JP2004309981A - 光ケーブル用防水端末構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立て性に優れ、また、構成部品数が少なく、簡素でコストも低減できる光ケーブル用の防水端末構造を提供する。
【解決手段】外皮を剥いだ光ケーブル1の外周に、ゴムパッキン8を取り付けたプラグ7を嵌め、この状態で光ケーブル1の端末部をシェルのケーブル挿入口からシェル5の内部に挿入し、シェル5に設けた注入孔6からシェル5の内部に接着剤9を注入した後に注入孔6を密閉し、ケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバ4をシェル5に固定するようにした。プラグ7に装着したゴムパッキン8は内周面が光ケーブル1の外皮2に、外周面がシェル5のケーブル挿入口の内面にそれぞれ密着するようにしており、高い防水性も確保される。
【選択図】 図5
【解決手段】外皮を剥いだ光ケーブル1の外周に、ゴムパッキン8を取り付けたプラグ7を嵌め、この状態で光ケーブル1の端末部をシェルのケーブル挿入口からシェル5の内部に挿入し、シェル5に設けた注入孔6からシェル5の内部に接着剤9を注入した後に注入孔6を密閉し、ケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバ4をシェル5に固定するようにした。プラグ7に装着したゴムパッキン8は内周面が光ケーブル1の外皮2に、外周面がシェル5のケーブル挿入口の内面にそれぞれ密着するようにしており、高い防水性も確保される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シェルに引き込む光ケーブル終端部の防水端末構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ケーブル用コネクタに採用する光ケーブル終端部の防水端末構造として、下記特許文献1に示されるものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−185285号公報
【0004】
この特許文献1に記載された防水端末構造は、光ケーブルを引き込むバックシェルの筒内にテンションメンバ止め金具をネジ止めして嵌め込み、このテンションメンバ止め金具に光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバを装着し、このテンションメンバ止め金具に設けた芯線挿通部に光ケーブルの芯線を通してこの芯線をバックシェルの他端側に導くようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1が開示している防水端末構造は、光ケーブルの外周にゴムブーツを嵌め、そのゴムブーツを取り付け金具でシェルのケーブル挿入口に固定して光ケーブルとシェルとの間を水密に封止する必要があり、また、シールリング付きの止めネジをシェルの外周からねじ込んでシェルの内部に嵌めたテンションメンバ止め金具を固定する必要がある。
【0006】
これに加え、光ケーブルの外径やテンションメンバのサイズから考えてシェルの筒部の内径は数mmになると予想されるが、その中に組み込む小さなテンションメンバ止め金具の細孔にテンションメンバや光ファイバ芯線を通すのは容易でなく、端末組み立ての作業性が悪い。シールリング付きの止めネジも操作性の悪い小さいネジを使用することになり、これも作業性を悪化させる要因になる。
【0007】
さらに、シェルに組み込む前のテンションメンバ止め金具にシェルの他端側においてテンションメンバと光ファイバ芯線を通し、その後、シェルを貫通させておいた光ケーブルを引き戻してテンションメンバ止め金具を筒部内に組み込む方法を採る必要があり、その作業を行うためにシェルを分割しなければならないこともある。
【0008】
また、部品数が多く、構造が複雑でコスト高になる。シェルの筒部に対するネジ孔の開設位置にも精度が要求され、これもコスト増の原因になる。
【0009】
このほか、一品種対応の部品を使用しているので光ケーブルのサイズ、テンションメンバのサイズに合わせたシェルのケーブル挿入口やテンションメンバ止め金具を準備する必要があり、部品管理の煩雑化、さらなるコスト上昇なども避けられない。
【0010】
そこでこの発明は、光ケーブル用防水端末の組み立てを簡単に作業性良く行えるようにし、併せて、端末の構造の簡素化、コスト低減、部品の統合なども図れるようにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、外皮を剥いだ光ケーブルの端末部を、筒型シェルと光ケーブルの外皮との間に防水処理部を設けて前記シェルのケーブル挿入口からシェルの内部に挿入し、前記シェルに設けた注入孔からシェルの内部に接着剤を注入し、かつ、注入孔を密閉し、注入した接着剤でケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバをシェルに固定するようにした光ケーブル用防水端末構造を提供する。
