JP2004303999A - ウエハダイシング用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハを貼着固定するための粘着剤層が基材フィルム上に設けられたダイシング用粘着テープにおいて、基材フィルムが、5〜30重量%の酢酸ビニル含量を有する1種類以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂60〜95重量%と、結晶化度が20〜40%未満である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜40重量%の混合物からなる単層のフィルムであること。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄い円盤状に形成された半導体ウエハを小片のチップに切断分離する(これを「ダイシング」と称する。)際に、半導体ウエハを固定するために用いられるダイシング用粘着テープに関するものである。
【0002】
【技術的な背景】
半導体ウエハは、薄い円盤状に形成された後に小片のチップにダイシングされ、次の洗浄→乾燥→エキスパンド→ピックアップ→マウントに至る一連の工程に移される。この際、半導体ウエハには予め粘着テープに貼着され、粘着テープが貼着されたままの状態で、ダイシングからマウントに至る一連の工程を経ることになる。
そこで、ダイシングからマウントに至る一連の工程で用いられる粘着剤と基材フィルムとからなる粘着テープとしては、各工程での作業を滞りなく進める上で必要となる下記のごとき各種の性能を満足することが求められる。
【0003】
すなわち、ダイシングならびに洗浄工程では、ウエハをダイシングした際に、ウエハと同時に切断される粘着テープから発生するダイシング屑をできるだけ低減することが求められる。ダイシング屑は水で洗浄することによりチップから除去されるが、ダイシング屑には基材フィルムだけでなく粘着剤が含まれているので、小片状にダイシングされたチップにダイシング屑が付着すると水洗でも容易には除去できないことがある。ところが、チップにダイシング屑が付着したままでは半導体素子の製造における歩留まり率が低下するので、チップへの付着ならびに水洗でのダイシング屑の除去率を上げる必要がある。ダイシング屑の除去効率はダイシング屑の形状に依存する傾向にあり、ダイシング屑が螺旋状に丸まるとウエハに付着しにくく水洗での除去効率も良いが、ダイシング屑が糸状の場合にはウエハに付着しやすく水洗での除去効率が悪くなる。ちなみに、ダイシング屑の形状は基材フィルムの樹脂素材によって異なってくる。
【0004】
また、洗浄後の乾燥工程では、洗浄水を乾燥するための加熱に対して耐熱収縮性が良好であることが粘着テープに求められる。熱で粘着テープ(基材フィルム)が収縮すると、切断されたチップに力が加わってチップの割れにつながるだけでなく、粘着剤を塗布する際に受ける熱で基材フィルムが収縮すると基材フィルムに厚みむらが発生し、その結果、ダイシングする時にこの厚みむらを原因とする応力集中が発生してウエハが割れてしまうことがあるからである。
そして、エキスパンド工程ならびにピックアップ工程においては、均一に延伸できることへの対応が粘着テープに求められる。エキスパンド工程とは、切断されたチップに貼着されている粘着テープを延伸することによりチップ間の間隔を広げてチップのピックアップを容易にするために行なわれる。従って、エキスパンド工程において粘着テープが均一に延伸されないと、チップをピックアップする際のピックアップミスにつながり、半導体素子の製造における歩留まり率が低下する。
更にこの種の粘着テープには、ダイシング後のウエハの切断状態を視認できることが求められ、そのために粘着テープは透明であることが要求される。
また、粘着テープを構成する基材フィルムには、その表面に粘着剤を塗布する際や粘着テープをウエハに貼着する際の作業において、良好な作業性を有することが要求され、そのために適度な剛性が求められる。
以上のように、ダイシングからピックアップに至る一連の工程で使用される粘着テープには、水洗によってダイシング屑を容易に低減でき、熱を受けても容易に収縮せず、且つ均一に延伸でき、加えてダイシング状態を確認し得る高透明性を備え、更に適度な剛性を有することが求められる。
【0005】
【従来の技術】
上記の要求を満足させるダイシング用粘着テープの基材フィルムとして従来から、軟質塩化ビニルからなるフィルムが用いられてきた。しかし、昨今の塩化ビニル樹脂ならびに軟質塩化ビニルフィルムに配合されている添加物を取り巻く環境問題への配慮、並びに軟質塩化ビニルフィルムに配合されている安定剤や可塑剤等から塩化物イオン、金属イオンなどがウエハに移行して、半導体素子の表面を汚染したり、上記安定剤や可塑剤等の添加剤が基材フィルムと粘着剤の密着性を低減させる原因となることから、最近では、ポリオレフィンフィルムを基材とする粘着テープが主流になりつつある。
一方、最近では、基材フィルムに塗布する粘着剤として、放射線、例えば紫外線のような光または電子線のような電離性放射線の照射により硬化する性質を有する物質を使用することが多く、その際に、軟質塩化ビニルに配合される可塑剤や安定剤の中には、照射した放射線を吸収し、粘着剤の硬化効率を低減させてしまうものがあるため、この点からもポリオレフィンフィルムを基材とする粘着テープが主流になりつつある。
【0006】
しかし、ポリオレフィン系の単層フィルムを基材フィルムとする粘着テープでは、前述したところの粘着テープに要求される性能、すなわちダイシング屑の低減と、洗浄水の乾燥や粘着剤を塗布する際の耐熱収縮性、均一な延伸性、高透明性ならびに適度な剛性を同時に満足することができず、ポリオレフィンフィルムを基材として用いる場合には、上記の性能を満足させるために特性の異なるポリオレフィンフィルムを多層化されているのが現状である(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
