握し、暖機が必要か否かを判断するようになっている。2次電池13には2次電池13の温度を検出する温度検出手段としての2次電池用温度センサ21が設けられている。2次電池用温度センサ21は制御装置17に電気的に接続され、制御装置17は2次電池用温度センサ21の検出信号を入力し、その検出信号に基づいて2次電池13の温度を把握するようになっている。
【0025】
制御装置17は燃料電池11の暖機時に、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させるように、第1及び第2のヒータ15,16を制御する。設定温度としてこの実施の形態では0℃が設定されている。第1及び第2のヒータ15,16は、2次電池13に並列に接続され、制御装置17により制御されるリレー22,23のオン・オフにより通電が制御されるようになっている。第1及び第2のヒータ15,16及び制御装置17により、暖機装置が構成されている。
【0026】
燃料電池11は燃料電池セルを多数直列に連結することにより構成されている。図2に示すように、燃料電池セル24は、電解質膜(イオン交換膜)25を挟んで、水素電極としてのアノード電極26と、酸素電極としてのカソード電極27とが配置された電極ユニット28の外側にガスケット29を挟んで一組のセパレータ30が配設される構成となっている。セパレータ30は、例えば、一方の面に水素ガスが流れる溝30aが、他方の面に空気が流れる溝30bが形成されており、両溝30a,30bは互いに直交する方向に延びるように形成されている。そして、燃料電池セル24を構成する所定数の電極ユニット28とセパレータ30とが交互に配置され、図示しない通しボルトにより締め付けられて、燃料電池11のスタックが構成されている。
【0027】
第2のヒータ16は、例えば、所定数の燃料電池セル24毎に、ヒータを配置したり、燃料電池11のスタックに長手方向に沿って配置することで、燃料電池11に取り付けられている。
【0028】
なお、燃料電池11は発電中は発熱するため、燃料電池11の温度を約80℃程度に保持するため、図示しない冷却水通路が形成され、ラジエータで冷却された冷却水がウォータポンプにより循環されるようになっている。
【0029】
次に前記のように構成された燃料電池システム10の作用を説明する。
燃料電池システム10は、燃料電池11の温度が燃料電池11の発電が可能な温度未満の場合は、暖機が行われた後、燃料電池11の発電が開始される。燃料電池11の温度が発電が可能な温度以上の場合は、暖機を行わずに燃料電池11の発電が開始される。
【0030】
燃料電池自動車は、燃料電池11及び2次電池13から供給される電力により、モータジェネレータ18が駆動されて走行する。パワーコントローラ19は加速、減速等の走行条件により、燃料電池11のみから電力を供給するか、燃料電池11及び2次電池13の両者から電力を供給するか、2次電池13へ充電するかを所定のプログラムに従って判断する。そして、加速時等電力を多量に必要とするときに、燃料電池11及び2次電池13の両者から電力を供給し、それ以外の場合は燃料電池11のみから電力を供給するように制御する。また、減速時(制動時)には、モータジェネレータ18を発電機として機能させ、回生エネルギーを電気に変換して2次電池13に充電させるようにインバータを制御する。
【0031】
固体高分子型燃料電池は、約80℃程度で効率よく発電が行われるが、水素と酸素との化学反応は発熱反応のため、発電を継続すると、反応熱のため燃料電池11の温度が約80℃の適正温度より上昇する。この温度上昇を防止するため、ラジエータで冷却された冷却水が循環される。
【0032】
次に暖機について説明する。燃料電池システム10のスイッチが入れられると、制御装置17は温度センサ20の検出信号を入力して、暖機が必要な低温であるか否か判断し、暖機が必要でなければ燃料電池11の発電を開始させる。暖機が必要な低温と判断すると、燃料電池11の発電を開始させる前に、暖機を行う。
【0033】
暖機時には、先ず第1のヒータ15に通電させるため、リレー22をオン状態に保持する指令信号が出力され、リレー22がオン状態となり、第1のヒータ15に通電されて2次電池13が加熱される。制御装置17は2次電池用温度センサ21の出力信号から2次電池13の温度が設定温度に達したと判断すると、リレー22をオフ状態に保持し、リレー23をオン状態に保持する指令信号を出力する。そして、リレー23がオン状態となり、第2のヒータ16に通電されて燃料電池11が加熱される。温度センサ20の検出信号により燃料電池11の温度が発電可能な温度に達したことを検知すると、制御装置17はリレー23をオフ状態とする指令信号と、燃料電池11の発電開始指令信号とを出力する。そして、発電開始指令信号に基づき、燃料電池11の発電が開始される。即ち、水素タンク12から水素が燃料電池11に供給されるとともに、エアコンプレッサ14が駆動されて空気が燃料電池11に供給される。なお、ラジエータの冷却水の循環は、燃料電池11の温度が適正温度に達した後、開始される。
【0034】
燃料電池11で発生した電力は次回の暖機に備えて、2次電池13に充電される。そして、2次電池13の充電量が所定の値以上に達した時点で2次電池13への充電が停止され、燃料電池自動車の走行が開始される。
【0035】
図3(a)に、環境温度が−40℃で燃料電池11及び2次電池13の温度が−40℃において、前記の暖機方法を行った場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。図3(b)に、同じ環境温度及び燃料電池11及び2次電池13の温度の状態で、2次電池13を加熱せずに最初から第2のヒータ16を通電させて燃料電池11を加熱する暖機を行った場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。
【0036】
2次電池13として使用されているニッケル水素電池は、暖機が必要な低温では、低出力となる。そして、2次電池13の加熱を行わない場合は、図3(b)に示すように、暖機の間、2次電池13の温度は−40℃に保持され、2次電池13の出力が低い値で一定に保持された状態となる。そして、燃料電池11の温度は2次電池13の出力に対応した所定の割合で一定に上昇し、0℃に達するまでに約5分かかった。
【0037】
一方、先ず2次電池13を加熱して、その後、燃料電池11を加熱する本発明の暖機方法では、図3(a)に示すように、2次電池13の温度上昇に伴って2次電池13の出力が高くなる。そして、燃料電池11の加熱開始時期は遅れるが、燃料電池11の加熱時の2次電池13の出力が−40℃の場合に比較して約3倍高くなるため、燃料電池11を発電可能な温度(例えば、0℃)まで加熱するのに必要な時間が短縮される。その結果、暖機開始後、2次電池13の加熱時間を含めて約3分で燃料電池11が0℃に達した。即ち、暖機の際に2次電池13を加熱せずに、最初から第2のヒータ16のみを駆動して燃料電池11のみを加熱する暖機方法に比較して、暖機時間を6割近く短縮できた。
【0038】
また、図3(c)に、環境温度が−40℃で燃料電池11及び2次電池13の温度が−40℃において、暖機開始から燃料電池11及び2次電池13を同時に加熱した場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。図3(c)に示すように、この場合、燃料電池11の温度が0℃に達するまでに約4分かかった。
【0039】
図4に、暖機開始温度、即ち暖機を開始する際の環境温度、燃料電池11及び2次電池13の温度と、燃料電池11が0℃に達するまでの時間(暖機時間)との関係を、本発明の方法と、暖機開始から燃料電池11及び2次電池13を同時に加熱する暖機方法(比較例)とについて調べた結果を示す。
【0040】
図4に示す結果から、暖機開始時の温度が0℃から−10℃未満では、暖機開始時から燃料電池11及び2次電池13を加熱する暖機方法と、本発明の暖機方法とで暖機時間に差がないが、暖機開始温度が−10℃以下の場合は本発明の暖機方法の方が暖機時間が短くなることが明らかである。