【0012】
この防水端末構造は、光ケーブルに外嵌してシェルのケーブル挿入口に嵌めるプラグと、このプラグとシェルのケーブル挿入口の内面との間、及びプラグとケーブル外皮との間を水密に封止するシール部材とで前記防水処理部を形成したものが好ましい。
【0013】
プラグは、各々が筒状の前部位と後ろ部位を有し、その前部位と後ろ部位が周方向に間隔をあけて配置される複数の連結リブで一体に連結されたもの、また、シール部材はシェルのケーブル挿入口の内面とケーブル外皮の双方に対して締代ろを有し、前記連結リブを嵌め込む溝を内周側に設けた環状ゴムパッキンが好ましく、プラグの前部位と後ろ部位との間に前記ゴムパッキンを嵌め、そのプラグに光ケーブルを引き通し、このプラグを前記シェルのケーブル挿入口に圧入して光ケーブルとシェルとの間の防水処理を行うとより好ましい防水端末部となる。
【0014】
【作用】
この発明の防水端末構造は、シェルの内部に接着剤を注入してその接着剤で光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバをシェルに固定するので、テンションメンバや光ファイバ芯線を小さな部品の小さな孔に通す必要がなく、また、光ケーブルをシェルに一旦貫通させて引き戻す必要もなく、組み立て時の作業性が向上する。
【0015】
また、接着剤による固定を行うのでテンションメンバ止め金具が不要である。光ケーブルをテンションメンバ固定位置までシェルに差し込めばよいのでシェルを分割する必要もなく、部品数削減、それによる構造の簡素化、コスト低減なども図れる。
【0016】
光ケーブルとシェルとの間の防水処理をプラグとシール部材を使用して行うもの、中でも連結リブを有するプラグの前部位と後ろ部位間にゴムパッキンを嵌め、これを光ケーブルの外周に嵌めてシェルのケーブル挿入口に圧入するものは、部品数削減や組み立て性改善の効果が著しい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3に基づいてこの発明の実施形態を説明する。図1の1は、外皮2を切除して端末部に光ファイバ芯線3とテンションメンバ4を剥ぎ出した光ケーブル、5はケーブル用コネクタなどに設けられている筒状のシェルであり、蓋付き接着剤注入孔6を設けたこのシェル5の内部に光ケーブル1の端末部が防水処理して引き込まれる。
【0018】
図2に、シェル5のケーブル挿入口と光ケーブル1との間に設ける防水処理部の構成部材を示す。図示の部材は硬質樹脂や金属などによって形成されるプラグ7と、ゴムパッキン8の2者によって構成される。
【0019】
プラグ7は、先細円筒状の前部位7aと直円筒状の後ろ部位7b間に計4個の接続リブ7cを周方向に所定の間隔をあけて設け、その接続リブ7cを介して前部位7aと後ろ部位7bを一体に連結した構造にしてある。このプラグ7の内径は光ケーブル1の外径よりも僅かに大きく、最大部の外径はシェル5のケーブル挿入口の内径よりも僅かに小さい。
【0020】
ゴムパッキン8は、プラグ7の前部位7aと後ろ部位7b間に装着される。このゴムパッキン8は円環状をなしており、その内径は光ケーブル1の外径よりも少し小さく、外径はシェル5のケーブル挿入口の内径よりも少し大きい。つまり、このゴムパッキン8は、光ケーブル1とシェル5の双方に対して所定の締代ろを有している。このゴムパッキン8の内周側にはプラグ7の接続リブ7cを嵌めるリブ嵌合溝8aを設けている。
【0021】
なお、リブ嵌合溝8aの入口は、光ケーブル1に対する締代ろの大きさ次第では光ケーブル1を内側に通したときにパッキンの一部が変形して入口が閉ざされるので、図2のように無負荷状態ではその入口が少し開いていても差し支えないが、図3に示すように切り目8bを設けて無負荷状態でも入口が閉じる形状にすれば防水効果をより確実に高め得る。
【0022】
このゴムパッキン8をプラグ7の先端側からそのプラグ7の外周に挿入し、リブ嵌合溝8aに接続リブ7cを嵌めてゴムパッキン8をプラグ7の前部位7aと後ろ部位7b間に取り付ける。
【0023】
次いで、ゴムパッキン8を装着したプラグ7を図2の矢印方向に移動させて光ケーブル1の端末部の外皮2上に位置決めして嵌め、この後、光ケーブル1の端末部をシェル5に挿入し、プラグ7をシェル5のケーブル挿入口に圧入する。
【0024】
