JP2009204271A - 冷凍サイクル - Google Patents

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    • F28D7/00Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
    • F28D7/10Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically
    • F28D7/106Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically consisting of two coaxial conduits or modules of two coaxial conduits

Abstract

【課題】内部熱交換器を備えた冷凍サイクルに使用される冷媒の総量を低減する。
【解決手段】内部熱交換器を流れる高圧液ラインの配管の通路の断面積を小さくした。これにより、負荷の大きいときには、高圧液ラインの配管で圧力降下が生じる(c−d間)が、膨張弁の入口(d点)は、内部熱交換器によって過冷却されている(T1→T2)ことにより飽和液線まで圧力降下が許容される範囲が広がるので、液とガスとが共存する飽和蒸気域に入ることはなく、したがって、泡が生じることによる流量低下や流動音の発生といった冷凍サイクルの動作に何ら弊害を与えることがない。高圧液ラインの配管を細くすることで、冷凍サイクルに使用される冷媒の総量を大幅に低減することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は冷凍サイクルに関し、特に自動車用空調装置に使用される冷媒の総量を低減した冷凍サイクルに関する。
自動車用空調装置では、一般に、エンジンルーム内に圧縮機、凝縮器およびレシーバドライヤが設置され、車室内に蒸発器が設置され、圧縮機、凝縮器、レシーバドライヤ、膨張弁および蒸発器がこの順序で冷媒が流れるよう配管され、蒸発器を出た冷媒は圧縮機へ戻るよう構成されている。膨張弁は、車室とエンジンルームとを区画している隔壁に設置されて車室内側の配管とエンジンルーム内側の配管との継手を兼ねるようにしていたり、蒸発器の中または蒸発器の直近に設置されていたりしている。
冷凍サイクル内を流れる冷媒の挙動は、モリエル線図によって説明される(たとえば、特許文献1参照)。モリエル線図は、縦軸に圧力、横軸にエンタルピをとり、臨界点から左下に飽和液線が、右下に飽和蒸気線が画かれていて、これに冷凍サイクル内の圧縮行程、凝縮行程、膨張行程および蒸発行程を表す線が描かれたものである。飽和液線より左側は、過冷却液の液相状態、飽和蒸気線より右側は、過熱蒸気の気相状態、飽和液線と飽和蒸気線とに囲まれていた部分は、湿り飽和蒸気の気液二相状態である。
圧縮機にて圧縮され、凝縮器にて凝縮され、レシーバドライヤにて気液に分離された液冷媒は、高圧配管により膨張弁に導入される。この膨張弁の入口における冷媒の状態は、モリエル線図上では、飽和液線より左側の液相の領域内にあり、膨張弁にて断熱膨張されることにより、液相の領域から等温線に沿って減圧する。これにより、蒸発器の入口における冷媒の状態は、モリエル線図上では、飽和液線を通り越して気液二相の領域内に遷移することになる。
このような冷媒の状態変化は、冷凍負荷の小さいときには、冷媒流量が少なく、液冷媒が膨張弁に供給されるときの高圧配管での圧力降下が小さいので、膨張弁の入口における冷媒は、液相状態が維持されている。一方、冷凍負荷の大きく、冷媒流量が多いときには、高圧配管での圧力降下が大きくなるため、膨張弁の入口には、圧力降下された冷媒が供給されることになる。
ここで、高圧配管での冷媒の圧力降下が大きいと、膨張弁の入口における冷媒の状態は、飽和液線を通り越して気液二相の領域内に入ることがある。このことは、膨張弁に多量の泡を含んだ気液二相状態の冷媒が入ることを意味する。液冷媒の中に泡が混じるような状態になると、膨張弁を冷媒が通過するときの流動音が非常に大きくなるだけでなく、必要な流量の冷媒を流すことができなくなってしまう。
