JPH09321359A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

Info

Publication number
JPH09321359A
JPH09321359A JP8138431A JP13843196A JPH09321359A JP H09321359 A JPH09321359 A JP H09321359A JP 8138431 A JP8138431 A JP 8138431A JP 13843196 A JP13843196 A JP 13843196A JP H09321359 A JPH09321359 A JP H09321359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
laminated piezoelectric
laminated
ceramic plate
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8138431A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Higashibetsupu
誠 東別府
Koki Ashida
幸喜 芦田
Shuichi Fukuoka
修一 福岡
Katsuhiko Onizuka
克彦 鬼塚
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP8138431A priority Critical patent/JPH09321359A/ja
Publication of JPH09321359A publication Critical patent/JPH09321359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動時において発生する自己発熱を含めた素子
内部の温度や圧力等を正確に検知できる積層型圧電アク
チュエータを提供する。 【解決手段】積層された複数の圧電磁器板11と、これ
らの圧電磁器板11の間に介装された内部電極15とを
具備してなる積層型圧電アクチュエータであって、圧電
磁器板11間に、セラミック板41を取出電極43によ
り挟持したセンサ5を設けてなる。センサは圧電磁器板
の積層方向における中央部に設けられ、センサのセラミ
ック板が圧電磁器板と同一の組成物により形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータに係わり、例えば、X−Yステージ等の精密位
置決め装置や高速位置制御等に用いられる積層型圧電ア
クチュエータに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器板を複数枚積層して、
積層型のアクチュエータを作製する方法が多数開示され
ている。
【0003】一般に、積層型圧電アクチュエータは、基
本的に使用する圧電素子がその圧電特性に温度依存性、
圧力依存性を有していることにより、駆動する際の運転
環境或いは、素子自身の状態を正確に把握し、状況によ
っては、補正回路を付加した状態で使用する必要があ
る。特に、積層型圧電アクチュエータにおいて、変位量
の温度依存性と圧力依存性は大きい。
【0004】即ち、従来、積層型圧電アクチュエータを
高電圧で高速駆動する際に素子自身の自己発熱が発生
し、素子の圧電特性の温度依存性によって、電圧−変位
特性が変動し、所望の変位量が得られないという問題が
あった。従って、素子自身の温度を正しく計測し、これ
をフィードバックする必要があった。
【0005】このため、従来、熱電対などの温度測定用
センサを外付けすることにより測定を行っていた。
【0006】また、圧力の測定に関しては、圧電式、或
いはダイヤフラム方式などの圧力センサを積層型圧電ア
クチュエータの近傍に接続したり、その側面に貼付した
りすることによって、作動中の積層型圧電アクチュエー
タの圧力変化の測定を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高電圧
かつ高速で電圧印加を繰り返すと圧電素子自身が発熱す
るため、アクチュエータが配置されている雰囲気以上
に、積層型圧電アクチュエータの内部温度、内部圧力は
上昇し、従来の上記方法によってはアクチュエータの外
面温度や圧力しか測定できず、内部温度や内部圧力は測
定できないという問題があった。このため、変位量を厳
密に制御することができないという問題があった。
【0008】本発明は、積層型圧電アクチュエータの内
部温度や圧力等を正確に検知できる積層型圧電アクチュ
エータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、積層された複数の圧電磁器板と、これら
の圧電磁器板の間に介装され交互に電気的に接続された
内部電極とを具備してなる積層型圧電アクチュエータで
あって、前記圧電磁器板間に、セラミック板を取出電極
により挟持したセンサを設けてなるものである。
【0010】ここで、センサは圧電磁器板の積層方向に
おける中央部に設けられることが望ましい。また、セン
サのセラミック板が圧電磁器板と同一の組成物により形
成されることが望ましい。さらに、センサが、温度セン
サおよび/または圧力センサであることが望ましい。さ
らにまた、センサの取出電極には突起部が形成されてお
り、この突起部が内部電極の接続部分と異なる位置でセ
ラミック板から突出していることが望ましい。
【0011】
【作用】本発明の積層型圧電アクチュエータでは、圧電