【0041】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 暖機装置は、2次電池13の電力で2次電池13を加熱する第1のヒータ15と、2次電池13の電力で燃料電池11を加熱する第2のヒータ16と、暖機時に、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させる制御装置17とを備えている。従って、2次電池13を加熱せずに燃料電池11を加熱する方法に比較して燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる。
【0042】
(2) 本発明の暖機方法は、蓄電手段加熱手段及び燃料電池加熱手段を同時に駆動させて燃料電池11及び2次電池13を加熱する暖機方法に比較して、暖機開始温度が−10℃以下であれば短い暖機時間で暖機を行うことができる。
【0043】
(3) 燃料電池11の温度が0℃になるまで燃料電池11を加熱するため、燃料電池11のガス流通路に凍結した水分が存在する場合でもその凍結を解除することができる。
【0044】
(4) 蓄電手段加熱手段及び燃料電池加熱手段としてそれぞれ電気ヒータであるヒータ15,16を使用しているため、水素や他の燃料を燃焼させる加熱手段に比較して安全であり、また、構造も簡単である。
【0045】
(5) 暖機の開始から2次電池13の電力を使用して燃料電池11を加熱する従来の暖機装置に、2次電池13を加熱する蓄電手段加熱手段を設けることにより、簡単に実施することができる。
【0046】
(6) 暖機後、燃料電池11の発電を開始したとき、2次電池13の蓄電量が所定量未満のときは、所定量になるまで燃料電池11で発生した電力を2次電池13に充電する。従って、次回の暖機の際に2次電池13の電力が不足する事態の発生を回避できる。
【0047】
(7) 暖機終了後、燃料電池11の発電開始と同時に燃料電池11の冷却水の循環を開始するのではなく、燃料電池11の温度が80℃に達した後に、冷却水の循環を開始する。従って、燃料電池11の発電開始と同時に冷却水の循環を開始する場合に比較して、燃料電池11の温度が燃料電池11の発電に適した温度に達するまでの時間を短縮できる。
【0048】
(8) 燃料電池自動車のモータを駆動する燃料電池システム10に適用しているため、燃料電池自動車の暖機を従来より短時間で行うことが可能になる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を説明する。この実施の形態では、燃料電池11が一部のみでも発電が可能、かつ第2のヒータ16が燃料電池11の一部のみを加熱可能に構成されている点と、燃料電池11の一部が発電可能な温度に達すると、その部分の燃料電池11の発電を開始する点とが第1の実施の形態と大きく異なっている。
【0049】
図5に示すように、燃料電池11は、二つのスタック31a,31bに分けて構成されている。燃料電池自動車の場合、必要な電力を発生する燃料電池11としては、燃料電池セル24が数百個程度、電気的に直列に接続されたものが必要である。しかし、数百個の燃料電池セル24を直線状に連結したスタックで燃料電池11を構成すると、その長さが長くなって設置スペースの確保が難しくなる。そこで、燃料電池11を、例えば全燃料電池セルの半分の燃料電池セル24を直線状に連結した2個のスタック31a,31bで構成する。電気的には全ての燃料電池セル24が直列に接続されているが、酸素や水素の供給等は各スタック31a,31b毎に供給されるようになっている。例えば、水素タンク12から両スタック31a,31bに水素を供給する管路と、エアコンプレッサ14から両スタック31a,31bに空気を供給する管路とには切換えバルブ(図示せず)がそれぞれ設けられている。そして、切換えバルブの切り換えにより、スタック31aのみに水素及び空気が供給される状態と、両スタック31a,31bに水素及び空気が供給される状態とに切り換えられるようになっている。また、一方のスタック31aのみを加熱可能に第2のヒータ16が配設されている。
【0050】
燃料電池自動車の場合、燃料電池11の出力は2次電池13の出力の2倍以上あり、燃料電池11の熱容量は燃料電池の大きさにもよるが、2次電池13の熱容量の2倍はある。そして、燃料電池11の半分だけの発電を開始した後、燃料電池11で発生する熱量で燃料電池11の残りの部分を発電可能な温度に加熱することが可能になる。
【0051】
制御装置17は、暖機時に先ず第1のヒータ15に通電させ、2次電池13が設定温度に達した後、第1のヒータ15への通電を停止させるとともに第2のヒータ16に通電させる。一方のスタック31a、即ち燃料電池11の半分が発電可能な温度に到達した後、その部分の燃料電池11の発電を開始させる。そして、第2のヒータ16への通電を停止させるように制御を行う。また、燃料電池11で発電で発生した電力が2次電池13に充電される。
【0052】
この実施の形態では、第2のヒータ16は燃料電池11の全体を発電可能な温度まで暖めるのではなく、半分、即ち、一方のスタック31aを暖める。そして、燃料電池11の半分が発電可能な温度に到達した後は、第2のヒータ16への通電が停止されて2次電池13の放電が停止されるとともに、燃料電池11の半分で発電が開始されて、燃料電池11の発電時に発生する熱が燃料電池11を暖めるのに使用される。また、燃料電池11で発電された電力が2次電池13に充電される。
【0053】
この実施の形態では第1の実施の形態の(1)〜(8)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
(9) 暖機時に2次電池13の電力を使用して燃料電池11を加熱する第2のヒータ16は、燃料電池11全体を発電可能な温度まで加熱するのではなく、燃料電池11の半分を発電可能な温度まで加熱する。従って、暖機時に必要な2次電池13の放電容量を少なくでき、暖機終了後に、次回の暖機に備えて2次電池13を充電する充電量を少なくできる。その結果、次回の暖機に備えた充電のために必要な発電に使用する水素の使用量を少なくでき、燃料電池自動車の場合、水素タンク12に一度水素を充填した状態での走行距離を延ばすことができる。
【0054】
(10) 燃料電池11全体が発電可能な温度に達する前に、発電可能な温度に達したスタック31aで発電を開始し、その発電電力を2次電池13に充電するため、暖機終了後に、次回の暖機に備えて2次電池13に充電する充電量を少なくでき、充電時間を短くできる。
【0055】
(11) 燃料電池11が複数のスタック31a,31bを平行に配置した状態に構成されているため、燃料電池自動車の場合に燃料電池11の設置スペースの確保が容易となる。
【0056】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 蓄電手段(2次電池13)を加熱する手段として蓄電手段自身の電力で駆動される蓄電手段加熱手段(第1のヒータ15)に加えて、蓄電手段以外のエネルギーで蓄電手段を加熱する補助加熱手段を設けてもよい。例えば、図6に示すように、2次電池13を加熱する補助加熱手段として、2次電池13より低温出力特性の良い鉛蓄電池32と、鉛蓄電池32に接続されたヒータ33とを設ける。ヒータ33は制御装置17により制御されるリレー34のオン・オフにより通電が制御されるようになっている。制御装置17は暖機時にリレー22及びリレー34をオンさせ、第1のヒータ15及びヒータ33により2次電池13を加熱させる。蓄電手段としてニッケル水素電池のように低温における出力特性が低い2次電池13を使用した場合、自身の電力だけで設定温度まで加熱しようとすると、加熱に時間がかかる。補助加熱手段を設けて補助加熱手段で蓄電手段(2次電池13)を加熱することにより、蓄電手段を設定温度まで加熱する時間を短くでき、燃料電池システム10の暖機時間をより短縮することができる。
【0057】
燃料電池自動車の場合、走行用のモータに駆動電力を供給する2次電池13とは別に、車両の電装部品に電力を供給する鉛蓄電池が搭載されているため、その鉛蓄電池を使用すれば、ヒータ33を追加するだけで簡単に構成できる。
【0058】