このため、高圧配管での圧力降下が小さくなるよう高圧配管の内径を大きくすることが行われている。さもなければ、高圧配管で圧力降下が生じても、膨張弁の入口に泡を含んだ冷媒が供給されることがないように、すなわち、圧力降下しても、膨張弁の入口の冷媒圧力が飽和液線を下回ることのないようにしている。このためには、液冷媒に所定の過冷却度を持たせて、そこから飽和液線までの圧力差を広げ、圧力降下してもよい許容値を大きくしている。
特開2004−176938号公報(図2)
しかしながら、高圧配管の内径を大きくして圧力降下を小さくする場合には、同じ長さの配管に比べて充填すべき液冷媒の量が増えてしまい、その結果、冷凍サイクルに充填される冷媒の総量を増やしてしまうことになるので、冷媒が大気中へ漏れたときのことを考えると、地球温暖化対策に逆行することになるという問題点があった。
また、液冷媒に適当な過冷却度を持たせる場合には、一般に、レシーバドライヤからの冷媒をさらに過冷却することができる熱交換器を一体に構成しているような高価なサブクール凝縮器を用いる必要があるという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、使用される冷媒の総量を低減することができる冷凍サイクルを提供することを目的とする。
本発明では上記問題点を解決するために、二重管を用いて凝縮器から膨張弁に向かう高圧配管内の液冷媒と蒸発器から圧縮機に向かう低圧配管内の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を備えた冷凍サイクルにおいて、前記高圧配管の通路の断面積を小さくして冷凍サイクル内に充填する冷媒の総量を低減したことを特徴とする冷凍サイクルが提供される。
このような冷凍サイクルによれば、内部熱交換器により膨張弁の入口の冷媒が過冷却されることにより、液相から気液二相になるまで圧力降下が許される範囲を広げることができるので、液冷媒が流れる高圧配管が細くなってその高圧配管での圧力降下が大きくなったとしても、その圧力降下は許容範囲内であり、冷凍サイクルの動作に何ら弊害を与えることはない。冷凍サイクルの中で密度の最も大きな液冷媒が流れる高圧配管が細くなることにより、冷凍サイクルに充填される冷媒の総量を大幅に低減することができる。
上記構成の冷凍サイクルは、内部熱交換器を使用することによって成績係数を向上させることができ、これにより所要の冷力を得るのにより少ない動力で済むため、圧縮機の駆動源であるエンジンの負荷を小さくできることから、二酸化炭素の排出量を削減することが可能になる。これに加えて、冷凍サイクルに充填される冷媒の総量を低減するということは、充填された冷媒が不幸にも大気に漏れてしまったとしても、漏れの総量が少ないため、それだけ室温効果ガスの放出量が減るので、二酸化炭素の排出量の削減に繋がる。また、冷媒の充填量を減らした自動車用空調装置を安価に作ることができるので、製造活動に伴う二酸化炭素の排出量の削減に繋がる。
以下、本発明の実施の形態について、自動車用空調装置に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明が適用される冷凍サイクルを示す概略図である。
冷凍サイクルは、圧縮機1、凝縮器2、レシーバドライヤ3、膨張弁4および蒸発器5を備え、圧縮機1、凝縮器2およびレシーバドライヤ3は、隔壁6によって区画されたエンジンルーム内に設置され、膨張弁4および蒸発器5は車室内に設置される。
圧縮機1の冷媒出口は、高圧配管7の一端に接続され、その他端は、凝縮器2の冷媒入口に接続されている。凝縮器2の冷媒出口は、高圧配管8を介してレシーバドライヤ3の冷媒入口に接続されている。レシーバドライヤ3は、その底部に溜まった液冷媒を送り出す出口配管9を備えており、その出口配管9は、二重管10の内管によって構成される高圧配管11の一端に接続されている。この高圧配管11の他端は、膨張弁4の冷媒入口に接続され、その冷媒出口は、蒸発器5の冷媒入口に接続されている。蒸発器5の冷媒出口には、膨張弁4を収容しているケース12が接続され、そのケース12は、二重管10の外管によって構成される低圧配管13の一端に接続されている。二重管10の蒸発器5が接続される側とは反対側の端部は、外管と内管とを分岐する構造になっていて、その分岐された外管は、低圧配管14を介して圧縮機1の冷媒入口に接続されている。
