JP2004306932A - オーバーヘッドモジュールを備えた車両 - Google Patents

オーバーヘッドモジュールを備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 夏季でもOHMが高温にならないため、ECU等の制御回路をOHM内に設置可能な車両を提供する。
【解決手段】 この車両では、OHMの熱気が連通口34、アンテナ線引込口31、排気口42を通って外部に排気され、夏季であってもOHM14内の温度が高温にならない。しかもこのOHM14内には、通気管を通して、車両底部の冷たい空気がECU内に導入されアンテナ線引込口31から抜け、通気管の周りには断熱材が積層され、車両が温まっていても冷気がそのまま抜けるので、放熱効率がよい。従って、この車両1は、高温に弱いECU等をOHM内に設置することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、オーバーヘッドモジュールを備える車両に関する。
近年、車体の屋根部のインナーミラーの後方に、オーバーヘッドモジュール(以下「OHM」と呼ぶ)が設置されることが多くなっている。このOHMには、メガネケース、読書灯等が設けられており、最近では、携帯電話用の集音マイク、スピーカ、ナビゲーション装置の集音マイク等、ECUでの制御が必要な機器が組みこまれることが多くなっている。
特願平11-78070
ところで、夏季、車両は高温になることが多く、その結果OHMの内部も非常に高温になる。そのため、ECU等の制御回路は、OHM以外の高温にならない場所に設置されている。
しかし、ECUをOHM以外の別の場所に配置すると、ECUとOHMとを結ぶ通信線を車体内に配線せねばならず、また、組立ての際、ECUとOHMとを別々に取り付けねばならないため、作業効率が悪いという問題があった。
そこで本発明では、ECU等の制御回路をOHM内に設置可能な車両を提供することを目的とする。
上述した問題点を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、車体の外側に取り付けられたアンテナ具(アンテナロッドや、GPS(Global Positionung System)用のアンテナ等)から延設されたアンテナ線を車体内に引き込むためのアンテナ線引込口を利用して、アンテナ貫通口とオーバーヘッドモジュール(以下OHMと称す)の内部と連通させたことを特徴としている。そのため本発明では、OHMの熱気がアンテナ線引込口から外部に排気され、夏季であってもOHM内の温度が高温にならないのである。従って、本発明では、高温に弱いECU等の制御回路をOHM内に設置することができる。また本発明では、制御回路をOHM内に設置することができるので、1回の工程でOHM及び制御回路を車両に組み付けることができる。さらに、本発明では、アンテナ線引込口を用いてOHM内の熱気を外部に逃がしているので、車体に対し新たにOHMと連通する口を設けなくてもよい。そのため、車体の美観が損なわれない。
次に、請求項2記載の発明のように、アンテナ線引込口を車体の外側から覆設するカバー部を備えている場合、アンテナ線引込口と連通する第1排気口をカバー部に形成するとよい。このようにすれば、カバー部を取り付けても、第1排気口を備えているので、OHM内の熱気が外部に放出される。
次に、請求項3記載の発明のように、アンテナ線引込口が車体の上方で開口し、開口までアンテナ線引込口を形成する筒状の突出部を備える場合、カバー部は、突出部を覆設可能な形状に形成し、第1排気口は、アンテナ線引込口の開口と連通し、開口より下方で外部に対して開口するように形成することが好ましい。このようにすれば、第1排気口の外側の開口よりもアンテナ線引込口に連通する開口のほうが位置が高いので、水分はアンテナ線引込口に容易に浸入できず、雨天時などに車体に水分がかかっても、OHM内への水分の浸入を防止することができる。
次に、請求項4記載の発明のように、カバー部は、流線形状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、カバー部を車体の外に取り付けても、車両走行中の空気抵抗が減少するので、カバー部にかかる負担も少なくなるからである。尚、この請求項4記載のカバー部は、鮫のヒレの形を模した形状にすることが意匠的にもより好ましい。
次に、請求項5記載の発明のように、車体の内側に設けられ、アンテナ線引込口に連通する管状の排水手段を備え、排水手段あるいはアンテナ線引込口の側面には、オーバーヘッドモジュールの内部と連通する連通口が形成されていることが好ましい。このようにすれば、万が一アンテナ線引込口に水分が浸入しても、その水分を排水手段を介して排水することができる。
