JP2004300144A - ベロ毒素を捕捉する高分子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加水分解しない非還元ニ糖を用いて糖鎖高分子を合成して、ベロ毒素を捕捉する材料を提供すること。
【解決手段】 工業的に入手できる非還元ニ糖、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドを用いて、加水分解酵素によるエステル化反応によって、糖鎖高分子のモノマーを合成し、さらにこれをラジカル重合して得られる糖鎖高分子を製造する。また、そのようなα‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドを側鎖に有する高分子をベロ毒素の捕捉材料として用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベロ毒素を強力に捕捉する糖鎖高分子に関し、中でも加水分解酵素の特異な反応による糖鎖高分子の簡便な製造方法に関するものである。
病原性大腸菌が産出するベロ毒素は、強力な食中毒を引き起こすことから、社会問題になっている。これを強力に中和、捕捉する物質の開発が望まれている(非特許文献1参照)。
K. Sandvig, Toxicon 39(2001)1629-1635
病原性大腸菌による食中毒を発症した場合に、病原性大腸菌を殺傷するべく、抗生物質の投与が行われる。しかし、かえって、大腸菌からの毒素の放出を招き、症状を悪化させることが障害となっている。
そこで、ベロ毒素と結合する糖鎖を用いたベロ毒素の中和剤の開発が行われた。ベロ毒素はGb3(α-Gal-(1-4)-β-Gal-(1-4)-β-GlcCer)、Gb2(α-Gal-(1-4)-β-GalCer)によって中和されることが知られている。しかし、経口投与すると糖鎖が加水分解されてしまうことから、十分な効果が得られない。
また、糖鎖単体ではベロ毒素に対する結合性は強くないため、十分な効果が得られない。環状化合物や高分子と結合させて、多価効果を賦与させるとベロ毒素と強く結合することが分かっている。
しかし、糖鎖高分子を得るためには、多段階、困難な反応を経て、糖鎖を修飾することが必要であった。すなわち、これまでに糖加水分解酵素で加水分解しない糖鎖によるベロ毒素の捕捉材がなかった。また、ベロ毒素を捕捉する高分子の簡便な合成方法が知られていなかった。
そこで、本発明では糖加水分解酵素による影響を受けない非還元ニ糖からなる糖鎖高分子を簡便に合成して、ベロ毒素の捕捉剤を提供することを目的とする。
本発明は、D-ガラクトースとD-グルコースがα,α‐1,1グルコシド結合した非還元二糖を酵素で選択的にエステル化して得られる糖鎖高分子のモノマー及び得られた糖鎖高分子から成る。
本発明の第一の実施態様は、D-ガラクトースとD-グルコースがα,α‐1,1グルコシド結合した非還元二糖、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドにビニルエステルを作用させて、リパーゼによる酵素反応によって、無保護、一段階で得られる糖鎖高分子モノマーである。このような糖鎖モノマーの具体例として、化合物1を挙げることができる。
化合物1は、D-ガラクトースとD-グルコースがα,α‐1,1グルコシド結合した非還元性ニ糖、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドに対して、加水分解酵素リパーゼを触媒としてカルボン酸ビニルエステルを反応させて得られる化合物(化合物1)である。
Figure 2004300144
本発明の第二の実施態様は、前記の糖鎖高分子のモノマー(化合物1)を重合して得られる糖鎖高分子(化合物2)である。
Figure 2004300144
なお、本発明にあっては、高分子の主鎖は多くのビニル化合物に適用することができ、化合物1および、2で表される糖鎖高分子モノマー、糖鎖高分子のみならず、メタクリル酸誘導体やアクリル酸誘導体、スチレン誘導体など高分子主鎖は適宜選択される。誘導体のアルキル鎖はnが4から20まで適宜選択される。
ところで、かくの如き本発明において、用いられてる非還元二糖、α-D-ガラクトシル α-グルコシドは、本明細書の実施例に記載した方法で調製する結晶品が使用できる。特開平10-304881に開示される方法により容易に調製し得る。即ち、トレハロースとD-ガラクトース、及びリン酸ニ水素ナトリウムを含む水溶液に、サーモアナエロビウム・プロッキ―由来のトレハロースホスホリラーゼを加え、酵素反応させ、トレハラーゼ処理、各種カラムクロマトグラフィーにより、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド高含有画分を採取し、脱塩、精製、濃縮、晶折、分蜜、乾燥、結晶して、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド(別名 α-D-グルコシル α-D-ガラクトシド)高含有粉末を得ることができる。
