JP2004308109A - 固定式の荷重支持部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラック等の輪重による常時の交通振動による上部支持部材の水平方向の微変位をなくし、しいては桁等の上部構造物の水平方向の微変位をなくすことができる、水平方向がせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材を提供すること。
【解決手段】構造物用の弾性支承装置に使用され、せん断変形拘束壁4により弾性層5のせん断変形を拘束して上部支持部材3と下部支持部材2とが相対的に横移動不能とされる荷重支持部材において、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材に一体にせん断変形拘束壁4が設けられ、そのせん断変形拘束壁4は、下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか他方の部材に向って突出するように弾性層5内に配置されていると共に、そのせん断変形拘束壁4の先端部が、他方の部材に設けた凹部9に摺動可能に嵌合されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁,建築物等の各種構造物、特に橋梁用の支承装置に用いるせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、支承装置に用いる荷重支持部材としては、図5に示すように、上部支持部材3と下部支持部材2との間に配置されるゴムのような弾性層5を備えていると共に、上部支持部材3の上面にテフロン(登録商標)板11を備えた荷重支持部材14が知られている。
【0003】
そして、このような荷重支持部材14と、図4〜図9に示すように、前記荷重支持部材14における上部支持部材3の横移動を防止し、弾性層5のせん断変形を防止するための平面円弧状内面15を有する一対のせん断変形拘束壁16を取付用鋼板17上に設けた下部保持部材18とを組み合わせたすべり支承装置19が知られている。このようなすべり支承装置19の使用形態として、図6に示すように、下部構造物20側に固定される下部保持部材18の中央部に、図5に示す荷重支持部材14をせん断変形拘束壁16内に配置し、桁28a等の上部構造物28をすべり支承装置19によりスライド可能に支承している。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−241750号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の場合、上部支持部材3の外径寸法が比較的大きいので、実際に上部支持部材3をせん断変形拘束壁16内に配置するためには、上部支持部材3の外径寸法dよりもせん断変形拘束壁16の内径寸法Dを2〜3mm程度大きくして、これらの間に間隙(片側1mm程度)Gを設ける必要がある。また、弾性層5により上部支持部材3は弾性的に支承され、桁21aの撓みによる桁21aの回転を許容させる場合には、この回転に対して、上部支持部材3は桁21aに追従して動くため、上部支持部材3とせん断変形拘束壁16との間には、図8に示すように間隙(1mm程度)Gが必要になり、この間隙Gにより、桁21aの撓み等による回転に伴い上部支持部材3の傾動が可能とされている。
【0006】
前記のように上部支持部材3とせん断変形拘束壁16との間に間隙Gがあると、逆に、トラック等の輪重による常時の交通振動により、弾性層5が水平方向にせん断変形し、これに起因して、水平方向の微変位が上部支持部材3および桁21aに生じていることが判明した。そして、前記間隙Gを無くすことにより、弾性層5の水平方向のせん断変形をなくし、上部支持部材3および桁の水平方向の微変位を無くすことができるとの知見を得た。
【0007】
また、外側にせん断変形拘束壁16を配置し、その内側に荷重支持部材14を配置する形式では、荷重支持部材14の外径寸法dが大きいので、製作および組み立て上、荷重支持部材14の外径寸法dと外側のせん断変形拘束壁16の内径寸法Dとの寸法差をミリメートル単位で図る必要があり、微変位を抑え込むためには、少なくとも、せん断変形拘束壁16との寸法差を極力小さくできるせん断変形拘束壁内臓タイプの構造形式を取り入れることにより、微変位を解消できるとの知見を得て本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、トラック等の輪重による常時の交通振動による上部支持部材の水平方向の微変位をなくし、しいては桁等の上部構造物の水平方向の微変位をなくすことができる、水平方向が固定式の荷重支持部材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