JP2004302076A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いてニップ部に再び入り込むことを防止した定着装置を提供する。
【解決手段】定着器カバー150のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト120の回転方向(矢印E方向)下流側部分には、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12を薄膜フェルト120から分離させる分離爪160が固定されている。分離爪160は上記の下流側部分の内側面に固定されており、この内側面から内側に突出している。分離爪160の全体は内側面から矢印E方向上流側に向かって突出しており、分離爪160の先端部160aは薄膜フェルト120に接近している。また、定着器カバー150のうち分離爪160よりも矢印E方向上流側部分には、分離爪160に隣接する開口154が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】定着器カバー150のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト120の回転方向(矢印E方向)下流側部分には、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12を薄膜フェルト120から分離させる分離爪160が固定されている。分離爪160は上記の下流側部分の内側面に固定されており、この内側面から内側に突出している。分離爪160の全体は内側面から矢印E方向上流側に向かって突出しており、分離爪160の先端部160aは薄膜フェルト120に接近している。また、定着器カバー150のうち分離爪160よりも矢印E方向上流側部分には、分離爪160に隣接する開口154が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙などの記録媒体に形成された現像像をこの記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ)を感光ドラムなどの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナーを供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は搬送ガイドに案内されながら定着装置に搬送される。
【0003】
この定着装置として、熱源が内蔵された定着ローラを用いる熱ローラ方式が一般的である。しかし、この熱ローラ方式の定着装置では、大きな熱容量を要するので、電源投入から画像出力までの装置立ち上がりに時間を要する。そこで、最近では省電力化や、電源投入から画像出力までの時間を短縮させるために、フィルム加熱定着方式が採用されている。このフィルム加熱定着方式の定着装置には、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルトと、この薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラとが備えられており、薄膜フェルトと加圧ローラとの間に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する。
【0004】
図7から図9までを参照して、フィルム加熱定着方式の従来の定着装置について説明する。
【0005】
図7は、フィルム加熱定着方式の定着装置を示す模式図である。図8は、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いた状態を示す模式図である。図9は、ニップ部を拡大して示す模式図である。
【0006】
フィルム加熱定着方式の定着装置10では、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置10は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト20と、この薄膜フェルト20に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ40とを備えている。
【0007】
薄膜フェルト20の内部には、この薄膜フェルト20を加圧ローラ40に押し付けるためのステー22が配置されている。ステー22は剛性・耐熱性を有するものであり、ステー22は、薄膜フェルト20が円筒形を保つように案内するフィルムガイド24と、このフィルムガイド24を加圧ローラ40に向けて押し付ける加圧部材26とで構成されている。ステー22は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト20の長手方向に延びている。薄膜フェルト20の長手方向とは、図7の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。ステー22のうち薄膜フェルト20に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト20を所定温度に加熱する加熱体30が配置されている。なお、加熱体30も薄膜フェルト20の長手方向に延びている。
【0008】
また、薄膜フェルト20や加圧ローラ40にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー50が薄膜フェルト20の上方に配置されている。この定着器カバー50のうち矢印A方向下流側の下流側部分52は記録媒体12を排紙ローラ60に案内する案内部材を構成している。下流側部分52の下方には案内板14が配置されている。下流側部分52と案内板14との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(排紙ローラ60に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を排紙ローラ60のニップ部62に正確に案内できるように構成されている。
【0009】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体30が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ40の回転に伴って回転する薄膜フェルト20の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体30と加圧ローラ40とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体30の熱が薄膜フェルト20を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(トナー)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト20から分離されて排紙ローラ60のニップ部62に向けて搬送される。
【0010】
ところで、何らかの原因で、図8に示すように、下流側部分52と案内板14との隙間で紙詰まり(ジャム)16が発生して、記録媒体12がアコーディオン状態になることがある。この場合、記録媒体12のうちニップ部Nを通過した直後の部分(薄膜フェルト20から分離した直後の部分)の行き場が狭められるので、記録媒体12が薄膜フェルト20から分離されにくくなる。記録媒体12が薄膜フェルト20から分離されない場合、記録媒体12がトナーTを介して薄膜フェルト20に密着し、この状態の薄膜フェルト20が回転する。これにより、図8に示すように、薄膜フェルト20と共に一回転した記録媒体12が再びニップ部Nに入り込む。この場合、図9に示すように、記録媒体12のうちニップ部Nに新たに入り込む部分12bと、記録媒体12のうちニップ部Nに再び入り込む部分12aとがトナーTを介して接着される。この結果、ジャム処理が非常に困難になる。
【0011】
そこで、例えば特開2001−092280号公報に記載されているように、薄膜フェルト20のうちニップ部Nよりも回転方向下流側部分と定着器カバー50との隙間tを狭くして、記録媒体12が薄膜フェルト20に巻き付くことを防止している。
【0012】
【特許文献1】特開2001−092280号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録媒体12の印字濃度が高くなった場合、薄膜フェルト20から記録媒体12を分離しにくくなる。この場合、上記の隙間tがゼロに近くなるまで薄膜フェルト20と定着器カバー50を接近させても、図10に示すように、記録媒体12が隙間tを通り抜けてループ状になることがある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いてニップ部に再び入り込むことを防止した定着装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の定着装置は、記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
(1)前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された、前記薄膜フェルトに付着している記録媒体を該薄膜フェルトから分離させる分離部材と、
(2)該分離部材によって前記薄膜フェルトから分離された記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
ここで、
(3)前記開口を開閉自在に塞ぐ扉を備えてもよい。
【0017】
また、
(4)前記画像形成装置は、前記定着装置が収容された内部空間を囲む、開閉自在なカバーが形成された筐体を有するものであり、
(5)前記カバーを開いて前記定着装置を目視した状態で、前記開口から排出された記録媒体を取り出すものであってもよい。
【0018】
さらに、
(6)前記画像形成装置は、前記内部空間に収容された所定形状のプロセスカートリッジが、前記カバーを開いた状態で前記内部空間から取り出されるように構成されたものであり、
(7)前記カバーを開いて前記プロセスカートリッジを前記内部空間から取り出すことによって前記定着装置を目視するものであってもよい。
【0019】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の定着装置は、記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
(8)前記薄膜フェルトの近傍で記録媒体が紙詰まりを起こしたことを検知するジャム検知センサと、
(9)前記ジャム検知センサが紙詰まりを検知したときに前記薄膜フェルトに押し付けられる、前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された押付部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
ここで、
(10)前記押付部材が前記薄膜フェルトとの間に押し付けた記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えてもよい。
【0021】
さらに、
(11)前記押付部材は、所定のタイミングで前記薄膜フェルトに接離するものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
【0023】
図1と図2を参照して、本発明の定着装置の第1実施形態を説明する。
【0024】
