JPH10288993A - 声帯模写機能付きカラオケ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歌唱者が歌唱する声色を適宜な歌手の声色に
変換してスピーカに出力する声帯模写機能付きカラオケ
装置を提供することを目的としている。 【解決手段】 多数の歌手の声色データが格納された声
色データ蓄積部と、この蓄積部に前記声色データが登録
されている歌手群から適宜な歌手を選択して指定するた
めのユーザインタフェース手段と、この手段で選択され
た歌手の前記声色データを前記声色データ蓄積部から読
み出すための手段と、前記マイクロホンより入力された
歌唱者の歌唱信号と前記声色データに基づいて、前記歌
唱者の音程などの時間的変化を基礎にしつつ、その声色
を選択した前記歌手の声色に変換した歌唱信号を合成し
て前記スピーカに出力するための声色変換手段とを有す
るカラオケ装置としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はカラオケ装置に関
するものであり、より具体的にはマイクロホンより入力
された歌唱者の声色を変化させることで娯楽性を向上さ
せたカラオケ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カラオケ装置は、カラオケ楽曲の伴奏音
楽と歌詞画像などからなるカラオケデータを適宜なデー
タベースより読み出して再生することで伴奏音楽と歌詞
画像を同期させてスピーカとディスプレイに出力する。
マイクロホンから入力された歌唱者の歌唱信号は伴奏音
楽とともにスピーカに出力される。このような、基本機
能のほかに、歌唱信号を適宜に処理することで歌唱者の
音程を変化させて娯楽性を向上させたり劣った歌唱能力
をカバーするなどの音程変換機能を有するものがある。
この機能は、マイクロホンから入力された歌唱者の歌唱
信号をリアルタイムでデジタル処理し、声帯波から基本
周波数を抽出し、その基本周波数を適宜に圧縮、伸長す
ることによって歌唱者の音程を自在に変化させるもので
ある。歌唱者の歌声に和声を付加するハーモニー機能
や、男性の低い声を女性の高い声にあるいはその逆にし
たりするボイスチェンジ機能、あるいはカラオケデータ
から主旋律の正しい音程を抽出し、マイクロホンからの
歌唱信号の音程を正しい音程に修正する音程補正機能な
どもこれに含まれる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】カラオケ利用者にとっ
てリクエスト楽曲をその元歌を歌っている歌手に似せて
歌いたいという要望が少なからずある。さらに、近年Ｔ
Ｖの物まね番組などで、物まね芸人の甲が乙の持ち歌で
あるＡ曲を丙の声色で歌うといった趣向を凝らした物ま
ね芸が視聴者の好評を得ている。しかも丙はプロ歌手と
は限らず、話題性のある有名人などに似せることでさら
にエンターテイメント性を高めている。このような芸を
カラオケの歌唱者が披露できれば、その場を大きく盛り
上げることは言うまでもない。

【０００４】しかし、前述した音程変換機能では単純に
歌唱者の音程をずらすだけで他人の声に変化させること
はできない。一般の歌唱者がカラオケ楽曲の元歌の歌手
に似せて歌うことでさえ困難であるのに、全く違った人
の声色に似せて歌うなど到底不可能である。

【０００５】そこで、本発明は、歌唱者が歌手を自由に
指定して、歌唱者の声をその指定した歌手の声色に変換
してスピーカに出力し、カラオケの娯楽性を向上させて
場を大いに盛り上げるための声帯模写機能付きカラオケ
装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、従来のカラ
オケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像などからなるカラオケデ
ータを適宜に再生することによって前記伴奏音楽と前記
歌詞画像を同期させてスピーカとディスプレイに出力す
るとともに、歌唱者の歌唱信号をマイクロホンから入力
して前記伴奏音楽とともに前記スピーカに出力するカラ
オケ装置の基本機能を達成するための構成に加え、多数
の歌手の声色データが格納された声色データ蓄積部と、
この蓄積部に前記声色データが登録されている歌手群か
ら適宜な歌手を選択して指定するためのユーザインタフ
ェース手段と、この手段で選択された歌手の前記声色デ
ータを前記声色データ蓄積部から読み出すための手段
と、前記マイクロホンより入力された歌唱者の歌唱信号
と前記声色データに基づいて、前記歌唱者の音程などの
時間的変化を基礎にしつつ、その声色を選択した前記歌
手の声色に変換した歌唱信号を合成して前記スピーカに
出力するための声色変換手段とを有している。