磁器板間に、セラミック板を取出電極により挟持した、
例えば、温度センサや圧力センサを設けたので、高電圧
かつ高速で電圧印加を繰り返し、圧電素子自身が発熱し
たとしても、積層型圧電アクチュエータの内部温度、内
部圧力を正確に測定することができ、その状態に対応す
る印加電圧等の制御因子にフィードバックでき、変位量
を厳密に制御することができる。
【0012】また、センサを積層型圧電アクチュエータ
の圧電磁器板の積層方向における中央部に設けることに
より、積層型圧電アクチュエータの駆動時においてセン
サに作用する応力を抑制することができ、正確な温度や
圧力等を検知できる。
【0013】さらに、センサのセラミック板を圧電磁器
板と同一の組成物により形成することにより、製造が容
易になる。
【0014】また、センサの取出電極の突起部は、内部
電極の接続部と異なる位置で、セラミック板から突出し
ているため、内部電極と電気的に短絡することがない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の積層型
圧電アクチュエータを示すもので、円柱状の積層圧電体
1の外周面には、正極側外部電極2および負極側外部電
極3が形成されており、積層圧電体1の中央部には、セ
ンサ5が内蔵されている。外部電極2,3にはリード線
4が接続されている。
【0016】積層圧電体1は、図3に示すように、円板
状の圧電磁器板11を複数積層して構成されている。こ
れらの圧電磁器板11はPb(ZrTi)O3 (以下P
ZTと略す)を主成分とする焼結体である。
【0017】圧電磁器板を構成する圧電材料は、例え
ば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミッ
クス材料などが使用されるが、これに限定されるもので
はなく、圧電性を有するセラミックスであれば何れでも
良い。この圧電磁器板を構成する圧電材料としては、圧
電歪み定数d33が高いものが望ましい。
【0018】特に、金属成分としてPb、Zr、Ti、
Zn、Sb、Ni、Teと、SrおよびBaのうち少な
くとも一種を含む複合ペロブスカイト型化合物であっ
て、これらの金属元素のモル比による組成式を、Pb
1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2
Te1/2 b ZrcTi1-a-b-c 3 と表わした時、
x,y,a,b,cのモル比が、0≦x≦0.12、0
≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.1
2、0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満
足する基本成分100重量部に対して、等モル比からな
るPbOおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2重量
部添加含有してなる圧電磁器組成物が望ましい。
【0019】この圧電磁器板の厚みtは、小型化および
高い電圧を印加するという点から、0.2〜0.6mm
であることが望ましい。
【0020】そして、複数の圧電磁器板11が積層され
ており、その間には導電性接着層13が形成され、導電
性接着層13間には内部電極となる金属薄板15が介装
されている。これらの金属薄板15には、図4に示すよ
うに、接続用突起部16および接続部材17が一体的に
形成されており、これらの接続用突起部16および接続
部材17からなる接続部18は、図3に示したように、
圧電磁器板11の径方向に突出している。また、接続部
18は交互に180度反対を向くように、金属薄板15
が圧電磁器板11の間に介装されており、これらの金属
薄板15は、その接続部18の位置により正電極用金属
薄板19,負電極用金属薄板21とされている。そし
て、正電極用金属薄板19の接続用突起部16が接続部
材17により相互に電気的に接続され、また負電極用金
属薄板21の接続用突起部16が接続部材17により相
互に電気的に接続されている。この図3では、接続用突
起部16と接続部材17が一体的に形成されている。
【0021】使用する金属薄板15は導電性を有するも
ので、例えば、銀、真鍮、銅、ステンレス等の金属が好
ましい。金属薄板15の厚さは変位量に寄与しないため
にできるだけ薄いもの、例えば、20〜50μmのもの
が好ましい。また、金属薄板15としては、他の金属薄
板15との短絡や放電を防止するため、積層圧電体1の
外周面に露出しないように圧電磁器板11よりも小さい
ことが望ましい。
【0022】金属薄板15の接続部18は、図4に示し
たように、縦1〜3mm、横1mm以上が望ましい。
【0023】接続部材17と積層圧電体1の外周部との
距離cは、短絡や放電を防止するという点から0.2〜
0.6mmが望ましい。
【0024】導電性接着層13は、導電性接着層用ペー
ストを圧電磁器板11に塗布し乾燥することにより形成
されるが、この導電性接着層用ペーストは、Ag等の金
属粉末とガラス成分を含有し、400〜600℃程度で
溶融するものが望ましい。これは、積層時に加圧加熱す
ると導電性接着層用ペーストに含有されるガラス成分が
溶融し、圧電磁器板11同士を強固に接合し、高電界の
繰り返し印加によって発生する界面での剥離等を防止す
ることができ、積層型圧電体の信頼性を向上できるから
である。導電性接着層用ペーストは、特に、Ag粉末を
40〜60重量%と、PbO−SiO2 −B2 3 から
なるガラス成分40〜60重量%とからなることが望ま
しい。
【0025】そして、接続部材17と圧電磁器板11の
