JP2004291508A - 画像形成方法、記録剤、および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法、記録剤、および画像形成装置 Download PDF

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徹 佐桑
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Abstract

【課題】各色成分のインクから減法混色により再現される画像における色再現域の拡張を図る。
【解決手段】互いに色相が異なる各色成分のインクから減法混色により画像を形成する画像形成方法であって、いずれか1つの色成分を示す非蛍光着色液に対し、当該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液を配合することにより得られ、非蛍光着色液より分光反射率が高い色成分のインクを用いる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタなどにおいて、画像を再現するための画像形成方法、記録剤、および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、複写機やプリンタなどで、減法混色に基づいてペーパー等に記録された画像は、ディスプレイなどにより加法混色に基づいて出力された画像よりも色再現域が狭い。そこで、減法混色に基づいて画像を出力する画像処理の技術分野においては、色再現域の拡張および色相の改良のため、さまざまな色材の探索や蛍光物質の使用の検討がなされている。
【0003】
上述した色再現域の拡張および色相の改良を実現する技術として、例えば、特許文献1に開示されているカラー画像形成方法がある。特許文献1に記載のカラー画像形成方法によれば、減法混色に基づいて形成されるハードコピーにおいて、各色成分のインクに蛍光物質を添加して色補正することにより、色再現域を広げたり、色相を改良している。特許文献1によれば、これにより、減法混色に基づいて形成されるハードコピーであっても、加法混色に基づいてCRT(cathode−ray tube)から出力する画像や液晶パネルから出力する画像に近い色再現を行えるものとされている。
【0004】
より詳細に説明すると、カラー画像形成方法に用いられる色成分のインクに対して、例えば、発光特性を有する蛍光物質を加えるなどして加法混色を行う。これにより、上記色成分のインクが示す副吸収をキャンセルできるというものである。特許文献1によれば、このようにして、蛍光物質が添加された色成分のインクを用いて減法混色を行うと、色再現域を広げることができるとされている。
【0005】
また、上記色補正とは、特許文献1の段落〔0011〕に記載されているように、色素の吸光度,吸収波形,半価幅,吸収ピーク,色純度,明度,彩度のうちの少なくとも一つを変化させるものである。すなわち、特許文献1によれば、各色成分のインクにおける色素の吸光度等を変化させることによる色補正を目的としている。
【0006】
さらに、特許文献1によれば、色成分のインクに添加される蛍光物質の量は、色成分のインクに蛍光物質を添加した後の吸収波形の任意の点で吸収強度の−0.3の線を下回らない量または比率(例えば、実施例によれば混合比率5%程度まで)で混合することが好ましいとされている。この理由として、特許文献1によれば、上記色成分のインクから生じる蛍光感を抑制し、上記色補正と異なる効果が生じるのを防止するためとされている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−181170号公報(公開日:2000年6月30日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記色成分のインクに蛍光インクを添加することにより、蛍光感が生じたとしても、画質の劣化につながらず、むしろ、蛍光インクの特性である鮮やかさが強調されることにより、品質の良好な画像を出力できることがある。また、色成分のインクに対しての蛍光物質の添加比率が5%程度であれば、色成分のインクの副吸収をキャンセルするのは実質的に困難な上、色成分のインクの色相,明度,彩度はほとんど変化せず、上記色補正の目的を達成できないばかりか、色再現域を拡張するのも困難である。
【0009】
そこで、本発明は、減法混色に基づいて色を再現するために用いられる色成分の記録剤(インク)に対し、上記色成分の記録剤と異なる着色剤を添加させることにより、上記記録剤から再現される画像における色再現域の拡張を図ることが可能な画像形成方法、記録剤、および画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成方法は、上記課題を解決するために、互いに色相が異なる各色成分の記録剤から減法混色により画像を形成する画像形成方法であって、いずれか1つの色成分を示す第1の着色剤に対し、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を配合することにより得られ、第1の着色剤より分光反射率が高い色成分の記録剤を用いることを特徴とする。
【0011】
ここで、記録剤とは、用紙等に画像を形成するために用いられるインク、トナー、液体染料、塗料、顔料を分散した液体等をいう。また、色相とは、例えば、色度図において、所定の色相角度範囲ごとで区別される色の種類(赤・黄・青などのように夫々区別される色あい)やL表色系において色度aより計算される値をいう。なお、色相角度とは、マンセル色相環または色度図やL表色系において、ある色を示す方向と基準色を示す方向との角度をいう。
【0012】
上記手順によれば、上記記録剤は、減法混色におけるいずれか1の色成分を示す第1の着色剤に対し、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を配合することにより得られるものである。さらに、上記記録剤は、第1の着色剤より分光反射率が高い。よって、減法混色における各色成分として上記記録剤を使用すれば、第1の着色剤よりも明度や彩度の高い色を再現でき、色再現域を拡張させることができる。
【0013】
ここで、上記記録剤の分光反射率が第1の着色剤の分光反射率より高いと、上記記録剤の彩度が第1の着色剤の彩度よりも高くなる理由について説明する。
【0014】
人が色をどのように知覚するかは、下記の三刺激値XYZにより表される。
【0015】
【数1】
Figure 2004291508
【0016】
なお、分光立体角反射率としてのR(λ)は、ここでは上記記録剤の分光反射率とする。
【0017】
また、CIE1976L表色系(CIE:Commission Internationale de l’Eclairage:国際照明委員会。L:明度、a・b:色度)のL,a,bは上記三刺激値XYZと次の式により関係付けられる。
【0018】
【数2】
Figure 2004291508
【0019】
ここで、上記記録剤の分光反射率が第1の着色剤の分光反射率より高くなった場合を想定する。つまり、R(λ)の値が大きくなると、三刺激値XYZは夫々大きくなるので、明度Lは高くなる傾向を示す。彩度は、XYZの大小関係に依存する。そこで、シアン・マゼンタ・イエローの分光反射率よりXYZの大小関係を考えると、
シアン:Z>X≧Y,マゼンタ:X>Z>Y,イエロー:X≒Y>Z
と推定される。したがって、R(λ)の値が大きくなると、色度a・bは何れも大きくなり、彩度も高くなると推定される。
【0020】
なお、上記手順において、第2の着色剤の配合比率は任意であり、同一色相の範囲内で複数色あいの色成分を設定している。この点、特許文献1の技術によれば、混合比率を高くすると色再現域の増加は小さくなっており(特許文献1の〔0065〕参照)、上述したような色再現域の拡張は困難なものと考えられる。
【0021】
また、特許文献1によれば、減法混色に用いられる色成分の通常インクに対し、上記通常インクと反射率ピークの存在する波長領域が重複する蛍光物質を添加することで、反射率ピークにおける副吸収成分をキャンセルし、減法混色により色再現を行う場合の色再現域の拡大を図っている。しかし、「上記通常インクと反射率ピークの存在する波長領域が重複する蛍光物質」には、上記通常インクと異なる色相に属する蛍光物質も含まれるため、特許文献1の技術によれば、通常インクに蛍光物質を添加することで、通常インクの色相が変化するという問題が生じる。したがって、減法混色における色成分の通常インクにおいて、同一色相の範囲を保持できなくなり、減法混色により再現される画像の質が劣化するという懸念が生じる。一方、上記構成によれば、第1の着色剤と第2の着色剤とは同一色相であるため、そのような懸念は生じない。
【0022】
