JP2004304193A - 機能素子、機能素子を用いた装置、および機能素子の製造方法 - Google Patents

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邦子 木村
Kei Kobayashi
圭 小林
Takafumi Yamada
啓文 山田
Yoshitoshi Horiuchi
俊寿 堀内
Kenji Ishida
謙司 石田
Kazumi Matsushige
和美 松重
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Abstract

【課題】高精細化、高密度化、高集積化の要求に対応した圧電性または焦電性機能素子およびそれを利用したアクチュエータ、センサなどの装置を提供する。
【解決手段】圧電性または焦電性を有する材料の薄膜1を1軸上に巻いて内径100μm以下のコイル状に形成する。また、圧電性または焦電性を有する材料を質量が10mg以下の素子に形成する。
これにより高精細化、高密度化、高集積化が可能な各種の機能素子、アクチュエータ、センサおよびそれらを利用した装置を実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電性または焦電性を有する材料を使用した機能素子およびその製造方法、ならびにその機能素子を利用した各種のセンサやアクチュエータなどの装置に関する。
有機材料または無機材料からなる圧電体や焦電体は従来から種々の機能素子に用いられてきた。圧電体は、その厚み方向の圧電性(d33)を利用して超音波を発振させるトラ
ンスデューサ(特許文献1など)や、医療用分野の超音波診断装置、工業用途の探査装置などに広く適用されている。また、圧電体の伸びの圧電性(d31など)を利用してマイ
クロフォンやスピーカなども開発されている。また、細管(チューブ)の外側に圧電体を密着させて振動させることにより、チューブ内を流れる液体の流れを制御することも行われており、インクジェットプリンターのヘッド(特許文献2など)に応用されている。さらに、圧電体の応用分野は、光ディスクのヘッドや走査型プローブ顕微鏡のスキャナーチューブなどの微動装置にも適用されている。
一方、焦電体は主に温度センサ(特許文献3など)として利用されている。
これらの従来技術においては、圧電体や焦電体はいずれもそのサイズがミリメートル(mm)サイズ以上の大きさを持つ素子として加工されている。その加工方法としては、平面形状の素子ではフィルム状に成型した後周囲を切削加工する方法、鋳型を用いて成型する方法、またチューブ状の素子では棒状に成型した後、周囲および内部を切削加工する方法などが行われている。
特開2001−258098号公報(第2頁特許請求の範囲、図1など) 特開平09−277524号公報(第2頁特許請求の範囲、図1など) 特開平07−35617号公報(第2頁特許請求の範囲、図1など)
近年、コンピュータおよびその周辺機器を中心とするエレクトロニクス分野、光通信関連装置を中心とするオプトエレクトロニクス分野、プリンター、分析装置などをはじめ、精密機械装置に広く用いられているメカトロニクス分野、さらには、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野においては、高精細化、高密度化、高集積化が必須条件となってきており、その結果、これらの装置に用いられる機能素子に対しては微細化が強く要求されている。
しかし、上記の従来技術における圧電性素子や焦電性素子は、圧電体や焦電体のサイズがミリメートルサイズ以上の大きさを持つ素子であるので、これらの新分野に適用することが困難である。
本発明は上記のような課題に鑑みなされたもので、圧電性または焦電性を有する材料をミリメートルサイズ以下に微小化し、エレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野における高精細化、高密度化、高集積化の要求に対応することが可能な機能素子を提供することを目的とする。
また、この微小化された機能素子の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、微小化された機能素子を利用した機能性素子、アクチュエータ、センサなどの種々の装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明の機能素子は、圧電性または焦電性を有する材料をコイル状に形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の機能素子において、前記材料が有機薄膜からなることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の機能素子において、コイルの内径が100μm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明のアクチュエータは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を用いたことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明の圧電または焦電センサは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を用いたことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明の装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を液体の流速計測用センサおよびまたは超音波診断用センサおよびまたは温度計測用センサとして用いたことを特徴とする。
請求項7に記載の本発明の装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を液体輸送管内に挿入し、前記液体輸送管内で動作させることで管内の清浄化を行うことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明の装置は、請求項6または請求項7に記載の装置を人体内組織の治療または計測に用いたことを特徴とする。
請求項9に記載の本発明の機能素子の製造方法は、圧電性または焦電性を有する薄膜の上面または下面の一方の面に対して他方の面よりも拡がろうとする力、または縮まろうとする力を加えることにより前記薄膜を1軸上に巻くことでコイル状に形成したことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載の機能素子の製造方法において、前記薄膜の一方の面に対してエネルギー線を照射することにより、他方の面よりも縮まろうとする力を加えることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項9に記載の機能素子の製造方法において、前記薄膜を材質の異なる少なくとも2枚の薄膜で形成することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、請求項11に記載の機能素子の製造方法において、結晶の格子定数が互いに異なる薄膜を用いることを特徴とする。
