JP2004307048A - ディスペンサー付き二重容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外容器と内容器との分離や組み付けが容易にして、化粧料容器にも好適な外観に優れた容器にする。
【解決手段】フィルム3の下端部に円形の底板4を結合すると共に前記フィルム3の上端部に外周に雄ネジ6が刻設されたリング5を結合して内胴部材2を形成し、前記内胴部材2を充填口部材10の肩部11の下面に溶着して成るボトル状の内容器1と、前記充填口部材10の外面にアンダーカット結合により一体化され前記内容器1を閉塞するディスペンサー20と、開口部31の内面に前記雄ネジ6と螺合可能な雌ネジ32を刻設し前記内容器1を挿脱可能に収容する有底筒状の外容器30と、を有し、前記内容器1と前記外容器30が前記雄ネジ6と前記雌ネジ32の螺合により組み付けられる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流動物が充填される柔軟性の内容器と、該内容器を収納する外容器と、内容器を収縮させながら内容器内の流動性内容物を注出するディスペンサーを具備したディスペンサー付き二重容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この類のディスペンサー付き二重容器として、例えば、実開平5−75163号公報や特開2001−335087号公報に開示されたものが知られており、流動性内容物の保存と注出に好適にして、シャンプーやリンスのリフィル性容器として利用性が高いものである。
【0003】
これら従来の二重容器における外容器の部分は、容器本体と、この本体にネジ嵌合により外嵌する中央に貫通穴を有する蓋体との2部品で構成されている。そして、この外容器に収納される内容器は、その頚部を前記蓋体の貫通穴から突出し、頚部にディスペンサーを螺子嵌合することにより、内容器とディスペンサーとで蓋体を挟持し、外容器内において蓋体に懸垂状態に組み付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の二重容器を組み付けるには、流動性内容物が充填された内容器の頚部を蓋体の貫通穴を通して、該頚部にディスペンサーをネジ嵌合させることにより、蓋体を内容器とディスペンサーとで挟持した状態に組み付け、更に、内容器とディスペンサーが取り付けられた蓋体を本体にネジ嵌合により外嵌させなければならない。従って、この複雑な作業は、消費者には、煩わしいうえに、組み付けられた二重容器は、その蓋体の肩部から容器本体の上端部外周に垂下する蓋体のネジ部外周壁が、容器本体の上部に幅広く露出する構成となるので、デザイン的な面白味に乏しく、外観美が要求される化粧料容器としては難点の多い容器であった。
【0005】
また、これら従来の二重容器のリフィールを交換するときは、組み付け手順とは反対手順に、容器本体と蓋体の嵌合を解除し、更に内容器とディスペンサーの嵌合を解除することにより、容器本体と蓋体と内容器とディスペンサーとの四つのパーツに分解される。従って、消費者には解体作業が難しいうえに、分離分解された各パーツの管理や、パーツに付着した内容物による周囲の汚染、パーツの衛生にも気配りを必要とすることから、取り扱いの難しい容器であった。
【0006】
本発明は、外容器と内容器との分離や組み付けが容易にして、化粧料容器にも好適な外観に優れた容器にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明は、円筒状のフィルムの下端部に円形の底板を結合すると共に前記フィルムの上端部に外周に雄ネジが刻設されたリングを結合して内胴部材を形成し、前記内胴部材を充填口部材の肩部下面に溶着して成るボトル状の内容器と、前記充填口部材の外面にアンダーカット結合により一体化され前記内容器を閉塞するディスペンサーと、開口部の内面に前記雄ネジと螺合可能な雌ネジを刻設し前記内容器を挿脱可能に収容する有底筒状の外容器と、を有し、前記内容器と前記外容器が前記雄ネジと前記雌ネジの螺合により組み付けられるようにした。
【0008】
上記の構成としたことにより、流動性内容物を充填した内容器にディスペンサーをアンダーカット結合することにより、内容器とディスペンサーは分離不能となり、充填内容物は吐出可能に密封性が維持され、衛生的に保たれる。また、内容器におけるリングの雄ネジと外容器における開口部の雌ネジを螺合することにより、内容器を外容器に内嵌合状態に簡便に固着することができると共に、容易に分離することができる。