材1では、構造物用の弾性支承装置に使用され、せん断変形拘束壁により上部支持部材と下部支持部材とが相対的に横移動不能とされて、弾性層のせん断変形を拘束する荷重支持部材において、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材2(3)にせん断変形拘束壁4が一体に設けられ、そのせん断変形拘束壁4は、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか他方の部材3(2)に向って突出するように弾性層5内に配置されていると共に、そのせん断変形拘束壁4の先端部4aが、他方の部材3(2)に設けた凹部9に摺動可能に嵌合されていることを特徴とする。
【0010】
また第2発明のでは、第1発明のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材において、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材2(3)から他方の部材3(2)に向ってせん断変形拘束壁が突出する方向において、前記せん断変形拘束壁4の先端部4aと前記凹部9との間に、間隙Lが設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、第3発明では、第1または第2発明のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材において、せん断変形拘束壁4の先端部4aがほぼ半球状部7とされていることを特徴とする。
【0012】
また、第4発明では、第1〜3発明のいずれかのせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材において、下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材2(3)に一体に設けられたせん断変形拘束壁4は、下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか他方の部材3(2)と弾性層5とにより被覆されて、外部に露出されていないことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材について図示の実施形態を参照しながら説明する。
【0014】
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る荷重支持部材1を示すものであって、図1(a)は縦断正面図、図1(b)はその一部を拡大して示す縦断正面図、図2(a)は図1に示す荷重支持部材の正面図、図2(b)は平面図である。図3(a)は図1に示す荷重支持部材1を備えた支承装置をして使用している状態を示す一部縦断正面図、(b)は変形形態を示す一部縦断正面図である。
【0015】
本発明の荷重支持部材1は、図1に示すように、構造物用の弾性的に支承するすべり支承装置19に使用される荷重支持部材1であり、前記下部支持部材2に一体にせん断変形拘束壁4が設けられ、そのせん断変形拘束壁4は、下部支持部材2に間隔をおいて平行に配置された上部支持部材3に向って突出するように弾性層5内に配置されていると共に、そのせん断変形拘束壁4の先端部が、下部支持部材2に対向する上部支持部材3の内側面に設けた凹部9に摺動可能に嵌合され、せん断変形拘束壁4を内臓した固定式の荷重支持部材1とされている。
【0016】
なお、前記とは逆に、半球状部7を有するせん断変形拘束壁4を上部支持部材3側に一体に設け、かつ下部支持部材2側に凹部9を設けてもよい。すなわち、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材2(3)に一体にせん断変形拘束壁4が設けられ、そのせん断変形拘束壁4は、前記下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか他方の部材3(2)に向って突出するように弾性層5内に配置されていると共に、そのせん断変形拘束壁4の先端部が、対向する他方の部材3(2)の内側面に設けた凹部9に摺動可能に嵌合され、せん断変形拘束壁4を内臓した固定式の荷重支持部材1とされていてもよい。
【0017】
さらに具体的に図1を参照して説明すると、鋼製材料からなり断面上向き開孔溝形の下部支持部材本体6の内側中央部には、鋼製円柱状のせん断変形拘束壁4が起立された状態で配置されて、せん断変形拘束壁4の下部が下部支持部材本体6に溶接等により固着されて、一体に設けられている。
【0018】
