JP2004306637A - 空気入りラジアルタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロードノイズ及びフラットスポットが低く、ベルト補強層とベルトとのコードが互いに接触することがなく、更に高速耐久性が改善された空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】ベルトの半径方向外側にベルト補強層を備える空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層が高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードをタイヤ円周方向に連続して螺旋状に巻回することにより形成されたものであり、前記複合コードは、荷重−伸び曲線の原点から変曲点に至る低弾性域と変曲点を超える高弾性域とを有し、かつ該変曲点における伸びが2%未満であり、タイヤ中での前記複合コードの長さに対するタイヤから取り出した複合コードの長さの収縮率が前記変曲点における伸び以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤ、特にロードノイズ及びフラットスポットが低く、且つ高速耐久性が高く、更にベルト補強層とベルトとのコードが互いに接触することがない空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ラジアルタイヤのベルトには、主としてタイヤの赤道面に対し或るコード角度に傾斜配列されたスチールコードを含有する少なくとも2枚のベルト層が、これら層中のコードが互いに交差するようにして用いられ、またタイヤ走行時の安定性を確保するため、特に高速走行時におけるべルト層の剥離(特にベルト層端部で顕著に起こる剥離)を防止し耐久性を向上させるために、該ベルトの径方向外側にナイロンコード等よりなるベルト補強層が配置されている。
【0003】
現在、高速耐久性を向上させるために、ベルト補強層を採用することは一般的となっており、該ベルト補強層におけるコードの材質としては低発熱、低コストのナイロンが主として用いられている。しかし、かかるベルト補強層を具えたラジアルタイヤにおいて、近年、ロードノイズの低減、フラットスポットの低減、及び高速走行時のベルト層端部の迫出し性の改善がさらに求められている。
【0004】
かかる改善策として、ナイロンに比べ高弾性であり、かつガラス転移点(Tg)が高くてロードノイズ及びフラットスポットの低減に有効なポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリアミド(アラミド)等のいずれかの材質よりなるコードをベルト補強層に適用しているが、これらの材質はナイロンに比べ接着性が劣るため、高速耐久性の評価において迫出し量の低減効果が反映されず、高速耐久性の大幅な向上には至っていない。また、これらの材質は何れもコストが高いという問題がある。更に、これらの材質よりなるコードは加硫時の伸長が少ないので、これらのコードをベルト補強層に用いたタイヤを、ベルト補強層にナイロンを用いた場合と同じ製造条件(成形時巻きつけテンション、加硫時拡張率等)で製造すると、加硫後のタイヤにおいてベルト補強層がベルトに食い込んで、ベルトが挫屈する可能性があった。そのため、芳香族ポリアミド繊維等よりなるコードを単独でベルト補強層に用いても、ベルト補強層のベルトへの食い込みがベルト端部の剥離の原因となり、目標とするタイヤ性能が得られず、加硫拡張率の高いタイヤサイズで特に問題であった。
【0005】
また、芳香族ポリアミドとナイロンとの複合コードをベルト補強層に用いる技術が開示されている(特許文献1〜2参照)が、上記PENやアラミドからなるコードを用いた場合に比べて高速耐久性の改善、ロードノイズ及びフラットスポットの低減が不充分であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−247204号公報
【特許文献2】
特開2001−63310号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、ロードノイズ及びフラットスポットが低減されており、ベルト補強層とベルトとのコードが互いに接触することがなく、更に高速耐久性が改善された空気入りラジアルタイヤを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ベルト補強層を備えたタイヤにおいて、該ベルト補強層を構成するコードとして、荷重−伸び曲線の変曲点における伸びが2%未満で且つタイヤ中でのコードの長さに対するタイヤから取り出したコードの長さの収縮率が前記変曲点における伸び以下である複合コードを採用することによって、タイヤのロードノイズ及びフラットスポットが低減されることに加え、ベルト補強層のコードとベルトのコードとの接触が抑制され、更にタイヤの高速耐久性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、ラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配したベルト補強層と、トレッドとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層が高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードをタイヤ円周方向に連続して螺旋状に巻回することにより形成されたものであり、前記複合コードは、荷重−伸び曲線の原点から変曲点に至る低弾性域と変曲点を超える高弾性域とを有し、かつ該変曲点における伸びが2%未満であり、タイヤ中での前記複合コードの長さに対するタイヤから取り出した複合コードの長さの収縮率が前記変曲点における伸び以下であることを特徴とする。
【0010】
本発明の空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記複合コードは、60℃で測定した荷重−伸び曲線の荷重29.4Nに対応する点における接線の傾きG(60)が19.6N/%以上である。
【0011】
