JP2004307552A - ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法およびその樹脂組成物 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法およびその樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】押出機を用いて、ポリトリメチレンテレフタレートを改質するにあたり、押出機内での滞留による劣化を抑制するとともに、色調に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】予めポリトリメチレンテレフタレート及び改良材を供給する設備を不活性ガスで置換すると共に、ポリトリメチレンテレフタレート及び改良材それぞれの供給量(体積量)以上の不活性ガスを連続的に該設備に供給しながら、製造することを特徴とする、ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出機を用いて、ポリトリメチレンテレフタレートを改質するにあたり、押出機内での溶融滞留による着色を抑え、色調に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を供給する製造方法およびその組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステルは、多くの優れた特性を有しているため、衣料用繊維、工業用繊維、フィルム、樹脂、その他の成形品用の素材として広く利用されている。
また、添加剤、強化材、熱可塑性樹脂などによるポリトリメチレンテレフタレートの改良に、押出機を用いることは既に公知である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、ベント付き押出機を用いてポリトリメチレンテレフタレートの改質を行っており、不活性ガスを直接押出機内のポリトリメチレンテレフタレートが溶融状態にあるときに導入している例もある(例えば特許文献2参照)。しかしながら上記方法では、色調の改良はある程度みられるものの、まだ満足できるレベルものではない。なぜならば、空気の混入は原材料であるポリトリメチレンテレフタレート及び改良材から抱き込まれてくるためで、上記方法では、不活性ガスによる押出機内の置換は不十分と推測される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−3589号公報
【特許文献2】
特開2002−3589号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な現状に鑑み、上記の問題点のない、即ち、押出機内での溶融滞留による着色を抑え、かつ色調に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭利検討した結果、押出機を用いて、ポリトリメチレンテレフタレートを改質する際に、予めポリトリメチレンテレフタレート及び改良材を供給する設備を不活性ガスで置換すると共に、ポリトリメチレンテレフタレート及び改良材それぞれの供給量(体積量)以上の不活性ガスを連続的に該設備に供給しながら製造することで、滞留による着色を抑え、かつ色調に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂を得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.押出機を用いて、ポリトリメチレンテレフタレートを改質するにあたり、予めポリトリメチレンテレフタレート及び改良材を供給する設備を不活性ガスで置換すると共に、ポリトリメチレンテレフタレート及び改良材それぞれの供給量(体積量)以上の不活性ガスを連続的に該設備に供給しながら製造することを特徴とする、ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
2.該不活性ガスが、窒素ガスであることを特徴とする上記1に記載の製造方法。
3.該押出機のダイスより排出される改質されたポリトリメチレンテレフタレートの樹脂温度が、240〜350℃であることを特徴とする上記1または2に記載の製造方法。
【0008】
4.該押出機が、ベント付き2軸押出機であり、L/D=20〜60であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
5.上記1〜4のいずれかに記載の方法によって得られた改質ポリトリメチレンテレフタレート。
6.該改質ポリトリメチレンテレフタレートが、さらに強化材を配合してなることを特徴とする上記5に記載の改質ポリトリメチレンテレフタレート。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して具体的に説明する。
まず、本発明のポリトリメチレンテレフタレートについて詳述する。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称することがある)とは、酸成分には主としてテレフタル酸を用い、グリコール成分には主としてトリメチレングリコールからなるポリエステルポリマーである。
【0011】
テレフタル酸以外の酸成分として、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸が例示される。テレフタル酸成分は、酸成分の80モル%以上である。
【0012】
