JP2004295360A - 車両遠隔運転装置および車両遠隔運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遠隔操作により車両を運転できる車両遠隔運転装置を提供する。
【解決手段】車両1の走行状態を車輪速度センサ4、各種センサ5および各種カメラ6〜8にて検出し、その検出信号を車載通信機9および無線通信システムを通じて制御センターに送る。それに基づいて遠隔操作者が車両1を遠隔操作し、遠隔操作を行うための指令信号を再度無線通信システムおよび車載通信機9を通じて車載遠隔制御装置2に送る。そして、車載遠隔制御装置2から指令信号に応じた制御信号を各種コントローラ10〜12に送る。このような車載遠隔制御装置2と制御センターとの間の通信を広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの異なる種類の無線通信システムを用いて行う。このため、仮に一方の無線通信システムによる通信が行えないような状況になっても、もう一方の無線通信システムを通じて通信を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両1の走行状態を車輪速度センサ4、各種センサ5および各種カメラ6〜8にて検出し、その検出信号を車載通信機9および無線通信システムを通じて制御センターに送る。それに基づいて遠隔操作者が車両1を遠隔操作し、遠隔操作を行うための指令信号を再度無線通信システムおよび車載通信機9を通じて車載遠隔制御装置2に送る。そして、車載遠隔制御装置2から指令信号に応じた制御信号を各種コントローラ10〜12に送る。このような車載遠隔制御装置2と制御センターとの間の通信を広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの異なる種類の無線通信システムを用いて行う。このため、仮に一方の無線通信システムによる通信が行えないような状況になっても、もう一方の無線通信システムを通じて通信を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を遠隔操作により運転する車両遠隔運転装置および車両遠隔運転方法、それに用いられる車載遠隔制御装置および外部遠隔制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話を用いて、車両と車両を制御する人との離間距離に関わらず車両から離れた場所から車両の一部の装置(例えばエンジン)を制御する技術が提案されている。また、同時に車両の一部の装置の状態、例えばエンジンがかかっているか否か等の状態を携帯電話を介して確認することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−317613号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、車両を離れた地点から無人で運転したり、移動させたりすることはできない。また、単に車両の一部の装置の状態を把握し、それを元に装置駆動を指示したり、装置を停止させたりすることはできても、細かな制御を行うことはできない。例えば、エンジン回転数を所定の値にするための指令を送り、エンジン回転数を増加又は減少させることはできない。
【0005】
また、従来の技術では、遠隔から車両を操作する事象が継続的なものではないため、通信手段が異常を起こした場合についての対処策は特に考えられていない。車両を遠隔操作により運転するような場合、例えば運転手が疲労によって運転できないような場合において運転代行を行うような場合には、継続して車両を制御しなければならないため、仮に通信手段が異常を起こしたとしても、最低限の情報が通信できるようにしておく必要がある。そして、車両運転中に通信手段による通信が瞬間的に切断された場合には、車両の運転状況が危険な状態にならない方策を取る必要がある。
【0006】
また、遠隔操作によって車両を運転する場合、制御する対象が1つではなく、例えばエンジン、ブレーキ、ハンドル操作など複数に及ぶことになるが、従来そのような複数の制御対象を遠隔操作するような技術はない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされ、遠隔操作により車両を運転できる車両遠隔運転装置および車両遠隔運転方法、それに用いられる車載遠隔制御装置および外部遠隔制御装置を提供することも目的とする。また、遠隔操作により、車両の複数の制御対象を制御できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、検知手段(4〜8)によって検知された車両(1)の走行に関する情報が入力され、この入力された車両の走行に関する情報を車載通信機(9)を介して送信する車載遠隔制御装置(2)と、車載遠隔制御装置(2)から送信された車両走行に関する情報を無線通信システム(30、40)を介して受信すると共に、車両走行に関する情報に基づいて車両を遠隔操作するための指令信号を出力する外部遠隔制御装置(3)とを備え、車載遠隔制御装置は、無線通信システムを通じて、外部遠隔制御装置からの指令信号を受け取ると共に、車両の走行に関わる制御を実行するめの制御手段(10〜12)に対して、指令信号に応じた制御信号を出力し、制御手段を駆動するようになっていることを特徴としている。
【0009】
このように、無線通信システムを通じて車載遠隔制御装置と外部遠隔制御装置との通信を行い、車両遠隔制御装置にて車両走行に関する情報を送信すると共に、外部遠隔制御装置にてその情報に応じた指令信号を出力するようにするようにしている。そして、車両遠隔制御装置で指令信号を受け取り、制御手段を駆動するようにしている。これにより、離れた位置から車両を遠隔運転することが可能となる。
【0010】
この場合、請求項2に示すように、無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、車両の走行に関する情報と指令信号の通信を行うようにすれば、一方の無線通信システムが異常となっても他方を使用して確実に車両走行に関する情報を通信することが可能となる。
【0011】
具体的には、請求項3に示すように、車両の走行に関する情報として比較的データ量が多いものに関しては狭域通信システムが用いられる。例えば、請求項4に示すように、狭域通信システムにより、撮影手段(6〜8)から送られる映像データを通信する。また、請求項5に示すように、車両の走行に関する情報として比較的データ量が少ないものに関しては広域通信システムが用いられる。例えば、請求項6に示すように、広域通信システムにより、車輪速度センサから送られる車輪速度信号を通信する。
【0012】
請求項7に記載の発明では、車載遠隔制御装置は、外部遠隔制御装置に優先的に送る必要があるデータがあると、広域通信システムを選択し、車両走行に関する情報よりも優先して外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴としている。このように、優先データがある場合には、そのデータが他のデータよりも優先して外部遠隔装置に送られるようにすることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明では、外部遠隔制御装置との間における通信異常を判定する通信異常判定手段(110)を有しており、これにより通信異常と判定されると、制御信号として、車両を停止させる信号を制御手段に対して出力するようになっていることを特徴としている。このように、通信異常の際には安全側の制御として、車両を停止させることができる。例えば、請求項9に示すように、車載遠隔制御装置と外部遠隔制御装置との間における通信が所定時間行われていない場合に通信異常と判定される。
【0014】
請求項10および請求項12に記載の発明では、外部遠隔制御装置からの指令信号に車両を走行する上で矛盾があるデータを検出する矛盾検出手段(140)を有しており、矛盾があるデータのうち車両の走行を安全側に導くものを選択し、制御信号として制御手段に出力するようになっていることを特徴としている。このように、矛盾を含むデータがある場合には、車両走行を安全側に導くもののみを選択するようにすることで、適切な車両遠隔運転を行うことができる。
【0015】
請求項11に記載の発明では、制御手段には、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)が含まれ、外部遠隔制御装置は、指令信号として、車両に備えられるステアリングの制御量をステアリングコントローラに制御させるための信号、車両に備えられるエンジンスロットルの制御量をスロットルコントローラに制御させるための信号、および車両に備えられるブレーキの制御量をブレーキコントローラに制御させるための信号を出力するものであることを特徴としている。
【0016】
このように、外部遠隔制御装置によりステアリングコントローラ、スロットルコントローラおよびブレーキコントローラを駆動することで、車両遠隔運転が成される。
【0017】
この場合において、請求項13に示されるように、エンジンスロットルの制御量を増加させるというデータと、ブレーキの制御量を増加させるというデータとが共に指令信号に含まれていれば、車載遠隔制御装置からの制御信号として、ブレーキの制御量を増加させるというデータのみを制御手段に出力する。また、請求項14に示されるように、車速が0であるにも関わらず、ブレーキの制御量を増加させるというデータが指令信号に含まれていれば、車載遠隔制御装置からの制御信号として、ブレーキの制御量を増加させるというデータを制御手段に出力しないようにする。
【0018】
請求項15〜請求項28に記載の発明は車両遠隔運転方法に関するもので、請求項1〜請求項14に記載の車両遠隔運転装置を方法として記載したものに相当する。また、請求項29〜請求項42に記載の発明は請求項1〜14に記載の車両遠隔運転装置に用いられる車載遠隔制御装置、請求項43〜請求項49に記載の発明は請求項1〜14に記載の車両遠隔運転装置に用いられる外部遠隔制御装置に関するものである。これら各請求項についてのそれぞれの特徴は請求項1〜請求項14と同様である。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態における車両遠隔運転装置(車両遠隔運転システム)について説明する。図1は、車両遠隔運転装置における車載遠隔制御装置の概略図、図2は、車両遠隔装置における外部遠隔制御装置の概略図である。
【0021】
図1、図2に示されるように、車両遠隔運転装置は、車両1に搭載される車載遠隔制御装置2と車両1の外部に備えられる外部遠隔制御装置としての制御センター3とを有して構成されている。これら車載遠隔制御装置2と制御センター3とは、通信ネットワークNを介して制御センター3に接続された広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの無線通信システムを通じて通信可能となっており、制御センター3からの指令に応じて車両1の遠隔運転が行われるようになっている。
【0022】
車両遠隔運転装置2は、車輪速度センサ4やその他の各種センサ5、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの検出信号を受け取る。ここでいう前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8とは、それぞれ車両前方の映像、運転席から見た前方の映像および車両後方の映像を撮影するためものであり、それぞれフロントガラスの近傍、運転席のヘッドレストサイド、リアガラスの近傍に備えられている。
