JP2004307559A - 改質ポリエチレンテレフタレート - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶化速度の制御が容易で、かつ結晶化速度の安定性に優れ、さらに低温状態からの結晶化速度が向上した改質ポリエチレンテレフタレートを提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート以外の結晶性樹脂(0.1〜10000ppb)とからなり、示差走査熱量計にて測定した成形品の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と、成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足することを特徴とする改質ポリエチレンテレフタレート。
Tcc≦0.2×(t1/2)+139 …(I)
【選択図】なし
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート以外の結晶性樹脂(0.1〜10000ppb)とからなり、示差走査熱量計にて測定した成形品の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と、成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足することを特徴とする改質ポリエチレンテレフタレート。
Tcc≦0.2×(t1/2)+139 …(I)
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の所属する技術分野】
本発明は、改質ポリエチレンテレフタレートに関し、さらに詳しくは、本発明は飲料などの液体を充填する用途に適した、透明性、耐熱性を有する中空成形容器を生産性良好に成形可能な改質ポリエチレンテレフタレートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、炭酸飲料、ジュース、天然水、酒、各種飲用茶、食用油、液体調味料などの液体を充填する容器の素材として、種々のプラスチック素材が用いられている。なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)は、透明性、ガスバリア性、耐熱性および機械的強度に優れているため、飲料用中空成形容器の形成素材として多用されている。
【0003】
このような中空成形容器へ飲料などを充填する際には、加熱滅菌処理された飲料などが高温の状態で充填されることが多い。このときに高温の充填物によって中空成形容器が白濁したり、収縮、膨張するなどの変形を起こしたり、変形により自立性を損なったりするなどの問題を生じないよう、中空成形容器には充分な耐熱性が要求される。
【0004】
また、飲料用中空成形容器を形成するプラスチック素材は、耐熱性とともに透明性を兼ね備えることが強く要求される。またさらに、中空成形容器の製造にあたっては、高速で製造することが望まれており、生産性良く製造することのできるプラスチック素材が求められている。高速で中空成形容器を製造するためにプラスチック素材には、加熱結晶化速度が高く、結晶化速度などの品質のバラツキが少ないものが求められている。
【0005】
すなわち結晶化速度が高すぎると好適な成形条件幅が狭くなったり、原料プラスチックの品質のバラツキが多いと成形体製造時の歩留りが低くなる。したがって、上記のような中空成形体の製造に用いられるプラスチック素材は、成形効率、成形条件などに合った結晶化速度を有しかつ品質が一定であることが望ましい。こうした要請から、ポリエチレンテレフタレートに種々の配合剤を加えて、結晶化速度を調整する方法が種々提案されている。
【0006】
さらに、通常ボトル等の成形の際には一部不良品が発生するため、発生する不良品を粉砕処理等して再生材とし、ポリエチレンテレフタレートの成形工程に適宜添加することがあるが、一般に再生ポリエチレンテレフタレートは結晶化速度が速く、添加量によって成形品の結晶化速度が変動するのが通例であった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、結晶化速度の制御が容易で、かつ結晶化速度の安定性に優れ、さらに低温状態からの結晶化速度が向上した改質ポリエチレンテレフタレートを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート以外のの結晶性樹脂(0.1〜10000ppb)とからなり、示差走査熱量計にて測定した成形品の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と、成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足することを特徴とする改質ポリ
エチレンテレフタレート。
【0009】
【式3】
及び上記改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足することを特徴とする請求項1乃至3に記載の改質ポリエチレンテレフタレート。
【0010】
【式4】
【0011】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、示差走査熱量計にて測定した際の成形品の昇温時の結晶化温度Tccが132℃〜160℃の範囲にあることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、示差走査熱量計にて測定した際の成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が50秒〜100秒の範囲にあることを特徴としている。
【0013】
本発明では、上記結晶性樹脂がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることが好ましい。
【0014】
さらに本発明では上記結晶性樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体であることが好ましい。
【0015】
本発明では、改質ポリエチレンテレフタレート中の結晶性樹脂の含有量を0.1〜10000ppbの範囲で制御することが好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートについて具体的に説明する。
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂からなり、結晶性樹脂を改質ポリエチレンテレフタレート中に通常0.1〜10000ppb、好ましくは0.5〜5000ppb、さらに好ましくは0.8〜2000ppbの量で含有している。
【0017】
この結晶性樹脂の含有量が上記範囲であれば、延伸成形体、特に高い透明性を有するボトルを効率よく成形することができる。また、上記の範囲内の量で結晶性樹脂を含有すると、得られる成形体の結晶化速度がポリエチレンテレフタレートを単独で用いて製造されたボトルよりも速くなり、ボトルを効率よく、かつ一定の品質で生産することが可能になる。
具体的には、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形品の昇温時の結晶化温度Tccと、成形品の180℃で測定した半結晶化時間t1/2が、下記の式(I)を満足する。
【0018】
【式5】
【0019】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、ボトルなどの中空成形容器を効率よく製造することができるような適切な結晶化温度を有している。具体的には、成形品の昇温時の結晶化温度(Tcc)が通常、132〜160℃、好ましくは140〜155℃である。
【0020】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形品の180℃で測定した半結晶化時間(t1/2)が通常、50〜100秒、好ましくは55〜95秒である。
ポリエチレンテレフタレートに少量の結晶性樹脂が含まれた改質ポリエチレンテレフタレートでは、ブロー成形時にポリエチレンテレフタレートが加熱昇温結晶化する際に結晶性樹脂が結晶化の核として作用するものと推定され、結晶化速度を速めているものと考えられる。
【0021】
さらに、改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートの成形工程に適宜添加することが通例である再生ポリエチレンテレフタレートを5〜20重量%の範囲で添加量を変化させても結晶化速度の変動が少なく、安定的かつ効率的に成形品を得ることが可能である。
具体的には、改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足する。
【0022】
【式6】
【0023】
改質ポリエチレンテレフタレート中のポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)は、通常0.52〜0.90dl/g、好ましくは0.65〜0.85dl/g、特に好ましくは0.70〜0.82dl/gの範囲にあることが好ましく、このような固有粘度(IV)を有するポリエチレンテレフタレートから形成された成形体は、ガスバリア性、耐圧性、耐熱性に優れている。
【0024】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形した際に透明性が高いことが好ましく、図1に示すような段付角板を成形して測定するヘイズ値が、通常0.5〜30%、特に0.5〜20%の範囲にあることが好ましい。