外周部との間の空隙31は、隙間がないように耐水性樹
脂33で充填されている。使用される耐水性樹脂33
は、絶縁性が高く、常温から200℃までの温度で硬化
できる有機樹脂であればどのようなものでも良いが、絶
縁性が高く、充填し易いという点からシリコン系樹脂、
あるいはエポキシ系樹脂であることが望ましい。
【0026】空隙31を耐水性樹脂33で充填するに
は、粘度等の条件を調整し、空隙31内に耐水性樹脂3
3が流れこんでいくようにすることが必要である。この
ような耐水性樹脂33を刷毛等で塗布したり、ペースト
中に浸漬することにより充填できる。
【0027】また、本発明では、積層圧電体1の外周面
が耐水性樹脂層で被覆されていることが望ましい。これ
は、積層圧電体1における沿面放電を防止できるからで
ある。しかしながら、湿度等が高い場所で使用する場合
には、この部分で一旦放電すると被覆した樹脂が炭化し
て導通し、圧電磁器板11が破損し、圧電アクチュエー
タが使用不可能となる虞がある。このため積層圧電体1
の外周面を耐電圧性材料の耐電圧層で被覆した後、耐水
性樹脂層により被覆することが望ましい。この耐電圧層
により、放電が生じた場合でも圧電磁器板11の破損を
防止できる。
【0028】耐水性樹脂としては、上記空隙充填用の樹
脂と同様のものが使用でき、このような耐水性樹脂層
は、空隙31の充填と同時に行うことができる。耐水性
樹脂層は、耐水性樹脂を刷毛等で塗布したり、ペースト
中に浸漬して形成できる。耐水性樹脂層の厚みは、耐水
性向上という点で50μm以上が望ましい。
【0029】また、耐電圧材料としては、例えば、加熱
接合温度(400〜600℃)で溶融するPbO−Si
2 −B2 3 ガラスが望ましい。このような耐電圧材
料により予め圧電磁器板11の外周面に耐電圧層を形成
し、このような圧電磁器板11を積層し、加圧しながら
加熱して圧電磁器板11同士を接合すると同時に、圧電
磁器板11の外周面の耐電圧層が溶融し、積層圧電体1
全面を耐電圧材料で被覆することができる。
【0030】そして、積層圧電体1の中央部に内蔵され
たセンサ5は、図2に示すように、圧電磁器板11と同
一の組成物、同一形状のセラミック板41と、前記金属
薄板15と同一形状で同一材料からなり前記セラミック
板41を挟持する一対の取出電極43と、セラミック板
41と前記取出電極43を挟持するように配置され圧電
磁器板11と同一の組成物からなる一対のダミー層45
とにより構成されている。
【0031】また、図1に示したように、取出電極43
に形成された突起部47は、正極側外部電極2および負
極側外部電極3と異なる位置で、セラミック板41から
突出しており、これらの突起部47にリード線が接続さ
れる。突起部47は同じ位置ではなく、図1に示したよ
うに少々ずれた位置に形成することが、リード線との接
続が容易という観点から望ましい。
【0032】ダミー層45は、センサ5と上下の圧電磁
器板11とを隔離するために設けられており、センサ5
が圧電磁器板11の変位の影響を受けないように設けら
れている。これらのダミー層45の厚みは自由に設定す
ることができる。ダミー層45とセラミック板41との
間には、上記した導電性接着層用ペーストと同様のペー
ストにより取出電極43が接着固定され、電気的に絶縁
されている。また、ダミー層45と圧電磁器板11との
間にも、上記した導電性接着層用ペーストと同様のペー
ストにより金属薄板15が接着固定されている。
【0033】このような積層型圧電アクチュエータは、
圧電磁器板11の両面にそれぞれ導電性ペーストを塗布
し、この導電性接着層用ペーストを乾燥した後、複数の
圧電磁器板11の間、即ち、上記導電性接着層用ペース
ト間に接続用突起部16を有する金属薄板15を介装し
て積層した上側積層体および下側積層体を作成する。
【0034】そして、下側積層体の表面にダミー層4
5、取出電極43、セラミック板41、取出電極43、
ダミー層45を導電性接着層用ペーストを介して積層
し、この上に上側積層体を配置する。この後加熱しなが
ら加圧し、上側積層体、センサ5および下側積層体を接
合することにより形成される。
【0035】そして、圧電磁器板11を挟持している正
電極用金属薄板19および負電極用金属薄板21の接続
部18をそれぞれ接続する。即ち、正電極用金属薄板1
9の接続用突起部16同士を接続部材17により電気的
に接続し、負電極用金属薄板21の接続用突起部16同
士を接続部材17により電気的に接続し、接続部材17
と圧電磁器板11の外周部との間の空隙31を樹脂で充
填することにより製造される。接続部材17同士はハン
ダや溶接により接合される。
【0036】尚、本発明の積層型圧電アクチュエータは
四角柱等どのような形状であっても良い。
【0037】図3に示しような積層型圧電アクチュエー
タでは、接続部18の接続部材17と圧電磁器板11の
外周部との間の空隙31には、隙間がないように耐水性
樹脂33が充填されているので、正極側の接続用突起部
16と他の負極側の金属薄板15との絶縁性を確保し
て、沿面放電を抑制でき、これにより、高い電圧を圧電
磁器板11に印加し、大きい変位量を確保することがで
きる。
【0038】また、圧電磁器板11が複数積層された積
層圧電体1の外周面に耐水性樹脂を被覆することによ
り、放電をさらに防止でき、また、耐水性樹脂による被
覆とともに耐水性樹脂33による接続部材17と積層圧
電板1の外周部との間の空隙31の充填を同時に行うこ
とができるので製造も容易である。
【0039】さらに、積層圧電体1を耐電圧材料で被覆
した後、耐水性樹脂で被覆することにより、この耐水性