膨張弁4は、ケース12内に収容され、蒸発器5から圧縮機1へ向かう低圧の冷媒通路内で冷媒入口が高圧配管11に接続され、冷媒出口が蒸発器5の冷媒入口に接続されている。これらの継手部では、それぞれOリングによるシールが行われているが、たとえこれらの継手部で冷媒の微少漏れが生じたとしても、圧縮機1へ向かう低圧の冷媒通路内に漏れるだけなので、大気に漏れることはない。
二重管10は、内管によって構成される高圧配管11と外管によって構成される低圧配管13とを有しており、凝縮器2から膨張弁4に向かう高圧配管11内の液冷媒と、蒸発器5から圧縮機1に向かう低圧配管13内の冷媒との間で熱交換をする内部熱交換器として機能する。したがって、この内部熱交換器の機能により、膨張弁4に供給される高圧配管11内の高温の液冷媒は、圧縮機1に向かう低圧配管13内の低温の冷媒と熱交換することによって過冷却され、圧縮機1に向かう低圧配管13内の低温の冷媒は、膨張弁4に向かう高圧配管11内の高温の液冷媒と熱交換することによって過熱される。また、この二重管10は、配管の組み立て作業の都合上、エンジンルーム側と車室側とで別々に配管された後、隔壁6の貫通部にて接続することにより構成されるようになっており、その接続は、二重管構造を維持した状態で内管および外管を接続している。
以上の構成の冷凍サイクルでは、各配管の継手部分は、Oリングによるシールが行われており、このうち、Oリングシールが大気への漏れ部位となる継手部分は、高圧ラインでは、圧縮機1と高圧配管7とを接続する高圧継手部H1、高圧配管7と凝縮器2とを接続する高圧継手部H2、凝縮器2と高圧配管8とを接続する高圧継手部H3、高圧配管8とレシーバドライヤ3とを接続する高圧継手部H4、およびレシーバドライヤ3の出口配管9と二重管10の高圧配管11とを接続する高圧継手部H5であり、低圧ラインでは、蒸発器5とケース12とを接続する低圧継手部L1、ケース12と二重管10の低圧配管13とを接続する低圧継手部L2、二重管10の隔壁6における外管の低圧継手部L3、二重管10と低圧配管14とを接続する低圧継手部L4、および低圧配管14と圧縮機1とを接続する低圧継手部L5である。これにより、隔壁6における高圧配管11の高圧継手部、高圧配管11と膨張弁4とを接続する高圧継手部、膨張弁4の過熱度設定のためのアジャスト部材が設けられたシール部、膨張弁4の本体とパワーエレメントとの接続部におけるシール部、および膨張弁4と蒸発器5とを接続する低圧継手部が大気への漏れ部位でなくなり、大気への冷媒漏れ防止に対する信頼性を向上させることができる。
図2は第1の実施の形態に係る冷凍サイクルの膨張弁装着部分を示す断面図である。
蒸発器5は、複数のチューブに対して冷媒を分配または集合させるタンクの端面に並設された冷媒入口20および冷媒出口21を有している。冷媒入口20および冷媒出口21は、冷媒出口配管22の一端がそれぞれ嵌合され、その冷媒入口20への嵌合部の中に冷媒入口配管23の一端が嵌合され、これらの嵌合部は、溶接により接合されている。冷媒出口配管22および冷媒入口配管23の他端の開口端は、同軸二重管構造になっていて、同軸継手部を構成している。
冷媒出口配管22には、一端が閉止された筒状のケース12が接続されている。このケース12内には、膨張弁4が装着されている。膨張弁4は、高圧の冷媒を導入する入口ポート24と、低圧の冷媒を導出する出口ポート25と、この出口ポート25と同軸配置のカラー26とが一体に形成された、たとえばアルミニウムダイカスト製の膨張弁本体27を有している。膨張弁本体27は、入口ポート24と出口ポート25とが内部で連通する通路を有し、その通路に弁座部材28が嵌め込まれてかしめ加工により固定されている。