さらにまた、改質ポリエチレンテレフタレートをブロー成形して得られるボトルは、成形した際にその構成する各部分において密度が高い方が耐熱性および/または耐圧性が高くなるので好ましい。密度は成形時で通常1.34〜1.41g/cm3、特に1.35〜1.40g/cm3の範囲にあることが好ましい。
【0025】
次に本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートおよび結晶性樹脂について説明する。
ポリエチレンテレフタレート
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(例えば低級アルキルエステル、フェニルエステルなど)から導かれる単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体(例えばモノカルボン酸エステルエチレンオキサイドなど)から導かれる単位とから形成されている。
【0026】
このポリエチレンテレフタレートは、必要に応じてテレフタル酸以外のジカルボン酸類から導かれる単位および/またはジオール類から導かれる単位を20モル%以下の量で含有していてもよい。
このようなテレフタル酸以外のジカルボン酸類として具体的には、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸類から導かれる単位は1種または2種以上含まれていてもよい。
【0027】
また、エチレングリコール以外のジオール類として具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族類;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール類;ビスフェノール類;ハイドロキノンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。これらのジオール類から導かれる単位は1種または2種以上含まれていてもよい。
【0028】
また本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、必要に応じて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる単位を少量例えばジカルボン酸成分100モル%に対して2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0029】
このようなポリエチレンテレフタレート中のジエチレングリコール(DEG)単位の割合は、ポリエチレンテレフタレート中、通常0.5〜2.0重量%、好ましくは0.8〜1.6重量%である。
DEG単位の含有割合が0.5重量%以上であると、成形後のボトル胴部の透明性が良好となる傾向がある。また、2.0重量%以下であると、耐熱性、結晶化促進効果が良好である。
【0030】
ポリエチレンテレフタレート中のDEG単位の割合を上記範囲に調整する方法としては、ジエチレングリコールを重合原料として使用する方法の他、反応条件、添加剤を適宜選択することによって主原料であるエチレングリコールから副生するジエチレングリコールの副生量を調整する方法が挙げられる。
DEGの生成を抑制する添加剤としては、塩基性化合物、例えばトリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属化合物が挙げられる。
【0031】
また、DEGの生成を促進させる化合物としては、硫酸などの無機酸、安息香酸などの有機酸が挙げられる。
上記のような本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒中で25℃で測定)は、通常0.3〜2.0dl/g、好ましくは0.5〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜1.2dl/gであり、融点は通常210〜265℃、好ましくは220〜260℃であり、ガラス転移温度は通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
【0032】
また、上記のポリエチレンテレフタレート中の環状三量体の含有量、即ちオキシエチレンオキシテレフタロイル単位の環状三量体の含有量は、通常0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下であることが望ましい。
環状三量体の含量が0.5重量%以下のポリエチレンテレフタレートを用いると、樹脂組成物を成形する際に、金型等が汚染されにくく、しかも成形体の胴部が白化しにくいので好ましい。ポリエチレンテレフタレート中の環状三量体の含有量の含有量は、たとえば固相重合温度を高くし、さらに重合時間を長くすることにより低減することが可能である。
【0033】
また熱水または水蒸気により固相重合後のペレットに後処理を行うと、射出成形時およびブロー成形時の生産性を低下させる原因となる環状三量体の増加を抑制するために好ましい。後処理は、通常40〜120℃、好ましくは50〜110℃で、通常1分〜10時間、好ましくは5分〜5時間の間行う。
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、上記のようなジカルボン酸とジオールとから従来公知の方法により製造される。本発明では、このようなポリエチレンテレフタレートとしては、通常ペレット状で市販されている「原料ポリエチレンテレフタレート」が用いられるが、必要に応じて、原料ポリエチレンテレフタレートとともに「リプロポリエチレンテレフタレート」(再生ポリエチレンテレフタレート)が用いられてもよい。具体的に、ポリエチレンテレフタレート中には、「リプロポリエチレンテレフタレート」が1〜50重量%の量で含有されていてもよい。
【0034】
なお、本明細書中において、「原料ポリエチレンテレフタレート」とは、ジカルボン酸と、ジオールとからペレット状で製造され、加熱溶融状態で、成形機を通過させて中空成形容器またはプリフォームなどに成形された熱履歴を有しないポリエチレンテレフタレートである。また、「リプロポリエチレンテレフタレート」は、このような原料ポリエチレンテレフタレートを少なくとも1回加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエチレンテレフタレートを粉砕処理あるいは再び熱を加えてペレタイズしたポリエチレンテレフタレート(再生ポリエチレンテレフタレート)である。このように原料ポリエチレンテレフタレートを「加熱溶融状態で成形機を通過させる」処理は、原料ポリエチレンテレフタレートからなるペレット(チップ)を加熱溶融し、プリフォーム、中空成形容器などの所望形状に成形することによって行われる。
【0035】
本発明ではポリエチレンテレフタレートはペレット状で用いられる。ポリエチレンテレフタレートのペレットの粒径は特に限定されないが、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲である。
【0036】
結晶性樹脂
本発明で用いられる結晶性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、ポリアミドなどから選ばれる少なくとも1種の樹脂が挙げられる。
これらの結晶性樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、特にエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが好ましい。
【0037】
(エチレン・不飽和カルボン酸共重合体)
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体として具体的には、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレンとアクリル酸とメタクリル酸の三元共重合体などが挙げられる。
【0038】
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体には、エチレンと(メタ)アクリル酸以外の成分を少量共重合したものも含まれる。他の成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなど、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。
【0039】
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中の不飽和カルボン酸単位含量は、0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましく、1〜15重量%の範囲にあることがさらに好ましく、5〜10重量%の範囲にあることが特に好ましい。不飽和カルボン酸含量がこの範囲内にあると、ポリエチレンテレフタレートの透明性を保持しながら、改質ポリエチレンテレフタレート昇温時の結晶化速度をばらつきが少なく向上させ得るという点で好ましい。またエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、共重合体中の不飽和カルボン酸単位含量により結晶化速度を制御することもできる。
【0040】
