JP2000319364A - 高粘度ポリエチレンナフタレート樹脂及びその製造方法、及びそれからなる成形品 - Google Patents

高粘度ポリエチレンナフタレート樹脂及びその製造方法、及びそれからなる成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温で固相重合しても、樹脂の一部が高融点化
せず、かつ生産性及び樹脂の色調が良好なポリエチレン
ナフタレート樹脂を得る。 【解決手段】2,6−ナフタレンジカルボン酸を主たる
酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成
分とし、固有粘度が0.65〜1.2であり、走査熱量
計で25℃から10℃/分で昇温したときに最初に観測
される吸熱ピークのピーク温度が245℃以上であり、
かつフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン
=60/40(重量比)の混合溶媒に1g/デシリット
ルの濃度で、130℃で溶解したときに、2時間以内で
溶解するポリエチレンナフタレート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンナフ
タレート(以下PENと略記する。)樹脂に関し、更に
詳しくは、固有粘度が高く、かつ異物の少ない成形品を
得ることができる、ボトルなどの材料として好適なPE
N樹脂とその製造方法およびそれからなる成形品に関す
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】PEN樹
脂は、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記
する)樹脂に比べて耐熱性、ガスバリアー性、耐薬品性
等の基本物性が優れていることから、ボトル(容器)や
シート、フィルム等の包装材料として有用であり、数多
くの提案が行われている。包装材料の中でも、ジュース
や化粧品等のボトルに使用される樹脂については、商品
価値の点から、異物の少ない樹脂が強く要求されてい
る。PEN樹脂は基本的にPET樹脂の場合と同様の方
法で製造することができ、ボトルのような高い固有粘度
を要求される場合、固相重合を行うことが提案されてい
る。(特開平7−18068号公報、特開平9−778
59号公報、特開平10−218979号公報など)。
【0003】しかしながら、PEN樹脂の場合、210
℃以上の高温で長時間固相重合すると、樹脂の一部が高
融点化してしまうという問題がある。そのため、固相重
合後の樹脂を溶融、成形すると、高融点化した部分が溶
融せず、異物として成形品に混入してしまう。従って、
ボトルなどの成形品ではその商品価値を大きく落として
しまう。
【0004】これを避けるための方法として、溶融重合
で固有粘度を上げる方法や、固相重合を210℃未満の
低温で行う方法があるが、前者の方法では樹脂の粘度が
高くなるため、樹脂を重合釜より排出する際、重合釜に
残る樹脂量が多くなり生産性が低下するばかりか、重合
時間が長くなるため、ポリマーの色調が悪化してしま
う。また、後者の方法では、固相重合に長時間を要し、
生産性が著しく悪くなる。
【0005】本発明者らは、高温で固相重合しても、樹
脂の一部が高融点化せず、かつ生産性及び樹脂の色調が
良好なポリエチレンナフタレート樹脂について鋭意検討
した結果、特定の熱的性質、溶解性を備えた樹脂を見出
し、本発明に到達した。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレング
リコールを主たるグリコール成分とするポリエステルで
あって、固有粘度IVが下記式1を満たし、示差走査熱
量計で25℃から10℃/分で昇温したときに最初に観
測される吸熱ピークのピーク温度が245℃以上であ
り、かつフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエ
タン=60/40(重量比)の混合溶媒に1g/デシリ
ットルの濃度で、130℃で溶解したときに、2時間以
内で溶解することを特徴とするポリエチレンナフタレー
ト樹脂及びその製造方法、更にそれからなる成形物であ
る。 0.65<IV≦1.2 (1)
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて「2,6−ナフタレンジカルボン酸」とは2,6
−ナフタレンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導
体(2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル
等の低級アルキルエステル、フェニルエステル、酸無水
物等)を対象にする。
【0008】さらに本発明のPEN樹脂は、IVが0.
65を超え、1.2以下の樹脂である。IV=0.65
以下であると、ボトル等の成形品を製造する際、樹脂が
ドローダウンを起こしたり、成形されたボトルの機械的
強度が低下するなどの問題が生じる。また、IVが1.
