JP2004306575A - 情報通信体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は情報通信体を製造する際に、情報通信材と疑似接着シートが十分に接着され、疑似接着シートの感熱接着剤層がはみ出して開封不可能になることがなく、さらに情報通信材表面のトナー等印字を溶融し汚損することがない情報通信体の製造方法を提供するものである。
【解決手段】最終のヒートパネルPと排出口の加圧ローラVの間に非加熱ゾーンYを設ける。非加熱ゾーンYには搬送ガイドZや強制冷却手段を追加することも可能である。
【選択図】 図2
【解決手段】最終のヒートパネルPと排出口の加圧ローラVの間に非加熱ゾーンYを設ける。非加熱ゾーンYには搬送ガイドZや強制冷却手段を追加することも可能である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DMをはじめとして葉書、往復葉書、封書等に利用が可能な情報通信体の製造方法に関する。さらに詳しくは、見掛けは通常のDM、葉書、往復葉書、封書であるにもかかわらず、多層に折り畳まれ或いは切り重ねられたシートが剥離可能、剥離後容易に再接着しないよう積層された情報通信体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、葉書等の郵便物において、情報が記載された複数の葉片を折り畳み或いは切り重ねて郵送可能にした情報通信体が多用されている。
そのような情報通信体の製造方法として、例えば特開平5−38894号の「密着書簡の連続製造装置」がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記密着書簡の製造装置で製造される密着書簡は、例えば一時接着された2層の透明フィルムの両外側に感熱接着剤層を設けた4層構成の積層シート(以下疑似接着シートという)を、折り畳まれた連続フォーム用紙(以下情報通信材という)の対向葉片間に挿入し、感熱接着により各葉片を剥離可能に一体化するものであり、その製造工程に密着書簡を加熱、加圧処理する工程を含むものである。
【0004】
具体的には図1に示す如く、複数のヒートプレートを上下に配置したヒータ部に疑似接着シートを挟み込んだ密着書簡を通過させて、上下ヒートプレートの加熱により感熱接着剤層を接着性が発揮するまで加熱し、最終出口に配置された加圧ローラを通過させて疑似接着シートと情報通信材を感熱接着剤層により接着し一体化するのである。
【0005】
しかるに前記方法では、加熱温度が高すぎると、溶けた感熱接着剤が情報通信材の対向葉片間にはみ出し封緘状態になり、密着書簡を剥離開封することが困難になってしまう。逆に加熱温度を低く設定すると、情報通信材と疑似接着接着シートが充分に接着されないため、開封に際し疑似接着シートの疑似接着部分から剥離せず、疑似接着シートと情報通信材との間から剥離し、開封後の表面が気泡が入った見苦しい状態になり美観を損ねることになる。
密着書簡の製造者側としては、情報通信材と疑似接着シートが確実に接着され、且つ感熱接着剤層のはみ出しがなく確実に開封できることが理想である。
【0006】
そのような状態を可能にするための疑似接着シートとして、例えば特開平7−17166号の「感熱積層シート及びそれを用いた情報記録体」に記載される感熱積層シートが提供されている。
この感熱積層シートは無機顔料を添加して溶融粘度を上昇させる方法を採用している。従って溶融粘度の上昇により必然的に接着性が低下するため、ヒートプレートの加熱温度を極端に上げなければならなくなる。そうすると例えば情報通信材表面にレーザプリンタ等で印字されたトナーが溶融してしまい、情報通信材の表面やヒートプレートを汚損し製品の美観を損ねると共に紙詰まり等の事故が発生する。
本発明は上記問題に鑑み、疑似接着シートに溶融粘度を上昇させる等の特殊な操作を施すことがなく、通常の低温接着性の疑似接着シートに対応が可能で、情報通信材と疑似接着シート接着性が極めて良好であると共に感熱接着剤のはみ出しがなく、且つトナーが溶融して情報通信材やヒートプレートを汚損することがない情報通信体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報通信体の製造方法は、折り線を介して連接された複数の葉片を折り畳み或いは切り重ね、任意の対向面同志を疑似接着媒体を介して加熱、加圧処理を施すことにより剥離可能に一体化する情報通信体の製造方法において、前記加熱処理と加圧処理の間に非加熱ゾーンを設けたことを特徴としている。