【０００７】さらに、適宜な人の音声信号を取り込むと
ともにその音声信号をサンプリングして解析する手段
と、この解析結果に基づいて前記声色データを作成する
手段と、この作成された声色データを前記声色データ蓄
積手段に追加登録する手段と、この追加登録された前記
声色データを前記声色データ蓄積部から読み出すための
ユーザインタフェース手段とを有していることが望まし
い。

【０００８】前記音声変換手段は、前記カラオケデータ
に含まれる歌詞の時系列データを利用して前記歌手の声
色に変換した歌唱信号を合成してもよい。

【０００９】また、前記声色変換手段は、利用者の操作
入力に応じて前記歌唱者の歌唱信号と前記変換した歌唱
信号とを適宜に混合したり、あるいは前記ユーザインタ
フェース手段が２以上の歌手の指定を受け付けて、前記
歌唱者の声を前記２以上の歌手の声色に変換するととも
に、前記歌唱者の歌唱信号と前記２以上の歌手の声色に
変換された歌唱信号とを適宜に混合したりしてスピーカ
に出力することとしてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明によるカラオケ装置
の実施例を示している。このカラオケ装置１は、通信カ
ラオケシステムの演奏端末１であり、モデム２５を介し
て通信回線４０と接続することでホスト装置５０から適
時に配信されるカラオケデータを受け取って蓄積する。
このカラオケ装置１における基本動作はつぎの経路で行
われる。中央制御部１１は内部にＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡ
Ｍを含むコンピュータであり、周辺各構成部を統括して
カラオケ装置１を制御している。中央制御部１１はリモ
コン送信器１３や操作パネル１５からの選曲入力を操作
制御部１６を介して受け取ると、リクエストされた楽曲
のカラオケデータをハードディスク装置１２より読み出
す。あわせて、適宜な背景映像が収録されたビデオＣＤ
を再生するようにビデオＣＤチェンジャ１７を制御す
る。カラオケデータはシンセサイザ２０へ順次転送さ
れ、ここで音楽信号に再生される。再生された音楽信号
はミキシングアンプ２１でマイクロホン２３から入力し
た歌唱者の歌唱信号と合成されてスピーカ２２より出力
される。一方、カラオケデータに含まれる歌詞データは
内部にビデオＲＡＭを含む映像制御部１８に転送され
る。映像制御部１８は歌詞画像をテキストデータに変換
するとともに、歌詞のテキストデータをビデオＣＤチェ
ンジャ１７から出力された背景映像にスーパーインポー
ズしてディスプレイ１９に出力する。カラオケ装置１は
以上の基本機能のほかに、歌唱者の音程や声量などの時
間的変化を基礎にしつつ、その声色を指定した歌手の声
色に変換してスピーカ２２に出力する声帯模写機能を有
している。つぎに、この声帯模写機能について説明す
る。

【００１１】中央制御装置１１は、声帯模写機能の主構
成部であるデジタル信号処理装置（ＤＳＰ）３０に結合
されている。また、ハードディスク装置１２には、カラ
オケデータのほかに、歌手（本明細書で言う「歌手」と
は、一般の人々なども含めた「歌い手」であり、必ずし
もプロの歌手を指すものではない。）の声色データが多
数格納されている。この声色データは、歌手の歌声をサ
ンプリングしてスペクトル分析し、その声色を特徴づけ
ているスペクトル情報を所定のデータ形式で記述したも
のである。なお、新規な声色データは、通信機能を利用
してホスト装置５０から配信されるようになっている。

【００１２】央制御装置１１は、ユーザ入力により声帯
模写機能の起動命令を受け取ると、まず、ハードディス
ク装置１２に格納されている声色データのリストをディ
スプレイ１９に一覧表示する。利用者はリモコン送信器
１３や操作パネル１５から歌手毎に割り振られた識別番
号をテンキー入力したり、表示されたカーソルを移動さ
せて歌手名の欄を指示入力したりして希望する歌手を指
定する。なお、ディスプレイ１９に五十音やアルファベ
ットなどの文字パレットあるいは検索条件などを表示し
て名前の頭文字や検索条件をキーとして該当する歌手を
検索して指定することもできる。もちろん、カラオケの
目次本と同様に声色データが登録されている歌手名とそ
の識別番号が記入されたリスト本をカラオケ会場に常備
しておき、利用者がこの本を参照して歌手を指定しても
よい。