請求項13に記載の本発明は、請求項11に記載の機能素子の製造方法において、光重合性または熱重合性が互いに異なる薄膜を用いることを特徴とする。
本発明によれば、圧電性または焦電性を有する材料をミリメートルサイズ以下に微小化することができるので、エレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野における機能性素子、アクチュエータ、センサなどの高精細化、高密度化、高集積化を図ることができる。
特に、アクチュエータにおいては素子のサイズを十分小さくすることによって素子の動きをより顕著にすることが可能になる。例えば、圧電性のチューブでは、その内径を小さくすることにより内径に対する圧電変位量の割合が大きくなる。その結果、チューブ内を流れる液体を輸送する効率、吐出する効率を向上することができる。
また、ワイヤ形状の素子においては、ワイヤ径を細くすることにより変位量を増大でき、アクチュエータとしての性能を大幅に向上することが可能となる。
さらに、素子の重量を十分小さくすることができるので、外部磁界や外部電界を用いて素子自体を外部から自由に制御することが可能になる。
本発明の第1の実施の形態による機能素子は、圧電性または焦電性を有する材料をコイル状に形成することにより、ミリメートルサイズ以下のコイル状機能素子を得ることができる。したがって、高精細化、高密度化、高集積化が要求されるエレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野における各種の機能素子やアクチュエータを実現することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による機能素子において、材料を有機薄膜とすることにより薄膜の上面または下面に架橋反応を誘起させることができ、薄膜に縮まろうとする力を誘起させることができる。したがって、薄膜を微小な内径でコイル状に巻くことが容易になる。また、内径の調整は架橋点の数の多少によって行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1または第2の実施の形態による機能素子において、コイルの内径を100μm以下とすることにより、伸縮運動や振動運動の駆動効率が高くなり、高精細化、高密度化、高集積化が要求されるエレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、体内計測などの新しい分野における各種の機能素子やアクチュエータを実現することができる。
本発明の第4の実施の形態のアクチュエータは、第1から第3の実施の形態のいずれかに記載の機能素子を用いたことにより、高精細化、高密度化、高集積化が要求されるエレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野における各種のアクチュエータを実現することができる。
本発明の第5の実施の形態の圧電または焦電センサは、第1から第3の実施の形態のいずれかに記載の機能素子を用いたことにより、高精細化、高密度化、高集積化が要求されるエレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野における各種のセンサを実現することができる。
本発明の第6の実施の形態の装置は、第1から第3の実施の形態のいずれかに記載の機能素子を液体の流速計測用センサおよびまたは超音波診断用センサおよびまたは温度計測用センサとして用いたことにより、細い管内の液体の流速や温度変化、さらには流体中に混入した固形物の状況や管の内壁の付着物の状況を測定することができる。したがって、人体内の血管中の血液の流速や血管の内部状況を知ることができる。
本発明の第7の実施の形態の液体輸送管内の清浄化装置は、第1から第3の実施の形態のいずれかに記載の機能素子を液体輸送管内に挿入し、前記液体輸送管内で動作させることで管内の清浄化を行うことにより、人体内の血管などの細い管の内壁に付着した固形物を剥離し清掃することができる。
本発明の第8の実施の形態の装置は、第6または第7の実施の形態に記載の装置を人体内組織の治療または計測に用いたことにより、人体内の血管中の血液の流速や血管の内部状況を知ることができる。また、人体内の血管などの細い管の内壁に付着した固形物を剥離し清掃することができる。
本発明の第9の実施の形態の機能素子の製造方法は、圧電性または焦電性を有する薄膜の上面または下面の一方の面に対して他方の面よりも拡がろうとする力、または縮まろうとする力を加えることにより前記薄膜を1軸上に巻くようにコイル状に形成したので、微小な内径のチューブ状機能素子を容易に製造することができる。
本発明の第10の実施の形態は、第9の実施の形態による機能素子の製造方法において、薄膜の一方の面に対してエネルギー線を照射することにより、薄膜の一面に架橋反応を誘起させて他方の面よりも縮まろうとする力を加えるようにしたので、微小な内径のチューブ状機能素子を容易に製造することができる。
本発明の第11の実施の形態は、第9の実施の形態による機能素子の製造方法において、薄膜を材質の異なる少なくとも2枚の薄膜で形成することにより、微小な内径のチューブ状機能素子を容易に製造することができる。
本発明の第12の実施の形態は、第11の実施の形態による機能素子の製造方法において、結晶の格子定数が互いに異なる薄膜を用いることにより、圧電性薄膜または焦電性薄膜の一方の面に対して他方面よりも拡がろうとする力、または縮まろうとする力が加わって、微小な内径のチューブ状機能素子を容易に製造することができる。
本発明の第13の実施の形態は、第11の実施の形態による機能素子の製造方法において、光重合性または熱重合性が互いに異なる薄膜を用いることにより、圧電性薄膜または焦電性薄膜の一方の面に対して他方面よりも拡がろうとする力、または縮まろうとする力が加わって、微小な内径のチューブ状機能素子を容易に製造することができる。
以下、本発明の一実施例による機能素子を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例である圧電性または焦電性材料をチューブ状に巻いた圧電性または焦電性チューブの構成を示す。圧電性または焦電性を有する薄膜1をX−X’軸上に巻くことにより圧電性または焦電性チューブが形成される。
図2は、圧電性または焦電性材料をコイル状に形成した圧電性または焦電性コイルの構成を示す。圧電性または焦電性を有する幅dの帯状の薄膜2を1軸Y−Y’軸上に巻くことによりコイル形状を有する圧電性素子または焦電性素子を実現することができる。
図2に示すコイル形状を有する圧電性または焦電性素子を作製する場合には、コイルの旋回ピッチpは薄膜2が巻かれる軸方向と帯状の薄膜の長手方向との成す角度Θによって決まる。この関係を図3に示す。一般的に、膜がその面内で弾性率に異方性を有する場合、弾性率が最大となる方向を軸としてその軸の回りに薄膜が巻かれる。したがって、予め膜の弾性率に異方性を持たせた後に、図3に示すか角度Θを適宜調節して帯状の薄膜2を切り出すことによりコイルの旋回ピッチpを任意に設計することができる。
