JP2004294222A - 目的行動にかかる行程作成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】行程作成装置1は、出発地点および複数の目的行動が入力されると、目的行動毎に対象施設の候補を出力し、利用者に選択させる。利用者が、全ての目的行動について対象施設を選択すると、出発地点からこれらの対象施設を全て経由する移動経路を生成し、利用者に提示する。ここで利用者に提示した移動経路が承認されると、対象施設間の移動手段として予約が必要なものを利用する場合、その移動手段の予約を行う。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、利用者が要求した複数の目的行動について、目的行動毎にその目的が達成される対象施設、およびこれらの対象施設を経由する移動経路を利用者に提示する目的行動にかかる行程作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、個人の嗜好や予算等の様々な要求を満たしたパーソナルツアーの旅程を作成することができる、インタネットを利用した旅程作成システムがあった(例えば、特許文献1)。この旅程作成システムは、利用者が目的地を入力すると、入力された目的地に対応する宿泊情報、観光情報、目的地までの利用交通機関等を利用者に提示し、利用者に選択させることにより利用者の旅程を作成するシステムである。
【0003】
また、ある区間を移動する際に利用する移動手段として以下(1)、(2)に示すものが提案されている。
【0004】
(1)利用者からの利用要求に応じて、自動車や自転車等、の乗物を該利用者に貸し出す、乗物の共同利用システム(以下、単に共同利用システムと言う。)。特に、環境問題を考慮し低公害車の共同利用が進められている。この低公害車を共同利用するシステムは、特にCEVSS(Clean Energy Vehicle Sharing System)と呼ばれている。
【0005】
共同利用システムには、利用者に対する乗物の貸出、および返却を同じ駐車場(ポート)で行うシングルポートシステムと、乗物の貸出を行うポートと、乗物を返却するポートと、を利用者が自分の都合に合わせて選択できるマルチポートシステムとがある。共同利用システムでは、乗物を利用するとき、予約が必要である。共同利用システムにおける、利用者からの予約を受け付ける装置が特許文献2に記載されている。
【0006】
(2)利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って該利用者を乗降させるデマンドバス。デマンドバスは、利用者からの予約に基づいて運行ルートを決定する。デマンドバスの予約システムは、例えば特許文献3、4、5で提案されている。デマンドバスの利用者は、自分が予約した乗車日時に予約した乗車場所でバスに乗車でき、予約した降車場所でバスから降車できる。したがって、固定ダイヤのバス(所謂、路線バス)に見られるバス待ちから解放される。また、デマンドバスの事業者は、利用者の予約状況に応じた配車設定で運行できるので、運行コストを引き下げることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−297720号公報
【特許文献2】
特開2001−273589号公報
【特許文献3】
特開平10−241091号公報
【特許文献4】
特開2001−229495号公報
【特許文献5】
特開2001−312788号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1等に記載されている従来の旅程作成システムは、利用者が目的地を入力することにより、入力された目的地への移動手段等を利用者に提示する構成であり、利用者の目的行動に対して適当な施設(店舗等)を提示するものではなかった。
【0009】
ここで言う目的行動とは、例えば洋服を購入する、フランス料理を食べる、電化製品を購入する、という利用者の欲求に対する行動である。
【0010】
このため、利用者は、インタネットを利用して、目的行動に対して適当な施設を目的地として検索し、その後従来の旅程作成システムを利用して目的地への移動手段等の提示を受けるという2段階の作業を行わなければならず、利用者にとって非常に不便であった。
【0011】
特に、利用者の目的行動が複数である場合、利用者は目的行動毎に目的地を決定するための作業を行うだけでなく、目的行動毎に決定した目的地をどの順番で経由するか(移動経路)を決定しなければ、従来の旅程作成システムを利用して目的地間の移動にかかる移動手段の提示を受けることができない。一方、移動経路を決める作業は、複数の目的地の位置関係を考慮する必要があるため、地図等を利用することになり、利用者にとって非常に手間のかかる作業であった。
