JP2004292877A - 窒化シリコン膜及びその製造方法 - Google Patents

窒化シリコン膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バリア性が高く、透明で密着性に優れた窒化シリコン膜を、低温で高速成膜する。
【解決手段】化学気相成長法、特に触媒CVD法により成膜される窒化シリコン膜である。基板温度160℃以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、屈折率が1.8以上、1.96以下である。膜中には、NH結合が存在している。成膜に際しては、モノシラン、アンモニア及び水素を供給するとともに、通電加熱されたワイヤで接触分解させ、温度160℃以下の基板上に堆積させる。このとき、モノシラン、アンモニア及び水素の流量比は、モノシラン1に対してアンモニアが1以上、30以下、水素が5以上、400以下とする。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスや有機ELデバイス等の封止膜やバリアフィルムに用いられる窒化シリコン膜及びその製造方法に関するものであり、低温で高速成膜され優れたバリア性を有する新規な窒化シリコン膜及びその製造方法に関する。さらには、かかる窒化シリコン膜を水蒸気や酸素に対するバリア膜として用いたガスバリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化シリコン膜をフィルム上に堆積させる方法としては、スパッタ法や化学気相成長(CVD)法が知られている。ここで、スパッタ法によりフィルム上に窒化シリコン膜を成膜した場合、成膜される窒化シリコン膜が剛直であることから、僅かな曲げや延伸によってクラックが入りやすく、バリア性が劣化するという問題がある。また、スパッタ法で成膜した窒化シリコン膜は、いわゆるカバレージ性が悪く、数十nm程度の膜厚ではフィルム上にある微細な凹凸を完全に覆うことができず、ピンホールが発生する等して、やはりバリア性を損なう原因となっている。
【0003】
一方、CVDの場合、例えば水素化珪素(モノシラン)とアンモニア、窒素等を原料ガスとして窒化シリコン膜を堆積させるが、低温での成膜では本来の窒化シリコン膜よりも膜密度の低い窒化シリコン膜しか得られないという問題がある。モノシランの特性によるものかシリコンの特性によるものか詳細は不明であるが、低温ではシリコンが結合し難く、アモルファスシリコンでは膜密度の低いものしか得られないことが知られており、窒化シリコン膜の場合にも同様である。
【0004】
膜密度の低い窒化シリコン膜は、容易に酸素や水蒸気を透過してしまい、バリア性の点で問題が多い。そこで、従来、この現象を防ぐために、モノシランと窒素を原料とし、シリコンリッチな組成で窒化シリコン膜を成膜する方法が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。しかながら、得られる窒化シリコン膜は、黄色く着色したものであり、品質の点で不満を残している。
【0005】
例えばバリアフィルムとして用いた場合、黄色く着色していると、包装されている内容物が古びているような印象を与え、購買意欲を減退させる。また、光透過度も悪く、中身がよく見えないというデメリットもある。さらに、有機ELデバイスの封止膜としての使用を考えた場合、トップエミッション型の有機ELデバイスには使用することができない。前記着色や光透過度の低下は、表示品質の劣化を招く。
【0006】
このような状況から、比較的低温で高品質な薄膜を形成し得る技術として、触媒CVD法(Cat−CVD法)、あるいはホットワイヤCVD法と称されるCVD法が開発されている(例えば、特許文献2等を参照)。前記触媒CVD法、ホットワイヤCVD法は、真空容器内にガス供給部と通電加熱されたワイヤと被堆積材(基板)の温度を制御し得る基板ホルダとを設け、材料ガスを通電加熱されたワイヤで接触分解させ、基板上に膜を堆積させるというものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−223264号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭63−40314号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2には、多種多様な供給原料ガスが開示され、多種多様な薄膜形成に関する記載が見られるものの、実際には、アモルファスシリコンの成膜例が挙げられているだけであり、窒化シリコンについては全く検討されていない。
