JP2004302232A - 合唱曲や重唱曲を処理するカラオケ演奏方法およびカラオケシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の声部にて受け持つ歌詞が同一でないか、または、同一歌詞でも発声タイミングが同一でない部分を含んだ合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際に、複数の歌詞字幕表示器を用い、各歌詞字幕表示器に1つの声部を対応付けし、伴奏音楽の演奏と同期して各歌詞字幕表示器にそれぞれの声部が受け持つ歌詞字幕を表示するとともに発声タイミングに合わせて歌詞字幕を色変えする。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ伴奏音楽とともに歌詞字幕を同期して色変え表示するカラオケ演奏方法およびシステムに関し、とくに、ポリフォニックな合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際の演奏制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ楽曲には複数の声部にて受け持つ歌詞が同一でないか、または、同一歌詞でも発声タイミングが同一でない部分を含んだ合唱曲や重唱曲がある。多くのデュエット曲も合唱曲といえる。いわゆる歌謡曲に属するデュエット曲の多くは、2つの声部があるけれど、曲構成はモノフォニックであるので2つの声部に対応する歌詞字幕をそれぞれ区別できるように同時に画面表示し、一方の歌唱パートが演奏されているときにはそのパートを担当する歌唱者用の歌詞字幕を色変え表示する。
【0003】
より多数の声部を持つグループ楽曲であっても、普通は主旋律に相当する1つの声部を歌唱者が歌い、歌詞字幕もその声部に対応する歌詞文字を色変えて表示するようにしている。他の声部は、伴奏音だけ音響出力する。主旋律の和音を歌唱者の声で音響出力するハーモニー機能を備えたカラオケ装置では、他の声部がハーモニーであれば、他の声部を歌唱者の歌声から擬似的に創出する。もちろん、他の声部をADPCMなど所定の形式でコーラス音声として記録しておき、演奏中に他の声部のコーラス音声を再生出力することも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、ゴスペル調のポリフォニックな合唱曲や重唱曲が流行しており、多くの楽曲が生み出され、カラオケにも導入されている。ポリフォニックなグループ楽曲を仲間同士で歌う場合、各人がそれぞれグループのいずれかのメンバーの声部を歌えば、そのグループになりきってカラオケを楽しむことができる。しかし、声部ごとに歌詞が異なっていたり、同じ歌詞でも発声タイミングが異なっていたりする場合、複数の利用者がそれぞれ個別の声部を歌唱することになり、各利用者は自身の受け持つ声部の歌詞字幕やその発声タイミングを把握することが難しい。そのため、他の声部を歌ってしまったり、自分の声部を歌い損ねてしまったりする可能性がある。したがって、利用者各自が自身の声部を正確に理解していいない限り全声部を統一・協調させて上手に歌唱することは極めて困難となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑みて創作された本発明は、複数の声部にて受け持つ歌詞が同一でないか、または、同一歌詞でも発声タイミングが同一でない部分を含んだ合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際に、複数の歌詞字幕表示器を用い、各歌詞字幕表示器に1つの声部を対応付けし、伴奏音楽の演奏と同期して各歌詞字幕表示器にそれぞれの声部が受け持つ歌詞字幕を表示するとともに発声タイミングに合わせて歌詞字幕を色変えするカラオケ演奏方法としている。
【0006】
また本発明はカラオケシステムにも及んでおり、その基本となるシステムは、指定のカラオケ楽曲を演奏する手段と、複数の歌詞字幕表示器と、合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際に、各歌詞字幕表示器に1つの声部を対応付けする手段と、伴奏音楽の演奏と同期して各歌詞字幕表示器にそれぞれの声部が受け持つ歌詞字幕を表示するとともに発声タイミングに合わせて歌詞字幕を色変えする手段とを備えている。
【0007】
前記色変えする手段は、各歌詞字幕表示器のそれぞれが受持つ声部の歌詞字幕と当該声部以外の歌詞字幕とを識別可能に表示するカラオケシステムとしてもよい。
