JP2004292500A - ビニルピロリドン重合体の消臭方法 - Google Patents

ビニルピロリドン重合体の消臭方法 Download PDF

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Keiichi Fujise
圭一 藤瀬
Itsuko Hamaguchi
伊津子 浜口
Akio Naka
昭夫 中
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】ビニルピロリドン重合体の消臭方法を提供すること。
【解決手段】ビニルピロリドン重合体の水溶液、好ましくは残存ビニルピロリドン濃度が、ビニルピロリドン重合体に対して1000ppm以下のビニルピロリドン重合体の水溶液に、pH7〜12の条件下で、過酸化水素を添加したのち、ビニルピロリドン重合体の水溶液を乾燥して粉末状ビニルピロリドン重合体を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルピロリドン重合体の消臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既知の製造方法(たとえば、特許文献1参照)で得られる粉末状ビニルピロリドン重合体には不快な刺激臭があった。低臭気のビニルピロリドン重合体を製造する方法として、ビニルピロリドンの重合時または重合後に、水素、亜硫酸塩または還元糖などの還元性化合物を添加する方法(たとえば、特許文献2参照)があるが、水素を使用することは生産するうえで危険が伴うものであり、亜硫酸塩または還元糖を使用すると、最終製品に不純物が多く含まれるという問題があった。また、一般に消臭剤として使用されている過酸化水素(たとえば、特許文献3参照)を、ビニルピロリドン重合体の消臭剤としてビニルピロリドン重合体の製造時に使用すると、架橋などによる増粘あるいは水への不溶化などの悪影響があった。さらに、過酸化水素がビニルピロリドン重合体中に多量に残存するため、品質上好ましくないという問題もあった。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−155108号公報
【特許文献2】
特開2002−322223号公報
【特許文献3】
特開2002−219494号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ビニルピロリドン重合体の消臭方法を提供することを目的とする。さらに、消臭処理によるビニルピロリドン重合体の増粘および溶媒への不溶化を生じさせず、かつ、ビニルピロリドン重合体に消臭剤を多量に残存させない消臭方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ビニルピロリドン重合体の水溶液に、pH7〜12の条件下で、過酸化水素を添加したのち、乾燥して粉末状ビニルピロリドン重合体を得ることからなるビニルピロリドン重合体の消臭方法、
ビニルピロリドン重合体の水溶液中の残存ビニルピロリドン濃度が、ビニルピロリドン重合体に対して1000ppm以下である前記のビニルピロリドン重合体の消臭方法、
ビニルピロリドン重合体の水溶液をスプレードライヤーまたはドラムドライヤーで乾燥させる前記のビニルピロリドン重合体の消臭方法、
過酸化水素の添加量が、ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して10〜10000ppmである前記のビニルピロリドン重合体の消臭方法、および
ビニルピロリドン重合体のK値が60〜120である前記のビニルピロリドン重合体の消臭方法に関する。
【0006】
本発明によれば、ビニルピロリドン重合体の臭気原因物質が、過酸化水素で酸化されることにより、刺激臭が消臭されるものと思われる。さらに、本発明によれば、消臭処理によるビニルピロリドン重合体の増粘および溶媒への不溶化を生じさせることがなく、かつ、ビニルピロリドン重合体に消臭剤を多量に残存させることもない。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ビニルピロリドン重合体の水溶液に過酸化水素を添加することにより、不快な刺激臭を有しないビニルピロリドン重合体を得ることができる。既知の製造方法で得られるビニルピロリドン重合体の有する不快な刺激臭の原因は、ビニルピロリドン中に含まれる不純物またはビニルピロリドン重合体製造時に副生する不純物などが原因であると考えられる。
【0008】
ここでいうビニルピロリドンとは、通常N−ビニル−2−ピロリドンをいう。ビニルピロリドン重合体には、ビニルピロリドンの単独重合体およびビニルピロリドンとほかの単量体との共重合体(好ましくはビニルピロリドン単位を20重量%以上、より好ましくは30重量%以上含有する共重合体)が包含される。
【0009】
ほかの単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のアルキルエステル(メチルアクリレート、エチルアクリレートなど)、メタクリル酸のアルキルエステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなど)、アクリル酸のアミノアルキルエステル(ジエチルアミノエチルアクリレートなど)、メタクリル酸のアミノアルキルエステル、アクリル酸とグリコールとのモノエステル、メタクリル酸とグリコールとのモノエステル(ヒドロキシエチルメタクリレートなど)、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸のアンモニウム塩、アクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、メタクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、ジエチルアミノエチルアクリレートとメチルサルフェートとの第4級アンモニウム化合物、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸のアンモニウム塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリコールジアリルエーテルなどがある。
【0010】
