JP2004294894A - 実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置並びに実装ケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレート(610)及びカバー(620)からなる実装ケース(601)内には、画像表示領域に光源から投射光が入射される液晶パネル(500)が備えられている。プレート及びカバーの少なくとも一方は、実装ケース内における電気光学装置の位置を固定するための樹脂部(640)と、前記電気光学装置における前記画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部(630)とを備えている。図において、樹脂部は第一から第三の小部材(641〜643)からなる。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置にライトバルブとして用いられる液晶パネル等の電気光学装置を実装するための実装ケース、また該実装ケースに当該電気光学装置が実装或いは収容されてなる実装ケース入り電気光学装置、及びこのような実装ケース入り電気光学装置を備えてなる投射型表示装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
一般に、液晶パネルを液晶プロジェクタにおけるライトバルブとして用いる場合、該液晶パネルは、液晶プロジェクタを構成する筐体等にいわば裸の状態で設置されるのではなく、該液晶パネルを適当な実装ケースに実装ないし収容した上で、この実装ケース入り液晶パネルを、前記筐体等に設置することが行われる。これは、当該実装ケースに適当なネジ孔等を設けておくことで、液晶パネルの前記筐体等に対する固定を容易に実施することなどが可能となるからである。
【0003】
このような液晶プロジェクタでは、光源から発せられた光源光は、当該実装ケース入り液晶パネルに対して集光された状態で投射されることになる。そして、液晶パネルを透過した光は、スクリーン上に拡大投射されて画像の表示が行われることになる。このように液晶プロジェクタにおいては、拡大投射が一般に予定されているため、前記光源光としては、例えばメタルハライドランプ等の光源から発せられる比較的強力な光が使用されることになる。
【0004】
すると、まず、実装ケース入り液晶パネル、とりわけ液晶パネルの温度上昇が問題となる。すなわち、このような温度上昇が生じると、液晶パネル内において一対の透明基板間に挟持されている液晶の温度も上昇して、該液晶の特性劣化を招く。また特に光源光にむらがあった場合には、部分的に液晶パネルが加熱されて所謂ホットスポットが発生して、液晶の透過率のムラができて投射画像の画質が劣化する。このような液晶パネルの昇温を防止する技術としては、例えば特許文献1等に開示されているものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
国際公開番号WO98/36313
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における実装ケース入り液晶パネルにおいては次のような問題点がある。すなわち、前記の実装ケースは、通常プレート及びカバー等の複数の部品からなる。実装ケース入り液晶パネルは、これら複数の部品と液晶パネルとを適当な手段によって組み合わせることで構成されているが、従来においては、前記の複数の部品のそれぞれは、単一の材料からなるものとされていた。例えば、カバーは、樹脂のみ、或いは金属のみからなるというようである。このような場合、次のような弊害が生じる。例えば、カバーが樹脂のみからなる場合、該樹脂は一般に熱の放散性に優れた材料ではないため、前記した液晶パネルの温度上昇の問題がより深刻になる。すなわち、実装ケース入り液晶パネルに比較的強力な光が投射されると、前記のように液晶パネルの温度が上昇することになるが、カバーが比較的熱の放散性に劣る樹脂のみからなると、この際に生じる熱を、カバーひいては実装ケースにうまく逃がしてやることができないのである。したがって、液晶パネルにおける蓄熱がより生じやすい環境となり、前記した液晶の特性劣化、或いはホットスポット等の問題はより深刻なものとなってしまう。
【0007】
他方、カバーが金属のみからなる場合にも、液晶パネルの温度上昇に伴う問題は発生する。たしかに、この場合には、前記の樹脂とは異なり、金属は一般に熱伝導率に優れた材料であることから、液晶パネルの温度が上昇すると、その熱をカバーひいては実装ケースにうまく逃がしてやることが可能である。しかしながら、この熱を逃がしていく過程、すなわちカバーが熱を吸い取っていく過程においては、当該カバーは熱膨張による変形をすることになり、これに伴って実装ケース内における電気光学装置の位置ずれを狂わす恐れが生じるのである。一方、カバーが冷却されていく過程では、前記とは逆に収縮が生じることにより、該カバーが液晶パネルに圧縮力を作用させるという事象が発生するおそれがある。かかる圧縮力が液晶パネルに作用すると、該液晶パネルを構成する基板等に無用な歪を与え、或いは液晶層の厚さたるセルギャップを部分的に変化させてしまうおそれがある。これにより、画像上に色むら等の不具合を発生させるおそれが生じるのである。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電気光学装置における蓄熱を防止するとともに、実装ケースの膨張・収縮等によって、電気光学装置に無用な力がかかり、或いは実装ケース内における該電気光学装置の位置ずれ等が発生することを未然に防止することで、より高品質な画像を表示することの可能な実装ケース入り電気光学装置及びこれを具備してなる投射型表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、このような実装ケース入り電気光学装置に使用されて好適な実装ケースを提供することをも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の実装ケース入り電気光学装置は、上記課題を解決するため、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレート、及び、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースとを備えた実装ケース入り電気光学装置であって、前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、前記実装ケース内における前記電気光学装置の位置を固定するための樹脂部と、前記電気光学装置における前記画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部とを備えている。
【0010】
本発明の実装ケース入り電気光学装置によれば、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置が、カバー及びプレートからなる実装ケース内に実装される。前記の投射光は、「金属部」に備えられた窓から入射し、又は、電気光学装置を透過した後当該窓から出射する。このような電気光学装置としては、例えば投射型表示装置におけるライトバルブとして実装される液晶装置或いは液晶パネルが挙げられる。なお、このような実装ケースには、電気光学装置の周辺領域を少なくとも部分的に覆うことにより、当該周辺領域における光抜けを防止したり或いは周辺領域から画像表示領域内に迷光が進入するのを防止する遮光機能を持たせてもよい。
【0011】
そして、本発明では特に、プレート及びカバーの少なくとも一方(以下の説明では、「カバー」に代表させる。)は、実装ケース内における電気光学装置の位置を固定するための樹脂部と、電気光学装置における画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部とを備えている。これによると、本発明に係る実装ケースを構成するカバーは、従来のように、樹脂或いは金属の一方のみからなるという構成とはなってはいないから、前記したような各種の弊害、即ち該カバー部が樹脂のみからなる場合には熱の放散性の点で不利となり、金属のみからなる場合には熱収縮を起因とする画像上の色むらの発生等の点で不利となるなどといった不具合を被ることがない。
