JP4385598B2 - 実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置並びに実装ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置にライトバルブとして用いられる液晶パネル等の電気光学装置を実装するための実装ケース、また該実装ケースに当該電気光学装置が実装或いは収容されてなる実装ケース入り電気光学装置、及びこのような実装ケース入り電気光学装置を備えてなる投射型表示装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
一般に、液晶パネルを液晶プロジェクタにおけるライトバルブとして用いる場合、該液晶パネルは、液晶プロジェクタを構成する筐体等にいわば裸の状態で設置されるのではなく、該液晶パネルを適当な実装ケースに実装ないし収容した上で、この実装ケース入り液晶パネルを、前記筐体等に設置することが行われる。これは、当該実装ケースに適当なねじ孔等を設けておくことで、液晶パネルの前記筐体等に対する固定、取り付けを容易に実施することなどが可能となるからである。
【0003】
このような液晶プロジェクタでは、光源から発せられた光源光は、当該実装ケース入り液晶パネルに対して集光された状態で投射されることになる。そして、液晶パネルを透過した光は、スクリーン上に拡大投射されて画像の表示が行われることになる。このように液晶プロジェクタにおいては、拡大投射が一般に予定されているため、前記光源光としては、例えばメタルハライドランプ等の光源から発せられる比較的強力な光が使用されることになる。
【0004】
すると、まず、実装ケース入り液晶パネル、とりわけ液晶パネルの温度上昇が問題となる。すなわち、このような温度上昇が生じると、液晶パネル内において一対の透明基板間に挟持されている液晶の温度も上昇して、該液晶の特性劣化を招く。また特に光源光にむらがあった場合には、部分的に液晶パネルが加熱されて所謂ホットスポットが発生して、液晶の透過率のムラができて投射画像の画質が劣化する。
【0005】
このような液晶パネルの昇温を防止する技術としては、例えば特許文献1等に開示されているものが知られている。この特許文献1では、液晶パネル及び該液晶パネルを収容保持するとともに放熱板が備えられたパッケージ(本明細書にいう「実装ケース」に該当する。)からなる液晶表示モジュールにおいて、前記液晶パネル及び前記放熱板間に放熱シートを設けることにより、液晶パネルの昇温を防止する技術が開示されている。
【0006】
また、このような問題点に対処するため、その他にも、液晶パネルの光入射側に位置する基板に遮光膜を設けること、液晶パネルを実装あるいは収納してなる実装ケースを光反射性材料から構成すること等といった技術も知られている。
【0007】
【特許文献1】
再表WO98/36313
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における液晶パネルの昇温防止対策には次のような問題点がある。すなわち、光源光からの強力な光が投射される限り、液晶パネルの温度上昇の問題は常に顕在化するおそれがあるから、更なる高画質化等を図るためには、上記各種の対策に代えて又は加えて、より効率的な温度上昇の防止対策が要求されているという点である。
【0009】
また、上述のような液晶プロジェクタにおいては、次のような問題点もある。すなわち、液晶プロジェクタで画像表示を行うためには、前述したように、該液晶プロジェクタ内における実装ケース入り液晶パネルに対し、光源から発せられた光を集光したものを正確に投射する必要がある。これを行うためには、第一に、該実装ケース入り液晶パネルが、液晶プロジェクタに対して、位置的に正確に取り付けられていなければならない。
【0010】
また第二に、このような正確な取り付けは、当該液晶プロジェクタの使用期間中、常に一定の範囲内で維持されていなければならない(即ち、当該使用期間中における取り付け位置の「ずれ」は、一定の範囲内になければならない。)。このような要請は、実装ケース入り液晶パネル、或いは液晶パネルが上述のように温度上昇することに基づいている。すなわち、液晶パネルが温度上昇すると、これに従い該液晶パネルを収容する実装ケースもまた温度上昇し、これによって該実装ケースは熱膨張による変形をする可能性がある。また、実装ケースの温度上昇は、投射型表示装置の温度上昇ももたらすことになり、その結果、該投射型表示装置、或いはその中における前記実装ケースを取り付けている筐体等においても、熱膨張による変形が生じる可能性がある。このような変形に応じて、液晶プロジェクタ内における実装ケース入り液晶パネルの位置ずれ等が生じると、実装ケース入り液晶パネルに対する正確な集光光の入射、或いは該液晶パネルからの正確な投影光の出射が困難になる。このようなことから、液晶プロジェクタに対する実装ケース入り液晶パネルの取り付けは、より精度高くなされている必要があることになる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置に対する取り付けを位置的に正確に行い得るとともに、当該投射型表示装置内における実装ケースの位置ずれを可及的に生じさせない実装ケース入り電気光学装置及びこれを備えてなる投射型表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、このような実装ケース入り電気光学装置に使用されて好適な実装ケースを提供することをも課題とする。
【0012】
本発明の第1の実装ケース入り電気光学装置は、上記課題を解決するため、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースとを備えた実装ケース入り電気光学装置であって、前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、前記プレートは、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、前記被取付部及び前記取付部によって取り付けられた前記プレート及び前記被取付部間は所定距離だけ隔てられている。
【0013】
本発明の第1の実装ケース入り電気光学装置によれば、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置が、カバー及びプレートからなる実装ケース内に実装される。このような電気光学装置としては、例えば投射型表示装置におけるライトバルブとして実装される液晶装置或いは液晶パネルが挙げられる。なお、このような実装ケースには、電気光学装置の周辺領域を少なくとも部分的に覆うことにより、当該周辺領域における光抜けを防止したり或いは周辺領域から画像表示領域内に迷光が進入するのを防止する遮光機能を持たせてもよい。
【0014】
そして、本発明では特に、前記プレートは当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えている。この取付部により、実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置に対する取り付けを確実になすことができる。なお、前記の被取付部としては、例えば投射型表示装置の一部として構成され、適当な立体形状が付与された筐体等を挙げることができる。また、取付部の具体的態様としては種々のものが採りえる。例えば、当該取付部をネジ孔として構成することが可能であり、この場合には、該ネジ孔たる取付部と、前記被取付部に形成された雌ネジ孔を貫通且つ螺合するようにネジ止めすることにより、実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置間の取り付けを実現することができる。
【0015】
そして更に、本発明では、前記被取付部及び取付部によって取り付けられた前記プレート及び前記被取付部間は所定距離だけ隔てられている。本発明によれば、この所定距離の存在により、プレート及び被取付部間は完全には直接は接触しないことになる。
【0016】
これにより、まず、プレートがどのような平面度をもっていたとしても、該プレート(ないしは実装ケース)の被取付部への取り付けをより正確に行うことができる。例えば、該プレートが緩やかに曲がっている、歪んでいる、或いは反っている等のような場合であっても、プレート及び被取付部間の実際の取り付けは前記取付部を用いて行われ、且つ、プレート及び被取付部間には所定距離が設けられていることから、前述の曲がり、歪み或いは反り等を気にすることなく、当該取り付けを正確に実施することができるのである。