図1は、定着装置の第1実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。図2は、図1の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【0025】
電子写真プリンタ(以下、プリンタという)70では、外部のコンピュータ(図示せず)等から送信された画像信号(画像の情報を表す信号)を担持したレーザ光72が、レーザスキャナ74やミラー76を経由して感光ドラム78に照射される。感光ドラム78は帯電ローラ80によって一様に帯電されており、レーザ光72が照射された感光ドラム78には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器82から供給されたトナーTによって現像されて現像像が形成される。
【0026】
一方、カセット84からは記録紙などの記録媒体12が給紙ローラ86によって矢印B方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ88によって転写ローラ90に搬送される。転写ローラ90は感光ドラム78と共に記録媒体12を挟持しながら、この記録媒体12に感光ドラム78の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体12は搬送ガイド92によって定着装置100に案内される。定着装置100では、記録媒体12に転写された現像像がこの記録媒体12に定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体12は搬送ローラ94や排紙ローラ96によって排出されて排紙トレイ98(本発明にいうカバーの一例である)に積載される。排紙トレイ98は、回転軸98aを中心にして矢印C方向に自在に開閉する。なお、転写ローラ90よりも感光ドラム78の回転方向下流側には、感光ドラム78に残留したトナーTを除去して感光ドラム78を清掃するクリーニングユニット99が配置されている。
【0027】
上記した感光ドラム78、帯電ローラ80、現像器82、クリーニングユニット99によって、本発明にいうプロセスカートリッジの一例が構成されている。このプロセスカートリッジはプリンタ70に着脱自在に収容されている。また、上記したプロセスカートリッジや定着装置100はプリンタ70の内部空間に収容されており、プリンタ70にはこの内部空間を囲む筐体71が備えられている。この筐体71には、回転軸73aを中心にして矢印D方向に自在に開閉するカバー73(本発明にいうカバーの一例である)が形成されている。
【0028】
定着装置100はフィルム加熱定着方式のものであり、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置100は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト120と、この薄膜フェルト120に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ140とを備えている。
【0029】
薄膜フェルト120の内部には、図2に示すように、この薄膜フェルト120を加圧ローラ140に押し付けるためのステー122が配置されている。ステー122は剛性・耐熱性を有するものであり、ステー122は、薄膜フェルト120が円筒形を保つように案内するフィルムガイド124と、このフィルムガイド124を加圧ローラ140に向けて押し付ける加圧部材126とで構成されている。ステー122は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト120の長手方向に延びている。薄膜フェルト120の長手方向とは、図2の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。ステー122のうち薄膜フェルト120に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト120を所定温度に加熱する加熱体130が配置されている。なお、加熱体130も薄膜フェルト120の長手方向に延びている。
【0030】
また、薄膜フェルト120や加圧ローラ140にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー150(本発明にいう覆い壁の一例である)が薄膜フェルト120の上方に配置されている。定着器カバー150は薄膜フェルト120を覆うように配置されている。この定着器カバー150のうち矢印A方向下流側の下流側部分152は記録媒体12を搬送ローラ94に案内する案内部材を構成している。下流側部分152の下方には案内板114が配置されている。下流側部分152と案内板114との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(搬送ローラ94に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を搬送ローラ94のニップ部94aに正確に案内できるように構成されている。
【0031】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体130が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ140の回転に伴って回転する薄膜フェルト120の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体130と加圧ローラ140とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体130の熱が薄膜フェルト120を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(現像像)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト120から分離されて搬送ローラ94のニップ部94aに向けて搬送される。
【0032】
上記した定着器カバー150のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト120の回転方向(矢印E方向)下流側部分には、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12を薄膜フェルト120から分離させる分離爪160(本発明にいう分離部材の一例である)が固定されている。分離爪160は上記の下流側部分の内側面に固定されており、この内側面から内側に突出している。分離爪160の全体は内側面から矢印E方向上流側に向かって突出しており、分離爪160の先端部160aは薄膜フェルト120に接近している。従って、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12は分離爪160によって確実に剥がれて分離される。なお、分離爪160は、図2の紙面に垂直方向(薄膜フェルト120の長さ方向)に延びる細長いものである。しかし、分離爪160を細長いものにしなくてもよく、この細長いものの数分の一の長さの分離爪160を一つだけ配置してもよいし、図2の紙面に垂直方向に適宜の間隔を空けて複数個(例えば等間隔で4個)の分離爪160を配置してもよい。
【0033】
定着器カバー150のうち分離爪160よりも矢印E方向上流側部分には、分離爪160に隣接する開口154が形成されている。この開口154は記録媒体12の幅(図2の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口154の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。薄膜フェルト120に記録媒体12が巻き付きそうになってもこの記録媒体12は分離爪160によって薄膜フェルト120から分離されて開口154から排出される。この結果、記録媒体12が薄膜フェルト120に巻き付いてニップ部Nに再び入り込むことが防止される。また、開口154から記録媒体12を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。しかも、分離爪160が薄膜フェルト120に接触しないので、薄膜フェルト120を傷付けたり磨耗させたりすることもない。
【0034】
また、図1に示すように、ユーザが排紙トレイ98を開くことにより定着装置100を目視できる。このように定着装置100を目視した状態で、開口154から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。さらに、ユーザがカバー73を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置100を目視できる。この状態でも、開口154から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。
[第2実施形態]
【0035】
図3を参照して定着装置の第2実施形態を説明する。
【0036】
図3は、定着装置の第2実施形態の概略構成を示す模式図である。この図では、図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0037】
第2実施形態の定着装置200の特徴は、開口154を開閉自在に塞ぐ扉202を備えた点にある。扉202は中心軸202aを中心にして矢印F方向に開閉する。平常時においては、点線で示すように扉202は開口154を塞いでいる。このため、定着装置200の内部の温度低下を防止できる。従って、定着装置200の定着性能が向上する。
【0038】
一方、紙詰まりが起こった場合、二点鎖線で示すように記録媒体12が扉202を押し上げて回転させるので開口154が開く。この結果、記録媒体12は定着装置200の内部から排出される。排紙トレイ98(図1参照)を開けることにより定着装置200を目視できるので、この定着装置200から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
[第3実施形態]
【0039】
図4と図5を参照して定着装置の第3実施形態を説明する。
【0040】
図4は、定着装置の第3実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。図5は、図4の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【0041】
電子写真プリンタ(以下、プリンタという)170では、外部のコンピュータ(図示せず)等から送信された画像信号(画像の情報を表す信号)を担持したレーザ光172が、レーザスキャナ174やミラー176を経由して感光ドラム178に照射される。感光ドラム178は帯電ローラ180によって一様に帯電されており、レーザ光172が照射された感光ドラム178には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器182から供給されたトナーTによって現像されて現像像が形成される。
【0042】
一方、カセット184からは記録紙などの記録媒体12が給紙ローラ186によって矢印B方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ188によって転写ローラ190に搬送される。転写ローラ190は感光ドラム178と共に記録媒体12を挟持しながら、この記録媒体12に感光ドラム178の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体12は搬送ガイド192によって定着装置300に案内される。定着装置300では、記録媒体12に転写された現像像がこの記録媒体12に定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体12は搬送ローラ194や排紙ローラ196によって排出されて排紙トレイ198(本発明にいうカバーの一例である)に積載される。排紙トレイ198は、回転軸198aを中心にして矢印C方向に自在に開閉する。なお、転写ローラ190よりも感光ドラム178の回転方向下流側には、感光ドラム178に残留したトナーTを除去して感光ドラム178を清掃するクリーニングユニット199が配置されている。