次に、請求項6記載の発明のように、連通口は、排水手段あるいはアンテナ連通口に対し開口する第1開口部からオーバーヘッドモジュールの内部に対し開口する第2開口部に向かって上方に傾斜していることが好ましい。このようにすれば、排水手段を用いて水分を排水しても、その水分がOHM内に流入することを防止することができる。
次に、請求項7記載の車両のように、連通口は、第2開口部の下端よりも、第1開口部の上端のほうが上方に位置していることが好ましい。このようにすれば、OHM内にこもった熱気が連通口を介して逃げやすいので、このように構成しない場合に比べ、OHM内の温度を効率よく下げることができる。
次に、請求項8記載の発明のように、連通口を開閉可能な開閉手段を備えることが好ましい。このようにすれば、水分のOHM内への流入を確実に抑えることができる。車両内が低温であるときなど連通口を用いてOHM内の空気を外部に逃がす必要がないとき、この開閉手段を用いて連通口を閉じれば、水分のOHM内への浸入を完全に防止することができる。
次に、請求項9記載の発明のように、車体のいずれかの場所で外部に開口する第2排気口を備え、アンテナ線引込口、オーバーヘッドモジュール、及び、第2排気口を通る通気経路を形成することが好ましい。このようにすれば、通気経路に空気を流してやることで、OHM内の熱を効率よく放熱することができるからである。尚、通気経路を流れる空気の向きは、アンテナ線引込口側から第2排気口側に向かう方向でもよいし、第2排気口側からアンテナ線引込口側に向かう方向でもよい。この場合、請求項10記載の発明のように、オーバーヘッドモジュールと車両室内とを連通する通風口を備え、第2排気口として車両室内と外部とを連通する排気口を形成して、アンテナ線引込口、オーバーヘッドモジュール、通風口、車両室内、第2排気口を通る通気経路を形成してOHM内に空気を通気させ、OHM内の温度を下げるようにしてもよい。また、請求項11記載の発明のように通風口は、スリット状に形成されていることが好ましい。
次に、請求項12記載の発明のように、車体の床部あるいは側面下部で一方が開口し、オーバーヘッドモジュールに対して他方が開口する管状の通気手段を備え、通気手段の一方の開口が第2排気口であることが好ましい。このような通気手段を備えていると、車体底部の冷たい空気がOHMを通って外部に抜けるので、放熱効率がよくなる。
次に、請求項13記載の発明のように、車体のピラー部は、通気手段の少なくとも一部を構成することが好ましい。このように車体の一部を通気手段として利用してもよい。
次に、請求項14記載の発明のように、通気手段を断熱材で覆ってもよい。このように通気手段を断熱材で覆えば、通気手段を通過する空気が暖められることがないので、OHMの排熱効果を一層高めることができる。
次に、請求項15記載の発明のように、アンテナ線引込口を介して、オーバーヘッドモジュール内の空気の強制換気を行う強制換気手段を備えていることが好ましい。このような強制換気手段を備えていれば、OHM内の熱気を効率よく排気することができる。この強制換気手段としては、請求項16に記載した発明のように、車両に備え付けられた空調機であってもよいし、請求項17に記載した発明のように、シロッコファンであってもよい。尚、この強制換気手段は、通気経路上に配置することが好ましく、OHM内の空気を押し出すものであってもよいし、引き込むものであってもよい。
次に、この強制換気手段を動かすための電力は、請求項18に記載したように、太陽電池から供給することが好ましい。強制換気手段に電力を供給する方法としては、車両に備え付けのバッテリーを用いるが考えられるが、この太陽電池を用いれば、バッテリーが上がってしまうことを防止できる。
次に、請求項19に記載した発明のように、オーバーヘッドモジュール内のECUその他の熱源体から強制換気手段近傍まで延設され、強制換気手段で換気されているため流れている空気に熱源体の熱を放熱させることができるように設置された放熱手段を備えていることが好ましい。このようにすれば、放熱手段により、より効率的にOHM内の熱気を放熱することができる。尚、請求項20に記載した発明のように、放熱手段としては、ヒートパイプを用いることが好ましい。
[第1実施形態]
以下、本発明が適用された実施の形態について図面を用いて説明する。尚、以下の説明中の左方向あるいは右方向は、車両の進行方向を基準とする。