【0023】
また、車両遠隔運転装置2は、車載通信機9を介して受け取った各検出信号を制御センター3に送ったり、制御センター3から送られてきた指令信号に基づいて各種演算をしたのち、その指令信号に応じた出力信号を発生させるようになっている。この出力信号は、ステアリングコントローラ10、スロットルコントローラ11、ブレーキコントローラ12およびテールランプ13に送られる。
【0024】
各コントローラ10〜12では、出力信号に応じた物理量(電圧、電流等)が出力され、これによってステアリングアクチュエータ10a、スロットルアクチュエータ11aおよびブレーキアクチュエータ12aが駆動される。そして、各アクチュエータ10a〜12aにより、ステアリング10bの回転角度制御による両前輪10cの角度調整、エンジンスロットルバルブ制御によるエンジン回転数調整、ブレーキ液圧制御による制動力調整が成され、テールランプ13にて車両1が停止する旨の報知が成されるようになっている。
【0025】
車載遠隔制御装置2は、具体的には図3に示したブロック構成のようになっている。この図に示されるように、車載遠隔制御装置2は、OS/ハードウェア2a、通信ソフトウェア2b、エージェント部2c、制御指令部2dおよび車両装置インターフェイス2eとを有して構成されている。
【0026】
OS/ハードウェア2aは、いわゆるイーサネット(登録商標)として機能するものである。このOS/ハードウェア2aは、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号や車輪速度センサ4からの車輪速度信号および各種センサ5からの検知信号を入力し、車両装置インターフェイス2eおよび通信ソフトウェア2bを介して車載通信機9からそれら各信号に関する情報を制御センター3に送る役割を果たす。
【0027】
OS/ハードウェア2aから送られるデータは、2つの無線通信システムを通じて制御センター3に送られるが、このとき2つの無線通信システムそれぞれに適したデータに選別されて送られる。ここでいう2つの無線通信システムとは、上述したような広域通信システム30と狭域通信システム40を示し、それぞれ得意とする通信内容が異なるため、データの内容に応じていずれの無線通信システムを用いるかが決定される。この選択は、後述するように通信ソフトウェア2bにて行われる。
【0028】
図4に、車両走行中の模式図を示す。この図は、広域通信システム30と狭域通信システム40による通信形態のイメージを示している。広域通信システム30は、図4に示されるような通信サービスをカバーするエリアが広域(例えば半径2km程度)となる媒体を介して通信を行うものを示し、一般的に、音声や少量の制御データを通信するのに優れている。例えば、携帯電話に使用されている通信システム(例えば、W−CDMA)、PHSに使用されているような通信システム等が該当する。また、狭域通信システム40は、図4に示されるような通信サービスをカバーするエリアが狭域(例えば半径100m程度)の媒体を介して通信を行うものを示し、一般的に、高品位の映像情報を通信するのに優れている。例えば、無線LANやDSRC(Dedicated short range communication)等の通信システムが該当する。
【0029】
本実施形態では、車輪速度センサ4や各種センサ5からの信号に基づいて、例えば車輪速度、ステアリング角度、テールランプ13の点灯情報、ヨーレイト値や加速度等、データ量が比較的少ない実車データに関しては、広域通信システム30を使用している。そして、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号等のデータ量が比較的多い映像データに関しては、狭域通信システム40を使用している。
【0030】
また、OS/ハードウェア2aは、制御センター3から車両1に対する制御信号が送られると、車載通信機9を通じてその制御信号を入力し、車載遠隔制御装置2に備えられた各構成要素2b〜2eに送ると共に、各構成要素2b〜2eにて演算された結果を受け取り、それに応じた出力を各コントローラ10〜12およびテールランプ13に送るようになっている。
【0031】
通信ソフトウェア2bは、OS/ハードウェア2aから車両装置インターフェイス2eを通じて送られてきた実車データおよび映像データのデータ編集を行うと共に、データ毎に2つの無線通信システムのうちいずれが適しているかを選択する。つまり、比較的データ量の小さい実車データに関しては広域通信システム30が使用され、比較的データ量が大きい映像データに関しては狭域通信システム40が使用されるように選択する。
【0032】
また、通信ソフトウェア2bは、2つの無線通信システムを通じて送られてくる制御センター3からの信号のうち、いずれの無線通信システムを通じて送られてきたデータを採用するかを決定する。これは、制御センター3から送られてきたデータに基づいてエージェント部2cでの演算等が成されるため、その演算に使用されるデータがいずれの無線通信システムを通じて送られてくるのかを選択するものである。例えば、ステアリング制御やエンジン制御もしくはブレーキ制御に用いられる制御信号のようにデータ量が比較的少ないものに関しては広域通信システム30が使用されるため、広域通信システム30側のデータが採用されるような選択がなされる。また、例えば、車室内に設けられたモニター(図示せず)に映像を表示させるための映像データ等のようにデータ量が比較的多い映像データ等に関しては狭域通信システム40が使用されるため、狭域通信システム40側のデータが採用されるような選択がなされる。通常時には、基本的には制御センター3側からデータ量が多い映像データ等を送ることは想定していないが、緊急時のワーニング表示用のデータを送る場合等が想定される。
【0033】
さらに、通信ソフトウェア2bは、車輪速度センサ4や各種センサ5および各カメラ6〜8で検知されたデータの編集や、無線通信システムから送られてきた制御センター3からの指令信号に関するデータの編集を行う役割も果たす。そして、通信ソフトウェア2bは、OS/ハードウェア2aを介して、編集された車輪速度センサ4や各種センサ5および各カメラ6〜8からのデータを車両側データとして制御センター3側に送信すると共に、編集された制御センター3からのデータを制御センター側データとしてエージェント部2cに送るようになっている。
【0034】
エージェント部2cは、予めインストールされている車両走行モデルや制御プログラムに基づいて、通信ソフトウェア2bから送られてきたデータ、つまり制御センター3からの指令信号に応じたデータに基づいて、車両遠隔運転を行うための各種処理を実行する。具体的には、エージェント部2cにて、車両走行モデルを利用して現在の車両1の走行状態を想定すると共に、制御センター3から送られてきたステアリング制御量、アクセル制御量、ブレーキ制御量等を表した各種指令信号を解釈し、各制御量をどのように調整するかについて演算する。例えば、現在ステアリング10aが廻されてない状態である場合には、ステアリング10aを“もっと右に廻せ”という制御信号がエージェント部2cから出力される。また、車速が遅い場合には、“加速せよ”という制御信号、制動力を発生させる必要がない場合には“無変化”という制御信号をエージェント部2cから出力されるようになっている。
【0035】
また、エージェント部2cは、通信ソフトウェア2bからデータが適正に送られてきているか否かを判定している。例えば、エージェント部2cは、車載通信機9にて制御センター3からの指令信号を受け取ることができず、制御センター3からの指令に応じた車両制御が行えそうに無いか否かを判定し、その場合には制御センター3からの指令とは独立して車両1を制御する信号を出力する。具体的には、通信ソフトウェア2bにて最も新しい指令信号がいつ受信されたか等の通信状態情報がデータとして編集されるため、その受信タイミングからの経過時間に基づいて上記判定を行う。そして、制御センター3からの指令信号を所定時間受け取れなかった場合には、例えば車両1を無条件に停止させるための制御信号が出力されるようになっている。
【0036】
制御司令部2dは、エージェント部2cの出力信号を受けとり、エージェント部2cでの演算結果のように各制御量を調整するために、ステアリング制御量、アクセル制御量およびブレーキ制御量を必要とされる具体的な物理量に変換する。例えば、ステアリング制御量に関して“右へもっと回せ”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、ステアリング制御量として操舵角が+2degとなるように変換する。アクセル制御量に関して“加速せよ”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、アクセル制御量としてスロット開度が+3degとなるように変換する。また、ブレーキ制御量に関して“無変化”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、ブレーキ圧が0kPaとなるように変換する。
【0037】
車両装置インターフェイス2eは、制御指令部2dの出力信号を車内LANを通じていずれのコントローラ10〜12およびテールランプ13に送るかについて決定すると共に、その送信タイミングを調整するものである。この車両装置インターフェイス2eを通じて、ステアリングコントローラ10、スロットルコントローラ11、ブレーキコントローラ12およびテールランプ13に制御センター3からの指令信号に応じた制御信号が出力され、各アクチュエータ10a〜12aの駆動が制御され、テールランプ13のオンオフが制御される。
【0038】
一方、制御センター3は、図2に示されるように、通信ネットワークNを介して広域通信システム30および狭域通信システム40と接続されているもので、これらを介して車載遠隔制御装置2と通信できるようになっている。
【0039】
制御センター3には、センター側制御装置21、ディスプレイ部22、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25が備えられている。
【0040】
センター側制御装置21は、狭域通信システム40および通信ネットワークNを通じて、車載遠隔制御装置9から送られる各カメラ6〜8からの信号を受け取り、ディスプレイ部22にその信号を送る役割を果たす。また、センター側制御装置21は、広域通信システム30および通信ネットワークNを通じて、車載遠隔制御装置9から送られる車輪速度センサ4から各種センサ5を受け取ると共に、制御センター3内に備えられたステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25からの検知信号を受け取るようになっている。そして、センター側制御装置21は、受け取った各信号に基づいて車両1を遠隔運転する場合に最適なステアリング制御量、アクセル制御量およびブレーキ制御量を演算し、これら各制御量を示すデータを通信ネットワークNおよび無線通信システムを通じて車載遠隔制御装置2へ送信するようになっている。
【0041】
