JP2004299526A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用サスペンション装置に対して、簡単な構造でスタビライザとしての機能を兼備できるようにする。
【解決手段】車両前後方向に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスル10の両端部に枢着された左右一対のアッパーロッド18と、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスル10の略中央部に枢着された左右一対のロワーロッド24と、を備え、シャシフレームの下方にエアスプリング14により懸架された車両用サスペンション装置において、左右一対のロワーロッド24同士を、捩じり変化可能な板ばね,パイプ材などからなる連結部材32により連結する。そして、ロールなどで左右一対のロワーロッド24に上下のずれが生じると、これを連結する連結部材32の捩じり変形の反力を利用して、ロワーロッド24のずれを小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両前後方向に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスル10の両端部に枢着された左右一対のアッパーロッド18と、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスル10の略中央部に枢着された左右一対のロワーロッド24と、を備え、シャシフレームの下方にエアスプリング14により懸架された車両用サスペンション装置において、左右一対のロワーロッド24同士を、捩じり変化可能な板ばね,パイプ材などからなる連結部材32により連結する。そして、ロールなどで左右一対のロワーロッド24に上下のずれが生じると、これを連結する連結部材32の捩じり変形の反力を利用して、ロワーロッド24のずれを小さくする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用サスペンション装置に関し、特に、ロール剛性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バスなどの車両において、特許文献1に開示されるように、乗り心地を改善すべく、アクスルとシャシフレームとの間にエアスプリングを介装したサスペンション装置が広く採用されている。エアスプリングは、上下方向には乗り心地向上に有効な柔らかいばねとして作用するが、アクスルとシャシフレームとの相対関係位置を車両前後方向及び車幅方向について規制する機能が一般的に弱い。このため、アクスルとシャシフレームとの車両前後方向の相対関係位置を規制するラジアスロッド,車幅方向の相対関係位置を規制するラテラルロッド、及び、ロール剛性を向上させるスタビライザを併用するのが通例であった。
【0003】
一般的なスタビライザは、図6の60に示すように、略コ字状に形成されており、車両横方向に直線状に延びる中央部60Aが、捩じり変形可能に車体に取り付けられていた。また、車両後方に延びる左右のアーム部60Bの後端部は、ショックアブソーバ62を介して、車体に取り付けられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−79814号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、幼児,高齢者などが容易に乗降できるようにすべく、車室床面の地上高を低くした低床バスでは、アクスルと床面との間隔が極めて小さいという構成上の特徴がある。このため、スタビライザを配置するスペースが取り難く、その構造を複雑化せざるを得ず、コスト高になるのを避けられなかった。また、スタビライザがない車両では、スタビライザを配置するスペースが不十分であり、後付けでスタビライザを取り付けることは事実上不可能であった。
【0006】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、ロール剛性を向上させる構造を見直し、簡単な構造でスタビライザとしての機能を兼備できる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明では、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスルの略中央部に枢着された左右一対のラテラルロッドを備えた車両用サスペンション装置において、前記左右一対のラテラルロッド同士を、捩じり変形可能な連結部材により連結したことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、アクスルに装着された左右の車輪に同相の入力があったときには、左右一対のラテラルロッドが互いに同一角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じない。一方、左右の車輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のラテラルロッドが互いに異なる角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じる。このため、連結部材の反力により、左右の車輪の逆相変位又はロールが抑制される。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記連結部材は、弾性部材を介してラテラルロッドに連結されることを特徴とする。
かかる構成によれば、連結部材とラテラルロッドとの間にこじり変形が発生しても、これが弾性部材により吸収される。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記連結部材は、前記ラテラルロッドの軸方向に所定間隔を隔てて形成された鍔部により狭持されつつ連結されることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、連結部材は鍔部により狭持されつつラテラルロッドに連結されるため、ラテラルロッドの軸方向に対する連結部材のスライドが抑止され、ロール剛性の低下が抑制される。