本発明の記録剤は、上記課題を解決するために、減法混色により色を再現するために用いられる色成分の記録剤であって、上記色成分を示す第1の着色剤と、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを主成分とし、第1の着色剤より分光反射率が高いことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、上記記録剤は、減法混色におけるいずれか1の色成分を示す第1の着色剤と、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを主成分としている。さらに、上記記録剤は、第1の着色剤より分光反射率が高い。したがって、上記記録剤は、第1の着色剤と同一範囲の色相に属しつつ、第1の着色剤よりも明度および/または彩度が高くなる。言い換えると、第1の着色剤と第2の着色剤とを主成分とする記録剤は、第1の着色剤と同一範囲の色相でありつつ、第1の着色剤のみから再現できないような高い明度や彩度の色を再現できる。
【0024】
よって、減法混色における色成分として上記記録剤を使用すれば、第1の着色剤と、第1の着色剤と異なる色成分の着色剤とからでは再現できないような高い明度や彩度の色を再現でき、色再現域を拡張させることができる。
【0025】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、第1の着色剤は、非蛍光着色剤である一方、第2の着色剤は、蛍光着色剤であることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、非蛍光着色剤に蛍光着色剤を配合することとなるので、蛍光着色剤の発光成分により、非蛍光着色剤の副吸収成分(不要な吸収・透過成分)が抑制され、上記記録剤の分光反射率は、第1の着色剤の分光反射率よりも高いものとなる。
【0027】
また、蛍光着色剤は、非蛍光着色剤と比較して明るく鮮やかな色調を表現できる。したがって、非蛍光着色剤に対し、該非蛍光着色剤と同一色相の範囲内の蛍光着色剤を配合することで得られる記録剤は、第1の着色剤と同一範囲の色相でありつつ、蛍光の特性である明るさや鮮やかさが強調されるものとなる。したがって、上記構成による記録剤を用いて減法混色により色を再現する場合、非蛍光着色剤のみの減法混色では再現することができない明るい色や鮮やかな色を再現することが可能となる。例えば、スキャナなどの画像入力装置により読み込まれた画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置において、非蛍光着色剤のみから画像を出力すれば、入力画像の彩度が飽和してしまう画像データに対し、非蛍光着色剤に蛍光着色剤を配合した記録剤を適用すれば、入力画像により近い色調を表現できる。
【0028】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、第1の着色剤の分光反射率をRo、第2の着色剤の分光反射率をRf、第1の着色剤と第2の着色剤とを配合して得られる記録剤の分光反射率をRmとした場合、上記記録剤にしめる第2の着色剤の配合比率xは、Rm=(1−x)Ro+xRf (yは、所定の定数かつ正の実数)より導かれることを特徴とする。
【0029】
ここで、分光反射率と三刺激値XYZとは、上記したように式(101)〜(103)で関係付けられる。また、L,a,bの値と三刺激値XYZとは式(105)〜(107)で関係付けられる。
【0030】
ここで、目標とする記録剤の色のL,a,bの値(目標値)を予め定めておく。
【0031】
一方、第1の着色剤の分光反射率および、第2の着色剤の分光反射率は、予め、計測することが可能である。したがって、第2の着色剤の配合比率を任意に設定して得られる記録剤の分光反射率をRm=(1−x)Ro+xRfにより演算する。さらに、上記演算して得られた分光反射率を式(101)〜(103)のR(λ)に代入して、式(105)〜(107)を演算すると、第2の着色剤との配合比率を任意に設定して得られる記録剤のL,a,bの値を得ることができる。
【0032】
さらに、第2の着色剤との配合比率を適当に設定して得られる記録剤のL,a,bの値が上記目標の記録剤の色に近づくまで(例えば、色差が極小)、第2の着色剤の配合比率の変更および演算を繰り返すことにより、適切な配合比率を求めることができる。
【0033】
なお、この時、式(101)〜(103)におけるS(λ)としては、例えば標準光源の分光分布を用いる。このように、実際に着色剤を用いて混合し出力したい色を確認する必要はなく、Rm=(1−x)Ro+xRfの演算により、上記記録剤にしめる第2の着色剤の配合比率xを簡単に求めることができる。
【0034】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、上記所定の正の実数であるyは、2≦y≦3であることを特徴とする。
【0035】
上記記録剤の分光反射率をRm=(1−x)Ro+xRfの演算により求める際、所定の正の実数であるyの値を2≦y≦3とする。これにより、上記演算により求められた分光反射率Rmに基づいて計算される色(L,a,bの演算結果)と、上記演算に用いた配合比率で得られる記録剤の現実の色(L,a,bの測定結果)との差を小さくすることができる。すなわち、yの値を2≦y≦3とすることにより、Rm=(1−x)Ro+xRfにより決定される配合比率に基づいて演算される記録剤のL,a,b値を、上記記録剤の現実の色に近づけることができる。
【0036】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、互いに色相が異なる各色成分の記録剤を備え、減法混色によりこれらの記録剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、それぞれ異なる吐出口から記録剤を吐出するヘッド部を複数備え、いずれか1の色成分を示す第1の着色剤と、該第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを上記ヘッド部より吐出して、第1の着色剤と第2の着色剤とを記録媒体上で混合することにより、第1の着色剤より分光反射率の高い色成分が生成されることを特徴とする。
【0037】
上記構成によれば、減法混色におけるいずれか1の色成分を示す第1の着色剤と、該第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを、それぞれ異なる吐出口から吐出するヘッド部が複数備えられている。したがって、上記ヘッド部より吐出される第1の着色剤と第2の着色剤とを、記録媒体上の同一位置または近接する位置に付着させることができる。これにより、第1の着色剤と該第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを記録媒体上で混合させることができ、第1の着色剤と同一色相に属する色成分を生成することができる。
【0038】
さらに、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を定まった比率で配合し記録剤として用いるので、表現される色は決まっている。一方、第1の着色剤と第2の着色剤をヘッド部に備え、記録媒体上で混合すれば、任意の比率で混合することができ、より広く色を表現することが可能になる。
【0039】
よって、上記画像形成装置により、減法混色における色再現を行えば、第1の着色剤からでは再現できないような高い明度や彩度の色を再現でき、色再現域を拡張させることができる。さらに、第1の着色剤と第2の着色剤を定まった比率で配合した記録剤を用いて画像形成を行う場合よりも、任意の比率で混合することができ、より広く色を表現することが可能となる。
【0040】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加えて、上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上のほぼ同一位置に付着するように吐出されることを特徴とする。
【0041】
上記構成によれば、第1の着色剤と第2の着色剤とを同一位置に付着させているので、第1の着色剤と第2の着色剤とを当該位置で混合させることにより、第1の着色剤と同一色相の範囲内かつ第1の着色剤より分光反射率の高い色成分を生成することができる。さらに、任意の比率で混合させることができるので、多くの色を表現することができる。
【0042】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加えて、上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上の互いに近接する位置に付着するように、上記ヘッド部より吐出されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【0043】
上記構成によれば、第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上の互いに近接する位置に付着される。これにより、第1の着色剤と第2の着色剤とを面積諧調により表現することができ、第1の着色剤より分光反射率の高い色成分を生成できる。さらに、任意の比率で近接させて付着させることができるので、多くの色を表現することができる。
【0044】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加えて、上記記録剤を備えたことを特徴とする。
【0045】