ディスプレイ部22は、前方表示ディスプレイ22a、車室内表示ディスプレイ22cおよび後方表示ディスプレイ22bで構成されている。ディスプレイ部22は、センター側制御装置21から送られる各カメラ6〜8からの信号に基づいて、各ディスプレイ22a〜22cにそれぞれ前方カメラ6の映像、運転席カメラ7の映像および後方カメラ8の映像を映し出す。このディスプレイ部22による映像を利用して、遠隔操作者26が離れた場所にある車両1の運転時の様子を把握できるようになっている。
【0042】
遠隔操作者26の座席は、例えば実際の車の運転席と同じようにステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル(図示せず)が備えられており、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25にてこれらの各操作量が検知できるようになっている。そして、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25からの検知信号がセンター側制御措置21に送られるようになっている。
【0043】
このように構成された車両遠隔運転装置を用いて、車両1の遠隔運転を行う。このような遠隔運転を行う際において、車載遠隔制御装置2のエージェント部2cが実行する処理のフローチャートを図5に示し、この図を用いて車両遠隔運転の詳細について説明する。
【0044】
まず、車両遠隔運転が実行されると、ステップ110において、まず通信異常がないか否かが判定される。通信異常とは、例えば車載遠隔制御装置2が制御センター3からの指令信号を広域通信システム30からも狭域通信システム40からも共に受け取ることができないような状態をいう。このような場合には、ステップ120に進み、異常時処理を実行する。
【0045】
異常時処理のフローチャートは、図6のように示される。異常時処理が実行されると、ステップ210では、一定時間内に制御センター3との間で通信があったか否かが判定される。ここでいう一定時間とは、制御センター3からの指令信号が無い状態で車両1を運転しても問題ない程度の短い時間に相当する。このステップにおいて、一定時間内に通信を行ったか否かは、例えば、図5のステップ130において受信された最も新しい指令信号がいつ受信されたか等に基づいて判定可能である。そして、通信を行っていた場合には、通信異常が発生していないものとして図5のステップ130に進む。また、通信を行っていない場合には、通信異常が発生しているものとして、ステップ220に進んで車両1を停止させるための車両停止方向処理を実行する。
【0046】
車両停止方向処理は、図7のように示される。車両停止方向処理が実行されると、ステップ310において車速が0であるか否かが判定される。車速は、車輪速センサ5から得られる車輪速度信号に基づいて演算され、この演算結果に基づいて車速が0であるか否かが判定される。そして、車速が0でない場合には、このまま車両1を走行させておくのは好ましくないため、ステップ320において車速停止処理を実行する。具体的には、車両1の車速が0となるように、つまり車両が停止するようにブレーキ制御量を増加させる。
【0047】
そして、ステップ310において肯定判定された場合、およびステップ320における車両停止処理が実行されると、ステップ330に進み、テールランプ13を点灯(ON)させるための制御信号を出力させる。その後、ステップ340に進み、ステアリング制御量を現状量のまま維持させる制御信号を出力し、ステアリング10bが急に切られるような状態を避ける。これにより、車両1を早急に停止させられ、かつその停止をテールランプ13にて報知することができるため、他の車両等に危険を及ぼすことなく通信異常時に制御センター3からの指令がないまま車両1が走行してしまうことを防ぐことができる。
【0048】
また、図5のステップ130では、制御センター3から送られてきた制御指令信号を受け取る処理を実行する。具体的には、制御センター3からの指令信号のデータは上述したように通信ソフトウェア2bにて編集されるため、エージェント部2cは通信ソフトウェア2bで編集された後のデータを受け取ることになる。その後、ステップ140に進む。
【0049】
ステップ140では、受け取った指令信号のデータに矛盾が無いか否かを判定する。ここでいう矛盾とは、車両制御において通常は同時に実行されないような制御が指令信号に含まれている場合をいう。このような矛盾とされる指令の組み合わせは、予めエージェント部2cに登録されており、登録された組み合わせが一通りでもある場合にはこのステップで肯定判定される。そして肯定判定されるとステップ150に進み、矛盾時処理を実行する。
【0050】
矛盾時処理は、図8のように示される。矛盾時処理が実行されると、ステップ410において、指令信号のデータの内容に基づいて、ブレーキ制御量の増加とアクセル制御量の増加が同時に指示されているか否かが判定される。これらの処理は通常同時に実行されないものであり、このステップ肯定判定されればステップ420に進む。そして、アクセル制御量の増加という指示を無視し、ブレーキ制御量の増加という指示を制御指令部2dへ出力する。すなわち、車両1を減速させなければならないにも関わらずアクセル制御量を増加させてしまうのは好ましくないため、制御を安全側に導くため、ブレーキ制御量を増加させる方を優先させる。一方、ステップ420において否定判定されれば、ステップ430に進む。
【0051】
ステップ430では、車速が0なのにも関わらずブレーキ制御量を増加させるという指示が出されていないか否かを判定する。車速が0である場合には、すでに車両1が停止しているのであるから、そのような場合にさらにブレーキ制御量を増加させる必要はない。そのため、このステップで肯定判定されればステップ440に進み、ブレーキ制御量増加の指示を無視し、ブレーキ制御量増加の指示を制御指令部2dに送らないようにする。また、このステップで否定判定されれば、図5のステップ160に進む。なお、ここでは矛盾時処理として2つの判定ステップしか設けていないが、これらは単なる例示である。これらの他にも車両制御において矛盾するような組み合わせは幾通りも存在するため、それら全ての組み合わせについて判定ステップを設けることが可能である。
【0052】
ステップ160では、制御センター3からの制御指令信号と予めインストールされた車両モデルとに基づいて、実際に必要とされる制御を求める。これにより、制御センター3からの指令信号は、ステアリングを“右へもっと回せ”というようなステアリング制御量増加を示す制御信号、車両1を“加速せよ”というようなアクセル制御量増加を示す制御信号、制動力が“無変化”というようなブレーキ制御量無変化を示す制御信号に変換される。
【0053】
続いて、ステップ170に進み、ステップ160でえられた制御信号を制御指令部2dへ出力する。そして、制御指令部2dにおいて、各制御信号がさらに具体的な物理量に変換される。例えば、エージェント部2cから、ステアリングを“右へもっと回せ”というステアリング制御量増加を示す制御信号が送られたのであれば、操舵角を+2degとすることを示す信号に変換する。車両1を“加速せよ”というアクセル制御量増加を示す制御信号が送られたのであれば、スロット開度を+3degとすることを示す信号に変換する。また、制動力が“無変化”というブレーキ制御量無変化を示す制御信号が送られたのであれば、ブレーキ圧を0kPaとすることを意味する信号に変換する。このように制御センター3からの指令信号が具体的な物理量に変換されたのち、各コントローラ10〜12およびテールランプ13に送られ、各アクチュエータ10a〜12aの駆動が制御されると共に、テールランプ13のオンオフが制御される。
【0054】
そして、ステップ180に進み、通信優先処理を実行する。緊急時等に車両1内にいる乗員等から音声データを制御センター3に送りたいという要望があった場合、乗員等からの音声データを制御センター3に確実に送ることが優先事項となるため、このような場合には他のデータよりも優先して音声データ3が制御センター3に送られるようにしたい。通信優先処理はそのような場合に通信の優先順位を付けるものである。
【0055】
ステップ510では、音声データに関して通信したいという要求があるか否かを判定する。例えば車両1の乗員等が制御センター3側に何かを話そうとマイクの電源をオンした場合等に、そのような要求が出されたと判定される。ここで肯定判定されるとステップ520に進み、通信ソフトウェア2bにて音声データが広域通信システム30を通じて送られるデータとして選別され、広域通信システム30を通じて車載遠隔制御装置2から制御センター3側に音声データを送る。
【0056】
また、ステップ510で否定判定されれば、音声データを通信したいという要求がないため、ステップ530に進み、通常の通信を行うために、広域通信システム30を介して比較的データ量が少ない実車データ、具体的には車輪速度、ステアリング角度、テールランプ13の点灯情報、ヨーレイト値や加速度等を制御センター3に送る。さらに、ステップ540に進み、狭域通信システム40を介して比較的データ量が多い映像データ、具体的には、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号等を制御センター3に送る。
【0057】
これらの処理により車両遠隔運転処理の1サイクルが終了し、これらの処理を終えると再度車両遠隔運転処理を繰り返す。そして、車両遠隔運転処理1サイクル毎に制御センター3に車両遠隔制御装置2から車両1の走行状態を示す信号が送られるため、制御センター3にて遠隔操作者26が状況に応じて車両1の遠隔運転を行う。
【0058】
以上のように、本実施形態では、車両1の走行状態を車輪速度センサ4、各種センサ5および各種カメラ6〜8にて検出し、その検出信号を車載通信機9および無線通信システムを通じて制御センター3に送るようにしている。このため、制御センター3側で車両1の走行状態を把握することができる。そして、それに基づいて遠隔操作者26が車両1を遠隔操作し、遠隔操作を行うための指令信号を再度無線通信システムおよび車載通信機9を通じて車載遠隔制御装置2に送り、さらに車載遠隔制御装置2から指令信号に応じた制御信号を車両走行にかかわる各種コントローラ10〜12に送るようにしている。このため、遠隔操作者26は、車両1から離れた場所にいても車両1を運転することが可能となる。これにより、車両1に乗員がいない場合、また、乗員がいてもその乗員が運転できない状況で代行運転が必要である場合など、いずれの場合においても車両1を遠隔運転することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、車両1の遠隔操作を行うために、広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの異なる種類の無線通信システムを用いている。このため、仮に一方の無線通信システムによる通信が行えないような状況になっても、もう一方の無線通信システムを通じて通信を行うことができる。特に、狭域通信システム40は、データ量の多い通信に対して有効とされるがその通信範囲が狭いことから、通信が行えなくなりがちであるが、有効範囲が広い広域通信システム30と共に用いることにより、最低限の情報に関しては広域通信システム30を介して継続的に通信できる。
【0060】
さらに、本実施形態では、仮に2つの無線通信システム双方との通信が行えなくなった場合、車載遠隔制御装置2は、車両1を停止させるようになっている。このため、瞬間的な通信異常が発生したとしても、制御センター3からの指令がないまま車両1が走行してしまうことを防ぐことができる。そして、そのような場合にはテールランプ13を点灯させることにより車両1が停止することを報知するようにしているため、他の車両等に危険を及ぼすこともない。