【0007】
しかし、特性の異なるポリオレフィンフィルムを多層化しても、この種の粘着テープに要求される性能を十分に満足することはできず、特に、透明性と適度な剛性および均一な延伸性を同時に満足させることについては、軟質塩化ビニルフィルムを基材とした粘着テープの性能に及んでいないのが現状である。加えて、ポリオレフィンフィルムに限らず多層フィルムを基材とする場合は、その製造に多層押出機を使用することになり、製造設備が限定され、且つ生産速度の面からコスト的にも不利となる。
【0008】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開平2ー215528号公報
【特許文献2】
特開平7ー221052号公報
【特許文献3】
特開2000ー150425号公報
【特許文献4】
特開2001ー35815号公報
【0009】
【発明が課題しようとする解決】
本発明者等は、上述した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂に特定のポリオレフィン系樹脂を特定量配合した組成物からなる単層のフィルムをダイシング用粘着テープの基材として用いることにより、上記の課題を解決しえることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的とするところは、水洗によってダイシング屑を容易に低減でき、熱を受けても容易に収縮しない耐熱収縮性と均一な延伸性を備え、且つダイシング状態を確認し得る高透明性と適度な剛性を有するウエハダイシング用粘着テープを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成する本発明のウエハダイシング用粘着テープは、ウエハを貼着固定するための粘着剤層を坦持する基材フィルムが、5〜30重量%の酢酸ビニル含量を有する1種類以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂60〜95重量%と、結晶化度が20〜40%未満である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜40重量%の混合物からなる単層のフィルムであることを特徴としたものである(請求項1)。
この際、前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンの結晶成分を含む樹脂であることが好ましい(請求項2)。
【0011】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の好適実施の態様について詳細に説明する。
本発明に係るウエハダイシング用粘着テープは、従来品と同様に基材フィルム表面に、ウエハを貼着固定するための粘着剤層が設けられて形成される。
【0012】
基材フィルムは、1種類以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(以下、EVAと記す)60〜95重量%と、1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜40重量%の混合物から形成される単層の樹脂フィルムからなる。
上記EVAは、酢酸ビニル含量が5〜30重量%のものに限られる。酢酸ビニル含量が5重量%未満のEVAを基材フィルムに用いた場合、ウエハダイシング用粘着テープとして適度な剛性は得られるものの、EVA単体においても引張り延伸の際に伸びが局部に集中するネッキングと称されている現象が現れ、エキスパンド工程において均一な延伸性を達成することができない。ましてや、ここにポリオレフィン系樹脂を混合すると、ネッキングはより顕著なものとなる。一方、酢酸ビニル含量が30重量%を越えるEVAを基材フィルムに用いた場合、EVA単体における引張り延伸性においてはネッキングがなく均一に延伸できるが、EVAが柔らかすぎ且つ融点も低いので、適度な剛性や耐熱収縮性を達成するためには、多量のポリレフィン系樹脂を配合することが必要となる。しかし、多量のポリレフィン系樹脂を配合すると、引張り延伸においてネッキングが現れ均一な延伸性が得られなくなるし、透明性も低下する。
従って、酢酸ビニル含量が5重量%未満のEVAや30重量%を越えるEVAを用いた場合には、仮に結晶化度が20〜40%未満のポリオレフィン系樹脂を配合しても、適度な剛性と均一な延伸性を両立できず、適度な剛性と均一な延伸性を両立するには、酢酸ビニル含量が5〜30重量%のEVAを用いることが必要となる。この際、適度な剛性と均一な延伸性をより良好に両立させる目的で、酢酸ビニル含量が5〜30重量%の範囲にあるEVAの中で異なる酢酸ビニル含量のEVAを数種類混合することもできる。
【0013】
ここで、本発明で用いられるEVAのメルトフローレート(以下、MFRと記す。)については特に限定されない。但し、基材フィルムに要求される厚みが70〜300μmの範囲であり、成形法においてTダイ押出法またはカレンダー成形法が適用されることを考慮すると、EVAのMFRは190℃、2160gの荷重下で測定した値が0.5〜20g/分であることが好ましい。ちなみに、押出成形とカレンダー成形とでは、成形法の違いから好適なMFRの範囲も異なっており、押出成形の場合は190℃、2160gの荷重下で測定した値が5〜20g/分の範囲が好ましく、カレンダー成形の場合には190℃、2160gの荷重下で測定した値が0.5〜7g/分の範囲であることが好ましい。また、成形加工性を改良する目的で、酢酸ビニル含量が5〜30重量%の範囲にあるEVAの中で、異なるMFRのEVAを数種類混合することもできる。