上記画像形成装置では、事前に、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を定まった比率で配合し記録剤として用いるので、表現される色は決まっている。一方、第1の着色剤と第2の着色剤をヘッド部に備え、記録媒体上で混合すれば、任意の比率で混合することができ、より広く色を表現することが可能になる。
【0046】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明は、減法混色に基づいて色を再現するために用いられる色成分の記録剤に関するものであって、上記色成分の記録剤は、該色成分を示す第1の着色剤と、第1の着色剤と同一色相の範囲内である第2の着色剤とを配合することにより得ることができる。
【0047】
ここで、記録剤とは、記録媒体に画像を形成するために用いられるインク,トナー、液体染料、塗料、顔料を分散した液体等をいう。また、ここでの色相とは、色度図において、所定の色相角度範囲ごとで区別される色の種類やL表色系において色度aより計算される値をいう。なお、色相角度とは、マンセル色相環または色度図やL表色系において、ある色を示す方向と基準色を示す方向との角度をいう。さらに、ここでの記録媒体とは、プリンタ、複写機等の画像出力装置によって画像を記録、再現するために用いられる記録用紙等をいう。
【0048】
本発明の実施の一形態について図に基づいて説明すると以下のとおりである。まず、本実施の形態の画像形成方法が実行されるデジタルカラー複写機の概要を説明する。上記デジタルカラー複写機は、複写機・複合機として機能するものである。このデジタルカラー複写機は、例えば図13に示すように、カラー画像入力装置2,カラー画像処理装置3,カラー画像出力装置4を備えている。そして、デジタルカラー複写機1は、カラー画像入力装置2から入力し、カラー画像処理装置3において処理されたデジタル画像データに基づいて、画像出力装置4によって印刷を行う。
【0049】
カラー画像入力装置2(以下、「画像入力装置2」とする)は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、R(Red:赤),G(Green:緑)B(Blue:青)成分のアナログ信号としてCCDにて読み取って、上記アナログ信号をカラー画像処理装置3に入力するものである。
【0050】
カラー画像処理装置3(以下、「画像処理装置3」とする)は、図13に示すように、A/D変換部10、シェーディング補正部11、入力階調補正部12、領域分離処理部13、色補正部14、黒生成下色除去部15、空間フィルタ処理部16、出力階調補正部17、階調再現処理部18、および出力変換部19を備えている。これに、画像入力装置2とカラー画像出力装置4とが接続され、全体としてデジタルカラー複写機1を構成している。
【0051】
画像入力装置2にて読み取られたアナログ信号は、A/D変換部10によってデジタル画像データに変換されると共に、上記デジタル画像データは、シェーディング補正部11,入力階調補正部12,領域分離処理部13,色補正部14,黒生成下色除去部15,空間フィルタ処理部16,出力階調補正部17,階調再現処理部18,出力変換部19の順で送られ、C(Cyan:シアン),M(Magenta:マゼンタ),Y(Yellow:黄色),K(黒)成分などのデジタル画像データとして、カラー画像出力装置4へ出力する。なお、画像処理装置3の詳細な構成については、後に詳述する。
【0052】
カラー画像出力装置4(以下、「画像出力装置4」とする)は、画像処理装置3から送られてきたC,M,Y,K成分などのデジタル画像データに基づいて、記録媒体としてのペーパー上にカラー画像を再現するインクジェット方式のプリンタである。なお、画像出力装置4の具体的構成については詳述する。
【0053】
A/D(Analog to Digital)変換部10は、R,G,Bのアナログ信号に対して標本化および量子化を行うことにより、R,G,Bのデジタル画像データを生成し、上記デジタル画像データをシェーディング補正部11へ出力するブロックである。
【0054】
シェーディング補正部11は、A/D変換部10より送られてきたR,G,Bのデジタル画像データに対して、画像入力装置2の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除くためのシェーディング補正処理を施すブロックである。なお、シェーディング補正処理がなされたR,G,Bのデジタル画像データは、入力階調補正部12へ出力される。
【0055】
入力階調補正部12は、シェーディング補正部11にて各種の歪みが取り除かれたR,G,Bのデジタル画像データに対し、カラーバランスを整える処理を施すと共に、カラー画像処理装置3に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施すものである。この変換処理として、例えば、反射率信号から濃度信号へ変換する処理があげられる。
【0056】
領域分離処理部13は、入力階調補正部12から送られてきたR,G,Bのデジタル画像データより、入力画像中の各画素が文字領域、網点領域、写真領域の何れかに属するかを識別するブロックである。さらに、領域分離処理部13は、分離結果に基づき、各画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部14、黒生成下色除去部15、空間フィルタ処理部16、および階調再現処理部18へ送信すると共に、入力階調補正部12から入力したR,G,Bのデジタル画像データをそのまま後段の色補正部14へ出力する。
【0057】
色補正部14は、領域分離処理部13から送られてきたR,G,Bのデジタル画像データを、C,M,Yのデジタル画像データへ変換すると共に、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むC,M,Y色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く色補正処理を行うブロックである。
【0058】
なお、色補正部14は、R,G,Bのデジタル画像データより明度や彩度を求めて、上記明度や彩度と予め定められる閾値とを比較し、比較結果を色判定信号として出力変換部19に出力するようにしても良い。出力変換部19では、色判定信号に基づいて、非蛍光着色液の使用または非蛍光着色液に蛍光着色液を配合した記録剤の使用の選択がなされるようにしてもよい。ここで、明度や輝度、彩度を算出する方法としては、例えば、下記の式を用いれば良い。
輝度=0.30R+0.59G+0.11B
彩度=max(R,G,B)−min(R,G,B)
あるいは、R,G,Bのデジタル画像データをL表色系の画像データに変換し明度・彩度を求めても良い。尚、この処理は必ずしも色補正部14に設ける必要はない。
【0059】
黒生成下色除去部15は、色補正部14から送られてきたC,M,Yのデジタル画像データから黒色成分(K)のデジタル画像データを生成する黒生成処理を行う。そして、黒生成下色除去部15は、元のC,M,Yのデジタル画像データから、黒生成処理で得たKデータを差し引いて新たなC,M,Yのデジタル画像データを生成する処理を行うブロックである。つまり、黒生成下色除去部15では、C,M,Yのデジタル画像データ(すなわち、3色データ)が、C,M,Y,Kのデジタル画像データ(すなわち、4色データ)に変換される。
【0060】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y,出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(1)〜(4)で表される。
K’=f{min(C,M,Y)} …(1)
C’=C−αK’ …(2)
M’=M−αK’ …(3)
Y’=Y−αK’ …(4)
空間フィルタ処理部16は、領域分離処理部13から送られてきた領域識別信号を基に、黒生成下色除去部15から送られてくるC,M,Y,Kのデジタル画像データに対して、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行うブロックである。これにより、C,M,Y,Kのデジタル画像データの空間周波数特性を補正することができ、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐ処理をすることができる。
【0061】
例えば、領域分離処理部13にて文字領域と識別された画素に対して、上記空間フィルタ処理における鮮鋭度強調処理で、高周波数のデータが強調される。これにより、出力画像において、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めることができる。また、領域分離処理部13にて網点領域と識別された画素に対しては、空間フィルタ処理部16において、ローパス・フィルタ処理が施され、入力画像の網点成分が除去される。
【0062】
出力階調補正部17は、C,M,Y,Kのデジタル画像データから導出される濃度データ等を、例えばインクジェット記録装置の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行うブロックである。