【0043】
上記した感光ドラム178、帯電ローラ180、現像器182、クリーニングユニット199によって、本発明にいうプロセスカートリッジの一例が構成されている。このプロセスカートリッジはプリンタ170に着脱自在に収容されている。また、上記したプロセスカートリッジや定着装置300はプリンタ170の内部空間に収容されており、プリンタ170にはこの内部空間を囲む筐体171が備えられている。この筐体171には、回転軸173aを中心にして矢印D方向に自在に開閉するカバー173(本発明にいうカバーの一例である)が形成されている。
【0044】
定着装置300はフィルム加熱定着方式のものであり、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置300は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト320と、この薄膜フェルト320に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ340とを備えている。
【0045】
薄膜フェルト320の内部には、図5に示すように、この薄膜フェルト320を加圧ローラ340に押し付けるためのステー322が配置されている。ステー322は剛性・耐熱性を有するものであり、薄膜フェルト320は回転自在に案内する。ステー322は、加圧部材324によって加圧ローラ340に向けて加圧されている。ステー322は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト320の長手方向に延びている。薄膜フェルト120の長手方向とは、図5の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。加圧部材324も、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト320の長手方向に延びている。また、ステー322のうち薄膜フェルト320に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト320を所定温度に加熱する加熱体330(例えばセラミックヒータ)が配置されている。なお、加熱体330も薄膜フェルト320の長手方向に延びている。
【0046】
また、薄膜フェルト320や加圧ローラ340にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー350(本発明にいう覆い壁の一例である)が薄膜フェルト320の上方に配置されている。定着器カバー350は薄膜フェルト320を覆うように配置されている。この定着器カバー350のうち矢印A方向下流側の下流側部分352は記録媒体12を搬送ローラ394に案内する案内部材を構成している。下流側部分352の下方には案内板314が配置されている。下流側部分352と案内板314との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(搬送ローラ394に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を搬送ローラ394のニップ部394aに正確に案内できるように構成されている。
【0047】
案内板314には、案内板314と下流側部分352との間を通過する記録媒体12を検知する排紙センサ360(本発明にいうジャム検知センサの一例である)が配置されている。排紙センサ360は、通過する記録媒体12が当接する当接部362と、この当接部362を回動自在に支持する回動軸364と、当接部362とは反対方向に回動軸364から延びるセンサ部366とを備えている。センサ部366の近傍には発光素子と受光素子(図示せず)が配置されており、センサ部366の位置に応じて発光素子からの光がセンサ部366によって遮られるので、受光素子には光が照射されない。
【0048】
排紙センサ360に外部から力が作用しないときは、案内板314と下流側部分352との間を塞ぐように当接部362が立っている。このときは、センサ部366が発光素子からの光を遮る。このため、CPU(図示せず)は、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過していないと判断する。一方、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過しているときは、記録媒体12が当接部362に当接したままであるので、排紙センサ360は回動軸364を中心にして矢印G方向に回動したままとなる。このときは、センサ部366が発光素子からの光を遮らずに、この光は受光素子に照射される。このため、CPU(図示せず)は、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過していると判断する。
【0049】
上記したCPUには、加圧ローラ340の回転状態や記録媒体12の搬送の有無などの情報が送られている。従って、案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12がジャムを起こして、図5に示す状態になったときは、加圧ローラ340が回転して記録媒体12が案内板314と下流側部分352との間を通過しているにもかかわらず、この間には記録媒体12が存在しないという情報がCPUに送られる。従って、CPUではジャムが発生したと判断する。
【0050】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体330が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ340の回転に伴って回転する薄膜フェルト320の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体330と加圧ローラ340とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体330の熱が薄膜フェルト320を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(現像像)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト320から分離されて搬送ローラ394のニップ部394aに向けて搬送される。
【0051】
上記した定着器カバー350のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト320の回転方向(矢印E方向)下流側部分の上方には、所定のタイミングで薄膜フェルト320から接離する押付部材370が配置されている。押付部材370が薄膜フェルト320に押し付けられるタイミングは、ここでは、排紙センサ360がジャムを検知したタイミングである。
【0052】
押付部材370は、薄膜フェルト320を挟んで加圧ローラ340の反対側に配置されている。押付部材370は、薄膜フェルト320に倣うように下面が湾曲した押付部372と、この押付部材372を上下動させる上下動部374とを有する。押付部372の下面は耐熱性フェルトなどから構成されており、薄膜フェルト320を傷付けたり磨耗させたりしないようになっている。上下動部374の長手方向一端部は押付部372の上面に固定されており、長手方向他端部は回動軸376に固定されている。この回動軸376は、上記したCPUからの指示によって回動する。この回動の結果、押付部372が上下動する。薄膜フェルト320に記録媒体12が付着した状態で押付部372が下がったときは、この付着した記録媒体12が押付部372によって薄膜フェルト320に押し付けられる。
【0053】
定着器カバー350のうち押付部材370よりも薄膜フェルト回転方向(矢印E方向)上流側部分には、押付部材370に隣接する開口354が形成されている。この開口354は記録媒体12の幅(図5の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口354の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。
【0054】
プリンタ170で印字動作中に、記録媒体12は排紙センサ360や上記のCPUなどによって正常に搬送されているか監視されている。記録媒体12が正常に搬送されているときは、押付部372は薄膜フェルト320から離れている。何らかの原因によって、図5に示すように案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12が紙詰まりを起こして定着装置300に記録媒体12が滞留したり、記録媒体12の搬送が遅延したりしたときは、上記のCPUが紙詰まりと判断して定着装置300を停止させる。この停止と同時に、押付部材370が下方へ移動して押付部372が薄膜フェルト320に押し付けられる。押付部材370の移動は極力早い方が好ましい。発生した紙詰まりの形態によっては記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付くおそれがある。
【0055】
図5に示すように記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付こうとした場合、巻き付こうとする記録媒体12の先端に押付部372を押し付けてこの先端を薄膜フェルトに320に押し付ける。又は、記録媒体12が押付部372の下方をやや通過した位置で、押付部372を薄膜フェルト320に押し付ける。このように押付部372が記録媒体12の一部を薄膜フェルト320に押し付けることによって、薄膜フェルト320に巻き付こうとする記録媒体12の搬送を止めさせることができる。この場合、上記のCPUが定着装置300を停止させるまでの時間と押付部372が記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けるまでの時間とには多少のタイムラグが生じる。この結果、記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けて止めるまでタイミングに多少のずれが生じる。しかし、記録媒体12が押付部372の下方に到達するよりも以前、若しくは、記録媒体12が押付部372の下方を多少通過した後に押付部372が薄膜フェルト320に押し付けられたとしても、記録媒体12の先端におおよそ近い位置であれば効果に変わりはない。
【0056】
上記のようにして、押付部372によってその先端部分の巻き付きを止められた記録媒体12は、薄膜フェルト320に巻き付けなくなるので、薄膜フェルト320から剥離し始めて、図5に示すように開口354から排出される。
【0057】
上述したように、薄膜フェルト320に巻き付き始めた記録媒体12の先端部を押付部372が薄膜フェルト320に押し付けて停止させ、この停止によって巻き付こうとする記録媒体12を薄膜フェルト320から剥離させて開口354から排出させる。また、図4に示すように、ユーザがカバー173を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置300を目視できる。この状態でも、開口354から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。また、排紙トレイ198を開けることにより定着装置300を目視できるので、この定着装置300から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