本発明においてトリメチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、あるいはこれらの混合物の中から選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特に好ましく、グリコール成分の80モル%以上である。
他のグリコール成分としてはエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノンなどが例示される。
【0013】
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。
更に、PTTはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
【0014】
本発明のPTTは、その極限粘度[η]が0.60以上であることが機械特性の面から好ましく、[η]が0.70以上であることがより好ましく、[η]が0.80以上であることが最も好ましい。
極限粘度[η]についてはオストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式により求めることが出来る。
[η]=lim(ηsp/C) C→0
【0015】
本発明に用いられるPTTの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開昭51−140992号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−311177号公報等に記載されている方法によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0016】
次に本発明の製造方法において用いる押出機には、単軸あるいは2軸押出機が用いられるが、ベント付き2軸押出機が好ましく、その混練性能を高めるために少なくともニーディングディスク及び/又はローターディスクが装着されていることが好ましい。ニーディングディスクとは、略楕円形のディスクを数枚、一定の位相でずらしながら組み合わせた混練用のスクリューセグメントであり、スクリューの回転にともなってPTT樹脂を細いクリアランスへ通すことで極めて高い剪断力を付与することができる。
【0017】
一方、ローターディスクとは、多角形の稜線を回転軸に対して一定の角度でねじってあるスクリューセグメントであり、クリアランスがセグメントの全位置で一定であるという特徴がある。スクリュー軸に対する稜線のねじりの向きに順送りと逆送りのセグメントがあり、これらを組み合わせることで、高い剪断力を均質に付与することができる。
ニーディングセグメント及び/又はローターディスクは、所望の添加剤や強化材などの分散及び固有粘度等のPTT樹脂物性の目標により、適切に選ぶことができ、その範囲に特に制限はないが、装着数をディスク又はセグメント長(L)とスクリュー径(D)との比L/Dで表したとき、ニーディングディスク及びローターディスクの装着量はそれぞれ、L/D=2〜60の範囲が好ましく、より好ましくはL/D=10〜50の範囲である。L/Dが、該範囲にあるときに十分な混練効果を発揮できる。
【0018】
また、押出機内の温度は、供給するポリトリメチレンテレフタレートの融点より10℃以上高い温度に設定することが好ましいが、特に押出機ダイスより排出されるPTT樹脂温度を240〜350℃に制御することが好ましい。より好ましくは、260〜330℃である。充分な混練及び安定した運転を考慮すると樹脂温度は240℃以上が好ましく、また、樹脂の分解を考慮すると樹脂温度は350℃以下が好ましい。
【0019】
また、ポリトリメチレンテレフタレート及び/又は改良材が溶融混合している領域において、一箇所以上のベント孔を設けるのが好ましく、真空ポンプ、スチームエジェクター等を用いて減圧下にすることが好ましい。通常は10kPa以下、好ましくは5kPa以下、更に好ましくは1kPa以下であり、PTT及び改良材の供給時に持ち込まれる不活性ガス、あるいは極少量生成する副反応物であるアリルアルコール、アクロレイン等を留去することが好ましい。
【0020】
さらに、押出機内での平均滞留時間は0.1〜30分であり、0.2〜15分であることが好ましく、特に、0.3〜10分がより好ましい。押出機のスクリューの回転数は、20〜500rpm程度に設定すればよく、好ましくは50〜300rpmである。押出機として2軸型の押出機を用いる場合には、2軸の回転方向は同一方向でも逆方向でもよいが、同一方向の回転とした方が熱劣化を抑える観点から好ましい。
【0021】
上記押出機を用いて、PTTの改質を行う際、予めPTT及び改良材の供給設備には、不活性ガスで系内を置換させておく必要がある。ここでいう供給設備とは、PTT及び改良材の投入ホッパー、切り替えホッパー、計量フィーダー、各設備をつなぐ配管などが含まれる。置換に必要な不活性ガスの量としては、該供給設備の総容積の少なくとも1倍以上とし、3倍以上とするのがより好ましい。
さらに、PTTおよび改良材を押出機に供給する間、継続的に不活性ガスを該供給設備に供給する必要がある。不活性ガスの供給量としては、PTT、改良材各々の供給量(体積量)以上とする必要がある。
【0022】
不活性ガスの供給方法については、特に制限はなく、PTTまたは改良材と向流接触となるように供給するのが好ましい。供給口も2箇所以上設けることが好ましく、不活性ガスの排出口を設けることも好ましい。
不活性ガスの具体例としては、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガスなど挙げられ、これらは単独でも2種類以上を併用しても構わないが、経済性の観点から窒素ガスが好ましい。
【0023】