【0012】
請求項4記載の発明では、前記連結部材は、板ばねからなることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記連結部材は、パイプ材からなることを特徴とする。
【0013】
これらの構成によれば、汎用品である板ばね又はパイプ材を用いることで、連結部材が安価かつ容易に形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1〜図3は、低床バスのフロントアクスルに対して、本発明に係る車両用サスペンション装置(以下「サスペンション装置」という)を適用した全体構成を示す。
【0015】
フロントアクスル10は、車両前後方向に延びる左右一対のサイドレール、及び、車幅方向に延びる複数のクロスメンバ12Aからなるシャシフレーム12の下方に配設され、エアスプリング14で懸架されている。また、フロントアクスル10は、床面をできるだけ低くすべく、正面視で中央部が下方に折り曲げられて略逆ハット状に形成されており、その両端部にナックル16を介して左右の前輪(図示せず)が装着される。
【0016】
フロントアクスル10の前方側のクロスメンバ12Aとフロントアクスル10との間の上部には、左右一対のアッパーロッド18が張設されている。アッパーロッド18は、フロントアクスル10とシャシフレーム12との間の車両前後方向の相対関係位置を規制するラジアスロッドとなるもので、車両前後方向に延びつつ、一端がシャシフレーム12の前方側のクロスメンバ12Aに枢着されると共に、他端がフロントアクスル10の両端部に枢着される。そして、アッパーロッド18の前端は、前方側のクロスメンバ12Aに固着されたブラケット20にゴムブッシュを介して枢着され、その後端は、フロントアクスル10の両端部に固着されたブラケット22にゴムブッシュを介して枢着されている。
【0017】
フロントアクスル10の前方側のクロスメンバ12Aとフロントアクスル10との間の下部には、左右一対のロワーロッド24が張設されている。ロワーロッド24は、フロントアクスル10とシャシフレーム12との間の車幅方向の相対関係位置を規制するラテラルロッドとなるもので、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレーム12の前方側のクロスメンバ12Aに枢着されると共に、他端がフロントアクスル10の略中央部に枢着される。そして、ロワーロッド24の前端は、前方側のクロスメンバ12Aに固着されたブラケット26にゴムブッシュを介して枢着され、その後端は、フロントアクスル10の中央部に固着された共通のブラケット28にゴムブッシュを介して枢着されている。
【0018】
なお、符号30は、フロントアクスル10の両端部に結合されたナックル16を連結するタイロッドを示している。
ここで、本発明においては、車両のロール剛性を向上させるべく、捩じり変形可能な連結部材32を介して、左右一対のロワーロッド24を連結する構成が採用されている。連結部材32は、図4に示すように、板ばね34の両端部に、ロワーロッド24外周部に弾性部材としてのラバーブッシュ36を介して取り付けられる取付部38を備えた構成をなしている。取付部38は、ロワーロッド24を狭持する一対のクランプ部材40と、クランプ部材40同士を締結する締結具42と、を含んで構成される。クランプ部材40は、半円筒部40Aと、その両側縁から張り出す取付フランジ部40Bと、から構成される。取付フランジ部40Bには、締結具42としてのボルト42A及びナット42Bのうちボルト42Aが挿通する挿通孔が形成されている。
【0019】
そして、ロワーロッド24の外周部にラバーブッシュ36を装着した後、クランプ部材40の半円筒部40A同士を付き合わせつつ、一方の取付フランジ部40B同士を締結具42で締結する。また、他方の取付フランジ部40Bに、板ばね34の端部を重ね合わせてそのボルト挿通孔を一致させた後、板ばね34及びクランプ部材40を締結具42で締結する。ここで、締結具42の弛み止めとして、ボルト42Aの頭部と板ばね34との間に、取付プレート44を介在させるようにしてもよい。
【0020】
また、ラバーブッシュ36が変形すると、ロワーロッド24に対してクランプ部材40がその軸方向にスライドし、ロール剛性が低下するおそれがあるので、ロワーロッド24のクランプ部材40Aの両端位置に、そのスライドを抑止する鍔部としてのリング部材46を溶接などで固着するようにしてもよい。このとき、連結部材32は、ロワーロッド24の軸方向に所定間隔を隔てて形成されたリング部材46により狭持されつつ連結される。
【0021】
かかる構成によれば、フロントアクスル10に装着された左右の前輪に同相の入力があったときには、左右一対のロワーロッド24が互いに同一角度で揺動するため、連結部材32の板ばね34には捩じり変形が生じない。一方、左右の前輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のロワーロッド24が互いに異なる角度で揺動し、連結部材32の板ばね34には捩じり変形が生じる。このため、板ばね34の反力により、左右の前輪の逆相変位又はロールが抑制される。このとき、連結部材32とロワーロッド24との間に介在するラバーブッシュ36は、両者の間に発生するこじり変形を吸収するので、耐久性及び信頼性の低下を抑制することができる。
【0022】