[第4実施形態]
【0058】
図6を参照して定着装置の第4実施形態を説明する。
【0059】
図6は、定着装置の第4実施形態の概略構成を示す模式図である。この図では、図5に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0060】
定着装置400は、定着装置300に代えてプリンタ170に組み込まれるものである。定着装置400の定着器カバー450のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト320の回転方向(矢印E方向)上流側部分には、所定のタイミングで薄膜フェルト320から接離する押付部材470が配置されている。押付部材470が薄膜フェルト320に押し付けられるタイミングは、ここでは、排紙センサ360がジャムを検知したタイミングである。
【0061】
押付部材470は、進行してきた記録媒体12が挟持されるニップ部Nの入口の上方である。押付部材470は、薄膜フェルト320に倣うように側面が湾曲した押付部472と、カールした記録媒体12’をニップ部Nに案内するガイド部474と、押付部472及びガイド部474を上下動させるカム476とを有する。カム476は中心軸476aを中心にして回動する。カム476はプリンタ170(図4参照)のCPUに制御されて所定のタイミングで回動する。図6の実線で示される押付部材470の位置では、押付部472が薄膜フェルト320から離れており、この位置では、押付部472は薄膜フェルト320に接触しておらず、薄膜フェルト320に巻き付こうとしている記録媒体12を薄膜フェルト320から分離する非接触分離爪の機能も発揮する。また、図6の二点鎖線で示される押付部材470の位置では、押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられている。なお、押付部472の側面(薄膜フェルト320に接触する面)は耐熱性フェルトなどから構成されており、薄膜フェルト320を傷付けたり磨耗させたりしないようになっている。
【0062】
定着器カバー450のうち押付部材470よりも薄膜フェルト回転方向(矢印E方向)上流側部分には、押付部材470に隣接する開口454が形成されている。この開口454は記録媒体12の幅(図6の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口454の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。
【0063】
プリンタ170で印字動作中に、記録媒体12は排紙センサ360や上記のCPUなどによって正常に搬送されているか監視されている。記録媒体12が正常に搬送されているときは、押付部472は薄膜フェルト320から離れている。何らかの原因によって案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12が紙詰まりを起こして定着装置400に記録媒体12が滞留したり、記録媒体12の搬送が遅延したりしたときは、上記のCPUが紙詰まりと判断して定着装置400を停止させる。この停止と同時に、カム476が回動して押付部材470が下方へ移動して押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられる。押付部材470の移動は極力早い方が好ましい。発生した紙詰まりの形態によっては記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付くおそれがある。
【0064】
記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付こうとした場合、巻き付こうとする記録媒体12の先端に押付部472を押し付けてこの先端を薄膜フェルトに320に押し付ける。このように押付部472が記録媒体12の一部を薄膜フェルト320に押し付けることによって、薄膜フェルト320に巻き付こうとする記録媒体12の搬送を止めさせることができる。この場合、上記のCPUが定着装置400を停止させるまでの時間と押付部472が記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けるまでの時間とには多少のタイムラグが生じる。この結果、記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けて止めるまでタイミングに多少のずれが生じる。しかし、記録媒体12が押付部472の側方に到達するよりも以前、若しくは、記録媒体12が押付部372の側方を多少通過した後に押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられたとしても、記録媒体12の先端におおよそ近い位置であれば効果に変わりはない。
【0065】
上記のようにして、押付部472によってその先端部分の巻き付きを止められた記録媒体12は、薄膜フェルト320に巻き付けなくなるので、薄膜フェルト320から剥離し始めて、開口454から排出される。
【0066】
上述したように、薄膜フェルト320に巻き付き始めた記録媒体12の先端部を押付部472が薄膜フェルト320に押し付けて停止させ、この停止によって巻き付こうとする記録媒体12を薄膜フェルト320から剥離させて開口454から排出させる。また、図4に示すように、ユーザがカバー173を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置400を目視できる。この状態でも、開口454から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。また、排紙トレイ198(図4参照)を開けることにより定着装置400を目視できるので、この定着装置400から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
【0067】
なお、排紙センサ360によって万が一ジャムを検知できなかったり検知のタイミングが遅れたりしても、薄膜フェルト320から離れている押付部472が上記の非接触分離爪の機能を発揮するので、薄膜フェルト320に巻き付こうとしている記録媒体12が薄膜フェルト320から分離される。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の定着装置では、薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになってもこの記録媒体は分離部材によって薄膜フェルトから分離されて、覆い壁の開口から排出される。従って、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いてニップ部に再び入り込むことが防止される。また、開口から記録媒体を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。
【0069】
ここで、前記開口を開閉自在に塞ぐ扉を備えた場合は、扉を閉めて開口を塞いでおくことにより定着装置内部の温度低下を防止できる。
【0070】
また、前記画像形成装置は、前記定着装置が収容された内部空間を囲む、開閉自在なカバーが形成された筐体を有するものであり、前記カバーを開いて前記定着装置を目視した状態で、前記開口から排出された記録媒体を取り出すものである場合は、ジャム処理をいっそう容易に行える。
【0071】
さらに、前記画像形成装置は、前記内部空間に収容された所定形状のプロセスカートリッジが、前記カバーを開いた状態で前記内部空間から取り出されるように構成されたものであり、前記カバーを開いて前記プロセスカートリッジを前記内部空間から取り出すことによって前記定着装置を目視するものである場合は、定着装置を容易に目視できるので、ジャム処理をいっそう容易に行える。
【0072】
また、本発明の第2の定着装置では、薄膜フェルトの近傍で紙詰まりが起きて薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになったときは押付部材が薄膜フェルトに押し付けられるので、この押し付けによって、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付くことが防止される。
【0073】
ここで、前記押付部材が前記薄膜フェルトとの間に押し付けた記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えた場合は、薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになってもこの記録媒体は押付部材によって薄膜フェルトとの間に押し付けられて、覆い壁の開口から排出される。従って、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付くことが防止される。また、開口から記録媒体を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。
【0074】
さらに、前記押付部材は、所定のタイミングで前記薄膜フェルトに接離するものである場合は、ジャムが起きたときにのみ押付部材を薄膜フェルトに押し付けることにより、使い勝手の良い定着装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着装置の第1実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。
【図2】図1の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】定着装置の第2実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図4】定着装置の第3実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。
【図5】図4の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】定着装置の第4実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図7】フィルム加熱定着方式の定着装置を示す模式図である。
【図8】記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いた状態を示す模式図である。
【図9】ニップ部を拡大して示す模式図である。
【図10】記録媒体が隙間を通り抜けてループ状になった状態を示す模式図である。
【符号の説明】
70,170 プリンタ
98 排紙トレイ
100,200,300,400 定着装置
120,320 薄膜フェルト
140,340 加圧ローラ
150,350 定着器カバー
154,354,454 開口
160 分離爪
202 扉
360 排紙センサ
370,470 押付部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙などの記録媒体に形成された現像像をこの記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ)を感光ドラムなどの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナーを供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は搬送ガイドに案内されながら定着装置に搬送される。