【0063】
階調再現処理部18は、出力階調補正部17より送信されるC,M,Y,Kのデジタル画像データに対して、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を行うブロックである。また、階調再現処理部18では、領域分離処理部13から送られてきた領域識別信号を基に、広域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が実行されるブロックである。
【0064】
例えば、領域分離処理部13にて写真領域と識別された画素に対して、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0065】
出力変換部19では、上記したように色補正部14の判定結果に基づいて、非蛍光着色液(第1の着色剤,非蛍光着色剤)の使用または非蛍光着色液に蛍光着色液(第2の着色剤,蛍光着色剤)を配合した記録剤の使用の選択がなされる。
【0066】
具体的には、C,M,Y,K,混合M,混合Yのデジタル画像データを、画像出力装置4のヘッド(C・M・Y・K・蛍光M,蛍光Yなどのインクジェットヘッド)の並びに応じた出力画像データに変換する処理が実行される。なお、混合Mのデジタル画像データとは、Mの非蛍光着色液にMの蛍光着色液を配合した記録剤により形成される部分の階調を示した信号であり、混合Yのデジタル画像データとは、Yの非蛍光着色液にYの蛍光着色液を配合した記録剤により形成される部分の階調を示した信号である。また、色補正部14の判定結果に基づいて行う記録剤の選択処理は、出力変換部19で行う必要はなく出力変換部19の前段に処理を行うブロックを設けて行っても良い。
【0067】
上述した各処理が施されたC,M,Y,K,混合M,混合Yのデジタル画像データは、一旦記憶手段に記憶された後、所定のタイミングで読み出されて、画像出力装置4へ出力する。なお、以上の処理は、図示しないRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置を作業領域として、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって制御される。
【0068】
つぎに、画像出力装置4の詳細な構成について説明する。図1は、画像出力装置4としてのインクジェット記録装置(複写機・プリンタ複合機)の全体構成を示す斜視図である。
【0069】
画像出力装置4は、画像処理装置3から送られてきたC,M,Y,K,混合M,混合Yのデジタル画像データに応じて、記録剤を記録媒体(例えば紙等)23上に出力するインクジェット方式によって印刷を行う。
【0070】
図1に示すように、画像出力装置4に備えられ、ヘッド(インクジェットヘッド)21を搭載したキャリッジ22は、記録媒体23上を主走査方向(矢印X1またはX2方向)に移動可能な構成である。画像出力装置4は、印刷の際、キャリッジ22をX1またはX2方向に移動させる。これに伴い、キャリッジ22は、記録媒体23にインクを吐出する。その一方、画像出力装置4は、記録媒体23を副走査方向(図中Y方向)に移動させることによって、記録媒体23全面に印刷を行うようになっている。
【0071】
また、記録媒体23は、図示しない給紙部に備えられており、図示しない給紙ローラによって1枚ずつ送り出され、図示しない搬送ローラ(記録媒体搬送手段)によりヘッド21に対向する位置へ供給される。記録が終了した記録媒体23は排紙部(不図示)に排出される。
【0072】
ヘッド21を搭載したキャリッジ22は、上記主走査方向に延びるガイドシャフト25及び保持手段26上を摺動自在に支持され、所定の位置で記録媒体23と対向配置される。キャリッジ22は、ガイドシャフト25と平行に張架され、モータ27を駆動源とした搬送ローラ(駆動手段)24によって駆動する駆動ベルト28によって変位駆動する。
【0073】
キャリッジ22に搭載されるヘッド21には、図2に示すように、例えば、C・M・Y・K・混合M・混合Yのような複数色のインクを個別に蓄えたインクタンク30が色成分ごとに備えられている。これらのインクが、出力変換部19からのデジタル画像データに応じて吐出されて、記録媒体23上に画像が形成される。ここで、混合Mのインクとは、Mの非蛍光着色液にMの蛍光着色液を配合して得られる記録剤をいい、混合Yのインクとは、Yの非蛍光着色液にYの蛍光着色液を配合して得られる記録剤をいう。
【0074】
つぎに、本実施の形態に係る各色成分の記録剤、上記各色成分の記録剤を用いた画像形成方法の詳細について説明する。
【0075】
なお、本実施の形態における各色成分の記録剤とは、非蛍光着色液に当該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液を配合することによって得られるインク(混合Mインク,混合Yインク)、または非蛍光着色液のみからなるインク(Cインク,Mインク,Yインク)をいう。また、非蛍光着色液とは、蛍光成分を含まない着色液をいい、蛍光着色液とは、蛍光成分を含んだ着色液をいう。
【0076】
ここで、混合Mインクに用いられる非蛍光着色液の分光反射スペクトルを計測した結果を図3に示す。さらに、混合Yインクに用いられる非蛍光着色液の分光反射スペクトルを図4に示す。図3、図4において、横軸は波長を示し、縦軸は波長に対する反射率を示す。なお、上記分光反射率は、X−Rite 938 分光測色計を用いて計測した。
【0077】
一方、混合Mインクに用いられる蛍光着色液の分光反射率を計測した結果を図5に示す。さらに、混合Yインクに用いられる蛍光着色液の分光反射率を計測した結果を図6に示す。
【0078】
図5に示すように、混合Mインクに用いられる蛍光着色液の分光反射スペクトルによれば、波長430nm・610nm付近付近にピークが存在する。また、図6に示すように、混合Yインクに用いられる蛍光着色液の分光反射スペクトルによれば、波長520nm付近付近にピークが存在する。
【0079】
さらに、上記非蛍光着色液と上記蛍光着色液との比率(%)が、0:100,25:75,50:50,75:25,100:0の場合における、混合Mインクおよび混合Yインクの分光反射率を計測した結果を、混合Mインクについては図7に示し、混合Yインクについては図8に示す。なお、以下では、上記比率ではなく、混合後の記録剤全体に対する上記蛍光着色液の比率(配合比率)をx=0〜1で表す。
【0080】
例えば、x=0は、混合後の記録剤全体に対して、上記蛍光着色液が0%配合されると共に上記非蛍光着色液が100%配合されていることを示す。そして、x=0.25は、混合後の記録剤全体に対して、上記蛍光着色液が25%配合されると共に上記非蛍光着色液が75%配合されていることを示す。さらに、x=0.75は、混合後の記録剤全体に対して、上記蛍光着色液が75%配合されると共に上記非蛍光着色液が25%配合されていることを示す。また、x=1は、混合後の記録剤全体に対して、上記蛍光着色液が100%配合されると共に上記非蛍光着色液が0%配合されていることを示す。
【0081】
図7に示すように、混合Mインクについて、非蛍光着色液に蛍光着色液を混合していくと、分光反射率が高くなる。そして、上記配合比率xが0.75以上になると、マゼンタ系の蛍光を示す発光ピークが存在する波長域(特に610nm付近)において、分光反射率がピークを示すようになる。図8に示すように、混合Yインクについて、非蛍光着色液に蛍光着色液を混合していくと、この場合も上記と同様に、分光反射率が高くなる。そして、上記配合比率xが0.75以上になると、イエロー系の蛍光を示す発光ピークが存在する波長域(520nm付近)において、分光反射率がピークを示すようになる。
【0082】
ここで、マゼンタの理想的な分光反射スペクトルと、マゼンタ系非蛍光着色液の分光反射スペクトルとを図16(a)に示し、イエローの理想的な分光反射スペクトルと、イエロー系非蛍光着色液の分光反射スペクトルとを図16(b)に示す。マゼンタの理想的な分光反射スペクトルは、400〜500nmおよび600〜700nmの光を100%反射する。一方、実際のマゼンタ系非蛍光着色剤の分光反射スペクトルでは、副吸収成分(不要な吸収成分・透過成分)がマゼンタ色素内に存在するため、理想的なスペクトルにならない。
【0083】
この点、本実施の形態では、マゼンタの非蛍光着色液に対し、マゼンタの蛍光着色液を混合していくと、マゼンタ色を示す分光反射率が存在する波長域(430nm・610nm付近)において、分光反射率が高くなり、マゼンタの理想的な分光スペクトルに近づけることができる。
【0084】
さらに、混合Mインクまたは混合Yインクに関し、上述した各配合比率における、L,a,b値を測定した。さらに測定した各配合比率におけるL,a,b値より数3から求めたL,C,Hを図9および図10に示す。なお、Lは明度であって、Cは彩度であって、Hは色相角度である。
【0085】
【数3】
Figure 2004291508
【0086】
ここで、図9(a)は、混合Mインクに関する色相角度を示し、図9(b)は、混合Mインクに関する彩度を示し、図9(c)は、混合Mインクに関する明度を示す。また、図10(a)は、混合Yインクに関する色相角度を示し、図10(b)は、混合Yインクに関する彩度を示し、図10(c)は、混合Yインクに関する明度を示す。なお、L,a,b値の測定は、X−Rite 938分光測色計を用いて行った。