【0017】
また、本発明によれば特に、当該実装ケース入り電気光学装置の前記投射光の出射側に偏光板が設けられている場合において、前記の所定距離が特有の作用効果を発揮する。すなわち、前記偏光板は、電気光学装置からの出射光に曝されるため、通常、比較的高温な状態になることがある。そうすると、この偏光板からの輻射熱が、実装ケース入り電気光学装置に到達し、電気光学装置の温度を上昇させるおそれがあるのである。しかるに、本発明においては、プレート及び被取付部間は、前述のように所定距離だけ隔てられていることから、前記の輻射熱は、電気光学装置に対し、距離の2乗に反比例した分だけ弱まって到達することになる。つまり、電気光学装置の温度上昇を抑制的にすることができるのである。したがって、本発明によれば、電気光学装置が温度上昇することにより発生するおそれのある不具合(例えば、液晶層の特性劣化、或いは液晶層中のホットスポットの発生)を被らなくて済むから、周囲の温度環境にかかわらず、高品質な画像を表示することが可能となる。
【0018】
さらに、前記プレートは実装ケースの一部を構成し、また該実装ケースは電気光学装置を収容する。したがって、電気光学装置が光源から強力な光照射を受けて温度上昇する場合には、該電気光学装置から熱が伝達されることによって、プレートの温度が上昇することになる(なお、実装ケースそれ自体も光照射を受けるから、それによる温度上昇も生じる。)。ここで、もし、該プレートと被取付部が完全に接触した状態にあると、前者から後者に対する熱の伝達が、殆ど障害なく行われてしまうことになる。すると、投射型表示装置、とりわけ前記被取付部の温度が上昇することによって、該被取付部が熱膨張によって変形し、当該投射型表示装置における実装ケース入り電気光学装置の位置付けを狂わすおそれが出てこないとも限らない。しかるに、本発明によれば、上述のようにプレート及び前記被取付部間は所定距離だけ隔てられていて、両者間は完全には直接は接触しないようになっている。したがって、前者から後者への熱の伝達は一定程度阻害されるようになっており、上述のような不具合を被らなくて済むのである。
【0019】
なお、「所定距離が隔てられている」とは、プレート及び投射型表示装置間が完全には直接に接触していないということを意味している。すなわち、プレート及び投射型表示装置間において接触している部分が皆無であるということまでは意味せず、部分的に接触している部分を有していてもよい。
【0020】
本発明の第1の実装ケース入り電気光学装置の一態様では、前記プレートは板状部材からなるとともに、前記周辺領域の少なくとも一部を保持する保持部を有し、前記板状部材は、該板状部材を断面視して、前記保持部の高さとは異なる高さを有する段差部を有し、前記取付部は、前記段差部に形成されている。
【0021】
この態様によれば、前記の所定距離の隔てを好適に設定することができる。すなわち、本態様によれば、まず、プレートにおいて前述のような保持部及び段差部、即ち、該プレートを構成する板状部材を断面視すると両者間には段差(或いは、高さの差異)がみられるような保持部及び段差部が形成されている。そして、前記取付部は、前記段差部に形成されている。したがって、このようなプレート及び投射型表示装置間の取り付けを実施した場合において、例えば前記取付部及び前記被取付部間が略接するような状態を仮定すると、当該プレート及び当該被取付部間には、少なくとも、前記保持部に関して所定の距離が設定され得ることになる。また、上のような仮定を置かずに、取付部及び被取付部間が一定の距離をもって接合されるような場合を仮定したとしても、前記段差部の存在によると、プレート及び被取付部間の距離の大きさを、より大きくする(即ち、プレートを、被取付部から、より離間させる)ことができる。
【0022】
また、本態様のような段差部が存在すれば、プレートないしこれを構成する板状部材がどのような平面度をもっていたとしても、該プレート(ないしは実装ケース)の被取付部への取り付けをより正確に行うことができる。例えば、該プレートが緩やかに曲がっている、歪んでいる、或いは反っている等のような場合であっても、プレート及び被取付部間の実際の取り付けは前記段差部に形成された取付部を用いて行われることから、前述の曲がり、歪み或いは反り等を気にすることなく、当該取り付けを正確に実施することができるのである。
【0023】
このように、本態様によれば、段差部の存在によって、所定距離それ自体の設定、或いは該所定距離の大きさの選択等を好適に行うことができる。また、プレート及び被取付部間の取り付けを、該プレートの平面度に関わらず、より正確に行うことができる。
【0024】
この態様では、前記段差部は、プレス加工により形成されているように構成してよい。
【0025】
このような構成によれば、前記段差部を比較的容易に形成することができる。
【0026】
なお、本態様にいう「プレス加工」とは、フラットな面を有する部材に対して、型の有する適当な表面形状を転写することにより、該部材に前記表面形状に対応した凹凸を形作る加工方法一般を総称する用語として用いている。したがって、いわゆる「深絞り加工」も、本態様にいう「プレス加工」に含まれる。このようなプレス加工としては、具体的には、ハーフパンチ加工、絞り加工等がある。本発明においては、基本的にどのような方法を用いてもよい。
【0027】
この段差部を有する態様では更に、前記保持部及び前記段差部の高さの差は、0.1mm以上であるように構成してもよい。
【0028】
このような構成によれば、段差部の高さが0.1mm以上と好適に設定されることから、前述したような所定距離それ自体の設定、或いは所定距離の大きさの選択等をよりよく行うことができる。例えば、該プレートが緩やかに曲がっているような場合であっても、前記段差部の高さを0.1mm以上とすれば、前記の作用効果を享受できるということである。
【0029】
なお、保持部及び段差部間の高さの差を、本態様のように0.1mm以上とする場合であって、前記段差部を前記プレス加工によって形成する場合においては、前記板状部材の厚さが、好ましくは0.2〜0.8mm程度、更に好ましくは0.5mm程度にするとよい。これによれば、高さ0.1mm以上の段差部を、比較的容易に形成することが可能となる。
【0030】
本発明の第1の電気光学装置の他の態様では、前記被取付部及び前記取付部間には、介在部材が設けられている。
【0031】
この態様によれば、前記所定距離を好適に設定することができる。すなわち、本態様によれば、被取付部及び取付部間に介在部材が存在することによって、その厚さに応じた所定距離それ自体の設定を好適に行うことができる。また、前記厚さを調整すれば、該所定距離の大きさの選択等を好適に行うこともできる。
【0032】
なお、本態様における「介在部材」の具体的態様としては、例えばワッシャ等を想定することができる。また、本態様における「介在部材」については、前述の「段差部」と略同様に、0.1mm以上の厚さを有するように構成すると好ましい。その理由は、当該箇所で述べたとおりである。
【0033】
さらに、本態様に係る「介在部材」と、前述の「段差部」を併せもたせる態様も、本発明の範囲内にある。この場合、前記所定距離は、介在部材の厚さと段差部の高さとを加算した大きさに比例したものとなるから、プレート及び被取付部間の距離を、より大きくとることができる。
【0034】
この態様では特に、前記介在部材の熱伝導率は、前記被取付部の熱伝導率よりも小さいように構成してもよい。
【0035】
このように構成すれば、被取付部に比べて、介在部材における熱の伝達が生じ難い。これにより、前述した偏光板からの熱は、電気光学装置に対してより伝わりにくくなる。したがって、本構成によれば、電気光学装置の温度上昇を更に効果的に防止することができる。なお、具体的には例えば、介在部材を合成樹脂等で構成するとよい。
【0036】
本発明の第1の電気光学装置の他の態様では、前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されている。
【0037】