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、ASTM D 1238によるMFR(190℃、2160g荷重)が通常0.05〜100g/10分、特に0.1〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が側鎖に有するカルボキシル基が金属と結合していないものであってもよく、また少なくとも一部がカルボン酸の金属塩の状態で存在するもの(アイオノマー)であってもよい。
【0041】
このような金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、亜鉛塩、コバルト塩、ニッケル塩、マンガン塩、鉛塩、銅塩などの2価の遷移金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が好ましく、特に亜鉛塩が、組成物の透明性を保持するという点で好ましい。金属塩の種類は1種類でも複数でもよい。
【0042】
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体がアイオノマーである場合には、全カルボキシル基に対する金属と結合しているカルボキシル基の割合は特に限定されるものではないが、通常3〜100%程度である。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の製法としては、例えばエチレンと(メタ)アクリル酸、必要に応じ他のコモノマーを高圧ラジカル重合法により共重合させ、所望により、前記金属陽イオンで中和処理する方法が挙げられる。
【0043】
本発明で用いられる結晶性樹脂としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が好ましいが、場合によってはその他の結晶性樹脂、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等を用いてもよい。これらの結晶性樹脂は、1種または2種以上含まれていてもよい。
【0044】
(ポリエチレン)
ポリエチレンとして具体的には、エチレンの単独重合体、またはエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられる。またこのポリエチレンの密度は、0.88〜0.96g/cm3であることが望ましい。
【0045】
エチレン以外のα−オレフィンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、ジメチルオクテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどが挙げられる。
【0046】
エチレンとこれらのα−オレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。このようなポリエチレンは、どのような方法によって製造されたものでもよく、たとえばチタン系触媒、クロム系触媒、バナジウム系触媒などの従来周知のチーグラー型触媒を用いて製造されたものであってもよく、またいわゆるメタロセン系触媒(例えばジルコノセン化合物とアルミノオキサンとからなる触媒)などを用いて製造されたものであってもよい。
【0047】
また本発明で用いられるポリエチレンの製造は、気相で行うこともできるし(気相法)、また液相で行うこともできる(液相法)。
本発明のポリエチレンは、ASTM D1238によるMFR(190℃、2160g荷重)が0.05〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
(ポリプロピレン) ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であっても、プロピレンと少量のオレフィン類あるいはジエン類との共重合体であってもよい。
【0048】
オレフィン類としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、1−デセン、1−ヘキサデセン、シクロペンテンおよびノルボルネンなどのオレフィン類などが挙げられ;ジエン類としては、ヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノボノルネンなどが挙げられる。これらは2種以上がプロピレンと共重合していてもよい。
【0049】
ポリプロピレンは、ASTM D1238によるMFR(230℃、2160g荷重)が0.05〜100g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0050】
(ポリアミド)
ポリアミドとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロンおよびこれらの共重合物や混合物が挙げられる。
【0051】
一般に、付加機能を与えるなどの目的でポリエチレンテレフタレートにそれ以外のものを添加すると、成形時の透明性に関しては、元のポリエチレンテレフタレートよりも劣り、成形時のヘイズ値が高くなる。ポリエチレンテレフタレートにポリプロピレンやポリエチレンを添加した場合においても、使用に差し支えない透明性を保持しながらも、ポリエチレンテレフタレートのみを成形した場合と比較すると、透明性が劣るものであった。
【0052】
しかしながら、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を特定の量で用いることにより、ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度が成形に好適な範囲に制御されるとともに、成形物の透明性をポリエチレンテレフタレートを単独で用いた場合と同等に保持できるという効果が奏される。
これは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体がポリエチレンテレフタレートとの相溶性に優れるため、溶融状態から非晶状態に急冷固化される際には、ポリエチレンテレフタレートに対する核剤効果を示し得ないためであろうと考えられる。
【0053】
また、上記の性質を保有することにより結晶化速度の温度依存性が異なるため、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を含有する場合には、成形品を示差走査熱量計にて測定した際の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足するものと推察する。
【0054】
【式7】
【0055】
さらに、本発明の改質ポリエチレンテレフタレートは、再生ポリエチレンテレフタレートを含まない状態での成形品において結晶化速度を適切な範囲に制御しているため、再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加しても結晶化速度の変動が小さく、成形品の品質安定性や生産性が向上すると考えられる。具体的に、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を含有する場合には、改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足する。
【0056】
【式8】
【0057】
改質ポリエチレンテレフタレートの製造方法
この改質ポリエチレンテレフタレートをポリエチレンテレフタレートおよび上記のような結晶性樹脂から製造するには、公知の任意の方法を採用することができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂からなるパウダーとを、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合機で直接混合して溶融混練する方法、また、予めポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂とを溶融混練して結晶性樹脂を高濃度に含むマスターバッチを調製しておき、このマスターバッチをポリエチレンテレフタレートに適宜配合する方法、また、ポリエチレンテレフタレートの液相重合工程中に結晶性樹脂を所定量添加する方法、また、結晶性樹脂からなる成形部材をポリエチレンテレフタレート製造工程中に設置し、積極的にポリエチレンテレフタレートと接触させて付着、添加する方法などにより、改質ポリエチレンテレフタレートを調製することができる。
【0058】
ポリエチレンテレフタレートのペレットを結晶性樹脂に接触させる方法としては、例えばポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材が存在する空間内で、結晶性樹脂からなる部材と衝突接触させる方法がある。
ここでいう空間とは、例えばポリエチレンテレフタレートのペレットを風力輸送する配管、ポリエチレンテレフタレートのペレットを貯蔵するサイロなどをいう。この空間内にシート状、棒状、網状などの成形体からなる部材を設置し、空間内にポリエチレンテレフタレートのチップを導入することによりポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材と接触させるか、または風力輸送の配管の内壁の少なくとも一部を結晶性樹脂で形成し、この配管にポリエチレンテレフタレートのチップを通過させることにより、ポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材と接触させる。より具体的には、風力輸送の配管または重力落下配管の一部、振動篩のパンチング板などの一部を結晶性樹脂としたり結晶性樹脂でライニングするかまたはマグネットキャッチャーのマグネット部の少なくとも一部を結晶性樹脂でライニングすることが挙げられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、結晶化速度の制御が容易で、かつ結晶化速度の安定性に優れ、さらに低温状態からの結晶化速度が向上しているため、飲料などの液体を充填する用途に適した、透明性、耐熱性を有する中空成形容器を生産性良好に成形可能とする。