【0014】
また、本発明では、使用するEVAの分子量についても特に限定されない。但し、前記したとおり各成形法に適したMFRがあることから、そのMFRに対応した範囲の分子量が好適である。
【0015】
更に本発明では、分子量分布の指標として適用される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)についても特には限定されない。但し、表面の艶や平滑性が良好で厚み精度が良好な基材フィルムを作製するためには、Mw/Mnが2.0〜3.5の範囲にあるEVAを用いることが好ましい。Mw/Mnが2.0より小さくなると、厚さ70〜300μmの基材フィルムを押出成形またはカレンダー成形で作製する際に、成形上必要となる溶融樹脂の溶融張力が小さくなり、成形加工において耐ドローダウン性が悪くなり、厚み精度の良好な基材フィルムを作製できない場合がある。一方、Mw/Mnが3.5を越えると、押出成形ならびにカレンダー成形で基材フィルムを作製する際に表面平滑性が不十分となり、透明性が悪化するとともに、ウエハをテープに固定してダイシングする際に、フィルム表面の凹凸によって応力が局部に集中し、ウエハの破損につながることがある。従って、厚さ70〜300μmの基材フィルムを押出成形またはカレンダー成形で作製する場合、成形上必要な溶融張力を有し且つ表面平滑性が良好な基材フィルムを作製するには、Mw/Mnが2.0〜3.5の範囲にあるEVAを用いることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、EVAと混合するポリオレフィン系樹脂は、その結晶化度が20〜40%未満のものに限られる。結晶化度が40%以上のポリオレフィンをEVAと混合すると、基材フィルムの透明性が低下するので好ましくない。特に、均一な延伸性を達成するのに好適である酢酸ビニル含量の多いEVAに混合した場合に透明性の低下が顕著となる。一方、結晶化度が20%未満のポリオレフィン系樹脂は、それ自体が柔軟で融点も低く、EVAに混合した時に均一に延伸できる範囲の配合量では、剛性と耐熱収縮性が不足する。逆に、適度な剛性と耐熱収縮性が得られるまで多量にポリオレフィン系樹脂を混合すると、均一な延伸性が得られず、透明性も低下してしまう。従って、高透明で適度な剛性と均一な延伸性を両立させ、さらに耐熱収縮性を得ようとすると、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度は20〜40%未満のものに限られる。その中でも、より良好な耐熱収縮性を達成するためには、ポリプロピレンの結晶成分を含むポリオレフィン系樹脂を用いることが好適である。ここで、結晶化度が20〜40%未満で、ポリプロピレンの結晶成分を含むポリオレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレンとエチレンをランダムに共重合したランダム共重合ポリプロピレンや、ポリプロピレン系樹脂に架橋したエチレン・プロピレン共重合体を機械的に混練した混練型の熱可塑性エラストマー、重合段階でポリプロピレンとエチレン・プロピレンのランダム共重合体を同時に製造することによりポリプロピレンの中にエチレン・プロピレンのランダム共重合体が分散した重合型の熱可塑性エラストマー、ポリプロピレンのブロック鎖とエチレン・プロピレンランダム共重合体のブロック鎖からなるブロック共重合体型の熱可塑性エラストマー、などが挙げられる。この中でも、より良好な耐熱収縮性を達成するためには、ポリプロピレン部分がポリプロピレンの単独重合体からなるものが好ましい。
【0017】
上記EVAと結晶化度が20〜40%未満のポリオレフィン系樹脂の配合量については、EVAが60〜95重量%、ポリオレフィン系樹脂が5〜40重量%の範囲に限られる。EVAが95重量%よりも多くなるとポリオレフィン系樹脂と配合した時に剛性と耐熱収縮性が不足し、EVAが60重量%よりも少なくなるとポリオレフィン系樹脂を配合した時に均一な延伸性が得られなくなる。従って、適度な剛性と均一な延伸性を両立した上で耐熱収縮性を達成しようとすると、EVAとポリオレフィン系樹脂が前記の条件を満足した上で、EVAとポリオレフィン系樹脂との混合比率はそれぞれ、EVAが60〜95重量%の範囲にあり、ポリオレフィン系樹脂が5〜40重量%の範囲に限られることになる。
【0018】
更に、本発明におけるダイシング用粘着テープの基材フィルムは、単層のフィルムであることに限られる。ポリオレフィン系樹脂からなるダイシング粘着テープの基材フィルムは、要求性能を満足するために多層化しているのが現状であるが、多層化フィルムを製造する場合、成形法としては多層のTダイ押出法に限られる。しかし、単層のフィルムで、ダイシング用粘着テープの基材フィルムとしての性能が満足できれば、一般的なTダイ押出成形法やカレンダー成形法が適用でき、その中でも、カレンダー成形で生産することができれば、高速生産のメリットを生かし、コスト面でさらに優位となる。カレンダー成形は、溶融樹脂を加熱した金属ロール(カレンダーロール)で圧延することによって所望の厚さのシートやフィルムを作製する成形方法であり、押出成形におけるダイス近傍で発生するトラブルがなく、成形されるシートやフィルムの厚み精度が良好で品質的に優れたものが比較的容易に作製できる。加えて、成形速度が速く生産性に優れているので、同じ規格の製品を多量に生産するのに適した成形法である。ただし、EVAはその分子構造的な特徴から、カレンダー成形で高速にフィルムを製造しようとすると表面の平滑性を得ることが難しくなるので、この点からも、表面平滑性が良好となるMw/Mnが2.0〜3.5の範囲にあるEVAを用いることが好ましい。
【0019】