この非加熱ゾーンは例えばファンによる空冷方式及び水冷や油冷方式による強制的な冷却手段を付加しても構わない。
【0008】
前記非加熱ゾーンは図2に破線で示す如く、最終ヒートプレートと加圧ローラとの間に設けられる一種の放熱空間で、この空間を通過する際に加熱されている感熱接着剤層全体に充分な熱が行き届く。その作用により加圧ローラに入るまでに感熱接着剤層が熟成され安定し、本来の接着性が充分に発揮されると共にはみ出し等の不必要な現象を排除できるのである。
この非加熱ゾーンは単に最終ヒートプレートを加熱せずに代用することも可能であるが、最終ヒートプレートには上流のヒートプレートで加熱された高温の密着書簡が連続的に通過するため、その熱を吸収し次第に高温となる。従ってそのような方法を採用する場合には、後述するがヒートプレートが熱を吸収しないように強制的に冷却するための方法を講じればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を葉書に適用した場合の実施例を図面と共に説明する。
図1は従来の加熱、加圧方法の概略図を表す。図2は本発明の加熱、加圧方法の概略図を表す。図3は2つ折り葉書の葉書用紙材の平面図を表す。図4は疑似接着シートの断面図を表す。図5は完成した2つ折り葉書の断面図を表す。図6は非加熱ゾーンに設ける搬送ガイドの斜視図を表す。図7は搬送ガイドを取り付けた様子の斜視図を表す。図8(A)、(B)は搬送ガイドの他のバリエーションの斜視図を表す。図9は搬送ガイドの変形例の斜視図を表す。
【0010】
図3は基本的な2つ折り葉書に使用する葉書用紙材の平面図である。葉書用紙材Sは第1葉片1と第2葉片2が折り線3(必ずしも表示される必要はなくミシン目や折り筋等に替えることも可能)を介して横方向に連接されている。そして第2葉片2表面には切手欄と郵便番号欄の他に、あて先人の住所氏名4がレーザプリンタ等により印字されている。
この葉書用紙材Sは、例えばフォーム印刷や輪転印刷に対応した両側にマージナル孔を設けた形態の長尺シートから裁断されても、或いはオフセット印刷等で代表されるカット紙に単品若しくは複数丁印刷されたものから裁断されても構わない。
また葉書用紙材の材質にも格別な限定はなく通常の印刷用紙、合成樹脂からなる合成紙、合成樹脂が紙繊維に添加された用紙、布、プラスチック等を使用することができる。
【0009】
疑似接着媒体としては各種採用できるが、本実施例では前記引例の疑似接着シートを代表例として説明する。
疑似接着シートGは図4に示す如く例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アセテート、ポリカーボネート、ポリエチレン等の比較的腰の強い支持体11に、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、EVA、EAA、EEA等により構成された樹脂層12を、溶融押出し方式や各種コーティング方式により剥離可能に一時的に積層し、その両外側に公知の感熱接着剤層13を設けたものを好適に使用できる。しかし本発明においては疑似接着シートGの層構成や層数及び材質等にはこだわらない。
本発明によれば、前記感熱接着剤層13が溶融してもはみ出す心配がないため、比較的低温で溶融し接着性を発揮するタイプの感熱接着剤を積極的に選択しても安心して使用することができる。
なお前記支持体11、樹脂層12、感熱接着剤層13には公知の各種添加剤(ブロッキング防止剤、カップリング剤、充填剤、スリップ剤、酸化防止剤等)が添加されていても構わない。
【0012】
他の疑似接着媒体としては例えば、疑似接着予定面に疑似接着性のフィルムをラミネートした後に折り合わせ加熱、加圧処理を施して疑似接着する方法(業界で全面貼りと呼ばれる)。天然ゴムや合成ゴムを主体として各種樹脂や添加剤を混合した疑似接着媒体を疑似接着予定面に塗布する方法(業界で後糊方式と呼ばれる)。UV系の光沢ニスからなる疑似接着媒体を疑似接着予定面に塗布する方法(業界でニス引き方式と呼ばれる)。さらに紙繊維に合成樹脂を混合させた用紙を使用する方式のものが使用目的に合わせて選択される。
