JP2004306686A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】封入冷媒量の少量化を図りつつ、車両への搭載性の向上を図った車両用空調装置を提供する。
【解決手段】コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張弁4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサに戻すようにした車両用空調装置であって、リキッドタンクをコンデンサから離れた位置に配置し、リキッドタンクの出口から膨張弁の入口に至る冷媒流路とエバポレータの出口からコンプレッサの入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成すると共に二重管を通る高圧冷媒と低圧冷媒とが互いに熱交換を行うようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張弁4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサに戻すようにした車両用空調装置であって、リキッドタンクをコンデンサから離れた位置に配置し、リキッドタンクの出口から膨張弁の入口に至る冷媒流路とエバポレータの出口からコンプレッサの入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成すると共に二重管を通る高圧冷媒と低圧冷媒とが互いに熱交換を行うようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用空調装置では、コンプレッサにより圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサで外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンクで気液分離した後、膨張手段で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータで車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサに戻すようにしている。
【0003】
エバポレータが受ける熱負荷に変動が有ったときには、膨張手段の開度を制御することにより調節し、余剰冷媒が生じるとリキッドタンクにおいて一時的に貯留し、冷媒不足の場合にはリキッドタンクに貯留された冷媒をエバポレータに放出している。これにより、ある程度の正常な運転、すなわち所定のサブクールがとれた運転ができるようになっている。
【0004】
ところで、最近では、地球環境保護の観点から、車両用空調装置における使用冷媒量を極力少なくすることが求められるようになってきている。ところが、最近のコンデンサの小型高性能化に伴い、少量の冷媒では、僅かな熱負荷の変動に対してもコンデンサ内の冷媒状態が変動し、所定のサブクールがとれた運転を安定的に行うことができず、吹き出し温度が変動することがある。
【0005】
その点、バス等の大型車両では、通常のコンデンサとは別体のサブクールコンデンサを設けてサブクールが十分にとれるようにし、冷媒サイクルの安定化を図るようにしているが、通常の乗用車のようにスペース的な余裕が少ないものでは、別体のサブクールコンデンサを設けるのは困難である。
【0006】
そこで、コンデンサ本体、サブクールコンデンサ、及びリキッドタンクを一体化したコンデンサが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−36912号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エンジンルーム内のスペース的余裕が更に小さくなってきており、上記コンデンサを搭載するにあたって、リキッドタンクが邪魔になるという問題点が有った。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、封入冷媒量の少量化を図りつつ、車両への搭載性の向上を図った車両用空調装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明は、コンデンサからサブクール部を無くすことで、コンデンサのサイズを大きくすることができ、これによってコンデンサの放熱性能を向上させるという目的も併せ持つものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張手段4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ1に戻すようにした車両用空調装置であって、リキッドタンク3をコンデンサ2から離れた位置に配置し、リキッドタンク3の出口から膨張手段4の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成すると共に二重管11を通る高圧冷媒と低圧冷媒とが互いに熱交換を行うようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管17により構成したことを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の車両用空調装置において、コンプレッサ1がフレキシブルホース6を介してコンプレッサ1及びエバポレータ5と連通接続されたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、リキッドタンク3をコンデンサ2から離れた位置に配置することで、コンデンサ2を車両に搭載する際にリキッドタンク3が邪魔にならないため、搭載性が良好となる。また、エバポレータ5に供給される高圧冷媒がエバポレータ5から出た低圧冷媒により過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となり、冷媒サイクルが安定するため、封入冷媒量を少なくすることができる。さらに、リキッドタンク3の出口から膨張手段4の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成したことで、エンジンルーム内における配管構造が簡素化する。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、エンジンルーム内における配管構造がさらに簡素化する。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、車両駆動用動力源の振動やコンプレッサ1の脈動がエバポレータ5及びコンデンサ2に伝わらないため、騒音が低減する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施形態の概略構成図、図2は図1の要部の分解斜視図である。