また、かかる作用及び効果は、左右一対のロワーロッド24を捩じり変形可能な連結部材32で連結するだけで享受できるため、サスペンション装置に対して、車両ロール剛性を向上させるスタビライザとしての機能を簡単な構造で兼備させることができる。このため、スタビライザとしての機能を実現するにあたって、コスト低減を図ることができると共に、低床バスのようにアクスルと床面との間が極めて狭い車両であっても、レイアウトが容易である。また、連結部材32は、左右一対のロワーロッド24を連結するだけであるので、その取付スペースを予め考慮する必要がなく、スタビライザを備えていない車両に対しても、後付けでスタビライザとしての機能を持たせることができる。
【0023】
なお、連結部材32としては、板ばね34に限らず、捩じり変形可能なものであれば如何なるものでもよく、例えば、パイプ材から形成するようにしてもよい。このとき、図5に示すように、パイプ材48の端部に、ボルト挿通孔50Aが形成された取付板50を有する連結パイプ52を溶接などで固着して、連結部材32を形成するようにすればよい。そして、板ばね34やパイプ材48を使用すれば、汎用品を用いることで安価かつ容易に連結部材32を形成することができる。
【0024】
また、本実施形態では、本発明をフロントアクスルに適用したが、リヤアクスルに適用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、左右の車輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のラテラルロッドが互いに異なる角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じる。そして、連結部材の反力により、左右の車輪の逆相変位又はロールが抑制され、サスペンション装置に対して、簡単な構造でスタビライザとしての機能を兼備させることができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、連結部材とラテラルロッドとの間に発生したこじり変形が弾性部材で吸収されるため、耐久性及び信頼性の低下を抑制することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、ラテラルロッドの軸方向に対する連結部材のスライドが抑止されるため、ロール剛性の低下を抑制することができる。
請求項4又は請求項5に記載の発明によれば、連結部材を安価かつ容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した低床バスのサスペンション装置の斜視図
【図2】同上の平面図
【図3】同上の側面図
【図4】連結部材の取付構造の説明図
【図5】パイプ材を用いた連結部材の説明図
【図6】従来技術におけるスタビライザの説明図
【符号の説明】
10 フロントアクスル
12 シャシフレーム
12A クロスメンバ
24 ロワーロッド
32 連結部材
34 板ばね
36 ラバーブッシュ
46 リング部材
48 パイプ材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用サスペンション装置に関し、特に、ロール剛性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バスなどの車両において、特許文献1に開示されるように、乗り心地を改善すべく、アクスルとシャシフレームとの間にエアスプリングを介装したサスペンション装置が広く採用されている。エアスプリングは、上下方向には乗り心地向上に有効な柔らかいばねとして作用するが、アクスルとシャシフレームとの相対関係位置を車両前後方向及び車幅方向について規制する機能が一般的に弱い。このため、アクスルとシャシフレームとの車両前後方向の相対関係位置を規制するラジアスロッド,車幅方向の相対関係位置を規制するラテラルロッド、及び、ロール剛性を向上させるスタビライザを併用するのが通例であった。
【0003】
一般的なスタビライザは、図6の60に示すように、略コ字状に形成されており、車両横方向に直線状に延びる中央部60Aが、捩じり変形可能に車体に取り付けられていた。また、車両後方に延びる左右のアーム部60Bの後端部は、ショックアブソーバ62を介して、車体に取り付けられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−79814号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、幼児,高齢者などが容易に乗降できるようにすべく、車室床面の地上高を低くした低床バスでは、アクスルと床面との間隔が極めて小さいという構成上の特徴がある。このため、スタビライザを配置するスペースが取り難く、その構造を複雑化せざるを得ず、コスト高になるのを避けられなかった。また、スタビライザがない車両では、スタビライザを配置するスペースが不十分であり、後付けでスタビライザを取り付けることは事実上不可能であった。
【0006】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、ロール剛性を向上させる構造を見直し、簡単な構造でスタビライザとしての機能を兼備できる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明では、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスルの略中央部に枢着された左右一対のラテラルロッドを備えた車両用サスペンション装置において、前記左右一対のラテラルロッド同士を、捩じり変形可能な連結部材により連結したことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、アクスルに装着された左右の車輪に同相の入力があったときには、左右一対のラテラルロッドが互いに同一角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じない。一方、左右の車輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のラテラルロッドが互いに異なる角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じる。このため、連結部材の反力により、左右の車輪の逆相変位又はロールが抑制される。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記連結部材は、弾性部材を介してラテラルロッドに連結されることを特徴とする。