【0013】
葉書用紙材Sは裁断と折りの工程を経て、それら工程の前後或いは中間で疑似接着シートGが挿入されて図5の断面図に示す2つ折り葉書Xの状態となり、下流の加熱工程(図2参照)へ搬送される。
図2において左側入り口から入った2つ折り葉書Xは、上下に対で設けられた複数のヒートプレートP間を搬送ローラRにより図中右側の下流へ搬送される。そして最終排出口の加圧ローラVに至るまでに非加熱ゾーンYを通過する。
この非加熱ゾーンYには例えば図6及び図7(便宜上、下側のヒートパネルと搬送ローラのみが表示されているが対向する上側にもそれぞれ同様に配置されている)に示す如く、丁度2つ折り葉書Xの両縁辺が乗る間隔を開けて搬送ガイドが配置されているため、2つ折り葉書Xの中央部分は空中に浮いた状態で放熱しながら加圧ローラVを通過し排出される。
上流で加熱された熱が非加熱ゾーンを通過する僅かな時間に2つ折り葉書全体に満遍なく行き渡る。即ち疑似接着シートGの感熱接着剤13が非加熱ゾーンを通過することにより、2つ折り葉書Xに熱が平均的に行き渡るための時間が与えられたことになる。そのて感熱接着剤が安定した接着性を発揮し接着不良やはみ出し等の現象が起こり得なくなった時点で加圧ローラVにより充分加圧されるため、疑似接着シートGと葉書用紙材は確実に接着されるのである。
【0014】
図8(A)及び(B)は2つ折り葉書Xとの接触部分をさらに減らし、放熱の効率を向上させる搬送ガイドを示す。
同図(A)は図6の搬送ガイドの長さを短くしたもので、図2に示す非加熱ゾーンの中間や加圧ローラV側に設けることにより更に接触面積や接触時間を減らしたものである。
同図(B)はスリット状にしたもので、接触面積を極端に減少させることが可能で放熱の効率を向上させたものである。
【0015】
図9は本発明の異なる非加熱ゾーンの搬送ガイドを示すものである。
この搬送ガイドは図6とガイドの形状が逆になっており、2つ折り葉書Xの中央部分が接触し両縁辺部分が空間に浮いた状態で放熱するものである。この様にすれば開封部分(2つ折り葉書Xの「OPEN」で表示されるコーナー部分)での放熱が促進されるため、開封不良の原因である感熱接着剤のはみ出し防止に極めて効果的である。その際2つ折り葉書Xが接触する中央のガイド部分を強制的に加熱すれば、葉書中央部分の接着がさらに良好となる。
なお、搬送ガイドの形状や材質には何ら制限はなく、放熱を促進する形状や材質であれば全て採用が可能である。
【0016】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
本実施例に使用した2つ折り葉書以外にも、例えば折り線を介して連接した3葉片をZ折りや巻き折りして生じる2個所の対向葉片間の両者を疑似接着シートで剥離可能に一体化することも可能である。この様にすればより多くの情報を隠蔽して伝えることが可能になる。また前記2個所の対向葉片の1個所を剥離可能として、残る1個所を両面接着シート等により剥離不能にすれば、最終的に2つ折りの状態にすることも可能である。さらに1個所を剥離可能として残る1個所をなにもせずに未接着のままにしておけば、見開き2頁の形状になり往復葉書等に使用することができる。
なお葉書用用紙は折り畳むばかりでなく折り線から切り離し、重ね合わせるようにしても構わない。
【0017】
非加熱ゾーンの長さに制限はない。それは非加熱ゾーンの上流のヒートパネルの容量等で適宜選択すればよい。長くする場合はヒートパネルを搬送ガイドに変更すればよいので極めて至便である。またヒートパネルはヒートローラに替えても構わない。
非加熱ゾーンに必ずしも搬送ガイドが必要なわけではない。単なる空間でも構わず、さらに非加熱ゾーンを強制的に冷却するように各種手段を付加することも可能である。例えば非加熱ゾーンの上下にファンを設けたり、搬送ガイドの接触面積を大きく取り水冷や油冷方式で冷却してもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、加熱により接着性を発揮し始めた感熱接着剤層に非加熱ゾーンで熱を充分行き渡らせることにより安定させる。そのため感熱接着剤層接着力が安定するためにはみ出しを防止することができる。