本発明において、過酸化水素を添加するビニルピロリドン重合体の水溶液は、残存するビニルピロリドン濃度を低減させたものがよく、ビニルピロリドン重合体に対して、1000ppm以下に低減させたものが好ましく、100ppm以下に低減させたものがより好ましい。残存ビニルピロリドン濃度が高い場合は、系が増粘し、好ましくない。ビニルピロリドンの濃度は、たとえば、ギ酸、酢酸、硫酸、塩酸などをビニルピロリドン重合体の水溶液に添加して、ビニルピロリドン重合体の水溶液のpHを下げ、ビニルピロリドン重合体の水溶液中の残存ビニルピロリドンを加水分解することにより、低下させることができる。残存ビニルピロリドンの濃度は、ビニルピロリドン重合体の水溶液のpH、加水分解温度などにより、調節することができる。ビニルピロリドン重合体の水溶液のpHは、2〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3に調節される。pHが2未満では、酸の添加量が多量となるために不純物が増え、pHが5をこえると、残存ビニルピロリドンの加水分解に長時間を要し、所望の残存ビニルピロリドン濃度にまで低下させることが困難である。加水分解温度は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは80〜100℃である。60℃未満では残存ビニルピロリドンの加水分解に長時間を要し、所望の残存ビニルピロリドン濃度にまで低下させることが困難であり、100℃をこえると圧力釜などの設備が必要となり、イニシャルコストが大きくなる。残存ビニルピロリドンの濃度は、たとえば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離したのち、UV検出器を使用して、235nmにおける吸収強度を測定することにより、求めることができる。
【0011】
過酸化水素を添加するときのビニルピロリドン重合体のK値は、好ましくは60〜120、より好ましくは60〜100である。K値が60未満のビニルピロリドン重合体は、通常、過酸化水素および銅イオンを重合開始剤として製造されるが、消臭剤として添加される過酸化水素が銅イオンにより活性化されることにより、ビニルピロリドン重合体の分子間架橋反応が引き起こされ、K値の増大あるいは不溶化が生じる傾向にある。K値が120をこえると、過酸化水素によるポリマー鎖の分解が起こりやすくなり、K値の著しい低下をまねく傾向にある。
【0012】
K値は、フィケンチャー法による分子量の大きさを表わす値であり、以下の測定方法によって求めることができる。K値が20未満である場合には5%(g/100ml)溶液の粘度を測定し、K値が20以上の場合は1%(g/100ml)溶液の粘度を測定する。試料濃度は乾燥物換算する。K値が20以上の場合、試料は1.0gを精密に量りとり、100mlのメスフラスコに入れ、室温で蒸留水を加え、振とうしながら完全に溶かして蒸留水を加えて正確に100mlとする。この試料溶液を恒温槽(25±0.2℃)で30分間放置後、ウベローデ型粘度計を用いて測定する。試料溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定する。数回測定し、平均値をとる。相対粘度を規定するために、蒸留水についても同様に測定する。2つの得られた流動時間をハーゲンバッハ−キュッテ(Hagenbach−Couette)の補正値に基づいて補正する。
【0013】
【数1】
Figure 2004292500
【0014】
前記式中、Zは濃度Cの溶液の相対粘度(ηrel)、Cは試料の濃度(%:g/100ml)を示す。
【0015】
相対粘度ηrelは次式より得られる。
ηrel=(溶液の流動時間)÷(水の流動時間)
【0016】
過酸化水素を添加するときのビニルピロリドン重合体の濃度は、通常、10〜50重量%(以下、%という)である。濃度が低すぎると、ビニルピロリドン重合体の水溶液の乾燥コストが高くなるため生産性がわるくなり、濃度が高すぎると、ビニルピロリドン重合体の水溶液の粘度が高くなり、攪拌や移送が困難となる。
【0017】
ビニルピロリドン重合体の水溶液としては、たとえば、水性媒体中でビニルピロリドンを重合させることにより得られる重合液を使用することができる。
【0018】
ビニルピロリドンを重合する際、ビニルピロリドン水溶液の濃度は、好ましくは10〜50%、より好ましくは20〜40%である。10%未満では生産性がわるく、コストが高くなる傾向があり、50%をこえると、重合中、経時的に粘度が高くなり、攪拌が困難となって反応に支障をきたしやすくなる。
【0019】
ビニルピロリドンの重合には、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジクロライド、ジメチル−2、2’−アゾビス(2−メチルプロピネート)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、ターシャリーブチルヒドロペルオキシド、ジターシャリーブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどを使用することができる。重合開始剤は、重合開始時に一括で添加してもよいが、重合中に、さらに添加し、残存するビニルピロリドンを重合させることが好ましい。重合開始剤は、重合開始時に、好ましくはビニルピロリドンの0.001〜1%、より好ましくは0.01〜1%添加される。0.001%未満では重合速度が低下し、生産性がわるくなる傾向があり、1%をこえると、重合後、添加した開始剤が不純物となって、品質上好ましくない。重合中に、さらに重合開始剤を添加する場合には、残存するビニルピロリドンが、重合開始前のビニルピロリドンの好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下のときに、添加することが好ましい。これは、通常、重合開始から30分〜10時間後である。10%をこえるビニルピロリドンが残存しているときに重合開始剤を添加すると、所望のK値のビニルピロリドン重合体が得られにくくなり、ロット間のK値のばらつきが大きくなる傾向にあり、好ましくない。重合中に重合開始剤を添加するときの重合開始剤の添加量は、重合前のビニルピロリドンに対して、好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.01〜1%である。0.001%未満では残存ビニルピロリドンの重合が起こりにくく、1%をこえると、重合後、添加した重合開始剤が不純物となり、品質上好ましくない。
【0020】
