JP4610165B2 - ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法とその樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出機を用いて、ポリトリメチレンテレフタレートを改質するにあたり、押出機内での滞留による樹脂劣化を抑え、色調に優れたポリトリメチレンテレフタレートを供給する製造方法およびその改質ポリトリメチレンテレフタレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称することがある。)やポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略称することがある。)に代表される熱可塑性ポリエステルは、多くの優れた特性を有しているため、衣料用繊維、工業用繊維、フィルム、樹脂、その他の成形品用の素材として広く利用されている。一方で、PETやPBTは、加水分解しやすく、溶融する前には「絶乾」といわれる極微量水分率まで乾燥する必要がある。
【0003】
また、添加剤、強化材、他の熱可塑性樹脂などによるポリトリメチレンテレフタレートの改質に、押出機を用いることは既に公知である。(例えば特許文献1〜2参照)
また、製糸性および色調の改良を目的に、ベント付き押出機を用いてポリトリメチレンテレフタレートの改質を行っている例もあるが、ポリトリメチレンテレフタレートの含有する水分率については開示されておらず、効果として色調の改良はある程度みられるものの、押出機での溶融滞留による粘度低下の抑制については、満足できるものではない。(例えば特許文献3参照)
さらに、押出機による溶融混練前に乾燥を実施している例もあるが、該方法ではポリマー色調および樹脂の粘度低下の抑制ともに不十分である。(例えば特許文献4参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2002−3589号公報
【特許文献2】
特開2002−47397号公報
【特許文献3】
特開2002−3589号公報
【特許文献4】
特開2002−47397号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な現状に鑑み、上記の問題点のない、即ち、押出機内での滞留による樹脂劣化を抑え、かつ色調に優れたポリトリメチレンテレフタレートの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭利検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレートに沸点が30〜200℃の有機及び/又は無機溶媒を0.02〜5wt%含有した状態で押出機に供給し溶融混練することによって、押出機内での滞留による樹脂劣化を抑え、かつ色調に優れた改質ポリトリメチレンテレフタレートを得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.沸点が30〜200℃のアルコール類及び/又は水を0.01〜5wt%含有するポリトリメチレンテレフタレートを押出機に供給し、溶融混練することを特徴とする改質ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
2.該押出機に供給するポリトリメチレンテレフタレートが含有する、沸点が30〜200℃のアルコール類及び/又は水が、0.02〜3wt%であることを特徴とする上記1に記載の製造方法。
3.該押出機のダイスより排出される該ポリトリメチレンテレフタレートの樹脂温度を、240〜350℃に制御することを特徴とする、上記1又は2に記載の製造方法。
【0008】
4.該押出機がベント付き2軸押出機であり、L/D=20〜60であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して具体的に説明する。
まず、本発明のポリトリメチレンテレフタレートについて詳述する。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称することがある。)とは、酸成分には主としてテレフタル酸を用い、グリコール成分には主としてトリメチレングリコールからなるポリエステルポリマーである。
【0010】
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸が例示される。テレフタル酸成分は、酸成分の80モル%以上である。
【0011】
本発明においてトリメチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、あるいはこれらの混合物の中から選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特に好ましく、グリコール成分の80モル%以上である。
他のグリコール成分としてはエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノンなどが例示される。
【0012】
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。
更に、PTTはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
【0013】
本発明のPTTは、その極限粘度[η]が0.60以上であることが機械特性の面から好ましく、[η]が0.70以上であることがより好ましく、[η]が0.80以上であることが最も好ましい。