樹脂により積層圧電体1の沿面放電を抑制でき、また、
放電した場合でも耐電圧材料の被覆層により圧電磁器板
の破損を防止できる。
【0040】尚、センサは、積層型圧電アクチュエータ
の圧電磁器板の積層方向のどこに設けてもよいが、中央
部がセンサに作用する応力を抑制することができるため
最も望ましい。また、センサのセラミック板は圧電磁器
板と同一の組成物とする必要はないが、製造容易という
観点から同一組成で形成することが望ましい。さらに、
センサの取出電極は同一位置に形成しても良い。また、
ダミー層は必ずしも設ける必要はない。
【0041】さらに、内部電極の接続については、正電
極用金属薄板19および負電極用金属薄板21の接続用
突起部16を接続部材17により接続した例について説
明したが、これに限定されるものではない。
【0042】
【実施例】Pb1-x-y Srx Bay (Zn1/3
2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c
3 と表わした時、x=0.04、y=0.02、a=
0.075、b=0.005、c=0.47を満足する
基本成分100重量部に対して、等モル比からなるPb
OおよびNb2 5 を合量で0.5重量部添加含有した
焼結体の両面を研磨して、直径20mm、厚み0.5m
mの円板状の圧電磁器板11を形成した。
【0043】この圧電磁器板11の両主面に、Ag粉末
55重量%、PbO−SiO2 −B2 3 ガラス45重
量%の電気伝導性ペーストを10μmの厚みになるよう
に印刷した後、100℃にて乾燥した。厚さ25μmの
Ag製薄板を、図4に示したような2mm×2mmの突
起部を有する直径20mmの円形に打ち抜き、内部電極
となる金属薄板15とし、この金属薄板15を圧電磁器
板11の間に挟み込み、圧電磁器板11を50層積層し
た下側積層圧電体を作製した。
【0044】この後、下側積層圧電体の上面にセンサ5
を設けた。即ち、下側積層圧電体の圧電磁器11の上面
に、上記と同様の電気伝導性ペーストを10μmの厚み
になるように印刷した後、100℃にて乾燥し、この上
面に、上記と同様の金属薄板15を配置し、さらに、上
記と同様の電気伝導性ペーストを同様の厚みで印刷し、
100℃で乾燥した後、圧電磁器板11と同様の組成か
らなるダミー層45を配置した。このダミー層45の上
部に、上記と同様の電気伝導性ペーストを同様の厚みで
印刷し、100℃で乾燥した後、上記と同様の金属薄板
15を配置して取出電極43とし、この取出電極43の
上面に、上記と同様の電気伝導性ペーストを同様の厚み
で印刷し、100℃で乾燥した後、圧電磁器板11と同
様の組成からなるセラミック板41を配置した。この
後、上記と同様に電気伝導性ペーストの塗布、取出電極
43の配置、電気伝導性ペーストの塗布、ダミー層45
の配置、電気伝導性ペーストの塗布、金属薄板15を配
置しセンサ5を形成した。
【0045】次に、下側積層圧電体と同様の方法によ
り、圧電磁器板11を50層積層した上側積層圧電体を
形成し、これをセンサ5の上に載置した。
【0046】尚、金属薄板15の接続部18は一層おき
に同じ位置にくるように、他方は180度反対側に来る
ように配置した。また、それぞれの取出電極43の突起
部47は、図1に示したように、積層圧電体1の正極側
と負極側の内部電極の間、即ち負極側外部電極3とそれ
ぞれの突起部47とのなす角度θが85度と90度をな
すように配置した。
【0047】そして、この積層体を、位置ずれが生じな
いように軽く圧力を加えた後、積層体の上部に約4kg
の重りを乗せて、600℃、1時間で加圧接合した。
【0048】次に、図3に示したように、圧電磁器板1
1の径方向に突出した接続用突起部16に形成された接
続部材17を軸方向に折曲げ、一層おいた隣の接続部材
17とハンダにより接続し、正電極用金属薄板19の接
続用突起部16同士を接続部材17により電気的に接続
するとともに、負電極用金属薄板21の接続用突起部1
6同士を接続部材17により電気的に接続した。
【0049】接続部材17の長さは1.5mmであり、
他の接続部材17との当接部分の長さは1.0mmであ
り、接続部材17と積層圧電体の外周部との距離cは、
0.5mmとした。
【0050】これを80℃のシリコンオイル中で1.5
kv/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行
なった。
【0051】得られた圧電アクチュエータの接続部材1
7と圧電磁器板11の外周部との間の空隙31を、刷毛
により隙間がないようにエポキシ樹脂で充填し、120
℃において1時間加熱して硬化させた。また、取出電極
43の突起部47にリード線をハンダ付けし、このリー
ド線を静電容量の変化を測定する装置に接続した。
【0052】得られた積層型圧電アクチュエータに50
0Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変位量が得
られた。更にこのアクチュエータに0Vから+500V
の交流電界を10Hzの周波数にて印加した結果、印加
回数3×106 回まで40μmの変位量を維持した。
【0053】また、印加回数3×106 回までの間に、
センサにより静電容量を測定したところ6nFから6.
2nFに容量が変化し、予め測定しておいたセンサのセ
ラミック板の容量の温度変化率から、積層型圧電アクチ
ュエータの内部温度がΔT=30℃上昇したことが判っ
た。
【0054】さらに、本発明の積層型圧電アクチュエー
タ100個を、湿度95%の大気中で、0Vから+50