【0061】
また、車両1の遠隔操作を行うに際し、制御センター3から車両制御に矛盾が生じるようなデータが送られてきた場合には、車両1の走行が安全側に制御されるように車両制御の優先性を設けるようにしている。このため、矛盾した車両制御が行われないようにすることができ、より適した車両走行が行われるようにできる。
【0062】
(他の実施形態)
第1実施形態では、一般的な車両についての遠隔運転について説明しているが他の用途に使用することも可能である。例えば、自動車教習所において、教習生に車を運転させ、ディスプレイ部22で教習生の運転を監視し、教習生の運転を修正するために部分的に車両の運転を代行するような場合等にも適用することができる。
【0063】
また、図5〜図9に示される各ステップは、各ステップにおいて説明した処理を実行する手段に相当するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置の車両側の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置の制御センターの概略構成を示す図である。
【図3】図1に示す車載遠隔制御装置の内部構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置を搭載した車両を遠隔運転している様子を示す図である。
【図5】図3に示すエージェント部が実行する車両遠隔運転処理を示したフローチャートである。
【図6】図5に示す異常時処理の詳細を示したフローチャートである。
【図7】図6に示す車両停止方向処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8】図5に示す矛盾時処理の詳細を示したフローチャートである。
【図9】図5に示す通信優先処理の詳細を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…車両、2…車載遠隔制御装置、3…制御センター、4…車輪速度センサ、5…各種センサ、6〜8…カメラ、10…ステアリングコントローラ、11…スロットルコントローラ、12…ブレーキコントローラ、13…テールランプ、21…センター側制御装置、22…ディスプレイ部、23…ステアリングセンサ、24…アクセルセンサ、25…ブレーキセンサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を遠隔操作により運転する車両遠隔運転装置および車両遠隔運転方法、それに用いられる車載遠隔制御装置および外部遠隔制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話を用いて、車両と車両を制御する人との離間距離に関わらず車両から離れた場所から車両の一部の装置(例えばエンジン)を制御する技術が提案されている。また、同時に車両の一部の装置の状態、例えばエンジンがかかっているか否か等の状態を携帯電話を介して確認することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−317613号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、車両を離れた地点から無人で運転したり、移動させたりすることはできない。また、単に車両の一部の装置の状態を把握し、それを元に装置駆動を指示したり、装置を停止させたりすることはできても、細かな制御を行うことはできない。例えば、エンジン回転数を所定の値にするための指令を送り、エンジン回転数を増加又は減少させることはできない。
【0005】
また、従来の技術では、遠隔から車両を操作する事象が継続的なものではないため、通信手段が異常を起こした場合についての対処策は特に考えられていない。車両を遠隔操作により運転するような場合、例えば運転手が疲労によって運転できないような場合において運転代行を行うような場合には、継続して車両を制御しなければならないため、仮に通信手段が異常を起こしたとしても、最低限の情報が通信できるようにしておく必要がある。そして、車両運転中に通信手段による通信が瞬間的に切断された場合には、車両の運転状況が危険な状態にならない方策を取る必要がある。
【0006】
また、遠隔操作によって車両を運転する場合、制御する対象が1つではなく、例えばエンジン、ブレーキ、ハンドル操作など複数に及ぶことになるが、従来そのような複数の制御対象を遠隔操作するような技術はない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされ、遠隔操作により車両を運転できる車両遠隔運転装置および車両遠隔運転方法、それに用いられる車載遠隔制御装置および外部遠隔制御装置を提供することも目的とする。また、遠隔操作により、車両の複数の制御対象を制御できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、検知手段(4〜8)によって検知された車両(1)の走行に関する情報が入力され、この入力された車両の走行に関する情報を車載通信機(9)を介して送信する車載遠隔制御装置(2)と、車載遠隔制御装置(2)から送信された車両走行に関する情報を無線通信システム(30、40)を介して受信すると共に、車両走行に関する情報に基づいて車両を遠隔操作するための指令信号を出力する外部遠隔制御装置(3)とを備え、車載遠隔制御装置は、無線通信システムを通じて、外部遠隔制御装置からの指令信号を受け取ると共に、車両の走行に関わる制御を実行するめの制御手段(10〜12)に対して、指令信号に応じた制御信号を出力し、制御手段を駆動するようになっていることを特徴としている。
【0009】
このように、無線通信システムを通じて車載遠隔制御装置と外部遠隔制御装置との通信を行い、車両遠隔制御装置にて車両走行に関する情報を送信すると共に、外部遠隔制御装置にてその情報に応じた指令信号を出力するようにするようにしている。そして、車両遠隔制御装置で指令信号を受け取り、制御手段を駆動するようにしている。これにより、離れた位置から車両を遠隔運転することが可能となる。
【0010】
この場合、請求項2に示すように、無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、車両の走行に関する情報と指令信号の通信を行うようにすれば、一方の無線通信システムが異常となっても他方を使用して確実に車両走行に関する情報を通信することが可能となる。
【0011】
具体的には、請求項3に示すように、車両の走行に関する情報として比較的データ量が多いものに関しては狭域通信システムが用いられる。例えば、請求項4に示すように、狭域通信システムにより、撮影手段(6〜8)から送られる映像データを通信する。また、請求項5に示すように、車両の走行に関する情報として比較的データ量が少ないものに関しては広域通信システムが用いられる。例えば、請求項6に示すように、広域通信システムにより、車輪速度センサから送られる車輪速度信号を通信する。
【0012】
請求項7に記載の発明では、車載遠隔制御装置は、外部遠隔制御装置に優先的に送る必要があるデータがあると、広域通信システムを選択し、車両走行に関する情報よりも優先して外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴としている。このように、優先データがある場合には、そのデータが他のデータよりも優先して外部遠隔装置に送られるようにすることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明では、外部遠隔制御装置との間における通信異常を判定する通信異常判定手段(110)を有しており、これにより通信異常と判定されると、制御信号として、車両を停止させる信号を制御手段に対して出力するようになっていることを特徴としている。このように、通信異常の際には安全側の制御として、車両を停止させることができる。例えば、請求項9に示すように、車載遠隔制御装置と外部遠隔制御装置との間における通信が所定時間行われていない場合に通信異常と判定される。
【0014】
請求項10および請求項12に記載の発明では、外部遠隔制御装置からの指令信号に車両を走行する上で矛盾があるデータを検出する矛盾検出手段(140)を有しており、矛盾があるデータのうち車両の走行を安全側に導くものを選択し、制御信号として制御手段に出力するようになっていることを特徴としている。このように、矛盾を含むデータがある場合には、車両走行を安全側に導くもののみを選択するようにすることで、適切な車両遠隔運転を行うことができる。
【0015】
請求項11に記載の発明では、制御手段には、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)が含まれ、外部遠隔制御装置は、指令信号として、車両に備えられるステアリングの制御量をステアリングコントローラに制御させるための信号、車両に備えられるエンジンスロットルの制御量をスロットルコントローラに制御させるための信号、および車両に備えられるブレーキの制御量をブレーキコントローラに制御させるための信号を出力するものであることを特徴としている。
【0016】
このように、外部遠隔制御装置によりステアリングコントローラ、スロットルコントローラおよびブレーキコントローラを駆動することで、車両遠隔運転が成される。
【0017】
この場合において、請求項13に示されるように、エンジンスロットルの制御量を増加させるというデータと、ブレーキの制御量を増加させるというデータとが共に指令信号に含まれていれば、車載遠隔制御装置からの制御信号として、ブレーキの制御量を増加させるというデータのみを制御手段に出力する。また、請求項14に示されるように、車速が0であるにも関わらず、ブレーキの制御量を増加させるというデータが指令信号に含まれていれば、車載遠隔制御装置からの制御信号として、ブレーキの制御量を増加させるというデータを制御手段に出力しないようにする。
【0018】
請求項15〜請求項28に記載の発明は車両遠隔運転方法に関するもので、請求項1〜請求項14に記載の車両遠隔運転装置を方法として記載したものに相当する。また、請求項29〜請求項42に記載の発明は請求項1〜14に記載の車両遠隔運転装置に用いられる車載遠隔制御装置、請求項43〜請求項49に記載の発明は請求項1〜14に記載の車両遠隔運転装置に用いられる外部遠隔制御装置に関するものである。これら各請求項についてのそれぞれの特徴は請求項1〜請求項14と同様である。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態における車両遠隔運転装置(車両遠隔運転システム)について説明する。図1は、車両遠隔運転装置における車載遠隔制御装置の概略図、図2は、車両遠隔装置における外部遠隔制御装置の概略図である。
【0021】
図1、図2に示されるように、車両遠隔運転装置は、車両1に搭載される車載遠隔制御装置2と車両1の外部に備えられる外部遠隔制御装置としての制御センター3とを有して構成されている。これら車載遠隔制御装置2と制御センター3とは、通信ネットワークNを介して制御センター3に接続された広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの無線通信システムを通じて通信可能となっており、制御センター3からの指令に応じて車両1の遠隔運転が行われるようになっている。
【0022】
