JP2004300078A - テレフタル酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、反応温度を速やかにアルコールの沸点以上に上昇させることができ、効率よくテレフタル酸ジエステルを製造することができる方法を提供することにある。
【解決手段】テレフタル酸と1価のアルコールとをエステル化反応させてテレフタル酸ジエステルを製造するにあたり、原料としての1価のアルコールより高い沸点を有する化合物(高沸点化合物)を共存させて反応を開始することを特徴とするテレフタル酸ジエステルの製造方法であり、高沸点化合物の沸点が、該エステル化反応において製造されるテレフタル酸ジエステルの沸点以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレフタル酸ジエステルの製造方法に関し、更には該製造方法にて製造されたテレフタル酸ジエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルアジペート(DOA)等のジカルボン酸ジエステルの製造においては、アルコールの過剰のもとで、エステル化触媒の存在下または不存在下に、常圧または減圧下でエステル化反応させ、生成した水を連続的に反応系外に除去しながら反応を進め、その後使用目的に応じてアルカリ洗浄、水洗、不純物の吸着、蒸留等の後処理を経て、可塑剤、溶剤等として使用している。
【0003】
しかしながら、この方法をテレフタル酸のジエステルの製造に応用した場合、テレフタル酸には融点がなく、また原料アルコールや生成物のテレフタル酸ジエステルに難溶性であるために、更には、反応温度を速やかにアルコールの沸点より高い温度に上げることができないために、反応速度が著しく遅く、工業的方法としては採用し得ない。
【0004】
テレフタル酸のジエステル化反応は、テレフタル酸に融点がなく、また原料アルコールに難溶性のため、例えばこの反応を常圧で行うときはアルコールの沸点が反応初期の反応温度の到達限界であり、長時間にわたって徐々にエステル化が進行する。反応の進行とともに液相を形成するジエステルとアルコールの組成が変化してアルコールのモル分率が減少し、反応温度は徐々に上昇し、最終的には所定温度に達する。その後反応の進行を見ながら実質的に反応率を100%近くまで向上させ、水の除去を、多くの場合原料アルコールとの共沸で行い、留出した水およびアルコールの分離工程を経て実質的に水を含まないアルコールを反応系に戻す操作が採られる。テレフタル酸ジエステルは、このような方法によって一応製造をすることができるが、所望反応温度に到達するまでの反応温度の上昇が遅く、エステル化反応に長時間を要す。
【0005】
高級アルコールのテレフタル酸ジエステルを効率よく製造する方法として、該エステル化反応を加圧下で行うことが知られている(特開昭60−4151号公報)。加圧下でエステル化反応を実施することにより、所望反応温度まで反応温度を速やかに上げることが可能になり、効率よくエステル化反応を進行させることが可能になる。しかしながら、加圧でエステル化反応を行うためには反応装置として特殊な装置が必要となるという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−4151号公報 特許請求の範囲等
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特殊な反応装置を必要とすることなく、反応温度を速やかにアルコールの沸点以上に上昇させ、テレフタル酸と1価のアルコールとからテレフタル酸ジエステルを効率よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、テレフタル酸と1価アルコールとの効率のよいエステル化方法について、鋭意検討したところ、該エステル化反応に使用される1価アルコールより高い沸点を有する化合物(高沸点化合物)を該エステル化反応系に共存させて反応を開始することにより、短時間で所定温度に反応温度を到達せしめ、効率よくエステル化反応を進行させられることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明の要旨は、テレフタル酸と1価のアルコールとをエステル化反応させてテレフタル酸ジエステルを製造するにあたり、原料としての1価のアルコールより高い沸点を有する化合物(高沸点化合物)を共存させて反応を開始することを特徴とするテレフタル酸ジエステルの製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明方法を以下に詳述する。
<高沸点化合物>
本発明における高沸点化合物としては、原料としての1価のアルコール(以下「原料アルコール」ということがある)より高い沸点を有するものであれば、常温で液体または固体の化合物いずれの場合でも使用できる。常温で固体の場合は、その融点が原料アルコールの沸点以下であるか、または原料アルコールと相溶性のある化合物が好ましい。これら高沸点化合物が原料のテレフタル酸または1価のアルコールと反応し、目的とする生成物であるテレフタル酸ジエステル以外の生成物を生成する場合があり、原料のロス、または、生成物から除去するための負荷が大きくなるため好ましくない。すなわち、高沸点化合物として、原料のテレフタル酸または1価のアルコールと反応する官能基であるヒドロキシル基またはカルボキシル基を有さない化合物であることが好ましい。ただし、高沸点化合物が原料のテレフタル酸または1価のアルコールと反応する上述の官能基を有していても、目的生成物または目的生成物に到る中間生成物を生成する場合はこの限りではない。さらに高沸点化合物の沸点としては、必ずしも所望反応温度より高い必要はないが、高沸点化合物の沸点が所望反応温度より低い場合には、高沸点化合物の使用量によっては所望反応温度に到達するまでの時間が長くなる等の観点から、反応温度以上の沸点であることが好ましい。本発明における高沸点化合物は、原料アルコールより高い沸点を有するものであればよいが、短時間で所定温度に反応温度を到達せしめ効率よくエステル化反応を進行させられるとい観点から、原料アルコールの沸点よりも10℃以上沸点が高い化合物が好ましい。