2を超えると樹脂の溶融粘度が高くなりすぎて、成形機
に負荷がかかるばかりでなく、生産性が低下してしまい
好ましくない。IVのさらに好ましい範囲としては0.
7以上0.9以下である。
【0009】また本発明のPEN樹脂は、示差走査熱量
計で25℃から10℃/分で昇温したときに最初に観測
される吸熱ピークのピーク温度が245℃以上であるも
のである。ここでいう示差走査熱量計で25℃から10
℃/分で昇温したときに最初に観測される吸熱ピークと
は、樹脂の融点あるいは、樹脂を結晶化、固相重合する
ためにその融点未満で加熱した場合、その温度と時間に
応じて樹脂中に生じる構造変化に起因する吸熱ピークで
ある。そして後者の吸熱ピーク温度は樹脂を加熱する際
の温度が高いほど、また加熱時間が長いほど高くなる。
この温度が245℃未満であると、樹脂のIV=0.6
5以上で色調が良好な樹脂とならない。
【0010】さらに、本発明のPEN樹脂は、フェノー
ル/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40
(重量比)の混合溶媒に1g/デシリットルの濃度で、
130℃で溶解したときに、2時間以内で溶解する。こ
の条件で溶解しない場合、その樹脂を溶融、成形する
と、高融点化した部分が溶融せず、異物として成形品に
混入してしまう。
【0011】また、本発明のPEN樹脂には、2,6−
ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分及び/又はエチレ
ングリコール以外のグリコール成分は、樹脂に含まれる
全酸成分の合計または全グリコール成分の合計に対し
て、0.1〜10mol%、好ましくは0.1mol%
以上5mol%以下、特に好ましくは0.1mol%以
上2mol%未満共重合されている方が好ましい。0.
1mol%未満の場合は、固有粘度(IV)が0.65
を超え、示差走査熱量計で25℃から10℃/分で昇温
したときに最初に観測される吸熱ピークのピーク温度が
245℃以上の樹脂を製造すると、樹脂の一部が高融点
化してしまい、その樹脂を溶融、成形すると、高融点化
した部分が溶融せず、異物として成形品に混入してしま
う可能性が高くなる。また、10mol%を超えるとポ
リマーの結晶性が低下するため、固相重合が困難とな
り、IVが0.65を超える樹脂を製造することが難し
い。樹脂の結晶性の低下を抑え、またポリマーの融点の
低下を抑えて樹脂の耐熱性を維持する目的から、2,6
−ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分及び/又はエチ
レングリコール以外のグリコール成分の共重合比率は、
好ましくは5mol%以下、特に好ましくは2mol%
未満である。
【0012】そして、2,6−ナフタレンジカルボン酸
以外の酸成分としては特に限定されないが、例えばシュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;またテ
レフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−4,4′一ジカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、デカリン
ジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;ダ
イマー酸、グリコール酸、p−オキシ安息香酸などのオ
キシ酸などが挙げられる。この中でもテレフタル酸、イ
ソフタル酸がコストの面で好ましい。これらの酸成分
は、そのエステル形成性誘導体(ジメチルエステル等の
低級アルキルエステル、フェニルエステル、酸無水物
等)も対象にする。
【0013】また、エチレングリコール以外のグリコー
ル成分としては、酸成分と同様に特に限定されないが、
例えばテトラメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール
などの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環族ジ
オール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラ
ブロモビスフェノールAなどの芳香族ジオール及びこれ
らのエチレンオキサイド付加物、ダイマージオール及び
このエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。この
中でもテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールAやビスフェノールS及びこれらのエチレンオキ
サイド付加物が好ましい。
【0014】さらに本発明のPEN樹脂には、必要に応
じて、他の樹脂や、各種添加剤が含有されていてもよ
い。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル樹脂や、触媒として用いられる、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、二酸化ゲルマニ
ウム、三酸化アンチモン、リン酸トリメチルなどの熱安
定剤、ジエチレングリコールなどの副生を防止するため
のヒドロキシテトラエチルアンモニウムなどのアンモニ
ウム塩、成形体の易滑性を向上させるための無機滑剤お
よび有機滑剤や、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤等が
挙げられる。
【0015】本発明のPEN樹脂は、公知のエステル交
換法あるいは直接重合法等の一般的なポリエステルの溶
融重合法を用いて製造することができる。例えば、ジカ
ルボン酸のアルキルエステルとジオールを用いてエステ
ル交換反応、あるいはジカルボン酸とジオールを用いて
エステル化反応を窒素気流下で行い、次いで高温、減圧
下において重縮合させる方法がある。
【0016】更に本発明の高粘度PEN樹脂を製造する
ためには、溶融重合法により製造されたポリエステルを
結晶化、固相重合する必要がある。結晶化、固相重合の
方法としては一般的なポリエステルの結晶化、固相重合
法が用いられる。例えば、樹脂を150℃〜200℃の
温度に加熱、結晶化した後、その融点より低い温度で減
圧下か窒素気流下で固相重合する方法が挙げられる。但
し、固相重合は、210℃以上かつ12時間以上固相重
合を行うことが必要である。温度が210℃未満である
と、固相重合時間が長くなりすぎ、色調が良好なIV=
0.65を超える高粘度の樹脂を得ることができない。
また固相重合時間が12時間未満であっても色調が良好
なIV=0.65を超えるの高粘度の樹脂を得ることが
できない。
【0017】本発明のPEN樹脂から、容器やボトル等
の成形物を得るための方法としては、特に限定があるわ
けではなく、従来公知の方法が用いられる。例えばボト
ルを製造する方法としては、本発明のPEN樹脂を射出
成形機に供給して、プリフォームを成形し、これを加
熱、ブロー成形する方法が挙げられる。容器等の成形品
を製造する方法としては、本発明のPEN樹脂を押し出
し機に供給して、Tダイより押し出すことによりシート
を作製し、このシートを熱成形する方法が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。測定及び評価方法を以下に示す。
【0019】(1)樹脂溶解性 樹脂を、1g/デシリットルの濃度で、フェノール/
1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(重
量比)の混合溶媒に130℃で2時間溶解したとき、樹
脂の溶解性を目視にて評価した。 ○:溶解、×:未溶解
【0020】(2)IV 樹脂を、1g/デシリットル、0.6g/デシリット
ル、0.3g/デシリットルの濃度で、それぞれフェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/4
0(重量比)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ型粘度計
にて、20℃で、それぞれの濃度(C)における比粘度
(ηSP)を求める。次いで、ηSP/CをCに対してプロ
ットし、得られた直線から濃度ゼロに外挿して求めた。
【0021】(3)吸熱ピーク温度 パーキンエルマー社製DSC7に樹脂を約10mg入
れ、昇温速度10℃/分で25℃から昇温したときに最