〇 補助加熱手段を設けて2次電池13を設定温度まで加熱する際、第1のヒータ15及びヒータ33に最初から同時に通電する方法に限らない。例えば、最初はヒータ33のみに通電し、その後、第1のヒータ15にも通電して両ヒータ15,33で加熱を行うようにしたり、最初はヒータ33のみに通電し、その後、第1のヒータ15にのみ通電するようにしてもよい。
【0059】
○ 前記実施の形態でヒータ33を追加せずに、第1のヒータ15に対して2次電池13及び鉛蓄電池32を並列に接続してもよい。そして、暖機の初期は鉛蓄電池32から第1のヒータ15に通電し、2次電池13の温度が所定の温度に達した後、2次電池13から通電するように、制御装置17により制御を行うようにする。
【0060】
○ 補助加熱手段として電力を使用せずに、燃焼熱等の熱を利用するものを設けてもよい。例えば、水素やメタノールを燃焼させてその燃焼熱を利用する構成とする。また、燃焼熱の代わりに、水素吸蔵合金に水素を吸収させる時の発熱を利用する構成としてもよい。
【0061】
○ 蓄電手段加熱手段や燃料電池加熱手段は、蓄電手段(2次電池13)の電力を使用する電気ヒータで蓄電手段や燃料電池を直接加熱する構成に限らない。例えば、電気ヒータで熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体を介して蓄電手段や燃料電池を加熱する構成としてもよい。熱媒体として液体を使用せずに、空気を使用し、ヒータで加熱された温風をファンで蓄電手段や燃料電池に吹き付けて加熱を行う構成としてもよい。また、蓄電手段や燃料電池に向けて空気を噴射するブロアーの出口にヒータを設けてもよい。
【0062】
○ 蓄電手段(2次電池13)の電力を使用して蓄電手段や燃料電池を加熱する際、電気ヒータを使用しない構成としてもよい。例えば、コンプレッサの圧縮熱で加熱された空気を利用してもよい。コンプレッサとしてエアコンプレッサ14を使用し、その配管から2次電池13に圧縮空気を送る配管を分岐するとともに切換バルブを設け、圧縮空気を2次電池13にのみ供給可能な状態と、燃料電池11にのみ供給可能な状態とに切り換える。また、ハウジング内に区画された発熱室及び放熱室を備え、駆動軸に作動連結されたロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放熱室を流れる循環流体に熱交換するビスカスヒータを利用してもよい。熱媒体を介して暖機を行う場合は、熱媒体の配管をできるだけ短くすることが望ましい。配管を長くすると配管中の熱媒体を加熱する分と配管から放熱する分、余分なエネルギーが必要になる。
【0063】
○ 燃料電池11や2次電池13は、暖機時以外の発電時には、発熱による温度上昇を抑制するため、一般に冷却手段を備えており、ニッケル水素電池は空冷され、燃料電池11は水冷される。水冷装置を備えた燃料電池11において、暖機時に燃料電池11内部の冷却水を一時貯留可能なタンクを設け、燃料電池11内部の冷却水をタンクに抜き取った状態で暖機を行うようにしてもよい。第2のヒータ16で燃料電池11を加熱する場合、冷却水の循環を停止するだけでは、第2のヒータ16が冷却水も加熱するために余分なエネルギーが必要となる。しかし、タンクに冷却水を抜き取った状態で暖機を行えば、暖機に必要なエネルギーを少なくできるとともに、暖機時間を短くできる。
【0064】
○ 蓄電手段加熱手段として、蓄電手段の電力を使用する加熱手段を設けずに、蓄電手段以外のエネルギーだけで蓄電手段を加熱する加熱手段を設けてもよい。加熱手段としては、例えば前記補助加熱手段と同様に、蓄電手段より低温出力特性の良い二次電池とその電力に基づいて熱を発生する加熱手段(例えば、電気ヒータ)との組み合わせや、電力を使用せずに水素やメタノールを燃焼させてその燃焼熱を利用するものがある。また、水素吸蔵合金に水素を吸収させる時の発熱を利用する方法もある。
【0065】
○ 暖機の完了後に燃料電池11の発電を開始した際、次の暖機時に必要な量の電力を2次電池13に充電した後、燃料電池11の電力を他の目的に使用する構成に限らない。燃料電池11の発電開始後、発電停止までの間の任意の時期に2次電池13の充電を行い、燃料電池11の発電停止までに2次電池13に暖機に必要な所定量以上の電力が充電された状態とする構成であればよい。例えば、燃料電池11の発電を停止させる前に、2次電池13の充電量を検出し、その充電量が暖機に必要な充電量に満たない場合に、充電量が所定量になるまで、燃料電池11で発生した電力を13に充電した後、燃料電池11の発電を停止させるようにする。この場合、暖機終了後、直ちに燃料電池11で発生した電力を目的のものに使用できる。
【0066】
また、燃料電池自動車の場合、暖機終了後に直ちに走行を開始することが可能になる。そして、走行中に燃料電池11の余剰の電力や制動時の回生エネルギーの充電で、燃料電池自動車の発電を停止する際に、2次電池13が充電量が所定量に達している場合は、次回の暖機のための充電を特に行わなくても済む場合もある。
【0067】
〇 燃料電池11の一部のみでも発電が可能となるように構成し、かつ第2のヒータ16が燃料電池11の一部のみを加熱可能に構成する場合、第2の実施の形態のように、一部は半分に限らない。発電可能となった部分のスタックでの発電時に発生する熱量が、第2のヒータ16での加熱熱量と同等以上であればよい。この場合も、燃料電池11の一部が発電可能な温度に達した後、第2のヒータ16への通電を停止して、燃料電池11の発電を開始することにより第2の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0068】
○ 制御装置17が暖機を行うか否かの判断基準となる温度は0℃に限らない。例えば、燃料電池として氷点下で発電可能な構成のものを使用できれば、前記判断基準となる温度は氷点下となる。
【0069】
○ 設定温度は0℃に限らない。例えば、2次電池13の出力は−40℃のときに比べて、0℃では約3倍になるが、−20℃であっても約2倍となり、−10℃では約2.5倍となる。従って、設定温度が0℃より低くても、暖機時間の短縮を図ることができ、設定温度は短縮をどの程度にするかによって決められる。
【0070】
○ 第1のヒータ15をオフするのは設定温度に達した時に限らない。設定温度より高くなった後でもよい。
〇 燃料電池システム10は燃料電池自動車の電源として使用されるものに限らず、例えば家庭用等の定置の電源として使用されるものであってもよい。
【0071】
○ 2次電池13が設定温度まで加熱されたことの確認は、2次電池13の温度を直接検出する2次電池用温度センサ21で確認する構成に限らない。例えば、2次電池13の配置された環境温度を検出する温度センサを設ける。そして、環境温度と2次電池13が設定温度まで達するのに必要な第1のヒータ15への通電時間との関係を予め試験により求めたデータをメモリに記憶させておき、制御装置17は前記温度センサにより検出した環境温度に対応する通電時間、第1のヒータ15に通電させるように制御する構成としてもよい。
【0072】
〇 蓄電手段は2次電池に限らない。2次電池のように充電及び放電を繰り返すことが可能な電源であればよい。
〇 燃料電池の水素源は高圧に圧縮された水素ガスが単に充填された水素タンクに限らない。例えば、水素吸蔵合金を内蔵した水素タンクや水素化物から化学反応により水素を発生させて取り出すもの等であってもよい。
【0073】
○ 第2の実施の形態において一方のスタック31aが発電可能な温度に達した後、燃料電池11の発電が開始される場合において、燃料電池11で発電された電力が2次電池13の充電に利用されるのに限らない。例えば、第3のヒータを他方のスタック31bに設けて、第3のヒータに通電させるようにしても良い。この場合、暖機時間がさらに短縮される。また、その他の機器の電源として利用しても良い。
【0074】
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力で駆動される。
【0075】
(2) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで前記蓄電手段を加熱する。
