JP2004291509A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004291509A
JP2004291509A JP2003089334A JP2003089334A JP2004291509A JP 2004291509 A JP2004291509 A JP 2004291509A JP 2003089334 A JP2003089334 A JP 2003089334A JP 2003089334 A JP2003089334 A JP 2003089334A JP 2004291509 A JP2004291509 A JP 2004291509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
color
image processing
colorant
fluorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003089334A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Murakami
義則 村上
Takuya Iwanami
琢也 岩波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003089334A priority Critical patent/JP2004291509A/ja
Publication of JP2004291509A publication Critical patent/JP2004291509A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】面積階調方式に基づいて、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを任意の割合で配合して画像を出力できる。
【解決手段】面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力するカラー画像処理装置13であって、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素と非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部25が備えられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタなどにおいて、画像を再現するため画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、複写機やプリンタなどで、減法混色に基づいてペーパー等に記録された画像は、ディスプレイなどにより加法混色に基づいて出力された画像よりも色再現域が狭い。そこで、減法混色に基づいて画像を出力する画像処理の技術分野においては、色再現域の拡張および色相の改良のため、さまざまな色材の探索や蛍光物質の使用の検討がなされている。
【0003】
上述した色再現域の拡張および色相の改良を実現する技術として、例えば、特許文献1に開示されているカラー画像形成方法がある。特許文献1に記載のカラー画像形成方法によれば、減法混色に基づいて形成されるハードコピーにおいて、各色成分のインクに蛍光物質を添加して色補正することにより、色再現域を広げて、または色相を改良している。特許文献1によれば、これにより、減法混色に基づいて形成されるハードコピーであっても、加法混色に基づいてCRT(cathode−ray tube)から出力する画像や液晶パネルから出力する画像に近い色再現を行えるものとされている。
【0004】
より詳細に説明すると、カラー画像形成方法に用いられる色成分のインクに対して、例えば、発光特性を有する蛍光物質を加えるなどして加法混色を行う。これにより、上記色成分が示す副吸収をキャンセルできるというものである。特許文献1によれば、このようにして、蛍光物質を配合した色成分を用いて減法混色を行うと、色再現域を広げることができるとされている。
【0005】
一方、減法混色に基づいて画像を形成する手段として、例えばインクジェットプリンタなるものが存在する。このインクジェットプリンタにおいて、出力画像の階調を表現する方式として、面積階調方式が存在する。この面積階調方式とは、所定範囲内に少なくとも1以上のドットを付着させ、上記所定範囲の面積に占めるドットの数を変化させることにより、階調を表現した方式をいう。
【0006】
1ドット単位の吐出量が一定、もしくは、1ドット単位の吐出量を数段階しか調整できないインクジェットプリンタにおいては、この面積階調方式を採用することにより、多段階の濃淡を表現できる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−181170公報(公開日:2000年6月30日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、非蛍光物質と蛍光物質とを配合させることにより、減法混色における色再現域の拡大を図る手法まで開示されているものの、非蛍光物質と蛍光物質とを用いつつ、上述した面積階調方式に基づいて画像出力する具体的手法まで開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、面積階調方式に基づいて画像を形成する場合、非蛍光物質(非蛍光着色剤)と蛍光物質(蛍光着色剤)とを任意の割合で配合して画像を出力できる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理装置であって、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部が備えられていることを特徴とする。
【0011】
ここでの面積階調方式とは、入力した画像データの1画素に対応する所定範囲において、該所定範囲内に少なくとも0以上のドットを付着させ、該所定範囲の面積に占めるドットの数を変化させることにより、上記1画素の階調を表現した方式をいう。つまり、画像処理装置において、撮像デバイスから取り込まれた画素ごとの画像データは、1画素単位で複数のドットデータに変換される。また、上記マトリクスの各要素は、各ドットデータに対応している。