【００１３】このように歌手が指定されると、央制御装
置１１は、ＤＳＰ３０を作動させ、切替部２４の出力を
ＤＳＰ３０側に切り替えて歌唱者の歌唱信号をＤＳＰ３
０に入力させ、ハードディスク装置１２から所定の声色
データを読み出し、この声色データと時系列順に並べた
歌詞の発音データとをＤＳＰ３０に転送する。そして、
ＤＳＰ３０は、入力信号を適宜に処理して歌唱者の声を
歌手の声色に変換した歌唱信号を出力する。

【００１４】図２はＤＳＰ３０の内部構成の概略を示し
ている。この図に従ってＤＳＰ３０の動作を説明する。
マイクロホンからの歌唱信号はＡ／Ｄコンバータ３１で
デジタル信号に変換されて処理される。基本周波数抽出
部３２は、歌唱信号から基本周波数を逐次抽出する。ま
た、歌唱状況抽出部３３は、歌唱者の声の強弱などの歌
唱状況を抽出する。

【００１５】音声合成部３４は、基本周波数を基本周波
数抽出部３２で分析した周波数に一致し、振幅変化が歌
唱状況抽出部３３での分析結果に対応し、発声される文
字が歌詞の発音データの時系列に適合し、スペクトル特
性が声色データに従った合成音声データを生成する。こ
の合成音声データは、Ｄ／Ａコンバータ３５で歌手の声
色に変換されたアナログの音声信号に変換されて出力さ
れる。

【００１６】なお、本実施例ではスピーカに出力させる
歌唱信号を歌唱者のものと声色変換されたものとに切り
替えているが、歌唱者の歌唱信号とＤＳＰに入力される
信号とを分岐して出力するようにして、歌唱者の歌唱信
号と歌手の声色に変換された歌唱信号とをミックスして
スピーカに出力するようにしてもよい。また、歌唱者の
歌唱信号あるいは歌手の声色に変換された歌唱信号の基
本周波数を所定の音階分ずらすことにより歌唱者と歌手
が違うパートを歌うなどの応用が可能である。さらに、
リクエストされた楽曲がデュエット曲などの場合、２人
の歌手の声色データを歌唱パート毎に切り替えたり、混
声された歌唱信号を合成したりすることも可能である。

【００１７】カラオケ装置は通信カラオケシステムの演
奏端末に限らずスタンドアロンで使用されるタイプのも
のでも構わない。この場合は、カラオケ事業者による保
守作業により新規な声色データを補充するようにしても
よい。また、声色データを格納する記憶媒体は、ハード
ディスク装置に限らずＣＤ−ＲＯＭなど他の記憶媒体で
もよい。また、歌手の声色で歌唱する歌詞の文字列は、
歌詞の時系列データを利用して特定されているが、音声
認識などを利用した情報処理により歌唱者の歌唱信号か
ら発声された文字を特定してもよい。

【００１８】さらに、本発明によるカラオケ装置は、前
述した声帯模写機能とともにマイクロホンから入力され
た歌唱信号をサンプリングして解析することで声色デー
タを作成し、この声色データを追加登録する声色データ
登録機能を付加することが可能である。以下、この声色
データ登録機能について説明する。