この態様によれば、被取付部に対するプレートの取り付けを、好適に実施することができる。すなわち、三点が定まればこれら三点の載る平面が定まるところ、本態様に係る取付部を用いれば、被取付部に対するプレートの取り付けを三点固定で実施することができることから、該プレートの表面がある所定の好ましい平面に載るように(以下、このような作業を「平面出し」ということがある。)、該プレートの取り付けを実施することができる。なお、上述にいう「好ましい平面」とは、例えば前記投射光の電気光学装置に対する入射態様、或いはその集光の状態如何等によって定まる。そして、上述のようなプレートの設置が行われれば、実装ケース、或いはその内部に収容される電気光学装置もまた、前記好ましい平面に沿うような状態が確保されて、投射型表示装置内に組み付けられることになる。
【0038】
このように、本態様によれば、プレートないし実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置内における設置を好適に実施することができる。したがって、電気光学装置に対する投射光の正確な照射、或いは該電気光学装置からの正確な出射が実現されることで、より高品質な画像を表示することが可能となる。
【0039】
なお、本態様の記載から逆に明らかとなるように、本発明は、取付部の個数について特に限定されるものではない。例えば、取付部が二個以下又は四個以上存在するような形態を採用してもよい。これによれば、二点以下又は四点以上の固定点をもったプレート及び被取付部間の組み付けを実施することができる。或いは、全部で五個の取付部を形成するが、そのうちの三個を、本態様の「三角形の各頂点に配置」という要件を満たすように形成することによって、前記の作用効果を享受しうるようにするとともに、当該三個の取付部のうちの二個と、前記五個の取付部のうち当該三個の取付部を除いた二個とによって、前述のような四点固定による取り付けが実施可能な形態なども採用してもよい。
【0040】
また、本態様の要件を満たす取付部を、前述した「段差部」に形成するのであれば、前述したようなプレートないし実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置内における設置を更に好適に実施することができる。これは、該取付部が、前記板状部材の保持部からみて突出した平面上に形成されるが如き形となるからである。これによると、当該プレートは、その平面度にかかわらず、前記突出した三点により定まる平面に載るように設置可能となる。比喩的にいえば、岩場に設置した三脚のように、容易に平面出しされ得るのである。本発明は、このような形態となるプレートをも当然にその範囲内に含む。
【0041】
本発明の第1の電気光学装置の他の態様では、前記取付部は取付孔を含み、該取付孔の中心を貫く線にその軸を一致させたボスを具備している。
【0042】
この態様によれば、プレート及び被取付部間の取り付けを、ボスを介することでより好適に行うことができる。例えば、該ボスの内周面にねじを切っておけば、プレート及び被取付部間を容易且つ好適にネジ止めすることができる。また、該ボスの内周面にねじを切らなくても、該ボス中にスタッド或いは楔等を打ち込んだ上、このスタッド或いは楔等とボスの内周面との間に適当な接着剤を流し込むことによって、前記のプレート及び被取付部間の取り付けを容易且つ好適に実施することができる。
【0043】
本発明の第2の電気光学装置は、上記課題を解決するために、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースとを備えた実装ケース入り電気光学装置であって、前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、前記プレートは、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されている。
【0044】
本発明の第2の電気光学装置によれば、上述したように、被取付部に対するプレートの取り付けを三点固定で実施することができることから、正確な平面出しを行った上で、該プレートの取り付けを実施することができる。そして、これによると、実装ケース、或いはその内部に収容される電気光学装置もまた、正確に平面出しされた状態が確保されて投射型表示装置内に組み付けられることになる。
【0045】
このように、本発明によれば、プレートないし実装ケース入り電気光学装置の投射型表示装置内における設置を好適に実施することができる。したがって、電気光学装置に対する投射光の正確な照射、或いは該電気光学装置からの正確な出射が実現されることで、より高品質な画像を表示することが可能となる。
【0046】
本発明の第1の実装ケースは、上記課題を解決するために、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、前記プレートは、当該実装ケースを投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、前記被取付部及び前記取付部間の接合を介して取り付けられた前記プレート及び前記被取付部間に所定距離だけ隔てられている。
【0047】
本発明の第1の実装ケースによれば、上述の本発明の第1の実装ケース入り電気光学装置に使用されて好適な実装ケースを提供することができる。
【0048】
本発明の第2の実装ケースは、上記課題を解決するために、画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、前記プレートは、当該実装ケースを投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されている。
【0049】
本発明の第2の実装ケースによれば、上述の本発明の第2の実装ケース入り電気光学装置に使用されて好適な実装ケースを提供することができる。
【0050】
本発明の投射型表示装置は、上記課題を解決するために、前述の本発明の第1又は第2の実装ケース入り電気光学装置(但し、その各種態様を含む)と、前記被取付部と、前記光源と、前記投射光を前記電気光学装置に導く光学系と、前記電気光学装置から出射される投射光を投射する投射光学系とを備えている。
【0051】
本発明の投射型表示装置によれば、前述の本発明の第1又は第2の実装ケース入り電気光学装置を具備してなるから、投射型表示装置に対する実装ケース入り電気光学装置の組み付けを正確に行うことができ、また、当該電気光学装置が温度上昇等する場合であっても、前記の組み付けの正確さは維持されることから、より高品質な画像を表示することが可能である。
【0052】
本発明の投射型表示装置の一態様では、前記実装ケース入り電気光学装置と前記投射光学系との間に偏光板が更に備えられている。
【0053】
この態様によれば、偏光板は、電気光学装置からの出射光に曝されるため、通常、比較的高温な状態になることがある。そうすると、この偏光板からの熱が、電気光学装置に到達し、その温度を上昇させるおそれがあることになる。しかるに、本発明においては、プレート及び被取付部間は、前述のように所定距離だけ隔てられ、さらには突出した3点で面接触ではなく点接触するため、前記の熱は、電気光学装置に対し、弱まって到達することになる。つまり、電気光学装置の温度上昇を抑制的にすることができるのである。したがって、本発明によれば、電気光学装置が温度上昇することにより発生するおそれのある不具合(例えば、液晶層の特性劣化、或いは液晶層中のホットスポットの発生)を被らなくて済むから、周囲の温度環境にかかわらず、高品質な画像を表示することが可能となる。
【0054】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0056】
(投射型液晶装置の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明による投射型液晶装置の実施形態について、その光学ユニットに組み込まれている光学系を中心に説明する。本実施形態の投射型表示装置は、実装ケース入りの電気光学装置の一例たる液晶ライトバルブが3枚用いられてなる複板式カラープロジェクタとして構築されている。
【0057】
図1において、本実施形態における複板式カラープロジェクタの一例たる、液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された電気光学装置を含む液晶ライトバルブを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0058】