また、カレンダー成形法でフィルムを作製する場合、酸化防止剤や金属ロールから溶融樹脂が剥離するための離型剤(滑剤)等の添加剤を樹脂に配合することが必要となるが、基材フィルムがウエハダイシング用粘着テープに使用される場合には、配合できる添加剤の種類や量が限定される。具体的には、リンを含む化合物や金属および金属イオンが遊離する物質は、それらが基材フィルムから移行してウエハ表面を汚染することが懸念されので、基本的には配合しないことが望ましく、添加する場合にはある抽出条件で抽出される量に限定される。好適な滑剤としては、高温の金属ロールから剥離できるという点を考慮すると、例えば、ベヘン酸やモンタン酸などの炭素数が21以上の脂肪酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどのアミド系化合物、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイドなどのエチレンビスアマイド系化合物、モンタン酸とエチレングリコールのジエステル、高分子複合エステルなどのエステル系化合物、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウムなどの金属石鹸などが挙げられる。また、好適な酸化防止剤としては、EVAに対する酸化防止効果が得られるという点を考慮すると、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、アミン系化合物、ラクトン系化合物などが挙げられる。
【0020】
また、基材フィルムを押出成形法により作製する場合、カレンダー成形法に比べて、高温の溶融樹脂が外気に触れることが少なく、しかも溶融樹脂が高温の金属ロールと接触することもないことから、一般には、樹脂ペレットに既に添加されている以上に酸化防止剤を添加することはなく、滑剤を添加することもない。従って、フィルム加工の面ではカレンダー成形法より容易であるが、生産速度がカレンダー成形法に比べて遅くなる。
【0021】
基材フィルムをカレンダー成形法または押出成形法のいずれで作製する場合でもその厚さについては特に限定されないが、現製品のラインナップも踏まえると、70μm〜300μmの厚さが好適である。厚さが70μmより薄いと、剛性がなく当該基材フィルムに粘着剤を塗布する際やウエハに貼着する際の作業性に劣る。かといって、300μmより厚くすると透明性が低下してダイシング状態の視認性が悪くなるだけでなく、材料コストがアップしてしまう。
【0022】
更に、本発明に係るウエハダイシング用粘着テープを構成する基材フィルムには、目的を損ない範囲で、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系などの従来公知の紫外線吸収剤、或いは高分子型の帯電防止剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、タルクなどの充填剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤などを適宜配合することができる。
【0023】
また、本発明の基材フィルムを作製する際には、樹脂ペレットおよび添加剤を単純に混ぜ合わせたものを材料として用いてもよく、予め混練機で溶融混練したものでもよい。更に、添加剤を樹脂に高濃度で配合した通常、マスターバッチと称される材料を前もって調整し、これらを単純に混合するか、または樹脂ペレットとマスターバッチを溶融混練したものを用いてもよい。ここで使用される混練機としては公知の装置が使用できるが、取り扱いが容易で均一な分散が可能であるロール、1軸または2軸押出機、ニーダー、コニーダー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサーなどが好ましく用いられる。
【0024】
一方、基材フィルムの表面に塗布されウエハを貼着固定するための粘着剤層を形成する粘着剤としては、公知または慣用の粘着剤組成を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等からなる粘着剤や、放射線硬化型や加熱発泡型の粘着剤を用いることができる。この中でも、特に、ピックアップ時の作業性やチップの破損防止を考慮すると、紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。これら粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類にもよるが、通常は3〜100μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0025】
前記粘着剤の中で、アクリル系粘着剤としては、通常、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合性コモノマーとの共重合体が用いられる。更にこれらの共重合体を構成するモノマーまたはコモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。主モノマーとしては、通常、ホモポリマーのガラス転移点が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルが使用される。
【0026】
また、紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、前記した(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合性コモノマーとの共重合体(アクリル系ポリマー)と、紫外線硬化成分(前記アクリル系ポリマーの側鎖に炭素−炭素二重結合を付加させる成分)および光重合開始剤と、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの慣用の添加剤を加えたものが使用される。