PTTの着色についてのメカニズムについては、詳細は不明だが、熱劣化および酸化劣化が関与していると思われる。押出機内で溶融混練する際に、微量の酸素が存在すると着色しやすくなると考えられる。押出機内の混入空気を防ぐには、押出機内に直接不活性ガスなどを供給するよりも、原材料からの持込み酸素を防ぐことがより効果的である。特に、ガラスファイバーなどによる改良を試みる場合、押出機内の樹脂温度が上がりやすいため、ガラスファイバーからの持ち込み酸素を減少することが非常に効果的である。
【0024】
また、PTTの改良には強化剤を添加するなど様々な目的や手法があるが、例えば、PTTの熱安定性向上を目的とした、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニ]−4,4‘−ジイルビスホスフォナイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどの熱安定剤、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]などの酸化防止剤などを配合する方法、光安定性向上を目的とした、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールや2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールやオクタベンゾンなどの各種紫外線吸収剤などを配合する方法、成形加工性向上を目的とした、タルクや窒化ホウ素や脂肪酸金属塩(モンタン酸Naやモンタン酸Ca)などの核剤、脂肪酸(ステアリン酸など)や脂肪酸エステルやワックスなどの滑剤などを配合する方法などが挙げられる。
【0025】
また、着色を目的とした、カーボンブラックやアルミ粉などの顔料、フタロシアニンなどの染料などを配合する方法、機械的特性向上を目的とした、ガラスファイバー、カーボンファイバー、タルク、ウオラストナイト、ハイドロタルサイトなどの無機フィラーなどを配合する方法、難燃性付与を目的とした、臭素化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、ポリリン酸メラミンや赤燐などの非ハロゲン系難燃剤などを配合する方法、耐衝撃性や耐熱性向上などを目的とした、ポリカーボネート樹脂やABS樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリエステルポリエーテルエラストマーなどのエラストマーなどを配合する方法などが挙げられる。
特に、ガラスファイバーなどの無機フィラーを用いた改良の場合、樹脂温度が高くなり、着色が起こりやすく、本発明の効果が顕著となる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものではない。
なお実施例中に用いた、ポリトリメチレンテレフタレート、不活性ガス、ガラスファイバーおよび主な評価方法は以下の通りである。
(1)ポリトリメチレンテレフタレート
a−1:極限粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレート 比重1.35
(2)不活性ガス
b−1:窒素ガス
(3)ガラスファイバー
c−1:日本電気硝子社(株)製。 03T−187/PL 比重2.05
(4)極限粘度[η]
オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式により求めた。
[η]=lim(ηsp/C) C→0
(5)色調(b値)
色差計(日本電色工業社製 ND−Σ80型)を用いて測定した。
【0027】
【実施例1】
極限粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレートを105kg/hrで、安定剤としてIRGAFOS P−EPQをPTTに対して0.2重量部、結晶核剤としてモンタン酸NaをPTTに対して0.1重量部となるよう配合し、スクリュー径58mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(東芝機械(株)社製TEM−58BS)に供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練し、ペレット化した。その際、図1に示すように、PTT供給設備(図1における、窒素フィード▲1▼、▲2▼、▲4▼より実施)、安定剤および結晶核剤供給設備(図1における、窒素フィード▲3▼より実施)およびガラス繊維供給設備(図2における、窒素フィード▲5▼、▲6▼より実施)を予め窒素ガスで置換した。置換に用いた窒素ガス量は、該供給設備の容量の5倍量とし、運転中は、PTT供給設備(図1における、窒素フィード▲1▼、▲2▼、▲4▼)には、それぞれ300L/hrで、安定剤および結晶核剤供給設備(図1における、窒素フィード▲3▼)には、50L/hrで、窒素ガスを連続供給した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は267℃であり、押出機内の平均滞留時間は56秒であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0028】
【実施例2】