その圧入作業が完了したときには、光ケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバ4の先端は図4に示すように注入孔6の近く或いはその注入孔6を通り過ぎた位置に到達している。そこで、注入孔6の蓋を開け、その注入孔6からシェル5の内部にエポキシ系接着剤等の接着剤9を注入し、この接着剤9を硬化させて接着剤9でテンションメンバ4をシェル5に固定する(図5参照)。
【0025】
また、注入孔6の蓋を接着剤を塗布して注入孔の入口部に接着し、注入孔6の入口を密閉する。
【0026】
以上で、防水端末部の組み立てが完了する。このようにして完成する図5の防水端末部は、プラグ7に支えられたゴムパッキン8が光ケーブル1の外皮とシェル5のケーブル挿入口の内面とに安定して密着し、優れた防水性能が得られる。
【0027】
また、テンションメンバ4が接着して引き止められているので、光ケーブル1とシェル5の接続強度も十分に確保される。
【0028】
なお、プラグ7と光ケーブル1との間、及びプラグ7とシェル5のケーブル挿入口内面との間の水密シールは、プラグ7の内外周面に環状シール溝を設けてその溝にそれぞれOリングなどを挿入する方法でも行えるが、例示のゴムパッキン8を採用すると部品数がより少なくなる。また、このゴムパッキン8は外れる心配がなく、組み立て時の作業性もより良くなる。
【0029】
さらに、このゴムパッキン8を用いれば、光ケーブル1の外径変化に対してゴムパッキン8を内外径の異なるものに交換して対応でき、シェル5やプラグ7は同一サイズのものを使用できるため、部品管理が容易になり、コスト面でもさらに有利になる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の防水端末構造によれば、光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバを接着剤でシェルに固定するので、テンションメンバや光ファイバ芯線を小さな部品の小さな孔に通す必要がなく、また、光ケーブルをシェルに一旦貫通させて固定位置まで引き戻すことも不要になり、組み立て時の作業性が向上する。
【0031】
また、テンションメンバ止め金具やその止め金具を固定するためのネジなどが不要であり、組み立てのためにシェルを分割する必要もない。そのため、部品数削減、それによる構造の簡素化、コスト低減なども図れる。
【0032】
防水処理をプラグとシール部材を使用して行うもの、中でも、実施例のプラグとゴムパッキンを用いて行うものは、部品数削減や組み立性改善の効果が著しい。
【0033】
このほか、実施例のプラグとゴムパッキンを用いるものは、光ケーブルのサイズ変化に対してゴムパッキンの交換のみで対応でき、予備部品の削減、部品管理の容易化、さらなるコスト低減等も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シェルの断面と光ケーブルの端末処理状態を示す図
【図2】防水処理に用いるプラグとゴムパッキンの斜視図
【図3】ゴムパッキンの他の例を示す正面図
【図4】接着剤を注入する前の防水端末部の断面図
【図5】接着剤注入後の防水端末部の断面図
【符号の説明】
1 光ケーブル
2 外皮
3 光ファイバ芯線
4 テンションメンバ
5 シェル
6 蓋付き接着剤注入孔
7 プラグ
7a 前部位
7b 後ろ部位
7c 接続リブ
8 ゴムパッキン
8a リブ嵌合溝
8b 切り目
9 接着剤
【発明の属する技術分野】
この発明は、シェルに引き込む光ケーブル終端部の防水端末構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ケーブル用コネクタに採用する光ケーブル終端部の防水端末構造として、下記特許文献1に示されるものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−185285号公報
【0004】
この特許文献1に記載された防水端末構造は、光ケーブルを引き込むバックシェルの筒内にテンションメンバ止め金具をネジ止めして嵌め込み、このテンションメンバ止め金具に光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバを装着し、このテンションメンバ止め金具に設けた芯線挿通部に光ケーブルの芯線を通してこの芯線をバックシェルの他端側に導くようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1が開示している防水端末構造は、光ケーブルの外周にゴムブーツを嵌め、そのゴムブーツを取り付け金具でシェルのケーブル挿入口に固定して光ケーブルとシェルとの間を水密に封止する必要があり、また、シールリング付きの止めネジをシェルの外周からねじ込んでシェルの内部に嵌めたテンションメンバ止め金具を固定する必要がある。