【0012】
ここで、上記構成の画像処理装置によれば、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部が備えられている。したがって、蛍光着色剤により形成されるドットと非蛍光着色剤により形成されるドットとを任意に配列することで出力画像を表現できる。このようにして表現される画像においては、いわゆる面積階調の効果により、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とが混ざっているように見える。したがって、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成においても、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを混ざっているようにみせて、画像を出力することができる。
【0013】
なお、入力する画像データが非蛍光着色剤のみからでは再現できないような中間調であっても、上記構成によれば、入力する画像データをドットデータに変換すると共に、蛍光着色剤と非蛍光着色剤を用いて、面積階調の効果により、上記中間調を再現することが可能となる。
【0014】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記マトリクスは、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数とを定めたデータであることを特徴とする。
【0015】
上記構成の画像処理装置によれば、上記マトリクスで定められている蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とで、出力画像の所定範囲内の階調を表現できる。したがって、所望する蛍光着色剤の含有割合に基づいて、上記マトリクスにおける蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数とを定めれば、上記所望の含有割合に応じて、画像を出力することが可能になる。これにより、1ドット単位の階調を2段階、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式においても、出力画像に占める蛍光着色剤の配合比率の自由度を高めることができる。
【0016】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記着色剤選択処理部は、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている複数のマトリクスのうち、いずれか1のマトリクスを読み出し、読み出したマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力することを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、上記着色剤選択処理部は、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている複数のマトリクスのうち、いずれか1のマトリクスを読み出し、読み出したマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力している。これにより、画像を出力する度に、用いられる非蛍光着色剤と蛍光着色剤との配合比率を変更することが可能となる。
【0018】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、原稿画像の種類を判別する原稿画像判別部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記原稿画像判別部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、上記原稿画像判別部が原稿画像の種類を判別して、上記着色剤選択処理部が、上記原稿画像判別部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、原稿画像の種類に合った適切な配合比率で、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とから画像を出力することが可能となる。なお、原稿画像の種類として、例えば、文字原稿、写真原稿、文字と写真とが混在した原稿等の種類がある。
【0020】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、入力する画像データに関する各画素を複数の領域に分類する領域分離処理部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記領域分離処理部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを画素ごとに読み出すことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、領域分離処理部が入力する画像データに関する各画素を複数の領域に分類している。そして、上記着色剤選択処理部が、上記領域分離処理部の判別結果に基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出している。
【0022】
したがって、上記構成によれば、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とから、入力画像データの画素の属する領域に応じて、蛍光着色剤と非蛍光着色剤とを適切な比率で配合した画像を出力することが可能となる。なお、上記複数の領域に関する画素として、例えば、文字領域に関する画素、網点領域に関する画素、写真(印画紙)領域に関する画素がある。
【0023】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、画素ごとに上記画像データを色情報データに変換する色情報データ生成部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記色情報データに基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0024】