前記せん断変形拘束壁4の上端部は、下部支持部材2に一体成形等により固着されるゴム層等の弾性層5を貫通するように配置されていると共に、弾性層5よりも突出するようにされている。せん断変形拘束壁4の先端部4aは、半球状部7に形成され、その半球状部7に接続するせん断変形拘束壁4における中間部には、小径軸部のくびれ部13が形成され、そのくびれ部13は半球状部7の直径寸法よりも小さく設定され、後記の上部支持部材3が傾動しても、上部支持部材3が常時半球状部7の上部周側面および下部周側面に係合する状態とし、上部支持部材3と半球状部7に接続するせん断変形拘束壁4の中間部が干渉して、上部支持部材3の傾動が阻害されないように構成されている。
【0019】
せん断変形拘束壁4の横断面寸法は、荷重支持部材1の平面外径寸法dに比べて、著しく小さいので、このせん断変形拘束壁4に嵌合する凹部9との許容寸法差を、従来のミリ単位よりも著しく小さくできるため、下部支持部材2に対して上部支持部材3を横方向について常時係合させて、上部支持部材3の微変位を、ほぼ無くすことができる。また、上部支持部材3と下部支持部材2との上下方向の係合については、前記半球状部7と凹部9とには、せん断変形拘束壁4の延長線上に、凹部9を深くして、間隙Lを設けているので、桁21a等の上部構造物21の荷重による弾性層5の圧縮変形を許容し、半球状部7と凹部9との摺動を可能にしている。なお、凹部9は横断面円形の一定寸法の凹部9でもよい。
【0020】
また、図示の実施形態の荷重支持部材1では、前記弾性層5内には、環状の補強鋼板等の硬質板10が前記せん断変形拘束壁4に接触係合し嵌合された状態で埋め込まれているので、硬質板10が横移動することなく、硬質板10に加硫一体化されている弾性層5の中間部もせん断変形を拘束される構造とされている。また、下部支持部材2に間隔を置くと共に弾性層5に一体成形等により固着された断面下向き開孔の上部支持部材3を備えており、その上部支持部材3の内側中央部には、上部支持部材本体8の板厚内において、下向き開孔の凹部9が設けられ、その凹部9に前記せん断変形拘束壁4の先端部のほぼ半球状部7は上下摺動可能に嵌合されている。
【0021】
前記のようにせん断変形拘束壁4の突出する方向において、前記せん断変形拘束壁4先端部の半球状部7と凹部9との間には、間隙Lが設けられているので、桁21a等の上部構造物21を支持した状態で、弾性層5が圧縮変形して、上部支持部材3が下部支持部材2に接近する方向に移動しても、前記半球状部7が凹部9内を相対的に摺動可能に構成される。なお、前記間隙Lの寸法およびせん断変形拘束壁4の断面寸法は、適宜設計により設定され、例えば、弾性層5の圧縮変形が可能なように5mm程度設けられる。
【0022】
前記上部支持部材3の上面または上面に設けられた凹部には、テフロン(登録商標)板(四フッ化エチレン板)または層からなる低摩擦のすべり支承材11が接着材により固着されるか、凹部に嵌合されると共に接着材により固着され、すべり支承材11の上面が、上部支持部材3の上面よりも高レベル位置にされている。
【0023】
前記の半球状部7における先端面は、摺動作用する部分ではないので、球面状でなくてもよいが、半球状部7の側周面は摺動作用する部分であり、また上部構造物21の撓みによる回転に伴う上部支持部材3の傾動を許容しながら支承する部分となるので、球面状とする必要がある。
【0024】
前記実施形態では、下部支持部材2に一体に設けられたせん断変形拘束壁4は、上部支持部材3と弾性層5とにより被覆された状態である。このように、下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか一方の部材に一体に設けられたせん断変形拘束壁4は、下部支持部材2または上部支持部材3のいずれか他方の部材と弾性層5とにより被覆されて、外部に露出されていない荷重支持部材1であると、せん断変形拘束壁4と上部支持部材3との摺動部に塵埃が混入しないので、荷重支持部材1の耐久性が向上し、また摺動部の清掃等メンテナンスコストが不要になる。反対に、せん断変形拘束壁4が外部に露出した形態であると、せん断変形拘束壁4と上部支持部材3との摺動部に塵埃が混入し、耐久性の低下および摺動部の清掃等メンテナンスコストが高くなる。
【0025】
図に示す荷重支持部材1は、高支圧で使用可能な荷重支持部材1であり、薄型のゴムのような弾性層5の外周側面にR加工等による環状凹部12が形成されている。この弾性層5には、前記のように補強鋼板等の硬質板10が埋設され、前記弾性層5の上部と下部には、それぞれ環状反力壁3aを有するカップ状断面の上部支持部材3と、環状反力壁2aを有するカップ状断面の下部支持部材2とが嵌着された状態で一体加硫成形されている。上下の各支持部材3,2の面板状の本体7,6の内面と、弾性層5の上下面との当接部が接着面とされており、かつ弾性層5の上下部が反力壁3a,2aの内側凹部29,30に被嵌されている。
【0026】