【0012】
特に、本発明では、一般に熱による変形を小さく見積もることのできる樹脂部が、実装ケース内における電気光学装置の位置固定のために利用されることから、当該電気光学装置の実装ケース内における固定をより確実になすことができる。すなわち、かかる固定のために金属製の部材を利用してしまうと、熱膨張に伴う電気光学装置の位置ずれ、或いは冷却過程に伴う電気光学装置に対する収縮力の作用などという不具合が生じる可能性が大きくなるが、本発明においてはそのような不具合を被らなくて済むのである。他方、本発明に係るカバーには、一般に熱伝導率に優れた金属部も存在するから、電気光学装置からの熱の奪取も比較的スムースに行われることになり、当該電気光学装置において蓄熱が進行するという事態も未然に防止することができる。
【0013】
以上を要するに、本発明によれば、樹脂のもつ利点及び金属のもつ利点の双方を効果的に享受することが可能となるのである。
【0014】
なお、本発明に係るカバーにおいては、電気光学装置を固定するための樹脂部以外の部分をすべて金属部で占めさせることができる。この場合、当該カバーは、樹脂部及び金属部のみからなる形態となり、このうち金属部が占める割合が比較的大きくなるから、電気光学装置における蓄熱防止効果が、より効果的に享受されることになる。
【0015】
また、樹脂部と金属部とが組み合わされてなる、本発明のカバーの製造にあたっては、例えば、樹脂部をインサート成型するなどといった製造方法を採用することが好ましい。
【0016】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の一態様では、前記樹脂部は、前記電気光学装置の周囲を囲むように備えられている。
【0017】
この態様によれば、樹脂部は、電気光学装置の周囲を囲むように備えられていることから、実装ケース内における電気光学装置の固定をより確実になすことができる。より具体的には例えば、電気光学装置が、平面視して矩形状を有する場合において、樹脂部は、前記矩形状の周囲を囲むように平面視してロの字状を有するようなものとして構成することが可能である。或いは、樹脂部は、前記矩形状の各辺に沿うように四つ、三つ又は二つなどと分断された各小部材(これら各小部材全体で、「樹脂部」が構成される。)からなるものとして構成することなども可能である。
【0018】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、前記取付部は、前記樹脂部に備えられている。
【0019】
この態様によれば、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えている。この取付部により、実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置に対する取り付けを確実になすことができる。なお、前記の被取付部としては、例えば投射型表示装置の一部として構成され、適当な立体形状が付与された筐体等を挙げることができる。また、取付部の具体的態様としては種々のものが採りえる。例えば、当該取付部をネジ孔として構成することが可能であり、この場合には、該ネジ孔たる取付部と、前記被取付部に形成された雌ネジ孔を貫通且つ螺合するようにネジ止めすることにより、実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置間の取り付けを実現することができる。
【0020】
そして、本態様では特に、前記取付部は、樹脂部に備えられている。すなわち、本態様では、実装ケースを投射型表示装置に固定するための取付部が、前述したように一般に熱による変形を小さく見積もることのできる樹脂部に備えられているということになる。これによると、電気光学装置の実装ケース内における固定を、樹脂部によってより確実になしえる(前述参照)ということと同様に、実装ケース及び投射型表示装置間の固定をより確実になすことが可能となる。
【0021】
この態様では、前記取付部は取付孔を含み、該取付孔の中心を貫く線にその軸を一致させた円筒部を具備しているようにしてもよい。
【0022】
このような構成によれば、カバー及び被取付部間の取り付けを、円筒部を介することでより好適に行うことができる。例えば、該円筒部の内周面にねじを切っておけば、カバー及び被取付部間を容易且つ好適にネジ止めすることができる。また、該円筒部の内周面にねじを切らなくても、該円筒部中にスタッド或いは楔等を打ち込んだ上、このスタッド或いは楔等と円筒部の内周面との間に適当な接着剤を流し込むことによって、前記のカバー及び被取付部間の取り付けを容易且つ好適に実施することができる。
【0023】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記プレートにおける前記当接する部分に対応する部分及び前記カバーにおける前記当接する部分の少なくとも一方は、前記金属部からなる。
【0024】
この態様によれば、プレートとカバーとの当接する部分が金属部からなるから、これらの間における熱の伝達がより生じやすくなる。また、これにより、電気光学装置から吸い出された熱は、プレート及びカバーの双方に逃げやすくなる。更には、カバーのみが、或いはプレートのみが、電気光学装置の熱の奪取を主に担うという場合においては、原理的には、当該カバー、或いは当該プレートの熱容量の分だけしか、前記の熱の奪取を行うことができなくなるのに対し、本態様では、比較的容易に両者の熱容量の分だけの該奪取を行うことができる。以上により、本態様によれば、電気光学装置の冷却をより好適に実現できることになるのである。
【0025】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記プレートは係合部を備え、前記カバーは前記係合部に係合する被係合部を備えてなり、前記係合部及び前記被係合部の少なくとも一方は、前記金属部に備えられている。
【0026】
この態様によれば、まず、プレート及びカバーがそれぞれ係合部及び被係合部を備えていることにより、これらの組み付けを行うことが可能となる。これによれば、実装ケースの構造をより堅固なものとすること(即ち、プレート及びカバーがバラバラになりにくくすること)ができる。また、これにより、実装ケース内における電気光学装置の位置ずれ等の発生も抑制することができる。
【0027】
そして、本態様では特に、前記係合部及び前記被係合部の少なくとも一方は、金属部に備えられている。より具体的には例えば、カバーが、前記の樹脂部及び金属部からなる場合においては、少なくとも被係合部は金属からなるなどということを意味し、この場合更に、プレートが金属のみからなるなどという場合においては、係合部もまた金属からなるなどということを意味する。その他様々の組み合わせを考えることができることは言うまでもない。
【0028】
そして、このように、プレート及びカバーが接触することとなる係合部及び被係合部の少なくとも一方が金属からなる場合においては、これらの間における熱の伝達がより生じやすくなることになる。また、これにより、電気光学装置から吸い出された熱は、プレート及びカバーの双方に逃げやすくなる。更には、カバーのみが、或いはプレートのみが、電気光学装置の熱の奪取を主に担うという場合においては、原理的には、当該カバー、或いは当該プレートの熱容量の分だけしか、前記の熱の奪取を行うことができなくなるのに対し、本態様では、比較的容易に両者の熱容量の分だけの該奪取を行うことができる。
【0029】
以上により、本態様によれば、電気光学装置の冷却をより好適に実現できることになる。
【0030】