ここで、色情報データとは、明度、彩度、色相角度等の色に関する情報をいう。
【0025】
上記構成によれば、色情報データ生成部が、画素ごとに上記画像データを色情報データに変換する。そして、上記着色剤選択処理部は、上記色情報データに基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とから、入力画像データの画素の示す色あいを適切に再現することが可能となる。つまり、原稿画像から、非蛍光着色剤のみでは出力できないような色を画像データとして取り込んだ場合でも、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを配合することで色再現域を拡張して、より原稿画像に近い色を出力できる。
【0026】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記色情報データとは、明度および/または彩度に関するデータであることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、色情報データとして明度および/または彩度のデータが用いられているので、色情報データの各画素が、非蛍光着色剤のみから再現できる色再現域に含まれているか否かを判別することが可能となる。なお、上記色情報データは、明度および彩度および色相のデータとしても構わない。
【0028】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記色情報データ生成部は、画素ごとに与えられている画像データが所定値範囲にある画素を、記憶色に係る画素と特定し、上記着色剤選択処理部は、記憶色に係る画素に関し、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、上記色情報データ生成部は、上記画像データが所定値範囲にある画素を記憶色に係る画素と特定する。そして、上記着色剤選択処理部は、上記記憶色に係る画素に関して、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスを読み出している。ここで、記憶色に係る画素から色再現を行う場合、一般的に高彩度の色を再現することが要求される。上記構成によれば、上記記憶色に係る画素に関して、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスが読み出されるので、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを配合した画像を出力でき、上記記憶色を適切に再現することが可能となる。
【0030】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記マトリクスの各要素は、配合比率に応じて蛍光着色剤を選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって決まることを特徴とする。
【0031】
上記構成の画像処理装置によれば、配合比率に応じて蛍光着色剤を選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とを決定できる。したがって、所望する配合比率を設定するだけで1つの基準マトリクスから互いに配合比率の異なる複数のマトリクスを生成することができる。つまり、1つの基準マトリクスのみ画像処理装置に格納しておけば、互いに配合比率を異にする複数マトリクスを生成することができるため、異なる配合比率ごとにマトリクスを予め格納しておく必要はなく、メモリ容量を削減することができる。
【0032】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、色成分ごとの画像データで、それぞれ異なるマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、色成分ごとの画像データで、それぞれ蛍光着色剤と非蛍光着色剤の配合比率を適切なものとすることができ、より適切に色再現域を拡張させることができる。
【0034】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記画像処理装置と、上記画像処理装置から送られてきたドットデータに基づいて、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出する画像出力装置とを備えたことを特徴とする。
【0035】
上記画像形成装置によれば、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出する画像出力装置と上記画像処理装置とを備えている。したがって、1ドット当たりの着色剤吐出量が一定であっても、非蛍光蛍光剤と蛍光着色剤との配合比率を自由に選択して、面積階調方式により画像を形成することが可能となる。
【0036】
本発明の画像処理方法は、上記課題を解決するために、面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理方法であって、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、ドットデータを出力することを特徴とする。
【0037】
上記手順によれば、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する。このようにして出力するドットデータに基づく画像においては、いわゆる面積階調の効果により、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とが混ざっているように見える。したがって、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成においても、蛍光着色剤に蛍光着色剤を混ぜて、画像を出力することができる。
【0038】