【0076】
(3) 請求項3に記載の発明において、前記蓄電手段はニッケル水素電池であり、前記補助加熱手段はニッケル水素電池より低温出力特性の高い2次電池と、該2次電池に接続された電気ヒータとを備えている。
【0077】
(4) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発明の燃料電池システムを備えた燃料電池自動車。
(5) 前記技術的思想(3)に記載の発明の燃料電池システムを備えた燃料電池自動車であって、前記2次電池は燃料電池自動車の電装部品の電源を兼ねた鉛蓄電池である。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、暖機時に2次電池の温度が低温のまま電気ヒータに通電して燃料電池を加熱する場合に比べて、暖機時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図2】燃料電池セルの模式断面図。
【図3】(a)は実施の形態の燃料電池温度、2次電池出力等の変化を示すグラフ、(b)は従来の燃料電池温度、2次電池出力等の変化を示すグラフ、(c)は暖機開始から燃料電池及び2次電池を同時に加熱した場合の変化を示すグラフ。
【図4】暖機開始温度と必要暖機時間との関係を示すグラフ。
【図5】第2の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図6】別の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【符号の説明】
10…燃料電池システム、11…燃料電池、13…蓄電手段としての2次電池、15…蓄電手段加熱手段としての第1のヒータ、16…燃料電池加熱手段としての第2のヒータ、17…制御手段としての制御装置、32…補助加熱手段を構成する鉛蓄電池、33…同じくヒータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池及び蓄電手段を備えた燃料電池システムの暖機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車の動力源等として、クリーンでエネルギー効率の優れた燃料電池が注目されている。燃料電池は、周知のように、酸素と水素とを化学反応させることで生じる起電力を利用するものである。そして、カソード側に酸素を供給するとともに、アノード側に水素を供給し、水素と酸素とを反応させることによって、化学エネルギーが直接的に電気エネルギーに変換されるので、優れた変換効率が得られる。
【0003】
燃料電池にはいくつかの種類があるが、燃料電池自動車に使用するには小型で高出力であることが要求され、固体高分子型燃料電池(PEFC)が好適に使用される。固体高分子型燃料電池は、所定の温度(約80℃程度)で効率よく発電が行われる。燃料電池は発熱反応のため、発電を開始して所定時間経過すれば、環境温度が低くても効率良く発電を継続できるが、発電開始時に低温(例えば、0℃以下)では発電できないか極めて効率が悪い。
【0004】
また、燃料電池で生成する水は、通常未反応ガスとともに外部に捨てられるが、燃料電池停止時等にはガス通路に生成水が残ったまま停止する場合がある。寒冷地で外気温が水の凝固点である0℃以下になると、ガス流通路に残った水が凍結してガス流通路を塞いでしまい、燃料ガスが流れなくなるため、燃料電池が起動できない問題がある。
【0005】
また、低温時には固体高分子型燃料電池の電解質膜内に存在する水分が凍結することがあり、発電できないか発電効率が著しく低下することがある。また、水が凍結しない温度であっても、固体高分子型燃料電池は通常前記所定の温度で発電されるため、寒い日には燃料電池を速く暖機する必要がある。
【0006】
従来、燃料電池と蓄電池とを組み合わせた電源装置において、燃料電池本体及び蓄電池が設置された収納容器内の温度を検知し、その温度が設定値より低下した場合には収容容器内を加熱するヒータに蓄電池から通電して、燃料電池本体及び蓄電池を加熱する方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、収納容器内の温度が−15℃〜−5℃の間にあるときは燃料電池を加熱するヒータに通電し、収納容器内の温度が−15℃以下のときに燃料電池を加熱するヒータと、蓄電池を加熱するヒータとに通電する方法も開示されている。
【0007】
また、燃料電池に蓄電池を組合せ、燃料電池と蓄電池を同一の負荷に接続するようにしたハイブリッド燃料電池において、低温時における蓄電池の容量低下を防止するために、蓄電池温度を所定範囲に維持するようにしたハイブリッド燃料電池が提案されている(特許文献2参照)。このハイブリッド燃料電池では、蓄電池に蓄電池温度を検出する温度センサと、前記燃料電池が発生する余熱又は電気によって発熱する加熱手段とが設けられ、かつ前記温度センサの検出温度に基づき蓄電池温度を所定範囲に維持するように前記加熱手段を制御する制御部が設けられている。
【0008】
また、燃料電池の暖機方法として、燃料電池セルの温度を検出する温度検出手段と、燃料電池セルの空気極に供給する空気を加熱する空気加熱手段とを設け、燃料電池セルの温度が設定温度以下のときに空気加熱手段を作動させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。空気加熱手段は蓄電池から電力が供給されるヒータを備えている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−91967号公報(3頁、図3)
【特許文献2】
特開平3−272567号公報(2頁、図)
【特許文献3】
特開2002−93445号公報(明細書の段落[0028]〜[0030]、[0037]図1,2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法では、燃料電池及び蓄電池(2次電池)が蓄電池の電力で作動(駆動)されるヒータにより加熱されるが、蓄電池を余熱することなくヒータが作動される。ところが、燃料電池自動車に搭載されている2次電池は通常温度(暖機が不要な温度)では高出力であるが、暖機が必要な低温下では低出力となる。従って、特許文献1に記載の方法を燃料電池自動車の暖機に適用した場合、2次電池の低出力状態においてヒータに通電されて、燃料電池及び2次電池が暖められるため、暖機に時間がかかるという問題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載のハイブリッド燃料電池では、蓄電池の温度を温度センサで検出し、蓄電池温度を所定範囲に維持するように加熱手段が制御される。しかし、加熱手段は燃料電池が発生する余熱又は電気によって発熱するため、常に燃料電池を作動させておく必要がある。従って、寒冷地で使用される燃料電池自動車のように、低温下での暖機が必要な場合に適用するには、燃料電池自動車を使用しないときにも、暖機のために燃料電池で発電しなければならないという問題がある。
【0012】
また、特許文献3に記載の暖機方法では、燃料電池セルの温度が設定温度以下のときに、蓄電池から電力が供給されるヒータで燃料電池セルを加熱する構成であり、低温下における蓄電池の低出力に対する配慮はなされておらず、特許文献1の場合と同様に暖機に時間がかかるという問題がある。
【0013】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、暖機時に蓄電池(2次電池)の温度が低温のまま電気ヒータに通電して燃料電池を加熱する場合に比べて、燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる燃料電池システムの暖機装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、燃料電池及び蓄電手段を備えた燃料電池システムの暖機装置である。そして、前記蓄電手段を加熱する蓄電手段加熱手段と、前記蓄電手段の電力で前記燃料電池を加熱する燃料電池加熱手段と、暖機時に、先ず前記蓄電手段加熱手段を駆動させて前記蓄電手段を設定温度まで加熱した後、前記燃料電池加熱手段を駆動させる制御手段とを備えている。ここで、「蓄電手段」とは、2次電池のように充電及び放電を繰り返すことが可能な電源を意味する。