図1はオーバーヘッドモジュールが取り付けられた部分を拡大した車両の側面模式図(車両内部を助手席側から見た図)、図2は通気管および排水管の配置位置を模式的に表した配置図であって、車内からオーバーヘッドモジュール周囲を見た配置図、図3はアンテナ線引込具の断面図、図4は図3のA−A’断面図である。
車両1は、図1に示すように、車体の屋根部12にオーバーヘッドモジュール14(以下「OHM14」)が取り付けられている。このOHM14は、具体的には、屋根部12を構成する鋼板12aの内側に張られた内装板12bのうちインナーミラー10後方の一部を切り取り、その切取部分に車内側からはめ込まれて鋼板12a又は鋼板12aに取り付けされたブラケットに固定されている。このOHM14は、車内に臨む側の表面14aに、図示しないめがね入れや、読書灯、携帯電話のハンズフリー機能用の集音マイクを備えている。またこのOHM14は、その内部に、集音マイク等の制御を行う制御回路であるECU14bを備えている。
また、このOHM14が取り付けられた部分の鋼板12aの外側には、アンテナ線引込具3が取り付けられている。このアンテナ線引込具3は鋼板12aを貫通し、一部が車内側に位置している。
車両1は、図2に示すように、通気管16及び排水管18を備えている。
通気管16は上下一対の管からなり、下側の管16bは、一端が車両1の底部で開口(本発明の第2排気口に相当する)し、外側の鋼板と内側の鋼板とで構成されている車両右側面の車体内(外側と内側の鋼板の間)を通って、フロントガラス20の右側面のピラー22の下端部に他端が連結されている。一方、上側の管16aは、一端がピラー22の上部に連結され、このピラー22の上端部から屋根部12内(鋼板12aと内装板12bの間)を通って、他端がOHM14と連結されている。これら上下の通気管16はピラー22と連通しており、そのためこの車両1では、この通気管16及びピラー22を介して、車両の底部の外気をOHM14内に取り込むことができる。また、上下の通気管16の外側表面には断熱材が積層されており、車両内の熱気で上下の通気管16を通る空気が暖められるのを防止している。尚、通気管16及びピラー22が本発明の通気手段に相当する。
排水管18は一本のドレインホースからなり、下端が車両1の底部で開口し、この底部から車両左側面の車体内(外側と内側の鋼板の間)、及び、フロントガラス20の左側面のピラー24及び屋根部12(鋼板12aと内装板12bの間)を通し、さらにOHM14内を通してアンテナ線引込具3の下部(図3参照)に連結させている。この排水管18とアンテナ線引込具3とは連通されており、後述するアンテナ線引込具3に侵入した水分を排水管18を介して、車両1の底部に排水する。また、この排水管18内には、アンテナ線引込具3で引き込まれたアンテナ線45(図3参照)が配置されており、所定の場所で、排水管18から外部に引き出されている。尚、この排水管18が本発明の排水手段に相当する。
アンテナ線引込具3は、図3に示すように、本体部30と、カバー部40とを備えている。
本体部30は、略筒状に形成されており、内側には、後述するアンテナロッドから車体内にアンテナ線45を引き込むためのアンテナ線引込口31が形成されている。また、本体部30の外側側面のうち上端部にはカバー部40を本体部30に固定するためのネジ山32が形成され、そのネジ山32の下部の外側側面には、鋼板12aに形成された取付口12cに、本体部30を固定するための固定凹部33が形成されている。本体部30はこの固定凹部33を、取付口12cの縁部に嵌合させることにより、本体部30を屋根部12に固定している。このように本体部30を固定すると、アンテナ線引込口31は車体の外側表面の上方で開口する。以下、屋根部12の鋼板12aからこの開口までのアンテナ線引込口31を形成する部分を突出部αと呼ぶ。
本体部30は、固定凹部33の下部にさらに一対の連通口34を備えている。この連通口34は、アンテナ線引込口31及び外部に対して開口しており、本体部30を屋根部12の鋼板12aに取り付けると、アンテナ線引込口31とOHM14の内部とが、この連通口34を介して連通する。またこの連通口34は、アンテナ線引込口31に対し開口する第1開口部34aからOHM14の内部に対し開口する第2開口部34bに向かって上方に傾斜するよう形成した。また、この連通口34は、第2開口部34bの下端よりも、第1開口部34aの上端のほうが上方に位置するように形成した。
さらに、この連通口34の下方には、排水管18を連結するための連結部35を備えており、この連結部35は、排水管18に対し嵌挿可能な径に形成されている。アンテナ線引込口31と排水管18とは、この連結部35に排水管18を嵌挿することにより連通している。