【0011】
このような高沸点化合物の例としては、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、ドコサン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、シクロドデカン等の脂環族炭化水素類、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジブチルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)エーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル類、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、オクタノン、デカノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸オクチル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族カルボン酸類、安息香酸メチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル等の芳香族カルボン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等のアミン類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、および該エステル化反応により生成する生成物およびその混合物が挙げられる。これらの高沸点化合物は各々単独でまたは混合物で使用できる。なお、本発明においては、用いる原料アルコールに応じて、該原料アルコールよりも沸点の高い化合物を選択すればよい。
【0012】
これらの化合物の中でも、反応終了後に生成物から除去するたのめ分離工程が必要となる高沸点化合物を使用する場合には、生成物であるテレフタル酸ジエステルと分離可能な化合物が好ましい。
分離方法としては、抽出分離、蒸留分離等の通常の分離方法が使用できるが、抽出分離を行う場合には、抽出剤を使用するため、高沸点化合物および抽出剤を繰り返し使用する際には抽出剤と高沸点化合物の分離が必要となるため、蒸留分離を行うのが好ましい。蒸留分離を行う場合には、高沸点化合物が目的生成物のテレフタル酸ジエステルより高い沸点を有する場合、テレフタル酸ジエステルを蒸留により分取することが必要となり、精製工程の負荷が大きくなるという観点から、高沸点化合物の沸点は、該エステル化反応において製造されるテレフタル酸ジエステルの沸点以下であることが好ましい。
【0013】
さらに、上述の分離工程を省けるという観点から、高沸点化合物として、該エステル化反応により得られるエステル化反応生成物、または、エステル化反応により得られる反応混合物を用いることが特に好ましい。これらの化合物を共存させてエステル化反応を行った場合、得られるエステル化反応混合物に含まれる生成物の種類は、テレフタル酸と1価アルコールとのみからエステル化反応を行った場合の生成物と同一であるため、特別な分離工程を新たに設ける必要はない。なお、エステル化反応生成物の精製をする工程を省けるという観点から、エステル化反応により得られる反応混合物を用いることが好ましい。即ち、反応器にてテレフタル酸と1価のアルコールとをエステル化反応させ、反応器中の混合物を、テレフタル酸と1価のアルコールとをエステル化反応させる次のバッチの反応器中に混入(流入)させるリサイクルプロセスを組めばよい。この混合物としては、具体的には、エステル化反応に使用される1価アルコールのテレフタル酸ジエステル、テレフタル酸モノエステル、または、テレフタル酸と1価アルコールとのエステル化反応により得られる反応混合物が挙げられる。
【0014】
これら高沸点化合物の使用量については、使用するアルコールの沸点と所望反応温度との関係から任意に選ばれるが、高沸点化合物の使用量が少なすぎる場合には、反応温度を上昇させる効果が低く、また、使用量が多すぎる場合には生産性が低下するため、仕込み全重量に対する高沸点化合物の重量比は1〜80重量%の範囲から選ばれる。好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜50重量%の範囲である。
【0015】
<テレフタル酸>
本発明で用いるテレフタル酸は、特に制限はなく、通常、繊維、樹脂等の原料として用いられる市販の粉末状のものを用いることができる。
【0016】
<1価のアルコール>