【0003】
この定着装置として、熱源が内蔵された定着ローラを用いる熱ローラ方式が一般的である。しかし、この熱ローラ方式の定着装置では、大きな熱容量を要するので、電源投入から画像出力までの装置立ち上がりに時間を要する。そこで、最近では省電力化や、電源投入から画像出力までの時間を短縮させるために、フィルム加熱定着方式が採用されている。このフィルム加熱定着方式の定着装置には、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルトと、この薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラとが備えられており、薄膜フェルトと加圧ローラとの間に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する。
【0004】
図7から図9までを参照して、フィルム加熱定着方式の従来の定着装置について説明する。
【0005】
図7は、フィルム加熱定着方式の定着装置を示す模式図である。図8は、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いた状態を示す模式図である。図9は、ニップ部を拡大して示す模式図である。
【0006】
フィルム加熱定着方式の定着装置10では、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置10は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト20と、この薄膜フェルト20に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ40とを備えている。
【0007】
薄膜フェルト20の内部には、この薄膜フェルト20を加圧ローラ40に押し付けるためのステー22が配置されている。ステー22は剛性・耐熱性を有するものであり、ステー22は、薄膜フェルト20が円筒形を保つように案内するフィルムガイド24と、このフィルムガイド24を加圧ローラ40に向けて押し付ける加圧部材26とで構成されている。ステー22は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト20の長手方向に延びている。薄膜フェルト20の長手方向とは、図7の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。ステー22のうち薄膜フェルト20に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト20を所定温度に加熱する加熱体30が配置されている。なお、加熱体30も薄膜フェルト20の長手方向に延びている。
【0008】
また、薄膜フェルト20や加圧ローラ40にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー50が薄膜フェルト20の上方に配置されている。この定着器カバー50のうち矢印A方向下流側の下流側部分52は記録媒体12を排紙ローラ60に案内する案内部材を構成している。下流側部分52の下方には案内板14が配置されている。下流側部分52と案内板14との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(排紙ローラ60に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を排紙ローラ60のニップ部62に正確に案内できるように構成されている。
【0009】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体30が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ40の回転に伴って回転する薄膜フェルト20の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体30と加圧ローラ40とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体30の熱が薄膜フェルト20を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(トナー)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト20から分離されて排紙ローラ60のニップ部62に向けて搬送される。
【0010】
ところで、何らかの原因で、図8に示すように、下流側部分52と案内板14との隙間で紙詰まり(ジャム)16が発生して、記録媒体12がアコーディオン状態になることがある。この場合、記録媒体12のうちニップ部Nを通過した直後の部分(薄膜フェルト20から分離した直後の部分)の行き場が狭められるので、記録媒体12が薄膜フェルト20から分離されにくくなる。記録媒体12が薄膜フェルト20から分離されない場合、記録媒体12がトナーTを介して薄膜フェルト20に密着し、この状態の薄膜フェルト20が回転する。これにより、図8に示すように、薄膜フェルト20と共に一回転した記録媒体12が再びニップ部Nに入り込む。この場合、図9に示すように、記録媒体12のうちニップ部Nに新たに入り込む部分12bと、記録媒体12のうちニップ部Nに再び入り込む部分12aとがトナーTを介して接着される。この結果、ジャム処理が非常に困難になる。
【0011】
そこで、例えば特開2001−092280号公報に記載されているように、薄膜フェルト20のうちニップ部Nよりも回転方向下流側部分と定着器カバー50との隙間tを狭くして、記録媒体12が薄膜フェルト20に巻き付くことを防止している。
【0012】
【特許文献1】特開2001−092280号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録媒体12の印字濃度が高くなった場合、薄膜フェルト20から記録媒体12を分離しにくくなる。この場合、上記の隙間tがゼロに近くなるまで薄膜フェルト20と定着器カバー50を接近させても、図10に示すように、記録媒体12が隙間tを通り抜けてループ状になることがある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いてニップ部に再び入り込むことを防止した定着装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の定着装置は、記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
(1)前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された、前記薄膜フェルトに付着している記録媒体を該薄膜フェルトから分離させる分離部材と、
(2)該分離部材によって前記薄膜フェルトから分離された記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
ここで、
(3)前記開口を開閉自在に塞ぐ扉を備えてもよい。
【0017】
また、
(4)前記画像形成装置は、前記定着装置が収容された内部空間を囲む、開閉自在なカバーが形成された筐体を有するものであり、
(5)前記カバーを開いて前記定着装置を目視した状態で、前記開口から排出された記録媒体を取り出すものであってもよい。
【0018】
さらに、
(6)前記画像形成装置は、前記内部空間に収容された所定形状のプロセスカートリッジが、前記カバーを開いた状態で前記内部空間から取り出されるように構成されたものであり、
(7)前記カバーを開いて前記プロセスカートリッジを前記内部空間から取り出すことによって前記定着装置を目視するものであってもよい。
【0019】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の定着装置は、記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
(8)前記薄膜フェルトの近傍で記録媒体が紙詰まりを起こしたことを検知するジャム検知センサと、
(9)前記ジャム検知センサが紙詰まりを検知したときに前記薄膜フェルトに押し付けられる、前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された押付部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
ここで、
(10)前記押付部材が前記薄膜フェルトとの間に押し付けた記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えてもよい。
【0021】
さらに、
(11)前記押付部材は、所定のタイミングで前記薄膜フェルトに接離するものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
【0023】
図1と図2を参照して、本発明の定着装置の第1実施形態を説明する。
【0024】
図1は、定着装置の第1実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。図2は、図1の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【0025】
電子写真プリンタ(以下、プリンタという)70では、外部のコンピュータ(図示せず)等から送信された画像信号(画像の情報を表す信号)を担持したレーザ光72が、レーザスキャナ74やミラー76を経由して感光ドラム78に照射される。感光ドラム78は帯電ローラ80によって一様に帯電されており、レーザ光72が照射された感光ドラム78には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器82から供給されたトナーTによって現像されて現像像が形成される。
【0026】
一方、カセット84からは記録紙などの記録媒体12が給紙ローラ86によって矢印B方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ88によって転写ローラ90に搬送される。転写ローラ90は感光ドラム78と共に記録媒体12を挟持しながら、この記録媒体12に感光ドラム78の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体12は搬送ガイド92によって定着装置100に案内される。定着装置100では、記録媒体12に転写された現像像がこの記録媒体12に定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体12は搬送ローラ94や排紙ローラ96によって排出されて排紙トレイ98(本発明にいうカバーの一例である)に積載される。排紙トレイ98は、回転軸98aを中心にして矢印C方向に自在に開閉する。なお、転写ローラ90よりも感光ドラム78の回転方向下流側には、感光ドラム78に残留したトナーTを除去して感光ドラム78を清掃するクリーニングユニット99が配置されている。
【0027】
上記した感光ドラム78、帯電ローラ80、現像器82、クリーニングユニット99によって、本発明にいうプロセスカートリッジの一例が構成されている。このプロセスカートリッジはプリンタ70に着脱自在に収容されている。また、上記したプロセスカートリッジや定着装置100はプリンタ70の内部空間に収容されており、プリンタ70にはこの内部空間を囲む筐体71が備えられている。この筐体71には、回転軸73aを中心にして矢印D方向に自在に開閉するカバー73(本発明にいうカバーの一例である)が形成されている。
