JP2004305478A - 衣類プレス器 - Google Patents
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Abstract
【課題】衣類を挟圧・加熱した後に、挟圧・冷却を行うことにより、衣類のしわ伸ばしと折り目付けの仕上がりを向上することを目的とする。
【解決手段】互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズボン等の衣類をプレス面間を通過させて挟圧加熱して、しわ伸ばしや折り目付けを行う衣類プレス器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の衣類プレス器は、内部にヒータを有し絶縁された筒体を内蔵した中空ローラーを軸架した枠筐に相対したローラーを軸架した支持筐を開披自在に軸着したもので、この中空ローラーとローラーとの間に衣類を挟圧して加熱するように構成されていた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭32−5291号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、衣類等がローラー間を挟圧され通り抜けたときにしわ伸ばしや折り目付けを行うが、挟圧・加熱し、折り目付けを行っても衣類が挟圧からすぐに外れ、衣類が熱を持ったままで形状を保持できない状態となり、しっかりとした折り目付けができないものであった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するもので、しわ伸ばしと折り目付けの仕上がりを良くすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、複数ある一対のプレス面の温度を高温・低温にそれぞれ設定し、衣類を挟圧・加熱した後に、挟圧・冷却を行う工程を有するものである。
【0007】
これにより、衣類のしわ伸ばしと折り目付けの仕上がりが向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成したものであり、温度の高いプレス面間で衣類の形状を整え、温度の低いプレス面間で形状を保持できるようになり、しっかりとした折り目付けができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、プレス面をそれぞれローラー外周面で構成したことで、挟圧された衣類をスムーズに移動させることができ、仕上がりをシームレスにすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、第1のローラーを第2のローラーより表面温度を高く設定するとともに前記2個のローラーを所定の間隔で配置し、前記2個のローラーに共に近接する第3のローラーを設けたことにより、二対のプレス面を3個のローラーで構成することができ、コンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第3のローラーの表面は断熱性が高い材質で構成したことにより、第1及び第2のローラーの影響を受け難くなり第3のローラーの温度が所定の温度で一定となり、挟圧するときの対のローラーにおいて高温ローラーと低温ローラーで挟み込むということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第3のローラーの表面を熱容量が小さい材質で構成したことにより、第1及び第2のローラーの影響を非常に受けやすくなり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温になり、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが良くなる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より大きく設定したことで、ローラー間を挟圧により第1のローラーから第2のローラーに通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが少なくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より小さく設定したことにより、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第1〜第3のローラーの径をほぼ等しく設定したことにより、ローラー同士の接触面積が等しくなり、衣類の両側から均等に挟圧することが可能となり、バランスよく挟み込むことができ、より仕上がりがよくなる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項3もしくは請求項6〜8に記載の発明において、第3のローラーをプレス面を含む外表部と中芯の二層に構成し、外表部を熱容量が小さい材質で構成するとともに、中芯は第1のローラーに対向する箇所を第2のローラーに対向する箇所より温度を高く設定したことにより、第3のローラーの表面温度は、第1のローラー及び第2のローラーに因らずとも、第3のローラー自身の中芯により高温・低温状態を得ることができる。つまり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温状態で、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが良くなる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9に記載の発明において、一対のプレス面の少なくとも一方を離間方向に可動に構成し、前記一対のプレス面間に作用する押圧手段を設けたことにより、衣類の厚みに応じて挟み込む圧力を変更することができ、また、より強い折り目が必要な場合にも、強い圧力を得ることができる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10に記載の発明において、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に形成したことにより、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11に記載の発明において、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部の硬さを外縁部の硬さより柔らかく設定したことにより、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなる。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12に記載の発明において、温度が高いプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部より外縁部を高く設定したことにより、衣類の折り目付けを行う箇所のみ温度が所定の温度より高くなり、十分な折り目を形成することが可能となる。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13に記載の発明において、衣類に水分を与えることができる加湿手段を有することで、水分を与えられた繊維が一度膨潤することになり、よりしわが伸ばしやすくなり、仕上がりが向上する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面から蒸気を噴出させる蒸気噴出機構を有することで、衣類の蒸気による仕上げが可能となり、しわ伸ばし等の仕上がりが向上する。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面表面から水分を衣類に浸透させることにより、厚手の衣類に対しても十分に水分を与えることが可能となり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面から独立して設けたことにより、挟圧・加熱以前に衣類に水分を与えることができ、水分が十分に衣類に浸透する。これにより、しわの伸びが良くなり、仕上がりが向上する。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項2〜17に記載の発明において、複数対のローラーの外周面のうち少なくとも一対のローラーの外周面の回転速度を速く、残りの対のローラーの外周面の回転速度を遅く設定するとともに、衣類を回転速度の速いローラーの外周面間から回転速度の遅いローラー外周面間へと順に通過させるように構成したことにより、衣類に張力を加えながら挟圧を加えることが可能となり、よりしわ伸ばし効果を発揮させることができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0027】