圧電性または焦電性チューブまたはコイルの大きさは特に限定されるものではなく、ミリメ−トルオ−ダ−の大きさのものは、圧電性または焦電性材料を棒状に成型した後、周囲および内部を切削加工する方法で加工することができる。一方、圧電性または焦電性チューブまたはコイルをエレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの新しい分野で使用するには、以下に説明するように、ミリメートルサイズ以下、具体的には内径が100μm以下の圧電性または焦電性のチューブまたはコイルとすることが好ましい。
以下、圧電性または焦電性チューブを例に説明するが、圧電性または焦電性コイルの場合も同様である。いま、薄膜1の表裏両面に電極を設け、両電極間に電界Eを印加すると、膜厚方向の圧電歪Sはチューブの内側面および外側面が自由端であることを考慮すると(数1)で表される。
=d33×E (数1)
ここでd33は厚み方向の圧電d定数である。圧電性材料として後述の高分子強誘電体
であるフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(P(VDF−TrFE))を用いると、そのd33は−40pC/Nであることが知られている。チューブ厚(チューブの
外径と内径の差)が10μm、電界Eが10MV/mの場合を例にとると、厚み圧電性による内径の変化量は(数1)から求められ、8nmとなる。この内径の変化は内径10mmのチューブにとってはわずかに内径の8×10−5%に過ぎないが、内径100μm
のチューブでは0.008%、内径100nmのチューブでは8%に相当する極めて大きな変化である。従来のインクジェット技術で知られるように、内径が1mmのチューブにおいてもその外壁に圧電体を貼り付けて振動させることによりチューブ内を流れる液体を液滴として吐出することが可能である。ただし、従来技術では圧電体の振動周波数を高周波にしてもそれに追従して液滴の径を小さくすることは難しい。それに対して、上記のようにチューブ径を小さくすることにより、内径の変化の割合を増大させることができるため、より高効率でしかも高精細な液滴サイズの制御および液体の輸送が可能になる。
次に、内径が100μm以下の圧電性または焦電性チューブを製造する方法を説明する。薄膜1を1軸(図1ではX−X’軸に相当する)上に巻くためには、少なくとも薄膜1の上面または下面の何れかに他方より縮まろうとする力または拡がろうとする力を付与する必要がある。この力の原動力を与える方法としてはどのような方法を用いてもよく、特に限定されない。例えば、圧電性または焦電性を有する薄膜1の上面または下面どちらか一方の内側で膜表面の極近傍のみを架橋することによって「縮まろうとする力」を誘起させることができる。また、架橋点の数の多少によって1軸上に巻いたチューブの内径を調整することができる。即ち、単位表面積当たりの架橋点の数が多いほど内径の小さいチューブを作成することができる。架橋反応を誘起させる方法としては、例えば、圧電性または焦電性を有する薄膜1の上面または下面の一方に紫外線、電子線、X線、イオンビームなどに代表されるエネルギー線を照射することによって行うことができる。ただし、架橋反応を誘起する方法は上記に限定されるものではない。架橋反応による効果は有機薄膜において特に顕著である。
薄膜1の上面または下面の何れかに他方より「縮まろうとする力」または「拡がろうとする力」を付与する方法としては、架橋反応を誘起する方法以外にも種々の方法が適用できる。たとえば、圧電性または焦電性を有する薄膜1の上面および下面の少なくとも一方に接して材質の異なる薄膜を形成することにより、薄膜1の一方の面に対して他方面よりも「拡がろうとする力」または「縮まろうとする力」を加えることができる。例えば、O.G.Schmidt, Appl.Phys.lett., vol.78, p3310, 2001記載の技術を用いることができる。この技術は、2層の異なる結晶性材料からなる薄膜を積層すると、両者の格子定数の差から2層の界面にずりの力が働いて積層膜をチューブ状に巻くことができる方法である。この方法が適用された例としては、従来はGaAs/InAsの積層膜およびSi/GeSiの積層膜に限られているが、本発明においては、圧電性材料および焦電性材料に対しても格子定数の違いにより積層膜の界面に働く収縮力または伸張力による効果を適用することを可能にする。具体的には圧電性または焦電性の薄膜1を形成している材料よりも格子定数の大きな材料または小さな材料から成る薄膜を圧電性または焦電性の薄膜1の上面または下面に積層させる。これにより、格子定数の小さな膜が内側になるように積層膜を1軸上に巻くことができる。この方法では、両者の格子定数の差によって形成されるチューブが決められる。
薄膜1の一方の面に対して加える「縮まろうとする力」の原動力としては、さらに、熱架橋性または光架橋性の材料を積層付加することによっても可能である。
薄膜1上に積層する膜の材料は有機物に限られない。具体的には不飽和結合を多数有する有機または無機のポリマーやオリゴマー、モノマーと光重合開始剤または熱重合開始剤を組み合わせた膜、もしくは熱により脱水縮合反応が誘起される膜を圧電性または焦電性を有する薄膜1の上面または下面に積層形成することが有効である。積層膜を加熱するか、積層膜に紫外線を照射することにより積層付加膜の架橋反応が進行し、付加膜が収縮する。この力を利用して薄膜1を1軸上に巻くことができる。
上記の特性を有する無機材料としてはゾルゲル反応性の材料が特に適している。また、上記の特性を有する有機材料は分子内に2重結合、3重結合などの不飽和基を有する材料であれば何れも本発明に用いることができ、特に限定されない。この場合、架橋可能な不飽和結合を含む鎖の長さおよび不飽和結合基の数によって収縮力の大きさを制御することができる。
図1に示す圧電性または焦電性チューブおよび図2に示す圧電性または焦電性コイルの場合には、通常、薄膜1を巻く軸方向を選ばない。したがって、圧電性または焦電性を有する薄膜1およびそれに積層された付加膜はその薄膜面内において弾性率が等方的な膜であってもよい。
圧電性チューブは液体輸送用のチューブまたは液体吐出用のチューブに適用できる。輸送および吐出性能はチューブの内径が100μm以下、より好ましくは10μm以下の場合に特に優れている。この液体輸送用チューブまたは液体吐出用のチューブは、いわゆるインテグレーティッドケミストリー素子の形成に適用することができる。インテグレーティッドケミストリー素子に適用することにより従来の素子に比べてより少量の液体を用いて高効率な反応および高感度な分析が可能になる。
また、本実施例の液体吐出用のチューブをインクジェットプリンターのヘッドに適用することができる。インクジェット用ヘッドに適用することにより、従来のヘッドに比べてより高精度、高分解能な印刷が可能で、かつノズル詰まりの無いインクジェットヘッドを実現することができる。
液体輸送用のチューブまたは液体吐出用のチューブに適用した場合、圧電性チューブにおいてその内径を小さくすることにより内径に対する圧電変位量の割合を大きくし、チューブ内を流れる液体を輸送する効率、チューブ外に吐出する効率を向上することができる
次に、圧電性または焦電性材料をワイヤ状に形成する例について説明する。
圧電性または焦電性を有する材料をワイヤ状に成型することで圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを実現することができる。