前記の高支圧荷重支持部材1において、上方から例えば20.0kN/mmないし25.0kN/mm(200kg/cmないし250kg/cmに相当)というような高荷重が作用するとき、ゴム等の弾性層5には、本体7,6内面に沿う方向のせん断力が作用し、このせん断力が弾性層5と上下支持部材3,2の面板状の本体7,6との接着面に剥離力として作用するが、前記反力壁3a,2aによって、機械的に弾性層5における接着面に作用するせん断力を拘束し、弾性層5の上下部にせん断力を作用させず、かつ弾性層5の一部に応力が集中するのを緩和する構成とされており、それ故に弾性層5が薄い層でも高支圧に十分耐える構造とされている。
【0027】
さらに、上下支持部材3,2の反力壁3a,2aに加えて、弾性層5のR加工等による内向きの環状凹部12の存在により、鉛直高支圧に際し、弾性層5は環状凹部12が解消されるか、又は弾性層5の支承作用にほとんど影響しない程度外方に若干膨出する程度に圧縮変形することで対応するので、弾性層5の一部に応力が集中するのを緩和させることができ、弾性層5の上下部と、上下支持部材3,2との接着面を剥離するように作用する力は、環状凹部12が存在しない場合に比べて非常に小さく、それ故に、この荷重支持部材1は高支圧に円滑に対応できる構造とされている。
【0028】
なお、前記上部支持部材3,2と弾性層5および環状補強鋼板等の硬質板10との接着界面が、環状波形又はローレット加工などによる凹凸状接着面とされていてもよく、接着面がフラット場合よりも、弾性層5が圧縮変形される際の弾性層5と、上部支持部材3,2または補強鋼板10との接着面に加わるせん断力による剥離をより有効に阻止できる。
【0029】
なお、上下支持部材3,2で挾持される弾性層5が積層構造とされていてもよい。また、上下の支持部材3,2の表面と、その中間に位置する弾性層5の外部に露出している表面を包む全表面を薄いゴム被覆層で被覆して、耐候性を向上させるようにしてもよい。
【0030】
前記実施形態の荷重支持板1を使用する場合、図3(a)に示すように、下部支持部材本体6と、橋脚あるいは橋台等の下部構造物20にアンカーボルト21により固定されるアンカーボルト用孔25付き板状の下部保持部材18とを一体化するために、下部支持部材2の下面に周方向に等角度間隔をおいて複数の雌ねじ孔22を設けると共に、下部保持部材18に等角度間隔をおいて複数の段付きの貫通孔23を設け、前記貫通孔23に下側から挿通すると共に前記雌ねじ孔22に螺合される六角孔付きボルト24を螺合緊締して、荷重支持部材1と板状の下部保持部材18とを一体化した後、下部保持部材18を下部構造物20にアンカーボルト21およびナット27により固定したすべり支承装置19とするようにしてもよく。あるいは、図3(b)に示すように、板状の下部支持部材本体6にアンカーボルト用孔25付きの取付用フランジ26を同面状に一体に設けて、下部保持部材18を兼ねた下部支持部材2としたすべり支承装置19としてもよく、前記取り付け用フランジ26をアンカーボルト21およびナット27により下部構造物20に固定するようにしてもよい。なお、下部支持部材2の固定手段としては、下部構造物20の材質に応じて、溶接またはボルトにより固定してもよい。
【0031】
なお、すべり支承材11の上面には、上部構造物28の下面に固定のソールプレート29aの下面が載置されて、すべり面が構成され、地震時および上部構造物28の伸縮によるすべり移動を許容し、トラック等による常時の交通振動に対しては、すべり面の摩擦抵抗により一体化して、常時は固定状態として対応できる。
【0032】
また、前記のように荷重支持部材1を使用したすべり支承装置19では、トラック等の輪重により、弾性層5が水平方向にミリ単位でせん断変形するのを防止できるため、上部支持部材3がミリ単位で横移動しないので、上部支持部材3およびすべり面を介して支持されて追従する桁21aの横方向の微変位を防止することができる。
【0033】
本発明を実施する場合、本発明の荷重支持用部材1を反転配置して使用するようにしてもよく、この場合には、上部構造物28側に本発明の荷重支持部材1の上部が固定され、荷重支持部材1の下部がすべり面とされ、下部構造物20の上面にすべり支承面が設けられる。
【0034】
本発明におけるすべり式荷重支持部材を使用する場合、横移動(例えば、橋軸直角方向の移動)制限型の緩衝手段と共に使用するようにしてもよく、あるいは前記緩衝手段に代えて、ゴム層と鋼板等の硬質板を上下方向に交互に積層して構成した公知の免震装置を上部構造物と下部構造物との間に配設するようにしてもよい。