(実施例1)
図1〜図7に示すように、1は第1のヒータ2及び第1のモーター3を内蔵した第1のローラー、4は冷却水循環通路5及び第2のモーター6を有した第2のローラー、7は第3のモーター8を内蔵した中空の第3のローラーで、前記第1のローラー1と第2のローラー4を所定の間隔で配設し、第3のローラー7を前記第1のローラー1と第2のローラー4に共に近接させて配設してある。
【0028】
第3のローラー7は第1のローラー1及び第2のローラー4に開披自在に軸架されており、前記第1と第3、第2と第3のローラー間はそれぞれバネ等の押圧手段9により離間方向に可動として互いに押圧されており、この押圧される圧力は自在に調節することができる。また前記第1〜第3のローラー1、4、7の配設位置も自在に位置調整手段(図示省略)により調節することを可能にしている。
【0029】
また、本実施例における衣類プレス器は、第1のローラーが所定の温度に到達したことを報知する温度報知手段(図示省略)と、第1のローラー1と第3のローラー7との間の圧力及び第2のローラー4と第3のローラー7との圧力を検知する圧力検知手段12と、第1のローラー1と第3のローラー7との間の間隔及び第2のローラー4と第3のローラー7との間隔を検知する間隔検知手段13を備えている。
【0030】
上記構成において動作を説明すると、ズボン等の衣類をプレスする場合は、図5に示すように、まず第3のローラー7を開披し、所定の角度で開いた状態で、その内面、つまり第1のローラー1と第2のローラー4の上面で、第1のローラー1と第3のローラー7との間かつ第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧できる位置にズボンの端部を整形した状態で設置する。
【0031】
そして、第1のローラー1と第3のローラー7かつ第2のローラー4と第3のローラー7とでズボンを挟圧する位置に第3のローラー7を変位させる。
【0032】
次に、図6に示すように、ズボンを挟圧した状態で、第1のヒータ2をONさせ、第1のローラー1の表面温度が所定の温度に到達したときに、第1のモーター3、第2のモーター6、第3のモーター8がそれぞれ動作し、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7がそれぞれ回転を始める。それぞれのローラーの回転方向は、ズボンが第1のローラー1と第3のローラー7間から第2のローラー4と第3のローラー7間に順に通過する方向である。
【0033】
この場合、常にズボンが第1のローラー1と第3のローラー7間の挟圧で熱せられ、その後第2のローラー4と第3のローラー7間の挟圧で冷却されるということになる。これによって、ズボンを熱して挟圧することで折り目をつけた後、冷却行程を行うことで付けた折り目をしっかり保持することができる。
【0034】
なお、本実施例ではすべてのローラーにモーターを内蔵して駆動させているが、第3のローラー7のモーター8を省略することも可能である。また、逆に第3のローラーのみにモーターを内蔵し、第1のローラー1および第2のローラー4のモーターを省略することも可能である。
【0035】
また、他の動作例について説明すると、ズボンをプレスする場合に、第1のローラー1と第3のローラー7及び第2のローラー4と第3のローラー7とをそれぞれ対向させ、挟圧した状態で、第1のヒータ2をONさせ、第1のモーター3、第2のモーター6および第3のモーター8をそれぞれ動作させる。
【0036】
それぞれのローラーの回転方向は、第1のローラー1と第2のローラー4は同一回転方向で、第3のローラー7は第1のローラー1及び第2のローラー4の回転方向と逆回転方向になる。
【0037】
温度報知手段11が所定の温度に到達したことを報知した後、使用者がズボンの端部を第1のローラー1と第3のローラー7との間に挿入すると、ズボンは挟圧され、かつ熱せられることで折り目付けが行われ、ローラーの回転によりズボンは折り目が付いた状態で移動する。移動したズボンは次に第2のローラー4と第3のローラー7との間に入り込み、挟圧される。
【0038】
第2のローラー4と第3のローラー7とで挟圧される場合は、第2のローラー4の冷却作用により、ズボンに付いた折り目を固定し、保持する。
【0039】
ここで、第1のローラー1と第3のローラー7との間、もしくは第2のローラー4と第3のローラー7との間に急に厚さの厚いズボンが入り込んだ場合またはズボンがローラー間より出てしまったときには、圧力検知手段12によりズボンの折り目付けが終了したと判断し、第1のヒータ2への通電を遮断し、ローラーの回転を停止させる。
【0040】
また、間隔検知手段13によっても、急に厚さの厚いズボンが入り込んだ場合またはズボンがローラー間より出てしまった場合には、第1のローラー1と第3のローラー7との間隔、または、第2のローラー4と第3のローラー7との間隔が広がったことを間隔検知手段13により検知し、ズボンの折り目付けが終了したと判断し、第1のヒータ2への通電を遮断し、ローラーの回転を停止させる。
【0041】
また、第3のローラー7の表面はシリコンラバー等の断熱性の高い材料で構成してあり、第3のローラー7が第1のローラー1の熱の影響を受けず、第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧し、冷却する際に第3のローラー7の温度が低いままで、効率良く冷却可能となる。
【0042】
また、第3のローラー7の表面を熱容量の小さい材質で構成することもでき、この場合は、第3のローラー7の表面が第1のローラー1と接触する箇所では第1のローラー1の影響を受けて高温になり、第2のローラー4と接触する箇所では第2のローラーの影響を受けて低温になる。したがって、ズボンがローラー間を通る際に、第1のローラー1と第3のローラー7間ではよりズボンを加熱しやすく、また第2のローラー4と第3のローラー7間では冷却しやすくなり、折り目付けの仕上がりが向上する。
【0043】
(実施例2)
また、図8に示すように、第2の実施例における衣類プレス器は、第3のローラー7の径を第1のローラー1及び第2のローラー4の径よりも大きく設定することで、ズボンを第1のローラー1と第3のローラー7の間に挿入する角度が浅くなり、また第2のローラー4と第3のローラー7との間から排出される角度も浅くなる。
【0044】
これにより、第1のローラー1と第3のローラー7との間で挟圧する面と第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧する面とのなす角度aを、図7に示すすべてのローラーの径が等しい場合の角度a’より大きくとることができ(a>a’)、ズボンが通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが小さくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0045】
(実施例3)
また、図9に示すように、第3の実施例の衣類プレス器においては、第3のローラー7の径を第1のローラー1及び第2のローラー4の径よりも小さく設定することで、三個のローラーを組み合わせたときの高さbを第3のローラー7の径が小さい場合の高さb’よりも抑えることが可能となり(b>b’)、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0046】
(実施例4)
図10に示すように、第4の実施例における衣類プレス器では、第1のローラー1と第2のローラー4と第3のローラー7の径をほぼ等しく設定することで、第1のローラー1と第3のローラー7の接触面積及び第2のローラー4と第3のローラー7の接触面積とが等しくなり、ズボンの両側から均等に挟圧することが可能となり、仕上がりが良くなる。
【0047】
(実施例5)
図11に示すように、第5の実施例における衣類プレス器は、第3のローラー7をプレス面を含む外表部14と中芯の2層に構成し、外表部14のみ第3のモーター8により回転する構成において、外表部14を熱容量が小さい材質とし、中芯を第1のローラー1に対向する中芯15と第2のローラー4に対向する中芯16とで構成し、前記中芯15を中芯16より温度が高になるようにすることで、外表部14は熱容量が小さいために第1のローラー1と対向する箇所は中芯15の高温度の影響を受け直ちに高温となり、第2のローラーと対向する箇所は中芯16では低温度の影響を受け低温となる。