極限粘度[η]についてはオストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式により求めることが出来る。
[η]=lim(ηsp/C) C→0
【0014】
本発明に用いられるPTTの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開昭51−140992号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−311177号公報等に記載されている方法によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0015】
次に本発明の製造方法において用いる押出機には、単軸あるいは2軸押出機が用いられるが、ベント付き2軸押出機が好ましく、混練性能を高めるために少なくともニーディングディスク及び/又はローターディスクが装着されていることが好ましい。ニーディングディスクとは、略楕円形のディスクを数枚、一定の位相でずらしながら組み合わせた混練用のスクリューセグメントであり、スクリューの回転にともなってPTTを細いクリアランスへ通すことで極めて高い剪断力を付与することができる。
【0016】
一方、ローターディスクとは、多角形の稜線を回転軸に対して一定の角度でねじってあるスクリューセグメントであり、クリアランスがセグメントの全位置で一定であるという特徴がある。スクリュー軸に対する稜線のねじりの向きに順送りと逆送りのセグメントがあり、これらを組み合わせることで、高い剪断力を均質に付与することができる。
ニーディングセグメント及び/又はローターディスクは、所望の添加剤や強化材などの分散及び固有粘度等のPTT樹脂物性の目標により、適切に選ぶことができ、その範囲に特に制限はないが、装着数をディスク又はセグメント長(L)とスクリュー径(D)との比L/Dで表したとき、ニーディングディスク及びローターディスクの装着量はそれぞれ、L/D=2〜60の範囲が好ましく、より好ましくはL/D=10〜50の範囲である。L/Dが上記の範囲にあるときが、十分な混練効果を発揮できる。
【0017】
また、押出機内の温度は供給するポリトリメチレンテレフタレートの融点より10℃以上高い温度に設定することが好ましいが、特に押出機ダイスより排出されるPTT樹脂温度を240〜350℃に制御することが好ましい。より好ましくは、260〜330℃である。充分な混練及び安定した運転を考慮にいれると樹脂温度が240℃以上であることが好ましく、また樹脂の分解を考慮すると350℃以下であることが好ましい。
【0018】
また、ポリトリメチレンテレフタレート及び/又は改質材が溶融混合している領域において、一箇所以上のベント孔を設けるのが好ましく、真空ポンプ、スチームエジェクター等を用いて減圧下にすることが好ましい。通常は10kPa以下、好ましくは5kPa以下、更に好ましくは1kPa以下であり、PTTの溶融時に発生する有機及び/又は無機の蒸気、あるいは極少量生成する副反応物であるアリルアルコール、アクロレイン等を留去することが好ましい。
【0019】
さらに、押出機内での平均滞留時間は0.1〜30分であり、0.2〜15分であることが好ましく、特に、0.3〜10分がより好ましい。押出機のスクリューの回転数は、20〜500rpm程度に設定すればよく、好ましくは50〜300rpmである。押出機として2軸型の押出機を用いる場合には、2軸の回転方向は同一方向でも逆方向でもよいが、同一方向の回転とした方が熱劣化を抑える観点から好ましい。
【0020】
上記押出機を用いて、PTTの改質を行う際、供給するPTTには、沸点が30〜200℃の有機及び/又は無機の溶媒を、0.01〜5wt%含有させることが必要である。好ましくは沸点が50〜150℃の有機及び/又は無機の溶媒であり、含有量については、好ましくは0.02〜3wt%、より好ましくは0.05〜1.0wt%である。
有機及び/又は無機溶媒の沸点は、溶媒の取り扱いを考慮すると30℃以上が好ましく、樹脂中に残存し品質上問題が起こることを考慮すると200℃以内が好ましい。また、該溶媒の含有量は、本発明の効果を考慮すると、0.01wt%以上が好ましく、押出機内での蒸発ガス量が多くなりバックフローによって安定押出しが困難となることを考慮すると5wt%以内が好ましい。
【0021】
有機及び/又は無機溶媒の添加方法については、特に制限はなく、予めPTTと所定量混合した後に押出機へ供給してもよく、また、該溶媒とPTTを別フィードで供給してもよい。別フィードの場合の添加位置についても、PTT供給口あるいは、PTT供給口からベント孔の間が好ましい。
有機溶媒の具体例としては、メタノールやエタノールなどのアルコール類、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミンなどのアミン類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類、などが挙げられる。
【0022】
無機溶媒の具体例としては、水、酸またはアルカリ水溶液などが挙げられるが、当然、有機溶媒と無機溶媒の混合でもよく、トリエチルアミン水溶液やアンモニア水溶液なども本発明の溶媒に含まれる。
好ましい溶媒としては、メタノールやエタノールなどのアルコール類、トリエチルアミン水溶液やアンモニア水溶液、水が挙げられるが、中でもベント孔より排出される溶媒蒸気の回収のしやすさから、水がより好ましい。