【0010】
近年、タングステン等からなるワイヤを1800℃程度に通電加熱し、材料ガスとしてモノシラン及びアンモニアを用い、モノシランとアンモニアの流量比を1:50から1:100として真空容器に流入させ、材料ガスをワイヤで接触分解させて被堆積材に化学気相成長させると、被堆積材の温度が300℃程度においても、水蒸気や酸素の透過を阻止するバリア性の高い窒化シリコン膜が得られることが報告されている。この報告では、得られる窒化シリコン膜は、約1000℃で形成される熱CVDに匹敵するバリア性を有するとのことである。
【0011】
しかしながら、本発明者らが検証したところ、被堆積材の温度を160℃以下にすると、窒化シリコン膜の堆積速度が5nm/分以下の遅い場合を除けば、粉状で被堆積材と密着性もなく、さらに、大気中に1日程度放置しておくだけで膜自体が酸化してしまい、容易に水蒸気や酸素を透過してしまうバリア性の悪い窒化シリコン膜しか得ることができなかった。例えばプラスチックフィルム等を被堆積材として窒化シリコン膜を成膜する場合、300℃以上に被堆積材の温度を上げることは難しく、160℃以下での成膜が必要になる。また、量産性等を考えると、堆積速度5nm/分以下では実用上問題である。
【0012】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、低温で高速に成膜され、水蒸気や酸素等の透過を阻止する能力が高く、透明で密着性に優れた窒化シリコン膜を提供することを目的とし、さらには、その製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、透明性やバリア性に優れた高品質なガスバリア材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明者らは長期に亘り鋭意研究を重ねてきた。その結果、触媒CVD法において、材料ガスとしてモノシランやアンモニアの他、水素を供給するとともに、各流量比を適正に設定することで、低温で高速成膜した場合でも透明でバリア性や密着性に優れた窒化シリコン膜を成膜し得るとの知見を得るに至った。
【0014】
例えば半導体分野等においては、窒化シリコン膜に水素が含まれると、これが特性に悪影響を及ぼすことから、なるべく水素が含まれないようにすることが常識であり、したがって、窒化シリコン膜の成膜に際して水素を供給するということは、これまで想起されたことはなく、試みられた例もない。本発明者らの実験によれば、触媒CVD法による窒化シリコン膜の成膜おいて、水素を導入することで反応が促進され、低温での高速成膜でも透明性やバリア性等に優れた窒化シリコン膜が形成される。
【0015】
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、本発明の窒化シリコン膜は、化学気相成長法により成膜される窒化シリコン膜であって、基板温度160℃以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、波長633nmでの屈折率が1.8以上、1.96以下であることを特徴とする。
【0016】
通常、シリコンリッチの窒化シリコン膜は屈折率2以上であり、光透過性と相反し、両立し得ない。例えばより低い温度で堆積し、全体的に密度を下げて疎な膜とすれば、屈折率を下げることができるが、粉状になりやすく、バリア性が低下するという欠点ある。本発明では、膜組成を適正なものとし、具体的には組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33とし、窒化シリコン膜中に積極的にNH基を導入することで屈折率を1.8〜1.96に調整し、シリコンリッチの膜においても着色せず透明な膜とし、なおかつ高いバリア性をも確保している。
【0017】
また、本発明の窒化シリコン膜の製造方法は、モノシラン、アンモニア及び水素を供給するとともに、通電加熱されたワイヤで接触分解させ、温度160℃以下の基板上に化学気相成長法により窒化シリコン膜を堆積させることを特徴とする。
【0018】
詳しい気相反応や基板表面反応は不明であるが、材料ガスとしてモノシラン、アンモニアとともに水素を供給し、例えば、モノシラン、アンモニア及び水素の流量比を、モノシラン1に対してアンモニア1以上、30以下、水素5以上、400以下に設定することで、水蒸気や酸素などの透過を阻止する能力の高い透明で密着性の良好な窒化シリコン膜が低温で高速に形成される。