【0048】
つまり、第3のローラー7の表面温度は第1のローラー1及び第2のローラー4とは独立して第1のローラー1と対向する箇所の温度は高温となり、第2のローラー4と対向する箇所の温度は低温になる。
【0049】
したがって、第1のローラー1と第3のローラー7との挟圧では、共に高温のローラーで挟圧することになり、より強い折り目付けを行うことができる。また、第2のローラー4と第3のローラー7との挟圧では、共に低温のローラーで挟圧することになり、より急速に冷却することが可能となり、しっかりと折り目形状を保持できることになる。
【0050】
また、押圧手段9によりズボンの厚みに応じて第1のローラー1と第3のローラー7との間、もしくは第2のローラー4と第3のローラー7との間を離間方向に可動として狭圧する圧力を変化させ、そのズボンの厚みに応じた圧力を加えることが可能となり、繊維の種類により最適な圧力を加えることができ、仕上がりが向上する。
【0051】
(実施例6)
図12に示すように、第6の実施例における衣類プレス器は、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7のうち少なくとも一つのプレス面において、ズボンが通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に構成してある。これにより、ズボンの縫い目の部分を狭圧する圧力のみを小さくすることができ、折り目をしっかり付けつつも、縫い目の部分の押え過ぎがなくなり、縫い目の部分が光るということがなくなる。
【0052】
(実施例7)
図13に示すように、第7の実施例における衣類プレス器は、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7のうち少なくとも一つのプレス面において、ズボンが通る方向に直交する方向の面の中央部17の硬さを外縁部18の硬さよりも柔らかく設定してある。これにより、ズボンの縫い目の箇所がローラー中央部の柔らかい箇所に嵌り、縫い目を狭圧する圧力を小さくすることができ、縫い目を押え過ぎて繊維表面が光るということもなくなる。
【0053】
(実施例8)
第8の実施例における衣類プレス器は、図示は省略するが、第1のローラー1や第2のローラー4のズボンが通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部17より外縁部18を高く設定してある。この場合は、ズボンの折り目付けを行なう箇所のみ温度が高くなり、その他の箇所は温度が低いままである。これにより、ズボンの折り目付けはしっかり行なうことが可能であると共に、折り目付け以外の箇所では、繊維を傷めずに仕上げることが可能となる。
【0054】
(実施例9)
図14〜図16に示すように、第9の実施例における衣類プレス器は、スプレー又はスチーム又はミスト等により水分をズボンに与えることができる加湿手段19を設けてある。これによって、ズボンに水分を与えることで、繊維が膨潤し、繊維が伸びることでしわが伸び、その膨潤した繊維を狭圧し加熱することでズボンのしわが伸びやすくなり、仕上がりが向上する。
【0055】
図14に示すものは、加湿手段19をスチームを噴出する蒸気噴出機構20とし、第1のローラー1に前記蒸気噴出機構20を設けることで、ズボンを狭圧及び加熱すると同時にスチームをズボンの繊維に与えることが可能となり、効率よく仕上げることが可能となる。
【0056】
また、図15に示すものは、加湿手段19をプレス面表面21からズボンに水分を浸透させるようにしたもので、プレス面表面21をスポンジ状の材質で構成し、前記スポンジ状の材質に水分を供給することで、ズボンを狭圧した場合にスポンジ状材質からズボンに水分が与えられる。つまり、ズボンを狭圧するまではスポンジ状材質に水分を保湿し、狭圧すると同時に水分をズボンに与えることができ、また厚手の繊維であっても十分に水分を浸透させることができ、スチーム等に比べて多くの水分をズボンに与えることが可能となり、より効率よく仕上げることが可能となる。
【0057】
また、図16に示すものは、加湿手段19をプレス面から独立して設けてある。この場合は、狭圧及び加熱する以前に水分をズボンに与えることができることで、十分に水分を繊維に浸透させることが可能となり、しわの伸びが良くなり、仕上がりも向上する。
【0058】
(実施例10)
図17に示すように、第10の実施例における衣類プレス器は、ヒータとモーターを備えた第1のローラー21と、同じくヒータとモーターを備えた第2のローラー22と、水の通路等の冷却手段とモーターを備えた第3のローラー23と、同じく水の通路等の冷却手段とモーターを備えた第4のローラー24とを有する衣類プレス器において、第1のローラー21と第2のローラー22を近接して対向させると共に、第3のローラー23と第4のローラー24を近接して対向させてある。
【0059】
この構成について動作を説明すると、内蔵されたヒータをONにすることで、第1のローラー21と第2のローラー22は加熱され表面温度が上昇する。第1のローラー21と第2のローラー22の表面温度が設定温度に到達した後、モーターが動作し、第1のローラー21と第2のローラー22と第3のローラー23と第4のローラー24が回転を始める。第3のローラー23と第4のローラー24は内部を循環する冷却水により表面温度は低温になる。
【0060】
ズボン等の衣類をプレスする時は、第1のローラー21と第2のローラー22との間にズボンの端部を挿入し、高温のプレス面により狭圧と加熱を行なうことで、ズボンの折り目付けやしわ伸ばしを行なう。そしてプレスされたズボンは、第3のローラー23と第4のローラー24との間に送られ、狭圧される。第3のローラー23と第4のローラー24の表面温度は低温のため、ズボンを冷却することで付けられた折り目を保持する。
【0061】
ここで、第3のローラー23と第4のローラー24の回転数を第1のローラー21と第2のローラー22の回転数よりも速く設定しておけば、プレスされたズボンが排出されるときに第1のローラー21と第2のローラー22との狭圧と第3のローラー23と第4のローラー24との狭圧との間でズボンの繊維に張力を加える状態となり、常にズボンが引っ張られた状態でプレスすることとなり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成したことで、温度の高いプレス面間で衣類の形状を整え、温度の低いプレス面間で整えた形状のまま冷却することで、形状を保持し、しっかりとした折り目付けができるようになる。
【0063】
また、請求項2に記載の発明によれば、プレス面をそれぞれローラー外周面で構成したことにより、挟圧された衣類をローラーの回転によりスムーズに移動させることができ、仕上がりをシームレスにすることができる。
【0064】
また、請求項3に記載の発明によれば、第1のローラーを第2のローラーより表面温度を高く設定するとともに前記2個のローラーを所定の間隔で配置し、前記2個のローラーに共に近接する第3のローラーを設けたことで、二対のプレス面を3個のローラーで構成することができ、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0065】
また、請求項4に記載の発明によれば、第3のローラーの表面を断熱性が高い材質で構成したことで、第1及び第2のローラーの熱の影響を受け難くなり第3のローラーの温度が所定の温度で一定となり、挟圧するときの対のローラーにおいて高温ローラーと低温ローラーで挟み込むということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0066】
また、請求項5に記載の発明によれば、第3のローラーの表面は熱容量が小さい材質で構成したことで、第1及び第2のローラーの熱の影響を非常に受けやすくなり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温になり、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが向上する。
【0067】
また、請求項6に記載の発明によれば、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より大きく設定したことで、ローラー間を挟圧により第1のローラーから第2のローラーに通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが少なくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0068】