かかる構成によれば、連結部材とラテラルロッドとの間にこじり変形が発生しても、これが弾性部材により吸収される。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記連結部材は、前記ラテラルロッドの軸方向に所定間隔を隔てて形成された鍔部により狭持されつつ連結されることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、連結部材は鍔部により狭持されつつラテラルロッドに連結されるため、ラテラルロッドの軸方向に対する連結部材のスライドが抑止され、ロール剛性の低下が抑制される。
【0012】
請求項4記載の発明では、前記連結部材は、板ばねからなることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記連結部材は、パイプ材からなることを特徴とする。
【0013】
これらの構成によれば、汎用品である板ばね又はパイプ材を用いることで、連結部材が安価かつ容易に形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1〜図3は、低床バスのフロントアクスルに対して、本発明に係る車両用サスペンション装置(以下「サスペンション装置」という)を適用した全体構成を示す。
【0015】
フロントアクスル10は、車両前後方向に延びる左右一対のサイドレール、及び、車幅方向に延びる複数のクロスメンバ12Aからなるシャシフレーム12の下方に配設され、エアスプリング14で懸架されている。また、フロントアクスル10は、床面をできるだけ低くすべく、正面視で中央部が下方に折り曲げられて略逆ハット状に形成されており、その両端部にナックル16を介して左右の前輪(図示せず)が装着される。
【0016】
フロントアクスル10の前方側のクロスメンバ12Aとフロントアクスル10との間の上部には、左右一対のアッパーロッド18が張設されている。アッパーロッド18は、フロントアクスル10とシャシフレーム12との間の車両前後方向の相対関係位置を規制するラジアスロッドとなるもので、車両前後方向に延びつつ、一端がシャシフレーム12の前方側のクロスメンバ12Aに枢着されると共に、他端がフロントアクスル10の両端部に枢着される。そして、アッパーロッド18の前端は、前方側のクロスメンバ12Aに固着されたブラケット20にゴムブッシュを介して枢着され、その後端は、フロントアクスル10の両端部に固着されたブラケット22にゴムブッシュを介して枢着されている。
【0017】
フロントアクスル10の前方側のクロスメンバ12Aとフロントアクスル10との間の下部には、左右一対のロワーロッド24が張設されている。ロワーロッド24は、フロントアクスル10とシャシフレーム12との間の車幅方向の相対関係位置を規制するラテラルロッドとなるもので、車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレーム12の前方側のクロスメンバ12Aに枢着されると共に、他端がフロントアクスル10の略中央部に枢着される。そして、ロワーロッド24の前端は、前方側のクロスメンバ12Aに固着されたブラケット26にゴムブッシュを介して枢着され、その後端は、フロントアクスル10の中央部に固着された共通のブラケット28にゴムブッシュを介して枢着されている。
【0018】
なお、符号30は、フロントアクスル10の両端部に結合されたナックル16を連結するタイロッドを示している。
ここで、本発明においては、車両のロール剛性を向上させるべく、捩じり変形可能な連結部材32を介して、左右一対のロワーロッド24を連結する構成が採用されている。連結部材32は、図4に示すように、板ばね34の両端部に、ロワーロッド24外周部に弾性部材としてのラバーブッシュ36を介して取り付けられる取付部38を備えた構成をなしている。取付部38は、ロワーロッド24を狭持する一対のクランプ部材40と、クランプ部材40同士を締結する締結具42と、を含んで構成される。クランプ部材40は、半円筒部40Aと、その両側縁から張り出す取付フランジ部40Bと、から構成される。取付フランジ部40Bには、締結具42としてのボルト42A及びナット42Bのうちボルト42Aが挿通する挿通孔が形成されている。
【0019】
そして、ロワーロッド24の外周部にラバーブッシュ36を装着した後、クランプ部材40の半円筒部40A同士を付き合わせつつ、一方の取付フランジ部40B同士を締結具42で締結する。また、他方の取付フランジ部40Bに、板ばね34の端部を重ね合わせてそのボルト挿通孔を一致させた後、板ばね34及びクランプ部材40を締結具42で締結する。ここで、締結具42の弛み止めとして、ボルト42Aの頭部と板ばね34との間に、取付プレート44を介在させるようにしてもよい。
【0020】
また、ラバーブッシュ36が変形すると、ロワーロッド24に対してクランプ部材40がその軸方向にスライドし、ロール剛性が低下するおそれがあるので、ロワーロッド24のクランプ部材40Aの両端位置に、そのスライドを抑止する鍔部としてのリング部材46を溶接などで固着するようにしてもよい。このとき、連結部材32は、ロワーロッド24の軸方向に所定間隔を隔てて形成されたリング部材46により狭持されつつ連結される。
【0021】
かかる構成によれば、フロントアクスル10に装着された左右の前輪に同相の入力があったときには、左右一対のロワーロッド24が互いに同一角度で揺動するため、連結部材32の板ばね34には捩じり変形が生じない。一方、左右の前輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のロワーロッド24が互いに異なる角度で揺動し、連結部材32の板ばね34には捩じり変形が生じる。このため、板ばね34の反力により、左右の前輪の逆相変位又はロールが抑制される。このとき、連結部材32とロワーロッド24との間に介在するラバーブッシュ36は、両者の間に発生するこじり変形を吸収するので、耐久性及び信頼性の低下を抑制することができる。