また、熱を加えても非加熱ゾーンの存在により緩和されるので安心して加熱ができる。従って、接着不良により疑似接着シートと葉書用紙材との間から剥離してしまったり、開封後の表面が気泡が入った見苦しい状態になり美観を損ねるような事故の発生がなくなる。
さらに、はみ出し防止効果により、疑似接着シートの感熱接着剤をより低温接着性に設計できるため、紙材表面に例えばレーザープリンタ等の低温で溶融してしまうトナーで印刷を施しても、紙材表面やヒートプレートを汚損したりそれによる紙詰まり等の事故がなくなる。
従って、素人でも簡単に短時間で高品質の情報通信体を大量に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の加熱、加圧方法の概略図を表す。
【図2】本発明の加熱、加圧方法の概略図を表す。
【図3】2つ折り葉書の葉書用紙材の平面図を表す。
【図4】疑似接着シートの断面図を表す。
【図5】完成した2つ折り葉書の断面図を表す。
【図6】非加熱ゾーンに設ける搬送ガイドの斜視図を表す。
【図7】搬送ガイドを取り付けた様子の斜視図を表す。
【図8】(A)及び(B)は搬送ガイドの他のバリエーションの斜視図を表す。
【図9】搬送ガイドの変形例の斜視図を表す。
【符号の説明】
P ヒートプレート
R 搬送ローラ
V 加圧ローラ
X 2つ折り葉書
Y 非加熱ゾーン
Z 搬送ガイド
S 2つ折り葉書用紙
G 疑似接着シート
1、2 葉片
3 折り線
4 あて先人の住所氏名
11 支持体
12 樹脂
13 感熱接着剤層
【発明の属する技術分野】
本発明は、DMをはじめとして葉書、往復葉書、封書等に利用が可能な情報通信体の製造方法に関する。さらに詳しくは、見掛けは通常のDM、葉書、往復葉書、封書であるにもかかわらず、多層に折り畳まれ或いは切り重ねられたシートが剥離可能、剥離後容易に再接着しないよう積層された情報通信体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、葉書等の郵便物において、情報が記載された複数の葉片を折り畳み或いは切り重ねて郵送可能にした情報通信体が多用されている。
そのような情報通信体の製造方法として、例えば特開平5−38894号の「密着書簡の連続製造装置」がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記密着書簡の製造装置で製造される密着書簡は、例えば一時接着された2層の透明フィルムの両外側に感熱接着剤層を設けた4層構成の積層シート(以下疑似接着シートという)を、折り畳まれた連続フォーム用紙(以下情報通信材という)の対向葉片間に挿入し、感熱接着により各葉片を剥離可能に一体化するものであり、その製造工程に密着書簡を加熱、加圧処理する工程を含むものである。
【0004】
具体的には図1に示す如く、複数のヒートプレートを上下に配置したヒータ部に疑似接着シートを挟み込んだ密着書簡を通過させて、上下ヒートプレートの加熱により感熱接着剤層を接着性が発揮するまで加熱し、最終出口に配置された加圧ローラを通過させて疑似接着シートと情報通信材を感熱接着剤層により接着し一体化するのである。
【0005】
しかるに前記方法では、加熱温度が高すぎると、溶けた感熱接着剤が情報通信材の対向葉片間にはみ出し封緘状態になり、密着書簡を剥離開封することが困難になってしまう。逆に加熱温度を低く設定すると、情報通信材と疑似接着接着シートが充分に接着されないため、開封に際し疑似接着シートの疑似接着部分から剥離せず、疑似接着シートと情報通信材との間から剥離し、開封後の表面が気泡が入った見苦しい状態になり美観を損ねることになる。
密着書簡の製造者側としては、情報通信材と疑似接着シートが確実に接着され、且つ感熱接着剤層のはみ出しがなく確実に開封できることが理想である。
【0006】
そのような状態を可能にするための疑似接着シートとして、例えば特開平7−17166号の「感熱積層シート及びそれを用いた情報記録体」に記載される感熱積層シートが提供されている。
この感熱積層シートは無機顔料を添加して溶融粘度を上昇させる方法を採用している。従って溶融粘度の上昇により必然的に接着性が低下するため、ヒートプレートの加熱温度を極端に上げなければならなくなる。そうすると例えば情報通信材表面にレーザプリンタ等で印字されたトナーが溶融してしまい、情報通信材の表面やヒートプレートを汚損し製品の美観を損ねると共に紙詰まり等の事故が発生する。