【0019】
さらに、本発明のガスバリア材料は、非耐熱性の被堆積材上に窒化シリコン膜が成膜されてなり、前記窒化シリコン膜は、被堆積材の耐熱温度以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、屈折率が1.8以上、1.96以下であることを特徴とする。
【0020】
例えばプラスチックフィルム等に窒化シリコン膜を形成したガスバリアフィルムでは、窒化シリコン膜の低温での成膜が必須となる。本発明のガスバリアフィルムでは、窒化シリコン膜が前記の通り低温で成膜されながら密着性、透明性に優れ、水蒸気及び酸素の透過阻止能力が高いため、高品位なガスバリアフィルムが実現される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した窒化シリコン膜、その製造方法、それを用いたガスバリア材料について、図面を参照して説明する。
【0022】
本発明の窒化シリコン膜は、化学気相成長法、特に触媒CVD法により成膜される窒化シリコン膜であって、基板温度160℃以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、波長633nmでの屈折率が1.8以上、1.96以下である。
【0023】
本発明の窒化シリコン膜は、プラスチックフィルム等を被堆積材とする場合にも被堆積材を損傷することがないことが前提であり、したがって非耐熱材からなる被堆積材の耐熱温度以下(160℃以下)で成膜される。なお、被堆積材の温度は、例えば被堆積材に熱電対を取り付けて、熱電対の起電力差によって計測されるか、あるいは、放射温度計、不可逆性温度管理材を用いて計測される。
【0024】
このような低温で成膜される窒化シリコン膜において、本発明では、先ず、ヘリウム−ネオンレーザーを光源とする波長633nmのエリプソメトリー法で計測される屈折率を1.8以上、1.96以下とする。屈折率は、主に窒化シリコン膜の緻密さと原子組成によって決まり、窒化シリコン膜のシリコン成分が多くなると屈折率は大きくなり、また、窒化シリコン膜の緻密さが低いほど屈折率は小さくなる。本発明の、窒化シリコン膜は、屈折率が1.8以上、1.96以下であり、より好ましくは、1.85以上、1.95以下である。屈折率が1.8より小さいと、大気中に放置しておくだけで窒化シリコン膜が劣化し、水蒸気や酸素の透過を阻止できなくなる虞れがある。逆に、屈折率が1.96以上では、窒化シリコン膜が黄色く着色してしまい、透明性にも欠け、窒化シリコン膜にクラックが入りやすいことになる。
【0025】
また、本発明の窒化シリコン膜においては、屈折率だけでなく、膜の原子組成も重要である。低温堆積の場合、屈折率だけでは一概にバリア性を言うことはできず、屈折率が大きいからといって必ずしも十分なバリア性が得られているとは限らない。そこで本発明では、膜組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33とする。
【0026】
窒化シリコン膜の原子組成は、オージェ電子分光(AES)分析やX線光電子分光(XPS)分析によって求められる。本発明の、窒化シリコン膜の原子組成比は、窒化シリコン膜中に意図せずに含まれる炭素や酸素、あるいは水素や重金属等の原子を除いて割合を計算しており、シリコン1に対して窒素が1.05以上、1.33以下である。窒素の割合が1.05より小さいと、窒化シリコン膜が黄色く着色してしまい、透明性に欠けるものやバリア性が劣るものとなる。窒素の割合が1.33より大きいと、水蒸気や酸素に対するバリア性が低下する虞れがある。
【0027】
さらに、鋭意研究の結果、SiNと表したときに1.05≦x≦1.33なる膜組成を有する窒化シリコン膜において、膜中に積極的にNH基を導入することで屈折率を下げられ、シリコンリッチの膜においても着色せず透明となり、しかもバリア性に優れることがわかった。このとき、NH基の導入量としては、窒化シリコン膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトルにおいて、3350cm−1付近および1175cm−1付近に現れる、NH結合のピークを少なくとも一方または両方を有し、3350cm−1のピーク強度比率が、840cm−1付近に現れるSiN結合のピーク強度の0.04以上でありかつ、バッファード弗酸によるエッチングレートが1μm/分以下であることが好ましい。SiN結合のピーク強度に対してNH結合のピーク強度が0.04より小さいと,窒化シリコン膜は剛直でクラックが入り易くバリア性が劣ったり、着色したりする。バッファード弗酸によるエッチングレートが1μm/分より大きいとバリア性が低下する虞がある。