【0027】
ちなみに、前記紫外線硬化成分としては、分子中に炭素−炭素二重結合を有しラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマー、ポリマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル;エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマーとして、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する紫外線硬化型ポリマーを使用する場合においては、特に上記の紫外線硬化成分を加える必要はない。
【0028】
前記の重合開始剤としては、その重合反応のきっかけとなり得る適当な波長の紫外線を照射することにより開裂し、ラジカルを生成する物質であればよく、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイル、ベンゾフェン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などを挙げることができる。
なお、前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどが含まれる。
【0029】
なお、本発明に係るウエハダイシング用粘着テープには、ラベル加工のため又は粘着剤層面を平滑にするために、必要に応じてセパレータを設けたり、或いは基材フィルムの表面に粘着剤を含む組成物を塗布し、乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層を形成し、必要に応じてこの粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせることも可能である。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムなど用いることができる。更に、セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるために必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの離型処理が施されていてもよい。セパレータの厚みは、通常10μmから200μm、好ましくは25μmから100μm程度である。
【0030】
ここで、本発明における粘着テープは、例えば、基材フィルムの表面に粘着剤を含む組成物を塗布し、乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層を形成し、必要に応じてこの粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせることにより製造できる。
【0031】
なお、本発明に係るウエハダイシング用粘着テープは、ウエハダイシングに限らず、例えば、シリコン半導体ウエハのダイシング用、半導体パッケージのダイシング用、ガラスのダイシング用粘着テープなどとしても使用できる。
【0032】
【実施例】
次に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
<実施例1>
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として、東ソー社製のウルトラセン635(以下、これを[A1]と記す。)を用いた。[A1]は、酢酸ビニル含量が25重量%(カタログに記載されている値)で、190℃、2160gの荷重下で測定したMFRは2.4g/10分(カタログに記載されている値)であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は2.6であった。
ポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンを主成分にエチレンをランダムに共重合したランダムポリプロピレン(ランダムPP)を用いた。ランダムPPはサンアロマー社製のグレードPC630A(以下、これを[B1]と記す。)を用いた。[B1]は、下記の方法で見積もった結晶化度が39%であった。
また、[A1]と[B1]の混合比率を重量分率で80:20とし、一般的なカレンダー成形法により厚さ120μmの透明フィルムを作製した。この時、滑剤として旭電化工業社製の脂肪酸系の滑剤であるグレードEXL−5を用い、これを樹脂100重量部に対して2.0重量部配合した。また、酸化防止剤として旭電化工業社製のアデカスタブ、グレードAO−60を用い、これを樹脂100重量部に対して0.5重量部配合した。
カレンダー成形に際し、[A1]と[B1]、EXL−5、AO−60をヘンシェルミキサーで均一に混合し、バンバリーミキサーで樹脂温度が155℃になるまで混練して、樹脂組成物を調整した。これを、180℃に調整された逆L型形の4本ロールのカレンダー成形機を用いて圧延し、引き取り、冷却工程を経て、厚さ120μm、幅1300mmの透明フィルムを作製した。フィルムの表面は、片面を艶面にし片面を梨地面に仕上げ、粘着剤を塗布するために梨地面に、濡れ指数が、処理直後に50mN/mになるようにコロナ処理を施した。
一方、アクリル系粘着剤(n−ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体)100重量部と、分子量8000のウレタンアクリレートオリゴマー100重量部と、ジイソシアネート系硬化剤100重量部と、ベンゾフェノン系UV硬化反応開始剤5重量部とを混合して粘着剤組物を作製し、この粘着剤組成物を上記コロナ処理を施したフィルム表面に塗布してダイシング用の粘着テープを作製した。
