JP2009164709A - 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷装置の備える複数の色材を、所定の光源下で略同一の色彩値を有しつつ互いに異なる分光反射率特性を有する等色色材を少なくとも1組含むように構成し、印刷制御装置に、印刷対象となる分光反射率又は印刷対象となる色彩値の指示を受付ける受付手段と、分光反射率を受付けた場合に、前記分光反射率に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる分光反射率印刷制御手段と、色彩値を受付けた場合に、前記色彩値に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる色彩値印刷制御手段と、を備えさせる。
【選択図】図16
Description
また特許文献2には、所定の条件下では同じ色彩値を示しつつも、異なる分光反射率を示すインクを、有価証券等の偽造防止等に用いることが記載されている。
1.印刷制御装置の構成:
2.印刷データ生成処理:
3.印刷制御処理:
3−1.1D−LUT作成処理:
3−2.印刷制御データ生成処理:
4.分光プリンティングモデル:
5.変形例:
5−1:変形例1:
5−2:変形例2:
5−3:変形例3:
5−4:変形例4:
5−5:変形例5:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置のハードウェア構成を示している。同図において、印刷制御装置は主にコンピュータ10によって構成されており、コンピュータ10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピュータ10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに準じた演算を実行する。GIF 15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンタ20と分光反射率計30をコンピュータ10に接続させている。VIF 16はコンピュータ10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF 17はコンピュータ10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピュータ10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図3は、APL P2が実行する印刷データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにAPL P2はUI部(UIM)P2aと測定制御部(MCM)P2bと印刷データ生成部(PDG)P2cとから構成されており、これらの各モジュールP2a,P2b,P2cが図3に示す各ステップを実行する。ステップS100においては、UIM P2aがGDI P1aおよびDDV P5を介して、見本チャートSCを印刷させる旨の印刷指示を受付けるためのUI画面を表示させる。前記UI画面においては、見本チャートSCのテンプレートを示す表示が設けられている。
図8は、PDV P3が実行する印刷制御処理の全体的な流れを示している。図2に示すようにPDV P3は、1D−LUT生成部(LUG)P3aと印刷制御データ生成部(CDG)P3bとから構成されており、図8に示す1D−LUT生成処理(ステップS200)をLUG P3aが担当し、一方の印刷制御データ生成処理(ステップS300)をCDG P3bが担当する。1D−LUT生成処理は印刷制御データ生成処理に先行して行われてもよいし、1D−LUT生成処理と印刷制御データ生成処理を並行して行うようにしてもよい。
図9は、1D−LUT生成処理の流れを示している。図2に示すようにLUG P3aは、インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1と分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2と評価値算出モジュール(ECM)P3a3とLUT出力モジュール(LOM) P3a4とから構成されている。ステップS210においては、ICM P3a1がインデックステーブルIDBを取得する。ステップS220においては、インデックステーブルIDBから一つのインデックスを選択し、当該インデックスに対応付けられている分光反射率データRDを取得する。ステップS230においては、ICM P3a1が前記分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットを算出する処理を行う。その際に、上述したRPM P3a2とECM P3a3を使用する。
前記の(3)式においては、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、前記の(3)式の右辺全体に所定の係数を乗算して、重み関数w(λ)の値の範囲を正規化してもよい。前記の(1)式によれば、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きい波長域ほど、色彩値(L*a*b*値)に大きく影響するということができる。従って、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算した重み関数w(λ)を使用すれば、色への影響が大きい波長域を重視した二乗誤差が評価可能な評価値E(φ)を得ることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)が0となり、当該波長域における差分D(λ)は評価値E(φ)の増大に寄与しないこととなる。
図16は、印刷制御データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにCDG P3bは、モード判別モジュール(MIM)P3b1とインデックス分版モジュール(ISM)P3b2とRGB分版モジュール(CSM)P3b3とハーフトーンモジュール(HTM)P3b4とラスタ化モジュール(RTM)P3b5とインク残量監視モジュール(IWM)P3b6と等色分版モジュール(MSM)P3b7とから構成されている。ステップS310においては、モード判別モジュール(MIM)P3b1が印刷データPDを取得する。ステップS320において、MIM P3b1は印刷データPDから一の画素を選択する。ステップS330において、MIM P3b1は当該選択した画素にインデックスが格納された旨のフラグが立っているか否かを判定する。当該フラグが立っていないと判定された場合には、ステップS340にてCSM P3b3が3D−LUTを参照して、当該画素についての色変換(分版)を実行する。