【0008】
全声部についての歌詞字幕を色変えて表示する表示器を備えたカラオケシステムとすることもできる。
【0009】
各歌詞字幕表示器に割り当てられていない声部がある場合には、当該声部の歌唱音声を再生出力する手段を備えたカラオケシステムも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
===カラオケシステムの基本的な構成と動作===
図1は、この発明の一実施例に係るカラオケシステムの機能ブロック図である。このカラオケシステムは、主に、ブルートゥース(登録商標)など所定規格の無線信号で相互にデータ通信するカラオケ装置1とカラオケ選曲装置20とを含んで構成されている。カラオケ装置1は周知の通信カラオケシステムの演奏端末とほぼ同様の構成であり、中央制御部2は、各周辺構成部を制御してカラオケ装置1を統括し、ハードディスク装置3には多数のカラオケ楽曲について、MIDIデータを主体とした伴奏音楽データと、歌詞画像の生成起源となる歌詞描出データとを含むカラオケデータが蓄積されている。伴奏音楽データは、シンセサイザ8に内蔵されている多数の音源のそれぞれを一つの楽器として、それぞれの楽器が発音すべき演奏音について、発音/消音タイミング、音高、音量などを指定している。また、バックコーラスやグループ楽曲における各メンバーのボーカルパートなどの肉声をサンプリングして得たADPCM形式の音声データ(コーラスデータ)を特定するための情報(コーラスデータファイル名など)やその発音タイミングもMIDIデータにおける制御データとして伴奏音楽データ中に記載されている。したがって、ハードディスク装置3にはコーラスデータファイルも格納されている。
【0011】
歌詞描出データは歌詞文字、歌詞文字列の表示/消去タイミング、表示した文字列において歌唱タイミングにある文字を色変えていくための指示情報などを含んでいる。さらにハードディスク装置3には、所定形式の長時間分の動画データと、動画データの処理シーケンス(処理すべき動画データの格納場所と処理順番など)を規定した台本データや、演奏可能なカラオケ楽曲について、曲名やアーティスト名、発表年、歌詞の歌い出し部分などの目次情報も格納されている。そして、中央制御部11は、各楽曲のカラオケデータ、台本データ、および目次情報を楽曲番号によって識別し、これをカラオケデータベースとして管理している。なお、中央制御部2は、通信制御部16を介して所定の情報通信網に接続されているホスト装置と適時に通信し、新譜楽曲についてのカラオケデータ、台本データ、目次情報などを取り寄せ、カラオケデータベースの内容を随時更新している。
【0012】
図2(A)(B)にカラオケ選曲装置20の外観図と機能ブロック図とを示した。このカラオケ選曲装置20は、液晶ディスプレイ(LCD)22aとタッチセンサ22bとを積層したタッチパネル22を主体としたユーザインタフェースを備え、内蔵するフラッシュメモリ24にはカラオケ装置1に蓄積されているものと同様の目次情報や、タッチパネル22に表示される各種画像情報などが蓄積されている。カラオケ選曲装置20を統括する装置制御部21は、CPU、RAM、ROM、ビデオRAMなどを含み、タッチパネル22への入力情報や通信インタフェース27を介したカラオケ装置1との無線通信を通じて得た情報に基づいて各種画像情報や文字情報をビデオRAMにビットマップ展開し、そのビットマップデータに基づいてLCDドライバ25を駆動してタッチパネル22に適宜な情報を表示する。また、フラッシュメモリ24に蓄積されている目次情報を楽曲索引データベースとして管理し、カラオケ装置1と適時に通信して楽曲索引データベースを更新する。
【0013】
装置制御部21は、タッチパネル22を介した利用者との対話を通じて目次情報の断片をクエリーとして受け付け、該当するカラオケ楽曲の目次情報を楽曲索引データベースより取り出して提示する。最終的に特定の楽曲が利用者により指定されたならば、通信インタフェース27を介してその楽曲の識別子(楽曲番号)を含んだ演奏予約コマンドを無線信号によりカラオケ装置1に向けて送信する。図3(A)〜(E)に演奏予約コマンドを送信するまでのカラオケ選曲装置における画面遷移を示した。この例では曲名の一部に基づいて目次情報を検索し、最終的に絞り込まれた1曲を指定している。
【0014】
