JP2005238477A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂に液状の添加剤を、連続して安定に添加し、充分量の添加剤が配合された熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂に液状の添加剤を配合した組成物を製造する方法において、少なくとも2つ以上の原料供給口を有する二軸押出機の上流の第1供給口から熱可塑性樹脂を供給し、それより下流の第2供給口から液状の添加剤を供給し、その際、液状添加剤の供給口の上流及び下流に、夫々、少なくとも1つの樹脂の充満領域2,4を設け、その間の樹脂の不完全充満領域3に液状の添加剤を供給する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂に液状の添加物を配合した樹脂組成物の製造方法に関する。詳しくは、液状の添加物を連続的に、安定して、所定量配合した熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
熱可塑性ポリエステル樹脂は機械的性質、電気的性質その他の物理的、化学的特性に優れ、かつ、加工性が良好であるため、エンジニアリングプラスチックとして、自動車、電気・電子機器の部品等の材料として広く使用されている。しかして、融点以上の耐熱性を必要とされる分野で使用出来れば、更に用途を広げることが可能である。
熱可塑性ポリエステル樹脂の耐熱性を改良するための試みは既に知られている。特許文献1には、飽和線状芳香族ポリエステルに、置換又は非置換のアリル基を2個以上有するポリアリル化合物を配合して架橋させた組成物は、極限粘度が増加し、耐熱性、機械的特性等が向上することが記載されている。また、特許文献2には、融点が225℃のポリブチレンテレフタレートにトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等を架橋助剤として配合し、電子線照射して架橋することにより、260℃のハンダ浴に1分間浸漬後も形状を保持し得ることが開示されている。
特許文献2では、樹脂100重量部に架橋助剤を5部以上配合しているが、その配合方法に関しては具体的に記載されていない。しかして、トリアリルイソシアヌレート(融点24〜26℃)、トリアリルシアヌレート(融点26〜27℃)等は室温近傍に融点があるため、固体状態で樹脂に混合して押出機に供給しても、押出機の熱により架橋助剤が溶融し、液垂れし、均一な配合が出来なくなるばかりでなく、供給そのものが困難になる。また、架橋助剤を溶融して液状で添加する場合は、架橋効果を奏するに十分な量の液状添加物を押出機供給口にフィードしても、スクリューを逆流してスクリューの根元からしみだし、所定量の配合が困難となるばかりでなく、定常の押出状態を維持することが困難となり、トルクが変動し、押出が不安定になる。
特開昭54-77661号公報 特開昭57−212216号公報
本発明はかかる現状に鑑みなされたものであって、その目的は、熱可塑性樹脂に液状の添加剤を、連続して、安定に添加し、充分量の添加剤を配合し得る熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、二軸押出機を使用し、そのスクリュー構成を調整して、樹脂の充満領域と樹脂が完全には充満していない領域を特定の位置に配置することにより解決し得ることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、熱可塑性樹脂に液状の添加剤を配合した組成物を製造する方法において、少なくとも2つ以上の原料供給口を有する二軸押出機の上流の供給口から熱可塑性樹脂を供給し、それより下流の供給口から液状の添加剤を供給し、その際、液状添加剤の供給口の上流及び下流に、夫々、少なくとも1つの樹脂の充満領域を設け、その間の樹脂の不完全充満領域に液状の添加剤を供給することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
本発明方法によれば、熱可塑性樹脂に液状添加剤を、連続的に安定して添加することが出来るので、比較的多量の液状添加剤を、略定量的に樹脂に配合した組成物を製造することが出来る。
以下本発明につき説明する。
本発明方法は熱可塑性樹脂に液状添加剤を配合した組成物の製造に広く適用することが出来る。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂に配合される液状添加剤も特に限定されるものではなく、配合量が比較的多量の場合、例えば、樹脂100重量部に対し1重量部以上、好ましくは、1〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部程度配合する場合に適用すると、特に本発明の効果が奏されるので好ましい。また通常、粘度が1〜10,000cps程度の液状添加剤に適用するのが好ましい。
本発明方法が好ましく適用される態様として、熱可塑性ポリエステル樹脂に液状の添加剤を配合する場合、就中、熱可塑性ポリエステル樹脂に液状の架橋助剤を配合する場合が挙げられる。以下、本発明の好ましい態様である熱可塑性ポリエステル樹脂に液状の架橋助剤を配合する場合を例に、本発明方法を詳細に説明する。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸又はその誘導体とジオールを反応させて得られる樹脂である。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸誘導体としては、これらのジカルボン酸のメチルエステル等の低級アルキルエステルが挙げられる。これらのジカルボン酸又はその誘導体は、単独で用いても、或いは2種以上を併用してもよい。
ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオールが挙げられる。これらは単独で用いても或いは2種以上を併用しても良い。
本発明を適用するポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、特に、全ジカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸又はその誘導体であり、全ジオール成分の50モル%以上がテトラメチレングリコールであるポリブチレンテレフタレートが好ましい。テレフタル酸又はその誘導体は、全ジカルボン酸成分の80モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることが更に好ましい。また、テトラメチレングリコールが、全ジオール成分の80モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることが更に好ましい。
芳香族ポリエステル樹脂は、通常、固有粘度が、0.5〜3であることが好ましい。なお、本明細書において、固有粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒中、温度30℃で測定した値である。固有粘度が0.5より小さいと、機械的特性が不十分となり易く、一方、3より大きいと、成形加工が困難になる。粘度の異なる樹脂を2種以上混合して用いても良い。
熱可塑性ポリエステル樹脂に配合される架橋助剤としては、ジエチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート系、エチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート系、トリメチロールエタントリアクリレート等のトリアクリレート系、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレート等のポリアリル系、これらのプレポリマー等、種々挙げられる。本発明方法が好ましく適用されるのは、これらの中、液状乃至は常温近傍の融点を有するものである。特に好ましくは、トリアリルイソシアヌレート(融点24〜26℃)、トリアリルシアヌレート(融点26〜27℃)あるいはこれらのプレポリマーである。
架橋助剤の配合量は、使用する架橋剤によっても異なり、特に限定されるものではないが、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートの場合は、通常、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは2.5〜12重量%程度である。
架橋助剤の配合には二軸押出機が使用される。使用される二軸押出機は、少なくとも2つ以上の原料供給口を有する二軸押出機であれば各種のものを使用することが出来る。スクリューの回転は、同一方向でも、異方向のものでも良いが、同方向噛み合い型二軸押出機が好ましい。原料の供給口は少なくとも2つ以上あることが必要であり、混練装置根元に近い方(上流)から順次、第1供給口、第2供給口とする。
上流の供給口から、主原料である熱可塑性ポリエステル樹脂を供給し、それより下流の供給口から、液状の架橋助剤を液体供給ポンプ等を用いて、添加或いは注入する。トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等の室温近傍の融点を有する架橋助剤は加熱溶融して液化して使用される。この時、押出機のスクリュー構成に、逆のニーディングディスク又は逆ネジ構造のスクリュー等を組み合わせることにより、液状架橋助剤供給口の上流及び下流に、夫々少なくとも1つの樹脂の充満領域を設け、その間の樹脂が完全には充満しない領域に液状架橋助剤が供給されるようにする。
本発明方法により、液状添加剤の供給位置の上流及び下流に樹脂の充満領域を設けることにより、液状添加剤が、上流、下流に流れ出すことが防止され、また、樹脂の充満領域の間の樹脂が完全には充満していない領域の液状添加剤の濃度を高めることが出来るので、順のニーディングや順ネジのスクリュー回転による剪断により、液状添加剤が樹脂中に容易に分散することが可能となり、混練操作を連続的に安定して実施することが出来ると共に、添加された液状添加剤を損失することなく、略定量的に樹脂中に配合することが出来る。
押出機には、更に供給口や減圧或いは大気に開放されたベント口を設けても良い。但し、ポリエステル樹脂に液状の架橋助剤を配合する場合、ダイス前に高い減圧度のベント口を設けると、架橋助剤が揮発して所定量の架橋助剤の配合が困難となる。従って、好ましい減圧度は、大気圧に対して0〜−0.8MPaであり、より好ましくは0〜−0.04MPaである。バレルとダイスの設定温度は、熱可塑性樹脂の融点より高い温度、例えばポリブチレンテレフタレートの場合は、230℃〜300℃、好ましくは240℃〜280℃である。スクリューの回転数は通常、100〜700rpm、好ましくは、150〜600rpmの範囲から選ばれる。
また、本発明方法が適用される熱可塑性樹脂組成物には、必要あれば、強化充填材を添加することが出来る。強化充填材としては、繊維状、板状、粒状或いはこれらの混合物等の熱可塑性樹脂の充填材として知られる種々の充填材を使用することが出来る。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、セラミックスウイスカー、ワラストナイト等の繊維状充填材;ガラスフレーク、マイカ、タルク等の板状充填材;シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の粒状充填材が挙げられる。充填材の選定の基準は、樹脂組成物から形成される製品に要求される特性に依るが、機械的強度や剛性が必要な場合は繊維状充填材、特にガラス繊維が選定され、成形品の異方性及びソリの低減が要求される場合は板状充填材、特にマイカが好ましい。また、粒状充填材は、成形時の流動性も加味された全体的なバランスを考慮して選定される。