この粘着テープ上に、直径6インチのシリコンウエハを貼着してウエハのダイシングを行なった。この時のダイシング条件は下記の通りであり、各評価項目の良否に関する判定は下記の基準に従った。
【0034】
[ポリオレフィン系樹脂の結晶化度の測定]
ポリオレフィン系樹脂のペレットを溶融圧縮成形することでシートを作製し、そこから切り出した小片を測定試料として示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)を用いて融解熱量を測定し、それから結晶化度を算出した。具体的には、180℃のプレス機でペレットを厚さ1mmに圧縮し、20℃のプレス機で圧縮冷却してシートを作製した。そのシートから約5mm×5mmの正方形状の小片を切り出し、DSCの測定試料とした。DSCにはパーキンエルマー社製のPyris1を用い、200℃で5分間保持した後に10℃/分の速度で30℃まで冷却し、その後10℃/分で200℃まで昇温した時に得られる融解ピークのピーク面積から融解熱量を算出した。結晶化度は、100%結晶で構成された時の理論的な融解熱量(完全結晶の融解熱量、文献値)と実測された融解熱量から、下記(1)式を用いて計算した。
なお、ポリエチレン系樹脂の場合は完全結晶の融解熱量を290J/g、ポリプロピレン系樹脂の場合は完全結晶の融解熱量を165J/gとした。
・結晶化度=100×(実測の融解熱量)/(完全結晶の融解熱量)…(1)
【0035】
[ダイシング条件]
・ダイサー:DISCO社製 DFDー651
・ブレード:DISCO社製 27HECG
・ブレード回転数:40000rpm
・ダイシング速度:100mm/秒
・ダイシング深さ:テープ表面から30μm
・ブレード厚さ:50μm
・ダイシングサイズ:5mm×5mm
・カットモード:ダウンカット
【0036】
ダイシング用粘着テープ(基材フィルム)の性能評価項目と評価基準
[適度な剛性]
適度な剛性に関する判定は、引張弾性率を指標として実施した。ここでは、ダイシング用テープの基材フィルムとして使用されている軟質塩化ビニルフィルムの引張弾性率と比較することで良否を判定した。測定した引張弾性率が、柔軟なダイシングテープ用塩化ビニルフィルム(塩化ビニル樹脂100重量部に可塑剤として2−エチルヘキシルフタレートを37.5重量部配合したもの)と硬質なダイシングテープ用塩化ビニルフィルム(塩化ビニル樹脂100重量部に可塑剤として2−エチルヘキシルフタレートを25重量部配合したもの)の引張弾性率の間に入る場合には適度な剛性を有するとして「○」とし、その範囲に入らないものは適度な剛性を有さないものとして「×」とした。
なお、引張弾性率は1号のダンベル試験片を用い、チャック間距離80mm、標線間距離40mmとし、引張速度300mm/分で行い、初期弾性率を引張弾性率とした。
【0037】
[均一な延伸性]
均一な延伸性に関する判定は、引張り延伸における降伏の有無を指標として実施した。ここでは、引張試験において降伏が現れない場合を均一延伸性があるものとして「○」とし、引張試験において降伏が現れた場合を均一延伸性がないものとして「×」とした。なお、引張試験は、前記の引張弾性率と同じ試験片を用い、同じ条件で実施した。
【0038】
[耐熱収縮性]
耐熱収縮性に関する判定は、フィルムの加熱収縮率を指標として実施した。ここでも、ダイシングテープ用の基材フィルムとして従来から使用されている軟質塩化ビニルフィルムの加熱収縮率と比較することで良否を判定した。加熱収縮率が、柔軟なダイシングテープ用塩化ビニルフィルム(塩化ビニル樹脂100重量部に可塑剤として2−エチルヘキシルフタレートを37.5重量部配合したもの)と同等以下の場合には耐熱収縮性が良好であるとして「○」とし、加熱収縮率が大きい場合は耐熱収縮率が良好でないとして「×」とした。
なお、フィルムの加熱収縮率の測定に関しては、JIS K 6734に準拠し、120mm×120mmの正方形状のフィルムに100mmの標線を引き、加熱収縮後の標線の長さを読み取ることで行なった。加熱条件は、温度を100℃、保持時間を20分とし、加熱収縮率は下記(2)式より算出した。
加熱収縮率=100(熱収縮した長さ)/(熱収縮前の標線間距離)…(2)
【0039】
[透明性]
透明性に関する判定は、へーズを指標として実施し、これも軟質塩化ビニルフィルムとの比較で判定した。同じ厚みに換算したヘーズで、ヘーズがダイシングテープ用塩化ビニルフィルム(塩化ビニル樹脂100重量部に可塑剤として2−エチルヘキシルフタレートを25重量部配合したもの)のヘーズより小さい場合には透明性が良好であるとして「○」とし、ヘーズが大きい場合は透明性に劣るとして「×」とした。
なお、ヘーズはJIS K 7105に準拠して、スガ試験機社製の直読へーズコンピュター(型式HGM−2D)を用いて行なった。フィルムの中央部分から50mm×50mmの平板を5枚切り出し、フィルム表面に流動パラフィンを塗って、厚さ2mmのガラス板に挟み、ヘーズを測定した。数値は5点の平均値とした。
【0040】
[ダイシング屑]
ダイシング屑:ピックアップしたチップを200倍の光学顕微鏡で観察し、異物の個数をカウントした。異物が全く観察されない場合のみを「○」とし、異物が1つでも観察される場合は「×」とした。
【0041】
<実施例2>
実施例2は、実施例1における[B1]に代えて、ポリオレフィン系樹脂としてサンアロマー社製のランダムPP、グレードPC540R(以下、これを[B2]と記す。)を用いた以外は実施例1と同じである。この[B2]は、前記の方法で見積もった結晶化度が22%であった。
【0042】
<実施例3>