【0028】
また、シリコンリッチの窒化シリコン膜はSiSi結合やSiH結合を有しており、表面は疎水性である。このため被堆積材との密着性に劣る場合があるが、極性基であるNH結合を導入することで、被堆積材との密着性がよくなるメリットがある。
【0029】
以上が本発明の窒化シリコン膜の主たる特徴点であるが、本発明の窒化シリコン膜は、その他、堆積速度6nm/分以上で成膜されることが好ましい。堆積速度は、堆積した膜の膜厚を、エリプソメトリーや接触式段差計などを用いて計測し、堆積に要した時間で割ることにより計算される。堆積速度6nm/分以上とすることで、実用上、十分な生産性を確保することが可能となる。
【0030】
エッチングレートは、予めエリプソメトリー法(偏光解析法)や接触式段差計で窒化シリコン膜の厚さを計測しておき、窒化シリコンを堆積した被堆積材をテフロン(登録商標)容器などに入れられた16BHF(バッファード弗酸、20.8パーセント一水素化二弗化アンモニウム含有:森田化学工業製)に浸漬し、所定時間浸漬後、速やかに別のテフロン(登録商標)容器等に入った純水で十分に洗浄し、窒素ガス等を吹きかけ乾燥させた後に、再度エリプソメトリーや接触式段差計で窒化シリコン膜の厚さを計測し、以下の式で計算される。
エッチングレート=(エッチング前の窒化シリコン膜の厚さ−エッチング後の窒化シリコン膜の厚さ)/浸漬時間
【0031】
なお、エッチングレートが小さいほど窒化シリコン膜は緻密であり、エッチングレートが1μm/分以下であれば水蒸気や酸素の透過を阻止する能力が高く、より好ましくは500nm/分以下である。
【0032】
上記窒化シリコン膜は、被堆積材上に成膜される。図1は、窒化シリコン膜1の被堆積材2上への堆積状態を示すものである。ここで、被堆積材2は、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板、ガラス、石英、サファイア等の透明基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン(APO)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)、可撓ガラス等の可撓性材料、塩化カリウム(KCl)、臭化カリウム(KBr)等の耐湿性のない無機材料等、任意のものを用いることができる。また、その形状は、板状、レンズ状、エンボス状等、任意の形状とすることができ、電子デバイスや有機ELデバイス等が被堆積材2に搭載されていても良い。さらには、上記各材料等の多層構造材、上記材料に密着剤や平坦化処理剤等をコーティングしたもの、プラズマ処理したものであってもよい。
【0033】
図2は、有機ELデバイスが形成された被堆積材に窒化シリコン膜を封止膜として形成した例を示すものである。図2(a)に示す有機ELデバイスは、プラスチックフィルム3a上に窒化シリコン膜1、下層電極層4、有機EL層5、及び上層電極層6を形成してなるものであり、プラスチックフィルム3a側から(図中、下方に向かって)発光を取り出し、画像等を表示するものである。この場合、これら下層電極層4、有機EL層5、及び上層電極層6を覆って窒化シリコン膜1が成膜されるとともに、反対側の内面、すなわちプラスチックフィルム3aの内表面にも窒化シリコン膜1が成膜されている。図2(b)に示すように、上層電極層6側から(図中、上方に向かって)発光を取り出し、画像等を表示するものの場合には、ガラス等のバリア性の良い材料からなる基板3bに下層電極層4、有機EL層5、及び上層電極層6を形成してなる被堆積材2上に窒化シリコン膜1を成膜すればよい。この場合、基板3bは透明でなくてもよい。本発明の窒化シリコン膜1は、透明性に優れ水蒸気や酸素に対するバリア性にも優れているので、有機EL層5への水分の侵入を確実に防止することができる。また、窒化シリコン膜1が発光の妨げになることもない。
【0034】
図3は、窒化シリコン膜をバリア膜としたガスバリアフィルムの例を示すものである。ガスバリアフィルムは、プラスチックフィルム8の表面に窒化シリコン膜1を成膜したものであり、例えば食品9等の包装に用いられる。ガスバリアフィルムの場合、被堆積材2を、飲食品、医薬品、化粧品、化学品、電子部品、その他等の種々の物品を包装するのに有用な上記のプラスチックフィルム等からなる可撓性材料とし、窒化シリコン膜1を被堆積材2に堆積させる。このとき、窒化シリコン膜1は、低温で成膜されるので、被堆積材2(プラスチックフィルム8)を損傷することがない。また、窒化シリコン膜1は、密着性や透明性が良く、水蒸気及び酸素の透過阻止能力が高いため、高品位なバリアフィルムとなる。