また、請求項7に記載の発明によれば、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より小さく設定したことで、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0069】
また、請求項8に記載の発明によれば、第1〜第3のローラーの径をほぼ等しく設定したことで、ローラー同士の接触面積が等しくなり、衣類の両側から均等に挟圧することが可能となり、バランスよく挟み込むことができ、より仕上がりがよくなる。
【0070】
また、請求項9に記載の発明によれば、第3のローラーをプレス面を含む外表部と中芯の二層に構成し、外表部を熱容量が小さい材質で構成するとともに、中芯は第1のローラーに対向する箇所を第2のローラーに対向する箇所より温度を高く設定したことで、第3のローラーの表面温度は、第1のローラー及び第2のローラーに因らずとも、第3のローラー自身の中芯により高温・低温状態を得ることができ、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温同士のプレス面、第2のローラーとでは低温同士のプレス面で挟圧を行うことが可能となり、より仕上がりが向上する。
【0071】
また、請求項10に記載の発明によれば、一対のプレス面の少なくとも一方を離間方向に可動に構成し、前記一対のプレス面間に作用する押圧手段を設けたことで、衣類の厚みに応じて挟み込む圧力を変更することができ、また、より強い折り目が必要な場合には、圧力を調節し、より強い圧力をかけてしっかりとした折り目を得ることができる。
【0072】
また、請求項11に記載の発明によれば、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に形成したことで、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、しっかりとした折り目を付けつつ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0073】
また、請求項12に記載の発明によれば、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部の硬さを外縁部の硬さより柔らかく設定したことで、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、しっかりとした折り目を付けつつ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0074】
また、請求項13に記載の発明によれば、温度が高いプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部より外側部を高く設定したことで、衣類の折り目付けを行う箇所のみ温度が所定の温度より高くなり、衣類全体に高い温度をかけることなく、衣類を傷めずに十分な折り目を形成することが可能となる。
【0075】
また、請求項14に記載の発明によれば、衣類に水分を与えることができる加湿手段を有することで、水分を与えられた繊維が一度膨潤することになり、その膨潤した衣類をプレス面で整えることで、よりしわが伸ばしやすくなり、仕上がりが向上する。
【0076】
また、請求項15に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面から蒸気を噴出させる蒸気噴出機構を有することで、衣類の蒸気による仕上げが可能となり、しわ伸ばし等の仕上がりが向上するとともに、衣類に付いた煙草等の臭いも減少させることができる。
【0077】
また、請求項16に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面表面から水分を衣類に浸透させることで、厚手の衣類に対しても十分に水分を与えることが可能となり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0078】
また、請求項17に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面から独立して設けたことで、挟圧・加熱以前に衣類に水分を与えることができ、挟圧するまでの時間で水分が十分に衣類に浸透する。これにより、しわの伸びがより良くなり、より仕上がりが向上する。
【0079】
また、請求項18に記載の発明によれば、複数対のローラーの外周面のうち少なくとも一対のローラーの外周面の回転速度を速く、残りの対のローラーの外周面の回転速度を遅く設定するとともに、衣類を回転速度の速いローラーの外周面間から回転速度の遅いローラー外周面間へと順に通過させるように構成したことで、衣類に張力を加えながら挟圧を加えることが可能となり、常に衣類のしわが引っ張られた状態での挟圧が可能となり、よりしわ伸ばし効果を発揮させることができ、仕上がりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類プレス器の実施例1の外観斜視図
【図2】同衣類プレス器の第1のローラーおよび第2のローラーの要部断面図
【図3】同衣類プレス器の閉成状態における要部断面図
【図4】同衣類プレス器の開披状態における要部断面図
【図5】同衣類プレス器の開披状態における斜視図
【図6】同衣類プレス器の使用状態における斜視図
【図7】同衣類プレス器の使用状態の側面図
【図8】本発明の衣類プレス器の実施例2の側面図
【図9】本発明の衣類プレス器の実施例3の側面図
【図10】本発明の衣類プレス器の実施例4の側面図
【図11】本発明の衣類プレス器の実施例5の側面図
【図12】本発明の衣類プレス器の実施例6の要部断面図
【図13】本発明の衣類プレス器の実施例7の斜視図
【図14】本発明の衣類プレス器の実施例9の要部断面図
【図15】同衣類プレス器の実施例9の要部断面図
【図16】同衣類プレス器の実施例9の斜視図
【図17】本発明の衣類プレス器の実施例10の側面図
【符号の説明】
1 第1のローラー
2 第1のヒータ
3 第1のモーター
4 第2のローラー
5 冷却水循環通路
6 第2のモーター
7 第3のローラー
8 第3のモーター
9 押圧手段
【発明の属する技術分野】
本発明はズボン等の衣類をプレス面間を通過させて挟圧加熱して、しわ伸ばしや折り目付けを行う衣類プレス器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の衣類プレス器は、内部にヒータを有し絶縁された筒体を内蔵した中空ローラーを軸架した枠筐に相対したローラーを軸架した支持筐を開披自在に軸着したもので、この中空ローラーとローラーとの間に衣類を挟圧して加熱するように構成されていた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭32−5291号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、衣類等がローラー間を挟圧され通り抜けたときにしわ伸ばしや折り目付けを行うが、挟圧・加熱し、折り目付けを行っても衣類が挟圧からすぐに外れ、衣類が熱を持ったままで形状を保持できない状態となり、しっかりとした折り目付けができないものであった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するもので、しわ伸ばしと折り目付けの仕上がりを良くすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、複数ある一対のプレス面の温度を高温・低温にそれぞれ設定し、衣類を挟圧・加熱した後に、挟圧・冷却を行う工程を有するものである。
【0007】