初に観測されるピーク温度である。
【0022】(4)未溶融物 樹脂を押し出し機に供給して、290℃でTダイより押
し出してシートを作製し、さらにこのシートから熱成形
によりトレイを成形したとき、トレイ底面100cm2
中に含まれる異物の数を目視にて評価した。 ○:1個以下、△:2〜5個、×:5個以上
【0023】実施例1 ステンレス製のオートクレーブに、2,6−ジメチルナ
フタレート242重量部、ジメチルテレフタレート2重
量部、エチレングリコール137重量部を仕込み、次い
でエステル交換触媒として酢酸カルシウム1水塩0.1
1重量部を添加し、さらに酢酸コバルト4水塩0.01
重量部を添加し、エステル交換反応を行った。エステル
交換反応完了後、ヒドロキシテトラエチルアンモニウム
0.002重量部、リン酸トリメチル0.11重量部を
添加し、次いで重合触媒として二酸化ゲルマニウムの
0.8wt%水溶液4.24重量部(二酸化ゲルマニウ
ムとして0.03重量部)を添加後、290℃、減圧下
で重縮合反応を行った。その後、常圧に戻し、内容物を
ガット状に押出して水で冷却、カッターを用いてチップ
状のPEN樹脂(IV=0.56)を得た。さらにこの
樹脂を真空中、160℃で8時間加熱、結晶化した。そ
して、この樹脂を真空中で、220℃×24時間固相重
合した。こうして得られた樹脂を1g/デシリットルの
濃度で、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエ
タン=60/40(重量比)の混合溶媒に130℃で溶
解したところ、2時間以内で溶解し、且つIVは0.7
5であった。そして示差走査熱量計で25℃から10℃
/分で昇温したときに最初に観測される吸熱ピークのピ
ーク温度は250℃であった。そしてこの樹脂を押し出
し機に供給して、290℃でTダイより押し出しでシー
トを作製し、さらにこのシートから熱成形によりトレイ
を成形したところ、トレイ底面100cm2中に含まれ
る異物の数は0個であった。
【0024】実施例2〜8 ポリエステル樹脂の組成及び固相重合条件を表1及び表
2に示すとおり変更したこと以外は,実施例1と同様にし
てPEN樹脂を得た。表1及び表2に評価結果を示す。
【0025】比較例1 ステンレス製のオートクレーブに、2,6−ジメチルナ
フタレート244重量部、エチレングリコール137重
量部を仕込み、次いでエステル交換触媒として酢酸カル
シウム1水塩0.11重量部を添加し、さらに酢酸コバ
ルト4水塩0.01重量部を添加し、エステル交換反応
を行った。エステル交換反応完了後、ヒドロキシテトラ
エチルアンモニウム0.002重量部、リン酸トリメチ
ル0.11重量部を添加し、次いで重合触媒として二酸
化ゲルマニウムの0.8wt%水溶液4.24重量部
(二酸化ゲルマニウムとして0.03重量部)を添加
後、290℃、減圧下で重縮合反応を行った。その後、
常圧に戻し、内容物をガット状に押出して水で冷却、カ
ッターを用いてチップ状のPEN樹脂(IV=0.5
6)を得た。さらにこの樹脂を真空中、160℃で8時
間加熱、結晶化した。そして、この樹脂を真空中で、2
20℃×24時間固相重合した。こうして得られた樹脂
を1g/デシリットルの濃度で、フェノール/1,1,
2,2−テトラクロロエタン=60/40(重量比)の
混合溶媒に130℃で溶解したが、2時間以上溶解して
も溶解しなかった。そしてこの樹脂を示差走査熱量計で
25℃から10℃/分で昇温したときに最初に観測され
る吸熱ピークのピーク温度は252℃であった。そして
この樹脂を押し出し機に供給して、290℃でTダイよ
り押し出しでシートを作製し、さらにこのシートから熱
成形によりトレイを成形したところ、トレイ底面100
cm2中に含まれる異物の数は20個と大量であり、成
形材料としては不適なものであった。
【0026】比較例2、3 ポリエステル樹脂の組成及び固相重合条件を表3に示す
とおり変更したこと以外は,実施例1と同様にしてPEN
樹脂を得た。表3に評価結果を示す。
【0027】比較例4 ステンレス製のオートクレーブに、2,6−ジメチルナ
フタレート208重量部、ジメチルテレフタレート29
重量部、エチレングリコール137重量部を仕込み、次
いでエステル交換触媒として酢酸カルシウム1水塩0.