焦電性ワイヤは温度変化によりその表面に電荷が誘起されるため微小な隙間に設置することが可能な温度センサとして利用することが可能である。焦電センサとしての性能はワイヤ径を小さくすることにより熱容量が減少し、焦電センサの応答速度が向上する。
また、圧電性ワイヤは自発分極の方向に直流電界を加えることによりワイヤを伸縮させることができる。また、その自発分極の方向に交流電界を加えることにより、駆動電界と同一周波数で振動させることもできる。これらの伸縮運動や振動運動はアクチュエータとして利用することができる。ワイヤ径を小さくすることにより上記のアクチュエータとしての効率が著しく向上する。
種々の分野において微細化、高集積化が望まれる中、直径が100μm以下の微小径を有する圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤは特に有用である。以下に圧電性ワイヤを例にとり、ワイヤ径を微細化することにより駆動の効率を向上できる作用を説明する。
図4に示すように直径D、長さLの圧電性ワイヤ11の側面に、対向する1対の電極12、13を形成する。ここで、一方の電極13を接地し、他方の電極に電界Eを印加すると、ワイヤ11は伸びの圧電性により電界が印加された側(図4では電極12側)のチューブ側面が伸張する。ワイヤ長さに対するその伸び歪Sと電界Eの関係は(数2)
で表される。
=d31×E (数2)
前述のフッ化ビニリデンー三フッ化エチレン共重合体(P(VDF−TrFE))を用いる場合、そのd31は12×10−12C/Nである。したがって、ワイヤおよび電極
の長さLを10mm、両電極12、13間に印加する電圧を100Vに設定した場合、ワイヤ径Dが1mmの圧電ワイヤでは伸びの長さLSは12nm、伸びによるワイヤの傾き角Θ〜tanΘ=LS/Dは1.2×10−5rad=7.2×10−4度となる。それに対して、ワイヤ径Dが100μmの圧電ワイヤでは伸びの長さLSは120nm、傾き角Θ〜tanΘ=LS/Dは1.2×10−3rad=7.2×10−2度と傾き角が100倍向上する。さらに、ワイヤ径Dが10μmの極微細圧電ワイヤでは伸びの長さLSは1.2μm、傾き角Θ〜tanΘ=LS/Dは1.2×10−1rad=7.2度とワイヤ径1mmのワイヤに比べてその傾き角が10000倍にも向上する。以上の結果より、ワイヤ径100μm以下、より好ましくはワイヤ径10μm以下の圧電性ワイヤはアクチュエータとして非常に高い性能を有することが明らかである。
直径が100μm以下の微小径を有する圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製する方法として以下の方法を用いることができる。即ち、作製したいワイヤの直径と等しいかそれ以上の内径を有する円柱状の空孔を有する有機膜または無機膜をテンプレートとして用い、その空孔内に永久双極子を有する材料を導入することにより圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製することができる。図5にテンプレート15の構造を示す。テンプレート15の例としては、多孔性のアルミナ(Al)などセラミック膜や多孔性のポリカーボネー
ト膜などが挙げられる。これらの多孔性膜は孔径数10μmから数10nmのものまで安定に供給できるためテンプレート15として適している。ただし、テンプレート15に用いる素材は上記のものに限られることはなく、目的とする孔径の円柱状の空孔が多数存在する膜であれば他のものでもよい。
テンプレート15の空孔16内に永久双極子を有する材料を導入する方法としては、電界重合法を用いることができる。また、真空中で分子を蒸発させ空孔16内に堆積させる蒸着法やスパッタ法を用いることもできる。これらの方法は有機オリゴマーやモノマーなどの低分子化合物や無機材料を用いて圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製する場合に適している。また、テンプレート15の空孔16内に永久双極子を有する材料を液体状態で導入して圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製することもできる。具体的には液体状態の材料をシリンジなどに注入してテンプレート膜中に注入するか、膜を溶液中に浸漬した状態で後方からシリンジなどで吸引することが有効である(以下この方法を溶液注入法と呼ぶ)。この方法は有機のポリマー、オリゴマー、モノマー材料、または無機材料をゾルゲル法で形成する場合に適している。
永久双極子を有する材料を溶媒に溶かした状態で空孔16内に導入する場合には、溶媒を蒸発させることにより体積が減少するため、必要に応じて空孔16内に溶液を導入する操作を複数回繰り返してもよい。その場合、一度固体化された材料が、再度空孔内に溶液を導入することにより溶解してしまうことを防ぐために、結晶性の材料においては空孔16内に溶液を導入し溶媒を蒸発させた後、加熱処理を行い結晶化させることが有効である。結晶化させることにより空孔16内に再度溶液が導入された時に溶媒に溶け難くすることができる。また、予めテンプレートの空孔表面に金属薄膜を形成しておき、電界を印加しながら溶液中に浸漬することにより、いわゆる電着法または電界重合法により永久双極子を有する材料を空孔16内に堆積させることも可能である。
ワイヤのポーリングはテンプレート15を除去した後に行うことも可能であるが、テンプレート15を除去する前に行うこともできる。後者の場合、具体的には、図5に示すように、圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤに対するポーリングの方向(ワイヤの長手方向または太さ方向にポ−リングを行う)によって、テンプレート15の異なる対向する面に電極を形成し、電圧を印加してポーリングを行うことができる。
テンプレート15は不用であれば溶剤に溶解させることによって除去することができる。例えば、アルミナ製のテンプレートでは水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬することで除去可能である。また、ポリカーボネート製のテンプレートでは溶媒であるメチレンクロライドに浸漬することで除去できる。上記以外の材料からなるテンプレートについてもそれぞれの材料に適した溶媒に浸漬することにより除去することができる。
直径が100μm以下の微小径を有する圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製する方法として下記の方法も用いることができる。即ち、鋭利な先端形状を有する針を永久双極子を有する微結晶からなる膜の結晶表面に接触させ、その針を1軸方向に移動させ、結晶を1軸方向に延伸することにより圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤを作製することができる。鋭利な先端形状を有する針の例としては走査型原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)などの操作型プローブ顕微鏡(SPM)を用いることができる。
上記の方法は、結晶性材料以外の材料にも適用できる。膜を形成する材料は、結晶性であっても非晶性であってもよい。予め鋭利な先端形状を有する針を用いて周囲を切断し、孤立した微小な面積部分を作製した後に、同様の針をその微小面積部分に接触させた状態で1軸方向に延伸することにより微結晶の場合と同様のワイヤを形成することができる。この方法は延伸が容易である点で有機材料が適し、特に有機高分子材料が適している。