本実施形態のライトバルブ100R、100G及び100Bとしては、例えば、後述の如きTFTをスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置が使用される。また、当該ライトバルブ100R、100G及び100Bは、後に詳述するように実装ケース入り電気光学装置として構成されている。
【0059】
また、この液晶プロジェクタ1100には、図1に示すように、ライトバルブ100R、100G及び100Bに冷却風を送るためのシロッコファン1300が設けられている。このシロッコファン1300は、その側面に複数のブレード1301を備えた略円筒形状の部材を含んでおり、該円筒形状の部材がその軸を中心として回転することで前記ブレード1301が風を生じさせるようになっている。なお、このような原理から、シロッコファン1300で作り出される風は、図1に示されるように、らせん状に渦巻いたものとなる。
【0060】
このような風は、図1において図示されない風路を通じて各ライトバルブ100R、100G及び100Bに送給され、各ライトバルブ100R、100G及び100Bの近傍に設けられた吹き出し口100RW、100GW及び100BWから、これらライトバルブ100R、100G及び100Bに対して送り出されるようになっている。
【0061】
ちなみに、前述したようなシロッコファン1300を用いれば、静圧が高くライトバルブ100R、100G及び100B周囲の狭い空間にも風を送りやすいという利点が得られる。
【0062】
以上説明した構成においては、強力な光源たるランプユニット1102からの投射光により各ライトバルブ100R、100G及び100Bで温度が上昇する。この際、過度に温度が上昇してしまうと、各ライトバルブ100R、100G、100Bを構成する液晶が劣化したり、光源光のむらによる部分的な液晶パネルの加熱によるホットスポットの出現により透過率にムラが生じたりする。そこで、本実施形態では特に、各ライトバルブ100R、100G、100Bは、後述のように、電気光学装置を冷却する能力を有する実装ケースを備えている。このため、後述の如く各ライトバルブ100R、100G、100Bの温度上昇は効率的に抑制されている。
【0063】
なお、本実施形態では好ましくは、液晶プロジェクタ1100のハウジング内には、各ライトバルブ100R、100G、100Bの周辺空間に、冷却媒体を流す循環装置等からなる冷却手段を備える。これにより、後述の如き放熱作用を持つ実装ケース入りの電気光学装置からの放熱を一層効率的に行うことができる。
【0064】
(電気光学装置の実施形態)
次に本発明の電気光学装置に係る実施形態の全体構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。本実施形態に係る電気光学装置は、上述した液晶プロジェクタ1100における液晶ライトバルブ100R、100G、100Bとして使用されるものである。ここに、図2は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図3は、図2のH−H’断面図である。
【0065】
図2及び図3において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0066】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
【0067】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0068】
画像表示領域の周辺に広がる領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する周辺領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また図2に示すように、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0069】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0070】
尚、図2及び図3に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0071】
このように構成された電気光学装置の場合、その動作時には、図3の上側から強力な投射光が照射される。すると、対向基板20、液晶層50、TFTアレイ基板10等における光吸収による発熱によって、当該電気光学装置の温度が上昇する。このような温度上昇は、液晶層50等の劣化を早めると共に、表示画像の品位を劣化させる。
【0072】
そこで、本実施形態では特に、以下に説明する実装ケース入り電気光学装置によって、このような温度上昇を効率的に抑制している。
【0073】
(実装ケース入り電気光学装置)
次に、図4から図11を参照して、本発明の実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置について説明する。
【0074】
ここではまず、図4から図11を参照して、本実施形態に係る実装ケースの基本構成について説明する。ここに、図4は本実施形態に係る実装ケースを、前述した電気光学装置とともに示す分解斜視図であり、図5は当該実装ケース入りの電気光学装置の正面図、図6は図5のX1−X1´断面図、図7は図5のY1−Y1´断面図であり、図8は図5のZ1方向から臨んだ後面図である。また、図9は当該実装ケースを構成するプレート部の正面図、図10は図9のZ2方向から臨んだ後面図であり、図11は図9のZ3方向から臨んだ側面図である。なお、図4から図8は、電気光学装置を内部に収容した状態における実装ケースを夫々示している。
【0075】
図4から図8に示すように、実装ケース601は、プレート部610とカバー部620とを備える。実装ケース601内に収容される電気光学装置500は、図2及び図3に示した電気光学装置に加えて、その表面に重ねられた反射防止板等の他の光学要素とを備えてなり、更にその外部回路接続端子にフレキシブルコネクタ501が接続されてなる。尚、偏光板や位相差板は、液晶プロジェクタ1100の光学系に備えるようにしても良いし、電気光学装置500の表面に重ねてもよい。
【0076】
また、TFTアレイ基板10及び対向基板20それぞれの液晶層50に対向しない側には、防塵用基板400が設けられている(図4、図6及び図7参照)。この防塵用基板400は、所定の厚さを有するよう構成されている。これにより、電気光学装置500の周囲に漂うゴミや埃等が、該電気光学装置の表面に直接に付着することが防止される。したがって、拡大投射された画像上に、これらゴミや埃の像が結ばれるという不具合を有効に解消することができる。これは、防塵用基板400が所定の厚さを有することで、光源光の焦点ないしその近傍が、該ゴミや埃が存在する位置(すなわち、防塵用基板400表面)からは外れることによる(デフォーカス作用)。
【0077】
このようにTFTアレイ基板10及び対向基板20並びに防塵用基板400等を備えた電気光学装置500は、図4等に示すように、プレート部610及びカバー部620からなる実装ケース601内に収容されているが、これら電気光学装置500及び実装ケース601間には、図6及び図7に示すように、モールド材630が装填されている。このモールド材630によって、電気光学装置500及び実装ケース601間の接着が確実に行われるとともに、前者の後者の内部における位置ずれの発生が極力防止される。
【0078】
なお、本実施形態においては、カバー部620の側から光が入射し、電気光学装置500を透過して、プレート部610の側から出射するということを前提とする。つまり、図1でいえば、ダイクロイックプリズム1112に対向するのは、カバー部620ではなくて、プレート部610ということになる。
【0079】
さて、以下では実装ケース601を構成するプレート部610及びカバー部620の構成についてのより詳細な説明を行う。
【0080】
まず第一に、プレート部610は、図4から図11に示すように、平面視して略四辺形状を有する板状の部材であって、電気光学装置500の一面に対向するように配置される。本実施形態では、プレート部610と電気光学装置500とは相互に直接に当接し、後者が前者に載置されるが如き状態が採られる。
【0081】
より詳細には、プレート部610は、窓部615、強度補強部614、折り曲げ部613、カバー部固定孔612、並びに取付孔611e、611d及び611cを有する。