車両遠隔運転装置2は、車輪速度センサ4やその他の各種センサ5、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの検出信号を受け取る。ここでいう前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8とは、それぞれ車両前方の映像、運転席から見た前方の映像および車両後方の映像を撮影するためものであり、それぞれフロントガラスの近傍、運転席のヘッドレストサイド、リアガラスの近傍に備えられている。
【0023】
また、車両遠隔運転装置2は、車載通信機9を介して受け取った各検出信号を制御センター3に送ったり、制御センター3から送られてきた指令信号に基づいて各種演算をしたのち、その指令信号に応じた出力信号を発生させるようになっている。この出力信号は、ステアリングコントローラ10、スロットルコントローラ11、ブレーキコントローラ12およびテールランプ13に送られる。
【0024】
各コントローラ10〜12では、出力信号に応じた物理量(電圧、電流等)が出力され、これによってステアリングアクチュエータ10a、スロットルアクチュエータ11aおよびブレーキアクチュエータ12aが駆動される。そして、各アクチュエータ10a〜12aにより、ステアリング10bの回転角度制御による両前輪10cの角度調整、エンジンスロットルバルブ制御によるエンジン回転数調整、ブレーキ液圧制御による制動力調整が成され、テールランプ13にて車両1が停止する旨の報知が成されるようになっている。
【0025】
車載遠隔制御装置2は、具体的には図3に示したブロック構成のようになっている。この図に示されるように、車載遠隔制御装置2は、OS/ハードウェア2a、通信ソフトウェア2b、エージェント部2c、制御指令部2dおよび車両装置インターフェイス2eとを有して構成されている。
【0026】
OS/ハードウェア2aは、いわゆるイーサネット(登録商標)として機能するものである。このOS/ハードウェア2aは、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号や車輪速度センサ4からの車輪速度信号および各種センサ5からの検知信号を入力し、車両装置インターフェイス2eおよび通信ソフトウェア2bを介して車載通信機9からそれら各信号に関する情報を制御センター3に送る役割を果たす。
【0027】
OS/ハードウェア2aから送られるデータは、2つの無線通信システムを通じて制御センター3に送られるが、このとき2つの無線通信システムそれぞれに適したデータに選別されて送られる。ここでいう2つの無線通信システムとは、上述したような広域通信システム30と狭域通信システム40を示し、それぞれ得意とする通信内容が異なるため、データの内容に応じていずれの無線通信システムを用いるかが決定される。この選択は、後述するように通信ソフトウェア2bにて行われる。
【0028】
図4に、車両走行中の模式図を示す。この図は、広域通信システム30と狭域通信システム40による通信形態のイメージを示している。広域通信システム30は、図4に示されるような通信サービスをカバーするエリアが広域(例えば半径2km程度)となる媒体を介して通信を行うものを示し、一般的に、音声や少量の制御データを通信するのに優れている。例えば、携帯電話に使用されている通信システム(例えば、W−CDMA)、PHSに使用されているような通信システム等が該当する。また、狭域通信システム40は、図4に示されるような通信サービスをカバーするエリアが狭域(例えば半径100m程度)の媒体を介して通信を行うものを示し、一般的に、高品位の映像情報を通信するのに優れている。例えば、無線LANやDSRC(Dedicated short range communication)等の通信システムが該当する。
【0029】
本実施形態では、車輪速度センサ4や各種センサ5からの信号に基づいて、例えば車輪速度、ステアリング角度、テールランプ13の点灯情報、ヨーレイト値や加速度等、データ量が比較的少ない実車データに関しては、広域通信システム30を使用している。そして、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号等のデータ量が比較的多い映像データに関しては、狭域通信システム40を使用している。
【0030】
また、OS/ハードウェア2aは、制御センター3から車両1に対する制御信号が送られると、車載通信機9を通じてその制御信号を入力し、車載遠隔制御装置2に備えられた各構成要素2b〜2eに送ると共に、各構成要素2b〜2eにて演算された結果を受け取り、それに応じた出力を各コントローラ10〜12およびテールランプ13に送るようになっている。
【0031】
通信ソフトウェア2bは、OS/ハードウェア2aから車両装置インターフェイス2eを通じて送られてきた実車データおよび映像データのデータ編集を行うと共に、データ毎に2つの無線通信システムのうちいずれが適しているかを選択する。つまり、比較的データ量の小さい実車データに関しては広域通信システム30が使用され、比較的データ量が大きい映像データに関しては狭域通信システム40が使用されるように選択する。
【0032】
また、通信ソフトウェア2bは、2つの無線通信システムを通じて送られてくる制御センター3からの信号のうち、いずれの無線通信システムを通じて送られてきたデータを採用するかを決定する。これは、制御センター3から送られてきたデータに基づいてエージェント部2cでの演算等が成されるため、その演算に使用されるデータがいずれの無線通信システムを通じて送られてくるのかを選択するものである。例えば、ステアリング制御やエンジン制御もしくはブレーキ制御に用いられる制御信号のようにデータ量が比較的少ないものに関しては広域通信システム30が使用されるため、広域通信システム30側のデータが採用されるような選択がなされる。また、例えば、車室内に設けられたモニター(図示せず)に映像を表示させるための映像データ等のようにデータ量が比較的多い映像データ等に関しては狭域通信システム40が使用されるため、狭域通信システム40側のデータが採用されるような選択がなされる。通常時には、基本的には制御センター3側からデータ量が多い映像データ等を送ることは想定していないが、緊急時のワーニング表示用のデータを送る場合等が想定される。
【0033】
さらに、通信ソフトウェア2bは、車輪速度センサ4や各種センサ5および各カメラ6〜8で検知されたデータの編集や、無線通信システムから送られてきた制御センター3からの指令信号に関するデータの編集を行う役割も果たす。そして、通信ソフトウェア2bは、OS/ハードウェア2aを介して、編集された車輪速度センサ4や各種センサ5および各カメラ6〜8からのデータを車両側データとして制御センター3側に送信すると共に、編集された制御センター3からのデータを制御センター側データとしてエージェント部2cに送るようになっている。
【0034】
エージェント部2cは、予めインストールされている車両走行モデルや制御プログラムに基づいて、通信ソフトウェア2bから送られてきたデータ、つまり制御センター3からの指令信号に応じたデータに基づいて、車両遠隔運転を行うための各種処理を実行する。具体的には、エージェント部2cにて、車両走行モデルを利用して現在の車両1の走行状態を想定すると共に、制御センター3から送られてきたステアリング制御量、アクセル制御量、ブレーキ制御量等を表した各種指令信号を解釈し、各制御量をどのように調整するかについて演算する。例えば、現在ステアリング10aが廻されてない状態である場合には、ステアリング10aを“もっと右に廻せ”という制御信号がエージェント部2cから出力される。また、車速が遅い場合には、“加速せよ”という制御信号、制動力を発生させる必要がない場合には“無変化”という制御信号をエージェント部2cから出力されるようになっている。
【0035】
また、エージェント部2cは、通信ソフトウェア2bからデータが適正に送られてきているか否かを判定している。例えば、エージェント部2cは、車載通信機9にて制御センター3からの指令信号を受け取ることができず、制御センター3からの指令に応じた車両制御が行えそうに無いか否かを判定し、その場合には制御センター3からの指令とは独立して車両1を制御する信号を出力する。具体的には、通信ソフトウェア2bにて最も新しい指令信号がいつ受信されたか等の通信状態情報がデータとして編集されるため、その受信タイミングからの経過時間に基づいて上記判定を行う。そして、制御センター3からの指令信号を所定時間受け取れなかった場合には、例えば車両1を無条件に停止させるための制御信号が出力されるようになっている。
【0036】
制御司令部2dは、エージェント部2cの出力信号を受けとり、エージェント部2cでの演算結果のように各制御量を調整するために、ステアリング制御量、アクセル制御量およびブレーキ制御量を必要とされる具体的な物理量に変換する。例えば、ステアリング制御量に関して“右へもっと回せ”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、ステアリング制御量として操舵角が+2degとなるように変換する。アクセル制御量に関して“加速せよ”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、アクセル制御量としてスロット開度が+3degとなるように変換する。また、ブレーキ制御量に関して“無変化”という指令信号が送られてきたのであれば、制御指令部2dは、ブレーキ圧が0kPaとなるように変換する。
【0037】
車両装置インターフェイス2eは、制御指令部2dの出力信号を車内LANを通じていずれのコントローラ10〜12およびテールランプ13に送るかについて決定すると共に、その送信タイミングを調整するものである。この車両装置インターフェイス2eを通じて、ステアリングコントローラ10、スロットルコントローラ11、ブレーキコントローラ12およびテールランプ13に制御センター3からの指令信号に応じた制御信号が出力され、各アクチュエータ10a〜12aの駆動が制御され、テールランプ13のオンオフが制御される。
【0038】
一方、制御センター3は、図2に示されるように、通信ネットワークNを介して広域通信システム30および狭域通信システム40と接続されているもので、これらを介して車載遠隔制御装置2と通信できるようになっている。
【0039】
制御センター3には、センター側制御装置21、ディスプレイ部22、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25が備えられている。
【0040】
センター側制御装置21は、狭域通信システム40および通信ネットワークNを通じて、車載遠隔制御装置9から送られる各カメラ6〜8からの信号を受け取り、ディスプレイ部22にその信号を送る役割を果たす。また、センター側制御装置21は、広域通信システム30および通信ネットワークNを通じて、車載遠隔制御装置9から送られる車輪速度センサ4から各種センサ5を受け取ると共に、制御センター3内に備えられたステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25からの検知信号を受け取るようになっている。そして、センター側制御装置21は、受け取った各信号に基づいて車両1を遠隔運転する場合に最適なステアリング制御量、アクセル制御量およびブレーキ制御量を演算し、これら各制御量を示すデータを通信ネットワークNおよび無線通信システムを通じて車載遠隔制御装置2へ送信するようになっている。