本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記高弾性フィラメントが、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、炭素繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維及びリヨセル繊維のいずれかである。
【0012】
本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記低弾性フィラメントが、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維及び脂肪族ポリケトン(PK)繊維のいずれかである。
【0013】
本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下である。
【0014】
また、本発明の空気入りラジアルタイヤの製造方法は、ラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配したベルト補強層と、トレッドとを備える生タイヤを、該トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下になるよう加硫成形することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤは、ラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配したベルト補強層と、トレッドとを備える。
【0016】
本発明のタイヤを構成するベルト補強層は、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードをタイヤ円周方向に連続して螺旋状に巻回することにより形成されたものである。そのため、本発明のタイヤは、ナイロン繊維等の低弾性フィラメントのみを撚ったコードからなるベルト補強層を備えたタイヤに比べて、ロードノイズ及びフラットスポットが低く、かつ高速耐久性が高い。また、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードは、芳香族ポリアミド繊維等の高弾性フィラメントのみを撚ったコードに比べて、加硫時の伸びが大きい。そのため、かかる複合コードをベルト補強層に適用した本発明のタイヤは、加硫後のベルト補強層とベルト間のゲージが大きく、ベルト補強層とベルトとのコードが互いに接触することがない。更に、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードは、芳香族ポリアミド繊維等のみを撚ったコードに比べ低コストであることに加え、ゴムに対する接着性が高いため、高速走行時のベルト迫出し量の減少効果が反映され、高速耐久性に優れる。
【0017】
また、本発明に用いる複合コードは、荷重−伸び曲線の原点から変曲点に至る低弾性域と変曲点を超える高弾性域とを有し、かつ該変曲点における伸びが2%未満であることを特徴とする。上述した特許文献1に記載されたベルト補強層に用いる複合コードの変曲点における伸びが2〜7%であるのに対し、本発明に用いる複合コードは、変曲点における伸びが2%未満であるので、低弾性域が狭く伸びにくい。そのため、該複合コードを用いたベルト補強層は、ベルトをより充分に補強することができ、高速走行時のベルト迫出し量を更に減少させることができる。なお、複合コードの変曲点は、該コードを構成する高弾性フィラメント及び低弾性フィラメントの夫々の太さ、本数、弾性率、撚りの際のテンションを適宜選択することによって、前記範囲内に調整される。
【0018】
ここに複合コードの変曲点とは、図1に示す複合コードの荷重−伸び曲線において、伸び0の状態における曲線Cに接する接線S1と破断点における曲線Cに接する接線S2とが交わる交点Xを通る垂直線と、荷重−伸び曲線Cとの交点Vとして定義する。
【0019】
また、上記複合コードは、該複合コードのタイヤ中での長さに対するタイヤから取り出した複合コードの長さの収縮率が前記変曲点における伸び以下である。即ち、加硫後の補強層中での複合コードは、低弾性域で伸びた状態にあり、且つ伸びが充分に小さい。そのため、該複合コードを用いたベルト補強層は、ベルトに食い込むことがなく、ベルト端部の剥離を充分に抑制することができる。なお、本発明においてコードの収縮率は、以下のようにして測定した。
【0020】
まず、加硫後のタイヤからベルト補強層を取り出し、その状態でベルト補強層中(加硫中)での複合コードの原長(L)を測定する。次いで、ベルト補強層から複合コードを分離するように取り出し、JIS L 1017−1995に準拠し、表示dtex×0.45mNの初期荷重をかけてコード長さ(L’)を常温にて測定し、下記式により、収縮率Sを算出する。
式: S=[(L−L’)/L]×100 (%)
【0021】
本発明に用いる複合コードは、60℃で測定した荷重−伸び曲線の荷重29.4Nに対応する点における接線の傾きG(60)が19.6N/%以上であるのが好ましい。ここに、荷重−伸び曲線の荷重29.4Nに対応する点における接線の傾きとは、タイヤに最高空気圧を充填し、最大負荷能力下でコード1本当りに加わる荷重が29.4Nとした際に、図2に示すような複合コードの荷重−伸び曲線Cの荷重29.4Nに相当する点における接線S3の傾きを意味し、以降、かかる接線の傾きを剛性度G(x)と略記する(xは荷重−伸び曲線の測定温度である)。
【0022】
上記複合コードの60℃での剛性度G(60)が19.6N/%未満では、高速耐久性の改善、ロードノイズ及びフラットスポットの低減が不充分である。なお、複合コードの剛性度G(x)は、該コードを構成する高弾性フィラメント及び低弾性フィラメントの夫々の太さ、本数、撚りの際のテンションを適宜選択することによって、前記範囲内に調整される。
【0023】
本発明のタイヤでは、上記複合コードをタイヤ円周方向に連続して螺旋状に巻回することによりベルト補強層が形成される。ここで、一本又は複数本のコードを単位としコーティングゴムで被覆してなるリボンを螺旋状に巻回することにより、該ベルト補強層を形成してもよい。
【0024】