【0019】
この車両用空調装置では、コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張手段としての膨張弁4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ1に戻すようにしている。
【0020】
コンプレッサ1は、図示しないエンジンにより駆動されるが、このエンジンの振動がコンプレッサ1に伝わる。また、コンプレッサ1は、冷媒を吸入、圧縮、及び吐出する際に脈動音を生じる。この振動や脈動がコンデンサ2やエバポレータ5に伝わるのを防ぐために、コンプレッサ1は、コンデンサ2及びエバポレータ5とフレキシブルホース6を介して連通接続されている。フレキシブルホース6は、樹脂成形又は蛇腹成形等により可撓性を持たせて屈曲自在とした管である。
【0021】
コンデンサ2は図示しないラジエータと一体化され、車室外において弾性支持されている。図2に示すように、コンデンサ2は、対向配置された一対のヘッダー管7,7(一方のみ図示)の間に、多数の扁平管8,8,・・・を平行に配設すると共にそれらの両端をそれぞれヘッダー管7に連通接続し、扁平管8,8間に伝熱フィン(図示せず)を介装したものである。
【0022】
リキッドタンク3はコンデンサ2と配管9を介して連通接続され、コンデンサ2から離れた位置に配置されている。このようにリキッドタンク3をコンデンサ2から切り離すことで、コンデンサ2を車両に搭載するにあたってリキッドタンク3が邪魔にならないため、搭載性が良好となる。
【0023】
膨張弁4及びエバポレータ5には継手10を介して二重管11が接続されている。この二重管11は熱伝導性が良好な金属により形成され、外管12と、その内部に挿入された内管13とから成っている。外管12と内管13の一端はそれぞれジョイントブロック14にロー付けされている。
【0024】
内管13の一端は配管15を介してリキッドタンク3の出口に連通接続され、他端は継手10を介して膨張弁4の入口に連通接続されている。一方、外管12の一端は配管16を介してコンプレッサ1の入口に連通接続され、外管12の他端は継手10を介してエバポレータ10の出口に連通接続されている。
【0025】
リキッドタンク3から吐出された冷媒は内管13を通って膨張弁4に供給され、ここで断熱膨張する。そして、エバポレータ5で蒸発し、外管12を通ってコンプレッサ1に戻ることになるが、このとき、内管13を通る冷媒と熱交換を行う。
【0026】
これによって、内管13を通る高圧冷媒が過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となるため、冷媒サイクルが安定すると共にエバポレータ5における熱交換効率が向上する。一方、外管12を通る低圧冷媒は加熱されるため、コンプレッサ1における消費動力を低減することができる。
【0027】
なお、リキッドタンク3の入口前の冷媒を過冷却してサブクールをとるようにすると、リキッドタンク3が満液になってしまうため、余分な冷媒を封入する必要が生じることになるが、本発明では、リキッドタンク3から出た冷媒についてサブクールをとるようにしているため、そのような必要がない。
【0028】
また、リキッドタンク3の出口から膨張弁4の入口に至る冷媒流路と、エバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを一本の二重管11により構成したことで、エンジンルーム内における配管構造が簡素化するという利点がある。なお、リキッドタンク3の出口から膨張弁4の入口に至る冷媒流路は、一部のみを二重管で構成してもよく、全体を二重管で構成するようにしてもよい。
【0029】
このように、二重管部で熱交換され、内管13を通る高圧冷媒が過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となるため、コンデンサ部に一体にサブクール部を設ける必要が無くなり、コンデンササイズを大きくすることができるため、コンデンサの放熱性能を向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図3は本発明の第2の実施形態の概略構成図である。なお、第1の実施形態と同一又は類似の部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。
【0031】
本実施形態では、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管17により構成している。
【0032】
この二重管17は、図示しないが、外管(図示せず)と、その内部に挿入された内管とからなっており、内管はコンプレッサ1の出口とコンデンサ2の入口とを連通接続し、外管はコンプレッサ1の入口と配管18の一端とを連通接続している。なお、この配管18はコンデンサ2をバイパスし、他端はジョイントブロック14を介して二重管11の外管12に連通接続されている。
【0033】
また、二重管17の途中に設けたフレキシブルホース6も内管と外管から成る二重管構造となっており、その内管は二重管11の内管と連通し、外管は二重管11の外管と連通している。
【0034】
このような構成によれば、第1の実施形態の効果に加えて、エンジンルーム内における配管構造をさらに簡素化することができるという利点が有る。なお、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路は、一部のみを二重管で構成してもよく、全体を二重管で構成するようにしてもよい。
【0035】
上記各実施形態では、二重管として、外管と、その内部に挿入された内管とから成るものを用いているが、これに代えて、二つの管を平行に並べたものを用いることもできる。
【0036】
また、本発明は、エンジン以外の車両駆動用動力源により駆動される車両に搭載される車両用空調装置に適用することもできる
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の変形を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成図。
【図2】図1の要部の分解斜視図。
【図3】本発明の第2の実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 コンデンサ
3 リキッドタンク
4 膨張弁(膨張手段)
5 エバポレータ
11 二重管