本製造方法を用いた圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤの具体的な作製方法を以下に説明する。まず、導電性の基板上に永久双極子を有する薄膜を形成する。膜の形成方法としては、後述の溶液塗布法、真空蒸着法、電着法、電界重合法などを用いることができる。製膜後、結晶性材料の場合は熱処理を施すことが結晶化のためには有効である。明確な微結晶が存在しない膜においては後述のように鋭利な先端を有する針を用いて周囲を切断することにより膜中の微小面積部分を周囲の膜部分から切り離し孤立させる。続いて鋭利な先端を有する針を上記の孤立した微小面積部分または微結晶部分に接触させた状態で1軸方向に移動させて微結晶または微小面積部分の膜を延伸し、ワイヤを作製する。この場合、より効率的に延伸操作を行うために、膜の温度を室温以上に加熱することは有効である。
続いて、ワイヤ部分を後述の方法を用いてポーリングすることにより圧電性、焦電性を付与することができる。上記の方法で作製された圧電性ワイヤ、焦電性ワイヤは必要に応じて基板から剥離し、また表面に電極を形成することも可能である。
本実施例による圧電性ワイヤまたはコイル形状を有する圧電性素子を用いて液体の流速を測定することができる。ワイヤまたはコイルは液体の流れの中に挿入されることにより張力を受けて伸張される。これにより伸びの圧電性に起因する電圧が発生する。流速が速いほど電圧が高くなることから、これを用いて流速を測定することができる。また、圧電性ワイヤを超音波プローブとして用い、液体中または壁面の付着物の状況を超音波診断することも可能である。さらに、焦電性素子として温度変化を測定することもできる。
圧電性のワイヤまたはコイルは細い管内の液体の流速や温度変化および管内壁の付着物の状況や液体中に混入した固形物の状況を知りたい場合に特に有効である。その一つの適用例として人体内の血管中の血液の流速の測定および血液中に混入した固形物の状況や血管内壁のコレステロールの付着状況などの測定に適している。上記のワイヤまたはコイルを用いて血流および血管内壁の付着物を計測することにより血管の内部状況を知ることが可能である。
液体を輸送するための細管の内壁には液体に含まれる内容物が固化し付着しやすい。圧電性ワイヤまたはコイル形状を有する圧電性アクチュエータを用いて管の内壁に付着したこれらの固形物を剥離し清掃することができる。具体的には圧電性コイルまたは圧電性ワイヤを管内に挿入し、交流電圧を加えることにより圧電振動させて管の内壁に付着した固形物を剥離することができる。この効果を用いて人体血管の内壁に付着したコレステロールなどの固形物を除去することが可能である。
次に、質量が10mg以下である圧電性素子について詳細に説明する。一般にアクチュエータは基板等に固定された状態で用いられる。アクチュエータ自身が自由に移動でき、しかもその位置を外部から制御することが可能であればその用途は大きく拡がる。例えば、後述の流速測定装置、管内清浄化装置、人体内治療装置、または人体内計測装置においてはアクチュエータが管内や人体内で自由に移動でき、しかも、その位置を外部から制御できることは非常に重要である。この場合、アクチュエータの質量が小さいことは非常に重要である。質量が大きいことにより、その重力に打ち勝って動かすだけの外力が必要となるため、大掛かりな装置が必要となる。しかし、特に人体に関与する治療装置、計測装置の場合は大きな外力を加えることは人体に対する悪影響や危険を伴うことにつながる。
以下、アクチュエータ内に極微細な磁石を埋め込み、その磁石に外部から磁場を加えてアクチュエータを移動させる場合を例に挙げて、アクチュエータを軽量化することによる効果を説明する。一例として、アクチュエータ内部に一辺が1μmの立方体形状を有するフェライト磁石を埋め込み、外部から円柱状の大きなフェライト磁石を用いて重力に逆らう方向に磁場を加えてアクチュエータを浮上させる場合について説明する。フェライトの磁極の大きさをm、微細磁石の上下面の面積をS、厚さをt、外部磁石の半径をD、厚さをL、アクチュエータと外部磁石との距離をx、外部磁石の磁気モーメント密度をp、真空の透磁率をμとすると、アクチュエータに加わる鉛直方向の力Fは(数3)で表される。
F=(3mtSpDx)/(2μ(D+x3/2) (数3)
ここでmはフェライト磁石の残留磁束密度0.4Wb/mと同じ値とする。また、pはフェライト磁石の残留磁束密度に磁石の厚さLを乗じた値とする。一例として、半径1m、厚み100mmのフェライト製外部磁石を用いると、アクチュエータに加わる鉛直方向の力Fは約6×10−3Nである。これは質量600mgの重力に相当する。この力に
対して質量10mg以下のアクチュエータの重力は無視し得る。上記説明から、質量10mg以下のアクチュエータは外部磁場を用いて自由に動かすことが可能であり、その位置を外部から制御することが可能となる。
アクチュエータを軽量化する目的では無機の圧電体材料に比べて比重の小さい有機の圧電体材料がより適している。
本実施例における圧電性または焦電性材料としては、有機または無機の圧電性材料または焦電性材料を用いることができる。有機の圧電性材料、焦電性材料としてはフッ化ビニリデンポリマー(PVDF)およびオリゴマー、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのランダム共重合体(P(VDF−TrFE))、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン13などの奇数ナイロン、シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの交互共重合体などを用いることができる。また、カイラルC*を有するコレステリック液晶に代表される
強誘電性液晶を用いることもできる。無機の圧電性材料、焦電性材料としては規則不規則型の圧電性材料、焦電性材料であるリン酸水素カリウム、ロッシェル塩、硫酸グリシン、硝酸ナトリウム、チオ尿素、チタン酸バリウム結晶やチタン酸ジルコニウムやチタン酸鉛などで構成されるセラミック強誘電体を用いることができる。ただし、上記に限られるものではなく、永久双極子を有する材料であり、双極子の方向をそろえることができる材料であれば全て適用することができる。
圧電性または焦電性を有する薄膜およびその上面または下面の少なくとも一方に積層される付加膜の形成には、例えば以下の方法を用いることができる。ポリマー、オリゴマーなど室温で固体であるか粘性の高い液体である場合には、これらの材料を溶剤に溶解させ基板上にスピナー、バーコーター、スリットダイなどの塗布装置を用いて薄く塗布した後、溶媒を蒸発させる塗布製膜法により製膜することができる。また、オリゴマーやモノマーなど室温で液体である場合には溶剤に溶かすことなく、そのまま上記の方法を用いて製膜することもできる。セラミック材料の場合はゾルゲル法による湿式製膜も圧電性薄膜の製膜法として非常に適している。また、材料を基板上に直接蒸着またはスパッタリングする乾式製膜法を用いて製膜することもできる。この乾式製膜法は無機材料やオリゴマーやモノマーからなる有機の低分子材料の製膜に特に適している。さらに、導電性の基板を用いて電界を印加しながら溶液中に浸漬することにより、電着法または電界重合法により製膜することも可能である。