【0009】
また、前記充填口部材における少なくとも肩部の外周面を、前記ディスペンサーにおける肩部の外周面と前記外容器との間に露見させることにより、リング状のデザインを容器の外周面に構成することができる。
【0010】
また、前記充填口部材における少なくとも肩部の外周面を、前記ディスペンサーにおける肩部の外周面および前記外容器の色と異なる色にすることにより、リング状のデザインを際だたせることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明のディスペンサー付き二重容器について説明する。
【0012】
図1乃至図5は、本発明の好適な一実施の形態示すものであり、内胴部材2を充填口部材10の肩部11下面に溶着して成るボトル状の内容器1と、充填口部材10の外面にアンダーカット結合により一体化されるディスペンサー20と、内容器1を挿脱可能に収容する有底筒状の外容器30と、を有して構成されている。符号35は、ディスペンサー20の頚部23に外嵌する蓋体である。
【0013】
内容器1における内胴部材2は、円筒状のフィルム3の下端部に円形の底板4を結合すると共にフィルム3の上端部に外周に雄ネジ6が刻設されたリング5を結合して形成されている。
【0014】
円筒状のフィルム3は、矩形に裁断したラミネートフィルムを丸めてその側端部どうしを接合形成したフレキシブル性の高いものである。使用するラミネートフィルムの中間層にはバリア性の高い合成樹脂フイルムが選択され、外層には底板4とリング5とに溶着性の良い合成樹脂フィルムが選択されている。
【0015】
ラミネートフィルを構成するフィルム材としては、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムが好適であり、中間層に金属蒸着やシリカ蒸着を施したフィルムを使用してバリア性を高くしてもよい。
【0016】
円筒状のフィルム3に底板4とリング5を一体結合する方法としては、熱溶着方法かインサート成形方法によることが好ましい。即ち、熱溶着方法では、底板4とリング5とを個別に成形し、底板4を円筒状のフィルム3の下端部内周面に溶着し、リング5を円筒状のフィルム3の上端部外周に溶着することにより一体に結合する。また、インサート成形方法では、リング5と底板4を成形する金型内に円筒状のフィルム3をインサートし、射出成形方法によりリング5と底板4を成形すると同時にフィルム3と一体に結合する。
【0017】
内容器における充填口部材10は、平坦な肩部11の中央部に頚部12が立設されて成り、肩部11の下面にはガイド壁13が垂設され、ガイド壁13の基端部外周に沿って凹溝14が刻設されており、凹溝14には超音波リブ15が突設されている。また、頚部12の外周面にはアンダーカット係合用の突起16と、回り止め用の縦リブ17が形成されている。
【0018】
充填口部材10と内胴部材2を一体に組み付けるには、充填口部材10の凹溝14内に内胴部材2のリング5の上端部を嵌合し、超音波振動により超音波リブ15を溶かして液密に溶着する。
【0019】
ディスペンサー20は、充填口部材10の肩部11とほぼ同外径寸法の平坦な肩部22に頚部23を立設した蓋状部材21内に、押しボタン24を装着したポンプ機構25を内装して成るものであり、蓋状部材21における頚部23の内面には、充填口部材10の突起16とアンダーカット係合することにより抜け止めとなる内向き突起26が突設されているとともに、充填口部材10の縦リブ17と係合することにより回り止めとなる縦リブ27が設けられている。
【0020】
外容器30は、SAN、PET、PS、PMMA、ABS、PP、PE等、剛性のある熱可塑性樹脂を用いて射出成形方法により、有底筒状に形成されており、その開口部31の内周面には、内容器1におけるリング5の外周に刻設した雄ネジ6と螺合可能な雌ネジ32が刻設されている。
【0021】
上記のパーツから構成される本容器を組み立てるには、通常、図4に示すように、外容器30に内容器1の内胴部2を挿入し、内容器1におけるリング5の雄ネジ6と外容器30における開口部30の雌ネジ32を螺合することにより内嵌合状態に二重容器Nを形成し、充填口部材10の開口18から流動物を充填した後、ディスペンサー20を内容器1の充填口部材10に被せ、治具により、充填口部材10の縦リブ17と蓋状部材21の縦リブ27を歯合させるとともに、充填口部材10の突起16と蓋状部材21の内向き突起26を係合させ、蓋状部材21を充填口部材10の外面に相互回転不能にアンダーカット結合する。この作業により、ディスペンサー20が内容器1に固定され、内容器1の開口18を閉塞する。