更に、本発明の反応で用いられる加水分解酵素、リパーゼ、は工業製品の製造、工業製品として用いられているものであって、有利には、安価な市販品として入手し得るものである。故に、酵素を用いた糖鎖モノマーの合成は多くの合成および精製操作を必要とする化学合成法よりも安価に糖鎖高分子を合成し得るものである。
具体的には、それらの糖鎖高分子は図1に示される如き、合成工程に従って、一段階の反応で容易に製造され得るのである。そこでは糖鎖の水酸基に保護基を導入せしめることなく、加水分解酵素、リパーゼを触媒として用いることでα-グルコース残基のみがカルボン酸ビニルエステルと反応し、一段階の簡易な操作によって糖鎖高分子のモノマーを得ることができるのである。このモノマーはラジカル重合することができ、容易に糖鎖高分子を得ることができるのである。
Figure 2004300144
因みに、図1に示される合成工程において、出発原料であるα‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドは8つの水酸基を有する。これまでに知られている化学合成法によれば、すべての水酸基がエステル化を受けることになるのである。要するに、ピリジンを溶媒とするα‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドをリパーゼを用いてエステル化すると、リパーゼの官能基選択性により、グルコースの6位の水酸基のみが反応するのである。
また、図1の工程において、得られたモノマーは重合性のビニル基を有する糖鎖高分子のモノマーになるのである。
その化合物はビニル基を持つため、ラジカル重合が可能である。ラジカル重合して得られる糖鎖高分子はモノマーユニットに糖が組み込まれているため、糖鎖が高密度に集合した高分子となっている。
それによって、ベロ毒素と多価効果によって強く認識されることとなるのである。
また、かかる重合性の糖アルコール型のモノマーと共重合せしめられるほかの不飽和モノマーとしては、ラジカル重合等が可能な重合性の二重結合を有する公知の有機化合物の何れもが適宜用いられえるが、中でもアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジイソプロピルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類及びそれらの誘導体類、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸及びそれらの誘導体類;N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等のN-ビニルラクタム類の如き親水性モノマーが有利に用いられ、そのような他の不飽和モノマーとの共重合によって、水可溶性の重合体として形成せしめられることとなる。
図1のような工程で得られた糖鎖高分子はGb2と類似の構造を有するα‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドの糖鎖高分子であり、Gb2様の活性を効率的に発現する。
ベロ毒素−1型との結合は効率的におこり、糖単体α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドよりも大きくなった。このことから、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドを側鎖に有する糖鎖高分子はベロ毒素を効率的に捕捉する材料となるのである。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって何等の制約をも受けるものでないことはいうまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも更には上記した発明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し得ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
(結晶 α―D−ガラクトシル α―D―グルコシドの調製)
トレハロースを5%(w/w)、D-がラクトースを2.5%(w/w)及び5mMのリン酸二水素ナトリウムを含む水溶液をpH5.0に調整し、これに特開平10−304881号公報に記載される実施例A―1の方法で調製したトレハロースホスホリラーゼをトレハロース1g当たり15単位になるように加え、60℃で72時間反応させた。得られた反応液を95℃で30分間加熱し、酵素を失活させた後、温度45℃に冷却し、pH7.5に調整し、これにバチルスエスピー(Bacillus sp.)T3由来のトレハラーゼ(株式会社 林原生物化学研究所製造)を固形物1グラム当たり10単位加え、45℃で24時間反応させた。得られた反応液を90℃で30分間加熱し、酵素を失活させた後、市販パン酵母を固形物重量あたり湿重量で5%となるように加えて、1N-水酸化ナトリウム溶液を用いて反応液をpH5から6に制御しながら、27℃で6時間保ち、反応液中のD-グルコースを質化させた。パン酵母を遠心分離により取り除いた上清を、常法に従って、活性炭で脱色し、ろ過し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、更に濃縮して、固形物濃度約45%(w/w)の糖液を得た。