【0087】
図9(b)から、混合Mインクにおいて、蛍光着色液の配合比率の増加に応じて彩度が向上することが確認される。図9(c)から、混合Mインクにおいて、蛍光着色液の配合比率の増加に応じて明度が向上することが確認される。図10(b)から、混合Yインクにおいて、蛍光着色液の配合比率の増加に応じて彩度が僅かに向上することが確認される。図10(c)から、混合Yインクにおいて、蛍光着色液の配合比率の増加に応じて明度が向上することが確認される。
【0088】
この理由を以下説明する。このようにして、分光反射率が高まるということは、式(101)〜(103)で示したように三刺激値XYZが大きくなり、これに伴い明度や彩度も向上する。また、図9に示すように、上記配合比率を変化させると、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とからなるインクの色相角度も微妙に変化する(+10°から−10°)。これは、特定波長域の反射率が強調されることにより、その波長域で反射される色が強調されることによるものである。したがって、混合Mインクまたは混合Yインクにおいて、蛍光着色液の配合比率を高めていくと、その色合いも微妙に変化していく。
【0089】
つぎに、上記各配合比率における混合Mインクおよび混合YインクのL,a,b値および、CインクのL,a,b値を、L,a,b空間にプロットした様子を図11に示す。図11によれば、混合Mインクおよび混合Yインクにおいて、上記配合比率を変化させると、L,a,b値が変化することがわかる。
【0090】
さらに、Cインク、混合Mインク、混合Yインクを減法混色よって得られる色再現域は、混合Mインク,混合Yインクにおいて蛍光着色液の配合比率をx=1とすることにより、蛍光着色液の配合比率がx=0(すなわち、各混合インクには蛍光着色液を配合せず、各混合インクは非蛍光着色液のみからなる)の状態と比べて、結果として約30%向上したことが確かめられた。
【0091】
なお、上記色再現域の計算は、混合Mインク,混合Yインクに関し、上記配合比率をx=0とした場合とx=1とした場合とで、CインクのL,a,b値,MインクのL,a,b値,YインクのL,a,b値を頂点とした三角形の面積を比較することによって行った。
【0092】
また、以上のようにして得られた上記各配合比率における混合Mインクおよび混合Yインクが示す分光反射率は、(5)式のように表すことができる。
Rm=(1−x)Ro+xRf …(5)
(5)式において、Rmは、非蛍光着色液と蛍光着色液とを混合して得られる混合インクの分光反射率を示し、Rfは、上記蛍光着色液の分光反射率を示し、Roは、上記非蛍光着色液の分光反射率を示し、xは、上記配合比率を示す。
【0093】
つぎに、(5)式におけるyの最適値の決定手順を説明する。本実施の形態における混合Mインク、または混合Yインクに関して、上記(5)を用いて計算されるL,a,bの値をL ,a ,b とする。
【0094】
一方、混合Mインクまたは混合Yインクに関して、測定により得られたL,a,bの値をL ,a ,b とする。
【0095】
なお、測定時の光源は下記の計算に用いる光源は同一とする。そして、上記計算値と測定値との色差は、(6)式によって求めることができる。
ΔE={(L −L +(a −a +(b −b (1/2)…(6)
まず、L ,a ,b の演算手順を説明する。ここで、L ,a ,b の演算手順として、XYZ表色系を介して計算する方法を採用する。まず、XYZ表色系における三刺激値XYZを、(101)式から(104)式を用いて計算する。
【0096】
【数4】
Figure 2004291508
【0097】
なお、R(λ)として示す分光立体角反射率には、(5)式によって得られるRmを用いる。
【0098】
そして、(101)式〜(104)式より得られるX,Y,Zを、(105)式〜(107)式へ代入することにより、L ,a ,b を得ることができる。
【0099】
【数5】
Figure 2004291508
【0100】
このようにして得られたL ,a ,b を用いて、(6)式のΔEを求めると、ΔEをyの関数として表すことができる。すなわち、yの値を所定のステップで変えて色差を求めれば良い。
【0101】
以上のようにして得られる色差ΔEを、図12に示す。なお、以上の計算において、色差ΔEを求める際には、x=0.25,0.5,0.75の平均値を用いた。
【0102】
図12に示すように、得られる色差ΔEが最も小さくなるパラメータyの値は、Mインクの場合にはy≒2.3で、Yインクの場合にはy≒2.5であることが分かる。
【0103】
すなわち、色差ΔEが最も小さくなるパラメータyの値を採用し、上記(5)式で求められる分光反射率を用いることにより、目標とする記録剤の色に対する最適な配合比率を求めることができる。つまり、目標とする記録剤の色のL*a*b*値を求めておき、例えば配合比率を所定のステップで変えてL*,a*,b*値を求めて、目標とする記録剤の色のL*a*b*値とのΔEが最小となる配合比率を求めれば良い。
【0104】
具体的に説明すると、混合Yインクにおける目標とする色を、(L,a,b)=(85,2,80)としたときに、上述のy≒2.5の値を用いて、ΔEを最も小さくする最適な配合比率として、x=0.45を得ることができる。
【0105】
以上のように、本実施の形態に係る色成分のインクは、非蛍光着色液に対し、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液を配合することにより得られるものである。さらに、上記インクは、非蛍光着色液より分光反射率が高い。したがって、上記インクは、非蛍光着色液と同一範囲の色相に属しつつ、非蛍光着色液よりも明度や彩度が高くなる。言い換えると、非蛍光着色液に対し蛍光着色液を配合して得られる上記インクは、非蛍光着色液と同一範囲の色相でありつつ、非蛍光着色液のみから再現できないような明度の高い色や高彩度の色を再現できる。
【0106】
よって、減法混色により画像形成する画像形成方法において、色成分として上記インクを使用すれば、非蛍光着色液からでは再現できないような高彩度の色を再現でき、色再現域を簡単に拡張させることができる。
【0107】
また、本実施の形態に係る、蛍光着色液が配合されている色成分のインクは、当該インクに含有されている非蛍光着色液よりも分光反射率が高い。すなわち、上記インクは、当該インクに含まれている非蛍光着色液と同一範囲の色相でありつつ、非蛍光着色液よりも、当該色相における理想的な分光反射スペクトルに近い特性を示す。したがって、このようなインクを減法混色における各色成分とすることにより、再現画像の画質を向上させることができる。
【0108】
さらに、蛍光着色液は、非蛍光着色剤と比較して明るい色調や鮮やかな色調を表現できる。したがって、非蛍光着色液に対し、該非蛍光着色液と同一色相の範囲内の蛍光着色液を配合することで得られるインクは、非蛍光着色液と同一範囲の色相でありつつ、非蛍光着色液よりも明るいあるいは鮮やかである。したがって、上記インクを用いて減法混色により色を再現する場合、非蛍光着色液のみの減法混色では再現することができない明るい色や鮮やかなの色を再現することが可能となる。
【0109】
さらに、非蛍光着色液の分光反射率をRo、蛍光着色液の分光反射率をRfとした場合、上記配合比率xを、(5)式より導くことができる。この理由を以下説明する。
【0110】
非蛍光着色液の分光反射率および、蛍光着色液の分光反射率は、予め、計測することが可能である。したがって、非蛍光着色液に蛍光着色液を配合して得られる記録剤の分光反射率は、両者の分光反射率より近似的に求めることができると推定され、実際、上記(5)式において2≦y≦3とすることにより、L,aの値で表される測定値と計算値とをほぼ一致(色差が極小)させることが可能である。従って、この結果を用いて、目標とする記録剤の色の配合比率を演算により求めることができる。すなわち、目標とする記録剤の色に関するL,aの値を測定せずに、演算により求めることができる。
【0111】
〔実施の形態2〕
さらに、本発明に係る他の実施の形態について、図14に基づいて説明すると以下のとおりである。なお、上述の実施の形態と同一機能を奏する部材については同様の参照符号にて表すと共に、その説明は省略する。
【0112】
本実施形態におけるインクジェットプリンタとしての画像出力装置(画像形成装置)のヘッド50は、実施の形態1のように、非蛍光着色液と蛍光着色液とを混合した後の各色成分のインクを各インクタンク30に備える構成ではなく、上記非蛍光着色液と上記蛍光着色液とを別々のインクタンク51に備えた構成である。
【0113】
すなわち、本実施の形態においては、以下で説明するように、別々のインクタンク51に備えた非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを、ヘッド50が、それぞれ異なる吐出口から吐出して、記録媒体上おいて混合して所望の色を表現してもよい。また、ヘッド50が、別々のインクタンク51に備えた非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを、記録媒体上において、互いに近接した位置に吐出し、面積階調によって、所望の色を表現してもよい。