【0028】
定着装置100はフィルム加熱定着方式のものであり、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置100は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト120と、この薄膜フェルト120に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ140とを備えている。
【0029】
薄膜フェルト120の内部には、図2に示すように、この薄膜フェルト120を加圧ローラ140に押し付けるためのステー122が配置されている。ステー122は剛性・耐熱性を有するものであり、ステー122は、薄膜フェルト120が円筒形を保つように案内するフィルムガイド124と、このフィルムガイド124を加圧ローラ140に向けて押し付ける加圧部材126とで構成されている。ステー122は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト120の長手方向に延びている。薄膜フェルト120の長手方向とは、図2の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。ステー122のうち薄膜フェルト120に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト120を所定温度に加熱する加熱体130が配置されている。なお、加熱体130も薄膜フェルト120の長手方向に延びている。
【0030】
また、薄膜フェルト120や加圧ローラ140にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー150(本発明にいう覆い壁の一例である)が薄膜フェルト120の上方に配置されている。定着器カバー150は薄膜フェルト120を覆うように配置されている。この定着器カバー150のうち矢印A方向下流側の下流側部分152は記録媒体12を搬送ローラ94に案内する案内部材を構成している。下流側部分152の下方には案内板114が配置されている。下流側部分152と案内板114との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(搬送ローラ94に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を搬送ローラ94のニップ部94aに正確に案内できるように構成されている。
【0031】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体130が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ140の回転に伴って回転する薄膜フェルト120の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体130と加圧ローラ140とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体130の熱が薄膜フェルト120を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(現像像)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト120から分離されて搬送ローラ94のニップ部94aに向けて搬送される。
【0032】
上記した定着器カバー150のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト120の回転方向(矢印E方向)下流側部分には、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12を薄膜フェルト120から分離させる分離爪160(本発明にいう分離部材の一例である)が固定されている。分離爪160は上記の下流側部分の内側面に固定されており、この内側面から内側に突出している。分離爪160の全体は内側面から矢印E方向上流側に向かって突出しており、分離爪160の先端部160aは薄膜フェルト120に接近している。従って、薄膜フェルト120に付着している記録媒体12は分離爪160によって確実に剥がれて分離される。なお、分離爪160は、図2の紙面に垂直方向(薄膜フェルト120の長さ方向)に延びる細長いものである。しかし、分離爪160を細長いものにしなくてもよく、この細長いものの数分の一の長さの分離爪160を一つだけ配置してもよいし、図2の紙面に垂直方向に適宜の間隔を空けて複数個(例えば等間隔で4個)の分離爪160を配置してもよい。
【0033】
定着器カバー150のうち分離爪160よりも矢印E方向上流側部分には、分離爪160に隣接する開口154が形成されている。この開口154は記録媒体12の幅(図2の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口154の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。薄膜フェルト120に記録媒体12が巻き付きそうになってもこの記録媒体12は分離爪160によって薄膜フェルト120から分離されて開口154から排出される。この結果、記録媒体12が薄膜フェルト120に巻き付いてニップ部Nに再び入り込むことが防止される。また、開口154から記録媒体12を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。しかも、分離爪160が薄膜フェルト120に接触しないので、薄膜フェルト120を傷付けたり磨耗させたりすることもない。
【0034】
また、図1に示すように、ユーザが排紙トレイ98を開くことにより定着装置100を目視できる。このように定着装置100を目視した状態で、開口154から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。さらに、ユーザがカバー73を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置100を目視できる。この状態でも、開口154から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。
[第2実施形態]
【0035】
図3を参照して定着装置の第2実施形態を説明する。
【0036】
図3は、定着装置の第2実施形態の概略構成を示す模式図である。この図では、図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0037】
第2実施形態の定着装置200の特徴は、開口154を開閉自在に塞ぐ扉202を備えた点にある。扉202は中心軸202aを中心にして矢印F方向に開閉する。平常時においては、点線で示すように扉202は開口154を塞いでいる。このため、定着装置200の内部の温度低下を防止できる。従って、定着装置200の定着性能が向上する。
【0038】
一方、紙詰まりが起こった場合、二点鎖線で示すように記録媒体12が扉202を押し上げて回転させるので開口154が開く。この結果、記録媒体12は定着装置200の内部から排出される。排紙トレイ98(図1参照)を開けることにより定着装置200を目視できるので、この定着装置200から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
[第3実施形態]
【0039】
図4と図5を参照して定着装置の第3実施形態を説明する。
【0040】
図4は、定着装置の第3実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。図5は、図4の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【0041】
電子写真プリンタ(以下、プリンタという)170では、外部のコンピュータ(図示せず)等から送信された画像信号(画像の情報を表す信号)を担持したレーザ光172が、レーザスキャナ174やミラー176を経由して感光ドラム178に照射される。感光ドラム178は帯電ローラ180によって一様に帯電されており、レーザ光172が照射された感光ドラム178には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器182から供給されたトナーTによって現像されて現像像が形成される。
【0042】
一方、カセット184からは記録紙などの記録媒体12が給紙ローラ186によって矢印B方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ188によって転写ローラ190に搬送される。転写ローラ190は感光ドラム178と共に記録媒体12を挟持しながら、この記録媒体12に感光ドラム178の現像像を転写する。現像像が転写された記録媒体12は搬送ガイド192によって定着装置300に案内される。定着装置300では、記録媒体12に転写された現像像がこの記録媒体12に定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体12は搬送ローラ194や排紙ローラ196によって排出されて排紙トレイ198(本発明にいうカバーの一例である)に積載される。排紙トレイ198は、回転軸198aを中心にして矢印C方向に自在に開閉する。なお、転写ローラ190よりも感光ドラム178の回転方向下流側には、感光ドラム178に残留したトナーTを除去して感光ドラム178を清掃するクリーニングユニット199が配置されている。
【0043】
上記した感光ドラム178、帯電ローラ180、現像器182、クリーニングユニット199によって、本発明にいうプロセスカートリッジの一例が構成されている。このプロセスカートリッジはプリンタ170に着脱自在に収容されている。また、上記したプロセスカートリッジや定着装置300はプリンタ170の内部空間に収容されており、プリンタ170にはこの内部空間を囲む筐体171が備えられている。この筐体171には、回転軸173aを中心にして矢印D方向に自在に開閉するカバー173(本発明にいうカバーの一例である)が形成されている。
【0044】
定着装置300はフィルム加熱定着方式のものであり、最大で例えばA3サイズの記録媒体12を定着できる。定着装置300は、その周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト320と、この薄膜フェルト320に押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ340とを備えている。
【0045】
薄膜フェルト320の内部には、図5に示すように、この薄膜フェルト320を加圧ローラ340に押し付けるためのステー322が配置されている。ステー322は剛性・耐熱性を有するものであり、薄膜フェルト320は回転自在に案内する。ステー322は、加圧部材324によって加圧ローラ340に向けて加圧されている。ステー322は、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト320の長手方向に延びている。薄膜フェルト120の長手方向とは、図5の紙面に垂直な方向であり、記録媒体12の搬送方向(矢印A方向)に直交する方向である。加圧部材324も、横断面がU字状のものであり薄膜フェルト320の長手方向に延びている。また、ステー322のうち薄膜フェルト320に接触する平坦部の表面には、薄膜フェルト320を所定温度に加熱する加熱体330(例えばセラミックヒータ)が配置されている。なお、加熱体330も薄膜フェルト320の長手方向に延びている。