【0060】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
下記実施例において各種物性は以下のようにして測定した。
【0061】
ジエチレングリコール含量
試料を1g秤量し、モノエタノールアミン3ml中にて280℃で加熱し加水分解した。放冷後、高純度テレフタル酸で中和し、溶液をNo.5C濾紙にて濾過した。得られた濾液1μlを、ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフ(HP5890)に注入し、ジエチレングリコール含量を定量した。
【0062】
環状三量体含量
所定量のポリエチレンテレフタレートをo−クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出して濾過して線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製 LC7A)に供給してポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体の量を求め、この値を測定に用いたポリエチレンテレフタレートの量で割って、ポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体含量(重量%)とした。
【0063】
固有粘度(IV)
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(50/50重量比)を
用いて0.5g/dlの試料溶液を調製し、25℃で測定した溶液粘度から固有粘度(IV)を算出した。
【0064】
透明性(ヘイズ値)
乾燥試料をシリンダー温度275℃の射出成形機を用いて金型温度10℃の条件で図5に示すような段付角板を成形し、5mm厚部分の透明性をヘイズ値(白色光の光線乱反射率)で比較した。
【0065】
昇温結晶化温度(Tcc)
乾燥試料をシリンダー温度285℃の名機製作所製M70B−DM射出成形機を用いてスクリュウ回転数130rpm、金型温度10℃、冷却時間10秒に設定し、成形サイクル約42秒の運転条件で外径約28mm、内径約20mm、長さ約110mm、重量約32gのプリフォームを成形し、口栓部天面を結晶化速度評価用試料としてパーキンエルマー社製示差走査型熱量計(DSC)を使用して測定した。試料をサンプルパンに10mg秤量し、30℃から10℃/分の昇温速度で昇温し、その際に発生する発熱ピークの頂点温度をTccとした。
【0066】
半結晶化時間(t1/2)
乾燥試料をシリンダー温度285℃の名機製作所製M70B−DM射出成形機を用いてスクリュウ回転数130rpm、金型温度10℃、冷却時間10秒に設定し、成形サイクル約42秒の運転条件で外径約28mm、内径約20mm、長さ約110mm、重量約32gのプリフォームを成形し、口栓部天面を結晶化速度評価用試料としてパーキンエルマー社製示差走査型熱量計(DSC)を使用して測定した。試料をサンプルパンに10mg秤量し、30℃から320℃/分の昇温速度で昇温し、180℃に保持する。発熱量が実質的に変動しない時間まで発熱ピークを採取し、横軸を時間、縦軸を発熱量とした発熱曲線の発熱ピークにおいて、全発熱ピーク面積の半分の発熱ピーク面積となるまでの時間を算出して半結晶化時間(t1/2)とする。
【0067】
[実施例1]
固有粘度(IV)が0.760dl/g、ジエチレングリコール含量が1.33重量%、環状三量体含有量0.32重量%であるポリエチレンテレフタレートに対して、メタクリル酸含量が8重量%であり、MFRが7g/10分であるエチレン・メタクリル酸共重合体を125ppbの量で含有する改質ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0068】
この改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0069】
[実施例2]
実施例1において、エチレンーメタクリル酸共重合体含有量を100ppbに代えたほかは同様にして、改質ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0070】
この改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1ないし2で用いた固有粘度(IV)が0.760dl/g、ジエチレングリコール含量が1.33重量%、環状三量体含有量0.32重量%であるポリエチレンテレフタレートを用い、実施例1ないし2と同様にして透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0071】
表1および2に示した結果から実施例1ないし2では、テスト原料(比較例1)に比べ、Tcc、t1/2が低下し、またTccとt1/2の相関関係が式( II)を満足することがわかる。このことからエチレン・メタクリル酸共重合体で、改質することによりポリエチレンテレフタレートのTccおよびt1/2を制御でき、低温状態からの結晶化速度向上に関して効果的であると考えられる。
【0072】
[比較例2]
実施例1ないし2においてエチレン・メタクリル酸共重合体に代えて、MFRが9g/10分である低密度ポリエチレンを15ppb含有する改質ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0073】
本比較例では、Tcc、t1/2は比較例1よりも低下するが、エチレン・メタクリル酸共重合体を使用した実施例1〜2よりもTccが高く、式(I)を満足しないことがわかる。このことから、エチレン・メタクリル酸共重合体を添加することが低温状態からの結晶化速度向上に関してより効果的であることがわかった。
【0074】
[実施例3〜6]
実施例1で得られた改質ポリエチレンテレフタレートに対して、実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして改質ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0075】
実施例3ないし6では実施例1のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足することがわかる。このことからエチレン・メタクリル酸共重合体で改質することによりポリエチレンテレフタレートのTccを制御でき、さらに再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加してもTccRが変動せず、結晶化速度の安定化に関して効果的であると考えられる。
【0076】
[比較例3]
比較例1のポリエチレンテレフタレートに対して、比較例1のポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られたポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0077】
比較例3では比較例1(テスト原料)のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことから従来の結晶化速度を制御していないポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0078】
[比較例4]
比較例1のポリエチレンテレフタレートに対して、実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られたポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0079】
比較例4では比較例1(テスト原料)のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことから従来の結晶化速度を制御していないポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0080】
[比較例5]
比較例2の改質ポリエチレンテレフタレートに対して、比較例2の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0081】
比較例5では比較例2のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことからポリエチレンで改質されたポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【発明の所属する技術分野】
本発明は、改質ポリエチレンテレフタレートに関し、さらに詳しくは、本発明は飲料などの液体を充填する用途に適した、透明性、耐熱性を有する中空成形容器を生産性良好に成形可能な改質ポリエチレンテレフタレートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、炭酸飲料、ジュース、天然水、酒、各種飲用茶、食用油、液体調味料などの液体を充填する容器の素材として、種々のプラスチック素材が用いられている。なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)は、透明性、ガスバリア性、耐熱性および機械的強度に優れているため、飲料用中空成形容器の形成素材として多用されている。