なお、前記のような作用効果をより確実に奏させるためには、係合部及び被係合部の双方が、金属からなるように構成するのが好ましい。
【0031】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記樹脂部の線膨張係数と前記金属部の線膨張係数とは同程度とされている。
【0032】
この態様によれば、カバーが光照射を受けて熱を生じる場合に、樹脂部及び金属部間で熱による変形の程度に差を生じさせることがない。すなわち、本態様によれば、樹脂部及び金属部のそれぞれの線膨張係数が同程度とされていることから、両者が同じ熱エネルギを受ける限り、同じように膨張し、又は収縮することになる。これによると、例えば、カバーの内部で樹脂部及び金属部が異なる度合いで膨張し、又は収縮する等という場合に比べて、実装ケース内における電気光学装置の位置ずれが発生し難くなる。つまり、本態様によれば、当該実装ケース内における電気光学装置の固定をより確実になすことができるのである。
【0033】
なお、本態様において、「同程度」とは、樹脂部の線膨張係数と金属部のそれとが完全に同一である場合を含むのは勿論、前者と後者との間に若干の差がある場合をも含む概念である。この際、どの程度の差がある場合に、「同程度」の範囲を越えるか否かは、当該実装ケースの大きさ、樹脂部及び金属部それぞれがカバー全体からみて占める体積、樹脂部による電気光学装置の具体的な固定の態様、樹脂部及び電気光学装置間の接触面積、投射光の強度、それを受けた電気光学装置の発熱量等々諸般の事情が勘案された上で決定される事柄である。
【0034】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記樹脂部及び前記金属部は、前記カバーに備えられてなり、前記金属部は、前記窓を含む板状部材からなり、前記樹脂部は、前記板状部材の上に成型されている。
【0035】
この態様によれば、樹脂部及び金属部の構造を好適に構築することができる。すなわち、電気光学装置は、典型的には、平面視して矩形状のガラス基板が複数枚重ねられた構造を有するが、この場合には例えば、前記ガラス基板の最表面に接触するように金属部(即ち、板状部材)が配置され、且つ、該ガラス基板の側面を覆うように樹脂部が配置されるような形態を実現することが可能である。このうち樹脂部は、ガラス基板の側面にぴったり沿うように成型しておくことも可能である。これによれば、ガラス基板の最表面には金属部が接触していることから、電気光学装置からの熱の奪取が効率的に行われるとともに、ガラス基板の側面は樹脂部に拘束されていることから、当該実装ケース内における電気光学装置の固定をより確実になすことができる。
【0036】
本発明の実装ケース入り電気光学装置の他の態様では、前記プレート及び前記カバーの一方は前記樹脂部及び前記金属部を備えてなり、その他方は金属のみからなる。
【0037】
この態様によれば、実装ケース全体において、金属製である部分の占める割合が大きくなるから、電気光学装置からの熱の奪取をより効果的に行うことできる。特に、本態様に加えて、前記の係合部及び被係合部を併せもつ態様では、これら係合部及び被係合部がともに金属からなることになるから、両者間の熱の伝達は非常に活発に行われ得る。したがって、電気光学装置の冷却をより効果的に行うことができる。
【0038】
本発明の実装ケースは、上記課題を解決するために、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレート、及び、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、前記実装ケース内における前記電気光学装置の位置を固定するための樹脂部と、前記電気光学装置における前記画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部とを備えている。
【0039】
本発明の実装ケースによれば、前述した本発明の実装ケース入り電気光学装置に使用されて好適な実装ケースを提供することができる。
【0040】
本発明の投射型表示装置は、上記課題を解決するために、前述の本発明の実装ケース入り電気光学装置(但し、その各種態様を含む)と、前記光源と、前記投射光を前記電気光学装置に導く光学系と、前記電気光学装置から出射される投射光を投射する投射光学系とを備えている。
【0041】
本発明の投射型表示装置によれば、前述の本発明の実装ケース入り電気光学装置、即ち当該実装ケースを構成するプレート及びカバーの少なくとも一方が樹脂部及び金属部を備えてなるから、電気光学装置における蓄熱が著しく進行するようなことがなく、電気光学装置の実装ケース内における位置ずれ等が発生せず、更には当該電気光学装置に実装ケースの熱膨張及び熱収縮による悪影響が及ぶようなことがない。したがって、本発明の投射型表示装置によれば、より品質の高い画像を表示することが可能となる。
【0042】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0044】
(投射型液晶装置の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明による投射型液晶装置の実施形態について、その光学ユニットに組み込まれている光学系を中心に説明する。本実施形態の投射型表示装置は、実装ケース入りの電気光学装置の一例たる液晶ライトバルブが3枚用いられてなる複板式カラープロジェクタとして構築されている。
【0045】
図1において、本実施形態における複板式カラープロジェクタの一例たる、液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された電気光学装置を含む液晶ライトバルブを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0046】
本実施形態のライトバルブ100R、100G及び100Bとしては、例えば、後述の如きTFTをスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置が使用される。また、当該ライトバルブ100R、100G及び100Bは、後に詳述するように実装ケース入り電気光学装置として構成されている。
【0047】
また、この液晶プロジェクタ1100には、図1に示すように、ライトバルブ100R、100G及び100Bに冷却風を送るためのシロッコファン1300が設けられている。このシロッコファン1300は、その側面に複数のブレード1301を備えた略円筒形状の部材を含んでおり、該円筒形状の部材がその軸を中心として回転することで前記ブレード1301が風を生じさせるようになっている。なお、このような原理から、シロッコファン1300で作り出される風は、図1に示されるように、らせん状に渦巻いたものとなる。
【0048】
このような風は、図1において図示されない風路を通じて各ライトバルブ100R、100G及び100Bに送給され、各ライトバルブ100R、100G及び100Bの近傍に設けられた吹き出し口100RW、100GW及び100BWから、これらライトバルブ100R、100G及び100Bに対して送り出されるようになっている。
【0049】
ちなみに、前述したようなシロッコファン1300を用いれば、静圧が高くライトバルブ100R、100G及び100B周囲の狭い空間にも風を送りやすいという利点が得られる。
【0050】
以上説明した構成においては、強力な光源たるランプユニット1102からの投射光により各ライトバルブ100R、100G及び100Bで温度が上昇する。この際、過度に温度が上昇してしまうと、各ライトバルブ100R、100G、100Bを構成する液晶が劣化したり、光源光のむらによる部分的な液晶パネルの加熱によるホットスポットの出現により透過率にムラが生じたりする。そこで、本実施形態では特に、各ライトバルブ100R、100G、100Bは、後述のように、電気光学装置を冷却する能力を有する実装ケースを備えている。このため、後述の如く各ライトバルブ100R、100G、100Bの温度上昇は効率的に抑制されている。