カバー部40は、略円錐上に形成され、その底部に本体部30の突出部αを螺合可能なネジ山を備えた捻込部41が形成されている。またこのカバー部40の側面であって、頂部近傍には、捻込部41と連通する排気口42(本発明の第1排気口に相当する)が形成されている。捻込部41に突出部αを捻じ込むと、排気口42はアンテナ線引込口31と連通する。また、このカバー部40の頂部にはアンテナロッドβを回動自在に支持する支持具43が取り付けられており、カバー部40から垂直下方に向かって捻込部41まで差込部44が差し込まれている。そしてその差込部44の下端にはアンテナ線45の一端がネジ止めされている。アンテナ線45はこの差込部44の下端からアンテナ線引込口31を介して排水管18内に通されている。
アンテナ線引込具3は、図4に示すように、連通口34を開閉可能な開閉具5を備えている。この開閉具5は、図4に示すように、連通口34が設けられた部分の本体部30の外周に沿って回動可能に形成され、かつ連通口34の第2開口部34bを閉じることができる大きさに形成された蓋部50と、この蓋部50から延設され、遊端側がOHM14の外側に配置された操作部52とを備えている。本実施形態ではこの操作部52を後方側に移動すると蓋部50が連通口34の第2開口部34bを閉じ、操作部52を運転席側(図4の左側)に移動すると第2開口部34bを開放する。
以上のように構成された車両1では、夏季の日射で車内が熱せられ、その影響でOHM14が熱せられても、OHM14内の熱気は対流により上方に移動し、連通口34、アンテナ線引込口31、排気口42を通って外部に排気される。しかも連通口34は、OHM14側の第1開口部34aの下端よりもアンテナ線引込口31の第2開口部34bの上端の方が高い位置にあり、OHM14内にこもった熱気を、連通口34を介して逃げやすい構造になっているので、このように構成しない場合に比べ、OHM14内の熱気が効率よく排気される。さらに、OHM14から熱気が抜けるのにあわせて、通気管16b、ピラー22、通気管16a等を介して、このOHM14内に車両底部の冷たい空気が導入されるので、OHM14内は、高温にならない。そのため本実施形態の車両1のOHM14内は、夏季であっても温度が高温にならない。
また、本実施形態では、連通口34がアンテナ線引込口31側からOHM14内に向かって上方に形成されているので、アンテナ線引込口31に水分が浸入しても連通口34からOHM14内には水分は侵入せず、その水分は排水管18を解して排水される。しかも、本実施形態では、OHM14内を冷やさなくてもよい場合は開閉具5を用いて連通口34を閉じることで、OHM14への水分の侵入がより確実に防止される。
従って、本実施形態の車両1を用いれば、車両1が温まってもOHM14内の熱が効率よく放熱され、しかも外部と通じていても外部から水分が浸入しないので、ECU等の高温及び水分に弱いECU14bをOHM14内に設置することができる。またこの車両1では、ECU14bをOHM内に設置できるので、1回の取付工程でOHM14及びECU14bを車両1に組み付けることができる。さらに、この車両1では、アンテナ線引込口31を用いているので、車体に対し新たにOHM14と連通する口を設けなくてもよい。そのため、この車両では車体の美観が損なわれない。
[第2実施形態]
本発明が適用された第2実施形態について説明する。尚、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付すとともに、その説明については省略する。
アンテナ線引込具3は、図5に示すように、突出部αとカバー部40との間に、アンテナ線引込口31の開口と連通し、開口より下方で外部に対して開口する排気口60(本発明の第1排気口に相当する)が形成されている。
この車両では、排気口60の外側の開口60aよりもアンテナ線引込口31に連通する開口60bのほうが位置が高いので、水分はアンテナ線引込口31に容易に浸入できない。そのため、この車両1を用いれば、雨天時などに車体に水分がかかっても、OHM14内の熱気を排気できる一方で、OHM内への水分の浸入をより確実に防止することができる。
また、本実施形態の排気口60は、アンテナ線引込口31から外方に向かい、下方に下がった後、内側に向かい、さらに下方に下がって外方に向かい、外部に対し開口している。このように、一旦内側に向かう部分εを形成すると、外部に対し開口している部分からの水分が上方に向かって侵入しても、この部分εで水分が堰きとめられるので、水分の侵入をより確実に抑えることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。尚、以下の説明では第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
