JP2004306947A - 船体推進ユニット - Google Patents

Abstract

【課題】複雑なシャフト構造体および歯車装置を必要とせず、操舵作用をさらに可能とする船体推進ユニットを得る。
【解決手段】船体２の推進ユニット１は、支持構造体５により船体の船郭４に対して支持された方向舵装置３と、方向舵装置の前方に備えられ、船体に配置された動力ユニット８に関連する第一のシャフト構造体７に組付けられた第一の推進ユニット６と、第一の推進ユニット（６）の後方に配置された第二の推進ユニット９とを含み、第二の推進ユニット９が第二のシャフト構造体１０に組付けられ、第二のシャフト構造体１０は方向舵装置３の支持構造体５に連結して配置されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、支持構造体体により船体の船郭（ｈｕｌｌ）に支持された方向舵装置と、方向舵装置の前方に備えられ、船体に配置された動力ユニットに連結された第一のシャフト構造体体に組付けられた第一の推進ユニットと、第一の推進ユニットの後方に配置された第二の推進ユニットとを含む船体推進ユニットに関する。

船舶の推進は、一基または数基の回転プロペラを使用し、プロペラに関連する方向舵を使用して操舵することにより行われてきた。従来の単基プロペラを超える利点を与えるものとして二重反転プロペラ若しくは逆回転プロペラ（ＣＲＰ）が知られている。ＣＲＰシステムによれば、一基に代えて二基の羽根の面積部分に負荷が分散され、また第一のプロペラの後流の回転エネルギーをより一層効率的に回復することができる。

ＣＲＰシステムを備える最も一般的な解決策は、二本の同芯シャフト、すなわち中空の外側シャフト、およびその外側シャフト内の内側シャフトを使用することである。この種の解決策では、第一の前側プロペラは外側シャフトに連結され、後側プロペラは内側シャフトに連結され、内側シャフトは第一のプロペラハブを通して延在される。米国特許第４６９３１０８号はこの種の解決策の一例に関するものである。その構造はかなり複雑なシャフト構造および歯車装置を必要とする。実際には、シールも構造上の問題を生じ勝ちである。

代替として、従来のシャフトで駆動される一基のプロペラおよび後部プロペラとしてのＣＲＰポッド（ｐｏｄ）の組合せもまた提案されている。この解決策によれば、二本の同芯シャフトを使用して従来のＣＲＰシステムの複雑なシャフト構造および歯車装置を回避することが可能である。しかしながら、この解決策はプロペラ間にかなり大きい間隔を必要とする。何故なら、このポッドは前側プロペラの後方で転向できねばならないからである。これはこの解決策の有効性を減じる。

本発明の一つの目的は、従来技術の問題点を最小限に抑える船体推進ユニットを提供することである。本発明の特別な目的は、操舵作用をさらに可能とする船体推進ユニットを提供することである。

本発明の特徴は請求項１に記載されており、他の請求項にさらに明瞭に開示されている。

本明細書において、部材の位置の説明に関係する「後」「後側」「後部」「前方」などの表現は、船体の船首から船尾へ向かう方向が後側であるものとして使用されている。

本発明の有利な実施例によれば、船体推進ユニットは、支持構造体によって船体の船郭上に支持された方向舵装置と、その方向舵装置の前方に備えられ、船体内に配置された動力ユニットに連結された第一のシャフト構造体に組付けられた第一の推進ユニットと、この第一の推進ユニットの後方に配置された第二の推進ユニットとを含む。第二の推進ユニットは第二のシャフト構造体に組付けられ、この第二のシャフトが方向舵装置の支持構造体に連結して配置されることが本発明の特徴である。このようにして第二の推進ユニットに対する動力伝達は第一のシャフト構造体内部ではなく別のルートで行われ、さらにこの推進ユニットは操舵作用が可能である。

第二のシャフト構造体は、異なる部材の一体化の相乗効果を最大にするように、方向舵装置の支持構造体内部に支持される。方向舵装置の支持構造体は魚雷形状部分を含み、これは第一および第二の推進ユニットの後方に配置されると共に、第二の推進ユニットの支持手段を含む。

第二の支持構造体は第一の支持構造体に実質的に平行なプロペラシャフトと、そのプロペラシャフトに対して角度をなす駆動シャフトとを含む。プロペラシャフトおよび駆動シャフトは魚雷形状部分内部に備えられた有角伝達装置（アングルトランスミッション -互いに角度を有して配列された軸間の伝達装置-）または同様装置で互いに連結される。この駆動シャフトは魚雷形状部分から支持構造体を通して船体内部を延在するように配置される。

第一の推進ユニットは第一の推進ハブを含み、第二の推進ユニットは第二の推進ハブを含む。第一の推進ハブ、第二の推進ハブおよび魚雷形状部分は、航流およびその航流のプロペラに流入する伴流を改善するために、船尾へ向けて横断面積の増大する実質的に流線形の本体を形成する。第一の推進ユニットおよび第二の推進ユニットは本発明によれば互いに逆方向に回転するように構成される。