薄膜に圧電性を付与するためには電界を印加して自発分極を形成する、所謂ポーリングと呼ばれる処理を施す必要がある。具体的には、薄膜の膜厚方向または薄膜の面内方向に電界を印加して薄膜が有する永久双極子を電界方向に揃えることにより、目的とする方向に自発分極を形成させる。このポーリング処理は薄膜を1軸上に巻く前に行っても、また巻いた後に行ってもよい。さらに、電界を印加するためには一般的には+電極と−電極を必要とするが、電極の形成は薄膜を1軸上に巻き上げる前に行っても、また巻き上げた後に行ってもよい。さらに、+電極または−電極のどちらか一方のみを形成し、コロナ電界によりポーリングすることも可能である。さらには、薄膜に電極を形成せず、外部から面状またはワイヤ状、針状の電極を接触させた後に電界を印加してポーリング処理を施すことも可能である。また、上記のポーリング処理は、素子を製造する工程のいずれの段階で行ってもよい。即ち、基板上に膜を形成した直後にポーリング処理を行ってもよく、また、膜を基板から剥離し、種々の加工を行った後にポーリング処理を行ってもよい。
ところで、本実施例におけるチューブ形状の機能素子、コイル形状の機能素子および重量が10mg以下の機能素子を作製する工程において、基板上に形成された圧電性膜、焦電性膜および付加膜を目的とする形状に切り出した後、基板からこれらの膜を剥離する必要がある。膜を目的とする形状に切り出す手段としては、例えば、鋭利な先端形状を有する針を用いることが有効である。一例としては走査型原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)などの走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いることができる。SPMのプローブとして先鋭で硬い探針を用い、膜表面に探針が接した状態で、切断したい輪郭上を走査することで膜を切り出すことができる。SPMはナノメートル(nm)スケールの加工から数百ミクロン(μm)スケールの加工まで可能である点で本発明の加工手段として適している。膜を切り出す手段としてはSPM以外にもミクロンスケールの微細加工が可能な収束イオンビーム加工機(FIB)も適している。さらに、本発明における加工手段は上記に限定されるものではなく、素子のサイズに合わせて種々の装置および加工手段を用いることができる。
膜を目的とする形状に切り出した後、基板から剥離する手段としては、例えば、下記の方法を用いることができる。切り出し加工後の基板およびその上面に付着した膜を、基板材料を溶解するが膜材料に対しては侵食しない溶媒中に浸漬することで膜を基板から剥離することができる。また、基板材料および膜材料の両方に対して侵食しない液体中に浸漬しても膜を基板から剥離することができる。この場合は、液体が基板材料と膜材料の少なくともどちらか一方と親和性を有する必要がある。この親和性により膜と基板の間に形成された極小さな隙間から入り込み、隙間の存在する面積を拡大することにより膜を基板から剥離することができる。この場合、液体と基板材料または膜材料との親和性が不足している場合には液体中に界面活性剤を添加することは非常に有効である。さらに、より確実な剥離方法として、図6に示すように基板21と素子に必要な積層膜23および圧電性または焦電性薄膜24の間に剥離溶媒に非常に良く溶解する極薄層(犠牲層と呼ぶ)22を形成しておくことは非常に有効である。犠牲層22に用いる材料としては素子に必要な膜の材料および基板材料21を全く侵食しない液体に対して容易に溶解する材料を選ぶことが重要である。一例を挙げると、水によって侵食されない膜材料と基板材料の場合は水溶性の材料が適している。また、非極性の有機溶媒に可溶な膜材料と基板材料の場合には極性溶媒に良く溶ける材料が適している。逆に、極性の有機溶媒に可溶な膜材料と基板材料の場合には非極性溶媒に良く溶ける材料が適している。
(実施例1)
ガラス基板上にAl薄膜を蒸着した導電性基板上にP(VDF−TrFE)(共重合モル比75/25)のメチルエチルケトン溶液(1wt%)をスピンコートした後、140℃で1時間熱処理して膜厚100nmのP(VDF−TrFE)薄膜を作成する。この
膜を導電性のAFM探針(バネ定数2N/m)を用いてDC10Vの電圧を印加しながら走査することによりポーリング処理を行う。続いて同じAFM探針を用いて120℃に加熱しながら探針を膜表面に1μNの力で接触させ面積約20μmx20μm の領域の輪郭をなぞることにより上記領域の膜を切断し、走査型電子顕微鏡チャンバー内にセットして電子線走査することにより膜表面を架橋させる。この膜に、チューブ形成後にチューブ内径に接する部分である端部に幅6μm、長さ20μm程度のAu電極を形成し、NaOH水溶液に浸漬するとAl薄膜が溶解してP(VDF−TrFE)薄膜が水面上に浮き上がる。水面に水平に清浄なガラス基板を接し、顕微鏡下で観察することにより直径約2μm、長さ約20μmのP(VDF−TrFE)チューブを得ることができる。
圧電性については、AFM装置を用い、Jpn.J.Appl.Phys., vol.37, p.3884 (1999)およびThin Solid Films, vol.353, p.259 (1999)に記載された方法により確認することができる。
焦電性については、温度可変のAFM用ステージに上記の試料を設置し、試料温度を変化させながらAFM探針を用いて焦電電流測定することによりその特性を確認することができる。
上記実施例による方法で製膜、ポーリング、および電子線照射を行うことで得られるP(VDF−TrFE)チューブは圧電性および焦電性を有する。
(実施例2)
ガラス基板上に懸化度90のポリビニルアルコール(PVA)の0.5wt%水溶液をスピンコートして膜厚0.1μmの薄膜を得、続いてPVA膜上にAu電極を蒸着する。次にその基板上にP(VDF−TrFE)(共重合モル比75/25)のメチルエチルケトン溶液(2wt%)をスピンコートした後、140℃で1時間熱処理して膜厚100nmのP(VDF−TrFE)薄膜を得ることができる。次にAFM装置を用いてDC10Vの電圧を印加しながら約50μm×50μmの領域を走査することによりポーリングを行う。その後上記試料の表面にスピンコート法によりネガ型のフォトポリマー膜(膜厚100nm)を形成し、紫外線照射によりフォトポリマー膜を十分架橋させる。さらに実施例1と同様の要領で上記領域の端部に幅約9μm、長さ20μm程度のAu電極を形成する。その後、実施例1と同様の方法を用いて面積約20μm×20μmの領域を切り出し、基板を水中に浸漬して膜を基板から剥離させることで、実施例1と同様の方法で直径約3μm、長さ約20μmの圧電性および焦電性を有するP(VDF−TrFE)のチューブを得ることができる。これらの特性の確認は実施例1と同様の方法で行うことができる。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で形成し、140℃で1時間熱処理を行ったP(VDF−TrFE)薄膜(膜厚100nm)の分子鎖を一方向に配列することにより弾性率に異方性を生じさせる。具体的にはP(VDF−TrFE)薄膜を135℃に加熱した状態で面積約5