図18は、本実施形態のプリンタ20の印刷方式を模式的に示している。なお等色インクを含めた分光プリンティングモデルとするには、以下のモデルに各等色インクを一次色として加えてやればよい。図18において、プリンタ20は、CMYKlclmのインクごとに複数のノズル21a,21a・・・を備えた印刷ヘッド21を備えており、ノズル21a,21a・・・が吐出するCMYKlclmのインクごとのインク量を上述したインク量セットψ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって指定された量とする制御が印刷制御データCDに基づいて行われる。各ノズル21a,21a・・・が吐出したインク滴は印刷用紙上において微細なドットとなり、多数のドットの集まりによってインク量セットψ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の印刷画像が印刷用紙上に形成されることとなる。
ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。前記の(5a)式および(5b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
ここで、(6)式におけるインク被覆率fc,fmは図21(B)のグラフで与えられる値である。また、セルC5を囲む4つの格子点に対応する分光反射率R(λ)11,(λ)12,(λ)21,(λ)22は分光反射率データベースRDBを参照することにより取得することができる。これにより、(6)式の右辺を構成するすべての値を確定することができ、その計算結果として任意のインク量セットψ(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。波長λを可視波長域にて順次シフトさせていくことにより、可視波長域における予測分光反射率Rs(λ)を得ることができる。インク量空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べて予測分光反射率Rs(λ)をより精度良く算出することができる。以上のようにして、RPM P3a2がICM P3a1の要請に応じて予測分光反射率Rs(λ)を予測することができる。
5−1:変形例1
図22は、変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)が示されており、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)と各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)との相関係数cx,cy,czがECM P3a3によって算出されている。そして、下記の(7)式によって本変形にかかる重み関数w(λ)を算出する。
前記の(7)式においては、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)との相関が高い等色関数x(λ),y(λ),z(λ)ほど線形結合の際の重みが大きくなるようにされている。以上のようにして得られた重み関数w(λ)においては、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についての重みを強調することができる。従って、各光源下での反射光の分光エネルギーのスペクトルが強くなりがちな波長域を重視した評価値E(φ)を得ることができる。すなわち、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域については、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。むろん、重み関数w(λ)は各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)に由来しているため、人間の知覚に適合した評価値E(φ)を得ることができる。
図23は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)をそのまま重み関数w(λ)として適用している。このようにすることによっても、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についてターゲットTGの分光反射率R(λ)とターゲット分光反射率Rt(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。
図24は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、5種類(標準昼光系のD50光源,D55光源,D65光源、白熱電球系のA光源、蛍光ランプ系のF11光源)の各光源の分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)が示されている。本変形例においては、下記の(8)式によって、これらの分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)を線形結合することにより重み関数w(λ)を算出する。
図25は、変形例においてディスプレイ40に表示されるUI画面を示している。同図において、UI画面において複数のターゲット分光反射率Rt(λ)のグラフが表示されている。このようなUI画面を表示させることにより、ユーザーがステップS140においてターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)を測定する代わりに、所望の波形のグラフをターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)として選択することができる。このようにすることにより、実際に分光反射率測定をしなくてもターゲット分光反射率Rt(λ)を設定することができる。むろん、グラフの波形をユーザーが直接編集できるようにしてもよい。例えば、新規の物体表面の開発を行う際に目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)に編集しておけば、実際に物体表面を試作することなく、目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)を有する見本チャートSCをプリンタ20によって印刷させることができる。