【0015】
この発明では、燃料電池システムの暖機時には、先ず蓄電手段加熱手段が駆動されて蓄電手段が設定温度まで加熱され、次に燃料電池加熱手段が加熱される。蓄電手段は暖機が必要な低温下では低出力となるため、低温状態のまま燃料電池加熱手段を駆動させると暖機に時間がかかる。しかし、蓄電手段を設定温度まで加熱した後、燃料電池加熱手段を駆動させることにより、蓄電手段の高出力状態で燃料電池の加熱が行われるため、燃料電池の加熱に必要な時間を短縮することができ、燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記燃料電池加熱手段は前記燃料電池の一部を加熱可能に構成され、前記制御手段は前記燃料電池の一部が発電可能な温度に到達した後、その部分の燃料電池の発電を開始させるように制御を行う。
【0017】
この発明では、燃料電池加熱手段は燃料電池全体を暖めるのではなく、一部、例えば半分を暖める。そして、燃料電池の一部が発電可能な温度に到達した後は、燃料電池の一部で発電が開始され、燃料電池の発電時に発生する熱は燃料電池の他の部分を暖めるのに使用される。従って、暖機時に必要な畜電手段の放電容量を少なくできる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力で該蓄電手段を加熱する加熱手段に加えて、前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで前記蓄電手段を加熱する補助加熱手段を備えている。蓄電手段は暖機の必要な低温下では低出力のため、蓄電手段の電力だけで自身を設定温度まで暖めるのに時間がかかる。しかし、前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで加熱を行う補助加熱手段で蓄電手段を加熱することにより、補助加熱手段のない場合に比べて蓄電手段を短時間で設定温度まで加熱でき、燃料電池システムの暖機時間をより短縮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を燃料電池自動車に適用した第1の実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1は本発明の燃料電池システムを示す概略構成図であり、図2は燃料電池スタックの部分模式断面図である。
【0020】
図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池11、水素源としての水素タンク12、蓄電手段としての2次電池13、酸素供給源としてのエアコンプレッサ14、蓄電手段加熱手段としての第1のヒータ15、燃料電池加熱手段としての第2のヒータ16及び制御手段としての制御装置17を備えている。また、燃料電池システム10は、燃料電池自動車の駆動輪を駆動するモータジェネレータ18及びパワーコントローラ19を備えている。
【0021】
燃料電池11は、例えば固体高分子型の燃料電池からなり、水素タンク12から供給される水素と、エアコンプレッサ14から供給される酸素とを反応させて直流の電気エネルギー(直流電力)を発生する。水素タンク12は、例えば約35MPaの高圧で水素を貯蔵し、水素をタンク内部で減圧して燃料電池11に一定の圧力で供給する。
【0022】
2次電池13にはニッケル水素電池が使用されている。2次電池13は減速時の回生エネルギーや、燃料電池11で発生した余剰電力等を貯蔵(充電)し、加速時には燃料電池11の出力をアシストする。2次電池13は、少なくとも暖機時に自身を設定温度まで加熱するのに必要な熱量と、燃料電池11を発電可能な温度まで加熱するのに必要な熱量を第1及び第2のヒータ15,16を介して供給するのに必要な電力を充電可能な容量を備えている。
【0023】
モータジェネレータ18には交流同期電動機が使用され、減速時には発電機として機能する(働く)。
パワーコントローラ19は燃料電池11の出力と2次電池13の充放電を制御する。即ち、燃料電池11及び2次電池13はパワーコントローラ19を介してモータジェネレータ18に電力を供給する。パワーコントローラ19はインバータを備えており、減速時にはモータジェネレータ18を発電機として機能させることで、モータジェネレータ18で発生した交流電力を、インバータにより直流に変換して2次電池13へ充電する。また、パワーコントローラ19は、加速時には燃料電池11及び2次電池13から出力される直流電力をインバータにより交流に変換してモータジェネレータ18に供給し、モータジェネレータ18をモータとして機能させて駆動輪を駆動する。パワーコントローラ19は、走行条件によって燃料電池11で余剰電力が生まれる場合には、燃料電池11の余剰電力を2次電池13に充電する。
【0024】
燃料電池11には燃料電池11の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ20が設けられている。温度センサ20は制御装置17に電気的に接続され、制御装置17は温度センサ20の検出信号を入力し、その検出信号に基づいて燃料電池11の温度を把握し、暖機が必要か否かを判断するようになっている。2次電池13には2次電池13の温度を検出する温度検出手段としての2次電池用温度センサ21が設けられている。2次電池用温度センサ21は制御装置17に電気的に接続され、制御装置17は2次電池用温度センサ21の検出信号を入力し、その検出信号に基づいて2次電池13の温度を把握するようになっている。
【0025】
制御装置17は燃料電池11の暖機時に、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させるように、第1及び第2のヒータ15,16を制御する。設定温度としてこの実施の形態では0℃が設定されている。第1及び第2のヒータ15,16は、2次電池13に並列に接続され、制御装置17により制御されるリレー22,23のオン・オフにより通電が制御されるようになっている。第1及び第2のヒータ15,16及び制御装置17により、暖機装置が構成されている。
【0026】
燃料電池11は燃料電池セルを多数直列に連結することにより構成されている。図2に示すように、燃料電池セル24は、電解質膜(イオン交換膜)25を挟んで、水素電極としてのアノード電極26と、酸素電極としてのカソード電極27とが配置された電極ユニット28の外側にガスケット29を挟んで一組のセパレータ30が配設される構成となっている。セパレータ30は、例えば、一方の面に水素ガスが流れる溝30aが、他方の面に空気が流れる溝30bが形成されており、両溝30a,30bは互いに直交する方向に延びるように形成されている。そして、燃料電池セル24を構成する所定数の電極ユニット28とセパレータ30とが交互に配置され、図示しない通しボルトにより締め付けられて、燃料電池11のスタックが構成されている。
【0027】
第2のヒータ16は、例えば、所定数の燃料電池セル24毎に、ヒータを配置したり、燃料電池11のスタックに長手方向に沿って配置することで、燃料電池11に取り付けられている。
【0028】
なお、燃料電池11は発電中は発熱するため、燃料電池11の温度を約80℃程度に保持するため、図示しない冷却水通路が形成され、ラジエータで冷却された冷却水がウォータポンプにより循環されるようになっている。
【0029】
次に前記のように構成された燃料電池システム10の作用を説明する。
燃料電池システム10は、燃料電池11の温度が燃料電池11の発電が可能な温度未満の場合は、暖機が行われた後、燃料電池11の発電が開始される。燃料電池11の温度が発電が可能な温度以上の場合は、暖機を行わずに燃料電池11の発電が開始される。
【0030】