【0035】
次に、本発明の窒化シリコン膜の成膜方法について説明する。本発明では、窒化シリコン膜を触媒CVD法により成膜する。この触媒CVD法を行う触媒CVD装置は、例えば図4に示すように、ドライポンプ11、ターボ分子ポンプ12等によりゲートバルブ13を経て真空にされる真空容器14と、材料ガスボンベ15を備えたガス供給部16(保安上のバルブは図示せず)、直流あるいは交流電源17で通電加熱されたタングステン等からなるワイヤ18、ヒーター20aや冷媒流路20bを備え被堆積材2の温度を制御できる被堆積材ホルダ20を備えている。
【0036】
ガス供給部16では、材料ガスボンベ15から供給される原料ガスが、レギュレータ21により圧力調整され、開閉バルブ22を通過してガス流量を制御するマスフローメーター23、さらに開閉バルブ24を介して真空容器14内へと供給される。なお、本発明では、原料ガスとしてモノシラン、アンモニア、水素の3種類のガスを用いるので、ガス供給部16も3系統のガス供給ライン、すなわち材料ガスボンベ15a,15b,15c、レギュレータ21a,21b,21c、開閉バルブ22a,22b,22c、マスフローメーター23a,23b,23c、開閉バルブ24a,24b,24cを有する。
【0037】
上記構成の触媒CVD装置では、材料ガスを真空容器14にガス供給部16より流入させ、電源17より通電加熱されたワイヤ18で接触分解させて被堆積材2に窒化シリコン膜1を堆積させる。
【0038】
被堆積材ホルダ20には、ワイヤ18の輻射熱で被堆積材2の温度が上昇しすぎないように、被堆積材2から被堆積材ホルダ20へ熱移動をよくするために、被堆積材2の外周を押さえる錘を載せる機構(図示せず)や、静電チャックと呼ばれる静電気力で被堆積材2と被堆積材ホルダ20を密着させる機構(図示せず)が備わっていてもよい。
【0039】
成膜に際しては、3系統のガス供給ライン、すなわち材料ガスボンベ15a,15b,15cよりモノシラン、アンモニア、水素をガス供給部16を通じて真空容器14内に流入させ、通電加熱されたワイヤ18で材料ガスを接触分解する。
【0040】
ワイヤ18の表面及びその近辺でのモノシランの主な反応は、SiH→Si*+4H*、SiH+H*→SiH*+Hであり、SiH*が主要な堆積種であると考えられている。また、アンモニアの主な反応は、NH→NH*+H*であり、NH*が主要な堆積種であると考えられている。水素の主な反応は、H→2H*であり、H*は、主に気相反応、被堆積材2の表面反応を補助するために使われると考えられる。
【0041】
材料ガスとして水素を用いなくてもH*が発生しているが、水素を材料ガスとして真空容器14に流入させることで、H*を大量に発生させることができ、従来に比して絶大な効果を発揮している。そして、主にSiH*とNH*が被堆積材表面で被堆積材の熱エネルギー、堆積種の熱エネルギー、H*等の反応補助成分の存在により反応し、窒化シリコン膜となると推測されるが、詳しい気相反応や基板表面反応はわかっていない。なお、前記において、*印はラジカルの状態を示す。
【0042】
上記装置を用い、材料ガスの流量比をシラン1に対して、アンモニア1以上から30以下、より好ましくは2.5以上、10以下、水素5以上から400以下、より好ましくは20以上、80以下にすることで、水蒸気や酸素等の透過を阻止する能力の高い透明で密着性の良好な窒化シリコン膜を低温で高速に成膜することができる。
【0043】
シラン流量1に対し、アンモニア流量比が1より小さい場合、窒化シリコン膜が黄色く着色し、好ましくない。また、アンモニア流量比が30より大きい場合、アンモニアは通電加熱したワイヤ18上での水素の分解を妨げる働きがあるが、これが顕著になり、得られる窒化シリコン膜の水蒸気や酸素等に対するバリア性も悪くなる虞れがある。一方、シラン流量1に対し、水素流量比が5より小さい場合、水素を用いない場合と比較して、ほとんど水蒸気や酸素等のバリア性が良くならない。水素流量比が400より大きい場合、水素流量比400以下のものと比較して、水蒸気や酸素のバリア性にほとんど違いがなく、水素の無駄でもあり好ましくない。また、真空容器14内で堆積種の濃度が低下することになるので、堆積速度が低下する虞れもある。
【0044】