中央制御部2は、カラオケ装置1に配設されている操作パネル6や付属のリモコン送信器5からの楽曲番号を含んだ演奏予約コマンドを操作制御部7を介して受け取ると、あるいは、カラオケ選曲装置20からの演奏予約コマンドを無線通信インタフェース15を介して受け取ると、その番号を内部のRAMに格納して演奏処理の待ち行列で管理する。そして、待ち行列から楽曲番号を順次取り出し、該当のカラオケデータをハードディスク装置3より読み出し、このカラオケデータ中の伴奏音楽データをシンセサイザ8に転送して伴奏音楽を生成させる。また、コーラス音声については、指定のコーラスデータファイルを指定のタイミングでシンセサイザ8に転送する。シンセサイザ8は、ADPCMデータをアナログの音声信号に復号するためのD/Aコンバータを内蔵し、転送されてきたコーラスデータファイルを復号して得た音声信号をMIDIデータを起源とする伴奏音楽の音声信号とともに出力する。
【0015】
一方、歌詞描出データについては、伴奏音楽に同期して歌唱すべき箇所が色変わりする歌詞画像をビデオRAM12に順次ビットマップ展開していく。また、台本データに基づいて所定の動画データを所定の順番で映像制御部13に順次転送して歌詞画像の背景動画を復号させる。
【0016】
ミキシングアンプ9は伴奏音楽やそれに付随するバックコーラスと、マイクロホン11に入力された歌声音声とを混合・増幅してスピーカ10より音響出力する。映像制御部13は、復号した動画映像に歌詞画像をスーパーインポーズ処理してディスプレイ14に表示出力する。
【0017】
===演奏制御===
本実施例の演奏方法によれば、合唱曲や重唱曲など複数の声部をもつ楽曲を演奏する際、各声部の歌唱を受け持つ利用者が自身の声部の歌詞とその発音タイミングを確認することができる。例えば、5つの声部を持つグループ楽曲を5人の利用者で歌唱しようとする。5人の利用者はそれぞれ個別にカラオケ選曲装置20を持ち、各選曲装置20にて同じグループ楽曲を指定するとともに、自身が受け持つ声部を指定する。図4(A)〜(C)にこのグループ楽曲と声部を指定する際のユーザインタフェース環境の概略を示した。
【0018】
カラオケ選曲装置20の楽曲索引データベースでは、複数の声部があるグループ楽曲については、各声部を声部IDで識別し、各声部IDに元歌グループのメンバーの名前を対応付けしている。そしてカラオケ選曲装置20は、一般のカラオケ楽曲と同様にして利用者が最終的に特定して楽曲がグループ楽曲である場合、声部を指定するための画面へ案内するための「メンバー指定」ボタン30を表示する、カラオケ選曲装置は、このボタン30が指示されると、元歌グループのメンバー名31を一覧表示する(B)。各利用者は、それぞれが操作するカラオケ選曲装置20に表示されている一覧からそれぞれ異なるメンバーを選択し「決定」ボタン32を指示してこのグループ楽曲を演奏予約させる旨の操作を行う。カラオケ選曲装置20は、この操作に応動して確認画面を表示するとともに(C)、自身の識別情報(装置ID)とグループ楽曲の楽曲番号とメンバーに対応する声部IDとを含んだ演奏予約コマンドをカラオケ装置1に送信する。
【0019】
カラオケ装置1のカラオケデータベースでは、複数の声部がそれぞれ異なる歌詞や同じ歌詞でも異なる発声タイミングで歌唱されるグループ楽曲について、楽曲番号に対して複数の声部IDが対応付けされ、各声部IDには個別の歌詞描出データ(声部別歌詞データ)が対応付けされて管理されている。そして中央制御部2は、各カラオケ選曲装置20からグループ楽曲の楽曲番号と声部IDと装置IDとを含んだ演奏予約コマンドを無線通信インタフェース15を介して受け取ると、この楽曲の声部IDが全てが揃うのを待ってこのグループ楽曲の楽曲番号を待ち行列に登録するとともに、声部IDと装置IDとを対応付けして記憶する。
【0020】
中央制御部2は、待ち行列から取り出した楽曲番号に関連して声部IDと装置IDとの対応関係が記憶されている場合、該当のカラオケデータを処理して伴奏音楽を演奏するのに同期して、各声部IDと装置IDとに基づいて、該当のカラオケ選曲装置20に対応の声部別歌詞データを送付する。各カラオケ選曲装置20では、カラオケ装置1より送付されてきた声部別歌詞データに基づいて歌詞文字列の表示/消去や色変え表示を行う。図5に各カラオケ選曲装置20における歌詞の表示状況を示した。本実施例では、声部別歌詞データは、色変え指示情報を含まない全声部についての歌詞文字列と、色変え指示情報を含む該当の声部に割り当てられた歌詞文字列とを含み、各カラオケ選曲装置20は、全声部についての歌詞文字33を表示するとともに、自身の担当声部の歌詞文字34については太字にして他の声部35の歌詞と区別して表示する。そして色変え指示情報に基づいて、その声部の発声タイミングに同期してこの太字の文字34を色変え表示していく。
【0021】