これにより、衣類のしわ伸ばしと折り目付けの仕上がりが向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成したものであり、温度の高いプレス面間で衣類の形状を整え、温度の低いプレス面間で形状を保持できるようになり、しっかりとした折り目付けができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、プレス面をそれぞれローラー外周面で構成したことで、挟圧された衣類をスムーズに移動させることができ、仕上がりをシームレスにすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、第1のローラーを第2のローラーより表面温度を高く設定するとともに前記2個のローラーを所定の間隔で配置し、前記2個のローラーに共に近接する第3のローラーを設けたことにより、二対のプレス面を3個のローラーで構成することができ、コンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第3のローラーの表面は断熱性が高い材質で構成したことにより、第1及び第2のローラーの影響を受け難くなり第3のローラーの温度が所定の温度で一定となり、挟圧するときの対のローラーにおいて高温ローラーと低温ローラーで挟み込むということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第3のローラーの表面を熱容量が小さい材質で構成したことにより、第1及び第2のローラーの影響を非常に受けやすくなり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温になり、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが良くなる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より大きく設定したことで、ローラー間を挟圧により第1のローラーから第2のローラーに通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが少なくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より小さく設定したことにより、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明において、第1〜第3のローラーの径をほぼ等しく設定したことにより、ローラー同士の接触面積が等しくなり、衣類の両側から均等に挟圧することが可能となり、バランスよく挟み込むことができ、より仕上がりがよくなる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項3もしくは請求項6〜8に記載の発明において、第3のローラーをプレス面を含む外表部と中芯の二層に構成し、外表部を熱容量が小さい材質で構成するとともに、中芯は第1のローラーに対向する箇所を第2のローラーに対向する箇所より温度を高く設定したことにより、第3のローラーの表面温度は、第1のローラー及び第2のローラーに因らずとも、第3のローラー自身の中芯により高温・低温状態を得ることができる。つまり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温状態で、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが良くなる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9に記載の発明において、一対のプレス面の少なくとも一方を離間方向に可動に構成し、前記一対のプレス面間に作用する押圧手段を設けたことにより、衣類の厚みに応じて挟み込む圧力を変更することができ、また、より強い折り目が必要な場合にも、強い圧力を得ることができる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10に記載の発明において、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に形成したことにより、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11に記載の発明において、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部の硬さを外縁部の硬さより柔らかく設定したことにより、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなる。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12に記載の発明において、温度が高いプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部より外縁部を高く設定したことにより、衣類の折り目付けを行う箇所のみ温度が所定の温度より高くなり、十分な折り目を形成することが可能となる。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13に記載の発明において、衣類に水分を与えることができる加湿手段を有することで、水分を与えられた繊維が一度膨潤することになり、よりしわが伸ばしやすくなり、仕上がりが向上する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面から蒸気を噴出させる蒸気噴出機構を有することで、衣類の蒸気による仕上げが可能となり、しわ伸ばし等の仕上がりが向上する。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面表面から水分を衣類に浸透させることにより、厚手の衣類に対しても十分に水分を与えることが可能となり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、加湿手段はプレス面から独立して設けたことにより、挟圧・加熱以前に衣類に水分を与えることができ、水分が十分に衣類に浸透する。これにより、しわの伸びが良くなり、仕上がりが向上する。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項2〜17に記載の発明において、複数対のローラーの外周面のうち少なくとも一対のローラーの外周面の回転速度を速く、残りの対のローラーの外周面の回転速度を遅く設定するとともに、衣類を回転速度の速いローラーの外周面間から回転速度の遅いローラー外周面間へと順に通過させるように構成したことにより、衣類に張力を加えながら挟圧を加えることが可能となり、よりしわ伸ばし効果を発揮させることができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0027】
(実施例1)
図1〜図7に示すように、1は第1のヒータ2及び第1のモーター3を内蔵した第1のローラー、4は冷却水循環通路5及び第2のモーター6を有した第2のローラー、7は第3のモーター8を内蔵した中空の第3のローラーで、前記第1のローラー1と第2のローラー4を所定の間隔で配設し、第3のローラー7を前記第1のローラー1と第2のローラー4に共に近接させて配設してある。
【0028】
第3のローラー7は第1のローラー1及び第2のローラー4に開披自在に軸架されており、前記第1と第3、第2と第3のローラー間はそれぞれバネ等の押圧手段9により離間方向に可動として互いに押圧されており、この押圧される圧力は自在に調節することができる。また前記第1〜第3のローラー1、4、7の配設位置も自在に位置調整手段(図示省略)により調節することを可能にしている。
【0029】
また、本実施例における衣類プレス器は、第1のローラーが所定の温度に到達したことを報知する温度報知手段(図示省略)と、第1のローラー1と第3のローラー7との間の圧力及び第2のローラー4と第3のローラー7との圧力を検知する圧力検知手段12と、第1のローラー1と第3のローラー7との間の間隔及び第2のローラー4と第3のローラー7との間隔を検知する間隔検知手段13を備えている。
【0030】
上記構成において動作を説明すると、ズボン等の衣類をプレスする場合は、図5に示すように、まず第3のローラー7を開披し、所定の角度で開いた状態で、その内面、つまり第1のローラー1と第2のローラー4の上面で、第1のローラー1と第3のローラー7との間かつ第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧できる位置にズボンの端部を整形した状態で設置する。
【0031】
そして、第1のローラー1と第3のローラー7かつ第2のローラー4と第3のローラー7とでズボンを挟圧する位置に第3のローラー7を変位させる。
【0032】
次に、図6に示すように、ズボンを挟圧した状態で、第1のヒータ2をONさせ、第1のローラー1の表面温度が所定の温度に到達したときに、第1のモーター3、第2のモーター6、第3のモーター8がそれぞれ動作し、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7がそれぞれ回転を始める。それぞれのローラーの回転方向は、ズボンが第1のローラー1と第3のローラー7間から第2のローラー4と第3のローラー7間に順に通過する方向である。