【0051】
なお、本実施形態では好ましくは、液晶プロジェクタ1100のハウジング内には、各ライトバルブ100R、100G、100Bの周辺空間に、冷却媒体を流す循環装置等からなる冷却手段を備える。これにより、後述の如き放熱作用を持つ実装ケース入りの電気光学装置からの放熱を一層効率的に行うことができる。
【0052】
(電気光学装置の実施形態)
次に本発明の電気光学装置に係る実施形態の全体構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。本実施形態に係る電気光学装置は、上述した液晶プロジェクタ1100における液晶ライトバルブ100R、100G、100Bとして使用されるものである。ここに、図2は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図3は、図2のH−H’断面図である。
【0053】
図2及び図3において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0054】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
【0055】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0056】
画像表示領域の周辺に広がる領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0057】
また、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0058】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、図示しない配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に図示しない配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0059】
尚、図2及び図3に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0060】
(実装ケース入り電気光学装置の第1実施形態)
次に、図4から図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置について説明する。ここに図4は、第1実施形態に係る実装ケースを前述した電気光学装置とともに示す分解斜視図であり、図5は当該実装ケース入りの電気光学装置の正面図、図6はその背面図であり、図7は図5のQ1方向から臨んだ側面図である。なお、図4から図7は、電気光学パネルを内部に収容した状態における実装ケースを夫々示している。
【0061】
図4から図7に示すように、実装ケース801は、プレート部810とカバー部820とを備える。実装ケース801に収容される電気光学装置500は、図2及び図3に示した電気光学装置と、その表面に重ねられた反射防止板等の他の光学要素とを備えてなり、更にその外部回路接続端子にフレキシブルコネクタ501が接続されてなる。尚、偏光板や位相差板は、投射型表示装置の光学系に備えるようにしても良いし、電気光学装置500の表面に重ねてもよい。また、TFTアレイ基板10及び対向基板20それぞれの液晶層50に対向しない側には、防塵用基板400が設けられている(図4及び図7参照)。この防塵用基板400は、所定の厚さを有している。これにより、電気光学装置500の周囲に漂うゴミや埃等が、該電気光学装置の表面に直接に付着することが防止される。したがって、拡大投射された画像上に、これらゴミや埃の像が結ばれるという不具合を有効に解消することができる。これは、防塵用基板400が所定の厚さを有することで、光源光の焦点ないしその近傍が、該ゴミや埃が存在する位置(すなわち、防塵用基板400表面)からは外れることによる(デフォーカス作用)。
【0062】
なお、第1実施形態においては、カバー部820の側から光が入射し、電気光学装置500を透過して、プレート部810の側から出射するということを前提とする。つまり、図1でいえば、ダイクロイックプリズム1112に対向するのは、カバー部820ではなくて、プレート部810ということになる。ただし、これとは反対に、プレート部810から光が入射し、カバー部820から抜けるという態様を採用してもよい。
【0063】
プレート部810は、カバー部820の内部空間に入れられた電気光学装置500の周辺領域を、裏側から固定するために、この周辺領域に対向する平面形状を持つ板状の本体を有する。プレート部810は、電気光学装置500の画像表示領域10aを露出させるように窓部815を有し、更にプレート部810の本体をカバー部820に固定するための小窓を有する係合部817を正面両側に有する。カバー部820は、この係合部817が有する小窓に係合する突起部827を正面両側に有する。プレート部810及びカバー部820は、このような係合部817及び突起部827間の係合によって、確実に組み付けられることになり、これにより、実装ケース801の構造はより堅固なものとなる。
【0064】
尚、突起部827と係合部817との係合を可能ならしめるべく、プレート部810は、好ましくは、弾性の高い金属、或いは樹脂等から構成される。また、プレート部810は、電気光学装置500及びカバー部820間を固定維持する役割を担うため、該プレート部810と、電気光学装置500及びカバー部820の少なくとも一部とは、例えば上述の突起部827及び係合部817等のように、必然的に接触する部分を相互に有することとなる。これによって、プレート部810は、電気光学装置500で発生する熱を吸い取るためのヒートシンクとして機能する。なお、第1実施形態では特に、プレート部810は、例えば図7に示すように、電気光学装置500と全面的に接触するようにされている。なお、係合部817及び突起部827については、後にも改めて説明する。
【0065】
以上のように、電気光学装置500は、カバー部820の内部空間に収容され、係合部817及び突起部827の係合により、プレート部810がカバー部820に固定されることで、実装ケース801に実装されている。
【0066】
そして、第1実施形態においては特に、カバー部820は、以下に述べるような特徴的な構成を備えている。以下では、これを、前述までに参照した図4から図7に加えて、図8を参照しながら説明する。ここに図8は、図4から図7に示されているプレート部810及びカバー部820のうち、カバー部820のみを示す斜視図である。なお、図8は、図4で示されている面の裏側に位置する面(電気光学装置500に対向する側)を臨む方向で描かれている。
【0067】
まず、カバー部820は、図8等に示すように金属部830及び樹脂部840を併せもつ。なお、各図においては、金属部830の部分は白抜き、樹脂部840の部分はハッチングが施されている。
【0068】
このうち金属部830は、図8に示すように板状部材からなる。該板状部材には、電気光学装置500の画像表示領域10aに対応するように窓825が形成されている。電気光学装置500に対する光の入射は、この窓825により可能となっている(ただし、投射光の進行方向が逆(プレート部810からカバー部820へ)の場合には、当該窓825は、電気光学装置500を透過した光を出射させる役割を担う。)。また、この窓825の辺縁部は、電気光学装置500の画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に当接する。これにより、後述するように、電気光学装置500からカバー部820への熱の伝達を滞りなく行うことが可能となる。
【0069】
また、金属部830には、前記の突起部827が形成されている。この突起部827は、前述のように、電気光学装置500を正対視した場合における両側面に位置するように形成されており、プレート部810において、該突起部827に対応する位置に形成された係合部817に係合可能とされている。ここで、係合部817が金属からなるのであれば、突起部827及び係合部817間における熱の伝達は、非常に活発に行われ得ることになる。