ビニルピロリドンの重合開始温度、すなわち、重合前のビニルピロリドン水溶液の温度は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃に調節しておく。50℃未満では反応が遅く、反応時間が長くなる傾向があり、100℃をこえると着色、架橋などの副反応がおこる傾向がある。また、圧力容器などの設備が必要となり、イニシャルコストが高くなる。
【0021】
ビニルピロリドン水溶液に重合開始剤を添加し、重合を開始したのちの重合温度は、最高温度が好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃となるように調節する。50℃未満では反応速度が遅くなり、反応時間が長くなる傾向があり、100℃をこえると着色、架橋反応などの副反応がおこりやすい傾向がある。また、圧力容器などの設備が必要となり、イニシャルコストが高くなる。
【0022】
重合中の反応液のpHは、5以上とすることが好ましく、6以上とすることがより好ましい。pHが5未満ではビニルピロリドンが加水分解する傾向がある。pHの調整には、アンモニア、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウムなどが使用される。
【0023】
重合率が99%以上のビニルピロリドン重合体の水溶液を使用することが好ましい。重合率は、次の式から算出される。
【0024】
重合率(%)=([仕込みビニルピロリドン濃度]−[残存ビニルピロリドン濃度])/[仕込みビニルピロリドン濃度]×100
【0025】
なお、残存ビニルピロリドン濃度は、HPLCにより分離し、UV検出器を使用して、235nmにおける吸収強度を測定することにより、求められる。重合率が99%をこえるのは、通常、重合開始から1〜20時間後である。
【0026】
過酸化水素を添加するときのビニルピロリドン重合体の水溶液のpHは、7〜12、好ましくは7.1〜12.0である。pHが7未満では脱臭効果がなく、得られるビニルピロリドン重合体に残存する過酸化水素の量が多くなる。pHが8〜12のとき、目的とする脱臭効果が得られやすいが、pHが高すぎる場合には、pH調整剤の使用量が多くなり、好ましくない。また、pHが7〜11のとき、消臭処理によるビニルピロリドン重合体のK値の増大を抑制しやすい。したがって、過酸化水素を添加するときのビニルピロリドン重合体の水溶液のpHは、8〜11であることが好ましい。pHの調整には、アンモニア、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが使用される。
【0027】
過酸化水素の添加量は、ビニルピロリドン重合体の水溶液中のビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して、重量基準で10〜10000ppm、好ましくは100〜2000ppmである。10ppm未満では消臭効果が少なく、10000ppmをこえるとビニルピロリドン重合体に残存する過酸化水素量が多くなったり、あるいはビニルピロリドン重合体が増粘する場合がある。
【0028】
過酸化水素を添加するときのビニルピロリドン重合体の水溶液の温度は、好ましくは10〜100℃、より好ましくは40〜90℃である。10℃未満ではビニルピロリドン重合体の乾燥効率がわるくなる傾向があり、100℃をこえると、圧力釜などの設備が必要となり、イニシャルコストが高くなる。
【0029】
過酸化水素を添加したのち、ビニルピロリドン重合体の水溶液を乾燥させるまでの期間は、30分〜1週間、好ましくは30分〜3日とすることができる。30分間未満では過酸化水素を均一に混合することが困難であり、1週間をこえるとビニルピロリドン重合体の水溶液が腐敗する傾向にあり、抗菌剤などの添加が必要となる。
【0030】
ビニルピロリドン重合体の水溶液の乾燥には、スプレードライヤー、ドラムドライヤーなどの乾燥装置を使用することができる。乾燥後、ビニルピロリドン重合体を粉末化するために、必要に応じて、ハンマーミルやピンミルのような衝撃式の粉砕機などで処理することができる。
【0031】
本発明で得られるビニルピロリドン重合体は、不快な刺激臭がなく、かつ、消臭剤である過酸化水素をほとんど含まないため、化粧品の原料として好ましく使用される。また、消臭処理後のK値の変動が少ないため、本発明で得られるビニルピロリドン重合体を原料として使用した製品は、安定な品質を示す。
【0032】
【実施例】
実施例1
ビニルピロリドン400kg、水1600kgからなる水溶液を、窒素パージしながら70℃に加熱し、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)400gを添加して重合を開始した。反応液の温度を90℃にし、2時間後、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を400g添加した。重合開始3時間後、重合率が99%以上であることをHPLCおよびUV検出器を使用して確認したのち、ギ酸を280g添加して反応液のpHを4以下にした。ギ酸を添加してから1時間加水分解反応させたのち、残存ビニルピロリドンを900重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体が得られた。得られたビニルピロリドン重合体の水溶液にアンモニア(28%水溶液)を加えてpHを8に調整したのち、過酸化水素を20g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して50重量ppm)加え、ドラムドライヤー(カツラギ工業(株)製)にて乾燥し、粉砕機(パルペライザー(ホソカワミクロン(株)製))で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。得られた粉末状ビニルピロリドン重合体の臭気およびK値の増大を、以下の評価方法および評価基準によって評価した。
【0033】
<臭気評価方法>
50mLのガラス瓶に5gの粉末状ビニルピロリドン重合体を量りとり、蓋を閉め、25℃で24時間放置したのち、臭いを嗅いだ。
【0034】
<臭気評価基準>
〇:刺激臭なし
△:刺激臭少しあり
×:刺激臭あり
【0035】
<K値増大評価方法>
過酸化水素添加直前のビニルピロリドン重合体のK値および乾燥後のビニルピロリドン重合体のK値を測定し、(乾燥後のビニルピロリドン重合体のK値)−(過酸化水素添加直前のビニルピロリドン重合体のK値)を算出して、K値の増大を評価した。
【0036】
<K値増大評価基準>
◎:K値の増大が2以下
○:K値の増大が4以下
△:K値の増大が10以下
×:ゲル化
【0037】
実施例2