【0033】
この場合、常にズボンが第1のローラー1と第3のローラー7間の挟圧で熱せられ、その後第2のローラー4と第3のローラー7間の挟圧で冷却されるということになる。これによって、ズボンを熱して挟圧することで折り目をつけた後、冷却行程を行うことで付けた折り目をしっかり保持することができる。
【0034】
なお、本実施例ではすべてのローラーにモーターを内蔵して駆動させているが、第3のローラー7のモーター8を省略することも可能である。また、逆に第3のローラーのみにモーターを内蔵し、第1のローラー1および第2のローラー4のモーターを省略することも可能である。
【0035】
また、他の動作例について説明すると、ズボンをプレスする場合に、第1のローラー1と第3のローラー7及び第2のローラー4と第3のローラー7とをそれぞれ対向させ、挟圧した状態で、第1のヒータ2をONさせ、第1のモーター3、第2のモーター6および第3のモーター8をそれぞれ動作させる。
【0036】
それぞれのローラーの回転方向は、第1のローラー1と第2のローラー4は同一回転方向で、第3のローラー7は第1のローラー1及び第2のローラー4の回転方向と逆回転方向になる。
【0037】
温度報知手段11が所定の温度に到達したことを報知した後、使用者がズボンの端部を第1のローラー1と第3のローラー7との間に挿入すると、ズボンは挟圧され、かつ熱せられることで折り目付けが行われ、ローラーの回転によりズボンは折り目が付いた状態で移動する。移動したズボンは次に第2のローラー4と第3のローラー7との間に入り込み、挟圧される。
【0038】
第2のローラー4と第3のローラー7とで挟圧される場合は、第2のローラー4の冷却作用により、ズボンに付いた折り目を固定し、保持する。
【0039】
ここで、第1のローラー1と第3のローラー7との間、もしくは第2のローラー4と第3のローラー7との間に急に厚さの厚いズボンが入り込んだ場合またはズボンがローラー間より出てしまったときには、圧力検知手段12によりズボンの折り目付けが終了したと判断し、第1のヒータ2への通電を遮断し、ローラーの回転を停止させる。
【0040】
また、間隔検知手段13によっても、急に厚さの厚いズボンが入り込んだ場合またはズボンがローラー間より出てしまった場合には、第1のローラー1と第3のローラー7との間隔、または、第2のローラー4と第3のローラー7との間隔が広がったことを間隔検知手段13により検知し、ズボンの折り目付けが終了したと判断し、第1のヒータ2への通電を遮断し、ローラーの回転を停止させる。
【0041】
また、第3のローラー7の表面はシリコンラバー等の断熱性の高い材料で構成してあり、第3のローラー7が第1のローラー1の熱の影響を受けず、第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧し、冷却する際に第3のローラー7の温度が低いままで、効率良く冷却可能となる。
【0042】
また、第3のローラー7の表面を熱容量の小さい材質で構成することもでき、この場合は、第3のローラー7の表面が第1のローラー1と接触する箇所では第1のローラー1の影響を受けて高温になり、第2のローラー4と接触する箇所では第2のローラーの影響を受けて低温になる。したがって、ズボンがローラー間を通る際に、第1のローラー1と第3のローラー7間ではよりズボンを加熱しやすく、また第2のローラー4と第3のローラー7間では冷却しやすくなり、折り目付けの仕上がりが向上する。
【0043】
(実施例2)
また、図8に示すように、第2の実施例における衣類プレス器は、第3のローラー7の径を第1のローラー1及び第2のローラー4の径よりも大きく設定することで、ズボンを第1のローラー1と第3のローラー7の間に挿入する角度が浅くなり、また第2のローラー4と第3のローラー7との間から排出される角度も浅くなる。
【0044】
これにより、第1のローラー1と第3のローラー7との間で挟圧する面と第2のローラー4と第3のローラー7との間で挟圧する面とのなす角度aを、図7に示すすべてのローラーの径が等しい場合の角度a’より大きくとることができ(a>a’)、ズボンが通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが小さくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0045】
(実施例3)
また、図9に示すように、第3の実施例の衣類プレス器においては、第3のローラー7の径を第1のローラー1及び第2のローラー4の径よりも小さく設定することで、三個のローラーを組み合わせたときの高さbを第3のローラー7の径が小さい場合の高さb’よりも抑えることが可能となり(b>b’)、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0046】
(実施例4)
図10に示すように、第4の実施例における衣類プレス器では、第1のローラー1と第2のローラー4と第3のローラー7の径をほぼ等しく設定することで、第1のローラー1と第3のローラー7の接触面積及び第2のローラー4と第3のローラー7の接触面積とが等しくなり、ズボンの両側から均等に挟圧することが可能となり、仕上がりが良くなる。
【0047】
(実施例5)
図11に示すように、第5の実施例における衣類プレス器は、第3のローラー7をプレス面を含む外表部14と中芯の2層に構成し、外表部14のみ第3のモーター8により回転する構成において、外表部14を熱容量が小さい材質とし、中芯を第1のローラー1に対向する中芯15と第2のローラー4に対向する中芯16とで構成し、前記中芯15を中芯16より温度が高になるようにすることで、外表部14は熱容量が小さいために第1のローラー1と対向する箇所は中芯15の高温度の影響を受け直ちに高温となり、第2のローラーと対向する箇所は中芯16では低温度の影響を受け低温となる。
【0048】
つまり、第3のローラー7の表面温度は第1のローラー1及び第2のローラー4とは独立して第1のローラー1と対向する箇所の温度は高温となり、第2のローラー4と対向する箇所の温度は低温になる。
【0049】
したがって、第1のローラー1と第3のローラー7との挟圧では、共に高温のローラーで挟圧することになり、より強い折り目付けを行うことができる。また、第2のローラー4と第3のローラー7との挟圧では、共に低温のローラーで挟圧することになり、より急速に冷却することが可能となり、しっかりと折り目形状を保持できることになる。
【0050】
また、押圧手段9によりズボンの厚みに応じて第1のローラー1と第3のローラー7との間、もしくは第2のローラー4と第3のローラー7との間を離間方向に可動として狭圧する圧力を変化させ、そのズボンの厚みに応じた圧力を加えることが可能となり、繊維の種類により最適な圧力を加えることができ、仕上がりが向上する。
【0051】
(実施例6)
図12に示すように、第6の実施例における衣類プレス器は、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7のうち少なくとも一つのプレス面において、ズボンが通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に構成してある。これにより、ズボンの縫い目の部分を狭圧する圧力のみを小さくすることができ、折り目をしっかり付けつつも、縫い目の部分の押え過ぎがなくなり、縫い目の部分が光るということがなくなる。
【0052】
(実施例7)
図13に示すように、第7の実施例における衣類プレス器は、第1のローラー1、第2のローラー4および第3のローラー7のうち少なくとも一つのプレス面において、ズボンが通る方向に直交する方向の面の中央部17の硬さを外縁部18の硬さよりも柔らかく設定してある。これにより、ズボンの縫い目の箇所がローラー中央部の柔らかい箇所に嵌り、縫い目を狭圧する圧力を小さくすることができ、縫い目を押え過ぎて繊維表面が光るということもなくなる。
【0053】
(実施例8)
第8の実施例における衣類プレス器は、図示は省略するが、第1のローラー1や第2のローラー4のズボンが通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部17より外縁部18を高く設定してある。この場合は、ズボンの折り目付けを行なう箇所のみ温度が高くなり、その他の箇所は温度が低いままである。これにより、ズボンの折り目付けはしっかり行なうことが可能であると共に、折り目付け以外の箇所では、繊維を傷めずに仕上げることが可能となる。
【0054】