上記の触媒CVD装置は、いわばバッチ式の装置であり、長尺状の被堆積材への成膜には適さない。例えば、プラスチックフィルム等に窒化シリコン膜を成膜し、ガスバリアフィルムとする場合には、連続式の装置が望まれる。そこで、このような場合には、図5に示す触媒CVD装置を用いることが好ましい。
【0045】
この触媒CVD装置では、真空容器31内に冷却機構を有する冷却キャン32を設置し、その周面に沿ってプラスチックフィルム33を走行させながら窒化シリコン膜1の成膜を行う。
【0046】
プラスチックフィルム33は、フィルム供給ロール34から供給され、窒化シリコン膜1が成膜された後、巻き取りロール35に巻き取られる。真空容器31の中間位置には、冷却キャン32上を走行するプラスチックフィルム33の成膜領域を制限する遮蔽板36が設けられている。真空容器31の底部には、原料ガスを供給するガス供給部37が設けられ、その上方には通電加熱されるワイヤ38が設置されている。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。
【0048】
屈折率に関しての検討
先ず、窒化シリコン膜の透明性を見るために、ポリエチレンテレフタレート(PET)上に窒化シリコン膜を堆積し、屈折率と光線透過率の関係を求めた。結果を図6に示す。屈折率が大きくなると、光線透過率は低下し、屈折率2.05以上のものは黄色く着色していた。したがって、屈折率は2.05以下が望まれる。
【0049】
次に、窒化シリコン膜の水蒸気や酸素に対するバリア性について検討した。バリア性は、窒化シリコン膜をフィルムに堆積して、モコン法、カップ法で計測するのが一般的であるが、検出限界以下、若しくはそれに近い値が多く、フィルム表面の平滑性やパーティクルにも影響されるので、シリコン基板上に窒化シリコン膜を堆積し、高温加湿試験(以下、PCTと称する。)により評価した。
【0050】
様々な条件でシリコン基板に低温で窒化シリコン膜を堆積し、屈折率とバリア性の関係を求めた。結果を図7に示す。
【0051】
バリア性は、主にPCT後の屈折率の低下量とPCT前後のフーリエ変換赤外吸収スペクトルの比較で判断した。屈折率の評価の理由は、窒化シリコン膜に酸素が進入すると屈折率が低下するためである。ひどい場合は、酸化シリコン膜(n=1.45)となってしまう。屈折率1.8以下では膜は劣化し、膜密度の低下のため(x=1.0程度)屈折率2.0でも劣化する場合があった。屈折率が2.05より大きいと、明らかな劣化はないものの、XPSで組成分析すると微量の酸素が表面より進入していた。したがって、低温堆積の場合、屈折率だけでは、一概にバリア性を言うことができなかった。
【0052】
膜組成に関しての検討
次に、横軸を組成比とし、組成比とバリア性の関係を求めた。結果を図8に示す。SiNにおいて、化学量論組成であるx=1.33よりxの値が大きいと、防湿性が劣る場合があった。x=1.05から1.33では良好なバリア性を示した。xが1.05より小さいと、完全に劣化する場合や、XPSで分析すると表面より酸素が進入しているものがあった。したがって、x=1.05から1.33が良好であった。
【0053】
そして、屈折率2.0で組成比x=1.33のものをフィルム上に作製したが、窒化シリコン膜にクラックが入りやすいことが判明した。しかし、屈折率1.96でx=1.05ではクラックが入らないことがわかった。
【0054】
通常シリコンリッチの膜は、屈折率2以上で、光透過性と相反し、両立し得ない。全体的に密度を下げて(より低い温度で堆積すればよい)疎な膜とすれば、屈折率が下げられるが、粉状になりやすく、バリア性が劣化する欠点ある。鋭意研究の結果、SiNと表した時に、x=1.05以上、1.33以下において、窒化シリコン膜中に積極的にNH基を導入すると屈折率を下げられ、シリコンリッチの膜においても着色せず透明となり、なおかつバリア性があることがわかった。最適な量は、窒化シリコン膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトルにおいて、3350cm−1付近および1175cm−1付近に現れるNH結合のピークを少なくとも一方または両方を有し、3350cm−1のピーク強度比率が、840cm−1付近に現れるSiN結合のピーク強度の0.04以上でありかつ、バッファード弗酸によるエッチングレートが1μm/分以下であることが好ましい。SiN結合のピーク強度に対してNH結合のピーク強度が0.04より小さいと,窒化シリコン膜は剛直でクラックが入り易くバリア性が劣ったり、着色したりする。バッファード弗酸によるエッチングレートが1μm/分より大きいとバリア性が低下する。結果を図9に示す。