本発明は上記問題に鑑み、疑似接着シートに溶融粘度を上昇させる等の特殊な操作を施すことがなく、通常の低温接着性の疑似接着シートに対応が可能で、情報通信材と疑似接着シート接着性が極めて良好であると共に感熱接着剤のはみ出しがなく、且つトナーが溶融して情報通信材やヒートプレートを汚損することがない情報通信体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報通信体の製造方法は、折り線を介して連接された複数の葉片を折り畳み或いは切り重ね、任意の対向面同志を疑似接着媒体を介して加熱、加圧処理を施すことにより剥離可能に一体化する情報通信体の製造方法において、前記加熱処理と加圧処理の間に非加熱ゾーンを設けたことを特徴としている。
この非加熱ゾーンは例えばファンによる空冷方式及び水冷や油冷方式による強制的な冷却手段を付加しても構わない。
【0008】
前記非加熱ゾーンは図2に破線で示す如く、最終ヒートプレートと加圧ローラとの間に設けられる一種の放熱空間で、この空間を通過する際に加熱されている感熱接着剤層全体に充分な熱が行き届く。その作用により加圧ローラに入るまでに感熱接着剤層が熟成され安定し、本来の接着性が充分に発揮されると共にはみ出し等の不必要な現象を排除できるのである。
この非加熱ゾーンは単に最終ヒートプレートを加熱せずに代用することも可能であるが、最終ヒートプレートには上流のヒートプレートで加熱された高温の密着書簡が連続的に通過するため、その熱を吸収し次第に高温となる。従ってそのような方法を採用する場合には、後述するがヒートプレートが熱を吸収しないように強制的に冷却するための方法を講じればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を葉書に適用した場合の実施例を図面と共に説明する。
図1は従来の加熱、加圧方法の概略図を表す。図2は本発明の加熱、加圧方法の概略図を表す。図3は2つ折り葉書の葉書用紙材の平面図を表す。図4は疑似接着シートの断面図を表す。図5は完成した2つ折り葉書の断面図を表す。図6は非加熱ゾーンに設ける搬送ガイドの斜視図を表す。図7は搬送ガイドを取り付けた様子の斜視図を表す。図8(A)、(B)は搬送ガイドの他のバリエーションの斜視図を表す。図9は搬送ガイドの変形例の斜視図を表す。
【0010】
図3は基本的な2つ折り葉書に使用する葉書用紙材の平面図である。葉書用紙材Sは第1葉片1と第2葉片2が折り線3(必ずしも表示される必要はなくミシン目や折り筋等に替えることも可能)を介して横方向に連接されている。そして第2葉片2表面には切手欄と郵便番号欄の他に、あて先人の住所氏名4がレーザプリンタ等により印字されている。
この葉書用紙材Sは、例えばフォーム印刷や輪転印刷に対応した両側にマージナル孔を設けた形態の長尺シートから裁断されても、或いはオフセット印刷等で代表されるカット紙に単品若しくは複数丁印刷されたものから裁断されても構わない。
また葉書用紙材の材質にも格別な限定はなく通常の印刷用紙、合成樹脂からなる合成紙、合成樹脂が紙繊維に添加された用紙、布、プラスチック等を使用することができる。
【0009】
疑似接着媒体としては各種採用できるが、本実施例では前記引例の疑似接着シートを代表例として説明する。
疑似接着シートGは図4に示す如く例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アセテート、ポリカーボネート、ポリエチレン等の比較的腰の強い支持体11に、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、EVA、EAA、EEA等により構成された樹脂層12を、溶融押出し方式や各種コーティング方式により剥離可能に一時的に積層し、その両外側に公知の感熱接着剤層13を設けたものを好適に使用できる。しかし本発明においては疑似接着シートGの層構成や層数及び材質等にはこだわらない。
本発明によれば、前記感熱接着剤層13が溶融してもはみ出す心配がないため、比較的低温で溶融し接着性を発揮するタイプの感熱接着剤を積極的に選択しても安心して使用することができる。