【0082】
窓部615は、略四辺形状を有する部材の一部が開口形状に形成されており、例えば図6中、上方から下方への光の透過を可能とする部分である。電気光学装置500を透過してきた光の出射は、この窓部615によって可能となる。なお、これにより、プレート部610上に電気光学装置500を載置した場合には、該電気光学装置500における画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が、窓部615の辺縁に当接されるが如き状態になる。プレート部610は、このようにして電気光学装置500の保持を実現する。なお、このように、プレート部610上において、電気光学装置500が当接される窓部615の辺縁の部分は、本発明にいう「保持部」を構成する(以下、「保持部615Z」と呼ぶことがある。図9及び後述の段差部611Dに関する説明参照)。
【0083】
強度補強部614は、略四辺形状を有する部材の一部を、他の部分の平面から盛り上げるような加工を施すことによって形成されており、立体的な形状を有する部分である。これにより、該プレート部614の強度は補強されることになる。なお、該強度補強部614は、電気光学装置500の一辺に略接するが如き位置に形成するとよい(図7参照。ただし、図7では、両者は厳密には接していない。)。
【0084】
折り曲げ部613は、略四辺形状を有する部材の対向する二辺それぞれの一部が、該四辺形状の内側に向かって折り曲げられている部分である。この折り曲げ部613の外側面は、プレート部610及びカバー部620の組み付け時、該カバー部620の内側面に接するようにされている(図6参照)。また、該折り曲げ部613の内側面は、モールド材630を介して電気光学装置500の外側面に接するようにされている(同じく図6参照)。これにより、プレート部610上における電気光学装置500のある程度の位置決めが実現されることになる。
【0085】
加えて、折り曲げ部613の内側面が、モールド材630を介して電気光学装置500の外側面に接するようにされていることは、後者から前者への熱の吸い上げを可能とする。すなわち、プレート部610を、電気光学装置500に対するヒートシンクとして機能させることが可能となる。これによれば、ランプユニット1102による電気光学装置500に対する強力な光照射によって、該電気光学装置500における熱の蓄積の生じることを有効に防止することができる。また、該折り曲げ部613の外側面は、前述のようにカバー部620の内側面に接していることから、前者から後者への熱の伝達も実現されることになる。このように、電気光学装置500からの熱の奪取は、原理的には、プレート部610及びカバー部620の双方において観念される熱容量の分だけ行い得るから、当該電気光学装置500の冷却は、極めて有効に行われることになる。
【0086】
カバー部固定孔612は、カバー部620において対応する位置に形成された凸部621と嵌合するための孔部である。プレート部610及びカバー部620とは、このカバー部固定孔612及び凸部621が互いに嵌合することによって相互に固定される。なお、本実施形態においては、該カバー部固定孔612は、各図に示すように、二つの孔部からなる(以下、これらの区別が必要な場合には、カバー部固定孔612a及び612bと呼ぶことがある。)。また、これに対応するように、前記凸部621もまた、二つの凸部からなる(以下、これらの区別が必要な場合には、凸部621a及び621bと呼ぶことがある。)。
【0087】
そして、本実施形態においては特に、プレート部610には、取付孔611e、611d及び611cが形成されているが、この点については、後に詳しく説明することとする。
【0088】
次に第二に、カバー部620は、図4から図11に示すように、略立方体形状を有する部材であって、電気光学装置500の他の面に対向するように配置される。
【0089】
このカバー部620は、電気光学装置500の周辺領域における光抜けを防止すると共に周辺領域から迷光が画像表示領域10a内に進入するのを防ぐように、好ましくは遮光性の樹脂、金属製等からなる。また、該カバー部620は、プレート部610、或いは電気光学装置500に対するヒートシンクとして機能させることが好ましいから、該カバー部620は、熱伝導率の比較的大きい材料、より具体的には、アルミニウム、マグネシウム、銅又はこれらそれぞれの合金等から構成するようにするとよい。
【0090】
より詳細には、カバー部620は、凸部621、カバー本体部623、冷却風導入部622及び冷却風排出部624を有する。まず、凸部621は、既に述べたように、プレート部610との固定の際に用いられ、前記カバー部固定孔612a及び612bそれぞれに対応する位置に、二つの凸部621a及び621bを含むものとして形成されている。なお、本実施形態に係る凸部621は、図5に示されるように、冷却風導入部622、ないしは後述するテーパ部622Tの一部を構成するようにして形成されている(図5の視点からは、本来凸部621は図示されないが、図5では特にこれを示した。)。
【0091】
カバー本体部623は、図4から図7に示されているように、概略、直方体形状を有する部材であって、後述する冷却風導入部622及び冷却風排出部624間に挟まれるようにして存在している。ただし、前記の直方体形状の内方は、電気光学装置500を収容するため、いわばくり抜かれたような状態となっている。すなわち、カバー本体部623は、より正確にいえば、蓋なき箱型の如き形状を有する部材となっている(なお、このような表現によれば、ここにいう「蓋」としては、前記プレート部610が該当すると考えることができる。)。
【0092】
このカバー本体部623は、より詳細には、窓部625及びサイドフィン部627を有している。このうち窓部625は、前記箱型の形状の底面(図4、あるいは図6等では、「上面」ということになる。)が開口形状に形成されており、図6中、上方から下方への光の透過を可能とする部分である。図1に示した液晶プロジェクタ1100内のランプユニット1102から発せられた光は、この窓部625を通過して電気光学装置500に入射可能となる。なお、このような窓部625を有するカバー本体部623においては、プレート部610における窓部615に関して述べたのと同様に、電気光学装置500における画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域を、窓部625の辺縁に当接させるように構成してよい。これによれば、カバー本体部623、特にその窓部625の辺縁によっても、電気光学装置500の保持を実現することが可能となる。
【0093】
他方、サイドフィン部627は、カバー本体部623の両側面に形成されている。ここにいう両側面とは、後述する冷却風導入部622及び冷却風排出部624が存在しない側面のことをいう。このサイドフィン部627は、より詳しくは、図4、あるいは図6等によく示されているように、冷却風導入部622から冷却風排出部624へ向けて、前記側面から直線状に突出した部分が複数並列(図4等では、一側面につき「二つ」の直線状に突出した部分が並列)された形状を含んでいる。これにより、カバー本体部623、ないしはカバー部620の表面積は増大することになる。
【0094】
なお、既に述べたように、カバー部620の内側面には、カバー部620及びプレート部610の組み付け時、プレート部610における折り曲げ部613の外側面が接するようにされている(図6参照)。この場合、前記「カバー部620の内側面」とは、カバー本体部623の内側面に該当する。
【0095】
冷却風導入部622は、図4、或いは図7等によく示されているように、テーパ部622T及び導風板622Pからなる。本実施形態において、テーパ部622Tは、概略、その底面が直角三角形となる三角柱の如き外形を有している。そして、テーパ部622Tは、カバー本体部623の一側面に、前記三角柱の一側面が付着されたような外形を呈している。この場合、当該三角柱の一側面は、該三角柱の底面における直角部とこれに隣接する角部との間に挟まれた辺を含んでいる。したがって、テーパ部622Tは、カバー本体部623の側面上において最大高さとなる根元部622T1を有し(ただし、ここでいう「高さ」とは、図7中、上下方向の距離をいう。図7では目安として当該方向に延びる破線を示した。)、そこから次第に高さを減じた先端部622T2を有するという形状となっている。一方、導風板622Pは、前記三角柱の底面において直角部を除く他の二角に挟まれた一辺に沿って立設された壁の如き外形を呈している。前記「高さ」を用いて説明すると、該導風板622Pの高さは、前記根元部622T1から前記先端部622T2へ向けてテーパ部622Tの高さが減ずるにもかかわらず、これら根元部622T1及び先端部622T2間のどの部分においても一定である。