【0003】
このような中空成形容器へ飲料などを充填する際には、加熱滅菌処理された飲料などが高温の状態で充填されることが多い。このときに高温の充填物によって中空成形容器が白濁したり、収縮、膨張するなどの変形を起こしたり、変形により自立性を損なったりするなどの問題を生じないよう、中空成形容器には充分な耐熱性が要求される。
【0004】
また、飲料用中空成形容器を形成するプラスチック素材は、耐熱性とともに透明性を兼ね備えることが強く要求される。またさらに、中空成形容器の製造にあたっては、高速で製造することが望まれており、生産性良く製造することのできるプラスチック素材が求められている。高速で中空成形容器を製造するためにプラスチック素材には、加熱結晶化速度が高く、結晶化速度などの品質のバラツキが少ないものが求められている。
【0005】
すなわち結晶化速度が高すぎると好適な成形条件幅が狭くなったり、原料プラスチックの品質のバラツキが多いと成形体製造時の歩留りが低くなる。したがって、上記のような中空成形体の製造に用いられるプラスチック素材は、成形効率、成形条件などに合った結晶化速度を有しかつ品質が一定であることが望ましい。こうした要請から、ポリエチレンテレフタレートに種々の配合剤を加えて、結晶化速度を調整する方法が種々提案されている。
【0006】
さらに、通常ボトル等の成形の際には一部不良品が発生するため、発生する不良品を粉砕処理等して再生材とし、ポリエチレンテレフタレートの成形工程に適宜添加することがあるが、一般に再生ポリエチレンテレフタレートは結晶化速度が速く、添加量によって成形品の結晶化速度が変動するのが通例であった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、結晶化速度の制御が容易で、かつ結晶化速度の安定性に優れ、さらに低温状態からの結晶化速度が向上した改質ポリエチレンテレフタレートを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート以外のの結晶性樹脂(0.1〜10000ppb)とからなり、示差走査熱量計にて測定した成形品の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と、成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足することを特徴とする改質ポリ
エチレンテレフタレート。
【0009】
【式3】
及び上記改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足することを特徴とする請求項1乃至3に記載の改質ポリエチレンテレフタレート。
【0010】
【式4】
【0011】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、示差走査熱量計にて測定した際の成形品の昇温時の結晶化温度Tccが132℃〜160℃の範囲にあることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、示差走査熱量計にて測定した際の成形品の180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が50秒〜100秒の範囲にあることを特徴としている。
【0013】
本発明では、上記結晶性樹脂がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることが好ましい。
【0014】
さらに本発明では上記結晶性樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体であることが好ましい。
【0015】
本発明では、改質ポリエチレンテレフタレート中の結晶性樹脂の含有量を0.1〜10000ppbの範囲で制御することが好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートについて具体的に説明する。
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂からなり、結晶性樹脂を改質ポリエチレンテレフタレート中に通常0.1〜10000ppb、好ましくは0.5〜5000ppb、さらに好ましくは0.8〜2000ppbの量で含有している。
【0017】
この結晶性樹脂の含有量が上記範囲であれば、延伸成形体、特に高い透明性を有するボトルを効率よく成形することができる。また、上記の範囲内の量で結晶性樹脂を含有すると、得られる成形体の結晶化速度がポリエチレンテレフタレートを単独で用いて製造されたボトルよりも速くなり、ボトルを効率よく、かつ一定の品質で生産することが可能になる。
具体的には、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形品の昇温時の結晶化温度Tccと、成形品の180℃で測定した半結晶化時間t1/2が、下記の式(I)を満足する。
【0018】
【式5】
【0019】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、ボトルなどの中空成形容器を効率よく製造することができるような適切な結晶化温度を有している。具体的には、成形品の昇温時の結晶化温度(Tcc)が通常、132〜160℃、好ましくは140〜155℃である。
【0020】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形品の180℃で測定した半結晶化時間(t1/2)が通常、50〜100秒、好ましくは55〜95秒である。
ポリエチレンテレフタレートに少量の結晶性樹脂が含まれた改質ポリエチレンテレフタレートでは、ブロー成形時にポリエチレンテレフタレートが加熱昇温結晶化する際に結晶性樹脂が結晶化の核として作用するものと推定され、結晶化速度を速めているものと考えられる。
【0021】
さらに、改質ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートの成形工程に適宜添加することが通例である再生ポリエチレンテレフタレートを5〜20重量%の範囲で添加量を変化させても結晶化速度の変動が少なく、安定的かつ効率的に成形品を得ることが可能である。
具体的には、改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足する。
【0022】
【式6】
【0023】
改質ポリエチレンテレフタレート中のポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)は、通常0.52〜0.90dl/g、好ましくは0.65〜0.85dl/g、特に好ましくは0.70〜0.82dl/gの範囲にあることが好ましく、このような固有粘度(IV)を有するポリエチレンテレフタレートから形成された成形体は、ガスバリア性、耐圧性、耐熱性に優れている。
【0024】
また、改質ポリエチレンテレフタレートは、成形した際に透明性が高いことが好ましく、図1に示すような段付角板を成形して測定するヘイズ値が、通常0.5〜30%、特に0.5〜20%の範囲にあることが好ましい。
さらにまた、改質ポリエチレンテレフタレートをブロー成形して得られるボトルは、成形した際にその構成する各部分において密度が高い方が耐熱性および/または耐圧性が高くなるので好ましい。密度は成形時で通常1.34〜1.41g/cm3、特に1.35〜1.40g/cm3の範囲にあることが好ましい。
【0025】
次に本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートおよび結晶性樹脂について説明する。
ポリエチレンテレフタレート
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(例えば低級アルキルエステル、フェニルエステルなど)から導かれる単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体(例えばモノカルボン酸エステルエチレンオキサイドなど)から導かれる単位とから形成されている。
【0026】
このポリエチレンテレフタレートは、必要に応じてテレフタル酸以外のジカルボン酸類から導かれる単位および/またはジオール類から導かれる単位を20モル%以下の量で含有していてもよい。
このようなテレフタル酸以外のジカルボン酸類として具体的には、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸類から導かれる単位は1種または2種以上含まれていてもよい。
【0027】
また、エチレングリコール以外のジオール類として具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族類;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール類;ビスフェノール類;ハイドロキノンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。これらのジオール類から導かれる単位は1種または2種以上含まれていてもよい。
【0028】
また本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、必要に応じて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる単位を少量例えばジカルボン酸成分100モル%に対して2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0029】