ここで、図6は、オーバーヘッドモジュールが取り付けられた部分を拡大した車両の側面模式図(車両内部を助手席側から見た図)、図7は、カバー部の(a)背面図、(b)正面図、(c)平面図、図8は、通気経路を説明するための説明図である。
本実施形態の車両1の屋根部12の外部表面には、図6に示すように、カバー部70が取り付けられている。このカバー部70は内部が空洞になっており、その空洞である内部空間71が屋根部12の鋼板12aを貫通させて形成されたアンテナ線引込口31と連通するように、このカバー部70は屋根部12に取り付けられている。また屋根部12には、GPSアンテナ72が取り付けられており、カバー部70は、このGPSアンテナ72も内部空間71内に収納した状態で屋根部12に取り付けられている。そして、このGPSアンテナ72と後述するアンテナロッドβとから延びた図示しないアンテナ線は、内部空間71からアンテナ線引込口31を介してOHM14内に引き込まれている。一方、このカバー部70は、流線型状に形成され、具体的には、鮫の背びれに類似する形状に形成されている。そのためアンテナロッドβ、GPSアンテナ72、及びカバー部70全体は、いわゆるシャークアンテナと呼ばれている。
カバー部70の後方には、第1排気口73が設けられており、内部空間71と外部とを連通している。そして、この第1排気口73には、シロッコファン74の空気送出口とこの第1排気口73とが重なるようにシロッコファン74が取り付けられており、このシロッコファン74を可動すると、このシロッコファン74の空気導入口側から導入された内部空間71内の空気が、第1排気口73から外部に送り出される。
カバー部70は、長さ方向に伸縮可能なアンテナロッドβを備えている。このアンテナロッドβは、カバー部70の前方下方に一端が配置され、後方上方に他端が配置された状態で内部空間71の上方のカバー部70内に設置され、さらにその他端側は、カバー部70の後方からやや突出した状態で配置されている。そのため、このアンテナロッドβは、その突出部を引っ張るとカバー部70から後部上方に向かって伸び、押すと縮んでカバー部70内に収納される。電話などの高周波無線の場合はアンテナ長が短くなるため突出部なくカバー部内に収納される
OHM14の後方側下部の表面14aには、スリット14c(本発明の通風口に相当)が設けられ、このスリット14cによりOHM14内と車両室内1cとが連通している。
また、OHM14の前方の車両室内1cであって、インナーミラー10の上方には、太陽電池76が設けられ、シロッコファン74の電源として利用されている。
さらに、OHM14内には、ヒートパイプ75が設置されている。このヒートパイプ75は、一端がOHM14内のECU14bに接するように配置され、途中アンテナ線引込口31を通って、他端がシロッコファン74の空気導入口に対向する位置まで延設されている。このヒートパイプ75の他端側をシロッコファン74の空気導入口に対向する位置に設置しているのは、この位置は空気の流速が早いので、ヒートパイプ75の放熱、ひいてはECU14bの放熱が効率よく行われるからである。
以上のように構成された車両1では、所定の条件(例えばOHM雰囲気温度が60度;ECU耐熱温度)になると、太陽電池76で発電された電力により、シロッコファン74が稼働する。このシロッコファン74が稼働すると、まず、カバー部70の内部空間71が負圧となり、アンテナ線引込口31を介してOHM14内の空気が内部空間71側に流れ込み、さらにこのOHM14内が負圧になって車両室内1c内の空気がOHM14内に流れ込み、さらに、車両室内1c内が負圧になると、車両室内1cの圧力調整用に設けられた第2排気口1dを介して、外部から車両室内1c内に空気が入る。そのため、外部から流入した空気が、図8に示すように、外部の空気が、第2排気口1d〜車両室内1c〜スリット14c〜OHM14内〜アンテナ線引込口31〜内部空間71〜第1排気口73に至る通気経路を介して外部に排出される。そして、通気経路を流れる空気によりECU14bは直接冷やされると共に、ヒートパイプ75の放熱によっても冷やされ、またOHM14内の熱も通気経路を流れる空気により外部に放熱される。
従って、本実施形態では、第1実施形態で説明した効果の他に、上述した通気経路に空気を流してやることで、OHM14内の熱を効率よく放熱することができる。