【0070】
このような金属部830を構成する具体的な材料としては、例えば、比較的熱伝導性に優れたアルミニウム又はマグネシウムを含む材料を選択することができる。これによれば、カバー部820自身の放熱性を高めることができる。また、電気光学装置500の周辺領域における光抜けを防止するとともに周辺領域から迷光が画像表示領域10a内に進入するのを防ぐため、好ましくは遮光性能に優れた材料を選択するとよい。
【0071】
なお、第1実施形態においては、前記の窓825は、電気光学装置500を構成する対向基板20及びこれに接合された防塵用基板400の外形形状に一致するように、いわば「出窓」のようなかたちで形成されている(図7等参照)。本発明にいう「板状部材」には、厳密な意味における「板」のみではなく、このように「出窓」を有するような金属部830の形態をも含意される。
【0072】
他方、樹脂部840は、前記の金属部830の上に、電気光学装置500の周囲を囲むように成型されている。より詳しくは、樹脂部840は、図8に示すように、板状たる金属部830の周囲を取り囲むように形成され、且つ、電気光学装置500の外形形状に略一致するように形成されている。これにより、電気光学装置500は、樹脂部840から拘束を受けることになり、該電気光学装置500の実装ケース801内における固定が実現される。
【0073】
樹脂部840には、取付孔821a、821b、821c及び821dが形成されている。また、該取付孔821aから821dに対応する孔(図4、図5参照)が金属部830にも形成されている。これにより、該取付孔821aから821dは、例えば図5又は図6中紙面向こう側からこちら側へ貫通可能なものとなっている。また、これら取付孔821aから821dには、円筒部821Ca、821Cb、821Cc及び821Cdが具備されている。第1実施形態においては特に、これら円筒部821Caから821Cdの内周面にはネジが切られており、ネジ87(図7参照)を螺合することが可能となっている。これにより、プレート部810及び被取付面701間はネジ止めすることが可能となっている。
【0074】
なお、このような樹脂部840を構成する具体的な材料としては、例えば、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0075】
また、当該カバー部820には電気光学装置500からの熱が少なからず伝達すること、或いは該カバー部820自身もランプユニット1102の光照射を受けることを鑑みて、樹脂部840の材料としては、好ましくは、前記の金属部830と同程度の線膨張係数を有するものを選択するとよい。このような構成を採用すれば、例えば樹脂部840及び金属部830間で熱による変形の程度が極端に異なるなどという場合に想定されるように、実装ケース801内における電気光学装置500の位置付けを狂わすなどといった事態の発生を未然に回避することができる。
【0076】
さらに、樹脂部840と金属部830とが組み合わされてなるカバー部820の製造にあたっては、例えば、樹脂部840をインサート成型するなどといった製造方法を採用することが好ましい。
【0077】
以上のような構成を備えた第1実施形態の実装ケース入り電気光学装置では、次のような作用効果が得られる。まず、第一に、第1実施形態のカバー部820は、金属部830及び樹脂部840を併せもつことにより、これらそれぞれがもつ利点の双方を効果的に享受することができる。
【0078】
具体的には、まず、樹脂部840は、図4、或いは図8によく示されているように、電気光学装置500の周囲を囲うように形成されていることにより、当該電気光学装置500の実装ケース801内における固定をより確実になすことができる。しかも、該樹脂部840は、一般に熱による変形が小さいことから、当該実装ケース入り電気光学装置がランプユニット1102(図1参照)から比較的強力な光を浴びで温度上昇したとしても、樹脂部840が熱変形するおそれは小さい。したがって、実装ケース801内における電気光学装置500の固定は、より確実になされることになるのである。ちなみに、これに関連して、第1実施形態では、取付孔821aから821dが、樹脂部840に形成されていることにより、カバー部820及び投射型表示装置間の取り付けも、確実になされるということができる。これもまた、樹脂部840が一般に熱による変形が小さいことによる。
【0079】
このようなことから、第1実施形態に係る電気光学装置500が、投射光の入射方向との兼ね合いで本来位置すべきでない場所にずれるなどという事態は、殆ど発生しないことになる。
【0080】
他方、金属部830は、やはり図4、或いは図8によく示されているように、電気光学装置500における画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に接触するように配置されていることにより、当該接触された部位において、電気光学装置500に蓄えられていく熱を奪取することができる。この場合、該金属部830は、一般に熱伝導率に優れていることから、前記の熱の奪取は、効果的に行われることになる。しかも、第1実施形態においては特に、金属部830には突起部827が形成されており、該突起部827は、やはり金属から構成しうるプレート部810の係合部840に係合されていることにより、前記の熱の奪取は非常に効果的に行われることになるのである。すなわち、この場合には、電気光学装置500、窓825の辺縁部、突起部827及び係合部817などといった熱の伝達経路が構成されることが想定されることから、電気光学装置500からの熱の奪取がより効果的に行われ得るのである。また、この場合、電気光学装置500からカバー部820及びプレート部810の熱容量の分だけ熱を吸い出すことが可能となるため、当該電気光学装置500の冷却効果はより顕著になる。
【0081】
このようなことから、第1実施形態に係る電気光学装置500に熱の蓄積は生じにくい。したがって、第1実施形態によれば、熱の蓄積に伴う液晶層50の特性劣化やホットスポットの発生等の不具合が発生する可能性は極めて低減されており、また、これを原因とする画質の劣化等の発生する可能性も極めて低減されることになる。
【0082】
以上のように、第1実施形態の実装ケース入り電気光学装置によれば、金属部830及び樹脂部840の双方の利点を享受することで、より高品質の画像を表示することが可能となる。
【0083】
(実装ケース入り電気光学装置の第2実施形態)
次に、図9から図13を参照して、本発明の第2の実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置について説明する。ここに図9は、第2実施形態に係る実装ケースを前述した電気光学装置とともに示す分解斜視図であり、図10は当該実装ケース入りの電気光学装置の正面図、図11は図10のX1−X1´断面図、図12は図10のY1−Y1´断面図であり、図13は図10のZ1方向から臨んだ後面図である。また、図14は当該実装ケースを構成するプレート部の正面図である。なお、図9から図13は、電気光学装置を内部に収容した状態における実装ケースを夫々示している。
【0084】
図9から図13に示すように、実装ケース601は、プレート部610とカバー部620とを備える。実装ケース601内に収容される電気光学装置500は、前記の第1実施形態におけるそれと同様である。なお、実装ケース601内における電気光学装置500の固定は、図14に示すように、主に、当該電気光学装置500の四隅に対応するように設けられた紫外線硬化樹脂UV等によって行われている(なお、図14においては、プレート部610上に電気光学装置500が載置されたとした場合における該電気光学装置500の最外縁を破線でもって示している。)。また、第2実施形態においては、カバー部620の側から光が入射し、電気光学装置500を透過して、プレート部610の側から出射するということを前提とする。つまり、図1でいえば、ダイクロイックプリズム1112に対向するのは、カバー部620ではなくて、プレート部610ということになる。