本発明の他の有利な実施例によれば、ＣＲＰ（二重反転プロペラ若しくは逆回転プロペラ）の船体推進ユニットが備えられ、これは船体の船郭を通して延在するシャフトに組付けられた前側推進ユニットと、この前側推進ユニットの後方の支持構造体に組付けられた後側推進ユニットとを含む。一実施例では少なくとも一基の推進ユニットが備えられ、この少なくとも一つの推進ユニットはピッチ制御構造体を備えている。ＣＲＰユニットが船郭に備えられ、動力伝達系統は別の構造体を経て伝達されるので、プロペラに対してそれぞれの動力系統を使用することによりプロペラ・ピッチ制御装置を比較的容易に配置することができる。このことはとりもなおさず、逆回転するピッチ制御可能なプロペラを備えた推進ユニットの提供をもたらす。

本発明は従来技術を超えた幾つかの利点を与える。第一に、後側プロペラとしてポッド駆動装置を使用した場合における、プロペラが操舵作用のために前側プロペラの後流内で旋回（転向）されることに関連した問題を回避することができる。第二に、方向舵ユニットは後方の推進ユニットと一体化されているので、別個の付加的な方向舵を必要としない。さらに、本発明は公知のＣＲＰプロペラよりも実現しやすいことが明白である。また、逆回転プロペラによる組立体全体の改善された流体力学的な効率を与え、プロペラ・ハブおよび魚雷形状部分の流線形の本体により達成された後流の改善を与える。

本発明は添付図面を参照して以下に説明される。

図１は船体２の船尾部分を示している。船体２は方向舵装置３を含み、これは第一の推進ユニット６の後方に支持されている。方向舵装置３は支持構造体５すなわち方向舵ホーンによって支持され、支持構造体５は船体２の船郭４に取付けられている。方向舵装置３は船体２の船郭４に剛的に取付けられた支持構造体５および操舵部分１４を含み、操舵部分１４は方向舵装置３の支持構造体５に対して枢動可能である。方向舵装置３の操舵作用を制御するために操舵装置１５が備えられ、操舵装置１５はそれ自体周知の方法で制御され、作動される。

第一の推進ユニット６は通常の方法で第一のシャフト構造体７に連結されている。第一のシャフト構造体７は動力ユニット８を含み、動力ユニット８は第一の推進ユニット６を駆動する。動力ユニット８は動力を発生する適当ないずれかの装置、例えばピストン・エンジン、ガス・タービンまたは電気モーターとすることができる。第一の推進ユニット６の後方には第一および第二の推進ユニット９が配置される。第一および第二の推進ユニットは二重反転プロペラ若しくは逆回転プロペラ（ＣＲＰ）と呼ばれるのに適したものになっている。この構造体は従来の単基スクリュー構造体に比べて改善された推進効率を与える。プロペラは互いに比較的接近されて配置され、これにより両プロペラ間には小さな間隙しか形成されない。第二の推進ユニット９は第二のシャフト構造体１０に組付けられ、第二のシャフト構造体１０はそれぞれ動力ユニット１３に連結される。

本発明によれば、第二のシャフト構造体１０は方向舵装置３の支持構造体５に連結させて配置され、従って第二の推進ユニット９のシャフトおよび動力伝達機構は支持構造体５の内部を導かれることができ、また、それにより支持されることができる。このようにして両推進ユニットの動力系統は互いに独立するように構成され、これにより例えば従来の解決策での同軸シャフトに関する問題を回避できる。

支持構造体５、すなわち方向舵装置３の方向舵ホーンは第一の推進ユニット６および第二の推進ユニット９の後方に配置される魚雷形状部分１１を備えている。魚雷形状部分１１内には第二の推進ユニット９のためのシャフト構造体および支持手段１２が配置される。支持手段１２は軸受および（または）他の動力伝達／支持装置を含む。第二のシャフト構造体１０はプロペラ・シャフト１０．１を含み、このプロペラ・シャフト１０．１は第一のシャフト構造体７に平行である。実際には、プロペラ・シャフト１０．１および第一のシャフト構造体７を互いに整合させて配置することが望ましい。第二のシャフト構造体１０は駆動シャフト１０．２も含み、駆動シャフト１０．２は同様に魚雷形状部分１１内部に配置された有角伝達装置または類似装置１０．３によってプロペラ・シャフト１０．１に連結されている。駆動シャフト１０．２は魚雷形状部分１１から方向舵装置３の支持構造体５を通して船郭４の内部を延在する。さらに、付加的な有角伝達装置／クラッチ１０．４を配置することができ、これを通して駆動シャフト１０．２が動力ユニット１３と連結される。駆動シャフト１０．２を直接に動力ユニットに連結することもできる。一般に本発明によれば、第二の推進ユニット９と動力ユニット１３との間で動力伝達を行うために、一般的なＺドライバ・ユニットを容易に使用できるようにすることが可能である。