本発明の画像処理プログラムは、上記課題を解決するために、上記画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。また、本発明の画像処理プログラムは、上記課題を解決するために、上記画像処理装置が備えている各部として、コンピュータを機能させるための画像処理プログラムであってもよい。さらに、本発明は、上記画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能にしてなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体としても構わない。
【0039】
これにより、上記記録媒体、またはネットワークを介して、一般的なコンピュータに画像処理プログラムをインストールすることによって、該コンピュータを用いて上記の画像処理方法を実現する、言い換えれば、該コンピュータを画像処理装置として機能させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像処理装置、画像処理方法の実施の一形態を、図に基づいて、以下説明する。
【0041】
本実施の形態に係る画像処理装置が備えられたデジタルカラー複写機(複合機であっても良い)の構成を図1に示す。
【0042】
デジタルカラー複写機(画像形成装置)11は、カラー画像入力装置12,カラー画像処理装置13,カラー画像出力装置14、操作パネル27を備えている。
【0043】
カラー画像入力装置(以下、「画像入力装置」とする)12は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )等の撮像デバイスを備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像をR,G,B(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号をCCDにて読み取って、上記アナログ信号をカラー画像処理装置13に入力するものである。
【0044】
カラー画像処理装置(以下、「画像処理装置」とする)13は、画像入力装置12から送られてきたR,G,Bのアナログ信号を、R,G,Bのデジタル画像データ(以下、「画像データ」とする)に変換すると共に、種々の画像処理を施したC,M,Y,K(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:黒)の各色成分の画像データを、さらに面積階調方式に基づく画素ごとに与えられる2値化データに変換して、カラー画像出力装置14に入力するものである。
【0045】
つまり、ここでの画像データとは画像入力装置12によって取り込まれた入力画像の1単位を示す画素ごとに与えられるデジタルデータをいう。一方、画素ごとに与えられる2値化データ(以下、「ドットデータ」とする)とは、いわゆる面積階調方式に基づき形成される画像を表現するための2値化データをいう。すなわち、ここでの面積階調方式とは、所定範囲において、該所定範囲内に少なくとも0以上のドットを付着させ、該所定範囲の面積に占めるドット数を変化させることにより、該所定範囲の階調を表現した方式をいう。なお、画像処理装置13の具体的構成については、後に詳述する。
【0046】
カラー画像出力装置(以下、「画像出力装置」とする)14は、画像処理装置13から送られてきたC,M,Y,Kごとのドットデータ、およびCf(蛍光シアン),Mf(蛍光マゼンタ),Yf(蛍光イエロー)ごとのドットデータに基づいて、記録材上において画像を再現するインクジェット方式のプリンタである。なお、画像出力装置14の具体的構成については詳述する。
【0047】
操作パネル27は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部とデジタルカラー複写機11全体の動作を制御する設定ボタン(例えば、コピーを行う原稿種別を表す画像モード(文字モード・文字写真モード・写真モード等)を設定)等から構成される。
【0048】
つぎに、画像処理装置13の具体的構成について説明する。画像処理装置13は、A/D変換部15、シェーディング補正部16、原稿種別自動判別部(原稿画像判別部)17、入力階調補正部18、領域分離処理部19、色補正部(色情報データ生成部)20、黒生成下色除去部21、空間フィルタ処理部22、出力階調補正部23、階調再現処理部24、着色剤選択処理部25、および出力変換部26から構成されている。
【0049】
画像入力装置12にて読み取られたアナログ信号は、画像処理装置13内を、A/D変換部15、シェーディング補正部16、原稿種別自動判別部17、入力階調補正部18、領域分離処理部19、色補正部20、黒生成下色除去部21、空間フィルタ処理部22、出力階調補正部23、階調再現処理部24、着色剤選択処理部25、および出力変換部26の順で送られ、C,M,Y,K,Cf,Mf,Yfのドットデータとして、画像出力装置14へ送信される。
【0050】
A/D(Analog to Digital)変換部15は、R,G,Bのアナログ信号に対して標本化および量子化を行うことにより、R,G,Bの画像データを生成し、これらをシェーディング補正部16へ送信するブロックである。
【0051】
シェーディング補正部16は、A/D変換部15より送られてきたR,G,Bの画像データに対して、画像入力装置12の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除くための補正処理を施すブロックである。また、シェーディング補正部ではカラーバランスを整える処理が行われる。シェーディング補正処理がなされたR,G,Bの画像データは、原稿種別自動判別部17へ送信される。
【0052】
原稿種別自動判別部17は、シェーディング補正部16にて各種の歪みが取り除かれ、カラーバランスの調整がなされたR,G,Bの画像データ(反射率信号)に対し、カラー画像処理装置13に採用されている画像処理システムの扱い易い画像データ(例えば濃度信号)に変換すると共に、入力した原稿画像が、文字原稿であるか、印刷写真または印画紙写真等の写真原稿であるか、あるいはそれらを組み合わせた文字/写真原稿であるかの判別を自動的に行うブロックである。なお、原稿種別自動判別部17の詳細については、後に詳述する。
【0053】