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用空調装置では、コンプレッサにより圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサで外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンクで気液分離した後、膨張手段で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータで車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサに戻すようにしている。
【0003】
エバポレータが受ける熱負荷に変動が有ったときには、膨張手段の開度を制御することにより調節し、余剰冷媒が生じるとリキッドタンクにおいて一時的に貯留し、冷媒不足の場合にはリキッドタンクに貯留された冷媒をエバポレータに放出している。これにより、ある程度の正常な運転、すなわち所定のサブクールがとれた運転ができるようになっている。
【0004】
ところで、最近では、地球環境保護の観点から、車両用空調装置における使用冷媒量を極力少なくすることが求められるようになってきている。ところが、最近のコンデンサの小型高性能化に伴い、少量の冷媒では、僅かな熱負荷の変動に対してもコンデンサ内の冷媒状態が変動し、所定のサブクールがとれた運転を安定的に行うことができず、吹き出し温度が変動することがある。
【0005】
その点、バス等の大型車両では、通常のコンデンサとは別体のサブクールコンデンサを設けてサブクールが十分にとれるようにし、冷媒サイクルの安定化を図るようにしているが、通常の乗用車のようにスペース的な余裕が少ないものでは、別体のサブクールコンデンサを設けるのは困難である。
【0006】
そこで、コンデンサ本体、サブクールコンデンサ、及びリキッドタンクを一体化したコンデンサが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−36912号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エンジンルーム内のスペース的余裕が更に小さくなってきており、上記コンデンサを搭載するにあたって、リキッドタンクが邪魔になるという問題点が有った。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、封入冷媒量の少量化を図りつつ、車両への搭載性の向上を図った車両用空調装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明は、コンデンサからサブクール部を無くすことで、コンデンサのサイズを大きくすることができ、これによってコンデンサの放熱性能を向上させるという目的も併せ持つものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張手段4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ1に戻すようにした車両用空調装置であって、リキッドタンク3をコンデンサ2から離れた位置に配置し、リキッドタンク3の出口から膨張手段4の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成すると共に二重管11を通る高圧冷媒と低圧冷媒とが互いに熱交換を行うようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管17により構成したことを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の車両用空調装置において、コンプレッサ1がフレキシブルホース6を介してコンプレッサ1及びエバポレータ5と連通接続されたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、リキッドタンク3をコンデンサ2から離れた位置に配置することで、コンデンサ2を車両に搭載する際にリキッドタンク3が邪魔にならないため、搭載性が良好となる。また、エバポレータ5に供給される高圧冷媒がエバポレータ5から出た低圧冷媒により過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となり、冷媒サイクルが安定するため、封入冷媒量を少なくすることができる。さらに、リキッドタンク3の出口から膨張手段4の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管11により構成したことで、エンジンルーム内における配管構造が簡素化する。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、エンジンルーム内における配管構造がさらに簡素化する。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、車両駆動用動力源の振動やコンプレッサ1の脈動がエバポレータ5及びコンデンサ2に伝わらないため、騒音が低減する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施形態の概略構成図、図2は図1の要部の分解斜視図である。
【0019】
この車両用空調装置では、コンプレッサ1により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ2で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク3で気液分離した後、膨張手段としての膨張弁4で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ5で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ1に戻すようにしている。
【0020】
コンプレッサ1は、図示しないエンジンにより駆動されるが、このエンジンの振動がコンプレッサ1に伝わる。また、コンプレッサ1は、冷媒を吸入、圧縮、及び吐出する際に脈動音を生じる。この振動や脈動がコンデンサ2やエバポレータ5に伝わるのを防ぐために、コンプレッサ1は、コンデンサ2及びエバポレータ5とフレキシブルホース6を介して連通接続されている。フレキシブルホース6は、樹脂成形又は蛇腹成形等により可撓性を持たせて屈曲自在とした管である。
【0021】
コンデンサ2は図示しないラジエータと一体化され、車室外において弾性支持されている。図2に示すように、コンデンサ2は、対向配置された一対のヘッダー管7,7(一方のみ図示)の間に、多数の扁平管8,8,・・・を平行に配設すると共にそれらの両端をそれぞれヘッダー管7に連通接続し、扁平管8,8間に伝熱フィン(図示せず)を介装したものである。
【0022】
リキッドタンク3はコンデンサ2と配管9を介して連通接続され、コンデンサ2から離れた位置に配置されている。このようにリキッドタンク3をコンデンサ2から切り離すことで、コンデンサ2を車両に搭載するにあたってリキッドタンク3が邪魔にならないため、搭載性が良好となる。