【0006】
これに加え、光ケーブルの外径やテンションメンバのサイズから考えてシェルの筒部の内径は数mmになると予想されるが、その中に組み込む小さなテンションメンバ止め金具の細孔にテンションメンバや光ファイバ芯線を通すのは容易でなく、端末組み立ての作業性が悪い。シールリング付きの止めネジも操作性の悪い小さいネジを使用することになり、これも作業性を悪化させる要因になる。
【0007】
さらに、シェルに組み込む前のテンションメンバ止め金具にシェルの他端側においてテンションメンバと光ファイバ芯線を通し、その後、シェルを貫通させておいた光ケーブルを引き戻してテンションメンバ止め金具を筒部内に組み込む方法を採る必要があり、その作業を行うためにシェルを分割しなければならないこともある。
【0008】
また、部品数が多く、構造が複雑でコスト高になる。シェルの筒部に対するネジ孔の開設位置にも精度が要求され、これもコスト増の原因になる。
【0009】
このほか、一品種対応の部品を使用しているので光ケーブルのサイズ、テンションメンバのサイズに合わせたシェルのケーブル挿入口やテンションメンバ止め金具を準備する必要があり、部品管理の煩雑化、さらなるコスト上昇なども避けられない。
【0010】
そこでこの発明は、光ケーブル用防水端末の組み立てを簡単に作業性良く行えるようにし、併せて、端末の構造の簡素化、コスト低減、部品の統合なども図れるようにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、外皮を剥いだ光ケーブルの端末部を、筒型シェルと光ケーブルの外皮との間に防水処理部を設けて前記シェルのケーブル挿入口からシェルの内部に挿入し、前記シェルに設けた注入孔からシェルの内部に接着剤を注入し、かつ、注入孔を密閉し、注入した接着剤でケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバをシェルに固定するようにした光ケーブル用防水端末構造を提供する。
【0012】
この防水端末構造は、光ケーブルに外嵌してシェルのケーブル挿入口に嵌めるプラグと、このプラグとシェルのケーブル挿入口の内面との間、及びプラグとケーブル外皮との間を水密に封止するシール部材とで前記防水処理部を形成したものが好ましい。
【0013】
プラグは、各々が筒状の前部位と後ろ部位を有し、その前部位と後ろ部位が周方向に間隔をあけて配置される複数の連結リブで一体に連結されたもの、また、シール部材はシェルのケーブル挿入口の内面とケーブル外皮の双方に対して締代ろを有し、前記連結リブを嵌め込む溝を内周側に設けた環状ゴムパッキンが好ましく、プラグの前部位と後ろ部位との間に前記ゴムパッキンを嵌め、そのプラグに光ケーブルを引き通し、このプラグを前記シェルのケーブル挿入口に圧入して光ケーブルとシェルとの間の防水処理を行うとより好ましい防水端末部となる。
【0014】
【作用】
この発明の防水端末構造は、シェルの内部に接着剤を注入してその接着剤で光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバをシェルに固定するので、テンションメンバや光ファイバ芯線を小さな部品の小さな孔に通す必要がなく、また、光ケーブルをシェルに一旦貫通させて引き戻す必要もなく、組み立て時の作業性が向上する。
【0015】
また、接着剤による固定を行うのでテンションメンバ止め金具が不要である。光ケーブルをテンションメンバ固定位置までシェルに差し込めばよいのでシェルを分割する必要もなく、部品数削減、それによる構造の簡素化、コスト低減なども図れる。
【0016】
光ケーブルとシェルとの間の防水処理をプラグとシール部材を使用して行うもの、中でも連結リブを有するプラグの前部位と後ろ部位間にゴムパッキンを嵌め、これを光ケーブルの外周に嵌めてシェルのケーブル挿入口に圧入するものは、部品数削減や組み立て性改善の効果が著しい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3に基づいてこの発明の実施形態を説明する。図1の1は、外皮2を切除して端末部に光ファイバ芯線3とテンションメンバ4を剥ぎ出した光ケーブル、5はケーブル用コネクタなどに設けられている筒状のシェルであり、蓋付き接着剤注入孔6を設けたこのシェル5の内部に光ケーブル1の端末部が防水処理して引き込まれる。
【0018】
図2に、シェル5のケーブル挿入口と光ケーブル1との間に設ける防水処理部の構成部材を示す。図示の部材は硬質樹脂や金属などによって形成されるプラグ7と、ゴムパッキン8の2者によって構成される。
【0019】