(実施例9)
図14〜図16に示すように、第9の実施例における衣類プレス器は、スプレー又はスチーム又はミスト等により水分をズボンに与えることができる加湿手段19を設けてある。これによって、ズボンに水分を与えることで、繊維が膨潤し、繊維が伸びることでしわが伸び、その膨潤した繊維を狭圧し加熱することでズボンのしわが伸びやすくなり、仕上がりが向上する。
【0055】
図14に示すものは、加湿手段19をスチームを噴出する蒸気噴出機構20とし、第1のローラー1に前記蒸気噴出機構20を設けることで、ズボンを狭圧及び加熱すると同時にスチームをズボンの繊維に与えることが可能となり、効率よく仕上げることが可能となる。
【0056】
また、図15に示すものは、加湿手段19をプレス面表面21からズボンに水分を浸透させるようにしたもので、プレス面表面21をスポンジ状の材質で構成し、前記スポンジ状の材質に水分を供給することで、ズボンを狭圧した場合にスポンジ状材質からズボンに水分が与えられる。つまり、ズボンを狭圧するまではスポンジ状材質に水分を保湿し、狭圧すると同時に水分をズボンに与えることができ、また厚手の繊維であっても十分に水分を浸透させることができ、スチーム等に比べて多くの水分をズボンに与えることが可能となり、より効率よく仕上げることが可能となる。
【0057】
また、図16に示すものは、加湿手段19をプレス面から独立して設けてある。この場合は、狭圧及び加熱する以前に水分をズボンに与えることができることで、十分に水分を繊維に浸透させることが可能となり、しわの伸びが良くなり、仕上がりも向上する。
【0058】
(実施例10)
図17に示すように、第10の実施例における衣類プレス器は、ヒータとモーターを備えた第1のローラー21と、同じくヒータとモーターを備えた第2のローラー22と、水の通路等の冷却手段とモーターを備えた第3のローラー23と、同じく水の通路等の冷却手段とモーターを備えた第4のローラー24とを有する衣類プレス器において、第1のローラー21と第2のローラー22を近接して対向させると共に、第3のローラー23と第4のローラー24を近接して対向させてある。
【0059】
この構成について動作を説明すると、内蔵されたヒータをONにすることで、第1のローラー21と第2のローラー22は加熱され表面温度が上昇する。第1のローラー21と第2のローラー22の表面温度が設定温度に到達した後、モーターが動作し、第1のローラー21と第2のローラー22と第3のローラー23と第4のローラー24が回転を始める。第3のローラー23と第4のローラー24は内部を循環する冷却水により表面温度は低温になる。
【0060】
ズボン等の衣類をプレスする時は、第1のローラー21と第2のローラー22との間にズボンの端部を挿入し、高温のプレス面により狭圧と加熱を行なうことで、ズボンの折り目付けやしわ伸ばしを行なう。そしてプレスされたズボンは、第3のローラー23と第4のローラー24との間に送られ、狭圧される。第3のローラー23と第4のローラー24の表面温度は低温のため、ズボンを冷却することで付けられた折り目を保持する。
【0061】
ここで、第3のローラー23と第4のローラー24の回転数を第1のローラー21と第2のローラー22の回転数よりも速く設定しておけば、プレスされたズボンが排出されるときに第1のローラー21と第2のローラー22との狭圧と第3のローラー23と第4のローラー24との狭圧との間でズボンの繊維に張力を加える状態となり、常にズボンが引っ張られた状態でプレスすることとなり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成したことで、温度の高いプレス面間で衣類の形状を整え、温度の低いプレス面間で整えた形状のまま冷却することで、形状を保持し、しっかりとした折り目付けができるようになる。
【0063】
また、請求項2に記載の発明によれば、プレス面をそれぞれローラー外周面で構成したことにより、挟圧された衣類をローラーの回転によりスムーズに移動させることができ、仕上がりをシームレスにすることができる。
【0064】
また、請求項3に記載の発明によれば、第1のローラーを第2のローラーより表面温度を高く設定するとともに前記2個のローラーを所定の間隔で配置し、前記2個のローラーに共に近接する第3のローラーを設けたことで、二対のプレス面を3個のローラーで構成することができ、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0065】
また、請求項4に記載の発明によれば、第3のローラーの表面を断熱性が高い材質で構成したことで、第1及び第2のローラーの熱の影響を受け難くなり第3のローラーの温度が所定の温度で一定となり、挟圧するときの対のローラーにおいて高温ローラーと低温ローラーで挟み込むということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0066】
また、請求項5に記載の発明によれば、第3のローラーの表面は熱容量が小さい材質で構成したことで、第1及び第2のローラーの熱の影響を非常に受けやすくなり、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温、第2のローラーとでは低温になり、挟圧を高温同士のプレス面、または低温同士のプレス面で行うことが可能となり、より仕上がりが向上する。
【0067】
また、請求項6に記載の発明によれば、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より大きく設定したことで、ローラー間を挟圧により第1のローラーから第2のローラーに通り抜ける際に、衣類の折れ曲がりが少なくなり、衣類自身の変形がなくなる。
【0068】
また、請求項7に記載の発明によれば、第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より小さく設定したことで、よりコンパクトな衣類プレス器を得ることができる。
【0069】
また、請求項8に記載の発明によれば、第1〜第3のローラーの径をほぼ等しく設定したことで、ローラー同士の接触面積が等しくなり、衣類の両側から均等に挟圧することが可能となり、バランスよく挟み込むことができ、より仕上がりがよくなる。
【0070】
また、請求項9に記載の発明によれば、第3のローラーをプレス面を含む外表部と中芯の二層に構成し、外表部を熱容量が小さい材質で構成するとともに、中芯は第1のローラーに対向する箇所を第2のローラーに対向する箇所より温度を高く設定したことで、第3のローラーの表面温度は、第1のローラー及び第2のローラーに因らずとも、第3のローラー自身の中芯により高温・低温状態を得ることができ、第3のローラーが他の二つのローラーに接触している箇所では、それぞれ第1のローラーとでは高温同士のプレス面、第2のローラーとでは低温同士のプレス面で挟圧を行うことが可能となり、より仕上がりが向上する。
【0071】
また、請求項10に記載の発明によれば、一対のプレス面の少なくとも一方を離間方向に可動に構成し、前記一対のプレス面間に作用する押圧手段を設けたことで、衣類の厚みに応じて挟み込む圧力を変更することができ、また、より強い折り目が必要な場合には、圧力を調節し、より強い圧力をかけてしっかりとした折り目を得ることができる。
【0072】
また、請求項11に記載の発明によれば、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に形成したことで、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、しっかりとした折り目を付けつつ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0073】
また、請求項12に記載の発明によれば、少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部の硬さを外縁部の硬さより柔らかく設定したことで、ズボン等の縫い目の部分の挟圧する圧力を小さくすることができ、しっかりとした折り目を付けつつ、縫い目の部分が押さえ過ぎにより表面が光るということがなくなり、仕上がりが向上する。
【0074】
また、請求項13に記載の発明によれば、温度が高いプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部より外側部を高く設定したことで、衣類の折り目付けを行う箇所のみ温度が所定の温度より高くなり、衣類全体に高い温度をかけることなく、衣類を傷めずに十分な折り目を形成することが可能となる。