【0041】
ディスプレイ部22は、前方表示ディスプレイ22a、車室内表示ディスプレイ22cおよび後方表示ディスプレイ22bで構成されている。ディスプレイ部22は、センター側制御装置21から送られる各カメラ6〜8からの信号に基づいて、各ディスプレイ22a〜22cにそれぞれ前方カメラ6の映像、運転席カメラ7の映像および後方カメラ8の映像を映し出す。このディスプレイ部22による映像を利用して、遠隔操作者26が離れた場所にある車両1の運転時の様子を把握できるようになっている。
【0042】
遠隔操作者26の座席は、例えば実際の車の運転席と同じようにステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル(図示せず)が備えられており、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25にてこれらの各操作量が検知できるようになっている。そして、ステアリングセンサ23、アクセルセンサ24およびブレーキセンサ25からの検知信号がセンター側制御措置21に送られるようになっている。
【0043】
このように構成された車両遠隔運転装置を用いて、車両1の遠隔運転を行う。このような遠隔運転を行う際において、車載遠隔制御装置2のエージェント部2cが実行する処理のフローチャートを図5に示し、この図を用いて車両遠隔運転の詳細について説明する。
【0044】
まず、車両遠隔運転が実行されると、ステップ110において、まず通信異常がないか否かが判定される。通信異常とは、例えば車載遠隔制御装置2が制御センター3からの指令信号を広域通信システム30からも狭域通信システム40からも共に受け取ることができないような状態をいう。このような場合には、ステップ120に進み、異常時処理を実行する。
【0045】
異常時処理のフローチャートは、図6のように示される。異常時処理が実行されると、ステップ210では、一定時間内に制御センター3との間で通信があったか否かが判定される。ここでいう一定時間とは、制御センター3からの指令信号が無い状態で車両1を運転しても問題ない程度の短い時間に相当する。このステップにおいて、一定時間内に通信を行ったか否かは、例えば、図5のステップ130において受信された最も新しい指令信号がいつ受信されたか等に基づいて判定可能である。そして、通信を行っていた場合には、通信異常が発生していないものとして図5のステップ130に進む。また、通信を行っていない場合には、通信異常が発生しているものとして、ステップ220に進んで車両1を停止させるための車両停止方向処理を実行する。
【0046】
車両停止方向処理は、図7のように示される。車両停止方向処理が実行されると、ステップ310において車速が0であるか否かが判定される。車速は、車輪速センサ5から得られる車輪速度信号に基づいて演算され、この演算結果に基づいて車速が0であるか否かが判定される。そして、車速が0でない場合には、このまま車両1を走行させておくのは好ましくないため、ステップ320において車速停止処理を実行する。具体的には、車両1の車速が0となるように、つまり車両が停止するようにブレーキ制御量を増加させる。
【0047】
そして、ステップ310において肯定判定された場合、およびステップ320における車両停止処理が実行されると、ステップ330に進み、テールランプ13を点灯(ON)させるための制御信号を出力させる。その後、ステップ340に進み、ステアリング制御量を現状量のまま維持させる制御信号を出力し、ステアリング10bが急に切られるような状態を避ける。これにより、車両1を早急に停止させられ、かつその停止をテールランプ13にて報知することができるため、他の車両等に危険を及ぼすことなく通信異常時に制御センター3からの指令がないまま車両1が走行してしまうことを防ぐことができる。
【0048】
また、図5のステップ130では、制御センター3から送られてきた制御指令信号を受け取る処理を実行する。具体的には、制御センター3からの指令信号のデータは上述したように通信ソフトウェア2bにて編集されるため、エージェント部2cは通信ソフトウェア2bで編集された後のデータを受け取ることになる。その後、ステップ140に進む。
【0049】
ステップ140では、受け取った指令信号のデータに矛盾が無いか否かを判定する。ここでいう矛盾とは、車両制御において通常は同時に実行されないような制御が指令信号に含まれている場合をいう。このような矛盾とされる指令の組み合わせは、予めエージェント部2cに登録されており、登録された組み合わせが一通りでもある場合にはこのステップで肯定判定される。そして肯定判定されるとステップ150に進み、矛盾時処理を実行する。
【0050】
矛盾時処理は、図8のように示される。矛盾時処理が実行されると、ステップ410において、指令信号のデータの内容に基づいて、ブレーキ制御量の増加とアクセル制御量の増加が同時に指示されているか否かが判定される。これらの処理は通常同時に実行されないものであり、このステップ肯定判定されればステップ420に進む。そして、アクセル制御量の増加という指示を無視し、ブレーキ制御量の増加という指示を制御指令部2dへ出力する。すなわち、車両1を減速させなければならないにも関わらずアクセル制御量を増加させてしまうのは好ましくないため、制御を安全側に導くため、ブレーキ制御量を増加させる方を優先させる。一方、ステップ420において否定判定されれば、ステップ430に進む。
【0051】
ステップ430では、車速が0なのにも関わらずブレーキ制御量を増加させるという指示が出されていないか否かを判定する。車速が0である場合には、すでに車両1が停止しているのであるから、そのような場合にさらにブレーキ制御量を増加させる必要はない。そのため、このステップで肯定判定されればステップ440に進み、ブレーキ制御量増加の指示を無視し、ブレーキ制御量増加の指示を制御指令部2dに送らないようにする。また、このステップで否定判定されれば、図5のステップ160に進む。なお、ここでは矛盾時処理として2つの判定ステップしか設けていないが、これらは単なる例示である。これらの他にも車両制御において矛盾するような組み合わせは幾通りも存在するため、それら全ての組み合わせについて判定ステップを設けることが可能である。
【0052】
ステップ160では、制御センター3からの制御指令信号と予めインストールされた車両モデルとに基づいて、実際に必要とされる制御を求める。これにより、制御センター3からの指令信号は、ステアリングを“右へもっと回せ”というようなステアリング制御量増加を示す制御信号、車両1を“加速せよ”というようなアクセル制御量増加を示す制御信号、制動力が“無変化”というようなブレーキ制御量無変化を示す制御信号に変換される。
【0053】
続いて、ステップ170に進み、ステップ160でえられた制御信号を制御指令部2dへ出力する。そして、制御指令部2dにおいて、各制御信号がさらに具体的な物理量に変換される。例えば、エージェント部2cから、ステアリングを“右へもっと回せ”というステアリング制御量増加を示す制御信号が送られたのであれば、操舵角を+2degとすることを示す信号に変換する。車両1を“加速せよ”というアクセル制御量増加を示す制御信号が送られたのであれば、スロット開度を+3degとすることを示す信号に変換する。また、制動力が“無変化”というブレーキ制御量無変化を示す制御信号が送られたのであれば、ブレーキ圧を0kPaとすることを意味する信号に変換する。このように制御センター3からの指令信号が具体的な物理量に変換されたのち、各コントローラ10〜12およびテールランプ13に送られ、各アクチュエータ10a〜12aの駆動が制御されると共に、テールランプ13のオンオフが制御される。
【0054】
そして、ステップ180に進み、通信優先処理を実行する。緊急時等に車両1内にいる乗員等から音声データを制御センター3に送りたいという要望があった場合、乗員等からの音声データを制御センター3に確実に送ることが優先事項となるため、このような場合には他のデータよりも優先して音声データ3が制御センター3に送られるようにしたい。通信優先処理はそのような場合に通信の優先順位を付けるものである。
【0055】
ステップ510では、音声データに関して通信したいという要求があるか否かを判定する。例えば車両1の乗員等が制御センター3側に何かを話そうとマイクの電源をオンした場合等に、そのような要求が出されたと判定される。ここで肯定判定されるとステップ520に進み、通信ソフトウェア2bにて音声データが広域通信システム30を通じて送られるデータとして選別され、広域通信システム30を通じて車載遠隔制御装置2から制御センター3側に音声データを送る。
【0056】
また、ステップ510で否定判定されれば、音声データを通信したいという要求がないため、ステップ530に進み、通常の通信を行うために、広域通信システム30を介して比較的データ量が少ない実車データ、具体的には車輪速度、ステアリング角度、テールランプ13の点灯情報、ヨーレイト値や加速度等を制御センター3に送る。さらに、ステップ540に進み、狭域通信システム40を介して比較的データ量が多い映像データ、具体的には、前方カメラ6、運転席カメラ7および後方カメラ8からの映像信号等を制御センター3に送る。
【0057】
これらの処理により車両遠隔運転処理の1サイクルが終了し、これらの処理を終えると再度車両遠隔運転処理を繰り返す。そして、車両遠隔運転処理1サイクル毎に制御センター3に車両遠隔制御装置2から車両1の走行状態を示す信号が送られるため、制御センター3にて遠隔操作者26が状況に応じて車両1の遠隔運転を行う。
【0058】
以上のように、本実施形態では、車両1の走行状態を車輪速度センサ4、各種センサ5および各種カメラ6〜8にて検出し、その検出信号を車載通信機9および無線通信システムを通じて制御センター3に送るようにしている。このため、制御センター3側で車両1の走行状態を把握することができる。そして、それに基づいて遠隔操作者26が車両1を遠隔操作し、遠隔操作を行うための指令信号を再度無線通信システムおよび車載通信機9を通じて車載遠隔制御装置2に送り、さらに車載遠隔制御装置2から指令信号に応じた制御信号を車両走行にかかわる各種コントローラ10〜12に送るようにしている。このため、遠隔操作者26は、車両1から離れた場所にいても車両1を運転することが可能となる。これにより、車両1に乗員がいない場合、また、乗員がいてもその乗員が運転できない状況で代行運転が必要である場合など、いずれの場合においても車両1を遠隔運転することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、車両1の遠隔操作を行うために、広域通信システム30と狭域通信システム40という2つの異なる種類の無線通信システムを用いている。このため、仮に一方の無線通信システムによる通信が行えないような状況になっても、もう一方の無線通信システムを通じて通信を行うことができる。特に、狭域通信システム40は、データ量の多い通信に対して有効とされるがその通信範囲が狭いことから、通信が行えなくなりがちであるが、有効範囲が広い広域通信システム30と共に用いることにより、最低限の情報に関しては広域通信システム30を介して継続的に通信できる。
【0060】