なお前記支持体11、樹脂層12、感熱接着剤層13には公知の各種添加剤(ブロッキング防止剤、カップリング剤、充填剤、スリップ剤、酸化防止剤等)が添加されていても構わない。
【0012】
他の疑似接着媒体としては例えば、疑似接着予定面に疑似接着性のフィルムをラミネートした後に折り合わせ加熱、加圧処理を施して疑似接着する方法(業界で全面貼りと呼ばれる)。天然ゴムや合成ゴムを主体として各種樹脂や添加剤を混合した疑似接着媒体を疑似接着予定面に塗布する方法(業界で後糊方式と呼ばれる)。UV系の光沢ニスからなる疑似接着媒体を疑似接着予定面に塗布する方法(業界でニス引き方式と呼ばれる)。さらに紙繊維に合成樹脂を混合させた用紙を使用する方式のものが使用目的に合わせて選択される。
【0013】
葉書用紙材Sは裁断と折りの工程を経て、それら工程の前後或いは中間で疑似接着シートGが挿入されて図5の断面図に示す2つ折り葉書Xの状態となり、下流の加熱工程(図2参照)へ搬送される。
図2において左側入り口から入った2つ折り葉書Xは、上下に対で設けられた複数のヒートプレートP間を搬送ローラRにより図中右側の下流へ搬送される。そして最終排出口の加圧ローラVに至るまでに非加熱ゾーンYを通過する。
この非加熱ゾーンYには例えば図6及び図7(便宜上、下側のヒートパネルと搬送ローラのみが表示されているが対向する上側にもそれぞれ同様に配置されている)に示す如く、丁度2つ折り葉書Xの両縁辺が乗る間隔を開けて搬送ガイドが配置されているため、2つ折り葉書Xの中央部分は空中に浮いた状態で放熱しながら加圧ローラVを通過し排出される。
上流で加熱された熱が非加熱ゾーンを通過する僅かな時間に2つ折り葉書全体に満遍なく行き渡る。即ち疑似接着シートGの感熱接着剤13が非加熱ゾーンを通過することにより、2つ折り葉書Xに熱が平均的に行き渡るための時間が与えられたことになる。そのて感熱接着剤が安定した接着性を発揮し接着不良やはみ出し等の現象が起こり得なくなった時点で加圧ローラVにより充分加圧されるため、疑似接着シートGと葉書用紙材は確実に接着されるのである。
【0014】
図8(A)及び(B)は2つ折り葉書Xとの接触部分をさらに減らし、放熱の効率を向上させる搬送ガイドを示す。
同図(A)は図6の搬送ガイドの長さを短くしたもので、図2に示す非加熱ゾーンの中間や加圧ローラV側に設けることにより更に接触面積や接触時間を減らしたものである。
同図(B)はスリット状にしたもので、接触面積を極端に減少させることが可能で放熱の効率を向上させたものである。
【0015】
図9は本発明の異なる非加熱ゾーンの搬送ガイドを示すものである。
この搬送ガイドは図6とガイドの形状が逆になっており、2つ折り葉書Xの中央部分が接触し両縁辺部分が空間に浮いた状態で放熱するものである。この様にすれば開封部分(2つ折り葉書Xの「OPEN」で表示されるコーナー部分)での放熱が促進されるため、開封不良の原因である感熱接着剤のはみ出し防止に極めて効果的である。その際2つ折り葉書Xが接触する中央のガイド部分を強制的に加熱すれば、葉書中央部分の接着がさらに良好となる。
なお、搬送ガイドの形状や材質には何ら制限はなく、放熱を促進する形状や材質であれば全て採用が可能である。
【0016】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
本実施例に使用した2つ折り葉書以外にも、例えば折り線を介して連接した3葉片をZ折りや巻き折りして生じる2個所の対向葉片間の両者を疑似接着シートで剥離可能に一体化することも可能である。この様にすればより多くの情報を隠蔽して伝えることが可能になる。また前記2個所の対向葉片の1個所を剥離可能として、残る1個所を両面接着シート等により剥離不能にすれば、最終的に2つ折りの状態にすることも可能である。さらに1個所を剥離可能として残る1個所をなにもせずに未接着のままにしておけば、見開き2頁の形状になり往復葉書等に使用することができる。
なお葉書用用紙は折り畳むばかりでなく折り線から切り離し、重ね合わせるようにしても構わない。
【0017】
非加熱ゾーンの長さに制限はない。それは非加熱ゾーンの上流のヒートパネルの容量等で適宜選択すればよい。長くする場合はヒートパネルを搬送ガイドに変更すればよいので極めて至便である。またヒートパネルはヒートローラに替えても構わない。