【0022】
また、かかる作用及び効果は、左右一対のロワーロッド24を捩じり変形可能な連結部材32で連結するだけで享受できるため、サスペンション装置に対して、車両ロール剛性を向上させるスタビライザとしての機能を簡単な構造で兼備させることができる。このため、スタビライザとしての機能を実現するにあたって、コスト低減を図ることができると共に、低床バスのようにアクスルと床面との間が極めて狭い車両であっても、レイアウトが容易である。また、連結部材32は、左右一対のロワーロッド24を連結するだけであるので、その取付スペースを予め考慮する必要がなく、スタビライザを備えていない車両に対しても、後付けでスタビライザとしての機能を持たせることができる。
【0023】
なお、連結部材32としては、板ばね34に限らず、捩じり変形可能なものであれば如何なるものでもよく、例えば、パイプ材から形成するようにしてもよい。このとき、図5に示すように、パイプ材48の端部に、ボルト挿通孔50Aが形成された取付板50を有する連結パイプ52を溶接などで固着して、連結部材32を形成するようにすればよい。そして、板ばね34やパイプ材48を使用すれば、汎用品を用いることで安価かつ容易に連結部材32を形成することができる。
【0024】
また、本実施形態では、本発明をフロントアクスルに適用したが、リヤアクスルに適用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、左右の車輪に逆相の入力があったりロールが発生したときには、左右一対のラテラルロッドが互いに異なる角度で揺動するため、連結部材には捩じり変形が生じる。そして、連結部材の反力により、左右の車輪の逆相変位又はロールが抑制され、サスペンション装置に対して、簡単な構造でスタビライザとしての機能を兼備させることができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、連結部材とラテラルロッドとの間に発生したこじり変形が弾性部材で吸収されるため、耐久性及び信頼性の低下を抑制することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、ラテラルロッドの軸方向に対する連結部材のスライドが抑止されるため、ロール剛性の低下を抑制することができる。
請求項4又は請求項5に記載の発明によれば、連結部材を安価かつ容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した低床バスのサスペンション装置の斜視図
【図2】同上の平面図
【図3】同上の側面図
【図4】連結部材の取付構造の説明図
【図5】パイプ材を用いた連結部材の説明図
【図6】従来技術におけるスタビライザの説明図
【符号の説明】
10 フロントアクスル
12 シャシフレーム
12A クロスメンバ
24 ロワーロッド
32 連結部材
34 板ばね
36 ラバーブッシュ
46 リング部材
48 パイプ材
Claims (5)
- 車両後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなる略V字状に延びつつ、一端がシャシフレームに枢着されると共に他端がアクスルの略中央部に枢着された左右一対のラテラルロッドを備えた車両用サスペンション装置において、
前記左右一対のラテラルロッド同士を、捩じり変形可能な連結部材により連結したことを特徴とする車両用サスペンション装置。 - 前記連結部材は、弾性部材を介してラテラルロッドに連結されることを特徴とする請求項1記載の車両用サスペンション装置。
- 前記連結部材は、前記ラテラルロッドの軸方向に所定間隔を隔てて形成された鍔部により狭持されつつ連結されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記連結部材は、板ばねからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用サスペンション装置。
- 前記連結部材は、パイプ材からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用サスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094607A JP2004299526A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 車両用サスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004299526A true JP2004299526A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33407129
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JP (1) | JP2004299526A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006290100A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Hino Motors Ltd | フロントサスペンション |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094607A patent/JP2004299526A/ja active Pending
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