また、本実施形態の車両1は、アンテナ線引込口31を介して、オーバーヘッドモジュール14内の空気の強制換気を行うシロッコファン74(本発明の強制換気手段に相当)を備えているので、OHM14内の熱気を効率よく排気することができる。しかも、このシロッコファン74は、太陽電池で発電した電力で動かしていることから、車両1のバッテリーの上がりを防止することができる。
さらに、本実施形態の車両1では、ヒートパイプ75によりECU14bの熱を効率よく放熱させることができる。
また、カバー部70は、流線形状に形成されており、そのため車両走行中の空気抵抗が少ないので、カバー部70にかかる負担も少ない。
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、連通口34をアンテナ線引込口31と連通するよう形成したが、排水管18と連通するように形成してもよい。
また、本第3実施形態では、通気経路が室内1c内を通るものについて説明したが、通気経路は車両1のピラー内を通るように構成してもよい。さらに、通気経路を流れる空気の向きは、本実施形態のように、アンテナ線引込口31側から第1排気口73側に向かう方向でもよいし、第1排気口73側からアンテナ線引込口31側に向かう方向でもよい。また、強制換気手段として、本実施形態ではシロッコファン75を用いたが、車両に備え付けられた空調機を用いてもよい。
第1実施形態の説明図であって、オーバーヘッドモジュールが取り付けられた部分を拡大した車両の側面模式図である。 第1実施形態の説明図であって、通気管および排水管の配置位置を模式的に表した配置図であって、車内からオーバーヘッドモジュール周囲を見た配置図である。 アンテナ線引込具の断面図である。 図3のA−A’断面図である。 第2実施形態のアンテナ線引込具の断面図である。 第3実施形態の説明図であって、オーバーヘッドモジュールが取り付けられた部分を拡大した車両の側面模式図である。 カバー部の説明図で、(a)背面図、(b)前面図、(c)平面図である。 通気経路を説明するための説明図である。
符号の説明
1…車両、1c…車両室内、1d…第2排気口、3…アンテナ線引込具、5…開閉具、10…インナーミラー、12…屋根部、12a…鋼板、12b…内装板、12c…取付口、14…オーバーヘッドモジュール、14a…表面、14c…スリット、16…通気管、18…排水管、20…フロントガラス、22…ピラー、30…本体部、31…アンテナ線引込口、32…ネジ山、33…固定凹部、34…連通口、34a…第1開口部、34b…第2開口部、35…連結部、40…カバー部、41…捻込部、42…排気口、43…支持具、44…差込部、45…アンテナ線、50…蓋部、52…操作部、60…排気口、70…カバー部、71…内部空間、72…GPSアンテナ、73…第1排気口、74…シロッコファン、75…ヒートパイプ、76…太陽電池

Claims (20)

  1. 車体の外側に取り付けられたアンテナ具と、
    前記アンテナ具から車体内にアンテナ線を引き込むため、前記車体を貫通するアンテナ線引込口と、
    車体の内側に取り付けられたオーバーヘッドモジュールと
    を備え、
    前記アンテナ線引込口は前記オーバーヘッドモジュールの内部と連通していることを特徴とするオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  2. 前記アンテナ線引込口を前記車体の外側から覆設するカバー部と、
    該カバー部に形成され、前記アンテナ線引込口と連通する第1排気口と
    を備えていることを特徴とする請求項1記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  3. 前記アンテナ線引込口は前記車体の上方で開口し、該開口まで前記アンテナ線引込口を形成する筒状の突出部を備え、
    前記カバー部は、前記突出部を覆設可能な形状に形成され、
    前記第1排気口は、前記アンテナ線引込口の前記開口と連通し、該開口より下方で外部に対して開口していることを特徴とする請求項2記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  4. 前記カバー部は、流線形状に形成されていることを特徴とする請求項2,3いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  5. 前記車体の内側に設けられ、前記アンテナ線引込口に連通する管状の排水手段を備え、