【0012】
さらに、従来の旅程作成システムは、目的地間の移動に、予約が必要な共同利用乗物や、デマンドバスについて予約する機能を有していないので、共同利用乗物や、デマンドバスを利用する場合には、これらの予約にかかる作業を別途行わなければならなかった。
【0013】
この発明の目的は、目的行動が複数である利用者に対して、目的行動毎に適当な施設を提示するとともに、利用者が選択した目的行動毎の施設を経由する移動経路を利用者に提示することで、利用者の利便性を向上させた目的行動にかかる行程作成装置を提供することにある。
【0014】
また、この発明の別の目的は、上記の旅行工程を提示するとともに、予約が必要な共同利用乗物や、デマンドバスについて予約することができる行程作成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的行動にかかる行程作成装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0016】
(1)地図情報を登録した地図情報データベースと、
交通機関の運行ダイヤを登録した交通機関データベースと、
目的行動別に、対象施設を登録した目的行動データベースと、
出発地点、および複数の目的行動を受け付ける受付手段と、
上記受付手段が受け付けた複数の目的行動毎に、目的行動データベースを検索して対象施設を抽出する抽出手段と、
上記目的行動毎に、上記抽出手段が抽出した対象施設の選択を受け付ける施設受付手段と、
上記地図情報データベース、および上記交通機関データベースを用いて、上記受付手段が受け付けた出発地点から、上記施設受付手段が受け付けた目的行動毎の各対象施設を経由する移動経路を生成する移動経路生成手段と、
上記移動経路生成手段が生成した上記移動経路を出力する移動経路出力手段と、を備えている。
【0017】
この構成では、受付手段が出発地点、および複数の目的行動を受け付けると、抽出手段がここで受け付けた複数の目的行動毎に目的行動データベースを検索して適当な対象施設を抽出する。ここで言う目的行動とは、例えば洋服を購入する、フランス料理を食べる、電化製品を購入する、という利用者の欲求に対する行動である。また、対象施設とは、利用者の欲求を満足することができる、洋品店、レストラン、電気店等である。例えば、目的行動が「洋服を買いたい」である場合、対象施設としては洋服店を抽出し、目的行動が「フランス料理を食べたい」である場合、対象施設としてフランス料理のレストランを抽出する。また、1つの目的行動に対して複数の対象施設を抽出する。
【0018】
目的行動毎に抽出した対象施設を利用者に提示して、施設受付手段において、目的行動毎に利用者による対象施設の選択を受け付ける。このように、目的行動に対する対象施設の決定権を利用者が有しているので、利用者が自分の趣味、嗜好にあった対象施設を選択することができる。
【0019】
移動経路生成手段が、利用者が入力した出発地点から目的行動毎に決定された対象施設を経由する移動経路を生成する。この移動経路の生成においては、地図情報データベース、交通機関データベースが用いられる。例えば、目的行動毎の対象施設について、地図情報を用いてその位置関係を取得し、出発地点に最も近い対象施設を最初に行く対象施設(1番目の対象施設)にし、この1番目の対象施設に最も近い対象施設を2番目の対象施設にし、この2番目の対象施設に最も近い対象施設を3番目の対象施設にするという、処理を繰り返して全ての対象施設について経由する順番を決定する。次に、交通機関データベースを用いて、各区間(出発地点と1番目の対象施設間、n番目の対象施設とn+1番目の対象施設間)の移動手段を決定する。ここで決定する移動手段は、電車、路線バス、共同利用の乗物(自動車や自転車)、デマンドバス、徒歩等である。移動経路出力手段が、ここで生成した移動経路を出力し、利用者に提示する。この移動経路には、対象施設を移動する順番、および各区間の移動に利用する移動手段が含まれている。
【0020】
このように、利用者は、目的行動が複数であっても、一連の操作で目的行動毎の対象施設の選択、および選択したこれらの対象施設を経由して移動する移動経路を取得することができる。すなわち、複数の目的行動にかかる行程を非常に簡単な操作で取得することができ、利用者の利便性の向上が図れる。
【0021】
(2)利用者からの利用要求に応じて該利用者に貸し出す第1の共同利用乗物について、利用開始日時、利用終了日時、乗物貸出場所、乗物返却場所を含む予約を行う第1の予約手段を備え、
上記移動経路生成手段は、上記第1の共同利用乗物の利用も考慮して上記移動経路を生成する。
【0022】