【0114】
本実施形態においては、実施の形態1と比較して、画像出力装置が備えるヘッド50の構成が異なっている。ヘッド50には、図14に示すように、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(黒)のような複数色の非蛍光着色液の各インクタンクに加えて、Cf(シアン系蛍光着色液)・Mf(マゼンタ系蛍光着色液)・Yf(イエロー系蛍光着色液)のインクタンクが備えられている。
【0115】
ここで、本実施形態における、各インクタンク51に備えられているC,M,Y,Kの各非蛍光着色液は、蛍光着色液が混合されていない。そして、上述の各非蛍光着色液および各蛍光着色液を、出力変換部19からのデジタルデータに応じて、以下に説明するような2種類の手順で、ヘッド50から吐出して、記録媒体上に画像を形成する。
【0116】
まず、ヘッド50に備えた、ある色成分の非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色剤とを、記録媒体上の同じ位置に吐出して、記録媒体上において混合する手順について説明する。
【0117】
上述の実施の形態において説明した式(5)を用いて、パラメータyを、例えばy=2.4(y≒2.3とy≒2.5との平均値)と設定した上で、非蛍光着色液と蛍光着色液を用いて出力する画像データに対し、非蛍光着色液と蛍光着色液との配合比率xを、実施の形態1の手順で求める。非蛍光着色液と蛍光着色液を用いて出力する画像データが複数あるならば、夫々に対して配合比率を求めておき、例えば、テーブルとして格納しておく。上記画像データの判定は、色補正部14で行われ、上記テーブルは出力変換部19に備えられる。出力変換部19では、色補正部14からの色判定信号に基づいてテーブルから配合比率が読み出される。このようにして得られる配合比率xは、実際に出力される色との色差ΔEを最小にできる配合比率であり、最適な配合比率であるといえる。
【0118】
そして、このようにして求めた最適な配合比率にて、ヘッド50から、上記非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とが、互いに異なる吐出口からそれぞれ記録媒体上のほぼ同じ位置に吐出され、記録媒体上にて混合される。これにより、蛍光着色液を全く用いずに、非蛍光着色液のみから画像を形成する場合と比較して、色再現域を広げることができる。なお、上記非蛍光着色液に混合される蛍光着色液は、該非蛍光着色液と同一色相に属するため、蛍光着色液を混合しても、色相の同一性を保持できる。
【0119】
つぎに、ヘッド50に備えた、ある非蛍光着色液と蛍光着色液とを、記録媒体上において互いに近接した位置に吐出して、面積階調により混合してインクを生成する手順について説明する。なお、この場合、非蛍光着色液と蛍光着色液とは互いに同一色相に属している必要はない。
【0120】
また、ある非蛍光着色液と別の非蛍光着色液とが重なって記録されると色の再現性が悪くなることが知られているが、蛍光着色液の場合、明度および/または彩度が高いという特性を有しており、その特性が低下するおそれがあるので、非蛍光着色液と蛍光着色液との重なりを非蛍光着色液のみを用いて記録を行う場合よりも厳しく制御する必要がある。
【0121】
上述の実施の形態において説明した式(5)を用いて、パラメータyを適切な値に設定した上で、上記配合比率xを、上述した実施の形態で示した手順で求める。ここで、適切なyの値としては、例えば、1以上かつ1の近似値が挙げられる。これは、面積階調において、非蛍光着色液と蛍光着色液とが重ならない状況では互いの干渉が無く、また、非蛍光着色液と蛍光着色液とが互いに近接する状況では、互いの干渉が少ないので、非蛍光着色液と蛍光着色液とにおける反射光(分光反射スペクトル)に対する寄与率は、1対1、あるいは1対1に近い値が好ましいからである。
【0122】
そこで、上述した適切な配合比率にて、非蛍光着色液と蛍光着色液とを、互いに異なる吐出口からそれぞれ記録媒体上の近接した位置に吐出して、記録媒体上にて面積階調により所望の色を生成する。これにより、蛍光着色液を全く用いずに、非蛍光着色液のみから画像を形成する場合と比較して、色再現域を広げることができる。
【0123】
以上のように、本実施の形態に係る画像出力装置によれば、減法混色におけるいずれか1の色成分を示す非蛍光着色液と、当該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを、それぞれ異なる吐出口から吐出するヘッド50が備えられている。したがって、非蛍光着色液と蛍光着色液とを、記録媒体上の同一位置または近接する位置に付着させることができる。これにより、非蛍光着色液と当該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを記録媒体上で混合させることができ、非蛍光着色液と同一色相に属する色成分を生成することができる。
【0124】
このようにして生成された色成分は、非蛍光着色液より分光反射率が高い。したがって、上記画像形成装置によって生成される色成分は、非蛍光着色液と同一範囲の色相に属しつつ、非蛍光着色液よりも明度および/または彩度が高くなる。言い換えると、上記画像形成装置によって生成される色成分は、非蛍光着色液と同一範囲の色相でありつつ、非蛍光着色液のみから再現できないような高い明度および/または高彩度の色を再現するものである。
【0125】
よって、上記画像形成装置により、減法混色における色再現を行えば、各色成分の非蛍光着色液からでは再現できないような高い明度および/または高彩度の色を再現でき、色再現域を拡張させることができる。
【0126】
また、本実施の形態によれば、非蛍光着色液と蛍光着色液とをほぼ同一位置に付着させているので、非蛍光着色液と蛍光着色液とを当該位置で混合させることにより、非蛍光着色液と同一色相の範囲内かつ非蛍光着色液より分光反射率の高い色成分を生成することができる。
【0127】
さらに、非蛍光着色液と蛍光着色液とは、記録媒体上の互いに近接する位置に付着させてもよい。これにより、非蛍光着色液と蛍光着色液とを用いて面積諧調により画像を表現することができ、非蛍光着色液より分光反射率が高い色成分を生成できる。
【0128】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図15に基づいて説明すると以下の通りである。
【0129】
本実施形態は、実施の形態2と比較して、図15に示すコンピュータに画像処理装置が備えられている点で異なる。そこで、以下ではこの異なる点についてのみ説明する。また、実施の形態1において説明した部材と同一の機能を奏する部材については、同一の参照符号で示し、その説明は省略する。
【0130】
本実施の形態に係る画像形成方法を実行するための画像処理、具体的には予め定められた画像データ(例えば、前述した明度や彩度の高い画像データ)に対して、▲1▼非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを所定の比率で配合した記録剤を用いる、▲2▼非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを、上記画像データに応じて定められる配合比率で記録媒体上のほぼ同じ位置に吐出する、▲3▼非蛍光着色液と蛍光着色液とを、上記画像データに応じて定められる配合比率で記録媒体上の近接した位置に吐出する処理をコンピュータに備えられたプリンタドライバ60が行う構成であってもよい。
【0131】
コンピュータにおいて各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成されたデジタル画像データは、色補正部14・階調再現処理部18・出力変換部19において、それぞれ画像処理が実行される。なお、本実施の形態においては、色補正部14にて、黒生成下色除去処理も実行される。
【0132】
出力変換部19において出力変換処理がなされたデジタル画像データは、プリンタ言語翻訳部61でプリンタ言語に変換され、通信ポートドライバー62・通信ポート(RS232C・LAN等)63を介して、画像出力装置4としてのインクジェット記録装置(プリンタ)に入力される。ここで、画像出力装置4としては、プリンタ機能の他にコピー機能およびファックス機能を有するデジタル複合機であっても良い。
【0133】
また、本実施の形態においては、プリンタドライバ60がコンピュータに備えられた構成について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、プリンタドライバが画像出力装置4としてのプリンタ(インクジェット記録装置)に備えられる構成であってもよい。
【0134】
なお、従来の技術として説明した上記特開2000−181170号公報においては、非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを混合して、同一色相を保持するという点については触れられていない。
【0135】