【0085】
以下では実装ケース601を構成するプレート部610及びカバー部620の構成についてのより詳細な説明を行う。
【0086】
まず第一に、プレート部610は、図9から図14に示すように、平面視して略四辺形状を有する板状の部材であって、電気光学装置500の一面に対向するように配置される。第2実施形態では、プレート部610と電気光学装置500とは相互に直接に当接し、後者が前者に載置されるが如き状態が採られる。
【0087】
より詳細には、プレート部610は、窓部615、折り曲げ部613、カバー部固定孔612、並びに取付孔611e、611d及び611cを有する。
【0088】
窓部615は、略四辺形状を有する部材の一部が開口形状に形成されており、例えば図11中、上方から下方への光の透過を可能とする部分である。電気光学装置500を透過してきた光の出射は、この窓部615によって可能となる。なお、これにより、プレート部610上に電気光学装置500を載置した場合には、該電気光学装置500における画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が、窓部615の辺縁に当接されるが如き状態になる。プレート部610は、このようにして電気光学装置500の保持を実現する。
【0089】
折り曲げ部613は、略四辺形状を有する部材の対向する二辺それぞれの一部が、該四辺形状の内側に向かって折り曲げられている部分である。この折り曲げ部613の外側面は、プレート部610及びカバー部620の組み付け時、該カバー部620の内側面に接するようにされている(図11参照)。カバー部固定孔612は、カバー部620において対応する位置に形成された凸部621と嵌合するための孔部である。プレート部610及びカバー部620とは、このカバー部固定孔612及び凸部621が互いに嵌合することによって相互に固定される。なお、第2実施形態においては、該カバー部固定孔612は、各図に示すように、二つの孔部からなる(以下、これらの区別が必要な場合には、カバー部固定孔612a及び612bと呼ぶことがある。)。また、これに対応するように、前記凸部621もまた、二つの凸部からなる(以下、これらの区別が必要な場合には、凸部621a及び621bと呼ぶことがある。)。
【0090】
そして、第2実施形態においては特に、プレート部610が、金属部630及び樹脂部640からなることに特徴があるが、この点については、後に詳しく説明することとする。
【0091】
次に第二に、カバー部620は、図9から図13に示すように、略立方体形状を有する部材であって、電気光学装置500のプレート部610が面する面とは逆側の面に対向するように配置される。
【0092】
このカバー部620は、電気光学装置500の周辺領域における光抜けを防止すると共に周辺領域から迷光が画像表示領域10a内に進入するのを防ぐように、好ましくは遮光性の樹脂、金属製等からなる。また、該カバー部620は、プレート部610、或いは電気光学装置500に対するヒートシンクとして機能させることが好ましいから、該カバー部620は、熱伝導率の比較的大きい材料、より具体的には、アルミニウム、マグネシウム、銅又はこれらそれぞれの合金等から構成するようにするとよい。
【0093】
より詳細には、カバー部620は、凸部621、カバー本体部623、冷却風導入部622及び冷却風排出部624を有する。まず、凸部621は、既に述べたように、プレート部610との固定の際に用いられ、前記カバー部固定孔612a及び612bそれぞれに対応する位置に、二つの凸部621a及び621bを含むものとして形成されている。なお、第2実施形態に係る凸部621は、図10に示されるように、冷却風導入部622、ないしは後述するテーパ部622Tの一部を構成するようにして形成されている(図10の視点からは、本来凸部621は図示されないが、図10では特にこれを示した。)。
【0094】
カバー本体部623は、図9から図13に示されているように、概略、直方体形状を有する部材であって、後述する冷却風導入部622及び冷却風排出部624間に挟まれるようにして存在している。ただし、前記の直方体形状の内方は、電気光学装置500を収容するため、いわばくり抜かれたような状態となっている。すなわち、カバー本体部623は、より正確にいえば、蓋なき箱型の如き形状を有する部材となっている(なお、このような表現によれば、ここにいう「蓋」としては、前記プレート部610が該当すると考えることができる。)。
【0095】
このカバー本体部623は、より詳細には、窓部625及びサイドフィン部628を有している。このうち窓部625は、前記箱型の形状の底面(図9、あるいは図11等では、「上面」ということになる。)に開口形状に形成されており、図11中、上方から下方への光の透過を可能とする部分である。図1に示した液晶プロジェクタ1100内のランプユニット1102から発せられた光は、この窓部625を通過して電気光学装置500に入射可能となる。他方、サイドフィン部628は、カバー本体部623の両側面に形成されている。ここにいう両側面とは、後述する冷却風導入部622及び冷却風排出部624が存在しない側面のことを指す。このサイドフィン部628は、より詳しくは、図9、あるいは図11等によく示されているように、冷却風導入部622から冷却風排出部624へ向けて前記側面から直線状に突出した部分が千鳥足状に配列された形状を含んでいる。これにより、カバー本体部623、ないしはカバー部620の表面積は増大することになる。
【0096】
なお、既に述べたように、カバー部620の内側面には、カバー部620及びプレート部610の組み付け時、プレート部610における折り曲げ部613の外側面が接するようにされている(図11参照)。これにより、電気光学装置500における熱は、プレート部610ないしは折り曲げ部613、そしてカバー部620へと効率的に伝達されるようになっている。
【0097】
冷却風導入部622は、図9、或いは図12等によく示されているように、テーパ部622T及び導風板622Pからなる。第2実施形態において、テーパ部622Tは、概略、その底面が直角三角形となる三角柱の如き外形を有している。そして、テーパ部622Tは、カバー本体部623の一側面に、前記三角柱の一側面が付着されたような外形を呈している。この場合、当該三角柱の一側面は、該三角柱の底面における直角部とこれに隣接する角部との間に挟まれた辺を含んでいる。したがって、テーパ部622Tは、カバー本体部623の側面上において最大高さとなる根元部622T1を有し(ただし、ここでいう「高さ」とは、図12中、上下方向の距離をいう。図12では目安として当該方向に延びる破線を示した。)、そこから次第に高さを減じた先端部622T2を有するという形状となっている。一方、導風板622Pは、前記三角柱の底面において直角部を除く他の二角に挟まれた一辺に沿って立設された壁の如き外形を呈している。前記「高さ」を用いて説明すると、該導風板622Pの高さは、前記根元部622T1から前記先端部622T2へ向けてテーパ部622Tの高さが減ずるにもかかわらず、これら根元部622T1及び先端部622T2間のどの部分においても一定である。
【0098】
最後に、冷却風排出部624は、図9、図10、或いは図13等によく示されているように、フレキシブルコネクタ導出部624C及びリアフィン部624Fからなる。このうちフレキシブルコネクタ導出部624Cは、前記テーパ部622Tが形成されているカバー本体部623の側面に対向する側面上に形成されている。より具体的には、図13に示すように、該側面上に、断面がコの字状となる部材が、該コの字状断面の開口部を図13中下方に向けて取り付けられたような形状を呈している。電気光学装置に接続されたフレキシブルコネクタ501は、このコの字に囲われた空間を抜けて、外部へと引き出されるようになっている。