本発明で原料として用いる1価のアルコールとしては特に制限はなく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール、2−メチルブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、n−ヘプタノール、2−メチルヘキサノール、n−オクタノール、2−メチルヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、イソノニルアルコール、n−デカノール、イソデカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール類等の脂環族アルコール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、トリルメタノール等の芳香族アルコールを挙げられる。またこれらのアルコールの混合物を用いてもよい。中でも、炭素数1〜18の脂肪族1価アルコールが好ましく、更に炭素数4〜12の範囲にある脂肪族1価アルコールであることが好ましい。特に好ましくはn−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール、2−メチルブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、n−ヘプタノール、2−メチルヘキサノール、n−オクタノール、2−メチルヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、イソノニルアルコール、n−デカノール、イソデカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノールである。
【0017】
これら1価のアルコールの仕込み量は特に限定されるものではないが、テレフタル酸1モルに対して、2.0〜4.0モル比、好ましくは2.1〜3.0モル比である。1価のアルコールの仕込量が少なすぎると反応の進行が遅くなったり、反応が押し切ることができなくなり、多すぎると、反応温度の上昇速度が遅くなることにより反応遅延の原因となったり、また反応終了後に過剰のアルコールを除去するための負荷が大きくなり好ましくない。
【0018】
<触媒>
本発明におけるエステル化反応は、エステル化反応触媒を使用せずとも可能であるが、反応効率の点からエステル化触媒を使用するのが望ましい。触媒としては、エステル化能を有するものであれば特に制限はなく、公知のエステル化触媒を使用することができる。例えば、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアレーンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、スズテトラエチレート、ブチルスズマレート、ジメチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のスズ化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、四塩化チタン等のチタン化合物、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物が挙げられる。これらの中でも、スズ、チタン、亜鉛等の金属化合物が好ましく、またこれらの使用量は、テレフタル酸100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。
【0019】
<反応装置>
反応装置としては、通常、エステル化反応に用いられる公知の反応装置が使用できる。具体的には、撹拌機、コンデンサーおよび凝縮液のうち1価のアルコールを還流できるようにした凝縮液溜めを備えた反応器等が挙げられる。
【0020】
<反応開始方法>
反応開始方法としては、特に制限はないが、テレフタル酸、1価のアルコール、高沸点化合物を全て仕込んだ後に加熱する方法、または、高沸点化合物を仕込み加熱した後に、テレフタル酸、1価アルコールを加えて反応させる方法等が可能である。後者の方法における加熱温度は所望反応温度以下であればよく、通常30℃〜250℃、好ましくは50℃〜250℃、より好ましくは100℃〜250℃である。加熱温度が低すぎると原料を仕込んでからの所望反応温度までの昇温に時間を要し、高すぎると1価のアルコールが沸騰するため、うまく仕込むことができなくなる等の問題が発生するおそれがある。
触媒を使用する場合の触媒の仕込み時期としては、特に制限はなく、反応開始時または反応途中のいずれでもよく、好ましくは、反応開始時に添加する方法が採られる。
【0021】
<反応条件および精製>
反応は通常アルコールの還流下で行われ、反応圧力としては一般には常圧〜100mmHg(用いるアルコールの蒸気圧により設定される 。具体的には、反応混合物が沸騰状態を維持する圧力に調整され、さらには、副生する水を系外へ除去することが可能な圧力に調整することが好ましい。)であり、また、反応温度は、使用するアルコールおよび高沸点化合物の種類、使用量により任意に設定することが可能であるが、通常、60〜250℃、好ましくは100〜250℃の範囲から選ばれる。反応温度が低すぎると反応の進行が遅く反応終了までに長時間を要し、高すぎると1価のアルコールが脱水したオレフィンや脱水縮合したエーテル化合物等の反応副生成物の増加をもたらす。
【0022】