弁座部材28は、出口ポート25の側の面に丸い凹部が形成されて弁孔および弁座を形成し、中央には弁軸ガイドを構成する孔が穿設され、その周囲には、凹部の弁孔まで嵌通する複数の孔が穿設されている。この弁座部材28の出口ポート25の側には、弁孔を開閉する弁体29がスプリング30により閉弁方向に付勢された状態で配置されている。このスプリング30は、出口ポート25に圧入されたアジャスト部材31に受けられており、そのアジャスト部材31の出口ポート25への圧入量により荷重が調整されて、この膨張弁4のセット値が調整されている。弁体29は、弁軸32と一体に形成され、弁座部材28によって開閉方向に進退自在に支持されている。弁軸32の弁体29とは反対側の端部には、伝達部材33が嵌着されている。伝達部材33は、膨張弁本体27によって弁の開閉方向に進退自在に支持される筒状部と膨張弁本体27の外側に配置されるフランジ部とからなり、その筒状部には、入口ポート24に導入された高圧の冷媒が膨張弁本体27と弁軸32との間のクリアランスを介してケース12内に漏れないようにOリングが周設されている。
膨張弁本体27のアジャスト部材31が圧入されている側と反対の側には、パワーエレメント34が装着されている。このパワーエレメント34は、膨張弁本体27のパワーエレメント装着部をかしめ加工することによって膨張弁本体27に固定されている。このとき、パワーエレメント34の感温室を構成するダイヤフラム35が弁軸32に嵌着された伝達部材33のフランジ部に当接されており、ダイヤフラム35の変位を弁体29へ伝達するようにしている。
膨張弁4の出口ポート25は、蒸発器5の冷媒入口配管23に嵌合され、Oリングによってシールされている。ケース12は、蒸発器5の冷媒出口配管22に嵌合され、開口端の縁部をかしめ加工することによって冷媒出口配管22に固定され、Oリングによってシールされている。
ケース12の側面には、開口部およびその周りに外方に突設された筒状部がケース12と一体に形成されている。その筒状部には、車室側の二重管10aの外管をなす低圧配管13aが嵌合され、その嵌合部に周設されたパイプクランプ36をかしめ加工することによって筒状部および低圧配管13aが固定され、Oリングによってシールされている。二重管10aの内管をなす高圧配管11aは、延長継手部材37の一端が嵌合されており、その他端は、膨張弁4の入口ポート24に嵌合され、Oリングによってシールされている。
二重管10aは、高圧配管11aの内管と、低圧配管13aの外管と、これらの間に配置された支持部材38aとを有し、その支持部材38aが内管と外管とを同軸状態に維持するよう配置されている。このような二重管10aは、たとえば中空押し出し成形によって内管、外管および内管の外周に均等配置されたたとえば3つの支持部材38aが一体に形成された二重管素材を加工して使用される。
隔壁6における車室側の二重管10aとエンジンルーム側の二重管10bとの接続は、外管の対向端部を互いに嵌合および固定が可能な形状に成形加工し、内管には互いに嵌合可能な形状に加工した高圧接続用パイプ39a,39bをそれぞれ嵌着し、高圧接続用パイプ39a,39b同士および外管同士を嵌合してから、外管同士の嵌合部外周をパイプクランプ41で固定することにより行っている。高圧接続用パイプ39a,39b同士および外管同士の嵌合部は、Oリングによってシールされている。また、高圧接続用パイプ39aの外周には、内管と外管との間の環状通路を流れる冷媒に対して旋回流または乱流を生じさせる羽根部材42が周設されている。この羽根部材42は、車室側の二重管10a内の環状通路が支持部材38aにより区画されていてそれらの通路を別々に流れてきた冷媒の状態を一旦均一化し、再度、エンジンルーム側の二重管10b内の、同じく環状通路が支持部材38aで区画された通路のそれぞれに均等に分配するためのものである。
以上の構成の冷凍サイクルにおいて、膨張弁4は、蒸発器5の出口側の低圧の冷媒通路を構成するケース12内に収容されており、パワーエレメント34が蒸発器5から出てくる冷媒の温度および圧力を感知している。膨張弁4は、この感知した冷媒の温度および圧力に基づいて、蒸発器5に供給する冷媒の流量を制御し、これによって蒸発器5の出口の冷媒が常に所定の過熱度を有するように動作することになる。