実施例3は、実施例1における[B1]に代えて、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンの単独重合部分とエチレンとプロピレンのランダム共重合部分をブロック鎖として有するブロック共重合体である重合型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いると共に、カレンダー成形に適用するための滑剤を変更したものであり、それ以外は実施例1と同じである。
上記TPOには、出光石油化学社製の出光TPO、グレードR110E(以下、これを[B3]と記す)を用いた。この[B3]は、前記の方法で見積もった結晶化度が21%であった。また、滑剤には、エチレンビスオレイン酸アマイド(日本油脂社製のアルフローAD−281)を用い、これを樹脂100重量部に対して1.0重量部配合した。
【0043】
<実施例4>
実施例4は、実施例1における[B1]に代えて、ポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いると共に、カレンダー成形に適用するための滑剤を変更したものであり、それ以外は実施例1と同じである。
上記LLDPEには、東ソー社製のニポロン−Z、グレードTZ420(以下、これを[B4]と記す。)を用いた。この[B4]は、前記の方法で見積もった結晶化度が38%であった。また、滑剤には、ベヘン酸亜鉛(栄伸化成社製のZS−7)を用い、これを樹脂100重量部に対して1.0重量部配合した。
【0044】
<実施例5>
実施例5は、実施例1と同じ材料を使用しているが、[A1]と[B1]の混合比率を、重量分率で80:20から60:40としたもので、それ以外は実施例1と同じである。
【0045】
<実施例6>
実施例6は、実施例1における[A1]に代えて、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として、東ソー社製のウルトラセン、グレード0A54A(以下、これを[A2]と記す。)を用いたもので、それ以外は実施例1と同じである。
この[A2]は、酢酸ビニル含量が15重量%(カタログに記載されている値)で、190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートは2.0g/10分(カタログに記載されている値)であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は3.1であった。
【0046】
<実施例7>
実施例7は、実施例1における[A1]に代えて、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として、東ソー社製のウルトラセン515(以下、これを[A3]と記す)を用いると共に、実施例1における[B1]に代えて、実施例2で用いた[B2]を用いたものである。
上記[A3]は、酢酸ビニル含量が6重量%(カタログに記載されている値)で、190℃、2160gの荷重下で測定したメルトフローレートは2.5g/10分(カタログに記載されている値)であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は4.5であった。
また、実施例7では、[A3]と[B2]の混合比率を重量分率で90:10とし、それ以外は実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
【0047】
<実施例8>
実施例8は、実施例1と同じ[A1]と[B1]を、実施例1と同じ混合比率で混合した材料を用いて、Tダイ押出成形によってフィルムを作製したものである。ここでは、実施例1と異なり滑剤と酸化防止剤は配合せず、押出機のシリンダー温度を210℃に設定し、冷却ロールでの冷却、引き取り工程を経て、厚さ120μm、幅1000mmの透明フィルムを作製した。フィルムの表面は、片面を艶面に片面を梨地面に仕上げ、粘着剤を塗布するために梨地面にコロナ処理を施した。コロナ処理は、フィルム表面の濡れ指数が、処理直後に50mN/mになるように条件を設定した。
以上、実施例1〜8についての評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
<比較例1>
比較例1は、実施例1〜5で用いた[A1]単体に、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
比較例1の評価結果を示した表2から、[A1]単体では必要とされる剛性および耐熱収縮性が不足し、しかもダイシング屑も観察されることが分かる。
【0050】
<比較例2>
比較例2は、実施例6で用いた[A2]単体に、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製したものである。
比較例2の評価結果を示した表2から、[A2]単体でも必要とされる剛性および耐熱収縮性が不足し、しかもダイシング屑も観察されていることが分かる。
【0051】
<比較例3>
比較例3は、実施例7で用いた[A3]単体に、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製したものである。
比較例3の評価結果を示した表2から、[A3]単体でも必要とされる剛性および耐熱収縮性が不足し、しかもダイシング屑が観察されていることが分かる。
【0052】
<比較例4>
比較例4は、実施例1と同じ材料を使用しているが、[A1]と[B1]の混合比率を、重量分率で80:20から50:50としたもので、それ以外は実施例1と同じである。なお、ここでは、粘着剤を塗布したダイシング用粘着テープとしての評価は実施しなかった。
比較例4の評価結果を示した表2から、[B1]が多くなりすぎると、均一に延伸できず、透明性も低下することが分かる。
【0053】
<比較例5>