0μm×50μm の領域についてAFM探針(バネ定数:0.2N/m)を用いてその
面を一方向に走査する。その結果、AFMの走査方向に平行に分子鎖が配列されて、上記の領域の結晶の長軸は全て走査方向に垂直に並ぶ。この結晶の弾性率は分子鎖方向(膜面内で結晶の短軸方向)が他の方向に比べて高くなるため、上記の処理により弾性率に異方性を発現できる。上記の膜を実施例1と同様の方法を用いて表面にAu電極を付けた後、膜の切り出しおよび電子線照射、剥離を行い長さ約3μm、直径約1μmの圧電性および焦電性を有するコイル形状の素子が得られる。この例では分子鎖が配列された領域の中で幅約0.5μm、長さ約50μmの帯状の部分を切り出し、切り出した部分が結晶の長軸方向(弾性率が最小の方向)となす角度Θ(図3参照)は30度程度とする。圧電性および焦電性の確認は実施例1と同様の方法で行うことができる。
(実施例4)
P(VDF−TrFE)(共重合モル比75/25)のジメチルフォルムアミド溶液(20wt%)を注射器にとり、直径200nmの円柱状の空孔を有する膜厚60μmのアルミナフィルター内に注入する。続いて上記フィルターを100℃に加熱して溶媒を除去する。溶媒除去に伴い発生する空孔内の空隙を埋めるために、上記の走査を5回繰り返すことが好ましい。次に、140℃で1時間熱処理して結晶化させる。この段階でも空孔内に若干の空隙が存在するため、上記の注入操作(5回の注入および100℃乾燥の後140℃の熱処理)をさらに一度繰り返す。上記の処理を行ったアルミナフィルターをその面内で2つに切断し、その1片の表面と裏面にAl電極を形成し、両者の間に4kvのDC電圧を印加することにより、アルミナフィルター内に注入されたP(VDF−TrFE)をフィルター空孔の長手方向に対してポーリングする。次に、先に切断したフィルターの他の1片をFIB装置のチャンバー内に設置して、フィルター面内で約60μm×1000μmの棒状の部分を切り出し、この棒状片の対向するフィルター断面部分にAl電極を形成して、両電極間に4kVのDC電圧を印加することにより今度はフィルター空孔の短手方向に対してポーリングを行う。これら2つのポーリング方向が異なるアルミナフィルター片を別々にNaOH水溶液に浸漬し、アルミナフィルターを溶解する。その後、実施例1と同様の方法を用いてガラス基板上に直径約200nm、長さ約60μmの、その直径方向にポーリングされたP(VDF−TrFE)ワイヤおよび長手方向にポーリングされたP(VDF−TrFE)ワイヤを得ることができる。圧電性および焦電性の確認は実施例1と同様の方法で行うことができる。
(実施例5)
グラファイト基板上に実施例1と同様の方法でP(VDF−TrFE)溶液をスピンコートした後熱処理結晶化を行って膜厚100nmのP(VDF−TrFE)薄膜を得る。この膜を100℃に加熱した状態で、その結晶の表面に導電性を有するAFM探針(バネ定数;40N/m)を3μNの力で接触させながら一方向に探針を移動させる。この処理により、P(VDF−TrFE)の微結晶は探針の移動方向に延伸され、図7に示す長さ約1000nm、幅約100nmのP(VDF−TrFE)ワイヤが得られる。続いて、上記のAFM探針を用いて5VのDC電圧を印加しながらワイヤ表面を走査することによりポーリング処理を行い、ポーリング後、AFM装置を用いて圧電測定を行うことにより、このP(VDF−TrFE)ワイヤが圧電性を有することを確認することができる。ワイヤの焦電性についても実施例1と同様の方法で測定することができる。
(実施例6)
実施例1の方法を用いて内径が100μmのP(VDF−TrFE)チューブと内径が0.5mmのP(VDF−TrFE)チューブの、内径の異なる2種類のチューブを作製する。内径の大きさは照射する電子線の量によって調節し、チューブの長さは何れも約100μmとした。膜の切り出しはFIB装置を用いて行う。
続いて、上記のチューブの外側にAl電極を蒸着する。このとき、チューブ内およびチューブ外の電極が接触することが無いように、電極はチューブの長さ方向中央部40μmの長さ部分のみに形成する。続いて、これらのチューブを少量の染料を溶解した蒸留水中に浸し、チューブ内に染料を含んだ蒸留水を満たす。その後、顕微鏡下で上記の含染料水の液滴に各チューブの一端の外部電極の形成されていない部分を接触させ、チューブの他端には吸水性に優れた濾紙をその表面チューブの端部に接触するように設置する。この状態でチューブ内外に形成された電極間に5Vppの交流電圧を3分間印加すると、濾紙の表面にはチューブを介して輸送された含染料水が吸収され、顕微鏡下で観察するとほぼ円形の着色された部分が形成される。この面積を測定し、チューブ内断面の面積で正規化して評価を行うと、内径100μmのチューブは内径500μmのチューブに比べて著しく輸送効率が向上していることが分かる。したがって、本発明の圧電性チューブにおいて特に内径100μm以下のチューブが液体の輸送および吐出の性能に優れていることが分かる。
(実施例7)
実施例6と同様の方法を用いて直径500μmおよび100μmの径を有するP(VDF−TrFE)ワイヤ(これらは全て長さ100μmとした)を作製し、図8に示すように、その一端を導電性基板25上に固定した。この場合、ワイヤ11を固定すると共に一方の電極13のみが導電性基板11と導通が取れるように注意して顕微鏡下で固定する。次にAFM装置に設置された導電性カンチレバー26(バネ定数0.2N/m)をワイヤ11の固定端近傍で、しかも基板21に設置されていない方の電極12上に固定する。この状態で両電極12、13間に電界を印加するとワイヤ11はその圧電性により伸縮する。両電極12、13間にそれぞれ100VのDC電圧を印加し、圧電性による各ワイヤの傾きを測定した。ワイヤの傾き測定はワイヤ先端付近に微細径のレーザ光を照射し、その反射光の位置から測定する。
上記において、ワイヤ11の圧電応答時にワイヤ先端の移動距離(ワイヤ11の傾き角)を比較すると、直径100μmのワイヤでは直径500μmのワイヤに比較してこれらの値が著しく向上する。したがって、直径100μm以下の圧電性P(VDF−TrFE)ワイヤはアクチュエータとしての高い性能を有することが分かる。
(実施例8)
図9に示すように、内径50μmの円柱状の孔32を加工したポリメタクリレート(PMMA)板31を作製する。また、実施例3の方法を用いて作製された内径10μmの圧電性を有するP(VDF−TrFE)コイル形状素子と実施例4の方法を用いて作製された直径10μmの圧電性P(VDF−TrFE)ワイヤ(何れも長さ100μm)34を用意する。次に、ポリメタクリレート(PMMA)板31の孔32内にカーボン粉を蒸着し、顕微鏡観察により孔32内に一様に煤が付着していることを確認した後、顕微鏡下でPMMA板31の孔32内にP(VDF−TrFE)コイル形状素子33およびP(VDF−TrFE)ワイヤ34を挿入する。以上の準備を行った後、実施例9と同様にコイル形状素子33およびワイヤ34に設置された2枚の電極間に5Vpp、60HzのAC電圧を1分間加え、各PMMA板31の孔32内のカーボン煤の付着状態を顕微鏡下で観察すると、いずれの試料においてもPMMA板31表面から100μm以内の距離において、煤がきれいに除去されていることが分かる。この結果から、本発明によるアクチュエータは微細な管内の洗浄装置に適用できることが分かる。
(実施例9)