具体的には、上記公報においては、各色成分の非蛍光着色液に対して混合すべき各色成分の蛍光着色液のピーク波長が記載されているだけで、発光スペクトルや色については何ら記載されていない。例えば、上記公報には、「イエローのトナーに、発光ピークが540nmの蛍光体を混合する」旨が記載されているが、540nmに発光ピークを有する蛍光体としては、イエロー蛍光体の他にグリーンの蛍光体がある。蛍光体は、蛍光体自体の色(反射色)と、発光成分(蛍光)とを有しているので、イエローのトナーにグリーンの蛍光体を混合した場合、イエローの色あいを保持できなくなる。また、トナーの吸収ピークと蛍光体の発光ピークとが同一波長域に存在したとしても、ブロードな発光スペクトルを有する蛍光体では、メインの吸収領域に対して逆の効果を及ぼすおそれがある。
【0136】
この点、実施形態1における記録剤としての各色成分のインクは、蛍光成分を含まない非蛍光着色液に対して、非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液を混合することによって分光反射率を高めている。したがって、上記各色成分のインクから形成される画像の色再現域は、蛍光物質が含まれていない各色成分の着色剤から形成される画像の色再現域よりも広い。さらに、上記各色成分のインクにおいて、蛍光物質を加えても色相の同一性を保つことができるので、蛍光物質を加えることにより画質を劣化させることはない。
【0137】
また、上記公報によれば、非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを記録媒体上で混合、あるいは、記録媒体上の同じ位置あるいは近接した位置に吐出させて、面積階調により所望の色を生成することについては記載されていない。
【0138】
この点、実施形態1における記録剤としての各色成分のインクは、蛍光成分を含まない非蛍光着色液に対して、非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液を混合することによって分光反射率を高めている。また、実施の形態2および実施の形態3においては、非蛍光着色液と、該非蛍光着色液と同一色相に属する蛍光着色液とを記録媒体上で混合することにより、非蛍光着色液の分光反射率を高めている。
【0139】
したがって、上記各色成分のインクから形成される画像の色再現域は、蛍光物質が含まれていない各色成分の着色剤から形成される画像の色再現域よりも広い。さらに、上記各色成分のインクにおいて、蛍光物質を加えても色相の同一性を保つことができるので、蛍光物質を加えることにより画質を劣化させることはない。
【0140】
また、実施の形態2および実施の形態3における画像形成方法により形成される画像の色再現域は、蛍光物質が含まれていない各色成分の着色剤から形成される画像の色再現域よりも広い。さらに、実施の形態2および実施の形態3の画像形成方法において、蛍光着色液を記録媒体に吐出しても、形成される画像の色相の同一性を保つことができるので、画質を劣化させることはない。
【0141】
また、本発明の記録剤は、第1の着色液と第1の着色液と同色系統の、第2の着色液とを有する記録剤において、上記第1の着色液と上記第2の着色液とが混合されたことによって、上記第1の着色液の分光反射率よりも高い分光反射率を有している構成であってもよい。
【0142】
これにより、混合して得られた記録剤の分光反射率を、第1の着色剤の分光反射率よりも高くして、色を制御することができる。
【0143】
すなわち、第1の着色剤である染料(非蛍光着色液)と第1の着色剤と同色系統の、第2の着色剤である蛍光着色液を混合した記録剤を用いることにより、染料のみの着色剤を用いる場合と比較して色再現域を広げることができる。例えば、第1の着色剤としてイエローの染料を用いる時は、第2の着色剤としてイエローの蛍光着色液を用いる(マゼンタの場合も同様)。両者は、明度・彩度・色相が多少異なっており、任意の割合で混合して記録剤とすることにより、所望の色を得ることができる。
【0144】
また、本発明の記録剤は、上記構成に加えて、上記第2の着色剤が蛍光着色液であってもよい。これにより、色再現域の拡大および色の制御を容易に実現することができる。
【0145】
また、本発明の記録剤は、上記構成に加えて、分光反射率Roの第1の着色剤と、分光反射率Rfの第2の着色剤とを有する記録剤において、上記第1の着色剤と上記第2の着色剤とが上記第2の着色剤の配合比率をxとして混合されたことによって、上記第1の着色剤の分光反射率よりも高い分光反射率を有しているとともに、得られる記録剤本体の分光反射率Rmをパラメータy(y:正の実数)を用いてRm=(1−xy)Ro+xyRfと表してもよい。
【0146】
これにより、実際の色との差が小さい所望の色を得るための適切な配合比率を、記録剤本体の分光反射率Rmの式を用いて求めることができる。
【0147】
また、Rm=(1−x)Ro+xRfにおいて、y=2〜3であることが好ましい。これにより、実際の色との色差を極小にすることができる配合比率を求めることができる。
【0148】
さらに、本発明は、上記構成の記録剤を用いて記録媒体上に画像を形成することを特徴とする記録方法としても構わない。これにより、色再現域が広く、実際の色との色差が小さい記録材で画像を形成するので、品質の良い画像を出力することができる。
【0149】
また、本発明は、第1の着色剤と第2の着色剤とを有する記録剤を用いて記録媒体上に画像を形成する記録方法において、上記第1の着色剤と上記第2の着色剤とは混合されると上記第1の着色剤よりも高い分光反射率を有するようになる一方、上記第1の着色剤と上記第2の着色剤とを、それぞれ別個に上記記録媒体へと付着させて、所望の画像を形成する記録方法としても構わない。
【0150】
上記記録方法は、例えば第1の着色剤と第2の着色剤とを別個に記録媒体上のほぼ同じ位置に付着させて、記録媒体上にて混合させて、所望の画像を形成する。また、上記記録方法では、例えば第1の着色剤と第2の着色剤とを別個に記録媒体上の近接する位置に付着させて、記録媒体上にて所望の面積階調による画像を形成する。上記手順によれば、表現しようとする色に応じて種々の配合比率でほぼ同じ位置に付着させる、あるいは、近接する位置に付着させることができるので、例えば適切な配合比率で画像形成を行うことにより、さらに画質を向上することができる。
【0151】
また、本発明は、上記手順に加えて、上記第1の着色液の分光反射率はRoであり、上記第2の着色液の分光反射率はRfであって、上記第1の着色液と上記第2の着色液とを、上記第2の着液の配合比率をxとして混合すると、得られる記録剤本体の分光反射率Rmが、パラメータyを用いてRm=(1−x)Ro+xRfと表される一方、上記第1の着色剤と上記第2の着色剤とは、別個に上記記録媒体上のほぼ同じ位置に、所望の上記配合比率xで付着させられ、記録媒体上にて混合される手順であっても構わない。
【0152】
これにより、所望の配合比率にて付着させられるので、例えば適切な配合比率で混合して、画質を向上させた記録を行うことができる。
【0153】
また、本発明は、上記記録方法によって、記録媒体上に画像形成を行うことを特徴とする記録装置としても構わない。これにより、色再現域が広く、実際の色との色差が小さい配合比率の記録剤で画像を形成するので、品質の良い画像を出力することができる記録装置を提供することができる。
【0154】
さらに、本発明は、上記記録方法によって記録が行われた記録媒体としても構わない。これにより、品質の良い画像が出力された記録媒体を得ることができる。
【0155】
最後に、上述した実施の形態1乃至3は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0156】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法は、以上のように、互いに色相が異なる各色成分の記録剤から減法混色により画像を形成する画像形成方法であって、いずれか1つの色成分を示す第1の着色剤に対し、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を配合することにより得られ、第1の着色剤より分光反射率が高い色成分の記録剤を用いることを特徴とする。
【0157】
これにより、減法混色における色成分として上記記録剤を使用すれば、第1の着色剤と他の色成分とからでは再現できないような高い明度や高彩度の色を再現でき、色再現域を拡張させることができるという効果を奏する。
【0158】
本発明の記録剤は、以上のように、減法混色により色を再現するために用いられる色成分の記録剤であって、上記色成分を示す第1の着色剤と、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを主成分とし、第1の着色剤より分光反射率が高いことを特徴とする。
【0159】
これにより、減法混色における色成分として上記記録剤を使用すれば、第1の着色剤と他の色成分とからでは再現できないような高い明度や高彩度の色を再現でき、色再現域を簡単に拡張させることができるという効果を奏する。