本発明における反応時間は、反応温度、触媒を使用する場合の触媒使用量により変わりうるが、通常1時間〜48時間、好ましくは3時間〜24時間である。反応時間が短かすぎると原料のテレフタル酸および/または反応中間体であるモノエステルの含量が多く、反応後の酸成分を除去する後処理工程の負荷が大きくなり、長すぎると1価のアルコールが脱水したオレフィンや脱水縮合したエーテル化合物等の反応副生成物が増加する等によりテレフタル酸ジエステルの品質を損なう可能性がある。
【0023】
エステル化反応は上記反応条件において、生成する水をアルコールとの共沸で反応系から除外し、反応率を100%近くまで向上させ、アルコールおよび/または高沸点化合物を分離したのち、アルカリ洗浄、水洗、不純物の吸着、蒸留等の公知の方法で後処理することによりテレフタル酸ジエステルを得ることができる。触媒分離方法としては、例えば、エステル化触媒としてテトラアルキルチタネートを使用した場合、テトラアルキルチタネートを加水分解した後にろ過することにより触媒を分離する方法が挙げられる。
【0024】
<反応方式>
本発明のエステル化反応は、回分法、連続法のいずれにも適用できる。
【0025】
【実施例】
以下に本発明方法を実施例にて詳述する。
実施例1
撹拌機、温度計、還流管およびエステル管を備えた500ml四つ口フラスコに、テレフタル酸56.0g(0.337モル)、2−エチルヘキサノール109.8g(0.843モル、沸点:183℃)、高沸点化合物として2−エチルヘキサノールのテレフタル酸ジエステル(ジオクチルテレフタレート:DOTP)18.4g(0.047モル、沸点:400℃)およびテトライソプロピルチタネート(触媒)0.10ml(対仕込み重量比0.05重量%)を仕込み、反応系を窒素置換し、常圧下、撹拌しながら加熱を開始した。所望の反応温度220℃まで到達するのに3.5時間要した。3時間後に反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、テレフタル酸の転化率は66%で、DOTPの収率は64%であった。
【0026】
実施例2
テレフタル酸43.6g(0.262モル)、2−エチルヘキサノール85.4g(0.656モル、沸点:183℃)、高沸点化合物として2−エチルヘキサノールのテレフタル酸ジエステル(ジオクチルテレフタレート:DOTP)55.3g(0.142モル、沸点:400℃)およびテトライソプロピルチタネート(触媒)0.10ml(対仕込み重量比0.05重量%)を実施例1記載の反応装置に仕込み、同様にして反応を開始した。所望の反応温度220℃まで到達するのに2時間要し、3時間後のテレフタル酸の転化率は91%で、DOTPの収率は88%であった。
【0027】
比較例1
テレフタル酸62.3g(0.375モル)、2−エチルヘキサノール122.0g(0.937モル、沸点:183℃)およびテトライソプロピルチタネート(触媒)0.10ml(対仕込み重量比0.05重量%)を実施例1記載の反応装置に仕込み、同様にして反応を開始した。所望の反応温度220℃まで到達するのに4時間要し、3時間後のテレフタル酸の転化率は61%で、DOTPの収率は59%であった。
【0028】
実施例3
撹拌機、温度計、還流管、エステル管を備えた200mlの四つ口フラスコにテレフタル酸20g(0.12モル)、2−エチルヘキサノール39g(0.30モル、沸点183℃)、高沸点化合物としてN−メチルー2−ピロリドン(NMP)5.24g(0.053モル、沸点202℃)およびテトライソプロピルチタネート(触媒)0.030ml(対仕込み重量比0.045重量%)を仕込み、反応系を窒素置換し、常圧下、攪拌しながら加熱を開始し、4時間反応を行った。加熱開始0.5時間後の反応液温度は193℃であった。4時間反応後のDOTP収率は84.3%であった。
【0029】
比較例2
実施例3において、NMPを添加しない以外は、実施例3と同様に反応を行った(触媒の対仕込み重量比0.05重量%)。加熱開始0.5時間後の反応液温は188℃であり、4時間反応後のDOTP収率は72.9%であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、反応温度を速やかにアルコールの沸点以上に上昇させることができ、効率よくテレフタル酸ジエステルを製造することができる。

Claims (6)

  1. テレフタル酸と1価のアルコールとをエステル化反応させてテレフタル酸ジエステルを製造するにあたり、原料としての1価のアルコールより高い沸点を有する化合物(高沸点化合物)を共存させて反応を開始することを特徴とするテレフタル酸ジエステルの製造方法。
  2. 高沸点化合物の沸点が、該エステル化反応において製造されるテレフタル酸ジエステルの沸点以下であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 高沸点化合物が、該エステル化反応により生成するテレフタル酸ジエステル、または、該エステル化反応により得られる反応混合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 1価のアルコールが、炭素数4〜12の脂肪族アルコールである請求項1〜3のいずれかに記載のテレフタル酸ジエステルの製造方法。
  5. エステル化反応が、エステル化反応触媒により行われる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法にて製造されたテレフタル酸ジエステル。
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