これらは、公知の技術にしたがって選定される。例えば、ガラス繊維は一般に樹脂強化用に使用されるもの、具体的には、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップトストランド)などが用いられ、繊維径は6〜13μmが一般的である。また、ガラス繊維は、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエステル等の収束剤や、シラン化合物、ボロン化合物等のカップリング剤その他の表面処理剤で処理して用いても良い。
これら充填材の供給位置は特に限定されるものではないが、例えばガラス繊維の場合は、液状添加剤供給口の下流に供給するのが好ましい。
また、本発明方法が適用される熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じ、上記以外の樹脂添加剤を配合することが出来る。かかる樹脂添加剤としては、特に限定されるものではなく、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤等の各種安定剤、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤、結晶化促進剤、紫外線吸収剤、染顔料等の着色剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃改良剤等が挙げられる。
更に必要あれば、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を配合することが出来る。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸エステル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて用いても良い。
樹脂添加剤或いは他の樹脂の供給位置は特に限定されるものではなく、最初の熱可塑性樹脂と同じ供給口から添加しても良いし、他の供給口から添加しても良い。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に制約されるものではない。
以下の例で使用した材料及び装置は、次の通りである。
(A)ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバデュラン5008」、固有粘度=0.85dl/g。
(B)架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート、日本化成(株)製。
(C)強化充填材:ガラス繊維、日本電気硝子(株)製、「T−187」、繊維径13μm。
(D)押出機:TEX30HSST、同方向噛み合い型二軸押出機、(株)日本製鋼所製。
[実施例1]
図1に示される構成の二軸押出機を使用した。二軸押出機は上流より順次第1、第2、第3の3つの供給口及びベントを有し、先端にダイスが設置されている。スクリュー構成(1)、(3)、(5)及び(7)は順ネジスクリュー部を示し、(2)、(4)及び(6)はニーディングディスク部を示す。順ネジスクリュー部は、長さ及びリードの異なる3種のスクリューを組み合わせて構成される。ニーディングディスク部(2)は、押出機上流より順ニーディングディスク10枚、直ニーディングディスク5枚、逆ニーディングディスク5枚で構成され、ニーディングディスク部(4)及び(6)は、夫々、順ニーディングディスク5枚、直ニーディングディスク5枚、逆ニーディングディスク5枚で構成される。この二軸押出機の第1供給口から、ポリブチレンテレフタレート樹脂を15kg/hr(75重量%)でフィードした。逆ニーディングディスクを配置した(2)、(4)、(6)の位置に、樹脂の充満領域が形成される。トリアリルイソシアヌレートを加温・溶融し、液体供給ポンプを用い、2kg/hr(10重量%)で、第2供給口より、樹脂の充満領域(2)および(4)の間の不完全な充満領域にフィードした。更に、第3供給口からガラス繊維を3kg/hr(15重量%)でフィードした。バレル設定温度は250℃、ダイスの設定温度は260℃、スクリューの回転数は200rpmで運転した。ベントは吸引せずに開放した。ダイスの先端より引き出されたストランドは水槽により冷却後、カッティングしぺレットを得た。
かくして、原料のフィード、押出には何の支障もなくペレットを得ることが出来た。押出機のトルクも17〜18アンペアと安定していた。得られたペレットを元素分析し、窒素の量から換算した組成物中のトリアリルイソシアヌレートの量は9.9重量%(対組成物重量)で、添加量の99%のトリアリルイソシアヌレートが残存していた。
[実施例2]
実施例1と同じ押出機を用いた。第1供給口からポリブチレンテレフタレートを16kg/hr(80重量%)でフィードした。トリアリルイソシアヌレートを加温・溶融し、液体供給ポンプにより1kg/hr(5重量%)で第2供給口よりフィードした。更に、ガラス繊維を3kg/hr(15重量%)で第3供給口から供給した。実施例1と同様に押出機を運転し、支障なくペレットを得た。押出機のトルクは18〜19アンペアと安定していた。ペレットを分析した結果、組成物中のトリアリルイソシアヌレート量は4.9重量%で、添加量の98%が残存していた。