【0055】
以上の検討結果より、原子組成がx=1.05以上、1.33以下で、屈折率が1.8以上1.96以下であれば、透明でバリア性があることが判明し本発明に至った。図10に、本発明で規定される範囲を図示する。
【0056】
実施例1
図4に示す装置を用い、被堆積材2をシリコン基板とし、被堆積材2とワイヤ18の距離を20cm、堆積前の被堆積材2の温度を70℃、ワイヤ18の材質をΦ0.5×2800mmのタングステンとし、ワイヤ18の温度を1750℃に設定し、モノシラン流量8sccm、アンモニア流量20sccm、水素流量200sccmの条件で材料ガスを真空容器14に圧力10Paで流入させ5分間堆積した。堆積終了時の被堆積材2の温度は100℃であった。得られた窒化シリコン膜の厚さは、60nmであり、堆積速度は12nm/分であった。エッチングレートを求めたところ90nm/分であり、屈折率は1.92、X線光電子分光分析の結果の組成比はシリコン1に対して窒素1.2であった。
【0057】
実施例2
図4に示す装置を用い、被堆積材を厚み0.05mmのポリエチレンテレフタレートとし、被堆積材2とワイヤ18の距離を20cm、堆積前の被堆積材2の温度を10℃、ワイヤ18の材質をΦ0.5×2800mmのタングステンとし、ワイヤ18の温度を1750℃に設定し、モノシラン流量8sccm、アンモニア流量20sccm、水素流量200sccmの条件で材料ガスを真空容器14に圧力10Paで流入させ5分間堆積した。堆積終了時の被堆積材2の温度は100℃であった。X線光電子分光分析の結果の組成比は、シリコン1に対して窒素1.2であり、窒化シリコン膜の膜厚は60nmであったので、実施例1と同等の窒化シリコン膜が堆積できた。JIS Z 0208に規定されるカップ法で透湿度を測定したところ、被堆積材2のみの透湿度が13g/m・日のところ、本実施例の窒化シリコン膜1を堆積した場合、検出限界(0.3g/m・日)以下であり、優れたバリア性があった。
【0058】
上記実施例2のように、屈折率1.67のポリエチレンテレフタレートフィルムに屈折率1.91の窒化シリコン膜1を60nm堆積した場合の全光線透過率は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含めて78%以上と透明な窒化シリコン膜であった。
【0059】
また、実施例2において、10cm四方の領域で、1cm間隔で碁盤目状に被堆積材2上の窒化シリコン膜1をカッターで切り、その上にセロハンテープを貼り、十分接着させた後、セロハンテープをはがして剥離試験を行った。被堆積材2から剥離する窒化シリコン膜1は0個と良好な接着性を示した。このようにして、良好なバリアフィルムを作製できた。
【0060】
実施例3
図4に示す装置を用い、被堆積材2をシリコン基板とし、被堆積材2とワイヤ18の距離を5cm、堆積前の被堆積材2の温度を10℃、ワイヤ18の材質をΦ0.5×2800mmのタングステンとし、ワイヤ18の温度を1750℃に設定し、モノシラン流量8sccm、アンモニア流量20sccm、水素流量200sccmの条件で材料ガスを真空容器14に圧力10Paで流入させ100秒間堆積した。堆積終了時の被堆積材2の温度は90℃であった。得られた窒化シリコン膜1の厚さは85nmであり、堆積速度は51nm/分であった。エッチングレートを求めたところ、120nm/分であった。屈折率は1.91で、X線光電子分光分析の結果の組成比は、シリコン1に対して窒素1.18であった。PCTを雰囲気温度121℃、圧力2.0kgf/cm、時間1時間の条件で行い、加速破壊を行ったところ、窒化シリコン膜1の厚さ、屈折率、赤外吸収スペクトル等に変化は見られなかった。また、窒化シリコン膜の組成や屈折率、エッチングレートからも、実施例1と同等の窒化シリコン膜1と考えられる。
【0061】
比較例1
図4に示す装置を用い、被堆積材2をシリコン基板とし、被堆積材2とワイヤ18の距離を5cm、堆積前の被堆積材2の温度を10℃、ワイヤ18の温度を1750℃に設定し、モノシラン流量8sccm、アンモニア流量200sccmの条件で材料ガスを真空容器14に圧力10Paで流入させ100秒間堆積した。堆積終了時の被堆積材の温度は90℃であった。得られた窒化シリコン膜の膜厚は100nmであり、堆積速度は60nm/分であった。エッチングレートを求めようとしたところ、1秒以内に溶解してしまい、エッチングレートは6μm/分以上であった。窒化シリコン膜の屈折率は1.79で、X線光電子分光分析の結果の窒化シリコン膜の組成比は、シリコン1に対して窒素0.78であった。高温加湿試験を上記と同一条件で行ったところ、窒化シリコン膜の屈折率が低下し変化していた。赤外吸収スペクトルを見ると、図11に示すように、窒化シリコン膜は劣化して酸化シリコン膜に変化していた。