このようなポリエチレンテレフタレート中のジエチレングリコール(DEG)単位の割合は、ポリエチレンテレフタレート中、通常0.5〜2.0重量%、好ましくは0.8〜1.6重量%である。
DEG単位の含有割合が0.5重量%以上であると、成形後のボトル胴部の透明性が良好となる傾向がある。また、2.0重量%以下であると、耐熱性、結晶化促進効果が良好である。
【0030】
ポリエチレンテレフタレート中のDEG単位の割合を上記範囲に調整する方法としては、ジエチレングリコールを重合原料として使用する方法の他、反応条件、添加剤を適宜選択することによって主原料であるエチレングリコールから副生するジエチレングリコールの副生量を調整する方法が挙げられる。
DEGの生成を抑制する添加剤としては、塩基性化合物、例えばトリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属化合物が挙げられる。
【0031】
また、DEGの生成を促進させる化合物としては、硫酸などの無機酸、安息香酸などの有機酸が挙げられる。
上記のような本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒中で25℃で測定)は、通常0.3〜2.0dl/g、好ましくは0.5〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜1.2dl/gであり、融点は通常210〜265℃、好ましくは220〜260℃であり、ガラス転移温度は通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
【0032】
また、上記のポリエチレンテレフタレート中の環状三量体の含有量、即ちオキシエチレンオキシテレフタロイル単位の環状三量体の含有量は、通常0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下であることが望ましい。
環状三量体の含量が0.5重量%以下のポリエチレンテレフタレートを用いると、樹脂組成物を成形する際に、金型等が汚染されにくく、しかも成形体の胴部が白化しにくいので好ましい。ポリエチレンテレフタレート中の環状三量体の含有量の含有量は、たとえば固相重合温度を高くし、さらに重合時間を長くすることにより低減することが可能である。
【0033】
また熱水または水蒸気により固相重合後のペレットに後処理を行うと、射出成形時およびブロー成形時の生産性を低下させる原因となる環状三量体の増加を抑制するために好ましい。後処理は、通常40〜120℃、好ましくは50〜110℃で、通常1分〜10時間、好ましくは5分〜5時間の間行う。
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、上記のようなジカルボン酸とジオールとから従来公知の方法により製造される。本発明では、このようなポリエチレンテレフタレートとしては、通常ペレット状で市販されている「原料ポリエチレンテレフタレート」が用いられるが、必要に応じて、原料ポリエチレンテレフタレートとともに「リプロポリエチレンテレフタレート」(再生ポリエチレンテレフタレート)が用いられてもよい。具体的に、ポリエチレンテレフタレート中には、「リプロポリエチレンテレフタレート」が1〜50重量%の量で含有されていてもよい。
【0034】
なお、本明細書中において、「原料ポリエチレンテレフタレート」とは、ジカルボン酸と、ジオールとからペレット状で製造され、加熱溶融状態で、成形機を通過させて中空成形容器またはプリフォームなどに成形された熱履歴を有しないポリエチレンテレフタレートである。また、「リプロポリエチレンテレフタレート」は、このような原料ポリエチレンテレフタレートを少なくとも1回加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエチレンテレフタレートを粉砕処理あるいは再び熱を加えてペレタイズしたポリエチレンテレフタレート(再生ポリエチレンテレフタレート)である。このように原料ポリエチレンテレフタレートを「加熱溶融状態で成形機を通過させる」処理は、原料ポリエチレンテレフタレートからなるペレット(チップ)を加熱溶融し、プリフォーム、中空成形容器などの所望形状に成形することによって行われる。
【0035】
本発明ではポリエチレンテレフタレートはペレット状で用いられる。ポリエチレンテレフタレートのペレットの粒径は特に限定されないが、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲である。
【0036】
結晶性樹脂
本発明で用いられる結晶性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、ポリアミドなどから選ばれる少なくとも1種の樹脂が挙げられる。
これらの結晶性樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、特にエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが好ましい。
【0037】
(エチレン・不飽和カルボン酸共重合体)
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体として具体的には、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレンとアクリル酸とメタクリル酸の三元共重合体などが挙げられる。
【0038】
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体には、エチレンと(メタ)アクリル酸以外の成分を少量共重合したものも含まれる。他の成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなど、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。
【0039】
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中の不飽和カルボン酸単位含量は、0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましく、1〜15重量%の範囲にあることがさらに好ましく、5〜10重量%の範囲にあることが特に好ましい。不飽和カルボン酸含量がこの範囲内にあると、ポリエチレンテレフタレートの透明性を保持しながら、改質ポリエチレンテレフタレート昇温時の結晶化速度をばらつきが少なく向上させ得るという点で好ましい。またエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、共重合体中の不飽和カルボン酸単位含量により結晶化速度を制御することもできる。
【0040】
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、ASTM D 1238によるMFR(190℃、2160g荷重)が通常0.05〜100g/10分、特に0.1〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が側鎖に有するカルボキシル基が金属と結合していないものであってもよく、また少なくとも一部がカルボン酸の金属塩の状態で存在するもの(アイオノマー)であってもよい。
【0041】
このような金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、亜鉛塩、コバルト塩、ニッケル塩、マンガン塩、鉛塩、銅塩などの2価の遷移金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が好ましく、特に亜鉛塩が、組成物の透明性を保持するという点で好ましい。金属塩の種類は1種類でも複数でもよい。
【0042】
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体がアイオノマーである場合には、全カルボキシル基に対する金属と結合しているカルボキシル基の割合は特に限定されるものではないが、通常3〜100%程度である。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の製法としては、例えばエチレンと(メタ)アクリル酸、必要に応じ他のコモノマーを高圧ラジカル重合法により共重合させ、所望により、前記金属陽イオンで中和処理する方法が挙げられる。
【0043】
本発明で用いられる結晶性樹脂としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が好ましいが、場合によってはその他の結晶性樹脂、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等を用いてもよい。これらの結晶性樹脂は、1種または2種以上含まれていてもよい。
【0044】
(ポリエチレン)
ポリエチレンとして具体的には、エチレンの単独重合体、またはエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられる。またこのポリエチレンの密度は、0.88〜0.96g/cm3であることが望ましい。
【0045】
エチレン以外のα−オレフィンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、ジメチルオクテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどが挙げられる。