【0096】
最後に、冷却風排出部624は、図4、図5、或いは図8等によく示されているように、フレキシブルコネクタ導出部624C及びリアフィン部624Fからなる。このうちフレキシブルコネクタ導出部624Cは、前記テーパ部622Tが形成されているカバー本体部623の側面に対向する側面上に形成されている。より具体的には、図8に示すように、該側面上に、断面がコの字状となる部材が、該コの字状断面の開口部を図8中下方に向けて取り付けられたような形状を呈している。電気光学装置に接続されたフレキシブルコネクタ501は、このコの字に囲われた空間を抜けて、外部へと引き出されるようになっている。
【0097】
他方、リアフィン部624Fは、フレキシブルコネクタ導出部624Cにおける前記コの字状断面のいわば天井板上に設けられている。このリアフィン部624Fは、より詳しくは、図4、図5、或いは図8等によく示されているように、前述したサイドフィン部627たる直線状の突出した部分が延在する方向と符号を合わせるように、前記天井板から直線状に突出した部分が複数並列(図4等では、「四つ」の直線状に突出した部分が並列)された形状を含んでいる。これにより、カバー部620の表面積は増大することになる。
【0098】
カバー部620が以上のような構成をとることにより、図1に示した如き液晶プロジェクタ1100に備えられたシロッコファン1300から送られてきた風は、実装ケース601、ないしカバー部620の周囲において、図12に示すように流れることになる。ここに図12は実装ケース入り電気光学装置の斜視図であって、当該実装ケース入り電気光学装置に対する典型的な風の流れ方を示す図である。なお、図1に示した液晶プロジェクタ1100において、図12に示すような冷却風の流れを実現するためには、図1を参照して説明した吹き出し口100RW、100GW及び100BWが、カバー620を構成する冷却風導入部622と対向するように、実装ケース入り電気光学装置、すなわちライトバルブ100R、100G及び100Bを設置する必要がある。
【0099】
まず、冷却風は、冷却風導入部622のテーパ部622Tをあたかも駆け上がるようにして、電気光学装置500の表面が露出するカバー本体部623へと吹き抜けることになる(符号W1参照)。また、冷却風導入部622には、導風板622Pが設けられていることにより、冷却風がどの方向からきても、その大部分をテーパ部622T上、ひいてはカバー本体部623へと導くことが可能となっている(符号W2参照)。このように、本実施形態によれば、カバー本体部623へ向けて風を効率よく送り出すことが可能となっており、電気光学装置500で発生した熱を直接的に奪う(即ち、冷却する)ことが可能な他、カバー部620に蓄えられた熱をも効率的に奪うことができる。
【0100】
また、冷却風導入部622の導風板622Pの外側(すなわち、テーパ部622Tに対向しない側)にあたった風、或いは前記のように電気光学装置500の表面ないしその近傍に至った後、カバー本体部623の側面に流れる風等は、サイドフィン部627に至ることになる(符号W3参照)。このサイドフィン部627では、上述のように直線状の突出した部分が備えられており、カバー本体部623の表面積が増大されていることから、当該カバー本体部623ないしカバー部620の効率的な冷却を実現することができる。さらに、前記のように電気光学装置500の表面ないしその近傍に至った後、そのままカバー本体部623の後端へ抜ける風等は、リアフィン部624Fに至ることになる(符号W1参照)。このリアフィン部624Fでは、上述のように直線状の突出した部分が備えられ、冷却風導出部624の表面積が増大されていることから、当該冷却風導出部624ないしカバー部620の効率的な冷却を実現することができる。
【0101】
以上のように、本実施形態に係る実装ケース601では、総じて、冷却風による効率的な冷却が実現されるようになっている。そして、このことは、前述のように電気光学装置500、プレート部610及びカバー部620の順に伝達される熱を、最終的に外部へと放散するのに非常に有効である。また、カバー部620が効率的に冷却されるということは、電気光学装置500から折り曲げ部613等を介してプレート部610に、あるいはカバー部620へという熱の流れを、いつでも有効に維持しうることを意味する。すなわち、カバー部620は、常態において好適に冷却された状態にあるから、ヒートシンクとしての機能をいつでも有効に維持することにより、該カバー部620からみて、プレート部610からの熱の奪取、ひいては電気光学装置500からの熱の奪取をいつでも有効に行い得るのである。
【0102】
よって、本実施形態に係る電気光学装置500は、過剰に熱を蓄えこむということがないから、液晶層50の劣化、あるいはホットスポットの発生等は未然に防止されることになり、これに基づく画像の劣化等を招くおそれは極めて低減されることになる。
【0103】
(プレート部における取付孔及びその周囲の構成及び作用)
以下では、プレート部610における取付孔611e、611d及び611c並びにその周囲の構成・作用等について、詳細に説明することとする。
【0104】
まず、取付孔611e、611d及び611cは、図4又は図9等に示すように、プレート部610を構成する平面視して略四辺形状を有する板状の部材の上において、三角形の各頂点に配置されるように形成されている。本実施形態において特に、これら取付孔611e、61d及び611cは、図9によく示されているように、二等辺三角形の各頂点に配置するように形成されている。このような取付孔611e、611d及び611cは、当該実装ケース入り電気光学装置を、図1に示した如き液晶プロジェクタ1100内に取り付けする際に利用される。
【0105】
また、これらの取付孔611e、611d及び611cには、それぞれ、図10等に示されているように、円筒部材611Ce、611Cd及び611Ccが具備されている。本実施形態においては特に、これら円筒部材611Ce、611Cd及び611Ccの内周面にはネジが切られており、図示しないネジを螺合することが可能となっている。これにより、プレート部610及び後述する被取付面701間はネジ止めすることが可能となっている。ただし、本発明において、当該円筒部材611Ce、611Cd及び611Ccの内周面にねじを切ることが必須なわけではない。そのような構造を採らずとも、該円筒部材中にスタッド或いは楔等を打ち込み、このスタッド或いは楔等と当該円筒部材の内周面との間に接着剤を流し込むことによって、後述する被取付面701とプレート部610との固着を図ってもよい。
【0106】
また、本実施形態に係るプレート部610には、図4及び図9乃至図11に示すように、段差部611Dが形成されている。この段差部611Dは、プレート部610における保持部615Zからみて異なる高さを有するように形成されている。換言すれば、プレート部610は、これを構成する板状部材を断面視すると段差部611D及び保持部615Z間に段差(或いは、高さの相違)がみられるように形成されている。そして、前記の取付孔611e、611d及び611cは、前記の段差部611Dに形成されている。
【0107】
ちなみに、本実施形態においては、段差部611D及び保持部615Z間の高さの差hは、0.1mm以上になるようにされている。また、このような段差部611Dの形状は、保持部615Zの面(前記段差部611Dが形成されておらず未だフラットな面)に対して、プレス加工を施すことによって、比較的容易に形成することができる。
【0108】
なお、上述にいう保持部615Zとは、既に述べたように、窓部615の辺縁の部分に該当する(図9においては、当該プレート部610上に電気光学装置500が載置されたとした場合における該電気光学装置500の最外縁を破線でもって示した。)。また、本実施形態においては特に、プレート部610は、前記の段差部611Dに加えて折り曲げ部613及び強度補強部614の三種の部分を除く他の部分が、前記保持部615Zと同一平面上にあるように形成されている。
【0109】