0Vの交流電界を10Hzの周波数にて1×106 回印
加した場合でも、全く放電が生じず、破損もしなかっ
た。
【0055】尚、変位量の測定は、試料を防振台上に固
定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザ
ー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定
した値の平均値で評価した。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、圧
電磁器板間に、セラミック板を取出電極により挟持し
た、例えば、温度センサや圧力センサを設けたので、高
電圧かつ高速で電圧印加を繰り返し、圧電素子自身が発
熱したとしても、積層型圧電アクチュエータの内部温
度、内部圧力を正確に測定することができ、その状態に
対応する印加電圧等の制御因子にフィードバックでき、
変位量を厳密に制御することができる。
【0057】また、センサを積層型圧電アクチュエータ
の圧電磁器板の積層方向における中央部に設けることに
より、積層型圧電アクチュエータの駆動時においてセン
サに作用する応力を抑制することができ、正確な温度や
圧力等を検知できる。
【0058】さらに、センサのセラミック板を圧電磁器
板と同一の組成物により形成することにより、製造が容
易になる。
【0059】さらにまた、センサの取出電極は、内部電
極の接続部分と異なる位置で、セラミック板から突出し
ているため、内部電極と短絡することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円柱状の積層型圧電アクチュエータを
示す斜視図である。
【図2】図1のセンサ部を拡大して示す側面図である。
【図3】本発明の積層型圧電アクチュエータのアクチュ
エータ部分を示す縦断面図である。
【図4】図3の金属薄板を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・積層圧電体 2,3・・・外部電極 4・・・リード線 5・・・センサ 11・・・圧電磁器板 13・・・導電性接着層 15・・・金属薄板(内部電極) 18・・・接続部 19・・・正電極用金属薄板 21・・・負電極用金属薄板 31・・・空隙 33・・・耐水性樹脂 41・・・セラミック板 43・・・取出電極 45・・・ダミー層 47・・・突起部 t・・・圧電磁器板の厚み c・・・接続部材と積層圧電体の外周部との距離
フロントページの続き (72)発明者 鬼塚 克彦 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 瀬戸口 剛 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層された複数の圧電磁器板と、これらの
    圧電磁器板の間に介装された内部電極とを具備してなる
    積層型圧電アクチュエータであって、前記圧電磁器板間
    に、セラミック板を取出電極により挟持したセンサを設
    けてなることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】センサは圧電磁器板の積層方向における中
    央部に設けられる請求項1記載の積層型圧電アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】センサのセラミック板が圧電磁器板と同一
    の組成物により形成されている請求項1記載の積層型圧
    電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】センサが温度センサおよび/または圧力セ
    ンサである請求項1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】内部電極に圧電磁器板から突出する接続部
    が形成され、かつ、センサの取出電極にセラミック板か
    ら突出する突起部が形成されており、この突起部が前記
    内部電極の接続部と異なる位置に設けられる請求項1記
    載の積層型圧電アクチュエータ。
JP8138431A 1996-05-31 1996-05-31 積層型圧電アクチュエータ Pending JPH09321359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8138431A JPH09321359A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 積層型圧電アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8138431A JPH09321359A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 積層型圧電アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09321359A true JPH09321359A (ja) 1997-12-12

Family

ID=15221820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8138431A Pending JPH09321359A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 積層型圧電アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09321359A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299710A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Kyocera Corp 積層型圧電素子及び噴射装置