この構成では、利用者に対して乗物(自転車や自動車等)の貸出を行う共同利用乗物も上記対象施設間の移動手段として利用するようにしているので、利用者に対してより良い移動手段と移動経路を提示することができる。
【0023】
(3)上記第1の予約手段は、上記移動経路出力手段が出力した上記移動経路が承認されたときに、ここで承認された上記移動経路に上記第1の共同利用乗物の利用が含まれている場合、上記第1の共同利用乗物を予約する。
【0024】
この構成では、上記対象施設間の移動手段に予約が必要な共同利用乗物が含まれている場合、利用者が提示された移動経路を承認したときに自動的に共同利用乗物の予約を行うようにしたので、利用者の利便性の一層の向上が図れる。
【0025】
(4)利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って該利用者を乗降させる第2の共同利用乗物について、乗車日時、乗車場所、降車場所を含む予約を行う第2の予約手段を備え、
上記移動経路生成手段は、上記第2の共同利用乗物の利用も考慮して上記移動経路を生成する。
【0026】
この構成では、利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って該利用者を乗降させるデマンドバスも上記対象施設間の移動に利用するようにしているので、利用者に対してより良い移動手段と移動経路を提示することができる。
【0027】
(5)上記第2の予約手段は、上記移動経路出力手段が出力した上記移動経路が承認されたときに、ここで承認された上記移動経路に上記第2の共同利用乗物の利用が含まれている場合、上記第2の共同利用乗物を予約する。
【0028】
この構成では、上記対象施設間の移動手段に予約が必要なデマンドバスが含まれている場合、利用者が提示された移動経路を承認したときに自動的にデマンドバスの予約を行うようにしたので、利用者の利便性の一層の向上が図れる。
【0029】
(6)上記受付手段は、上記出発地点、および複数の上記目的行動に加えて、最終到着地点を受け付け、
上記移動経路生成手段は、上記受付手段が受け付けた出発地点から、上記施設受付手段が受け付けた目的行動毎の各対象施設を経由し、上記最終到着地点に移動する移動経路を生成する。
【0030】
この構成では、利用者が全ての目的行動を行った後に、行きたい場所を最終到着地点として入力することができ、そのための移動経路が提示される。この最終到着地点は、出発地点と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0031】
(7)対象エリアを受け付ける対象エリア受付手段を備え、
上記抽出手段は、上記対象エリア受付手段が受け付けた対象エリア内にある上記対象施設を抽出する。
【0032】
この構成では、対象エリア、例えば「けいはんな地区」、「大阪市内」などの設定を受け付け、対象エリア内にある対象施設を利用者に提示するようにとしたので、利用者にとって利用する可能性がない遠隔地の対象施設まで利用者に提示することがない。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態である目的行動にかかる行程作成装置(以下、単に行程作成装置と言う。)について説明する。
【0034】
図1は、この発明の実施形態である行程作成装置を適用した行程作成システムの構成を示す図である。1はこの発明の実施形態である行程作成装置であり、2は利用者が操作する端末2である。端末2は、インタネット等のネットワーク3を介して行程作成装置1に接続できる利用者所有のパーソナルコンピュータや、駅や店舗等に設置された端末装置であってもよいし、また行程作成装置1に専用線等で直接接続された端末装置であってもよい。さらには、携帯電話機等、無線通信機能を有する携帯端末装置であってもよい。端末2は、行程作成装置1との間でデータ通信が行えるものであれば特に制限されない。
【0035】
この実施形態の行程作成システムは、利用者からの要求に応じて該利用者が希望する複数の目的行動が行える対象施設を順番に経由する移動経路を生成し、利用者に提示するものである。また、行程作成装置1は、自動車や自転車等の乗物(この発明で言う第1の共同利用乗物)を貸し出す、乗物の共同利用システム (以下、単に共同利用システムと言う。)の予約、および利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って該利用者を乗降させる、デマンドバス(この発明で言う第2の共同利用乗物)の予約を行う機能(図示していない予約装置に対して予約申込を行う機能)も有している。
【0036】
なお、予約装置としての機能を行程作成装置1に内蔵してもよい。
【0037】