溶媒が本発明の効果に与えるメカニズムについては、詳細は不明だが、溶媒が押出機内で蒸発する際に、押出機内の混入空気をより強制排出することで、樹脂の着色や酸化劣化を抑制することが考えられる。さらに、PTTの残留重合触媒を失活する働きがあると考えられる。
【0023】
また、PTTの改良には様々な目的や手法があるが、強化剤等を添加する方法が挙げられる。例えば、PTTの熱安定性向上を目的とした、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニ]−4,4‘−ジイルビスホスフォナイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどの熱安定剤、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]などの酸化防止剤などを配合する方法、光安定性向上を目的とした、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールや2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールやオクタベンゾンなどの各種紫外線吸収剤などを配合する方法、成形加工性向上を目的とした、タルクや窒化ホウ素や脂肪酸金属塩(モンタン酸Naやモンタン酸Ca)などの核剤、脂肪酸(ステアリン酸など)や脂肪酸エステルやワックスなどの滑剤などを配合する方法、着色を目的とした、カーボンブラックやアルミ粉などの顔料、フタロシアニンなどの染料などを配合する方法、機械的特性向上を目的とした、ガラスファイバー、カーボンファイバー、タルク、ウオラストナイト、ハイドロタルサイトなどの無機フィラーなどを配合する方法、難燃性付与を目的とした、臭素化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、ポリリン酸メラミンや赤燐などの非ハロゲン系難燃剤などを配合する方法、耐衝撃性や耐熱性向上などを目的とした、ポリカーボネート樹脂やABS樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリエステルポリエーテルエラストマーなどのエラストマーなどを配合する方法が挙げられる。
特に、ガラスファイバーなどの無機フィラーを用いた改質の場合、樹脂温度が高くなり、滞留劣化や着色が起こりやすく、本発明の効果が顕著となる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものではない。
なお実施例中に用いた、ポリトリメチレンテレフタレート、有機及び無機溶媒、改良材及び主な評価方法は以下の通りである。
(1)ポリトリメチレンテレフタレート
a−1:極限粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレート
a−2:極限粘度1.0のポリブチレンテレフタレート
(2)溶媒
b−1:無機溶媒として、イオン交換水
b−2:有機溶媒として、エタノール
【0025】
(3)改良材
c−1:モンタン酸Na(クラリアントジャパン社(株)製。Licomont NaV101)
c−2:ガラス繊維(日本電気硝子社(株)製。03T−187/PL)
c−3:臭素化ポリスチレン(フェロ社(株)製。パイロチェック68PB−LM)
【0026】
(4)極限粘度[η]
オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式により求めた。
[η]=lim(ηsp/C) C→0
(5)水分率[%]
カールフィッシャー法により求めた。
(6)色調(b値)
色差計(日本電色工業社製 ND−Σ80型)を用いて測定した。
【0027】
【実施例1】
極限粘度1.0のポリトリメチレンテレフタレートを120℃、5hrで乾燥を行った。乾燥後のPTTペレット中の水分率は、0.005wt%であった。上記乾燥PTTペレットを150kg/hr、結晶核剤としてモンタン酸Naを0.15kg/hrで、スクリュー径58mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(東芝機械(株)社製TEM−58BS)に供給した。また同時に、液添ポンプにて、イオン交換水を150g/hrで、PTT供給口に供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は267℃であり、押出機内の平均滞留時間は56秒であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0028】
【実施例2】
実施例1で使用した乾燥PTTペレットを105kg/hrで、ベント付き二軸押出機に供給した。また同時に、液添ポンプにて、イオン交換水を105g/hrで、PTT供給口に供給した。さらに改質としてサイドよりガラスファイバー03T−187/PLを45kg/hrでフィードし、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は281℃であり、押出機内の平均滞留時間は54秒であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【実施例3および4】
実施例1において、イオン交換水の添加量を変更した以外は、同様な操作を行い、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【実施例5】