また本発明を実施する場合、前記凹部9は、上部支持部材または下部支持部材に設ける貫通した孔の一部を利用したものであってもよい。また、せん断拘束壁4における先端部(半球状部7)は、図示例では、ほぼ球状にしたが、球状以外の適宜の形状でもよく、例えば、桁の撓みによる上部支持部材3の回転を許容させるために、係合する部分(周側部)のみ断面円弧状とした形状としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る荷重支持部材によると、簡単な構造の荷重支持部材を使用して、トラック等の輪重による常時の交通振動による上部支持部材の水平方向の微変位をなくし、しいては桁等の上部構造物の水平方向の微変位をなくすことができる。
【0036】
また、第2発明では、弾性層が圧縮変形しても、せん断変形拘束壁の先端部と前記凹部との横方向の係合を保持した状態で、上部支持部材と下部支持部材を相対的に接近または離反移動させることができる。
【0037】
第3発明では、せん断変形拘束壁の先端部がほぼ半球状部とされているので、半球状部に係合する上部支持部材(または下部支持部材)の傾動を許容することができる。
【0038】
また第4発明では、せん断変形拘束壁は、下部支持部材または上部支持部材のいずれか他方の部材と弾性層とにより被覆されて、外部に露出されていないので、せん断変形拘束壁と凹部の摺動部に塵埃が堆積することはなく、せん断変形拘束壁と凹部の部分が錆びることを防止し、荷重支持部材を長期に渡って安定した状態で使用することができ、メンテナンスコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る荷重支持部材を示すものであって、(a)は縦断正面図、(b)はその一部を拡大して示す縦断正面図である。
【図2】(a)は図1に示す荷重支持部材の正面図、(b)は平面図である。
【図3】(a)は図1に示す荷重支持部材を備えた支承装置をして使用している状態を示す一部縦断正面図、(b)は変形形態を示す一部縦断正面図である。
【図4】従来のせん断変形拘束壁を有する下部支持部材を示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】従来の荷重支持部材を示すものであって、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
【図6】従来のせん断変形拘束壁を有する下部支持部材を使用した構造物用スライド式弾性支承装置の正面図である。
【図7】図6の一部縦断正面図である。
【図8】図7の一部を拡大して示す縦断正面図である。
【図9】図6の一部を省略した平面図である。
【符号の説明】
1 荷重支持部材
2 下部支持部材
2a 環状反力壁
3 上部支持部材
3a 環状反力壁
4 せん断変形拘束壁
4a 先端部
5 弾性層
6 下部支持部材
7 半球状部
8 上部支持部材本体
9 凹部
10 硬質板
11 テフロン(登録商標)板またはすべり支承材
12 環状凹部
13 くびれ部
14 荷重支持部材
15 平面円弧状内面
16 せん断変形拘束壁
17 取付用鋼板
18 下部保持部材
19 すべり支承装置
20 下部構造物
21 アンカーボルト
22 雌ねじ孔
23 貫通孔
24 六角孔付きボルト
25 アンカーボルト用孔
26 取り付け用フランジ
27 ナット
28 上部構造物
29 内側凹部
30 内側凹部

Claims (4)

  1. 構造物用の弾性支承装置に使用され、せん断変形拘束壁により上部支持部材と下部支持部材とが相対的に横移動不能とされて、弾性層のせん断変形を拘束する荷重支持部材において、前記下部支持部材または上部支持部材のいずれか一方の部材にせん断変形拘束壁が一体に設けられ、そのせん断変形拘束壁は、前記下部支持部材または上部支持部材のいずれか他方の部材に向って突出するように弾性層内に配置されていると共に、そのせん断変形拘束壁の先端部が、他方の部材に設けた凹部に摺動可能に嵌合されていることを特徴とするせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材。
  2. 前記下部支持部材または上部支持部材のいずれか一方の部材から他方の部材に向ってせん断変形拘束壁が突出する方向において、前記せん断変形拘束壁の先端部と前記凹部との間に、間隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材。
  3. せん断変形拘束壁の先端部がほぼ半球状部とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材。
  4. 下部支持部材または上部支持部材のいずれか一方の部材に一体に設けられたせん断変形拘束壁は、下部支持部材または上部支持部材のいずれか他方の部材と弾性層とにより被覆されて、外部に露出されていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のせん断変形拘束壁を内臓した固定式の荷重支持部材。
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