ここで、高圧の液冷媒および低圧のガス冷媒を搬送する高圧配管11a,11bおよび低圧配管13a,13bの具体的なサイズについて考察する。高圧配管11a,11bおよび低圧配管13a,13bに使用される配管としては、表1に示したようなサイズのものが知られている。
Figure 2009204271
この中で、冷凍サイクルの高圧配管用には、冷凍負荷の大きくて冷媒流量が多いときでも圧力降下が大きくならないようにするために、内径が8ミリメートルの円管が一般に用いられており、配管が短くて液冷媒が流れることによる圧力降下があまり生じないような冷凍サイクルでは、内径が6ミリメートルの円管を用いることがある。一方、低圧配管用には、内径が14ミリメートルの円管が一般に用いられており、配管が長くてガス冷媒が流れることによる圧力降下が大きいような冷凍サイクルでは、内径が17ミリメートルの円管を用いることがある。
これに対し、上記の冷凍サイクルに使用される高圧配管11a,11bは、内径が3ミリメートル、4ミリメートルまたは5ミリメートルの細い円管を使用している。このように、冷凍サイクルの中で密度の最も大きな液冷媒が流れる高圧配管11a,11bを細くすることにより、冷媒流量が多いときには圧力降下も大きくなるが、後述するように、冷凍サイクルの動作に何ら弊害を与えることなく、充填される冷媒の総量を大幅に低減することが可能になるのである。この細い高圧配管11a,11bと組み合わされる低圧配管13a,13bは、配管の長さが長くない場合は、内径が14ミリメートルを使用し、長い配管を必要とする場合は、17ミリメートルの円管を使用している。
次に、高圧配管11a,11bおよび低圧配管13a,13bの以上のサイズによる組み合わせについて、これらの配管断面積比を表2に示す。この表2では、参考のために、自動車用空調装置に一般に採用されている配管の場合の配管断面積比をも一緒に示している。
Figure 2009204271
この表2では、内径が3ミリメートル、4ミリメートルおよび5ミリメートルの内管(高圧配管11a,11b)を内径が14ミリメートルの外管(低圧配管13a,13b)との組み合わせA1−A3および内径が17ミリメートルの外管(低圧配管13a,13b)との組み合わせB1−B3について、内管と外管との配管断面積比を示している。この表2によれば、組み合わせA1−A3およびB1−B3のいずれも、高圧配管11a,11bの通路の断面積が低圧配管13a,13bの通路の断面積の15%以下である。配管断面積比が最も大きな組み合わせA3を除けば、高圧配管11a,11bの通路の断面積が低圧配管13a,13bの通路の断面積の10%以下である。
次に、以上の構成の二重管10(10a,10b)からなる内部熱交換器を有する冷凍サイクルの動作について説明する。
図3は内部熱交換器を有する冷凍サイクルの動作を説明するモリエル線図である。
モリエル線図において、縦軸は冷媒の圧力、横軸はエンタルピを表している。飽和液線は、液冷媒を加熱したときにガスの発生が始まる境界を表し、飽和蒸気線は、ガス冷媒を冷却したときに凝縮が始まる境界を示している。飽和液線の左側は、過冷却された液域であり、飽和蒸気線の右側は、過熱度を持ったガス域である。飽和液線と飽和蒸気線との間の領域は、液とガスとが共存する飽和蒸気域である。
このようなモリエル線図上で、冷媒にHFC−134aを使用した冷凍サイクルの挙動は、概ね太い実線で示されるように変化する。すなわち、蒸発器5からの気相状態の冷媒を圧縮機1が圧縮し(a→b)、圧縮することで高温・高圧となった気相状態の冷媒を凝縮器2が凝縮し(b→c)、レシーバドライヤ3に溜められた液冷媒を内部熱交換器が過冷却し(c→d)、過冷却された液冷媒を膨張弁4が減圧し(d→e)、減圧することにより低温・低圧の気液二相状態となった冷媒を蒸発器5が蒸発し(e→f)、そして、蒸発した冷媒を内部熱交換器が過熱して圧縮機1に戻される(f→a)。ちなみに、内部熱交換器を持たない冷凍サイクルでは、f→b1→c→e1→fという動作になる。