実施例1における乾燥PTTペレットを、23℃RH50%の雰囲気中に7日間放置し、水分率を測定し0.15wt%であった該PTTペレットを105kg/hrで、上記押出機に供給した。また、液添微量ポンプでの、イオン交換水の供給は実施しなかった。さらに改良としてサイドよりガラスファイバー03T−187/PLを45kg/hrでフィードし、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は280℃であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表2に示す。
【0031】
【実施例6および7】
実施例5における水分率0.15wt%のPTTペレットを用いて、運転条件を変更して実施例5と同様な操作を行い、各評価を行った。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度はそれぞれ307、322℃であり、押出機内の平均滞留時間はそれぞれ37秒と29秒であった。その結果を表2に示す。
【0032】
【実施例8】
実施例5における水分率0.15wt%のPTTペレットを用いて、改質材として更に、臭素化ポリスチレンを追加し、実施例5と同様な操作を行い、各評価を行った。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度はそれぞれ277℃であり、押出機内の平均滞留時間はそれぞれ59秒であった。その結果を表2に示す。
【0033】
【実施例9】
実施例1における乾燥後PTTペレットを、23℃RH90%の雰囲気中に15日間放置し、水分率を測定し0.23wt%であった該PTTペレットを用いて、実施例5と同様な操作を行い、各評価を行った。その結果を表3に示す。
【0034】
【実施例10】
実施例2において、イオン交換水をエタノールに変更し、105g/hrで供給した以外は実施例2と同様な操作を行い、各評価を行った。その結果を表3に示す。
【0035】
【比較例1】
実施例1における乾燥PTTペレットを、そのまま150kg/hr、結晶核剤としてモンタン酸Naを0.15kg/hrで、上記押出機に供給した。また、液添微量ポンプでの、イオン交換水の供給は実施しなかった。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は269℃であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表4に示す。
【0036】
【比較例2】
実施例2における乾燥PTTペレットを、そのまま105kg/hrで、上記押出機に供給した。また、液添微量ポンプでの、イオン交換水の供給は実施しなかった。さらに改質としてサイドよりガラスファイバー03T−187/PLを45kg/hrでフィードし、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練、ペレット化した。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度は282℃であった。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表4に示す。
【0037】
【比較例3および4】
比較例1において、運転条件を変更した以外は、同様な操作を行い、各評価を行った。このとき、押出し機ダイスより排出されるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の樹脂温度はそれぞれ306、321℃であり、押出機内の平均滞留時間はそれぞれ37秒と29秒であった。その結果を表1に示す。その結果を表4に示す。
【0038】
【比較例5】
実施例2において、イオン交換水の添加量を7300g/hrに変更した以外は、同様な操作を行ったが、スクリューモーターの変動が激しく、安定運転ができなかった。そのため評価を断念した。
【0039】
【比較例6】
実施例2において、PTTをPBTに変更した以外は、同様な操作を行い、各評価を行った。その結果を表5に示す。なお、120℃、5hr乾燥後のPBTの水分率は、0.005%であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリトリメチレンテレフタレートに関する製造方法は、押出機内での滞留による劣化を抑制するとともに、色調に優れたポリトリメチレンテレフタレートを提供できる。さらには、本発明の製造方法で得られた改質ポリトリメチレンテレフタレートは、衣料用繊維、工業用繊維、フィルム、樹脂、その他の成形品用の素材として広く利用される。
Claims (4)
- 沸点が30〜200℃のアルコール類及び/又は水を0.01〜5wt%含有するポリトリメチレンテレフタレートを押出機に供給し、溶融混練することを特徴とする改質ポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
- 該押出機に供給するポリトリメチレンテレフタレートが含有する、沸点が30〜200℃のアルコール類及び/又は水の量が0.02〜3wt%であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 該押出機のダイスより排出される該ポリトリメチレンテレフタレートの樹脂温度を、240〜350℃に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 該押出機がベント付き2軸押出機であり、L/D=20〜60であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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