入力階調補正部18は、原稿種別自動判別部17より送られてきたR,G,Bの画像データに対し、下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を施すブロックである。
【0054】
領域分離処理部19は、入力階調補正部18から送られてきたR,G,Bの画像データより、入力画像の各画素が文字領域、網点領域、写真領域の何れかに属するかを識別するブロックである。さらに、領域分離処理部19は、分離結果(判別結果)に基づき、各画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部21、空間フィルタ処理部22、階調再現処理部24、および着色剤選択処理部25へと送信すると共に、入力階調補正部18から送信されたR,G,Bごとの画像データをそのまま後段の色補正部20に送信する。
【0055】
色補正部20は、領域分離処理部19から送られてきたR,G,Bの画像データを、C,M,Yの画像データへ変換すると共に、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むC,M,Y色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く色補正処理を行うブロックである。
【0056】
黒生成下色除去部21は、色補正部20から送られてきたC,M,Yの画像データから黒色成分(K)の画像データを生成する黒生成処理を行う。そして、黒生成下色除去部21は、元のC,M,Yの画像データから、黒生成処理で得たKデータを差し引いて新たなC,M,Yの画像データを生成する処理を行うブロックである。つまり、黒生成下色除去部21では、C,M,Yの画像データ(すなわち、3色データ)が、C,M,Y,Kの画像データ(すなわち、4色データ)に変換される。
【0057】
なお、黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y,出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去部21による処理は以下の式で表わされる。
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’
空間フィルタ処理部22は、黒生成下色除去部21から入力するC,M,Y,Kの画像データに対して、領域分離処理部19から送られてきた領域識別信号を基に、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。これにより、C,M,Y,Kの画像データの空間周波数特性を補正することができ、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理することができる。
【0058】
例えば、領域分離処理部19にて文字領域と識別された画素に対して、上記空間フィルタ処理における鮮鋭度強調処理で、高周波数のデータが強調される。これにより、出力画像において、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めることができる。また、領域分離処理部19にて網点領域と識別された画素に対しては、空間フィルタ処理部22において、ローパス・フィルタ処理が施され、入力画像の網点成分が除去される。
【0059】
出力階調補正部23は、各画素に関して、C,M,Y,Kの画像データを、画像出力装置14の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行うブロックである。
【0060】
階調再現処理部24は、出力階調補正部23より送信されるC,M,Y,Kの画像データを、最終的に画像を画素ごとに分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施されるブロックである。つまり、階調再現処理部24は、領域分離処理部19から送られてきた領域識別信号を基に、画素ごとのC,M,Y,Kの画像データから、広域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでのC,M,Y,Kのドットデータを生成するブロックである。
【0061】
なお、本実施の形態においては、画像出力装置14のヘッドにおけるインク吐出量は一定であるので、階調再現処理部24で2値化データとしてのドットデータを生成することとしている。しかし、画像処理装置13が、ヘッドのインク吐出量を数段階に変化させることのできる画像出力装置14と接続されている場合、階調再現処理部24において生成されるドットデータは、多値化データとなる。
【0062】
例えば、領域分離処理部19にて写真領域と識別された画素に対して、階調再現性を重視したスクリーンでの多値化処理が行われる。また、画像出力装置14において、同色系統の濃度の異なるインク(濃インク・淡インク)を用いて印刷する場合、階調再現処理部24は、各画素に係るC,M,Y,Kの画像データに基づいて、ライトシアン,ライトマゼンタ等のドットデータを生成してもよい。
【0063】
着色剤選択処理部25は、階調再現処理部24から送られてきたC,M,Y,Kのドットデータの各画素に関し、図示しない補助記憶装置(例えばROM)に格納されているマトリクスに基づいて、C,M,Y,Kのドットデータと、Cf,Mf,Yfのドットデータとをさらに出力するブロックである。なお、階調再現処理部24および着色剤選択処理部25での処理の詳細は後述する。
【0064】
出力変換部26は、着色剤選択処理部25から送られてきたドットデータを、画像出力装置14のヘッド(C・M・Y・K・Cf・Mf・Yfのインクジェットヘッド)の並びに応じたドットデータに変換する処理を実行するブロックである。
【0065】
上述した各処理が施されたC・M・Y・K・Cf・Mf・Yfのドットデータは、一旦記憶手段(図示せず)に記憶された後、所定のタイミングで読み出されて、画像出力装置14へ入力する。なお、以上の処理は、図示しないRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置を作業領域として実行されると共に、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって制御される。