このような構成となる実装ケース入り電気光学装置では、次のような作用効果を得ることができる。まず、本実施形態に係るプレート部610(ないしは、実装ケース601)は、便宜上図10及び図11に示したように、図1に示した如き液晶プロジェクタ1100内に形成される被取付面701に、段差部611Dの面が向かい合わせになるように取り付けられることになる。本実施形態では特に、取付孔611e、611d及び611cそれぞれに、その内周面にねじが切られた円筒部材611Ce、611Cd及び611Ccが具備されていたことにより、該被取付面701に図示しない雌ネジ孔等を形成しておけば、プレート部610及び被取付面701間を固着することが可能なようになっている。なお、図示されないが、図10及び図11に示す被取付面701には、窓部615に対応した窓部或いは切り欠き部等が形成されており、図中上下方向の光の透過が可能とされていることはいうまでもない。
【0110】
このような取り付け態様により、まず第一に、プレート部610及び被取付面701間は、段差部611Dが保持部615Zに対して有していた高さの差hに応じた距離だけ隔てられることになる(本実施形態では特に、以下、この隔てられた空間を「隙間611G」と呼ぶこととする。)。プレート部610及び被取付面701間は、この隙間611Gの存在により、段差部611Dの部分を除いて、完全には接触しないことになる。
【0111】
これにより、まず、プレート部610が、所定の±h以下の平面度をもっていたとしても、該プレート部610(ないしは実装ケース601)の被取付面701への取り付けをより正確に行うことができる。例えば、プレート部610が緩やかに曲がっている、歪んでいる、或いは反っている等のような場合であっても、プレート部610及び被取付面701間の実際の取り付けは、前記段差部611Dに形成された取付孔611e、611d及び611cを用いて行われ、プレート部610及び被取付面701間には隙間611Gが設けられていることから、前述の曲がり、歪み或いは反り等を気にすることなく、当該取り付けを正確に実施することができるのである。
【0112】
とりわけ本実施形態では、上述のように隙間611Gの形成が、段差部611Dの存在によって実現されていることにより、隙間611Gそれ自体の形成、或いは該隙間611Gの大きさの設定を好適に行うことができる。さらに、取付孔611e、611d及び611cは、プレート部610を平面視して二等辺三角形の各頂点上に形成されていることで、プレート部610及び被取付面701間の取り付けが、三点固定でもって実現されるようになっていることにより、いわゆる平面出しが比較的容易に行われ得るという利点も挙げることもできる。
【0113】
また、本実施形態に係る作用効果の第二として、当該実装ケース入り電気光学装置に対する投射光の出射側に偏光板が設けられている場合においては、前記の隙間611Gは、以下に記すような特有の作用効果を発揮する。すなわち、本実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置は、図1に示すような液晶プロジェクタ1100内においては、図10及び図11に便宜上示すように、偏光板801が図示する配置関係を満たすように設置されることがある。このような偏光板801は、電気光学装置500からの出射光に曝されるため、通常、比較的高温な状態になることがある。そうすると、この偏光板801からの輻射熱が、電気光学装置500に到達し、その温度を上昇させるおそれがあるのである。しかるに、本実施形態においては、プレート部610及び被取付面701間に、前述のように隙間611Gが形成されていること、また、被取付面701と接するのは3ヶ所の段差部611Dで接触面積が少ないことから、前記の輻射熱は、電気光学装置500に対し、弱まって到達することになる。つまり、電気光学装置500の温度上昇を抑制することができるのである。
【0114】
以上のことから、本実施形態によれば、電気光学装置500が温度上昇することにより発生するおそれのある不具合(例えば、液晶層50の特性劣化、或いは液晶層50中のホットスポットの発生)を被らなくて済むから、周囲の温度環境にかかわらず、高品質な画像を表示することが可能となる。
【0115】
さらに、本実施形態に係る付随的な作用効果として、次のようなものを挙げることもできる。すなわち、プレート部610は、実装ケース601の一部を構成し、また該実装ケース601は電気光学装置500を収容する。したがって、電気光学装置500がランプユニット1102から強力な光照射を受けて温度上昇する場合には、該電気光学装置500から熱が伝達されることによって、プレート部610の温度が上昇することになる(なお、実装ケース601それ自体も光照射を受けるから、それによる温度上昇も生じる。)。ここで、もし、該プレート部610と被取付面701が完全に接触した状態にあると、前者から後者に対する熱の伝達が、殆ど障害なく行われてしまうことになる。すると、液晶プロジェクタ1100、とりわけ前記被取付面701の温度が上昇することによって、該被取付面701が熱膨張によって変形し、当該液晶プロジェクタ1100における実装ケース入り電気光学装置の位置付けを狂わすおそれが出てくることになる。しかるに、本実施形態によれば、上述のようにプレート部610及び前記被取付面701間には隙間611Gが形成されていて、両者間は完全には接触しないようになっている。したがって、前者から後者への熱の伝達は阻害されるようになっており、上述のような不具合を被らなくて済むのである。
【0116】
なお、上記実施形態においては、隙間611Gを形成するために、プレート部610に段差部611Dを形成する態様を採用していたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図13及び図14に示すような形態を採用することが可能である。ここに図13及び図14は、それぞれ、図9及び図10と同趣旨の図であって、これら図9及び図10とは、段差部が形成されていない点等で異なる態様となるものを示している。
【0117】
これら図13及び図14においては、プレート部610に段差部611Dは形成されておらず、その代わりに、本発明にいう「介在部材」の一例に該当するスペーサ611Wが、プレート部610及び被取付面701間に設けられることによって、隙間611Gが形成されるようになっている。このような形態であっても、前記の作用効果が殆ど同様に得られることは明白である。なお、図14においては特に、プレート部610及び被取付面701間に、比較的薄いスペーサ611Wが三枚重ねられて設けられることで、隙間611Gが形成されるようになっている。このように、本形態においては、スペーサ611W一枚一枚の厚さの調整、或いはスペーサ611Wの枚数の調整を通して、隙間611Gの大きさを調整することが可能である。
【0118】
また、上記実施形態においては、本発明にいう「取付部」が、二等辺三角形の各頂点に存在するように、都合三つの取付孔611e、611d及び611cとして形成されていたが、本発明は、このような形態にも限定されない。例えば、図15に示すような形態を採用することが可能である。ここに図15は、図9と同趣旨の図であって、該図9とは取付孔の形成態様が異なるものを示している。
【0119】
この図15においては、図9と同様に、二等辺三角形の各頂点に位置するように配置された三個の取付孔611e、611d及び611cが形成されている点に変わりはない。ただし、図15では、これらの取付孔611e、611d及び611cに加えて、取付孔611a及び611bが新たに形成されている点で異なっている。すなわち、この形態においては、都合五個の取付孔611a乃至611eが形成されている。
【0120】
そして、前記の五個の取付孔611a乃至611eは、次のような特徴を備えている。第1に、これら五個の取付孔611a乃至611eのうち、三個の取付孔611e、611d及び611cについては、図9と同様な形成態様が採用されていることから、これらのみを用いた取り付けを実施する限り、前述したのと全く同様な作用効果が得られることになる。また、第2に、これら三個の取付孔611e、611d及び611cのうち、二個の取付孔611d及び611cと、前記の新たに形成された取付孔611a及び611bとは、図15に示すように、プレート部610を構成する略四辺形状を有する板状の部材の四隅に対応するように形成されている。これにより、本形態に係るプレート部610においては、四点固定を実施することも可能となっている。このように、本形態によれば、三点固定及び四点固定のいずれにも対応可能となっているのである。