【００１９】声色データ登録機能を有するカラオケ装置
は、サンプリングした歌唱信号から声色データを作成す
るたの処理系統をＤＳＰに付加しただけで他の基本構成
は前述した声帯模写機能付きカラオケ装置とほぼ同じで
ある。声色データの作成手順はつぎのように行われる。
まず、ユーザ入力によって声色データ登録機能の起動命
令を受け取ると、中央処理装置は映像制御部を制御し
て、歌唱者に発声させるための所定の文字をディスプレ
イに表示させる。そして、歌唱者に発声すべき１文字を
適宜な表示表現で指示する。また、ＤＳＰに声色データ
の作成動作をさせする。歌唱者がマイクロホンに向かっ
て指示された文字を発声すると、ＤＳＰがその歌唱信号
をスペクトル分析するなど適宜に処理して声色データを
作成する。作成された声色データはハードディスク装置
に追加登録したり中央処理部内のＲＡＭなどに一時的に
記憶されたりする。なお、歌唱者に所定の文字を発声さ
せて声色データを作成せずに、歌唱中の歌唱信号を取り
込んで声色データを作成してもよい。このように登録あ
るいは一時的に記憶された声色データは予め登録されて
いる声色データと同様に指定することができる。なお、
ハードディスク装置の記憶容量を節約するために、追加
された声色データは、操作によって自由に消去できるよ
うにしたり、一定期間後に自動的に消去されたりするよ
うにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上により、本発明によれば歌唱者の声
色を適宜な歌手の声色に変換して出力することができ
る。このため、歌唱者の歌唱力を活かしつつ好みの歌手
の声で歌えるのでカラオケの娯楽性が向上する。プロ歌
手以外の有名人などの声色で歌うこともできるので、思
わぬ曲を意外な人の声色で歌うなどして場をさらに盛り
上げることができる。また、声色データをマイクロホン
から入力された歌唱者の音声から作成することによっ
て、カラオケ利用者間での声帯模写など多様な楽しみ方
ができる。

【００２１】カラオケデータ中の歌詞の時系列データを
利用することで、高度な情報処理や装置を必要とせずに
簡単に歌唱している文字を歌手の声色に変換できる。ま
た、歌詞の歌い間違えなども補正することができる。

【００２２】歌唱者のオリジナルの音声と声色を変換し
た音声を適当にミックスすることで好みの歌手と一緒に
歌っている気分に浸ることができる。また、歌唱者ある
いは歌手の音声を適当に音程をずらすことで歌手が歌う
声とデュエットするなど娯楽性がさらに向上する。さら
に、２以上の声色データを利用すれば、現実ではあり得
ないような歌手の組み合わせが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施例の構成図である。

【図２】上記実施例におけるデジタル信号処理装置の概
略構成図である。

【符号の説明】

１ カラオケ装置 １１ 中央制御部 １２ ハードディスク装置 ２３ マイクロホン ３０ ＤＳＰ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラオケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像など
   からなるカラオケデータを適宜に再生することによって
   前記伴奏音楽と前記歌詞画像を同期させてスピーカとデ
   ィスプレイに出力するとともに、歌唱者の歌唱信号をマ
   イクロホンから入力して前記伴奏音楽とともに前記スピ
   ーカに出力するカラオケ装置であって、 多数の歌手の声色データが格納された声色データ蓄積部
   と、この蓄積部に前記声色データが登録されている歌手
   群から適宜な歌手を選択して指定するためのユーザイン
   タフェース手段と、この手段で選択された歌手の前記声
   色データを前記声色データ蓄積部から読み出すための手
   段と、前記マイクロホンより入力された歌唱者の歌唱信
   号と前記声色データに基づいて、前記歌唱者の音程や声
   量などの時間的変化を基礎にしつつ、その声色を選択し
   た前記歌手の声色に変換した歌唱信号を合成して前記ス
   ピーカに出力するための声色変換手段とを有することを
   特徴とする声帯模写機能付きカラオケ装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、適宜な人の音声信号
   を取り込むとともにその音声信号をサンプリングして解
   析する手段と、この解析結果に基づいて前記声色データ
   を作成する手段と、この作成された声色データを前記声
   色データ蓄積手段に追加登録する手段と、この追加登録
   された前記声色データを前記声色データ蓄積部から読み
   出すためのユーザインタフェース手段とを有しているこ
   とを特徴とする声帯模写機能付きカラオケ装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、前記音声変
   換手段は、前記カラオケデータに含まれる歌詞の時系列
   データを利用して前記歌手の声色に変換した歌唱信号を
   合成することを特徴とする声帯模写機能付きカラオケ装
   置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかにおいて、前記
   音声変換手段は、利用者の操作入力に応じて前記歌唱者
   の歌唱信号と前記変換した歌唱信号とを適宜に混合して
   前記スピーカに出力することを特徴とする声帯模写機能
   付きカラオケ装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかにおいて、前記
   ユーザインタフェース手段は２以上の歌手の指定を受け
   付け、前記声色変換手段は前記歌唱者の声を前記２以上
   の歌手の声色に変換するとともに、前記歌唱者の歌唱信
   号と前記２以上の歌手の声色に変換された歌唱信号とを
   適宜に混合してスピーカに出力することを特徴とする声
   帯模写機能付きカラオケ装置。