【0046】
また、薄膜フェルト320や加圧ローラ340にユーザの手が直接に接触しないように、定着器カバー350(本発明にいう覆い壁の一例である)が薄膜フェルト320の上方に配置されている。定着器カバー350は薄膜フェルト320を覆うように配置されている。この定着器カバー350のうち矢印A方向下流側の下流側部分352は記録媒体12を搬送ローラ394に案内する案内部材を構成している。下流側部分352の下方には案内板314が配置されている。下流側部分352と案内板314との隙間は矢印A方向下流側に向かうほど(搬送ローラ394に近づくほど)狭くなっており、記録媒体12を搬送ローラ394のニップ部394aに正確に案内できるように構成されている。
【0047】
案内板314には、案内板314と下流側部分352との間を通過する記録媒体12を検知する排紙センサ360(本発明にいうジャム検知センサの一例である)が配置されている。排紙センサ360は、通過する記録媒体12が当接する当接部362と、この当接部362を回動自在に支持する回動軸364と、当接部362とは反対方向に回動軸364から延びるセンサ部366とを備えている。センサ部366の近傍には発光素子と受光素子(図示せず)が配置されており、センサ部366の位置に応じて発光素子からの光がセンサ部366によって遮られるので、受光素子には光が照射されない。
【0048】
排紙センサ360に外部から力が作用しないときは、案内板314と下流側部分352との間を塞ぐように当接部362が立っている。このときは、センサ部366が発光素子からの光を遮る。このため、CPU(図示せず)は、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過していないと判断する。一方、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過しているときは、記録媒体12が当接部362に当接したままであるので、排紙センサ360は回動軸364を中心にして矢印G方向に回動したままとなる。このときは、センサ部366が発光素子からの光を遮らずに、この光は受光素子に照射される。このため、CPU(図示せず)は、案内板314と下流側部分352との間を記録媒体12が通過していると判断する。
【0049】
上記したCPUには、加圧ローラ340の回転状態や記録媒体12の搬送の有無などの情報が送られている。従って、案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12がジャムを起こして、図5に示す状態になったときは、加圧ローラ340が回転して記録媒体12が案内板314と下流側部分352との間を通過しているにもかかわらず、この間には記録媒体12が存在しないという情報がCPUに送られる。従って、CPUではジャムが発生したと判断する。
【0050】
記録媒体12にトナーTを定着する際は、加熱体330が所定温度に達し、且つ、加圧ローラ340の回転に伴って回転する薄膜フェルト320の回転周速度を一定にさせる。この状態になった後に、加熱体330と加圧ローラ340とで形成されるニップ部Nの間に記録媒体12が搬送されてくる。記録媒体12がニップ部Nで挟持されながら矢印A方向に搬送されることにより、加熱体330の熱が薄膜フェルト320を介して記録媒体12に伝導し、記録媒体12上の未定着像(現像像)Tが記録媒体12の面に加熱定着される。ニップ部Nを通過した記録媒体12は薄膜フェルト320から分離されて搬送ローラ394のニップ部394aに向けて搬送される。
【0051】
上記した定着器カバー350のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト320の回転方向(矢印E方向)下流側部分の上方には、所定のタイミングで薄膜フェルト320から接離する押付部材370が配置されている。押付部材370が薄膜フェルト320に押し付けられるタイミングは、ここでは、排紙センサ360がジャムを検知したタイミングである。
【0052】
押付部材370は、薄膜フェルト320を挟んで加圧ローラ340の反対側に配置されている。押付部材370は、薄膜フェルト320に倣うように下面が湾曲した押付部372と、この押付部材372を上下動させる上下動部374とを有する。押付部372の下面は耐熱性フェルトなどから構成されており、薄膜フェルト320を傷付けたり磨耗させたりしないようになっている。上下動部374の長手方向一端部は押付部372の上面に固定されており、長手方向他端部は回動軸376に固定されている。この回動軸376は、上記したCPUからの指示によって回動する。この回動の結果、押付部372が上下動する。薄膜フェルト320に記録媒体12が付着した状態で押付部372が下がったときは、この付着した記録媒体12が押付部372によって薄膜フェルト320に押し付けられる。
【0053】
定着器カバー350のうち押付部材370よりも薄膜フェルト回転方向(矢印E方向)上流側部分には、押付部材370に隣接する開口354が形成されている。この開口354は記録媒体12の幅(図5の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口354の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。
【0054】
プリンタ170で印字動作中に、記録媒体12は排紙センサ360や上記のCPUなどによって正常に搬送されているか監視されている。記録媒体12が正常に搬送されているときは、押付部372は薄膜フェルト320から離れている。何らかの原因によって、図5に示すように案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12が紙詰まりを起こして定着装置300に記録媒体12が滞留したり、記録媒体12の搬送が遅延したりしたときは、上記のCPUが紙詰まりと判断して定着装置300を停止させる。この停止と同時に、押付部材370が下方へ移動して押付部372が薄膜フェルト320に押し付けられる。押付部材370の移動は極力早い方が好ましい。発生した紙詰まりの形態によっては記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付くおそれがある。
【0055】
図5に示すように記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付こうとした場合、巻き付こうとする記録媒体12の先端に押付部372を押し付けてこの先端を薄膜フェルトに320に押し付ける。又は、記録媒体12が押付部372の下方をやや通過した位置で、押付部372を薄膜フェルト320に押し付ける。このように押付部372が記録媒体12の一部を薄膜フェルト320に押し付けることによって、薄膜フェルト320に巻き付こうとする記録媒体12の搬送を止めさせることができる。この場合、上記のCPUが定着装置300を停止させるまでの時間と押付部372が記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けるまでの時間とには多少のタイムラグが生じる。この結果、記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けて止めるまでタイミングに多少のずれが生じる。しかし、記録媒体12が押付部372の下方に到達するよりも以前、若しくは、記録媒体12が押付部372の下方を多少通過した後に押付部372が薄膜フェルト320に押し付けられたとしても、記録媒体12の先端におおよそ近い位置であれば効果に変わりはない。
【0056】
上記のようにして、押付部372によってその先端部分の巻き付きを止められた記録媒体12は、薄膜フェルト320に巻き付けなくなるので、薄膜フェルト320から剥離し始めて、図5に示すように開口354から排出される。
【0057】
上述したように、薄膜フェルト320に巻き付き始めた記録媒体12の先端部を押付部372が薄膜フェルト320に押し付けて停止させ、この停止によって巻き付こうとする記録媒体12を薄膜フェルト320から剥離させて開口354から排出させる。また、図4に示すように、ユーザがカバー173を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置300を目視できる。この状態でも、開口354から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。また、排紙トレイ198を開けることにより定着装置300を目視できるので、この定着装置300から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
[第4実施形態]
【0058】
図6を参照して定着装置の第4実施形態を説明する。
【0059】
図6は、定着装置の第4実施形態の概略構成を示す模式図である。この図では、図5に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0060】
定着装置400は、定着装置300に代えてプリンタ170に組み込まれるものである。定着装置400の定着器カバー450のうちニップ部Nよりも薄膜フェルト320の回転方向(矢印E方向)上流側部分には、所定のタイミングで薄膜フェルト320から接離する押付部材470が配置されている。押付部材470が薄膜フェルト320に押し付けられるタイミングは、ここでは、排紙センサ360がジャムを検知したタイミングである。
【0061】
押付部材470は、進行してきた記録媒体12が挟持されるニップ部Nの入口の上方である。押付部材470は、薄膜フェルト320に倣うように側面が湾曲した押付部472と、カールした記録媒体12’をニップ部Nに案内するガイド部474と、押付部472及びガイド部474を上下動させるカム476とを有する。カム476は中心軸476aを中心にして回動する。カム476はプリンタ170(図4参照)のCPUに制御されて所定のタイミングで回動する。図6の実線で示される押付部材470の位置では、押付部472が薄膜フェルト320から離れており、この位置では、押付部472は薄膜フェルト320に接触しておらず、薄膜フェルト320に巻き付こうとしている記録媒体12を薄膜フェルト320から分離する非接触分離爪の機能も発揮する。また、図6の二点鎖線で示される押付部材470の位置では、押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられている。なお、押付部472の側面(薄膜フェルト320に接触する面)は耐熱性フェルトなどから構成されており、薄膜フェルト320を傷付けたり磨耗させたりしないようになっている。
【0062】
定着器カバー450のうち押付部材470よりも薄膜フェルト回転方向(矢印E方向)上流側部分には、押付部材470に隣接する開口454が形成されている。この開口454は記録媒体12の幅(図6の紙面に垂直方向の長さ)よりも広い幅をもつ。なお、開口454の矢印E方向長さは、記録媒体12を排出させるために充分な長さでよく、好ましくは15mm程度である。
【0063】