さらに、本実施形態では、仮に2つの無線通信システム双方との通信が行えなくなった場合、車載遠隔制御装置2は、車両1を停止させるようになっている。このため、瞬間的な通信異常が発生したとしても、制御センター3からの指令がないまま車両1が走行してしまうことを防ぐことができる。そして、そのような場合にはテールランプ13を点灯させることにより車両1が停止することを報知するようにしているため、他の車両等に危険を及ぼすこともない。
【0061】
また、車両1の遠隔操作を行うに際し、制御センター3から車両制御に矛盾が生じるようなデータが送られてきた場合には、車両1の走行が安全側に制御されるように車両制御の優先性を設けるようにしている。このため、矛盾した車両制御が行われないようにすることができ、より適した車両走行が行われるようにできる。
【0062】
(他の実施形態)
第1実施形態では、一般的な車両についての遠隔運転について説明しているが他の用途に使用することも可能である。例えば、自動車教習所において、教習生に車を運転させ、ディスプレイ部22で教習生の運転を監視し、教習生の運転を修正するために部分的に車両の運転を代行するような場合等にも適用することができる。
【0063】
また、図5〜図9に示される各ステップは、各ステップにおいて説明した処理を実行する手段に相当するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置の車両側の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置の制御センターの概略構成を示す図である。
【図3】図1に示す車載遠隔制御装置の内部構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる車両遠隔運転装置を搭載した車両を遠隔運転している様子を示す図である。
【図5】図3に示すエージェント部が実行する車両遠隔運転処理を示したフローチャートである。
【図6】図5に示す異常時処理の詳細を示したフローチャートである。
【図7】図6に示す車両停止方向処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8】図5に示す矛盾時処理の詳細を示したフローチャートである。
【図9】図5に示す通信優先処理の詳細を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…車両、2…車載遠隔制御装置、3…制御センター、4…車輪速度センサ、5…各種センサ、6〜8…カメラ、10…ステアリングコントローラ、11…スロットルコントローラ、12…ブレーキコントローラ、13…テールランプ、21…センター側制御装置、22…ディスプレイ部、23…ステアリングセンサ、24…アクセルセンサ、25…ブレーキセンサ。
Claims (49)
- 検知手段(4〜8)によって検知された車両(1)の走行に関する情報が入力され、この入力された前記車両の走行に関する情報を車載通信機(9)を介して送信する車載遠隔制御装置(2)と、
前記車載遠隔制御装置(2)から送信された前記車両走行に関する情報を無線通信システムを介して受信すると共に、前記車両走行に関する情報に基づいて前記車両を遠隔操作するための指令信号を出力する外部遠隔制御装置(3)とを備え、
前記車載遠隔制御装置は、前記無線通信システム(30、40)を通じて、前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号を受け取ると共に、前記車両の走行に関わる制御を実行するめの制御手段(10〜12)に対して、前記指令信号に応じた制御信号を出力し、前記制御手段を駆動するようになっていることを特徴とする車両遠隔運転装置。 - 前記車載遠隔制御装置と前記外部遠隔制御装置は、前記無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、前記車両の走行に関する情報と前記指令信号の通信を行うようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記車載遠隔制御装置は、前記車両の走行に関する情報として比較的データ量が多いものに関しては前記狭域通信システムを介して前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記検知手段には車両走行状態の映像データを撮影する撮影手段(6〜8)が含まれており、前記車載遠隔制御装置は、前記狭域通信システムを介して前記撮影手段から送られる映像データを前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記車載遠隔制御装置は、前記車両の走行に関する情報として比較的データ量が少ないものに関しては前記広域通信システムを介して前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。
- 前記検知手段には、車速情報を検知する車輪速度センサ(4)が含まれており、前記車載遠隔制御装置は、前記広域通信システムを介して前記車輪速度センサから送られる車輪速度データを前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。
- 前記車載遠隔制御装置は、前記外部遠隔制御装置に優先的に送る必要のあるデータがあると、前記広域通信システムを選択して、そのデータを前記車両走行に関する情報よりも優先して前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。
- 前記車載遠隔制御装置は、前記外部遠隔制御装置との間における通信異常を判定する通信異常判定手段(110)を有しており、これにより通信異常と判定されると、前記制御信号として、前記車両を停止させる信号を前記制御手段に対して出力するようになっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。
- 前記通信異常判定手段は、前記車載遠隔制御装置と前記外部遠隔制御装置との間における通信が所定時間行われていない場合に通信異常と判定するようになっていることを特徴とする請求項8に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記車載遠隔制御装置は、前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータを検出する矛盾検出手段(140)を有しており、この矛盾検出手段は、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。
- 前記制御手段には、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)が含まれ、
前記外部遠隔制御装置は、前記指令信号として、前記車両に備えられるステアリングの制御量を前記ステアリングコントローラに制御させるための信号、前記車両に備えられるエンジンスロットルの制御量を前記スロットルコントローラに制御させるための信号、および前記車両に備えられるブレーキの制御量を前記ブレーキコントローラに制御させるための信号を出力するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の車両遠隔運転装置。 - 前記車載遠隔制御装置は、前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータを検出する矛盾検出手段(140)を有しており、この矛盾検出手段は、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項11に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記矛盾検出手段は、前記エンジンスロットルの制御量を増加させるというデータと、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータとが共に前記指令信号に含まれていた場合に、前記車載遠隔制御装置からの前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータのみを前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項12に記載の車両遠隔運転装置。
- 前記矛盾検出手段は、車速が0であるにも関わらず、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータが前記指令信号に含まれていた場合に、前記車載遠隔制御装置からの前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータを前記制御手段に出力しないようになっていることを特徴とする請求項12又は13に記載の車両遠隔運転装置。
- 検知手段(4〜8)によって検知された車両(1)の走行に関する情報を車載遠隔制御装置(2)に入力し、車載遠隔制御装置(2)から前記車両の走行に関する情報を送信するステップと、
無線通信システム(30、40)を介して、前記車載遠隔制御装置(2)から送信された前記車両走行に関する情報を外部遠隔制御装置(3)で受信するステップと、
前記車両走行に関する情報に基づいて前記外部遠隔制御装置(3)から前記車両を遠隔操作するための指令信号を出力するステップと、
前記車載遠隔制御装置にて、前記無線通信システムを介して送られてくる前記指令信号を受信し、前記指令信号に基づいて前記車両の走行に関わる制御信号を前記車両の走行に関わる制御を実行するめの制御手段(10〜12)に出力するステップと、
前記制御手段にて前記制御信号に応じた車両走行制御を行うステップと、を有することを特徴とする車両遠隔制御方法。 - 前記無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、前記車載遠隔制御装置と前記外部遠隔制御装置との間における前記車両の走行に関する情報と前記指令信号の通信を行うことを特徴とする請求項15に記載の車両遠隔運転方法。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が多いものに関しては前記狭域通信システムを介して通信することを特徴とする請求項16に記載の車両遠隔運転方法。
- 前記検知手段として車両走行状態の映像データを撮影する撮影手段(6〜8)を用い、前記狭域通信システムを介して前記撮影手段から送られる映像データを通信することを特徴とする請求項16又は17に記載の車両遠隔運転方法。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が少ないものに関しては前記広域通信システムを介して通信することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。
- 前記検知手段として車速情報を検知する車輪速度センサ(4)を用い、前記広域通信システムを介して前記車輪速度センサから送られる車輪速度データを通信することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。
- 前記車載遠隔制御装置から前記外部遠隔制御装置に優先的に送る必要がある優先データがあるか否かを判定するステップと、
前記優先データがあると判定されると、前記広域通信システムを選択して、前記車両走行に関する情報よりも優先して前記優先データを前記外部遠隔制御装置に送るステップとを有していることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。 - 前記車載遠隔制御装置と前記外部遠隔制御装置との間における通信異常を通信異常判定手段(110)にて判定するステップと、