第一の推進ユニット６は第一の推進ハブ６．１を含む。相応に第二の推進ユニット９は第二の推進ハブ９．１を含む。本発明の特徴によれば、第一の推進ハブ６．１、第二の推進ハブ９．１および魚雷形状部分１１は船尾へ向かって横断面積が増大する実質的な流線形の本体を形成する。このようにして組立体の全体、逆回転プロペラおよび一体化された方向舵装置（ＣＲＰ方向舵）の効率は最大となされる。

ここで図２を参照して、同図では図１の符号と同じ符号が使用されているが、本発明の他の実施例が説明される。図１に示されたようなＣＲＰ推進ユニット１が示されているのに加えて、この実施例はプロペラ角度制御装置１４を備えている。従って、逆回転するピッチの制御可能（ＣＰ）な推進ユニット６，９を備えた推進ユニット１を示している。図２では、推進ユニット６，９の両方がピッチの制御可能なプロペラを備えていることが示されているが、例えば後方の推進ユニット９に動力源に応じて固定ピッチのプロペラを使用することができる。後方の推進ユニットに固定ピッチのプロペラを使用することは、動力源が電気モーターの場合に特に有利となる。

実際には、ピッチ制御の実現は例えば流体力学的に作動される制御システムで実施でき、それらは推進ユニットの駆動シャフトと関連して配置される。逆回転プロペラを含み、また少なくとも一つの推進ユニットにピッチ制御装置を有する組立体は、良好な推進制御を行い、システムに関してより一層制約を受けない動力ユニットの選択を可能にする。

本発明は図示実施例に制限されることはなく、本発明の幾つかの変更が特許請求の範囲内で可能である。例えば、二重反転プロペラの、ピッチ制御可能な推進ユニットを有する実施例は、シャフト駆動前部ＣＰプロペラと、ポッド化された後方ＦＰ推進駆動ユニットとの組合せを使用する態様に適合する。

本発明の好ましい実施例を示す 本発明の他の好ましい実施例を示す。

符号の説明

１ 推進ユニット
２ 船体
３ 方向舵装置
４ 船郭
５ 支持構造体
６ 第一の推進ユニット
７ 第一のシャフト構造体
８ 動力ユニット
９ 第二の推進ユニット
９．１ 第二の推進ハブ
１０ 第二のシャフト構造体
１０．１ プロペラ・シャフト
１０．２ 駆動シャフト
１０．３ 有角伝達装置
１０．４ 操舵装置
１１ 魚雷形状部分
１２ 支持手段
１３ 動力ユニット
１４ プロペラ角度制御装置
１５ 操舵装置

Claims (9)

1. 支持構造体（５）により船体の船郭（４）に支持された方向舵装置（３）と、
   方向舵装置の前方に備えられ、船体に配置された動力ユニット（８）に連結された第一のシャフト構造体（７）に組付けられた第一の推進ユニット（６）と、
   第一の推進ユニット（６）の後方に配置された第二の推進ユニット（９）とを含む、船体（２）の推進ユニット（１）であって、
   第二の推進ユニット（９）が第二のシャフト構造体（１０）に組付けられ、第二のシャフト構造体（１０）は方向舵装置（３）の支持構造体（５）に連結して配置されていることを特徴とする推進ユニット。
2. 第二のシャフト構造体（１０）が方向舵装置（３）の支持構造体（５）内に支持されていることを特徴とする請求項１に記載された推進ユニット。
3. 方向舵装置（３）の支持構造体（５）が魚雷形状部（１１）を含み、魚雷形状部分（１１）が第一および第二の推進ユニット（６，９）の後方に配置されると共に第二の推進ユニット（９）の支持手段（１２）を有していることを特徴とする請求項１または請求項２に記載された推進ユニット。
4. 第二のシャフト構造体が第一のシャフト構造体（７）に実質的に平行なプロペラ・シャフト（１０．１）と、プロペラ・シャフトに対して所定角度をなす駆動シャフト（１０．２）とを含むことを特徴とする請求項１に記載された推進ユニット。
5. プロペラ・シャフトおよび駆動シャフトが有角伝達装置（１０．３）で互いに連結されている請求項４に記載された推進ユニット。
6. 駆動シャフト（１０．２）が魚雷形状部分から支持構造体（５）を通して船体内部を延在するように配置されていることを特徴とする請求項５に記載された推進ユニット。
7. 第一の推進ユニット（６）が第一の推進ハブ（６．１）を含み、第二の推進ユニット９が第二の推進ハブ（９．１）を含むこと、および第一の推進ハブと、第二の推進ハブと、魚雷形状部分（１１）とが後方向へ横断面積の増大する実質的に流線形の本体を形成することを特徴とする請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載された推進ユニット。
8. 第一の推進ユニット（６）および第二の推進ユニット（９）が互いに逆方向へ回転するように配置されていることを特徴とする請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載された推進ユニット。
9. 少なくとも一つの第一の推進ユニット（６，９）がピッチ制御構造体（１４）を備えていることを特徴とする請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載された推進ユニット。

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