プリンタ170で印字動作中に、記録媒体12は排紙センサ360や上記のCPUなどによって正常に搬送されているか監視されている。記録媒体12が正常に搬送されているときは、押付部472は薄膜フェルト320から離れている。何らかの原因によって案内板314と下流側部分352との間で記録媒体12が紙詰まりを起こして定着装置400に記録媒体12が滞留したり、記録媒体12の搬送が遅延したりしたときは、上記のCPUが紙詰まりと判断して定着装置400を停止させる。この停止と同時に、カム476が回動して押付部材470が下方へ移動して押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられる。押付部材470の移動は極力早い方が好ましい。発生した紙詰まりの形態によっては記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付くおそれがある。
【0064】
記録媒体12が薄膜フェルト320に巻き付こうとした場合、巻き付こうとする記録媒体12の先端に押付部472を押し付けてこの先端を薄膜フェルトに320に押し付ける。このように押付部472が記録媒体12の一部を薄膜フェルト320に押し付けることによって、薄膜フェルト320に巻き付こうとする記録媒体12の搬送を止めさせることができる。この場合、上記のCPUが定着装置400を停止させるまでの時間と押付部472が記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けるまでの時間とには多少のタイムラグが生じる。この結果、記録媒体12を薄膜フェルト320に押し付けて止めるまでタイミングに多少のずれが生じる。しかし、記録媒体12が押付部472の側方に到達するよりも以前、若しくは、記録媒体12が押付部372の側方を多少通過した後に押付部472が薄膜フェルト320に押し付けられたとしても、記録媒体12の先端におおよそ近い位置であれば効果に変わりはない。
【0065】
上記のようにして、押付部472によってその先端部分の巻き付きを止められた記録媒体12は、薄膜フェルト320に巻き付けなくなるので、薄膜フェルト320から剥離し始めて、開口454から排出される。
【0066】
上述したように、薄膜フェルト320に巻き付き始めた記録媒体12の先端部を押付部472が薄膜フェルト320に押し付けて停止させ、この停止によって巻き付こうとする記録媒体12を薄膜フェルト320から剥離させて開口454から排出させる。また、図4に示すように、ユーザがカバー173を開いてプロセスカートリッジを取り出すことにより定着装置400を目視できる。この状態でも、開口454から排出された記録媒体12をユーザが容易に取り出せてジャム処理を行える。また、排紙トレイ198(図4参照)を開けることにより定着装置400を目視できるので、この定着装置400から排出された記録媒体12を容易に取り除けてジャム処理を行える。
【0067】
なお、排紙センサ360によって万が一ジャムを検知できなかったり検知のタイミングが遅れたりしても、薄膜フェルト320から離れている押付部472が上記の非接触分離爪の機能を発揮するので、薄膜フェルト320に巻き付こうとしている記録媒体12が薄膜フェルト320から分離される。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の定着装置では、薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになってもこの記録媒体は分離部材によって薄膜フェルトから分離されて、覆い壁の開口から排出される。従って、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いてニップ部に再び入り込むことが防止される。また、開口から記録媒体を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。
【0069】
ここで、前記開口を開閉自在に塞ぐ扉を備えた場合は、扉を閉めて開口を塞いでおくことにより定着装置内部の温度低下を防止できる。
【0070】
また、前記画像形成装置は、前記定着装置が収容された内部空間を囲む、開閉自在なカバーが形成された筐体を有するものであり、前記カバーを開いて前記定着装置を目視した状態で、前記開口から排出された記録媒体を取り出すものである場合は、ジャム処理をいっそう容易に行える。
【0071】
さらに、前記画像形成装置は、前記内部空間に収容された所定形状のプロセスカートリッジが、前記カバーを開いた状態で前記内部空間から取り出されるように構成されたものであり、前記カバーを開いて前記プロセスカートリッジを前記内部空間から取り出すことによって前記定着装置を目視するものである場合は、定着装置を容易に目視できるので、ジャム処理をいっそう容易に行える。
【0072】
また、本発明の第2の定着装置では、薄膜フェルトの近傍で紙詰まりが起きて薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになったときは押付部材が薄膜フェルトに押し付けられるので、この押し付けによって、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付くことが防止される。
【0073】
ここで、前記押付部材が前記薄膜フェルトとの間に押し付けた記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えた場合は、薄膜フェルトに記録媒体が巻き付きそうになってもこの記録媒体は押付部材によって薄膜フェルトとの間に押し付けられて、覆い壁の開口から排出される。従って、記録媒体が薄膜フェルトに巻き付くことが防止される。また、開口から記録媒体を取り除くことによって紙詰まり(ジャム)を容易に解消できる。
【0074】
さらに、前記押付部材は、所定のタイミングで前記薄膜フェルトに接離するものである場合は、ジャムが起きたときにのみ押付部材を薄膜フェルトに押し付けることにより、使い勝手の良い定着装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着装置の第1実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。
【図2】図1の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】定着装置の第2実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図4】定着装置の第3実施形態が組み込まれた電子写真プリンタの内部構造の概略を示す模式図である。
【図5】図4の定着装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】定着装置の第4実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図7】フィルム加熱定着方式の定着装置を示す模式図である。
【図8】記録媒体が薄膜フェルトに巻き付いた状態を示す模式図である。
【図9】ニップ部を拡大して示す模式図である。
【図10】記録媒体が隙間を通り抜けてループ状になった状態を示す模式図である。
【符号の説明】
70,170 プリンタ
98 排紙トレイ
100,200,300,400 定着装置
120,320 薄膜フェルト
140,340 加圧ローラ
150,350 定着器カバー
154,354,454 開口
160 分離爪
202 扉
360 排紙センサ
370,470 押付部材
Claims (7)
- 記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された、前記薄膜フェルトに付着している記録媒体を該薄膜フェルトから分離させる分離部材と、
該分離部材によって前記薄膜フェルトから分離された記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記開口を開閉自在に塞ぐ扉を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記画像形成装置は、
前記定着装置が収容された内部空間を囲む、開閉自在なカバーが形成された筐体を有するものであり、
前記カバーを開いて前記定着装置を目視した状態で、前記開口から排出された記録媒体を取り出すものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記画像形成装置は、
前記内部空間に収容された所定形状のプロセスカートリッジが、前記カバーを開いた状態で前記内部空間から取り出されるように構成されたものであり、
前記カバーを開いて前記プロセスカートリッジを前記内部空間から取り出すことによって前記定着装置を目視するものであることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の定着装置。 - 記録媒体に現像像を形成してこの現像像を定着させることにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置における、内部に加熱体が配置されると共にその周方向に回転する円筒状の薄膜フェルト及びこの薄膜フェルトに押し付けられながらその周方向に回転する加圧ローラ双方が互いに接触したニップ部に記録媒体を挟持しながら搬送してこの記録媒体に現像像を定着する定着装置において、
前記薄膜フェルトの近傍で記録媒体が紙詰まりを起こしたことを検知するジャム検知センサと、
前記ジャム検知センサが紙詰まりを検知したときに前記薄膜フェルトに押し付けられる、前記ニップ部よりも前記薄膜フェルトの回転方向下流側に配置された押付部材とを備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記押付部材が前記薄膜フェルトとの間に押し付けた記録媒体を排出するための開口が形成された、前記薄膜フェルトを覆う覆い壁とを備えたことを特徴とする定着装置。
- 前記押付部材は、
所定のタイミングで前記薄膜フェルトに接離するものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094309A JP2004302076A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003094309A JP2004302076A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 定着装置 |
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JP2004302076A true JP2004302076A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33406899
Family Applications (1)
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JP2003094309A Withdrawn JP2004302076A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 定着装置 |
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JP (1) | JP2004302076A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007232877A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置の定着装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094309A patent/JP2004302076A/ja not_active Withdrawn
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