燃料電池自動車は、燃料電池11及び2次電池13から供給される電力により、モータジェネレータ18が駆動されて走行する。パワーコントローラ19は加速、減速等の走行条件により、燃料電池11のみから電力を供給するか、燃料電池11及び2次電池13の両者から電力を供給するか、2次電池13へ充電するかを所定のプログラムに従って判断する。そして、加速時等電力を多量に必要とするときに、燃料電池11及び2次電池13の両者から電力を供給し、それ以外の場合は燃料電池11のみから電力を供給するように制御する。また、減速時(制動時)には、モータジェネレータ18を発電機として機能させ、回生エネルギーを電気に変換して2次電池13に充電させるようにインバータを制御する。
【0031】
固体高分子型燃料電池は、約80℃程度で効率よく発電が行われるが、水素と酸素との化学反応は発熱反応のため、発電を継続すると、反応熱のため燃料電池11の温度が約80℃の適正温度より上昇する。この温度上昇を防止するため、ラジエータで冷却された冷却水が循環される。
【0032】
次に暖機について説明する。燃料電池システム10のスイッチが入れられると、制御装置17は温度センサ20の検出信号を入力して、暖機が必要な低温であるか否か判断し、暖機が必要でなければ燃料電池11の発電を開始させる。暖機が必要な低温と判断すると、燃料電池11の発電を開始させる前に、暖機を行う。
【0033】
暖機時には、先ず第1のヒータ15に通電させるため、リレー22をオン状態に保持する指令信号が出力され、リレー22がオン状態となり、第1のヒータ15に通電されて2次電池13が加熱される。制御装置17は2次電池用温度センサ21の出力信号から2次電池13の温度が設定温度に達したと判断すると、リレー22をオフ状態に保持し、リレー23をオン状態に保持する指令信号を出力する。そして、リレー23がオン状態となり、第2のヒータ16に通電されて燃料電池11が加熱される。温度センサ20の検出信号により燃料電池11の温度が発電可能な温度に達したことを検知すると、制御装置17はリレー23をオフ状態とする指令信号と、燃料電池11の発電開始指令信号とを出力する。そして、発電開始指令信号に基づき、燃料電池11の発電が開始される。即ち、水素タンク12から水素が燃料電池11に供給されるとともに、エアコンプレッサ14が駆動されて空気が燃料電池11に供給される。なお、ラジエータの冷却水の循環は、燃料電池11の温度が適正温度に達した後、開始される。
【0034】
燃料電池11で発生した電力は次回の暖機に備えて、2次電池13に充電される。そして、2次電池13の充電量が所定の値以上に達した時点で2次電池13への充電が停止され、燃料電池自動車の走行が開始される。
【0035】
図3(a)に、環境温度が−40℃で燃料電池11及び2次電池13の温度が−40℃において、前記の暖機方法を行った場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。図3(b)に、同じ環境温度及び燃料電池11及び2次電池13の温度の状態で、2次電池13を加熱せずに最初から第2のヒータ16を通電させて燃料電池11を加熱する暖機を行った場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。
【0036】
2次電池13として使用されているニッケル水素電池は、暖機が必要な低温では、低出力となる。そして、2次電池13の加熱を行わない場合は、図3(b)に示すように、暖機の間、2次電池13の温度は−40℃に保持され、2次電池13の出力が低い値で一定に保持された状態となる。そして、燃料電池11の温度は2次電池13の出力に対応した所定の割合で一定に上昇し、0℃に達するまでに約5分かかった。
【0037】
一方、先ず2次電池13を加熱して、その後、燃料電池11を加熱する本発明の暖機方法では、図3(a)に示すように、2次電池13の温度上昇に伴って2次電池13の出力が高くなる。そして、燃料電池11の加熱開始時期は遅れるが、燃料電池11の加熱時の2次電池13の出力が−40℃の場合に比較して約3倍高くなるため、燃料電池11を発電可能な温度(例えば、0℃)まで加熱するのに必要な時間が短縮される。その結果、暖機開始後、2次電池13の加熱時間を含めて約3分で燃料電池11が0℃に達した。即ち、暖機の際に2次電池13を加熱せずに、最初から第2のヒータ16のみを駆動して燃料電池11のみを加熱する暖機方法に比較して、暖機時間を6割近く短縮できた。
【0038】
また、図3(c)に、環境温度が−40℃で燃料電池11及び2次電池13の温度が−40℃において、暖機開始から燃料電池11及び2次電池13を同時に加熱した場合の燃料電池11及び2次電池13の温度変化と、2次電池13の出力変化とを示す。図3(c)に示すように、この場合、燃料電池11の温度が0℃に達するまでに約4分かかった。
【0039】
図4に、暖機開始温度、即ち暖機を開始する際の環境温度、燃料電池11及び2次電池13の温度と、燃料電池11が0℃に達するまでの時間(暖機時間)との関係を、本発明の方法と、暖機開始から燃料電池11及び2次電池13を同時に加熱する暖機方法(比較例)とについて調べた結果を示す。
【0040】
図4に示す結果から、暖機開始時の温度が0℃から−10℃未満では、暖機開始時から燃料電池11及び2次電池13を加熱する暖機方法と、本発明の暖機方法とで暖機時間に差がないが、暖機開始温度が−10℃以下の場合は本発明の暖機方法の方が暖機時間が短くなることが明らかである。
【0041】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 暖機装置は、2次電池13の電力で2次電池13を加熱する第1のヒータ15と、2次電池13の電力で燃料電池11を加熱する第2のヒータ16と、暖機時に、先ず第1のヒータ15を駆動させて2次電池13を設定温度まで加熱した後、第2のヒータ16を駆動させる制御装置17とを備えている。従って、2次電池13を加熱せずに燃料電池11を加熱する方法に比較して燃料電池システムの暖機時間を短縮することができる。
【0042】
(2) 本発明の暖機方法は、蓄電手段加熱手段及び燃料電池加熱手段を同時に駆動させて燃料電池11及び2次電池13を加熱する暖機方法に比較して、暖機開始温度が−10℃以下であれば短い暖機時間で暖機を行うことができる。
【0043】
(3) 燃料電池11の温度が0℃になるまで燃料電池11を加熱するため、燃料電池11のガス流通路に凍結した水分が存在する場合でもその凍結を解除することができる。
【0044】
(4) 蓄電手段加熱手段及び燃料電池加熱手段としてそれぞれ電気ヒータであるヒータ15,16を使用しているため、水素や他の燃料を燃焼させる加熱手段に比較して安全であり、また、構造も簡単である。
【0045】
(5) 暖機の開始から2次電池13の電力を使用して燃料電池11を加熱する従来の暖機装置に、2次電池13を加熱する蓄電手段加熱手段を設けることにより、簡単に実施することができる。
【0046】
(6) 暖機後、燃料電池11の発電を開始したとき、2次電池13の蓄電量が所定量未満のときは、所定量になるまで燃料電池11で発生した電力を2次電池13に充電する。従って、次回の暖機の際に2次電池13の電力が不足する事態の発生を回避できる。
【0047】
(7) 暖機終了後、燃料電池11の発電開始と同時に燃料電池11の冷却水の循環を開始するのではなく、燃料電池11の温度が80℃に達した後に、冷却水の循環を開始する。従って、燃料電池11の発電開始と同時に冷却水の循環を開始する場合に比較して、燃料電池11の温度が燃料電池11の発電に適した温度に達するまでの時間を短縮できる。
【0048】
(8) 燃料電池自動車のモータを駆動する燃料電池システム10に適用しているため、燃料電池自動車の暖機を従来より短時間で行うことが可能になる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を説明する。この実施の形態では、燃料電池11が一部のみでも発電が可能、かつ第2のヒータ16が燃料電池11の一部のみを加熱可能に構成されている点と、燃料電池11の一部が発電可能な温度に達すると、その部分の燃料電池11の発電を開始する点とが第1の実施の形態と大きく異なっている。
【0049】