プラグ7は、先細円筒状の前部位7aと直円筒状の後ろ部位7b間に計4個の接続リブ7cを周方向に所定の間隔をあけて設け、その接続リブ7cを介して前部位7aと後ろ部位7bを一体に連結した構造にしてある。このプラグ7の内径は光ケーブル1の外径よりも僅かに大きく、最大部の外径はシェル5のケーブル挿入口の内径よりも僅かに小さい。
【0020】
ゴムパッキン8は、プラグ7の前部位7aと後ろ部位7b間に装着される。このゴムパッキン8は円環状をなしており、その内径は光ケーブル1の外径よりも少し小さく、外径はシェル5のケーブル挿入口の内径よりも少し大きい。つまり、このゴムパッキン8は、光ケーブル1とシェル5の双方に対して所定の締代ろを有している。このゴムパッキン8の内周側にはプラグ7の接続リブ7cを嵌めるリブ嵌合溝8aを設けている。
【0021】
なお、リブ嵌合溝8aの入口は、光ケーブル1に対する締代ろの大きさ次第では光ケーブル1を内側に通したときにパッキンの一部が変形して入口が閉ざされるので、図2のように無負荷状態ではその入口が少し開いていても差し支えないが、図3に示すように切り目8bを設けて無負荷状態でも入口が閉じる形状にすれば防水効果をより確実に高め得る。
【0022】
このゴムパッキン8をプラグ7の先端側からそのプラグ7の外周に挿入し、リブ嵌合溝8aに接続リブ7cを嵌めてゴムパッキン8をプラグ7の前部位7aと後ろ部位7b間に取り付ける。
【0023】
次いで、ゴムパッキン8を装着したプラグ7を図2の矢印方向に移動させて光ケーブル1の端末部の外皮2上に位置決めして嵌め、この後、光ケーブル1の端末部をシェル5に挿入し、プラグ7をシェル5のケーブル挿入口に圧入する。
【0024】
その圧入作業が完了したときには、光ケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバ4の先端は図4に示すように注入孔6の近く或いはその注入孔6を通り過ぎた位置に到達している。そこで、注入孔6の蓋を開け、その注入孔6からシェル5の内部にエポキシ系接着剤等の接着剤9を注入し、この接着剤9を硬化させて接着剤9でテンションメンバ4をシェル5に固定する(図5参照)。
【0025】
また、注入孔6の蓋を接着剤を塗布して注入孔の入口部に接着し、注入孔6の入口を密閉する。
【0026】
以上で、防水端末部の組み立てが完了する。このようにして完成する図5の防水端末部は、プラグ7に支えられたゴムパッキン8が光ケーブル1の外皮とシェル5のケーブル挿入口の内面とに安定して密着し、優れた防水性能が得られる。
【0027】
また、テンションメンバ4が接着して引き止められているので、光ケーブル1とシェル5の接続強度も十分に確保される。
【0028】
なお、プラグ7と光ケーブル1との間、及びプラグ7とシェル5のケーブル挿入口内面との間の水密シールは、プラグ7の内外周面に環状シール溝を設けてその溝にそれぞれOリングなどを挿入する方法でも行えるが、例示のゴムパッキン8を採用すると部品数がより少なくなる。また、このゴムパッキン8は外れる心配がなく、組み立て時の作業性もより良くなる。
【0029】
さらに、このゴムパッキン8を用いれば、光ケーブル1の外径変化に対してゴムパッキン8を内外径の異なるものに交換して対応でき、シェル5やプラグ7は同一サイズのものを使用できるため、部品管理が容易になり、コスト面でもさらに有利になる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の防水端末構造によれば、光ケーブルの端末部に剥ぎ出したテンションメンバを接着剤でシェルに固定するので、テンションメンバや光ファイバ芯線を小さな部品の小さな孔に通す必要がなく、また、光ケーブルをシェルに一旦貫通させて固定位置まで引き戻すことも不要になり、組み立て時の作業性が向上する。
【0031】
また、テンションメンバ止め金具やその止め金具を固定するためのネジなどが不要であり、組み立てのためにシェルを分割する必要もない。そのため、部品数削減、それによる構造の簡素化、コスト低減なども図れる。
【0032】
防水処理をプラグとシール部材を使用して行うもの、中でも、実施例のプラグとゴムパッキンを用いて行うものは、部品数削減や組み立性改善の効果が著しい。
【0033】
このほか、実施例のプラグとゴムパッキンを用いるものは、光ケーブルのサイズ変化に対してゴムパッキンの交換のみで対応でき、予備部品の削減、部品管理の容易化、さらなるコスト低減等も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シェルの断面と光ケーブルの端末処理状態を示す図
【図2】防水処理に用いるプラグとゴムパッキンの斜視図
【図3】ゴムパッキンの他の例を示す正面図
【図4】接着剤を注入する前の防水端末部の断面図
【図5】接着剤注入後の防水端末部の断面図