冷凍サイクルが内部熱交換器を備えていることにより、レシーバドライヤ3の液冷媒は、内部熱交換器を介して膨張弁4に送られる間(c−d)に温度T1から温度T2へ過冷却され、それに対応する温度差分だけ、蒸発器5を出た冷媒は、内部熱交換器を通過する間(f−a)に過熱される。
レシーバドライヤ3から膨張弁4までの高圧液ラインの圧力降下は、表1に参考として示したサイズの配管では、通路の断面積が大きいので、実験によれば、最大でも0.05MPaと小さく、これは、高圧圧力が1.5MPaとすると、およそ1.4℃ほどの温度の差となる。
内部熱交換器を持たない冷凍サイクルでは、凝縮器2の出口付近の過冷却度は2℃程度あるので、1.4℃は、膨張弁入口(c点)で何とか蒸気が発生しないレベルである。これに対し、内部熱交換器を備えた冷凍サイクルでは、負荷の大きいところでの過冷却度は、10℃以上確保することができる。したがって、凝縮器2の出口における冷媒の凝縮温度および圧力がそれぞれ56℃および1.5282MPaのとき、内部熱交換器下流の膨張弁入口が56℃から10℃下がって46℃になるとした場合、その温度に対応する圧力は、1.1903MPaであるので、内部熱交換器(c−d間)では、0.33MPaも圧力降下し、これは、内部熱交換器を持たない冷凍サイクルの場合よりも6倍程度圧力低下することになる。しかし、膨張弁4の入口における液冷媒は、これだけ大きく圧力降下しても、飽和液線を超えて液とガスとが共存する飽和蒸気域にまで進入してしまうことはないので、膨張弁4に入る段階で冷媒に泡が混じることがなく、したがって、流量が低下したり流動音が大きくなったりすることはない。しかも、膨張弁4の入口における液冷媒は、圧力が降下しても等温線上を移動するだけであり、その場所のエンタルピは変化しないので、熱交換に何ら弊害を伴うこともないのである。
このように膨張弁4の入口で圧力降下を生じても良いと言うことは、高圧液冷媒を流す高圧配管11の通路の断面積を、最大流量の液冷媒が流れているときに熱交換により過冷却された温度での膨張弁4の入口の圧力が最大でも飽和液線まで圧力降下する断面積まで小さく絞っても良いということを意味する。実際には、熱交換器を構成する二重管10(10a,10b)の長さにもよるが、高負荷時には、20℃以上の過冷却度を確保できるので、表1に示した中で最もサイズの小さな配管を高圧配管11a,11bとして使用して最も大きな圧力降下を生じさせるようにしても、十分に許容範囲内である。また、高圧液ラインを絞ると言うことは、冷凍サイクル内に充填する冷媒の総量を低減することになる。
図4は高圧配管の通路の断面積を小さくする例を示したものであって、(A)は高圧配管の端部形状を示す図、(B)は高圧配管のa1−a1矢視端面図、(C)は高圧配管のa2−a2矢視断面図である。
内部熱交換器を構成する車室側の二重管10aは、円管の低圧配管13aと、これに挿入される高圧配管11aとから構成され、この高圧配管11aは、その周囲にテープ状の支持部材38aが周方向に均等に配置されている。高圧配管11aは、好ましくは、その円管部と支持部材38aとがたとえば中空押し出し成形によって一体に形成されたものから作られる。すなわち、円管部と支持部材38aとが一体になった中空押し出し成形材の一端は、図4の(A)に示したように、部分的に支持部材38aが削り落とされ、延長継手部材37を使うことなく膨張弁4の入口ポート24に直接嵌合できるように加工される。中空押し出し成形材は、また、隣接する支持部材38aの間の円管部を長さ方向に沿って部分的に内側に凹ますことにより細長い凹部43を形成している。これにより、図4の(B)および(C)に示したように、円管の内部の通路が狭められる。この構成は、熱交換面積を変えることなく通路の断面積だけを小さくすることができるという利点がある。もちろん、図4の(C)に示すような断面形状を有する中空押し出し成形材を使い、両端を円形に変形するようにしても良い。
図5は二重管の継手構造を例示する図であって、(A)は二重管の継手構造を示す断面図、(B)は二重管のb1−b1矢視断面図、(C)は二重管のb2−b2矢視断面図である。