本発明のタイヤは、従来より通常に行われているブラダーを用いた加硫成形により製造することができ、製造の際のトレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下であるのが好ましい。前述の複合コードは収縮率が前記範囲内にあり、加硫時の伸びが小さいが、加硫時のトレッドのショルダー部の拡張率を1.5%以下とすることにより、ベルト補強層のベルトへの食い込みを確実に防止することができる。
【0025】
本発明にかかわる複合コードを構成する高弾性フィラメントとしては、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、炭素繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維及びリヨセル繊維等を挙げることができる。ここで、全芳香族ポリエステル繊維としては、ポリアリレート繊維等が挙げられる。また、上記リヨセル繊維は、原料のセルロースから溶剤紡糸法によって得られるセルロース繊維であり、例えば、特公昭60−28848号公報、特表平11−504995号公報に記載されているように、有機溶剤中に溶解されたセルロースと水等の非溶媒を含む溶液を、空気中又は非沈殿性媒体中に紡糸し、その際、紡糸口金から出た繊維形成溶液を送り出す速度より早い速度で引張って、3倍以上の延伸倍率で延伸した後に、非溶媒で処理することによって得ることができる。
【0026】
一方、本発明にかかわる複合コードを構成する低弾性フィラメントとしては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(但し、前記全芳香族ポリエステル繊維を除く)、ポリビニルアルコール繊維及び脂肪族ポリケトン(PK)繊維等を挙げることができる。ここで、ポリエステル繊維としては、PET繊維、PEN繊維、PTT繊維、PBT繊維等が挙げられる。なお、低弾性フィラメントとしてポリビニルアルコール繊維を選択した場合、高弾性フィラメントには該ポリビニルアルコール繊維より弾性率の高い繊維を適宜選択して用いる。また、高弾性フィラメントとしてポリビニルアルコール繊維を選択した場合、低弾性フィラメントには該ポリビニルアルコール繊維より弾性率の低い繊維を適宜選択して用いる。
【0027】
以下に、図を参照して本発明の空気入りラジアルタイヤ を詳細に説明する。図3は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様の断面図である。図3に示すタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイド部2と、トレッド部3と、該ビード部1に埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたカーカス5と、該カーカス5のクラウン部でタイヤ半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルト6と、該ベルト6のタイヤ半径方向外側でベルト6の全体を覆うように配置したベルト補強層7からなる。ここで、ベルト補強層7は、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列した複合コードのゴム引き層からなる。図示例のベルト補強層7は、一層であるが、二層以上であってもよい。
【0028】
本発明のタイヤの製造方法では、成形ドラム上にインナーライナー(図示せず)、カーカス5、ベルト6を順次積層した後、上述の複合コードをベルト6のタイヤ半径方向外側において、複合コードをタイヤ周方向に対し実質的に平行に且つ連続して螺旋状に巻回してベルト補強層7を形成する。また、ベルト補強層7形成の後、ビードリング、トレッドゴム、サイドゴム等のタイヤ部材を載せ、生タイヤを形成する。次に、モールド内で該生タイヤを加硫するが、本発明のタイヤの製造方法においては、トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下になるよう加硫成形する。ベルト補強層7に用いる複合コードは、前述のように収縮率が小さいが、トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下になるよう加硫成形することにより、ベルト補強層7がベルト6に食い込むのを防止することができる。
【0029】
次に、本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様を図4及び図5に示す。図4のタイヤにおいてベルト補強層は、ベルト6の両端部のみに配置された一対の複合コード層7aからなる。また、図5のタイヤにおいてベルト補強層は、ベルト6の両端部のみに配置された一対の複合コード層7aと、該複合コード層7aの上面を覆い、かつ一方の複合コード層7aの外方端部から他方の複合コード層7aの外方端部まで実質的にタイヤの幅方向に延在する複合コード層7bとからなる。図示例の複合コード層7a,7bは何れも一層であるが、二層以上であってもよい。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
表1に示す構成のコードをベルト補強層に用いたタイヤサイズ:205/65R15の空気入りラジアルタイヤを作製した。これら試作タイヤは、表1に示すような構成のコードをベルト補強層に用いる以外、総て同一のタイヤ構造を有する。なお、これらタイヤのベルト補強層は、図3に示す構造である。これらのタイヤに対し、後述する方法により高速耐久性、ロードノイズ、フラットスポット、及びベルト補強層とベルトとの層間ゲージを測定し、結果を表1に示す。
【0032】
(1)高速耐久性
試作タイヤをサイズ6J−15のリムに組み付け、200kPaの内圧充填下、150km/hの速度で30分間走行させ、故障が無ければ速度を6km/hづつ上げていき、故障発生時の速度を測定し、比較例1の故障発生速度を100として指数表示した。指数値が大きくなる程、耐久限界速度が高く高速耐久性に優れることを示す。
【0033】
(2)ロードノイズ