【0062】
上記のように、例えば実施例3と比較例1を比較すると、従来方式で高速で成膜を行うと、加速破壊試験であるPCTからもわかるように劣化が明らかであるのに対し、本発明の窒化シリコン膜は劣化もせず、また、屈折率が変化していないことより、窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜と被堆積材の界面に酸素が侵入していないことが明らかであり、水蒸気及び酸素のバリア性が高いことがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、水蒸気や酸素等の透過を阻止する能力が高く、透明で密着性に優れた窒化シリコン膜を、低温で高速成膜することが可能である。したがって、バリア性に優れた高品位なガスバリア材料等を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化シリコン膜の被堆積材上への成膜状態を示す概略断面図である。
【図2】有機ELデバイスへの適用例を示す概略断面図であり、(a)は有機ELデバイス及びプラスチックフィルムを覆って窒化シリコン膜を形成した例、(b)は有機ELデバイスのみを覆って窒化シリコン膜を形成した例を示すものである。
【図3】ガスバリアフィルムへの適用例を示す概略断面図である。
【図4】触媒CVD装置の一構成例を示す図である。
【図5】連続式の触媒CVD装置の一構成例を示す図である。
【図6】窒化シリコン膜の屈折率と光線透過率の関係を示す特性図である。
【図7】窒化シリコン膜の屈折率とバリア性の関係を示す特性図である。
【図8】窒化シリコン膜のN/Si原子組成比とバリア性の関係を示す特性図である。
【図9】NH結合のピーク強度比とエッチングレートのバリア性の関係を示す特性図である。
【図10】本発明における規定範囲を示す図である。
【図11】比較例1と代表的条件におけるPCT試験前後のフーリエ変換赤外吸収スペクトルである。
【符号の説明】
1 窒化シリコン膜、2 被堆積材、3,8 プラスチックフィルム、5 有機EL層、14 真空容器、18 ワイヤ、20 被堆積材ホルダ

Claims (9)

  1. 化学気相成長法により成膜される窒化シリコン膜であって、
    基板温度160℃以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、波長633nmでの屈折率が1.8以上、1.96以下であることを特徴とする窒化シリコン膜。
  2. フーリエ変換赤外吸収スペクトルにおいて、3350cm−1付近および1175cm−1付近に現れるNH結合のピークを少なくとも一方または両方を有し、3350cm−1のピーク強度比率が840cm−1付近に現れるSiN結合のピーク強度の0.04以上でありかつ、バッファード弗酸によるエッチングレートが1μm/分以下であることを特徴とする請求項1記載の窒化シリコン膜。
  3. 堆積速度6nm/分以上で成膜されたことを特徴とする請求項1記載の窒化シリコン膜。
  4. モノシラン、アンモニア及び水素を供給するとともに、通電加熱されたワイヤで接触分解させ、
    温度160℃以下の基板上に化学気相成長法により窒化シリコン膜を堆積させることを特徴とする窒化シリコン膜の製造方法。
  5. 前記モノシラン、アンモニア及び水素の流量比を、モノシラン1に対してアンモニアが1以上、30以下、水素が5以上、400以下とすることを特徴とする請求項4記載の窒化シリコン膜の製造方法。
  6. 堆積速度を6nm/分以上とすることを特徴とする請求項4記載の窒化シリコン膜の製造方法。
  7. 非耐熱性の被堆積材上に窒化シリコン膜が成膜されてなり、
    前記窒化シリコン膜は、被堆積材の耐熱温度以下で成膜され、その組成をSiNと表したときに1.05≦x≦1.33であり、屈折率が1.8以上、1.96以下であることを特徴とするガスバリア材料。
  8. 前記被堆積材は、可撓性材料からなることを特徴とする請求項7記載のガスバリア材料。
  9. 前記可撓性材料がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項8記載のガスバリア材料。
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