【0046】
エチレンとこれらのα−オレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。このようなポリエチレンは、どのような方法によって製造されたものでもよく、たとえばチタン系触媒、クロム系触媒、バナジウム系触媒などの従来周知のチーグラー型触媒を用いて製造されたものであってもよく、またいわゆるメタロセン系触媒(例えばジルコノセン化合物とアルミノオキサンとからなる触媒)などを用いて製造されたものであってもよい。
【0047】
また本発明で用いられるポリエチレンの製造は、気相で行うこともできるし(気相法)、また液相で行うこともできる(液相法)。
本発明のポリエチレンは、ASTM D1238によるMFR(190℃、2160g荷重)が0.05〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
(ポリプロピレン) ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であっても、プロピレンと少量のオレフィン類あるいはジエン類との共重合体であってもよい。
【0048】
オレフィン類としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、1−デセン、1−ヘキサデセン、シクロペンテンおよびノルボルネンなどのオレフィン類などが挙げられ;ジエン類としては、ヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノボノルネンなどが挙げられる。これらは2種以上がプロピレンと共重合していてもよい。
【0049】
ポリプロピレンは、ASTM D1238によるMFR(230℃、2160g荷重)が0.05〜100g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0050】
(ポリアミド)
ポリアミドとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロンおよびこれらの共重合物や混合物が挙げられる。
【0051】
一般に、付加機能を与えるなどの目的でポリエチレンテレフタレートにそれ以外のものを添加すると、成形時の透明性に関しては、元のポリエチレンテレフタレートよりも劣り、成形時のヘイズ値が高くなる。ポリエチレンテレフタレートにポリプロピレンやポリエチレンを添加した場合においても、使用に差し支えない透明性を保持しながらも、ポリエチレンテレフタレートのみを成形した場合と比較すると、透明性が劣るものであった。
【0052】
しかしながら、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を特定の量で用いることにより、ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度が成形に好適な範囲に制御されるとともに、成形物の透明性をポリエチレンテレフタレートを単独で用いた場合と同等に保持できるという効果が奏される。
これは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体がポリエチレンテレフタレートとの相溶性に優れるため、溶融状態から非晶状態に急冷固化される際には、ポリエチレンテレフタレートに対する核剤効果を示し得ないためであろうと考えられる。
【0053】
また、上記の性質を保有することにより結晶化速度の温度依存性が異なるため、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を含有する場合には、成形品を示差走査熱量計にて測定した際の昇温時の結晶化温度Tcc(℃)と180℃における半結晶化時間t1/2(秒)が下記の式(I)を満足するものと推察する。
【0054】
【式7】
【0055】
さらに、本発明の改質ポリエチレンテレフタレートは、再生ポリエチレンテレフタレートを含まない状態での成形品において結晶化速度を適切な範囲に制御しているため、再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加しても結晶化速度の変動が小さく、成形品の品質安定性や生産性が向上すると考えられる。具体的に、結晶性樹脂としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を含有する場合には、改質ポリエチレンテレフタレート95〜80重量部に対し少なくとも1回以上の溶融状態を経た再生ポリエチレンテレフタレート5〜20重量部を添加して得られる成形品の昇温時の結晶化温度TccR(℃)が下記の式(II)を満足する。
【0056】
【式8】
【0057】
改質ポリエチレンテレフタレートの製造方法
この改質ポリエチレンテレフタレートをポリエチレンテレフタレートおよび上記のような結晶性樹脂から製造するには、公知の任意の方法を採用することができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂からなるパウダーとを、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合機で直接混合して溶融混練する方法、また、予めポリエチレンテレフタレートと結晶性樹脂とを溶融混練して結晶性樹脂を高濃度に含むマスターバッチを調製しておき、このマスターバッチをポリエチレンテレフタレートに適宜配合する方法、また、ポリエチレンテレフタレートの液相重合工程中に結晶性樹脂を所定量添加する方法、また、結晶性樹脂からなる成形部材をポリエチレンテレフタレート製造工程中に設置し、積極的にポリエチレンテレフタレートと接触させて付着、添加する方法などにより、改質ポリエチレンテレフタレートを調製することができる。
【0058】
ポリエチレンテレフタレートのペレットを結晶性樹脂に接触させる方法としては、例えばポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材が存在する空間内で、結晶性樹脂からなる部材と衝突接触させる方法がある。
ここでいう空間とは、例えばポリエチレンテレフタレートのペレットを風力輸送する配管、ポリエチレンテレフタレートのペレットを貯蔵するサイロなどをいう。この空間内にシート状、棒状、網状などの成形体からなる部材を設置し、空間内にポリエチレンテレフタレートのチップを導入することによりポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材と接触させるか、または風力輸送の配管の内壁の少なくとも一部を結晶性樹脂で形成し、この配管にポリエチレンテレフタレートのチップを通過させることにより、ポリエチレンテレフタレートのチップを結晶性樹脂からなる部材と接触させる。より具体的には、風力輸送の配管または重力落下配管の一部、振動篩のパンチング板などの一部を結晶性樹脂としたり結晶性樹脂でライニングするかまたはマグネットキャッチャーのマグネット部の少なくとも一部を結晶性樹脂でライニングすることが挙げられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る改質ポリエチレンテレフタレートは、結晶化速度の制御が容易で、かつ結晶化速度の安定性に優れ、さらに低温状態からの結晶化速度が向上しているため、飲料などの液体を充填する用途に適した、透明性、耐熱性を有する中空成形容器を生産性良好に成形可能とする。
【0060】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
下記実施例において各種物性は以下のようにして測定した。
【0061】
ジエチレングリコール含量
試料を1g秤量し、モノエタノールアミン3ml中にて280℃で加熱し加水分解した。放冷後、高純度テレフタル酸で中和し、溶液をNo.5C濾紙にて濾過した。得られた濾液1μlを、ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフ(HP5890)に注入し、ジエチレングリコール含量を定量した。
【0062】
環状三量体含量
所定量のポリエチレンテレフタレートをo−クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出して濾過して線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製 LC7A)に供給してポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体の量を求め、この値を測定に用いたポリエチレンテレフタレートの量で割って、ポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体含量(重量%)とした。
【0063】
固有粘度(IV)
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(50/50重量比)を
用いて0.5g/dlの試料溶液を調製し、25℃で測定した溶液粘度から固有粘度(IV)を算出した。
【0064】
透明性(ヘイズ値)
乾燥試料をシリンダー温度275℃の射出成形機を用いて金型温度10℃の条件で図5に示すような段付角板を成形し、5mm厚部分の透明性をヘイズ値(白色光の光線乱反射率)で比較した。
【0065】
昇温結晶化温度(Tcc)