【0099】
他方、リアフィン部624Fは、フレキシブルコネクタ導出部624Cにおける前記コの字状断面のいわば天井板上に設けられている。このリアフィン部624Fは、より詳しくは、図9、図10、或いは図13等によく示されているように、前述したサイドフィン部628たる直線状の突出した部分が延在する方向と符号を合わせるように、前記天井板から直線状に突出した部分が複数並列(図11等では、「四つ」の直線状に突出した部分が並列)された形状を含んでいる。これにより、カバー部620の表面積は増大することになる。
【0100】
カバー部620が以上のような構成をとることにより、図1に示した如き液晶プロジェクタ1100に備えられたシロッコファン1300から送られてきた風は、実装ケース601、ないしカバー部620の周囲において、図15に示すように流れることになる。ここに図15は実装ケース入り電気光学装置の斜視図であって、当該実装ケース入り電気光学装置に対する典型的な風の流れ方を示す図である。なお、図1に示した液晶プロジェクタ1100において、図15に示すような冷却風の流れを実現するためには、図1を参照して説明した吹き出し口100RW、100GW及び100BWが、カバー620を構成する冷却風導入部622と対向するように、実装ケース入り電気光学装置、すなわちライトバルブ100R、100G及び100Bを設置する必要がある。
【0101】
第2実施形態に係る実装ケース601は、この図15に示す冷却風W1、W2及びW3等のような風の流れによって効率的に冷却されるようになっている。そして、このことは、電気光学装置500、プレート部610及びカバー部620の順に伝達される熱を、最終的に外部へと放散するのに非常に有効である。特に、第2実施形態においては、本来であれば、カバー部620上には至らなかったはずの風(図では符号W2)等を、導風板622Pにより、実装ケース601、或いはカバー部620の冷却に用いることが可能となっている点、或いはサイドフィン部628、リアフィン部624Fが、カバー部620の冷却を促進する点等、特有の作用効果が発揮される。
【0102】
また、カバー部620が効率的に冷却されるということは、電気光学装置500から折り曲げ部613等を介してプレート部610に、あるいはカバー部620へという熱の流れを、いつでも有効に維持しうることを意味する。すなわち、カバー部620は、常態において好適に冷却された状態にあるから、ヒートシンクとしての機能をいつでも有効に維持することにより、該カバー部620からみて、プレート部610からの熱の奪取、ひいては電気光学装置500からの熱の奪取をいつでも有効に行い得るのである。
【0103】
よって、第2実施形態に係る電気光学装置500は、過剰に熱を蓄えこむということがないから、液晶層50の劣化、あるいはホットスポットの発生等は未然に防止されることになり、これに基づく画像の劣化等を招くおそれは極めて低減されることになる。
【0104】
(プレート部の構成及び作用)
以下では、プレート部610の構成・作用等について、前述までに参照した各図を参照しながら、より詳細に説明することとする。
【0105】
まず、プレート部610は、図9から図14に示すように金属部630及び樹脂部640を併せもつ。なお、各図においては、金属部630の部分は白抜き、樹脂部640の部分はハッチングが施されている。
【0106】
このうち金属部630は、図9等に示すように板状部材からなる。該板状部材には、電気光学装置500の画像表示領域10aに対応するように前述した窓部615が形成されている。
【0107】
このような金属部630を構成する具体的な材料としては、例えば、比較的熱伝導性に優れたアルミニウム又はマグネシウムを含む材料を選択することができる。これによれば、プレート部610自身の放熱性を高めることができる。また、電気光学装置500の周辺領域における光抜けを防止するとともに周辺領域から迷光が画像表示領域10a内に進入するのを防ぐため、好ましくは遮光性能に優れた材料を選択するとよい。
【0108】
他方、樹脂部640は、前記の金属部630の上に、電気光学装置500の周囲を囲むように成型されている。より詳しくは、樹脂部640は、図9、或いは図14に示すように、相互に分断された複数の小部材からなる。すなわち、樹脂部640は、第一に、電気光学装置500の図14中上辺に対応する第一小部材641、第二に、電気光学装置500の図14中左右両辺に対応する第二小部材642、第三に、電気光学装置500の図14中下辺に対応する第三小部材643からなる。このうち、第二小部材642は、図11等に示すように、折り曲げ部613の内側面に接するように、且つ、電気光学装置500の側面に接するように配置されている。また、第三小部材643は、カバー部620におけるフレキシブルコネクタ導出部624Cを配置するために、平面視して一部切り欠いた部分を有するように成型されている(図14等参照)。電気光学装置500は、このような第一乃至第三小部材641〜643からなる樹脂部640により拘束を受けることになり、該電気光学装置500の実装ケース601内における固定がより確実に実現される。
【0109】
樹脂部640を構成する各小部材のうち、第三小部材643には、取付孔611c及び611dが形成されている(図9及び図10参照)。また、これら取付孔611c及び611dに対応する孔(不図示)が金属部630にも形成されている。これにより、該取付孔611c及び611dは、例えば図14中紙面向こう側からこちら側へ貫通可能なものとなっている。これら取付孔611c及び611dには、円筒部611Cc及び611Cdが具備されている。第2実施形態においては特に、これら円筒部611Cc及び611Cdの内周面にはネジが切られており、図示しないネジを螺合することが可能となっている。これにより、プレート部610及び被取付面間はネジ止めすることが可能となっている。
【0110】
なお、第2実施形態においては、前記の取付孔611c及び611dに加えて、取付孔611eが備えられている。この取付孔611eは、取付孔611c及び611dと併せて、平面視して二等辺三角形を形作るように配置されている。これにより、第2実施形態に係るプレート部610の前記被取付面への取り付けでは三点固定が行われることになる。したがって、該プレート部610が、多少歪んでいたり、反っていたり、或いは撓んでいたりしたとしても、正確な平面出しを確保した上で、プレート部610の被取付面への取り付けを行うことができる。
【0111】
このような樹脂部640を構成する具体的な材料としては、例えば、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0112】
また、当該プレート部610には、電気光学装置500からの熱が少なからず伝達すること、或いは該プレート部610自身もランプユニット1102の光照射を受けることを鑑みて、樹脂部640の材料としては、好ましくは、前記の金属部630と同程度の線膨張係数を有するものを選択するとよい。このような構成を採用すれば、例えば樹脂部640及び金属部630間で熱による変形の程度が極端に異なるなどという場合に想定されるように、実装ケース601内における電気光学装置500の位置付けを狂わすなどといった事態の発生を未然に回避することができる。
【0113】
さらに、樹脂部640と金属部630とが組み合わされてなるプレート部610の製造にあたっては、例えば、樹脂部640をインサート成型するなどといった製造方法を採用することが好ましい。
【0114】
以上のような構成を備えた第2実施形態の実装ケース入り電気光学装置では、プレート部610が金属部630及び樹脂部640を併せもつことにより、前記の第1実施形態におけるカバー部820と略同様に、これらそれぞれがもつ利点の双方を効果的に享受することができるのが明白である。
【0115】