JP2004282089A (ja) * 2004-03-31 2004-10-07 Univ Kyoto 機能素子、機能素子を用いた装置、および機能素子の製造方法
JP2004304193A (ja) * 2004-03-31 2004-10-28 Kyoto Univ 機能素子、機能素子を用いた装置、および機能素子の製造方法
WO2005041315A1 (de) * 2003-10-01 2005-05-06 Robert Bosch Gmbh Piezoaktor
JP2014504018A (ja) * 2010-12-23 2014-02-13 エプコス アクチエンゲゼルシャフト アクチュエータ及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299710A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Kyocera Corp 積層型圧電素子及び噴射装置
WO2005041315A1 (de) * 2003-10-01 2005-05-06 Robert Bosch Gmbh Piezoaktor
JP2004282089A (ja) * 2004-03-31 2004-10-07 Univ Kyoto 機能素子、機能素子を用いた装置、および機能素子の製造方法
JP2004304193A (ja) * 2004-03-31 2004-10-28 Kyoto Univ 機能素子、機能素子を用いた装置、および機能素子の製造方法
JP2014504018A (ja) * 2010-12-23 2014-02-13 エプコス アクチエンゲゼルシャフト アクチュエータ及びその製造方法
US9252351B2 (en) 2010-12-23 2016-02-02 Epcos Ag Actuator and method for producing same
DE102010055934B4 (de) 2010-12-23 2018-09-06 Epcos Ag Aktuator und Verfahren zu dessen Herstellung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2965602B2 (ja) 積層型変位素子
US6114798A (en) Stacked element and vibration drive device
WO2007052599A1 (ja) 圧電素子
JPH09321359A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
US7105988B2 (en) Piezoelectric device and method to manufacture a piezoelectric device
JP2009267114A (ja) 積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法
JP3506609B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP3506614B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH1126829A (ja) 圧電アクチュエータ装置
JP3894680B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP2000340849A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH06181343A (ja) 積層型変位素子及びその製造方法
JPH10190079A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP3506596B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH11238918A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP2613408B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP2012529180A (ja) 圧電積層アクチュエータアセンブリ
JP2000277822A (ja) 圧電アクチュエータ装置
JPH09307149A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH09162451A (ja) 圧電積層体
JPH10190082A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH11195818A (ja) 積層型圧電アクチュエータおよびその製造方法
JPH1126828A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH1052070A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH0878747A (ja) 積層型圧電体