図2は、この発明の実施形態である行程作成装置の構成を示すブロック図である。この実施形態の行程作成装置1は、本体の動作を制御する制御部11と、端末2とのデータ通信を制御する通信部12と、地図情報を登録した地図データベース13と、公共交通機関である電車や路線バスの運行ダイヤを登録した交通機関データベース14と、目的行動別に対象施設を登録した目的行動データベース15と、共同利用システムで乗物を利用者に貸し出したり、または利用者が乗物を返却する駐車場(ポート)毎に、その住所を対応付けた住所データベース16と、を備えている。通信部12には、有線によるデータ通信を制御する有線通信部12a、および無線によるデータ通信を制御する無線通信部12bが設けられている。
【0038】
ここで、共同利用システムとデマンドバスについて簡単に説明しておく。
【0039】
共同利用システムは、自動車や自転車等の乗物(以下、共同利用乗物と言う。)を共同で利用するシステムである。共同利用乗物を低公害車としたシステムは、特にCEVSS(Clean Energy Vehicle Sharing System)と呼ばれている。 共同利用システムには、マルチポートシステムとシングルポートシステムとがある。
【0040】
マルチポートシステムは、乗物の貸出を行う貸出ポートと、乗物を返却する返却ポートと、を利用者が自分の都合に合わせて選択できるシステムである。貸出ポートと返却ポートとは、異なるポートであってもよいし、同じポートであってもよい。マルチポートシステムを利用する利用者の多くは、出発地から目的地までの移動に乗物を利用するため、出発地近くのポートで乗物を借り、目的地近くのポートで乗物を返却する。
【0041】
シングルポートシステムは、1箇所のポートで乗物の貸出、および返却を行うシステムである。シングルポートシステムでは、利用者は出発地近くのポートで乗物を借りて目的地に移動し、該目的地での用事を済ませた後、この乗物を借りたポートに戻って乗物を返却する。
【0042】
次に、デマンドバスについて簡単に説明する。デマンドバスは、各利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って、利用者を乗降させるバスであり、利用者の予約状況に応じてバスの運行ルートを決定する。デマンドバスを予約した利用者は、乗車日時に乗車場所に行くと、デマンドバスに乗車でき、目的地である降車場所でデマンドバスから降車できる。
【0043】
次に、この発明の実施形態である行程作成装置1の動作について説明する。図3は、この実施形態の行程作成装置の動作を示すフローチャートである。
【0044】
なお、この実施形態で説明する共同利用システムは、マルチポートシステムである。
【0045】
行程作成装置1は、利用者からの行程作成の要求があると本処理(図3に示す処理)を開始する。利用者は、端末2を操作して行程作成装置1にアクセスし、行程作成要求を行程作成装置1に送信する。この行程作成要求には、利用者を識別する利用者識別情報が含まれている。行程作成装置1には、この識別コードから利用者を特定するための情報が登録されている。具体的には、識別コードに、利用者の氏名、住所、電話番号、年齢等の個人情報を対応付けて記憶している。行程作成装置1は、利用者からの行程作成要求を受信すると、該利用者が操作している端末2に対して、出発地点、および目的行動の入力要求を送信し(s1)、この入力要求に対する端末2からの応答を待つ(s2)。
【0046】
利用者は、端末2において、出発地点、および複数の目的行動を入力し、行程作成装置1に送信する。ここで言う目的行動とは、例えば洋服を購入する、フランス料理を食べる、電化製品を購入する、という利用者の欲求に対する行動である。出発地点は、利用者が出発する地点であり、例えば利用者の自宅や、勤務先等である。出発地点は、例えば住所で入力してもよいし、電話番号で入力するようにしてもよい。電話番号での入力を可能にする場合、電話番号と住所とを対応付けたデータベースを本体に設ければよい。
【0047】
行程作成装置1は、端末2から出発地点、および複数の目的行動が送信されてくると、端末2に対して対象エリアの確認要求を送信する(s3)。ここで言う、対象エリアとは、利用者が目的行動を行う施設(店舗等)の場所を制限するエリアであり、例えば「けいはんな地区」、「大阪市内」、「奈良市内」等である。利用者は、端末2において対象エリアを入力し、これを行程作成装置1に送信する。
【0048】
なお、上記対象エリアは、s2で出発地点、および目的行動とともに端末2から送信されてくるようにしてもよい。
【0049】
行程作成装置1は、利用者から対象エリアが送信されてくると(s4)、目的行動に対する対象施設の抽出処理を行う(s5)。s5では、端末2から送信されてきた目的行動毎に、対象エリア内にある対象施設を目的行動データベース14から抽出する。通常、1つの目的行動に対して複数の対象施設が抽出される。行程作成装置1は、目的行動毎にs5で抽出した対象施設の選択要求を利用者の端末2に送信する(s6)。