本糖液中のα―D−ガラクトシル α―D―グルコシド含有率を高めるため、アルカリ金属型強酸性カチオン交換樹脂(ローム アンドハース ジャパン 株式会社製、商品名「XT-1016」、Na型、架橋度4%)を使用し、内径3cm、長さ1mのジャケット付きステンレス製カラム4本に、水に懸濁して充填し、直列につなぎ、樹脂層全長が約4mになるようにした。カラム内温度を40℃に維持しつつ、糖液を樹脂に対して5%(v/v)加え、これに約40℃の温水をSV0.15の流速で流して分画し、α―D―ガラクトシル α―D―グルコシド高含有画分を採取し、これを濃度約85%(w/w)に濃縮して助晶機にとり、種晶としてα―D―ガラクトシル α―D−グルコシド 1含水結晶粉末を約1%(w/w)加え、攪拌しつつ徐冷し、α―D−ガラクトシル α―D―グルコシドを晶出させた。次いで、バスケット型遠心分離器で分蜜し、結晶を少量の水でスプレーして洗浄し、乾燥して、結晶α―D―ガラクトシル α―D−グルコシドを原料固形物あたり収率約10%で得た。
(糖鎖モノマーの合成)
まず、前記の方法で得た結晶α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドを出発原料として、図1に示される合成工程に従って、化合物1を製造した。
A)合成例:α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド 6-O-ビニルセバクテートの合成
α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド(0.30 g)、セバシン酸ジビニル(0.84 g)をピリジン中に溶解させた。その混合溶液中にリパーゼPS(天野製薬社製)(0.30g)を加えて、50度で3日間、攪拌した。反応終了後、反応溶液を濾過(ミリポア社製)した。溶媒を減圧下で濃縮し、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(TSKgel ODS 80Ts、東ソー社製)(展開溶媒:メタノール/水=1/1、常圧クロマトグラフィー)で分離・精製して、白色固体である、α-ガラクトース-(1’-1)-α-グルコース 6-O-ビニルセバクテート(202 mg, 44 %)を得た。その白色固体の13C-NMR測定結果において、グルコースのC-6位のシグナルが移動したことから構造を確認した。エステルの生成はIRスペクトルの1740cm-1の吸収からも確認された。また、マススペクトルによってもモノエステル体の生成が確認された。
IR ( KBr ) : υ ( OH ) 3200 - 3500 ,υas ( CH2 ) 2931 ,υs ( CH2 ) 2858 ,υ( CO ( ester ) ) 1740,υs( C = C ( vinyl ) ) 1646 ,υas ( COC ) 1149 ,υs ( COC ) 1082 , MALDI TOF MS - for C24H40O14 m/z:552[ M ]; found 552 , 575 [ M + Na ]+ ; founds 576 , 1H NMR ( 500MHz , DMSO-d6/D2O ) : δ1.28 ( overlapped , m , 8H , (CH2)4CH2CH2COO ) , 1.50 - 1.58 ( overlapped , m , 4H , CH2CH2COO ) , 2.29 ( t , 2H , CH2CO-D-Glc , J = 7.5 Hz ) , 2.43 ( t , 2H , CH2COOCHCH2(vinyl) , J = 7.5 Hz ) ,δ3.13 ( t ,1H , CH(OH) 4 position ( α-D-Glc ) , J3-4 = J4-5 = 9.0 Hz ), 3.23 ( dd , 1H , CH(OH) 2 position ( α-D-Glc ) , J1-2 = 3.5 Hz , J2-3 = 9.5 Hz ) , 3.46 - 3.78 ( overlapped , m , 6 H , CH(OH) 2’,3’, 4’ and CH2OH 6’ positions ( α-D-Gal ) , CH(OH) 5 and CH2OH 6 positions ( α-D-Glc ) ) , 4.04 - 4.12 ( overlapped , m , 2H , CH(OH) 5’ position ( α-D-Gal ) ) , CH2OH 6 positions ( α-D-Glc ) ) , 4.68 ( dd , 1H , vinyl , J = 6Hz, 1.5Hz) , 4.88 - 4.90 ( overlapped , 1H , vinyl ) , 7.24 (dd, 1H, vinyl, J = 13.5Hz, 6Hz ) , 13C NMR ( 125MHz , DMSO-d6 / D2O ) : 25.1 ( CH2CH2CO-D-Glc ) , 25.5 (CH2CH2COOCHCH2( vinyl ) ), 29.4 (CH2(CH2)2COOCHCH2 ( vinyl ) ), 29.5 (CH2(CH2)2CO-D-glucitol ) , 29.56 ( CH2(CH2)3COOCHCH2 ( vinyl ) ) , 29.62 ( CH2(CH2)3CO-D-Glc ) , 34.1 ( CH2COOCHCH2( vinyl ) ) , 34.6 ( CH2CO-D-Glc ) , 61.8 ( CH2OH 6’ position ( D-Gal ) ) , 64.6 ( CH2OH 6 position ( D-Glc ) ) , 68.7 ( CH(OH) 2’ position ( D-Gal ) ) , 69.6 ( CH(OH) 4’ position ( D-Gal ) ) , 69.8 ( CH(OH) 3’ position ( D-Gal ) ), 70.2 ( CH(OH) 4 position ( D-Glc ) ) , 71.2 ( CH(OH) 2 position ( D-Glc ) ) , 72.6 ( CH(OH) 5’ position ( D-Gal ) ) , 73.6 ( CH(OH) 5 position ( D-Glc ) ) , 73.9 ( CH(OH) 3 position ( D-Glc ) ) , 94.1 ( CH(OH) 1 position ( D-Glc ) ) , 94.3 ( CH(OH) 1’ position ( D-Gal ) ) 99.2 ( CH2CHOCO ) , 142.3 ( CH2CHOCO ) , 171.2 ( COOCHCH2 ) , 173.9 ( OCOCH2CH2 )
この反応の酵素としてはリパーゼ、プロテアーゼなどの加水分解酵素の利用が考えられる。そこで、その他リパーゼ(ノボザイム435(ノボノルディスク社製)、リパーゼAK(天野製薬社製)、リパーゼPS(天野製薬社製)、リパーゼPPL(シグマアルドリッチ社製))を用いた合成の結果について下表1に示す。
Figure 2004300144
(高分子の合成)
その後、得られた化合物1を公知のラジカル重合によって重合した。
上記で得られた糖鎖モノマー化合物1(10 mg, 0.23 mmol)を脱気水(0.15ml)、DMSO(0.10mL)に溶解し、L-アスコルビン酸(0.44mg、30%過酸化水素水(0.25μL)を加えた。その混合物に対して、凍結脱気を減圧下で3回行い、重合試験管内に収容して、35℃で24時間、インキュベートした。その後、重合試験管を開封し、続いて、反応混合物をイオン交換水に希釈して、透析チューブ(分画分子量 3000)内で2 日間透析した。水を減圧下で留去した後、凍結乾燥して、白色固体である糖鎖高分子を得た(収量 31.5mg)。数平均分子量Mn=9.9 x 103 (体積排除クロマトグラフィー:東ソー社製、Shodex B804+B805 columns)により同定、スタンダード:プルラン、展開溶媒:PBS、流速:0.5ml/min)
ベロ毒素認識能の試験
ベロ毒素との結合試験をベロ毒素センサーを用いて行った。
水晶発振子を糖脂質で修飾したセンサーはベロ毒素を強く吸着する(Y. Miura, et al. Anal. Biochem 2002, 310, 27-35)。α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドのポリマーを加えると、ベロ毒素と糖鎖が結合することにより、センサー素子への毒素の結合が抑制される。これは細胞表層へのベロ毒素の感染抑制とみなすことができる。
下の図面1に、センサー表面への毒素の吸着量と毒素の関係を示す。糖を全く加えない場合(■)は毒素の濃度と共に吸着力の増加が見られる。例えば、20 x 10-9 (M)の濃度の毒素溶液中ではセンサー表面に42.9ngの吸着が見られた。そこへ、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシド(○)、及び、α‐D‐ガラクトシル α‐D−グルコシドのポリマー(化合物2)(△)(10−6M)を加えたときのセンセーへの吸着量は、大きく抑えられる。例えば、20 x 10-9 (M)の濃度の毒素溶液中でαガラクトース‐(1’-1)-α‐グルコースを加えた時はセンサー表面への毒素の吸着量は26.2ngであり、化合物2を加えた時は10.0ngであり、化合物2では吸着量が20%程度まで大きく抑えられることがわかった。
図1はこの発明の実施例の糖鎖高分子の合成工程を示す図である。 図2は実施例の糖鎖高分子を装着したベロ毒素センサーのベロ毒素吸着性能を示すグラフ図である。

Claims (3)

  1. D-ガラクトースとD-グルコースがα,α-1,1グルコシド結合した非還元性二糖を有する糖鎖モノマー、糖鎖高分子の製造方法。
  2. 下記化1で表されることを特徴とする糖鎖モノマー。
    Figure 2004300144
  3. 請求項2のモノマーが重合して生成した糖鎖高分子(下記化2)。
    Figure 2004300144
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