【0121】
なお、図15において、前記の新たな取付孔611a及び611bは、段差部611D上に形成されていないが、これら取付孔611a及び611bについても、前記の隙間611Gの形成に関与させたい場合には、当該取付孔611a及び611bの形成部分に、例えば、取付孔611cにつき形成されているのと同様な段差部611Dを形成してもよいし、或いは図13及び図14を参照して説明したようなスペーサ611Wを利用してもよい。
【0122】
さらに、本発明においては、上記の他、図15において、三点固定用の取付孔611eが存在せず、取付孔611a乃至611dのみが存在することで、四点以下の固定が可能な形態を採用しても勿論よい。
【0123】
以上のほか、種々の変形形態が考えられ得るが、いずれにせよ、本発明の範囲内にあることに変わりはない。
【0124】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う実装ケース入り電気光学装置及び投射型表示装置並びに実装ケースもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。電気光学装置としては液晶パネルの他に、電気泳動装置やエレクトロルミネッセンス装置等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る投射型液晶装置の実施形態の平面図である。
【図2】 本発明に係る電気光学装置の実施形態の平面図である。
【図3】 図2のH−H′断面図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る実装ケースを、電気光学装置とともに示す分解斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置の正面図である。
【図6】 図5のX1−X1´断面図である。
【図7】 図5のY1−Y1´断面図である。
【図8】 図5のZ1方向から臨んだ後面図である。
【図9】 本発明の実施形態に係る実装ケースを構成するプレート部の正面図である。
【図10】 図9のZ2方向から臨んだ後面図である。
【図11】 図9のZ3方向から臨んだ側面図である。
【図12】 本発明の実施形態に係る実装ケース入り電気光学装置の斜視図であって、当該実装ケース入り電気光学装置に対する風の流れを示す図である。
【図13】 図9と同趣旨の図であって、該図9とは、段差部が形成されていない点等で異なる態様となるものを示している。
【図14】 図10と同趣旨の図であって、該図10とは、段差部が形成されていない点等で異なる態様となるものを示している
【図15】 図9と同趣旨の図であって、該図9とは取付孔の形成態様が異なるものを示している。
【符号の説明】
10…TFTアレイ基板、20…対向基板、400…防塵用基板、50…液晶層、500…電気光学装置
601…実装ケース
610…プレート部、611e、613d、613c、614a、611b…取付孔
701…被取付部、801…偏光板
620…カバー部
622…冷却風導入部、622T…テーパ部、622P…導風板
623…カバー本体部、627…サイドフィン部
624…冷却風導出部、624F…リアフィン部
100R、100G、100B…ライトバルブ、1100…液晶プロジェクタ、1102…ランプユニット
Claims (13)
- 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、
該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースとを備えた実装ケース入り電気光学装置であって、
前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、
前記プレートは、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、
前記被取付部及び前記取付部によって取り付けられた前記プレート及び前記被取付部間は所定距離だけ隔てられていることを特徴とする実装ケース入り電気光学装置。 - 前記プレートは板状部材からなるとともに、前記周辺領域の少なくとも一部を保持する保持部を有し、
前記板状部材は、該板状部材を断面視して、前記保持部の高さとは異なる高さを有する段差部を有し、
前記取付部は、前記段差部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 前記段差部は、プレス加工により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記保持部及び前記段差部の高さの差は、0.1mm以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記被取付部及び前記取付部間には、介在部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記介在部材の熱伝導率は、前記被取付部の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。
- 前記取付部は取付孔を含み、
該取付孔の中心を貫く線にその軸を一致させたボスを具備していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置。 - 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置と、
該電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースとを備えた実装ケース入り電気光学装置であって、
前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、
前記プレートは、当該実装ケース入り電気光学装置を投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、
前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されていることを特徴とする実装ケース入り電気光学装置。 - 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、
前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、
前記プレートは、当該実装ケースを投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、
前記被取付部及び前記取付部間の接合を介して取り付けられた前記プレート及び前記被取付部間は所定距離だけ隔てられていることを特徴とする実装ケース。 - 画像表示領域に光源から投射光が入射される電気光学装置の一面に対向するように配置されるプレートと、前記電気光学装置を覆い前記プレートと当接する部分を有するカバーとからなり、前記電気光学装置における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域の少なくとも一部を前記プレート及び前記カバーの少なくとも一方で保持して当該電気光学装置を収納する実装ケースであって、
前記プレートは、前記プレートの表面から前記カバーに向かって突出した補強部を備え、
前記プレートは、当該実装ケースを投射型表示装置の被取付部に対して取り付けるための取付部を備えており、
前記取付部は、前記プレートを平面視して、三角形の各頂点に配置されるように形成されていることを特徴とする実装ケース。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の実装ケース入り電気光学装置と、
前記被取付部と、
前記光源と、
前記投射光を前記電気光学装置に導く光学系と、
前記電気光学装置から出射される投射光を投射する投射光学系と
を備えたことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記実装ケース入り電気光学装置と前記投射光学系との間に偏光板が更に備えられていることを特徴とする請求項12に記載の投射型表示装置。
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