【0075】
また、請求項14に記載の発明によれば、衣類に水分を与えることができる加湿手段を有することで、水分を与えられた繊維が一度膨潤することになり、その膨潤した衣類をプレス面で整えることで、よりしわが伸ばしやすくなり、仕上がりが向上する。
【0076】
また、請求項15に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面から蒸気を噴出させる蒸気噴出機構を有することで、衣類の蒸気による仕上げが可能となり、しわ伸ばし等の仕上がりが向上するとともに、衣類に付いた煙草等の臭いも減少させることができる。
【0077】
また、請求項16に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面表面から水分を衣類に浸透させることで、厚手の衣類に対しても十分に水分を与えることが可能となり、しわ伸ばしの仕上がりが向上する。
【0078】
また、請求項17に記載の発明によれば、加湿手段はプレス面から独立して設けたことで、挟圧・加熱以前に衣類に水分を与えることができ、挟圧するまでの時間で水分が十分に衣類に浸透する。これにより、しわの伸びがより良くなり、より仕上がりが向上する。
【0079】
また、請求項18に記載の発明によれば、複数対のローラーの外周面のうち少なくとも一対のローラーの外周面の回転速度を速く、残りの対のローラーの外周面の回転速度を遅く設定するとともに、衣類を回転速度の速いローラーの外周面間から回転速度の遅いローラー外周面間へと順に通過させるように構成したことで、衣類に張力を加えながら挟圧を加えることが可能となり、常に衣類のしわが引っ張られた状態での挟圧が可能となり、よりしわ伸ばし効果を発揮させることができ、仕上がりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類プレス器の実施例1の外観斜視図
【図2】同衣類プレス器の第1のローラーおよび第2のローラーの要部断面図
【図3】同衣類プレス器の閉成状態における要部断面図
【図4】同衣類プレス器の開披状態における要部断面図
【図5】同衣類プレス器の開披状態における斜視図
【図6】同衣類プレス器の使用状態における斜視図
【図7】同衣類プレス器の使用状態の側面図
【図8】本発明の衣類プレス器の実施例2の側面図
【図9】本発明の衣類プレス器の実施例3の側面図
【図10】本発明の衣類プレス器の実施例4の側面図
【図11】本発明の衣類プレス器の実施例5の側面図
【図12】本発明の衣類プレス器の実施例6の要部断面図
【図13】本発明の衣類プレス器の実施例7の斜視図
【図14】本発明の衣類プレス器の実施例9の要部断面図
【図15】同衣類プレス器の実施例9の要部断面図
【図16】同衣類プレス器の実施例9の斜視図
【図17】本発明の衣類プレス器の実施例10の側面図
【符号の説明】
1 第1のローラー
2 第1のヒータ
3 第1のモーター
4 第2のローラー
5 冷却水循環通路
6 第2のモーター
7 第3のローラー
8 第3のモーター
9 押圧手段
Claims (18)
- 互いに近接させた一対のプレス面を複数有し、衣類を前記一対のプレス面間を順次連続して通過させてプレスする衣類プレス器において、前記複数対のプレス面のうち少なくとも一対のプレス面の温度を高く、残りの対のプレス面の温度を低く設定するとともに、衣類を温度の高いプレス面間から温度の低いプレス面間へと順に通過させるように構成した衣類プレス器。
- プレス面をそれぞれローラー外周面で構成した請求項1記載の衣類プレス器。
- 第1のローラーを第2のローラーより表面温度を高く設定するとともに前記2個のローラーを所定の間隔で配置し、前記2個のローラーに共に近接する第3のローラーを設けた請求項2記載の衣類プレス器。
- 第3のローラーの表面は断熱性が高い材質で構成した請求項3記載の衣類プレス器。
- 第3のローラーの表面は熱容量が小さい材質で構成した請求項3記載の衣類プレス器。
- 第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より大きく設定した請求項3〜5のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 第3のローラーの径を第1及び第2のローラーの径より小さく設定した請求項3〜5のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 第1〜第3のローラーの径をほぼ等しく設定した請求項3〜5のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 第3のローラーをプレス面を含む外表部と中芯の二層に構成し、外表部を熱容量が小さい材質で構成するとともに、中芯は第1のローラーに対向する箇所を第2のローラーに対向する箇所より温度を高くなるように設定した請求項3もしくは請求項6〜8のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 一対のプレス面の少なくとも一方を離間方向に可動に構成し、前記一対のプレス面間に作用する押圧手段を設けた請求項1〜9のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部を凹形状に形成した請求項1〜10のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 少なくとも1個のプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の中央部の硬さを外縁部の硬さより柔らかく設定した請求項1〜11のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 温度が高いプレス面の衣類の通る方向に直交する方向の面の表面温度を中央部より外縁部を高く設定した請求項1〜12のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 衣類に水分を与えることができる加湿手段を有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
- 加湿手段はプレス面から蒸気を噴出させる蒸気噴出機構を有する請求項14に記載の衣類プレス器。
- 加湿手段はプレス面表面から水分を衣類に浸透させる請求項14に記載の衣類プレス器。
- 加湿手段はプレス面から独立して設けた請求項14に記載の衣類プレス器。
- 複数対のローラーの外周面のうち少なくとも一対のローラーの外周面の回転速度を速く、残りの対のローラーの外周面の回転速度を遅く設定するとともに、衣類を回転速度の速いローラーの外周面間から回転速度の遅いローラー外周面間へと順に通過させるように構成した請求項2〜17のいずれか一項に記載の衣類プレス器。
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JP2003103965A Withdrawn JP2004305478A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 衣類プレス器 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008183101A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Tosen Machinery Corp | ロール仕上げ機、及びロール仕上げ機の制御方法 |
CN103103738A (zh) * | 2013-03-01 | 2013-05-15 | 申五的 | 一种用于电热烘干烫平的滚筒加热系统 |
CN104358092A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-02-18 | 嘉善华阳木业植绒有限公司 | 一种平熨装置 |
CN108755055A (zh) * | 2018-05-25 | 2018-11-06 | 芜湖品度电子科技有限公司 | 织布双面熨烫机 |
JP7406273B1 (ja) | 2022-10-06 | 2023-12-27 | 株式会社東京洗染機械製作所 | ロール仕上げ機 |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003103965A patent/JP2004305478A/ja not_active Withdrawn
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