ただし、第2実施形態では、プレート部610及びカバー部620の相互の組み付けは、前記第1実施形態のように、係合部817及び突起部827の係合といった手段で図られるのではなく、カバー部固定孔612及び凸部621間の嵌合によって図られる。しかしながら、この場合においても、カバー部固定孔612及び凸部621ともに金属製とすることが可能であるから(例えば、図9参照)、両者間における熱の伝達が活発に行われ得ることは、係合部817及び突起部827間におけるのと何ら変わりはない。したがって、第2実施形態においても、プレート部610及びカバー部620間の接触部分を介した活発な熱伝達により、電気光学装置500の冷却が大きく促進される。なお、カバー部固定孔612及び凸部621も、本発明にいう「係合部」及び「被係合部」の一例である。
【0116】
また、第2実施形態において、前記の第1実施形態に関して記載した熱の伝達経路(電気光学装置500、窓825の辺縁部、突起部827及び係合部817)と同様、電気光学装置500を冷却するのに効果的に作用する熱の伝達経路としては、電気光学装置500、窓部615の辺縁部、折り曲げ部613、該折り曲げ部613に接触するカバー部620の内壁(図11参照)、ひいてはカバー部620の全体などといったものを挙げることができる。これによっても、電気光学装置500からの熱の奪取は、効果的に行われることになる。
【0117】
そして、第2実施形態では特に、前述したように、カバー部620に冷却風導入部622やサイドフィン部628等が形成されていて、その冷却が非常に効果的に行われ得るようになっていることから、前記の熱の奪取は、更に効果的に行われ得るようになっているのである。
【0118】
いずれにせよ、第2実施形態においても、実装ケース601内における電気光学装置500の位置ずれは樹脂部640の存在によって発生し難く、また、該電気光学装置500における蓄熱は金属部630の存在によって生じ難いようになっているから、高品質な画像を表示することができる。
【0119】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う実装ケース入り光学装置及び投射型表示装置並びに実装ケースもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投射型液晶装置の実施形態の平面図である。
【図2】本発明に係る電気光学装置の実施形態の平面図である。
【図3】図2のH−H′断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る実装ケースを、電気光学装置とともに示す分解斜視図である。
【図5】第1実施形態の実装ケース入り電気光学装置の正面図である。
【図6】第1実施形態の実装ケース入り電気光学装置の背面図である。
【図7】図5のQ1方向から臨んだ側面図である。
【図8】第1実施形態の実装ケースを構成するカバー部のみを図示する斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る実装ケースを、電気光学装置とともに示す分解斜視図である。
【図10】第2実施形態の実装ケース入りの電気光学装置の正面図である。
【図11】図10のX1−X1´断面図である。
【図12】図10のY1−Y1´断面図である。
【図13】図10のZ1方向から臨んだ後面図である。
【図14】第2実施形態の実装ケースを構成するプレート部の正面図である。
【図15】第2実施形態の実装ケース入り電気光学装置の斜視図であり、これに対する風の流れ方を示す説明図でもある。
【符号の説明】
10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、400…防塵用基板、50…液晶層、500…電気光学装置、601、801…実装ケース
610、810…プレート部、611e、613d、613c…取付孔
620、820…カバー部、821a、821b、821c、821d…取付孔
630、830…金属部、640、840…樹脂部、641…第一小部材、642…第二小部材、643…第三小部材
701…被取付面
622…冷却風導入部、622T…テーパ部、622P…導風板
623…カバー本体部、628…サイドフィン部
624…冷却風導出部、624F…リアフィン部
100R、100G、100B…ライトバルブ、1100…液晶プロジェクタ、1102…ランプユニット
Claims (11)
- 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、
該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレート、及び、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースと
を備えた実装ケース入り電気光学装置であって、
前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、
前記実装ケース内における前記電気光学装置の位置を固定するための樹脂部と、
前記電気光学装置における前記画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部と
を備えていることを特徴とする実装ケース入り電気光学装置。 - 前記樹脂部は、前記電気光学装置の周囲を囲むように備えられていることを特徴とする請求項1に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、
前記取付部は、前記樹脂部に備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 前記取付部は取付孔を含み、
該取付孔の中心を貫く線にその軸を一致させた円筒部を具備していることを特徴とする請求項3に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 前記プレートにおける前記当接する部分に対応する部分及び前記カバーにおける前記当接する部分の少なくとも一方は、前記金属部からなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記プレートは係合部を備え、前記カバーは前記係合部に係合する被係合部を備えてなり、
前記係合部及び前記被係合部の少なくとも一方は、前記金属部に備えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 前記樹脂部の線膨張係数と前記金属部の線膨張係数とは同程度とされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記樹脂部及び前記金属部は、前記カバーに備えられてなり、
前記金属部は、前記窓を含む板状部材からなり、
前記樹脂部は、前記板状部材の上に成型されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 前記プレート及び前記カバーの一方は前記樹脂部及び前記金属部を備えてなり、その他方は金属のみからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレート、及び、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、
前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方は、
前記実装ケース内における前記電気光学装置の位置を固定するための樹脂部と、
前記電気光学装置における前記画像表示領域に対応した窓が備えられた金属部と
を備えていることを特徴とする実装ケース。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置と、
前記光源と、
前記投射光を前記電気光学装置に導く光学系と、
前記電気光学装置から出射される投射光を投射する投射光学系と
を備えていることを特徴とする投射型表示装置。
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