図5に示すように、燃料電池11は、二つのスタック31a,31bに分けて構成されている。燃料電池自動車の場合、必要な電力を発生する燃料電池11としては、燃料電池セル24が数百個程度、電気的に直列に接続されたものが必要である。しかし、数百個の燃料電池セル24を直線状に連結したスタックで燃料電池11を構成すると、その長さが長くなって設置スペースの確保が難しくなる。そこで、燃料電池11を、例えば全燃料電池セルの半分の燃料電池セル24を直線状に連結した2個のスタック31a,31bで構成する。電気的には全ての燃料電池セル24が直列に接続されているが、酸素や水素の供給等は各スタック31a,31b毎に供給されるようになっている。例えば、水素タンク12から両スタック31a,31bに水素を供給する管路と、エアコンプレッサ14から両スタック31a,31bに空気を供給する管路とには切換えバルブ(図示せず)がそれぞれ設けられている。そして、切換えバルブの切り換えにより、スタック31aのみに水素及び空気が供給される状態と、両スタック31a,31bに水素及び空気が供給される状態とに切り換えられるようになっている。また、一方のスタック31aのみを加熱可能に第2のヒータ16が配設されている。
【0050】
燃料電池自動車の場合、燃料電池11の出力は2次電池13の出力の2倍以上あり、燃料電池11の熱容量は燃料電池の大きさにもよるが、2次電池13の熱容量の2倍はある。そして、燃料電池11の半分だけの発電を開始した後、燃料電池11で発生する熱量で燃料電池11の残りの部分を発電可能な温度に加熱することが可能になる。
【0051】
制御装置17は、暖機時に先ず第1のヒータ15に通電させ、2次電池13が設定温度に達した後、第1のヒータ15への通電を停止させるとともに第2のヒータ16に通電させる。一方のスタック31a、即ち燃料電池11の半分が発電可能な温度に到達した後、その部分の燃料電池11の発電を開始させる。そして、第2のヒータ16への通電を停止させるように制御を行う。また、燃料電池11で発電で発生した電力が2次電池13に充電される。
【0052】
この実施の形態では、第2のヒータ16は燃料電池11の全体を発電可能な温度まで暖めるのではなく、半分、即ち、一方のスタック31aを暖める。そして、燃料電池11の半分が発電可能な温度に到達した後は、第2のヒータ16への通電が停止されて2次電池13の放電が停止されるとともに、燃料電池11の半分で発電が開始されて、燃料電池11の発電時に発生する熱が燃料電池11を暖めるのに使用される。また、燃料電池11で発電された電力が2次電池13に充電される。
【0053】
この実施の形態では第1の実施の形態の(1)〜(8)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
(9) 暖機時に2次電池13の電力を使用して燃料電池11を加熱する第2のヒータ16は、燃料電池11全体を発電可能な温度まで加熱するのではなく、燃料電池11の半分を発電可能な温度まで加熱する。従って、暖機時に必要な2次電池13の放電容量を少なくでき、暖機終了後に、次回の暖機に備えて2次電池13を充電する充電量を少なくできる。その結果、次回の暖機に備えた充電のために必要な発電に使用する水素の使用量を少なくでき、燃料電池自動車の場合、水素タンク12に一度水素を充填した状態での走行距離を延ばすことができる。
【0054】
(10) 燃料電池11全体が発電可能な温度に達する前に、発電可能な温度に達したスタック31aで発電を開始し、その発電電力を2次電池13に充電するため、暖機終了後に、次回の暖機に備えて2次電池13に充電する充電量を少なくでき、充電時間を短くできる。
【0055】
(11) 燃料電池11が複数のスタック31a,31bを平行に配置した状態に構成されているため、燃料電池自動車の場合に燃料電池11の設置スペースの確保が容易となる。
【0056】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 蓄電手段(2次電池13)を加熱する手段として蓄電手段自身の電力で駆動される蓄電手段加熱手段(第1のヒータ15)に加えて、蓄電手段以外のエネルギーで蓄電手段を加熱する補助加熱手段を設けてもよい。例えば、図6に示すように、2次電池13を加熱する補助加熱手段として、2次電池13より低温出力特性の良い鉛蓄電池32と、鉛蓄電池32に接続されたヒータ33とを設ける。ヒータ33は制御装置17により制御されるリレー34のオン・オフにより通電が制御されるようになっている。制御装置17は暖機時にリレー22及びリレー34をオンさせ、第1のヒータ15及びヒータ33により2次電池13を加熱させる。蓄電手段としてニッケル水素電池のように低温における出力特性が低い2次電池13を使用した場合、自身の電力だけで設定温度まで加熱しようとすると、加熱に時間がかかる。補助加熱手段を設けて補助加熱手段で蓄電手段(2次電池13)を加熱することにより、蓄電手段を設定温度まで加熱する時間を短くでき、燃料電池システム10の暖機時間をより短縮することができる。
【0057】
燃料電池自動車の場合、走行用のモータに駆動電力を供給する2次電池13とは別に、車両の電装部品に電力を供給する鉛蓄電池が搭載されているため、その鉛蓄電池を使用すれば、ヒータ33を追加するだけで簡単に構成できる。
【0058】
〇 補助加熱手段を設けて2次電池13を設定温度まで加熱する際、第1のヒータ15及びヒータ33に最初から同時に通電する方法に限らない。例えば、最初はヒータ33のみに通電し、その後、第1のヒータ15にも通電して両ヒータ15,33で加熱を行うようにしたり、最初はヒータ33のみに通電し、その後、第1のヒータ15にのみ通電するようにしてもよい。
【0059】
○ 前記実施の形態でヒータ33を追加せずに、第1のヒータ15に対して2次電池13及び鉛蓄電池32を並列に接続してもよい。そして、暖機の初期は鉛蓄電池32から第1のヒータ15に通電し、2次電池13の温度が所定の温度に達した後、2次電池13から通電するように、制御装置17により制御を行うようにする。
【0060】
○ 補助加熱手段として電力を使用せずに、燃焼熱等の熱を利用するものを設けてもよい。例えば、水素やメタノールを燃焼させてその燃焼熱を利用する構成とする。また、燃焼熱の代わりに、水素吸蔵合金に水素を吸収させる時の発熱を利用する構成としてもよい。
【0061】
○ 蓄電手段加熱手段や燃料電池加熱手段は、蓄電手段(2次電池13)の電力を使用する電気ヒータで蓄電手段や燃料電池を直接加熱する構成に限らない。例えば、電気ヒータで熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体を介して蓄電手段や燃料電池を加熱する構成としてもよい。熱媒体として液体を使用せずに、空気を使用し、ヒータで加熱された温風をファンで蓄電手段や燃料電池に吹き付けて加熱を行う構成としてもよい。また、蓄電手段や燃料電池に向けて空気を噴射するブロアーの出口にヒータを設けてもよい。
【0062】
○ 蓄電手段(2次電池13)の電力を使用して蓄電手段や燃料電池を加熱する際、電気ヒータを使用しない構成としてもよい。例えば、コンプレッサの圧縮熱で加熱された空気を利用してもよい。コンプレッサとしてエアコンプレッサ14を使用し、その配管から2次電池13に圧縮空気を送る配管を分岐するとともに切換バルブを設け、圧縮空気を2次電池13にのみ供給可能な状態と、燃料電池11にのみ供給可能な状態とに切り換える。また、ハウジング内に区画された発熱室及び放熱室を備え、駆動軸に作動連結されたロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放熱室を流れる循環流体に熱交換するビスカスヒータを利用してもよい。熱媒体を介して暖機を行う場合は、熱媒体の配管をできるだけ短くすることが望ましい。配管を長くすると配管中の熱媒体を加熱する分と配管から放熱する分、余分なエネルギーが必要になる。
【0063】