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様にして、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを9に調整したのち、過酸化水素を400g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して1000重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0038】
実施例3
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様にして、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを10に調整したのち、過酸化水素を3600g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して9000重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0039】
実施例4
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様にして、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを9に調整したのち、過酸化水素を2g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して5重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0040】
実施例5
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様にして、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを7に調整したのち、過酸化水素を200g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して500重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0041】
実施例6
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様にして、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを12に調整したのち、過酸化水素を200g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して500重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0042】
比較例1
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様に実験して、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを5に調整したのち、過酸化水素を400g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して1000重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0043】
比較例2
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を1.5時間とした以外は、実施例1と同様に実験して、残存ビニルピロリドンを10重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)にアンモニアを加えてpHを6に調整したのち、過酸化水素を200g(ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して500重量ppm)加え、ドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0044】
比較例3
ギ酸を添加してからの加水分解反応時間を4.0時間とした以外は、実施例1と同様に実験して、残存ビニルピロリドンを2重量ppm含有し、K値が93であるビニルピロリドン重合体を得た。得られた反応液(ビニルピロリドン重合体の水溶液)をドラムドライヤーにて乾燥し、粉砕機で処理することにより、粉末状ビニルピロリドン重合体を得た。
【0045】
【表1】
Figure 2004292500
【0046】
【発明の効果】
本発明の消臭方法によれば、不快な刺激臭を有しないビニルピロリドン重合体を、消臭処理によるビニルピロリドン重合体の増粘あるいは溶媒への不溶化を生じさせることなく、得ることができる。また、本発明で消臭剤として使用される過酸化水素は、得られるビニルピロリドン重合体に、ほとんど残存することがない。

Claims (5)

  1. ビニルピロリドン重合体の水溶液に、pH7〜12の条件下で、過酸化水素を添加したのち、乾燥して粉末状ビニルピロリドン重合体を得ることからなるビニルピロリドン重合体の消臭方法。
  2. ビニルピロリドン重合体の水溶液中の残存ビニルピロリドン濃度が、ビニルピロリドン重合体に対して1000ppm以下である請求項1記載のビニルピロリドン重合体の消臭方法。
  3. ビニルピロリドン重合体の水溶液をスプレードライヤーまたはドラムドライヤーで乾燥させる請求項1または2記載のビニルピロリドン重合体の消臭方法。
  4. 過酸化水素の添加量が、ビニルピロリドン重合体および残存ビニルピロリドンの合計量に対して10〜10000ppmである請求項1または2記載のビニルピロリドン重合体の消臭方法。
  5. ビニルピロリドン重合体のK値が60〜120である請求項1または2記載のビニルピロリドン重合体の消臭方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231047A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd ビニルピロリドン重合体の取扱い方法
JP2015059163A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 第一工業製薬株式会社 ポリビニルピロリドン水溶液の製造方法

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