11重量部を添加し、さらに酢酸コバルト4水塩0.0
1重量部を添加し、エステル交換反応を行った。エステ
ル交換反応完了後、ヒドロキシテトラエチルアンモニウ
ム0.002重量部、リン酸トリメチル0.11重量部
を添加し、次いで重合触媒として二酸化ゲルマニウムの
0.8wt%水溶液4.24重量部(二酸化ゲルマニウ
ムとして0.03重量部)を添加後、290℃、減圧下
で重縮合反応を行った。その後、常圧に戻し、内容物を
ガット状に押出して水で冷却、カッターを用いてチップ
状のPEN樹脂(IV=0.56)を得た。さらにこの
樹脂を真空中、160℃で8時間加熱したところ、樹脂
が融着してしまい、固相重合を行うことができなかっ
た。
【0028】比較例5 固相重合を200℃で行ったこと以外は比較例1と同様
にしてPEN樹脂の製造を試みたが、30時間重合して
もIVが0.60までしか上がらず固相重合を打ちきっ
た。そのポリマーを押し出し機に供給して、290℃で
Tダイより押し出してシートを作製したところ、ドロー
ダウンのため、良好なシートが得られなかった。このた
め、このシートを熱成形しても外観良好なトレイを得る
ことができなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】以上の結果から明らかなように、固相重合
を210℃以上かつ12時間以上行って、示差走査熱量
計で25℃から10℃/分で昇温したときに最初に観測
される吸熱ピークのピーク温度が245℃以上の樹脂を
得ても、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエ
タン=60/40(重量比)の混合溶媒に130℃で2
時間以上溶解しても溶解しない場合は、溶融成形すると
未溶融物が多く含まれているため、良好な成形品を得る
ことができない。(比較例1〜3) 一方、固相重合を低温で行うと、IVが0.65を越え
る樹脂を効率良く生産することが難しくなる。(比較例
5) また、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分及
び/又はエチレングリコール以外のグリコール成分の割
合が10mol%を超えると樹脂の結晶性が低下するた
め、樹脂の結晶化と固相重合を行うことができす、IV
=0.65以上の樹脂を得ることができない。(比較例
4)
【0033】
【発明の効果】本発明のPEN樹脂は、ボトル成形等に
好適な高い固有粘度を有し、かつ溶融成形時に溶融しな
い高融点物を含まないため、外観の良好な成形品を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPEN樹脂を、示差走査熱量計で25
℃から10℃/分で昇温したときに観測される吸熱ピー
クの一例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 正樹 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA87 AA88 AF05 AF43 AH04 AH05 BB05 BB06 BC01 BC04 4J002 CF065 CF081 FD060 FD070 FD080 FD100 FD170 FD175 GG01 GG02 4J029 AA03 AB01 AC01 AC02 AD01 AD06 AE01 AE03 BA03 BA05 BA08 BA09 BA10 BB13A BD06A BD07A BG08X BG23X BH02 CA01 CA02 CA03 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC06A CD03 CD05 CF08 CH02 DB13 EA03 EB05A GA12 GA22 GA81 GA82 KB02 KD01 KE05 KE12 KF02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を主た
    る酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール
    成分とするポリエステルであって、固有粘度(IV)が
    下記式1を満たし、示差走査熱量計で25℃から10℃
    /分で昇温したときに最初に観測される吸熱ピークのピ
    ーク温度が245℃以上であり、かつフェノール/1,
    1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(重量
    比)の混合溶媒に1g/デシリットルの濃度で、130
    ℃で溶解したときに、2時間以内で溶解することを特徴
    とするポリエチレンナフタレート樹脂。 0.65<IV≦1.2 (1)
  2. 【請求項2】 結晶化、固相重合されていることを特徴
    とする請求項1に記載のポリエチレンナフタレート樹
    脂。
  3. 【請求項3】 2,6−ナフタレンジカルボン酸成分以
    外の酸成分及び/又はエチレングリコール以外のグリコ
    ール成分が、0.1mol%以上10mol%以下共重
    合されていることを特徴とする請求項1に記載のポリエ
    チレンナフタレート樹脂。
  4. 【請求項4】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を酸成
    分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポ
    リエステルを製造するに際し、2,6−ナフタレンジカ
    ルボン酸以外の酸成分及び/又はエチレングリコール以
    外のグリコール成分を0.1〜10mol%共重合して
    溶融重合を行った後、得られたプレポリマーを210℃
    以上かつ12時間以上固相重合を行うことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレンナフタレ
    ート樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    チレンナフタレート樹脂よりなる成形物。
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