○ 燃料電池11や2次電池13は、暖機時以外の発電時には、発熱による温度上昇を抑制するため、一般に冷却手段を備えており、ニッケル水素電池は空冷され、燃料電池11は水冷される。水冷装置を備えた燃料電池11において、暖機時に燃料電池11内部の冷却水を一時貯留可能なタンクを設け、燃料電池11内部の冷却水をタンクに抜き取った状態で暖機を行うようにしてもよい。第2のヒータ16で燃料電池11を加熱する場合、冷却水の循環を停止するだけでは、第2のヒータ16が冷却水も加熱するために余分なエネルギーが必要となる。しかし、タンクに冷却水を抜き取った状態で暖機を行えば、暖機に必要なエネルギーを少なくできるとともに、暖機時間を短くできる。
【0064】
○ 蓄電手段加熱手段として、蓄電手段の電力を使用する加熱手段を設けずに、蓄電手段以外のエネルギーだけで蓄電手段を加熱する加熱手段を設けてもよい。加熱手段としては、例えば前記補助加熱手段と同様に、蓄電手段より低温出力特性の良い二次電池とその電力に基づいて熱を発生する加熱手段(例えば、電気ヒータ)との組み合わせや、電力を使用せずに水素やメタノールを燃焼させてその燃焼熱を利用するものがある。また、水素吸蔵合金に水素を吸収させる時の発熱を利用する方法もある。
【0065】
○ 暖機の完了後に燃料電池11の発電を開始した際、次の暖機時に必要な量の電力を2次電池13に充電した後、燃料電池11の電力を他の目的に使用する構成に限らない。燃料電池11の発電開始後、発電停止までの間の任意の時期に2次電池13の充電を行い、燃料電池11の発電停止までに2次電池13に暖機に必要な所定量以上の電力が充電された状態とする構成であればよい。例えば、燃料電池11の発電を停止させる前に、2次電池13の充電量を検出し、その充電量が暖機に必要な充電量に満たない場合に、充電量が所定量になるまで、燃料電池11で発生した電力を13に充電した後、燃料電池11の発電を停止させるようにする。この場合、暖機終了後、直ちに燃料電池11で発生した電力を目的のものに使用できる。
【0066】
また、燃料電池自動車の場合、暖機終了後に直ちに走行を開始することが可能になる。そして、走行中に燃料電池11の余剰の電力や制動時の回生エネルギーの充電で、燃料電池自動車の発電を停止する際に、2次電池13が充電量が所定量に達している場合は、次回の暖機のための充電を特に行わなくても済む場合もある。
【0067】
〇 燃料電池11の一部のみでも発電が可能となるように構成し、かつ第2のヒータ16が燃料電池11の一部のみを加熱可能に構成する場合、第2の実施の形態のように、一部は半分に限らない。発電可能となった部分のスタックでの発電時に発生する熱量が、第2のヒータ16での加熱熱量と同等以上であればよい。この場合も、燃料電池11の一部が発電可能な温度に達した後、第2のヒータ16への通電を停止して、燃料電池11の発電を開始することにより第2の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0068】
○ 制御装置17が暖機を行うか否かの判断基準となる温度は0℃に限らない。例えば、燃料電池として氷点下で発電可能な構成のものを使用できれば、前記判断基準となる温度は氷点下となる。
【0069】
○ 設定温度は0℃に限らない。例えば、2次電池13の出力は−40℃のときに比べて、0℃では約3倍になるが、−20℃であっても約2倍となり、−10℃では約2.5倍となる。従って、設定温度が0℃より低くても、暖機時間の短縮を図ることができ、設定温度は短縮をどの程度にするかによって決められる。
【0070】
○ 第1のヒータ15をオフするのは設定温度に達した時に限らない。設定温度より高くなった後でもよい。
〇 燃料電池システム10は燃料電池自動車の電源として使用されるものに限らず、例えば家庭用等の定置の電源として使用されるものであってもよい。
【0071】
○ 2次電池13が設定温度まで加熱されたことの確認は、2次電池13の温度を直接検出する2次電池用温度センサ21で確認する構成に限らない。例えば、2次電池13の配置された環境温度を検出する温度センサを設ける。そして、環境温度と2次電池13が設定温度まで達するのに必要な第1のヒータ15への通電時間との関係を予め試験により求めたデータをメモリに記憶させておき、制御装置17は前記温度センサにより検出した環境温度に対応する通電時間、第1のヒータ15に通電させるように制御する構成としてもよい。
【0072】
〇 蓄電手段は2次電池に限らない。2次電池のように充電及び放電を繰り返すことが可能な電源であればよい。
〇 燃料電池の水素源は高圧に圧縮された水素ガスが単に充填された水素タンクに限らない。例えば、水素吸蔵合金を内蔵した水素タンクや水素化物から化学反応により水素を発生させて取り出すもの等であってもよい。
【0073】
○ 第2の実施の形態において一方のスタック31aが発電可能な温度に達した後、燃料電池11の発電が開始される場合において、燃料電池11で発電された電力が2次電池13の充電に利用されるのに限らない。例えば、第3のヒータを他方のスタック31bに設けて、第3のヒータに通電させるようにしても良い。この場合、暖機時間がさらに短縮される。また、その他の機器の電源として利用しても良い。
【0074】
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力で駆動される。
【0075】
(2) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで前記蓄電手段を加熱する。
【0076】
(3) 請求項3に記載の発明において、前記蓄電手段はニッケル水素電池であり、前記補助加熱手段はニッケル水素電池より低温出力特性の高い2次電池と、該2次電池に接続された電気ヒータとを備えている。
【0077】
(4) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発明の燃料電池システムを備えた燃料電池自動車。
(5) 前記技術的思想(3)に記載の発明の燃料電池システムを備えた燃料電池自動車であって、前記2次電池は燃料電池自動車の電装部品の電源を兼ねた鉛蓄電池である。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、暖機時に2次電池の温度が低温のまま電気ヒータに通電して燃料電池を加熱する場合に比べて、暖機時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図2】燃料電池セルの模式断面図。
【図3】(a)は実施の形態の燃料電池温度、2次電池出力等の変化を示すグラフ、(b)は従来の燃料電池温度、2次電池出力等の変化を示すグラフ、(c)は暖機開始から燃料電池及び2次電池を同時に加熱した場合の変化を示すグラフ。
【図4】暖機開始温度と必要暖機時間との関係を示すグラフ。
【図5】第2の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図6】別の実施の形態の燃料電池システムの概略構成図。
【符号の説明】
10…燃料電池システム、11…燃料電池、13…蓄電手段としての2次電池、15…蓄電手段加熱手段としての第1のヒータ、16…燃料電池加熱手段としての第2のヒータ、17…制御手段としての制御装置、32…補助加熱手段を構成する鉛蓄電池、33…同じくヒータ。
Claims (3)
- 燃料電池及び蓄電手段を備えた燃料電池システムの暖機装置において、
前記蓄電手段を加熱する蓄電手段加熱手段と、
前記蓄電手段の電力で前記燃料電池を加熱する燃料電池加熱手段と、
暖機時に、先ず前記蓄電手段加熱手段を駆動させて前記蓄電手段を設定温度まで加熱した後、前記燃料電池加熱手段を駆動させる制御手段と
を備えた燃料電池システムの暖機装置。 - 前記燃料電池加熱手段は前記燃料電池の一部を加熱可能に構成され、前記制御手段は前記燃料電池の一部が発電可能な温度に到達した後、その部分の燃料電池の発電を開始させるように制御を行う請求項1に記載の燃料電池システムの暖機装置。
- 前記蓄電手段加熱手段は前記蓄電手段の電力で該蓄電手段を加熱する加熱手段に加えて、前記蓄電手段の電力以外のエネルギーで前記蓄電手段を加熱する補助加熱手段を備えている請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムの暖機装置。
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