===声部の重複や不足について===
上記実施例では、グループ楽曲の声部の数と歌唱者とが同じ数で、しかも各歌唱者が声部を分担していた。しかし、複数の利用者がそれぞれグループ楽曲と声部を恣意的に指定した場合、同じグループ楽曲について、同じ声部が重複してしまう場合がある。このような場合に対応して、例えば、あるグループ曲について、ある声部が指定されたならば、カラオケ装置ではそれ以降、そのグループ楽曲と声部とを指定した演奏コマンドを受信しても、その演奏予約を受け付けないようにすればよい。そして、このコマンドを送付してきたカラオケ選曲装置に対してはその旨を通知し、カラオケ選曲装置はその通知を適宜に表示すればよい。
【0022】
一方、利用者の数がグループ楽曲の声部より少ない場合や、特定の声部を担当する利用者が現れない場合も想定される。このような場合、カラオケ装置にはグループ楽曲の全声部のコーラスデータを用意しておき、グループ楽曲を演奏する際には、足りない声部のコーラスを再生出力させればよい。
【0023】
===歌詞字幕の表示制御について===
グループ楽曲を歌唱する人以外に同伴者がいる場合もある。この同伴者にとっては、声部ごとの歌詞字幕より全声部についての歌詞字幕を見た方が楽曲の進行状況がつかみやすく、カラオケ演奏を楽しむことができる。そこで、カラオケ選曲装置とは別のディスプレイに全声部についての歌詞字幕を表示するとともに、演奏に同期して歌詞字幕を色変え表示するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明のカラオケ演奏方法によれば、複数の声部にて受け持つ歌詞が同一でないか、または、同一歌詞でも発声タイミングが同一でない部分を含んだ合唱曲や重唱曲を、複数の利用者により声部ごとに分担して歌唱する際、声部ごとの歌詞や発声タイミングを担当の利用者が確実に把握でき、全声部を統一・協調させて上手に歌唱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるカラオケシステムの機能ブロック図である。
【図2】上記システムを構成するカラオケ選曲装置の外観図(A)と、機能ブロック図(B)である。
【図3】上記カラオケ選曲装置において、カラオケ楽曲を指定する際のユーザインタフェースの概略図である。
【図4】上記カラオケ選曲装置において、グループ楽曲を声部ごとに指定する際のユーザインタフェースの概略図である。
【図5】上記カラオケ選曲装置におけるグループ楽曲の歌詞表示状態の概略図である。
【符号の説明】
1 カラオケ装置
2 中央制御部
3 ハードディスク装置
8 シンセサイザ
15 無線通信インタフェース
20 カラオケ選曲装置
21 装置制御部
22 タッチパネル
23 フラッシュメモリ
27 通信インタフェース
Claims (5)
- 複数の声部にて受け持つ歌詞が同一でないか、または、同一歌詞でも発声タイミングが同一でない部分を含んだ合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際に、複数の歌詞字幕表示器を用い、各歌詞字幕表示器に1つの声部を対応付けし、伴奏音楽の演奏と同期して各歌詞字幕表示器にそれぞれの声部が受け持つ歌詞字幕を表示するとともに発声タイミングに合わせて歌詞字幕を色変えすることを特徴とするカラオケ演奏方法
- 指定のカラオケ楽曲を演奏する手段と、複数の歌詞字幕表示器と、合唱曲や重唱曲をカラオケ演奏する際に、各歌詞字幕表示器に1つの声部を対応付けする手段と、伴奏音楽の演奏と同期して各歌詞字幕表示器にそれぞれの声部が受け持つ歌詞字幕を表示するとともに発声タイミングに合わせて歌詞字幕を色変えする手段とを備えたことを特徴とするカラオケシステム。
- 前記色変えする手段は、各歌詞字幕表示器のそれぞれが受け持つ声部の歌詞字幕と当該声部以外の歌詞字幕とを識別可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のカラオケシステム。
- 全声部についての歌詞字幕を色変えて表示する表示器を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載のカラオケシステム。
- 各歌詞字幕表示器に割り当てられていない声部がある場合には、当該声部の歌唱音声を再生出力する手段を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカラオケシステム。
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