車室側の二重管10aは、高圧配管11aの端部が拡管加工され、低圧配管13aの端部が接続相手の低圧配管13bと互いに嵌合および固定が可能な形状に成形加工されている。一方、エンジンルーム側の二重管10bは、部分的に支持部材38bが削成された高圧配管11bの端部に高圧接続用パイプ39bを圧入してOリングを装着する溝を形成し、低圧配管13bの端部が接続相手の低圧配管13aと互いに嵌合および固定が可能な形状に成形加工されている。隔壁6における二重管10a,10bの接続は、高圧接続用パイプ39bを高圧配管11aに嵌合し、低圧配管13a,13bを互いに嵌合してから、その嵌合部外周をパイプクランプ41で固定することにより行っている。高圧配管11aと高圧接続用パイプ39bとの嵌合部および低圧配管13a,13b同士の嵌合部は、Oリングによってシールされている。
本発明が適用される冷凍サイクルを示す概略図である。 第1の実施の形態に係る冷凍サイクルの膨張弁装着部分を示す断面図である。 内部熱交換器を有する冷凍サイクルの動作を説明するモリエル線図である。 高圧配管の通路の断面積を小さくする例を示したものであって、(A)は高圧配管の端部形状を示す図、(B)は高圧配管のa1−a1矢視端面図、(C)は高圧配管のa2−a2矢視断面図である。 二重管の継手構造を例示する図であって、(A)は二重管の継手構造を示す断面図、(B)は二重管のb1−b1矢視断面図、(C)は二重管のb2−b2矢視断面図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 凝縮器
3 レシーバドライヤ
4 膨張弁
5 蒸発器
6 隔壁
7 高圧配管
8 高圧配管
9 出口配管
10,10a,10b 二重管
11,11a,11b 高圧配管
12 ケース
13,13a,13b 低圧配管
14 低圧配管
20 冷媒入口
21 冷媒出口
22 冷媒出口配管
23 冷媒入口配管
24 入口ポート
25 出口ポート
26 カラー
27 膨張弁本体
28 弁座部材
29 弁体
30 スプリング
31 アジャスト部材
32 弁軸
33 伝達部材
34 パワーエレメント
35 ダイヤフラム
36 パイプクランプ
37 延長継手部材
38a,38b 支持部材
39a,39b 高圧接続用パイプ
41 パイプクランプ
42 羽根部材
43 凹部

Claims (6)

  1. 二重管を用いて凝縮器から膨張弁に向かう高圧配管内の液冷媒と蒸発器から圧縮機に向かう低圧配管内の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を備えた冷凍サイクルにおいて、
    前記高圧配管の通路の断面積を小さくして冷凍サイクル内に充填する冷媒の総量を低減したことを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 前記高圧配管の通路の断面積が前記低圧配管の通路の断面積の15%以下である請求項1記載の冷凍サイクル。
  3. 前記高圧配管の通路の断面積が前記低圧配管の通路の断面積の10%以下である請求項1記載の冷凍サイクル。
  4. 前記高圧配管の通路が直径5ミリメートル以下の円の面積に相当する断面積を有している請求項2または3記載の冷凍サイクル。
  5. 前記高圧配管は、円管を部分的に内側に凹ますことにより、熱交換面積を変えることなく通路の断面積を小さくした請求項1記載の冷凍サイクル。
  6. 二重管を用いて凝縮器から膨張弁に向かう高圧配管内の液冷媒と蒸発器から圧縮機に向かう低圧配管内の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を備えた冷凍サイクルにおいて、
    前記内部熱交換器は、前記高圧配管の通路を、最大流量の液冷媒が流れているときに熱交換により過冷却された温度での前記膨張弁入口の圧力が最大でも飽和液線まで圧力降下することができる断面積まで小さくして冷凍サイクル内に充填する冷媒の総量を低減したことを特徴とする冷凍サイクル。
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