    該排水手段あるいは前記アンテナ線引込口の側面には、オーバーヘッドモジュールの内部と連通する連通口が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  6. 前記連通口は、前記排水手段あるいは前記アンテナ連通口に対し開口する第1開口部から前記オーバーヘッドモジュールの内部に対し開口する第2開口部に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項5記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  7. 前記連通口は、前記第2開口部の下端よりも、前記第1開口部の上端のほうが上方に位置していることを特徴とする請求項6記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  8. 前記連通口を開閉可能な開閉手段を備えることを特徴とする請求項5〜7いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  9. 前記車体のいずれかの場所で外部に開口する第2排気口を備えており、
    前記アンテナ線引込口、前記オーバーヘッドモジュール、及び、前記第2排気口を通る通気経路を形成することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  10. 前記オーバーヘッドモジュールと車両室内とを連通する通風口を備え、
    前記第2排気口は前記車両室内と外部とを連通する排気口であり、
    前記通気経路は、前記アンテナ線引込口、前記オーバーヘッドモジュール、前記通風口、車両室内、前記第2排気口を通る経路であることを特徴とする請求項7〜9いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  11. 前記通風口は、スリット状に形成されていることを特徴とする請求項10記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  12. 前記車体の床部あるいは側面下部で一方が開口し、前記オーバーヘッドモジュールに対して他方が開口する管状の通気手段を備え、該通気手段の一方の開口が前記第2排気口であることを特徴とする請求項9〜11記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  13. 前記車体のピラー部は、前記通気手段の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項12記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  14. 前記通気手段を断熱材で覆ったことを特徴とする請求項12,13いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  15. 前記アンテナ線引込口を介して、前記オーバーヘッドモジュール内の空気の強制換気を行う強制換気手段を備えていることを特徴とする請求項1〜14いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  16. 前記強制換気手段は、当該車両に備え付けられた空調機であることを特徴とする請求項15記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  17. 前記強制換気手段は、シロッコファンであることを特徴とする請求項15記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  18. 前記強制換気手段に電力を供給する太陽電池を備えたことを特徴とする請求項15〜17いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  19. 前記オーバーヘッドモジュール内のECUその他の熱源体から前記強制換気手段近傍まで延設され、前記強制換気手段で換気されているため流れている空気に前記熱源体の熱を放熱させることができるように設置された放熱手段を備えることを特徴とする請求項15〜19いずれか記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
  20. 前記放熱手段は、ヒートパイプであることを特徴とする請求項19記載のオーバーヘッドモジュールを備えた車両。
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