極限粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレートを105kg/hrで、安定剤としてIRGAFOS P−EPQをPTTに対して0.2重量部となるよう配合し、スクリュー径58mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(東芝機械(株)社製TEM−58BS)に供給した。また改良として、サイドよりガラスファイバー03T−187/PLを45kg/hrでフィードし、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練し、ペレット化した。その際、図1に示すように、PTT供給設備(図1における、窒素フィード▲1▼、▲2▼、▲4▼より実施)、安定剤供給設備(図1における、窒素フィード▲3▼より実施)およびガラス繊維供給設備(図2における、窒素フィード▲5▼、▲6▼より実施)を予め窒素ガスで置換した。
【0029】
置換に用いた窒素ガス量は、該供給設備の容量の5倍量とし、運転中は、PTT供給設備(図1における、窒素フィード▲1▼、▲2▼、▲4▼)には、それぞれ200L/hrで、安定剤供給設備(図1における、窒素フィード▲3▼)には、50L/hrで、ガラス繊維供給設備(図2における、窒素フィード▲5▼、▲6▼)には、それぞれ100L/hrで窒素ガスを連続供給した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は281℃であり、押出機内の平均滞留時間は54秒であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【実施例3〜5】
運転条件および供給量を表1に示すように変更し、実施例1および2と同様の装置を用いてペレット化した。各評価の結果を表1および表2に示す。
【0031】
【比較例1】
実施例1において、PTT供給設備、安定剤および結晶核剤供給設備の窒素ガスでの置換を実施しないで行った。さらに運転中も、PTT供給設備、安定剤および結晶核剤供給設備には、窒素ガスを連続供給することなく、実施例1と同様な操作を行い、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は266℃であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表2に示す。
【0032】
【比較例2】
実施例2において、PTT供給設備、安定剤供給設備およびガラス繊維供給設備の窒素ガスでの置換を実施しないで行った。さらに運転中も、PTT供給設備、安定剤供給設備およびガラス繊維供給設備には、窒素ガスを連続供給することなく、実施例2と同様な操作を行い、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は280℃であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表2に示す。
【0033】
【比較例3】
比較例1において、運転中に、該二軸押出機の溶融混練ゾーン(図1における、窒素フィード▲7▼)に直接窒素ガスを100L/hrを連続供給した以外は、同様な操作を行い、各評価を行った。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度はそれぞれ281℃であった。同様に評価結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 2004307552
【0035】
【表2】
Figure 2004307552
【0036】
【発明の効果】
本発明のポリトリメチレンテレフタレートに関する製造方法は、押出機内での滞留による劣化を抑制するとともに、色調に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を提供できる。さらには、本発明の製造方法で得られた改質ポリトリメチレンテレフタレートは、衣料用繊維、工業用繊維、フィルム、樹脂、その他の成形品用の素材として広く利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1等で使用した改質ポリトリメチレンテレフタレートを得る装置の概念図の例である。
【図2】実施例2等で使用したガラス繊維を供給する装置概念図の一例である。

Claims (6)

  1. 押出機を用いてポリトリメチレンテレフタレートを改質するにあたり、予めポリトリメチレンテレフタレート及び改良材を供給する設備を不活性ガスで置換すると共に、ポリトリメチレンテレフタレート及び改良材それぞれの供給量(体積量)以上の不活性ガスを連続的に該設備に供給しながら製造することを特徴とする、ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 該不活性ガスが、窒素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 該押出機のダイスより排出される改質されたポリトリメチレンテレフタレートの樹脂温度が、240〜350℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 該押出機が、ベント付き2軸押出機であり、L/D=20〜60であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって得られた改質ポリトリメチレンテレフタレート。
  6. 該改質ポリトリメチレンテレフタレートが、さらに強化材を配合してなることを特徴とする請求項5に記載の改質ポリトリメチレンテレフタレート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014079999A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 原料供給装置及びそれを用いた樹脂組成物の製造装置、並びに樹脂組成物の製造方法

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