【符号の説明】
1 光ケーブル
2 外皮
3 光ファイバ芯線
4 テンションメンバ
5 シェル
6 蓋付き接着剤注入孔
7 プラグ
7a 前部位
7b 後ろ部位
7c 接続リブ
8 ゴムパッキン
8a リブ嵌合溝
8b 切り目
9 接着剤
Claims (3)
- 外皮を剥いだ光ケーブルの端末部を、筒型シェルと光ケーブルの外皮との間に防水処理部を設けて前記シェルのケーブル挿入口からシェルの内部に挿入し、前記シェルに設けた注入孔からシェルの内部に接着剤を注入し、かつ、注入孔を密閉し、注入した接着剤でケーブル端に剥ぎ出されたテンションメンバをシェルに固定することを特徴とする光ケーブル用防水端末構造。
- 光ケーブルに外嵌して前記シェルのケーブル挿入口に嵌めるプラグと、このプラグとシェルとの間、及びプラグとケーブル外皮との間を水密に封止するシール部材とで前記防水処理部を形成した請求項1に記載の光ケーブル用防水端末構造。
- 前記プラグとして各々が筒状の前部位と後ろ部位を有し、その前部位と後ろ部位が周方向に間隔をあけて配置される複数の連結リブで一体に連結されたものを使用し、さらに、前記シール部材としてシェルのケーブル挿入口の内面とケーブル外皮の双方に対して締代ろを有し、前記連結リブを嵌め込む溝を内周側に設けた環状ゴムパッキンを使用し、前部位と後ろ部位との間に前記ゴムパッキンを嵌めた前記プラグに光ケーブルを引き通し、このプラグをシェルのケーブル挿入口に圧入して前記防水処理部を構成した請求項2に記載の光ケーブル用防水端末構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003106808A JP2004309981A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 光ケーブル用防水端末構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003106808A JP2004309981A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 光ケーブル用防水端末構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004309981A true JP2004309981A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33468881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003106808A Pending JP2004309981A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 光ケーブル用防水端末構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004309981A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007207768A (ja) * | 2007-04-13 | 2007-08-16 | Moriyama Sangyo Kk | 管状ケース端部の防水構造 |
JP2015217189A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 山佐株式会社 | 封止部材、封止構造及び遊技機 |
KR101780703B1 (ko) | 2015-09-04 | 2017-09-22 | 전남대학교산학협력단 | 튜브 내 광섬유센서 장착을 위한 고착재 주입장치 및 이를 이용한 튜브 내 광섬유센서를 장착하는 방법 |
CN109348668A (zh) * | 2018-12-06 | 2019-02-15 | 徐州荣立达电子科技有限公司 | 一种电动车控制器的防水结构 |
CN110120311A (zh) * | 2018-02-07 | 2019-08-13 | 上海哲宏机器人自动化有限公司 | 一种防水型开关 |
-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003106808A patent/JP2004309981A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP4653777B2 (ja) * | 2007-04-13 | 2011-03-16 | 森山産業株式会社 | 管状発光体端部の防水構造 |
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