【0023】
膨張弁4及びエバポレータ5には継手10を介して二重管11が接続されている。この二重管11は熱伝導性が良好な金属により形成され、外管12と、その内部に挿入された内管13とから成っている。外管12と内管13の一端はそれぞれジョイントブロック14にロー付けされている。
【0024】
内管13の一端は配管15を介してリキッドタンク3の出口に連通接続され、他端は継手10を介して膨張弁4の入口に連通接続されている。一方、外管12の一端は配管16を介してコンプレッサ1の入口に連通接続され、外管12の他端は継手10を介してエバポレータ10の出口に連通接続されている。
【0025】
リキッドタンク3から吐出された冷媒は内管13を通って膨張弁4に供給され、ここで断熱膨張する。そして、エバポレータ5で蒸発し、外管12を通ってコンプレッサ1に戻ることになるが、このとき、内管13を通る冷媒と熱交換を行う。
【0026】
これによって、内管13を通る高圧冷媒が過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となるため、冷媒サイクルが安定すると共にエバポレータ5における熱交換効率が向上する。一方、外管12を通る低圧冷媒は加熱されるため、コンプレッサ1における消費動力を低減することができる。
【0027】
なお、リキッドタンク3の入口前の冷媒を過冷却してサブクールをとるようにすると、リキッドタンク3が満液になってしまうため、余分な冷媒を封入する必要が生じることになるが、本発明では、リキッドタンク3から出た冷媒についてサブクールをとるようにしているため、そのような必要がない。
【0028】
また、リキッドタンク3の出口から膨張弁4の入口に至る冷媒流路と、エバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを一本の二重管11により構成したことで、エンジンルーム内における配管構造が簡素化するという利点がある。なお、リキッドタンク3の出口から膨張弁4の入口に至る冷媒流路は、一部のみを二重管で構成してもよく、全体を二重管で構成するようにしてもよい。
【0029】
このように、二重管部で熱交換され、内管13を通る高圧冷媒が過冷却されて所定のサブクールがとれた状態となるため、コンデンサ部に一体にサブクール部を設ける必要が無くなり、コンデンササイズを大きくすることができるため、コンデンサの放熱性能を向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図3は本発明の第2の実施形態の概略構成図である。なお、第1の実施形態と同一又は類似の部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。
【0031】
本実施形態では、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路とエバポレータ5の出口からコンプレッサ1の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管17により構成している。
【0032】
この二重管17は、図示しないが、外管(図示せず)と、その内部に挿入された内管とからなっており、内管はコンプレッサ1の出口とコンデンサ2の入口とを連通接続し、外管はコンプレッサ1の入口と配管18の一端とを連通接続している。なお、この配管18はコンデンサ2をバイパスし、他端はジョイントブロック14を介して二重管11の外管12に連通接続されている。
【0033】
また、二重管17の途中に設けたフレキシブルホース6も内管と外管から成る二重管構造となっており、その内管は二重管11の内管と連通し、外管は二重管11の外管と連通している。
【0034】
このような構成によれば、第1の実施形態の効果に加えて、エンジンルーム内における配管構造をさらに簡素化することができるという利点が有る。なお、コンプレッサ1の出口からコンデンサ2の入口に至る冷媒流路は、一部のみを二重管で構成してもよく、全体を二重管で構成するようにしてもよい。
【0035】
上記各実施形態では、二重管として、外管と、その内部に挿入された内管とから成るものを用いているが、これに代えて、二つの管を平行に並べたものを用いることもできる。
【0036】
また、本発明は、エンジン以外の車両駆動用動力源により駆動される車両に搭載される車両用空調装置に適用することもできる
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の変形を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成図。
【図2】図1の要部の分解斜視図。
【図3】本発明の第2の実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 コンデンサ
3 リキッドタンク
4 膨張弁(膨張手段)
5 エバポレータ
11 二重管
Claims (3)
- コンプレッサ(1)により圧縮された高温高圧のガス冷媒をコンデンサ(2)で外気と熱交換させて高圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、リキッドタンク(3)で気液分離した後、膨張手段(4)で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ(5)で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ(1)に戻すようにした車両用空調装置であって、リキッドタンク(3)をコンデンサ(2)から離れた位置に配置し、リキッドタンク(3)の出口から膨張手段(4)の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ(5)の出口からコンプレッサ(1)の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管(11)により構成すると共に二重管(11)を通る高圧冷媒と低圧冷媒とが互いに熱交換を行うようにしたことを特徴とする車両用空調装置。
- コンプレッサ(1)の出口からコンデンサ(2)の入口に至る冷媒流路の少なくとも一部とエバポレータ(5)の出口からコンプレッサ(1)の入口に至る冷媒流路の一部とを二重管(17)により構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
- コンプレッサ(1)がフレキシブルホース(6)を介してコンプレッサ(1)及びエバポレータ(5)と連通接続されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
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