【0050】
端末2では、目的行動毎に行程作成装置1がs5で抽出した対象施設が表示される。このとき、対象施設毎に施設の簡単な案内や評判等も表示される。利用者は、これらの情報を見ながら目的行動毎に対象施設を1つ選択する。端末2は、目的行動毎に利用者が選択した対象施設を行程作成装置1に送信する。また、対象エリア内に位置する対象施設を抽出しているので、利用者に対して必要のない地域の対象施設まで提示することがなく、利用者における対象施設の選択操作が煩雑になることもない。
【0051】
また、上述の行程作成装置1が対象施設の情報を利用者の端末2に送信することは、該対象施設の広告、宣伝にかかる行為であるから、対象施設に対して広告宣伝費を課金するようにしてもよい。
【0052】
行程作成装置1は、目的行動毎に利用者が選択した対象施設を受信すると(s7)、移動経路作成処理を実行する(s8)。
【0053】
ここで、移動経路作成処理について詳細に説明する。図4は、移動経路作成処理を示すフローチャートである。
【0054】
行程作成装置1は、地図データベースを用いて、出発地点、および利用者に選択された対象施設の位置関係を取得する(s21)。次に、出発地点に最も近い対象施設を抽出し(s22)、ここで抽出した対象施設を最初に行く対象施設 (1番目の対象施設)に決定する。前回順番を決定した対象施設に最も近い対象施設(順番がまだ決まっていいない対象施設)を抽出し(s23)、ここで抽出した対象施設を、前回順番を決定した対象施設の次に行く対象施設に決定する。行程作成装置1は、順番が決まっていない対象施設があるかどうかを判断し(s24)、順番が決まっていない対象施設があればs23の処理を繰り返す。
【0055】
行程作成装置1は、s24で全ての対象施設について順番を決めると、各区間の移動に利用する移動手段を決定する(s25)。s25では、例えば移動する区間の距離が数百mであれば徒歩を選択する。これ以外の場合、
1、移動する区間においてデマンドバスが運行されていればデマンドバスを選択する。
【0056】
2、移動する区間の両側付近に共同利用乗物のポートがあれば共同利用乗物を選択する。
【0057】
3、移動する区間の両側付近に電車の駅があれば電車を選択する。
【0058】
4、移動する区間の両側付近に路線バスの停留所があれば路線バスを選択する。
【0059】
5、適当な移動手段がなければ、タクシーを選択する。
【0060】
なお、デマンドバス、共同利用乗物、電車、路線バスに優先順位をつけておき、上記1〜4の選択において複数の項目が該当する場合、より優先順位の高いほうを選択する。また、この優先順位は、利用者に予め決めさせておけばよい。
【0061】
行程作成装置1は、全区間について移動手段を決定すると、各区間の移動にかかる時間を算出する(s26)。
【0062】
行程作成装置1は、この図4にかかる処理を実行することにより、対象施設を経由する順番、各区間の移動手段、各区間の移動にかかる時間、を含む移動経路を作成する。行程作成装置1は、s8で生成した移動経路を利用者の端末2に送信する(s9)。利用者は、端末2においてこの移動経路を確認することにより、自分が選択した複数の対象施設をどのような順番で移動すればよいのか、また各区間の移動に利用する移動手段、および移動にかかる時間が分かる。
【0063】
行程作成装置1は、s9で移動経路の送信後、利用者の端末2から移動経路を承認する旨の応答があると(s10)、予約が必要な共同利用乗物や、デマンドバスを移動手段にしている区間があるかどうかを判断する(s11)。共同利用乗物や、デマンドバスを移動手段にしている区間があれば、予約処理を行って (s12)、本処理を終了する。
【0064】
なお、s12で予約処理を行うときには、共同利用乗物の場合、利用開始時刻、および利用終了時刻を利用者に入力させ、デマンドバスの場合、乗車時刻を利用者に入力させる。
【0065】
また、s9で利用者の端末2に送信した移動経路が、利用者に承認されず、利用者から移動経路について変更希望があれば(s13)、この変更希望の内容に基づいて変更した移動経路を生成し(s14)、s9以降の処理を実行する。利用者が、行程作成装置1に対して送信する変更希望としては、例えば対象施設の順番の変更や、いずれかの区間における移動手段の変更がある。
【0066】
このように、この実施形態の行程作成装置1では、利用者の目的行動が複数であっても、一連の操作で目的行動毎の対象施設を経由して移動する移動経路を取得することができる。すなわち、複数の目的行動にかかる行程を非常に簡単な操作で取得することができ、利用者の利便性の向上が図れる。
【0067】