図26は、変形例にかかる評価値(φ)を模式的に説明している。同図において、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(ターゲット色彩値)を上述した(1)式,図5によって算出する。一方、RPM P3a2が予測した予測分光反射率Rs(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(予測色彩値)も上述した(1)式(Rt(λ)をRs(λ)に置き換えて使用),図5によって算出する。そして、各光源におけるターゲット色彩値と予測色彩値の色差ΔE(ΔE2000)をCIE DE2000の色差式に基づいて算出する。そして、各光源についての色差ΔEをΔE D50,ΔE D55,ΔE D65,ΔEA,ΔE F11とし、下記の(9)式によって評価値E(φ)を算出する。
前記の(2)式において、w1〜w5は各光源の重みを設定する重み係数であり、上述した変形例3の重み係数w1〜w5とほぼ同様の性質を有する。ここでも全光源における色の再現性をバランスよく確保したい場合にはw1=w2=w3=w4=w5とすればよいし、人工光源における色の再現性を重視したい場合にはw1,w2,w3<w4,w5とすればよい。
Claims (8)
- 複数の色材を記録媒体に付着させる印刷を印刷装置に実行させるにあたり、前記色材の量の組み合わせである色材量セットに基づいた印刷を前記印刷装置に実行させる印刷制御装置であって、
前記複数の色材は、所定の光源下で略同一の色彩値を有しつつ互いに異なる分光反射率特性を有する等色色材を少なくとも1組含んで構成されており、
前記印刷制御装置は、
印刷対象となる分光反射率又は印刷対象となる色彩値の指示を受付ける受付手段と、
分光反射率を受付けた場合に、前記分光反射率に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる分光反射率印刷制御手段と、
色彩値を受付けた場合に、前記色彩値に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる色彩値印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 前記色彩値印刷制御手段は、略同一の色彩値を有する前記等色色材のそれぞれを一度の印刷にわたって、ほぼ同じ比率で使用した印刷を実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
- 前記色彩値印刷制御手段は、略同一の色彩値を有する前記等色色材を、残量に応じて又はほぼ同じ量で、使用する印刷を実行させることを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
- 前記受付手段は、受信した印刷データを解析することで、該印刷データで指示されている分光反射率又は色彩値を受付けることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
- 前記分光反射率印刷制御手段は、波長によって異なる重みを加味しつつ前記ターゲット分光反射率への近似性を評価する評価値に基づいて、指示された分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に示す前記色材量セットを予測し、当該予測したインク量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
- 複数の色材を記録媒体に付着させる印刷を印刷装置に実行させるにあたり、前記色材の量の組み合わせである色材量セットを指定し、当該色材量セットに基づく印刷を前記印刷装置に実行させる印刷制御装置であって、
前記複数の色材は、所定の光源下で略同一の色彩値を有しつつ互いに異なる分光反射率特性を有する等色色材を少なくとも1組含んで構成されており、
前記印刷制御装置は、
ターゲットの分光反射率をターゲット分光反射率として取得するターゲット分光反射率取得手段と、
波長によって異なる重みを加味しつつ前記ターゲット分光反射率への近似性を評価する評価値に基づいて、当該ターゲット分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に示す前記色材量セットを予測し、当該予測したインク量セットを前記印刷装置に指定する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 複数の色材を記録媒体に付着させる印刷を実行する印刷装置と、前記色材の量の組み合わせである色材量セットに基づいた印刷を前記印刷装置に指定し、前記色材量セットに基づく印刷を実行させる印刷制御装置とからなる印刷システムであって、
前記複数の色材は、所定の光源下で略同一の色彩値を有しつつ互いに異なる分光反射率特性を有する等色色材を少なくとも1組含んで構成されており、
前記印刷制御装置は、
印刷対象となる分光反射率又は印刷対象となる色彩値の指示を受付ける受付手段と、
分光反射率を受付けた場合に、前記分光反射率に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる分光反射率印刷制御手段と、
色彩値を受付けた場合に、前記色彩値に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる色彩値印刷制御手段と、
を備え、
前記印刷装置は、
前記印刷制御手段が予測した前記色材量セットに基づいて印刷を実行する印刷実効手段を備えることを特徴とする印刷システム。 - 複数の色材を記録媒体に付着させる印刷を印刷装置に実行させるにあたり、前記色材の量の組み合わせである色材量セットに基づいた印刷を前記印刷装置に実行させる機能をコンピュータに実現させるための印刷制御プログラムであって、
前記複数の色材は、所定の光源下で略同一の色彩値を有しつつ互いに異なる分光反射率特性を有する等色色材を少なくとも1組含んで構成されており、
前記印刷制御プログラムは、
印刷対象となる分光反射率又は印刷対象となる色彩値の指示を受付ける受付機能と、
分光反射率を受付けた場合に、前記分光反射率に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる分光反射率印刷制御機能と、
色彩値を受付けた場合に、前記色彩値に基づいて決定した前記色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる色彩値印刷制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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