【0022】
内容器1とディスペンサー20は分離不能となることから、充填内容物は、吐出可能に密封性が維持され、衛生的に保たれる。また、内容器1を外容器30に内嵌合状態にネジ嵌合で固着する構成としたことから、内容器1の充填口部材10における肩部11の外周面11aを、ディスペンサー20における肩部22の外周面22aと外容器1の開口端との間にリング状に露見する構成とすることが可能となり、美的効果を奏するデザインとすることができる。
【0023】
また、充填口部材10における肩部11の外周面11aに、ホットスタンプ等の加飾を施し、ディスペンサー20における肩部22の外周壁22aおよび外容器30の色と異なる色にすることにより、リング状のデザインを際だたせることが可能であり、化粧料容器として好適な容器とすることができる。
【0024】
また、本発明に係る容器をカートリッジ式容器として使用するときは、図5に示すように、先ず、内容器1に流動物を充填し、これにディスペンサー20を分離不能にアンダーカット結合することにより、ティスペンサー付きのカートリッジKを形成する。このカートリッジKは、ネジ嵌合により外容器1に内嵌合状態に簡単に固着することができると共に、カートリッジKと外容器30との2部品に容易に分離することが可能であることから、カートリッKジの交換が極めて容易である。
【0025】
また、本実施の形態の容器は、内容器1の内胴部材2にフレキシブル性の高いラミネートフィルムを使用したので、ディスペンサー20の作動により収納液を吐出すると、内容器1内に発生する負圧によりフイルム3が吐出量に応じて極めて容易に収縮し、収納液を無駄なく排出することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のディスペンサー付き二重容器は、ディスペンサーが内容器に相互回転不能にアンダーカット結合され、内容器におけるリングの雄ネジと外容器における開口部の雌ネジを螺合することにより、内容器を外容器に内嵌合状態に組み付ける構成としたので、組み立て作業および内容器の外容器への嵌脱が容易であり、内容器の肩部外周面を、ディスペンサーの肩部外周面と外容器との間にリング状に露見させることにより、デザイン的効果を奏し、化粧料容器として好適に利用することができる。
【0027】
また、カートリッジ式容器として使用する場合には、カートリッジと外容器との二つのパーツに分離し、二つのパーツを組み付ける簡単な作業でカートリッジの交換ができるので、取り扱いが極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスペンサー付き二重容器の実施の形態を、一部を截切して示す正面半断面図。
【図2】図1の容器を分解して示す断面図。
【図3】図1の容器を分解して示す正面図。
【図4】図1の容器の通常の組み立て手順を説明する断面図。
【図5】図1の容器をカートリッジ式容器として使用する場合の組み立て手順を説明する断面図。
【符号の説明】
1 内容器,2 内胴部材,3 筒状のフィルム,4 底板,5 リング,6 雄ネジ,10 充填口部材,11 肩部,11a 外周面,20 ディスペンサー,22 肩部,22a 外周面,30 外容器,31 開口部,32 雄ネジ

Claims (3)

  1. 円筒状のフィルムの下端部に円形の底板を結合すると共に前記フィルムの上端部に外周に雄ネジが刻設されたリングを結合して内胴部材を形成し、前記内胴部材を充填口部材の肩部下面に溶着して成るボトル状の内容器と、前記充填口部材の外面にアンダーカット結合により一体化され前記内容器を閉塞するディスペンサーと、開口部の内面に前記雄ネジと螺合可能な雌ネジを刻設し前記内容器を挿脱可能に収容する有底筒状の外容器と、を有し、前記内容器と前記外容器が前記雄ネジと前記雌ネジの螺合により組み付けられることを特徴とするディスペンサー付き二重容器。
  2. 前記充填口部材における少なくとも肩部の外周面を、前記ディスペンサーにおける肩部の外周面と前記外容器との間に露見する構成としたことを特徴とする請求項1記載のディスペンサー付き二重容器。
  3. 前記充填口部材における少なくとも肩部の外周面を、前記ディスペンサーの外周面および前記外容器の色と異なる色にしたことを特徴とする請求項2記載のディスペンサー付き二重容器。
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