乾燥試料をシリンダー温度285℃の名機製作所製M70B−DM射出成形機を用いてスクリュウ回転数130rpm、金型温度10℃、冷却時間10秒に設定し、成形サイクル約42秒の運転条件で外径約28mm、内径約20mm、長さ約110mm、重量約32gのプリフォームを成形し、口栓部天面を結晶化速度評価用試料としてパーキンエルマー社製示差走査型熱量計(DSC)を使用して測定した。試料をサンプルパンに10mg秤量し、30℃から10℃/分の昇温速度で昇温し、その際に発生する発熱ピークの頂点温度をTccとした。
【0066】
半結晶化時間(t1/2)
乾燥試料をシリンダー温度285℃の名機製作所製M70B−DM射出成形機を用いてスクリュウ回転数130rpm、金型温度10℃、冷却時間10秒に設定し、成形サイクル約42秒の運転条件で外径約28mm、内径約20mm、長さ約110mm、重量約32gのプリフォームを成形し、口栓部天面を結晶化速度評価用試料としてパーキンエルマー社製示差走査型熱量計(DSC)を使用して測定した。試料をサンプルパンに10mg秤量し、30℃から320℃/分の昇温速度で昇温し、180℃に保持する。発熱量が実質的に変動しない時間まで発熱ピークを採取し、横軸を時間、縦軸を発熱量とした発熱曲線の発熱ピークにおいて、全発熱ピーク面積の半分の発熱ピーク面積となるまでの時間を算出して半結晶化時間(t1/2)とする。
【0067】
[実施例1]
固有粘度(IV)が0.760dl/g、ジエチレングリコール含量が1.33重量%、環状三量体含有量0.32重量%であるポリエチレンテレフタレートに対して、メタクリル酸含量が8重量%であり、MFRが7g/10分であるエチレン・メタクリル酸共重合体を125ppbの量で含有する改質ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0068】
この改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0069】
[実施例2]
実施例1において、エチレンーメタクリル酸共重合体含有量を100ppbに代えたほかは同様にして、改質ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0070】
この改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1ないし2で用いた固有粘度(IV)が0.760dl/g、ジエチレングリコール含量が1.33重量%、環状三量体含有量0.32重量%であるポリエチレンテレフタレートを用い、実施例1ないし2と同様にして透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0071】
表1および2に示した結果から実施例1ないし2では、テスト原料(比較例1)に比べ、Tcc、t1/2が低下し、またTccとt1/2の相関関係が式( II)を満足することがわかる。このことからエチレン・メタクリル酸共重合体で、改質することによりポリエチレンテレフタレートのTccおよびt1/2を制御でき、低温状態からの結晶化速度向上に関して効果的であると考えられる。
【0072】
[比較例2]
実施例1ないし2においてエチレン・メタクリル酸共重合体に代えて、MFRが9g/10分である低密度ポリエチレンを15ppb含有する改質ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、Tccおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0073】
本比較例では、Tcc、t1/2は比較例1よりも低下するが、エチレン・メタクリル酸共重合体を使用した実施例1〜2よりもTccが高く、式(I)を満足しないことがわかる。このことから、エチレン・メタクリル酸共重合体を添加することが低温状態からの結晶化速度向上に関してより効果的であることがわかった。
【0074】
[実施例3〜6]
実施例1で得られた改質ポリエチレンテレフタレートに対して、実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして改質ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0075】
実施例3ないし6では実施例1のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足することがわかる。このことからエチレン・メタクリル酸共重合体で改質することによりポリエチレンテレフタレートのTccを制御でき、さらに再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加してもTccRが変動せず、結晶化速度の安定化に関して効果的であると考えられる。
【0076】
[比較例3]
比較例1のポリエチレンテレフタレートに対して、比較例1のポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られたポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0077】
比較例3では比較例1(テスト原料)のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことから従来の結晶化速度を制御していないポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0078】
[比較例4]
比較例1のポリエチレンテレフタレートに対して、実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られたポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0079】
比較例4では比較例1(テスト原料)のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことから従来の結晶化速度を制御していないポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0080】
[比較例5]
比較例2の改質ポリエチレンテレフタレートに対して、比較例2の改質ポリエチレンテレフタレートからなるプリフォームを粉砕することで得られる再生ポリエチレンテレフタレートを適宜添加したこと以外は、実施例1〜2と同様にして得られた改質ポリエチレンテレフタレートを溶融後、射出成形して段付角板、プリフォームを形成し、透明性、TccRおよびt1/2を測定した。結果を表1に示す。
【0081】
比較例5では比較例2のTccに比べてTccRが低下した。また、TccRとTccの相関関係が式(II)を満足しないことがわかる。このことからポリエチレンで改質されたポリエチレンテレフタレートでは、再生ポリエチレンテレフタレートを添加するとTccRが変動し、結晶化速度の安定化に関して不充分であると考えられる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
Claims (4)
- 上記Tccが132℃〜160℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の改質ポリエチレンテレフタレート。
- 上記t1/2が50秒〜100秒の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の改質ポリエチレンテレフタレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003099520A JP2004307559A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 改質ポリエチレンテレフタレート |
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JP2003099520A JP2004307559A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 改質ポリエチレンテレフタレート |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013146944A1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-03 | 日本ポリエチレン株式会社 | ポリエチレン及びその成形体 |
JP2013203896A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Japan Polyethylene Corp | パイプ及び継手用ポリエチレン並びにその成形体 |
JP2013204720A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Japan Polyethylene Corp | パイプ及び継手用ポリエチレン並びにその成形体及び薄肉ポリエチレン管 |
JP2013203897A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Japan Polyethylene Corp | パイプ及び継手用ポリエチレン並びにその成形体 |
-
2003
- 2003-04-02 JP JP2003099520A patent/JP2004307559A/ja active Pending
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