比較例5は、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として[A3]を用い、ポリオレフィン系樹脂として[B1]を用いて、[A3]と[B1]の混合比率を重量分率で97:3とし、更に実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
比較例5の評価結果を示した表2から、[B1]が少なすぎると剛性および耐熱収縮性が不足し、ダイシング屑が観察されることが分かる。
【0054】
<比較例6>
比較例6は、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として[A1]を用い、ポリオレフィン系樹脂としてプロピレンを主成分に少量のエチレンをランダムに共重合したランダムポリプロピレン(ランダムPP)を用いたものである。
上記ランダムPPとしてサンアロマー社製のグレードPM811M(以下、これを[B5]と記す。)を用いた。この[B5]は、前記の方法で見積もった結晶化度が54%であった。また、[A1]と[B5]の混合比率を重量分率で80:20とし、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
比較例6の評価結果を示した表2から、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度が大きくなると透明性が劣ってくることが分かる。
【0055】
<比較例7>
比較例7は、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として[A1]を用い、ポリオレフィン系樹脂として直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた。
LLDPEとして、東ソー社製のグレードTZ260(以下、これを[B6]と記す。)を用いた。この[B6]は、前記の方法で見積もった結晶化度が57%であった。また、[A1]と[B6]の混合比率を重量分率で80:20とし、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
比較例7の評価結果を示した表2から、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度が大きいと透明性が劣ってくることが分かる。
【0056】
<比較例8>
比較例8では、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として[A3]を用い、ポリオレフィン系樹脂として超低密度のエチレン・オクテン−1共重合体(EOR)を用いた。
EORとしては、デュポンダウエラストマー社製のグレードEG8200(以下、これを[B7]と記す)を用いた。この[B7]は、前記の方法で見積もった結晶化度が14%であった。また、[A1]と[B7]の混合比率を重量分率で60:40とし、実施例1と同じ添加剤を同量配合し、実施例1と同じカレンダー成形法により、実施例1と同じ厚みと幅のフィルムを作製した。
比較例8の評価結果を示した表2から、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度が小さいと剛性および耐熱収縮性が不足し、しかも透明性も劣り、ダイシング屑も観察されることが分かる。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
本発明に係るウエハダイシング用粘着テープよれば、粘着テープの基材となる基材フィルムが、均一な延伸性を有する特定のEVAを基本に、ある特定の硬度を有するポリオレフィン系樹脂を特定量混合するポリマーブレンドで構成されているので、ダイシング時の熱によって基材フィルムが溶融しても、糸状の屑に成長する前に、硬質のポリオレフィン樹脂の存在によって糸状の屑になることを抑制することができ、従って、水洗によってダイシング屑を容易に低減でき、その結果、半導体素子としての信頼性が向上すると共に、半導体素子製造における歩留まりを向上させることが可能となる。
【0059】
しかも、引張り延伸において均一に延伸できる特定のEVAに、ある程度硬質なポリオレフィン系樹脂を混合した構成であることから、基材フィルムへの粘着剤の塗布やウエハへの基材フィルムの貼着における作業性にとって必要となる適度な剛性を有した上で、均一な延伸性を備えたものが得られる。
【0060】
また、ダイシング屑の水洗後の乾燥や粘着剤を塗布する際に必要となる耐熱収縮性を備えているので、ダイシングされたチップの破損を防止することができ、且つダイシング状態を視認(確認)するのに必要な高透明性をも備えたものとなる。
【0061】
更に、基材フィルムは単層のフィルムからなるので、既設の設備を利用して一般的なTダイ押出成形法やカレンダー成形法により製造することができ、よって製造設備の多様性やコスト面で優位なものとなる。
Claims (2)
- ウエハを貼着固定するための粘着剤層が基材フィルム上に設けられたダイシング用粘着テープにおいて、前記基材フィルムが、5〜30重量%の酢酸ビニル含量を有する1種類以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂60〜95重量%と、結晶化度が20〜40%未満である1種類以上のポリオレフィン系樹脂5〜40重量%の混合物からなる単層のフィルムであることを特徴とするダイシング用粘着テープ。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンの結晶成分を含む樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のダイシング用粘着テープ。
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