[実施例3]
実施例1と同じ押出機を用いた。第1供給口からポリブチレンテレフタレートを14kg/hr(70重量%)でフィードした。トリアリルイソシアヌレートを加温・溶融し、液体供給ポンプにより3kg/hr(15重量%)で第2供給口よりフィードした。更に、ガラス繊維を3kg/hr(15重量%)で第3供給口から供給した。実施例1と同様に押出機を運転し、支障なくペレットを得た。押出機のトルクは16〜17アンペアと安定していた。ペレットを分析した結果、組成物中のトリアリルイソシアヌレート量は14.7重量%で、添加量の98%が残存していた。
[実施例4]
実施例1と同じ押出機を用いた。第1供給口からポリブチレンテレフタレートを18kg/hr(90重量%)でフィードした。トリアリルイソシアヌレートを加温・溶融し、液体供給ポンプにより2kg/hr(10重量%)で第2供給口よりフィードした。実施例1と同様に押出機を運転し、支障なくペレットを得た。押出機のトルクは15〜16アンペアと安定していた。ペレットを分析した結果、組成物中のトリアリルイソシアヌレート量は9.8重量%で、添加量の98%が残存していた。
[比較例1]
図2に示される構成の二軸押出機を使用した。図2において、スクリュー構成(8)、(10)及び(12)は順ネジスクリュー部を示し、(9)及び(11)はニーディングディスク部を示す。順ネジスクリュー部は、長さ及びリードの異なる3種のスクリューを組み合わせて構成されている。ニーディングディスク部(9)及び(11)は、夫々、押出機上流より順ニーディングディスク5枚、直ニーディングディスク5枚、逆ニーディングディスク5枚で構成され、樹脂の充満領域を形成している。図2の二軸押出機は、図1の押出機の(2)で示されるニーディングディスク部を、順ネジスクリューで構成し、第2供給口の上流側に樹脂の充満領域が形成されない構成になっている点が図1の押出機と異なっている。
二軸押出機の第1供給口から、ポリブチレンテレフタレート樹脂を15kg/hr(75重量%)でフィードし、続いてトリアリルイソシアヌレートを加温・溶融し、液体供給ポンプを用い、2kg/hr(10重量%)で、第2供給口よりフィードしたところ、液状のトリアリルイソシアヌレートがスクリューの根元まで逆流し、根元からしみ出ていた。更に第3供給口からガラス繊維を3kg/hr(15重量%)でフィードし、実施例1と同様に運転し、ペレットを得た。
押出機のトルクは15〜20アンペアと変動し、押出は不安定であった。得られたペレットを実施例1と同様に分析した結果、組成物中のトリアリルイソシアヌレートの量は6.2重量%で、添加量の62%しか残存していなかった。
[比較例2]
比較例1と同じ押出機を用いた以外は実施例2と同様に樹脂、添加剤、ガラス繊維を供給し、同様に運転したところ、比較例1と同様に液状のトリアリルイソシアヌレートがスクリューの根元まで逆流した。押出機のトルクは15〜20アンペアと変動し、押出は不安定であった。得られたペレットを分析した結果、組成物中のトリアリルイソシアヌレートの量は3.8重量%で、添加量の76%しか残存していなかった。
以上の結果を下記表−1に比較表示した。
Figure 2005238477
本発明方法によれば、熱可塑性ポリエステル樹脂に液状の架橋助剤を高濃度で効率的に添加し、更に架橋処理することにより、高耐熱性の樹脂材料を得ることが出来るので、高度の耐熱性を要求される電気・電子機器、自動車、機械等多くの分野の部品材料として有用な樹脂材料を提供することが出来る。更に、本発明は一般に、熱可塑性樹脂に比較的高濃度の液状添加剤を配合した樹脂組成物の製造に利用できる。
実施例で使用した押出機のバレル及びスクリュー構成を示す図。 比較例で使用した押出機のバレル及びスクリュー構成を示す図。
符号の説明
A;バレル。 B;スクリュー。
(1)、(3)、(5)、(7)、(8)、(10)、(12);順ねじスクリュー部。
(2)、(4)、(6)、(9)、(11);ニーディングディスク部。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂に液状の添加剤を配合した組成物を製造する方法において、少なくとも2つ以上の原料供給口を有する二軸押出機の上流の供給口から熱可塑性樹脂を供給し、それより下流の供給口から液状の添加剤を供給し、その際、液状添加剤の供給口の上流及び下流に、夫々、少なくとも1つの樹脂の充満領域を設け、その間の樹脂の不完全充満領域に液状の添加剤を供給することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂が、熱可塑性ポリエステル樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 液状の添加剤が架橋助剤である請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 架橋助剤がトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びそれらのプレポリマーから選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートである請求項2〜4の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂組成物が、樹脂100重量部に対し、液状の添加剤を1〜25重量部配合したものである請求項1〜5の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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