【0160】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、第1の着色剤は、非蛍光着色剤である一方、第2の着色剤は、蛍光着色剤であることを特徴とする。
【0161】
これにより、非蛍光着色剤に蛍光着色剤を配合することとなるので、蛍光着色剤の発光成分により、非蛍光着色剤の副吸収成分(不要な吸収・透過成分)が抑制され、上記記録剤の分光反射率は、第1の着色剤の分光反射率よりも高いものとなるという効果を奏する。
【0162】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、第1の着色剤の分光反射率をRo、第2の着色剤の分光反射率をRf、第1の着色剤と第2の着色剤とを配合して得られる記録剤の分光反射率をRmとした場合、上記記録剤にしめる第2の着色剤の配合比率xは、Rm=(1−x)Ro+xRf (yは、所定の定数かつ正の実数)より導かれることを特徴とする。
【0163】
これにより、上記記録剤にしめる第2の着色剤の配合比率xを簡単に求めることができるという効果を奏する。
【0164】
本発明の記録剤は、上記構成に加えて、所定の正の実数であるyは、2≦y≦3であることを特徴とする。
【0165】
これにより、実際に出力される色とほぼ同じ色を得るための配合比率を簡易に求めることができるという効果を奏する。
【0166】
本発明の画像形成装置は、以上のように、互いに色相が異なる各色成分の記録剤を備え、減法混色によりこれらの記録剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、それぞれ異なる吐出口から記録剤を吐出するヘッド部を複数備え、いずれか1の色成分を示す第1の着色剤と、該第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを上記ヘッド部より吐出して、第1の着色剤と第2の着色剤とを記録媒体上で混合することにより、第1の着色剤より分光反射率の高い色成分が生成されることを特徴とする。
【0167】
これにより、上記画像形成装置により、減法混色における色再現を行えば、第1の着色剤と他の色成分とからでは再現できないような高い明度や高彩度の色を再現でき、色再現域を拡張させることができるという効果を奏する。
【0168】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加えて、上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上のほぼ同一位置に付着するように吐出されることを特徴とする。
【0169】
これにより、第1の着色剤と第2の着色剤とを同一位置に付着させているので、第1の着色剤と第2の着色剤とを当該位置で混合させることにより、第1の着色剤と同一色相の範囲内かつ第1の着色剤より分光反射率の高い色成分を生成することができ、さらに、任意の比率で混合させることができるので、多くの色を表現することができるという効果を奏する。
【0170】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加えて、上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上の互いに近接する位置に付着するように、上記ヘッド部より吐出されることを特徴とする。
【0171】
これにより、第1の着色剤と第2の着色剤とを面積諧調により表現することができ、第1の着色剤より分光反射率の高い色成分を生成でき、さらに、任意の比率で近接させて付着させることができるので、多くの色を表現することができるという効果を奏する。
【0172】
本発明の画像形成装置は、以上のように、上記記録剤を備えていることを特徴とする。
【0173】
これにより、第1の着色剤と第2の着色剤とを任意の割合で混合でき、より広く色を表現することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像出力装置を示す斜視図である。
【図2】上記画像出力装置に備えられているヘッドを示す斜視図である。
【図3】マゼンタ系非蛍光着色液の分光反射スペクトルである。
【図4】イエロー系非蛍光着色液の分光反射スペクトルである。
【図5】マゼンタ系蛍光着色液の分光反射スペクトルである。
【図6】イエロー系蛍光着色液の分光反射スペクトルである。
【図7】マゼンタ系非蛍光着色液とマゼンタ系蛍光着色液とを配合して得られた混合マゼンタインクの分光反射スペクトルである。
【図8】イエロー系非蛍光着色液とイエロー系蛍光着色液とを配合して得られた混合イエローインクの分光反射スペクトルである。
【図9】マゼンタ系非蛍光着色液とマゼンタ系蛍光着色液とを配合して得られた混合マゼンタインクの色相角度、彩度、明度を示し、(a)は、各配合比率における色相角を示し、(b)は、各配合比率における彩度を示し、(c)は、各配合比率における明度を示す。
【図10】イエロー系非蛍光着色液とイエロー系蛍光着色液とを配合して得られた混合イエローインクの色相角度、彩度、明度を示し、(a)は、各配合比率における色相角を示し、(b)は、各配合比率における彩度を示し、(c)は、各配合比率における明度を示す。
【図11】上記マゼンタインクおよびイエローインクのL,a,b値および、シアンインクのL,a,b値を、L空間にプロットした様子を示した3次元のグラフである。
【図12】非蛍光着色液と蛍光着色液とを配合して得られる混合マゼンタインク、混合イエローインクに対して、実際に非蛍光着色液と蛍光着色液とを配合して得られるインクの色と計算によって求められる色との色差であるΔEをyの関数として示したグラフである。
【図13】上記実施の形態に係るデジタルカラー複写機の構成を示したブロック図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態における画像出力装置のヘッドを示した斜視図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態であるコンピュータの構成を示したブロック図である。
【図16】(a)は、マゼンタの理想的な分光反射スペクトルおよび、マゼンタ系非蛍光着色液の分光反射スペクトルであり、(b)は、イエローの理想的な分光反射スペクトルと、イエロー系非蛍光着色液の分光反射スペクトルである。
【符号の説明】
2 カラー画像入力装置
3 カラー画像処理装置
4 カラー画像出力装置(画像形成装置)
21 ヘッド
30 インクタンク
50 ヘッド(ヘッド部)
51 インクタンク

Claims (9)

  1. 互いに色相が異なる各色成分の記録剤から減法混色により画像を形成する画像形成方法であって、
    いずれか1つの色成分を示す第1の着色剤に対して第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤を配合することにより得られると共に、第1の着色剤より分光反射率が高い色成分の記録剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 減法混色により色を再現するために用いられる色成分の記録剤であって、
    上記色成分を示す第1の着色剤と、第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを主成分とし、第1の着色剤より分光反射率が高いことを特徴とする記録剤。
  3. 第1の着色剤は、非蛍光着色剤である一方、第2の着色剤は、蛍光着色剤であることを特徴とする請求項2に記載の記録剤。
  4. 第1の着色剤の分光反射率をRo、第2の着色剤の分光反射率をRf、第1の着色剤と第2の着色剤とを配合して得られる記録剤の分光反射率をRmとした場合、上記記録剤にしめる第2の着色剤の配合比率xは、
    Rm=(1−x)Ro+xRf (yは、所定の定数かつ正の実数)
    より導かれることを特徴とする請求項2または3に記載の記録剤。
  5. 上記所定の正の実数であるyは、2≦y≦3であることを特徴とする請求項4に記載の記録剤。
  6. 互いに色相が異なる各色成分の記録剤を備え、減法混色によりこれらの記録剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    それぞれ異なる吐出口から記録剤を吐出するヘッド部を複数備え、いずれか1の色成分を示す第1の着色剤と、該第1の着色剤と同一色相に属する第2の着色剤とを上記ヘッド部より吐出して、上記第1の着色剤と上記第2の着色剤とを記録媒体上で混合することにより、上記第1の着色剤より分光反射率の高い色成分が生成されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上のほぼ同一位置に付着するように吐出されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 上記第1の着色剤と第2の着色剤とは、記録媒体上の互いに近接する位置に付着するように、上記ヘッド部より吐出されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載の記録剤を備えた画像形成装置。
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