非加熱ゾーンに必ずしも搬送ガイドが必要なわけではない。単なる空間でも構わず、さらに非加熱ゾーンを強制的に冷却するように各種手段を付加することも可能である。例えば非加熱ゾーンの上下にファンを設けたり、搬送ガイドの接触面積を大きく取り水冷や油冷方式で冷却してもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、加熱により接着性を発揮し始めた感熱接着剤層に非加熱ゾーンで熱を充分行き渡らせることにより安定させる。そのため感熱接着剤層接着力が安定するためにはみ出しを防止することができる。
また、熱を加えても非加熱ゾーンの存在により緩和されるので安心して加熱ができる。従って、接着不良により疑似接着シートと葉書用紙材との間から剥離してしまったり、開封後の表面が気泡が入った見苦しい状態になり美観を損ねるような事故の発生がなくなる。
さらに、はみ出し防止効果により、疑似接着シートの感熱接着剤をより低温接着性に設計できるため、紙材表面に例えばレーザープリンタ等の低温で溶融してしまうトナーで印刷を施しても、紙材表面やヒートプレートを汚損したりそれによる紙詰まり等の事故がなくなる。
従って、素人でも簡単に短時間で高品質の情報通信体を大量に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の加熱、加圧方法の概略図を表す。
【図2】本発明の加熱、加圧方法の概略図を表す。
【図3】2つ折り葉書の葉書用紙材の平面図を表す。
【図4】疑似接着シートの断面図を表す。
【図5】完成した2つ折り葉書の断面図を表す。
【図6】非加熱ゾーンに設ける搬送ガイドの斜視図を表す。
【図7】搬送ガイドを取り付けた様子の斜視図を表す。
【図8】(A)及び(B)は搬送ガイドの他のバリエーションの斜視図を表す。
【図9】搬送ガイドの変形例の斜視図を表す。
【符号の説明】
P ヒートプレート
R 搬送ローラ
V 加圧ローラ
X 2つ折り葉書
Y 非加熱ゾーン
Z 搬送ガイド
S 2つ折り葉書用紙
G 疑似接着シート
1、2 葉片
3 折り線
4 あて先人の住所氏名
11 支持体
12 樹脂
13 感熱接着剤層
Claims (2)
- 折り線を介して連接された複数の葉片を折り畳み或いは切り重ね、任意の対向面同志を疑似接着媒体を介し加熱、加圧処理を施すことにより剥離可能に一体化する情報通信体の製造方法において、前記加熱処理と加圧処理の間に非加熱ゾーンを設けたことを特徴とする情報通信体の製造方法。
- 請求項1の非加熱ゾーンを冷却ゾーンとしたことを特徴とする情報通信体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003137997A JP2004306575A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 情報通信体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003137997A JP2004306575A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 情報通信体の製造方法 |
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JP (1) | JP2004306575A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010079429A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触icカードの製造装置 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003137997A patent/JP2004306575A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010079429A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触icカードの製造装置 |
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