前記通信異常判定手段にて通信異常が判定されると、前記車載遠隔制御装置から前記制御手段に対し、前記制御信号として前記車両を停止させる信号を出力するステップとを有していることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。 - 前記車載遠隔制御装置と前記外部遠隔制御装置との間における通信が所定時間行われていない場合に、前記通信異常判定手段にて通信異常と判定することを特徴とする請求項22に記載の車両遠隔運転方法。
- 前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータが含まれているか否かを矛盾検出手段(140)にて検出するステップと、
前記矛盾が検出されると、前記矛盾検出手段にて、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するステップとを有することを特徴とする請求項15乃至23のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。 - 前記制御手段として、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)を用い、
前記外部遠隔制御装置から前記指令信号を出力するステップでは、前記指令信号として、前記車両に備えられるステアリングの制御量を前記ステアリングコントローラに制御させるための信号、前記車両に備えられるエンジンスロットルの制御量を前記スロットルコントローラに制御させるための信号、および前記車両に備えられるブレーキの制御量を前記ブレーキコントローラに制御させるための信号を出力することを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1つに記載の車両遠隔運転方法。 - 前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータを矛盾検出手段(140)にて検出するステップと、
前記矛盾が検出されると、前記矛盾検出手段にて、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するステップとを有することを特徴とする請求項25に記載の車両遠隔運転方法。 - 前記矛盾があるデータを検出するステップでは、前記矛盾検出手段は、前記エンジンスロットルの制御量を増加させるというデータと、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータとが共に前記指令信号に含まれていた場合に、前記車載遠隔制御装置からの前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータのみを前記制御手段に出力することを特徴とする請求項26に記載の車両遠隔運転方法。
- 前記矛盾があるデータを検出するステップでは、前記矛盾検出手段は、車速が0であるにも関わらず、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータが含まれていた場合に、前記車載遠隔制御装置からの前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータを前記制御手段に出力しないことを特徴とする請求項26又は27に記載の車両遠隔運転方法。
- 検知手段(4〜8)によって検知された車両(1)の走行に関する情報を入力し、無線通信システム(30、40)を介して前記車両の走行に関する情報を送信すると共に、前記車両走行に関する情報に基づいて決定した外部遠隔制御装置(3)からの指令信号を前記無線通信システムを介して受信し、前記指令信号に基づいて前記車両の走行に関わる制御信号を前記車両の走行に関わる制御を実行するめの制御手段(10〜12)に出力することを特徴とする車載遠隔制御装置。
- 前記無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、前記外部遠隔制御装置との間における前記車両の走行に関する情報と前記指令信号の通信を行うようになっていることを特徴とする請求項29に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が多いものに関しては前記狭域通信システムを介して通信するようになっていることを特徴とする請求項30に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記検知手段として車両走行状態の映像データを撮影する撮影手段(6〜8)が用いられ、前記狭域通信システムを介して前記撮影手段から送られる映像データを通信するようになっていることを特徴とする請求項30又は31に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が少ないものに関しては前記広域通信システムを介して通信するようになっていることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。
- 前記検知手段として車速情報を検知する車輪速度センサ(4)が用いられ、前記広域通信システムを介して前記車輪速度センサから送られる車輪速度データを通信するようになっていることを特徴とする請求項30乃至33のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。
- 前記外部遠隔制御装置に優先的に送る必要がある優先データがあるか否かを判定する手段(180)を有し、前記優先データがあると判定されると、前記広域通信システムを選択して、前記車両走行に関する情報よりも優先して前記優先データを前記外部遠隔制御装置に送るようになっていることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。
- 前記外部遠隔制御装置との間における通信異常を判定する通信異常判定手段(110)を有し、通信異常が判定されると、前記制御手段に対し、前記制御信号として前記車両を停止させる信号を出力するようになっていることを特徴とする請求項29乃至35のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。
- 前記外部遠隔制御装置との間における通信が所定時間行われていない場合に、前記通信異常判定手段にて通信異常と判定するようになっていることを特徴とする請求項36に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータを含まれているか否かを検出する矛盾検出手段(140)を有し、前記矛盾が検出されると、前記矛盾検出手段にて、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項29乃至37のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。
- 前記制御手段として、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)が用いられ、
前記外部遠隔制御装置から前記指令信号として、前記車両に備えられるステアリングの制御量を前記ステアリングコントローラに制御させるための信号、前記車両に備えられるエンジンスロットルの制御量を前記スロットルコントローラに制御させるための信号、および前記車両に備えられるブレーキの制御量を前記ブレーキコントローラに制御させるための信号を受信するようになっていることを特徴とする請求項29乃至38のいずれか1つに記載の車載遠隔制御装置。 - 前記外部遠隔制御装置からの前記指令信号に前記車両を走行する上で矛盾があるデータを含まれているか否かを検出する矛盾検出手段(140)を有し、前記矛盾が検出されると、前記矛盾検出手段にて、前記矛盾があるデータのうち前記車両の走行を安全側に導くものを選択して、前記制御信号として前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項39に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記矛盾検出手段は、前記エンジンスロットルの制御量を増加させるというデータと、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータとが共に前記指令信号に含まれていた場合に、前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータのみを前記制御手段に出力するようになっていることを特徴とする請求項40に記載の車載遠隔制御装置。
- 前記矛盾検出手段は、車速が0であるにも関わらず、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータが含まれていた場合に、前記制御信号として、前記ブレーキの制御量を増加させるというデータを前記制御手段に出力しないようになっていることを特徴とする請求項40又は41に記載の車載遠隔制御装置。
- 無線通信システム(30、40)を介して、車載遠隔制御装置(2)から車両(1)の走行に関する情報を受信する送信し、この車両走行に関する情報に基づいて前記車両を遠隔操作するための指令信号を出力し、前記無線通信システムを介して前記指令信号を前記車載遠隔制御装置に送信することを特徴とする外部遠隔制御装置。
- 前記無線通信システムとして広域通信システム(30)と狭域通信システム(40)の双方を用いて、前記車載遠隔制御装置との間における前記車両の走行に関する情報と前記指令信号の通信を行うようになっていることを特徴とする請求項43に記載の外部遠隔制御装置。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が多いものに関しては前記狭域通信システムを介して通信するようになっていることを特徴とする請求項44に記載の外部遠隔制御装置。
- 前記検知手段として車両走行状態の映像データを撮影する撮影手段(6〜8)が用いられ、前記狭域通信システムを介して前記撮影手段からの映像データを受信することを特徴とする請求項44又は45に記載の外部遠隔制御装置。
- 前記車両の走行に関する情報および前記指令信号として比較的データ量が少ないものに関しては前記広域通信システムを介して通信するようになっていることを特徴とする請求項44乃至46のいずれか1つに記載の外部遠隔制御装置。
- 前記検知手段として車速情報を検知する車輪速度センサ(4)が用いられ、前記広域通信システムを介して前記車輪速度センサから送られる車輪速度データを受信するようになっていることを特徴とする請求項44乃至47のいずれか1つに記載の外部遠隔制御装置。
- 前記制御手段として、ステアリングコントローラ(10)、スロットルコントローラ(11)およびブレーキコントローラ(12)が用いられ、
前記指令信号として、前記車両に備えられるステアリングの制御量を前記ステアリングコントローラに制御させるための信号、前記車両に備えられるエンジンスロットルの制御量を前記スロットルコントローラに制御させるための信号、および前記車両に備えられるブレーキの制御量を前記ブレーキコントローラに制御させるための信号を出力するようになっていることを特徴とする請求項43乃至48のいずれか1つに記載の外部遠隔制御装置。
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