内径10mm、深さ100mmの円柱状のプラスチック容器および内径1mm、深さ10mmの円柱状のプラスチック容器を半径100mm、厚み10mmの円盤状のフェライト磁石の上方に100mm離して設置した。一方、半径3mm、長さ40mmのP(VDF−TrFE)ワイヤおよび半径0.3mm、長さ4mmのP(VDF−TrFE)ワイ
ヤを作製し、それらの中に何れも1辺が10μmの立方体形状を有する微小フェライト磁石を各1個埋め込んだ。これらのワイヤの質量はそれぞれ約2gおよび2mgであった。P(VDF−TrFE)ワイヤをそれぞれ上記の内径10mmおよび1mmの円柱容器内に入れると、半径0.3mmのP(VDF−TrFE)ワイヤは磁力により空中に浮き上がるが、半径3mmのP(VDF−TrFE)ワイヤは浮き上がらない。したがって、質量2mgのP(VDF−TrFE)ワイヤによるアクチュエータは外部磁場により容易に移動できることが分かる。この質量は10mg以下であれば外部磁場により制御することができる。
(実施例10)
図10に示すように、実施例6で用いた内径20μmの圧電性を有するP(VDF−TrFE)チューブ41を使ってインクジェットプリンター用のプリンターヘッド40を作製し、このプリンターヘッド40を赤、青、緑の各染料を溶解した水系インキが充填されたインクタンク42につなぎ、ポンプで加圧してプリンターヘッド40内にインキを注入する。この状態でプリンターヘッド40に形成された電極間に、5Vppの矩形波電圧を間欠的に30m秒間印加することにより、インキ滴43を噴射することができる。この構成のプリンターヘッド40によれば、従来のヘッドに比べて非常に高精細な点描画を行うことができる。
(実施例11)
実施例6で用いた内径50μmの圧電性を有するP(VDF−TrFE)チューブを使ってインテグレーティッドケミストリー素子を作製することができる。本実施例にインテグレーティッドケミストリー素子の構成を図11に示す。素子50の一端側のA端子51および他端側のB端子52を、それぞれポリビニルアルコール水溶液(A液)を満たしたタンク53および青色染料水溶液(B液)を満たしたタンク54に接続する。そして、表面張力を利用してタンク53、54内の液をそれぞれチューブ55、56内に導入する。次に、チューブ55、56に形成された電極に5Vpp、1HzのAC電圧を印加すると、圧電伸縮によりチューブ55、56の内径は伸縮し、中に満たされているA液およびB液はエリア57に押し出され、エリア57内でA液とB液とを混合することができる。
なお、エリア57での混合動作を行った液体を赤外分光測定することで、ポリビニルアルコールと青色染料のピークを確認することができる。また、エリア57にさらにチューブ58を接続して3種以上の液を混合させることもできる。
(実施例12)
面積10mm×10mmで異なる質量(1gと10mg)を有するポーリングされたP(VDF−TrFE)薄膜の片方の電極上に膜厚2nmのカーボン膜を蒸着して黒く着色し、カーボン膜上に出力2mWのHe−Neレーザ光をON、OFFしながら照射して、ON、OFF時に電極間に発生する焦電電圧の応答時間を測定すると、膜質量が10mgのものは1gのものに比べて応答速度が著しく向上していることが分かる。この現象が起こる理由としては、面積を一定にして膜厚を薄くして軽量化すると、膜の熱容量が著しく小さくなり応答速度が向上すると考えられる。
本発明による機能素子は、エレクトロニクス分野、オプトエレクトロニクス分野、メカトロニクス分野、インテグレーティッドケミストリーや体内計測などの分野における、アクチュエータやセンサなど、高精細化、高密度化、高集積化が求められる装置に利用することができる。
本発明におけるチューブ状機能素子の構成を示す斜視図 本発明におけるコイル状機能素子の構成を示す斜視図 本発明におけるコイル状機能素子の作製過程における薄膜を切り出す方向を説明する概念図 本発明におけるワイヤ状機能素子の構成を示す斜視図 本発明におけるワイヤ状機能素子の製造に用いられるテンプレートの斜視図 本発明におけるチューブ状機能素子の他の製造方法を説明する側面図 本発明におけるワイヤ状機能素子のAFM像を示す写真 本発明の実施例におけるワイヤ状機能素子の圧電性による伸縮動作の確認方法を説明する概念図 本発明によるアクチュエータを管内の洗浄装置に適用した際の動作の確認方法を説明する斜視図 本発明によるアクチュエータをインクジェットプリンターヘッドに適用した際の動作を説明する概念図 本発明によるアクチュエータをインテグレーティッドケミストリー素子に適用した際の動作を説明する概念図
符号の説明
1、2 薄膜
11 ワイヤ
12、13 電極
15 テンプレート
16 空孔
21 基板材料
22 犠牲層
23 積層膜
24 圧電性または焦電性薄膜
25 導電性基板
26 カンチレバー
31 PMMA板
32 孔
33 コイル形状素子
34 ワイヤ
40 プリンターヘッド
41 チューブ
42 インクタンク
43 インキ滴
50 素子
51 A端子
52 B端子
53、54 タンク
55、56、58 チューブ
57 エリア

Claims (13)

  1. 圧電性または焦電性を有する材料をコイル状に形成したことを特徴とする機能素子。
  2. 前記材料が有機薄膜からなることを特徴とする請求項1に記載の機能素子。
  3. コイルの内径が100μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を用いたことを特徴とするアクチュエータ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を用いたことを特徴とする圧電または焦電センサ。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を液体の流速計測用センサおよびまたは超音波診断用センサおよびまたは温度計測用センサとして用いたことを特徴とする装置。
  7. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の機能素子を液体輸送管内に挿入し、前記液体輸送管内で動作させることで管内の清浄化を行うことを特徴とする装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の装置を人体内組織の治療または計測に用いたことを特徴とする装置。
  9. 圧電性または焦電性を有する薄膜の上面または下面の一方の面に対して他方の面よりも拡がろうとする力、または縮まろうとする力を加えることにより前記薄膜を1軸上に巻くことでコイル状に形成したことを特徴とする機能素子の製造方法。
  10. 前記薄膜の一方の面に対してエネルギー線を照射することにより、他方の面よりも縮まろうとする力を加えることを特徴とする請求項9に記載の機能素子の製造方法。
  11. 前記薄膜を材質の異なる少なくとも2枚の薄膜で形成することを特徴とする請求項9に記載の機能素子の製造方法。
  12. 結晶の格子定数が互いに異なる薄膜を用いることを特徴とする請求項11に記載の機能素子の製造方法。
  13. 光重合性または熱重合性が互いに異なる薄膜を用いることを特徴とする請求項11に記載の機能素子の製造方法。
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