試作タイヤを6J−15のリムサイズのリムに組み付け200kPaの内圧を充填し、2000ccの排気量を有するセダンタイプの乗用車の4輪すべてに装着し、2名乗車してロードノイズ評価路のテストコースを60km/hの速度で走行させながら、運転席の背もたれの中央部分に取り付けた集音マイクを介して周波数:100〜500Hz及び300〜500Hzの全音圧(デシベル)を測定し、該測定値からロードノイズを評価し、比較例1のロードノイズを100として指数表示した。指数値が大きくなる程、ロードノイズが小さく良好であることを示す。
【0034】
(3)フラットスポット
試作タイヤを実車に装着し、一定時間走行させて充分高温となったタイヤに負荷をかけて完全に冷えるまで放置した後のタイヤの変形を、真円度の変化として測定することにより評価した。すなわち、負荷の前後における真円度をそれぞれ測定して、その差をフラットスポット量として求め、比較例1のフラットスポット量を100として指数表示した。指数値が大きくなる程、フラットスポット量が小さく良好であることを示す。
【0035】
(4) ベルト補強層とベルトとの層間ゲージ
試作タイヤ中のベルトの端部から最短でのベルト補強層までの距離を測定し、比較例1の距離を100として指数表示した。指数値が大きくなる程、加硫後の層間ゲージが大きく良好であることを示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004306637
【0037】
実施例1〜3のタイヤは、比較例1のタイヤに比べ、高速耐久性が著しく改善され、また、ロードノイズ及びフラットスポットが著しく低減されており、更にベルト補強層とベルト層間のゲージが大きかった。
【0038】
一方、比較例2のタイヤは、ロードノイズ及びフラットスポットは充分に低減されているものの、ベルト補強層とベルト層間のゲージが小さく、ベルトとベルト補強層とのコードが接触する危険性が高かった。
【0039】
また、比較例3のタイヤは、変曲点における伸びが2%以上であるため、ベルト補強層がベルトを補強する能力が不充分であり、結果として、高速耐久性の改善、ロードノイズ及びフラットスポットの低減が不充分であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせてなり、変曲点における伸びが2%未満であり且つ収縮率が変曲点における伸び以下である複合コードをベルト補強層に用いることにより、ロードノイズ及びフラットスポットが低減されており、ベルト補強層とベルトとのコードが互いに接触することがなく、更に高速耐久性が改善された空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合コードの荷重−伸び曲線における変曲点を示す図である。
【図2】複合コードの荷重−伸び曲線を示す図である。
【図3】本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様の断面図である。
【図4】本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の断面図である。
【図5】本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の断面図である。
【符号の説明】
V 変曲点
C 複合コードの荷重−伸び曲線
S1 伸び0における曲線の接線
S2 破断点における曲線の接線
X S1とS2との交点
S3 荷重29.4Nに対応する点における接線
1 ビード部
2 サイド部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7,7a,7b ベルト補強層

Claims (6)

  1. ラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配したベルト補強層と、トレッドとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ベルト補強層が高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとを撚り合わせた複合コードをタイヤ円周方向に連続して螺旋状に巻回することにより形成されたものであり、
    前記複合コードは、荷重−伸び曲線の原点から変曲点に至る低弾性域と変曲点を超える高弾性域とを有し、かつ該変曲点における伸びが2%未満であり、
    タイヤ中での前記複合コードの長さに対するタイヤから取り出した複合コードの長さの収縮率が前記変曲点における伸び以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記複合コードは、60℃で測定した荷重−伸び曲線の荷重29.4Nに対応する点における接線の傾きG(60)が19.6N/%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記高弾性フィラメントが、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、炭素繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維及びリヨセル繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記低弾性フィラメントが、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維及び脂肪族ポリケトン(PK)繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. ラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の半径方向外側に配した少なくとも二枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配したベルト補強層と、トレッドとを備える生タイヤを、該トレッドのショルダー部の加硫時拡張率が1.5%以下になるよう加硫成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
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