また、利用者が提示された移動経路を承認することにより、予約が必要な共同利用乗物や、デマンドバスの予約が自動的に行われるので、この予約にかかる操作を別途利用者に行わせることがなく、利便性の一層の向上が図れる。
【0068】
また、上記実施形態では、利用者は出発地点と、複数の目的行動を入力するとしたが、さらに最終到着地点を入力できるようにしてもよい。この最終到着地点は、利用者が入力した全ての目的行動を行った後に、移動したい場所である。この場合には、上記図4に示した移動経路生成処理に、最後に行く対象施設から最終目標地点に移動する移動手段を決定する処理を追加すればよい。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数の目的行動にかかる行程を非常に簡単な操作で取得することができ、利用者の利便性の向上が図れる。
【0070】
また、提示された移動経路を承認するだけで、予約が必要な共同利用乗物や、デマンドバス等の予約が自動的に行われるので、これらの予約にかかる手間も削減され、利用者にとって一層便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である行程作成装置を適用した行程作成システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施形態である行程作成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この実施形態の行程作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この実施形態の行程作成装置における移動経路生成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1−行程作成装置
2−端末
11−制御部
12−通信部
13−地図データベース
14−交通機関データベース
15−目的行動データベース
16−住所データベース
Claims (7)
- 地図情報を登録した地図情報データベースと、
交通機関の運行ダイヤを登録した交通機関データベースと、
目的行動別に、対象施設を登録した目的行動データベースと、
出発地点、および複数の目的行動を受け付ける受付手段と、
上記受付手段が受け付けた複数の目的行動毎に、目的行動データベースを検索して対象施設を抽出する抽出手段と、
上記目的行動毎に、上記抽出手段が抽出した対象施設の選択を受け付ける施設受付手段と、
上記地図情報データベース、および上記交通機関データベースを用いて、上記受付手段が受け付けた出発地点から、上記施設受付手段が受け付けた目的行動毎の各対象施設を経由する移動経路を生成する移動経路生成手段と、
上記移動経路生成手段が生成した上記移動経路を出力する移動経路出力手段と、を備えた目的行動にかかる行程作成装置。 - 利用者からの利用要求に応じて該利用者に貸し出す第1の共同利用乗物について、利用開始日時、利用終了日時、乗物貸出場所、乗物返却場所を含む予約を行う第1の予約手段を備え、
上記移動経路生成手段は、上記第1の共同利用乗物の利用も考慮して上記移動経路を生成する請求項1に記載の目的行動にかかる行程作成装置。 - 上記第1の予約手段は、上記移動経路出力手段が出力した上記移動経路が承認されたときに、ここで承認された上記移動経路に上記第1の共同利用乗物の利用が含まれている場合、上記第1の共同利用乗物を予約する請求項2に記載の目的行動にかかる行程作成装置。
- 利用者が指定した乗車場所、および降車場所に立ち寄って該利用者を乗降させる第2の共同利用乗物について、乗車日時、乗車場所、降車場所を含む予約を行う第2の予約手段を備え、
上記移動経路生成手段は、上記第2の共同利用乗物の利用も考慮して上記移動経路を生成する請求項1〜3のいずれかに記載の目的行動にかかる行程作成装置。 - 上記第2の予約手段は、上記移動経路出力手段が出力した上記移動経路が承認されたときに、ここで承認された上記移動経路に上記第2の共同利用乗物の利用が含まれている場合、上記第2の共同利用乗物を予約する請求項4に記載の目的行動にかかる行程作成装置。
- 上記受付手段は、上記出発地点、および複数の上記目的行動に加えて、最終到着地点を受け付け、
上記移動経路生成手段は、上記受付手段が受け付けた出発地点から、上記施設受付手段が受け付けた目的行動毎の各対象施設を経由し、上記最終到着地点に移動する移動経路を生成する請求項1〜5のいずれかに記載の目的行動にかかる行程作成装置。 - 対象エリアを受け付ける対象エリア受付手段を備え、
上記抽出手段は、上記対象エリア受付手段が受け付けた対象エリア内にある上記対象施設を抽出する請求項1〜6のいずれかに記載の目的行動にかかる行程作成装置。
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