【0066】
つぎに、画像出力装置14の構成について詳細に説明する。図10は、画像出力装置14の一例であるインクジェット記録装置の全体構成を示す透視斜視図である。画像出力装置14は、大略的に、インクジェットヘッド(以下、「ヘッド」とする)30、キャリッジ31、搬送ローラ32、ガイドシャフト33、保持手段34、モータ35、駆動ベルト36およびメンテナンスユニット37により構成される。
【0067】
キャリッジ31は、ヘッド30を搭載し、用紙等の記録媒体に対して、矢符X1およびX2方向の主走査方向に相対的に移動可能である。そして、記録媒体は図示しない給紙部から矢符Yの副走査方向に給送されながら、矢符X1およびX2方向に移動するヘッド30により画像形成が行われる。給紙部に備えられている記録媒体は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ送り出され、記録媒体搬送手段である搬送ローラ32により、ヘッド30と対向する位置に供給される。記録が終了した記録媒体は排紙部(図示せず)に排出される。
【0068】
ヘッド30は、主走査方向に延びるガイドシャフト33および保持手段34上に摺動自在に支持されて、記録媒体に対する位置が決められる。さらに、駆動手段であるモータ35によって駆動される駆動ベルト36がガイドシャフト33と平行に張架されており、ヘッド30は駆動ベルト36によって変位駆動される。なお、メンテナンスユニット37は、ヘッド30のクリーニングなどのメンテナンスが実施される部分である。
【0069】
また、図11に示すように、ヘッド30には、複数の色成分、例えば、C・M・Y・Kに加えて、Cf・Mf・Yfの7色のインクに係るインクタンク40が、色ごとに備えられている。これらのインクは、画像処理装置13より送信されるドットデータに応じてノズルより記録媒体上に吐出される。
【0070】
ところで、本実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、蛍光インク(蛍光着色剤)を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光インク(非蛍光着色剤)を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクス(図3)に基づいて、非蛍光インクのドットデータおよび蛍光インクのドットデータを出力する着色剤選択処理部に特徴がある。すなわち、上記ドットデータに基づいて画像を出力すれば、蛍光インクにより形成されるドットと非蛍光インクにより形成されるドットとを任意に配列することで出力画像を表現できる。このようにして表現される画像においては、いわゆる面積階調の効果により、非蛍光インクと蛍光インクとがあたかも混ざっているように見える。したがって、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成において、非蛍光着色剤に蛍光着色剤が混ざったように、画像を出力することができる。
【0071】
一方、上記記録媒体上で生成される画像に蛍光インクを配合する手法として、同一のドット位置に非蛍光インクと蛍光インクとを付着させることにより、蛍光成分が配合された画像を生成する手法も考えられる。ところが、この手法によれば、1ドット当たりに吐出するインク量が一定または数段階である画像出力装置において、生成される画像における蛍光インクの配合比率の自由度が減少してしまう。換言すると、記録媒体上に形成される画像における蛍光成分の配合比率を自由に変えようとすると、1ドットに対するインク(着色剤)の吐出量を自由に切り換えることが可能でなければならないが、この本実施の形態における方法では、このような切り換えは必要ない。
【0072】
ただし、上述した面積階調方式において、1ドット当たりに吐出するインク量を複数段階に切り換える、いわゆる重ね打ちをすることによって、複数ドットから構成される所定範囲の階調をさらに細分化して表現することが可能となる。つまり、1ドットあたりで蛍光インクと非蛍光インクとを重ね打ちをしつつ、面積階調による効果により各ドットから構成される画像について、蛍光インクが混ざってみえるようにしたものである。
【0073】
なお、以下の説明において、各色成分の画像データ(濃度データ)に対する処理は、閾値の具体的な値が異なるだけであるので、ある色成分の画像データに基づいて、当該色成分の非蛍光色のドットデータおよび蛍光色のドットデータを生成する処理だけを説明する。
【0074】
以下、本実施の形態における階調再現処理から着色剤選択処理までの処理の流れを図2に基づいて説明する。階調再現処理部24は、出力階調補正部23により処理が施された画素ごとの画像データに基づいて、誤差拡散処理により2値化処理を行い(S1)、ドットデータを生成する。この2値化処理は、別にディザ処理やブルーノイズマスク処理と呼ばれるものでも構わない。
【0075】
S1における2値化処理の結果、着色剤選択処理部25は、インクを吐出させない要素(例えば「0」)について、蛍光剤選択処理を行わずに次の要素に対する処理へ移行する(S2,NO)(つまり、非蛍光インクおよび蛍光インクのいずれも吐出させない)。
【0076】
一方、S1における2値化処理の結果、インクを吐出させる要素(例えば「1」)について、着色剤選択処理部25は、ある色成分の非蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力するか、当該色成分と同色系統の蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力するかの着色剤選択処理を行う(S2,YES)。
【0077】
着色剤選択処理は、図3に示す着色材選択マトリクス(以下、「マトリクス」とする)を用いることにより行われる。なお、図3に示すマトリクスにおいて、「非」は非蛍光インクを用いる旨を示し、「蛍」は蛍光インクを用いる旨を示す。そして、〔x,y〕は、マトリクスにおける各要素の位置を示す。
【0078】
例えば、オペレータが、操作パネルを介して、画像出力装置14にて形成される画像に占める蛍光インクの配合比率を0.5と設定する場合、着色剤選択処理部25は、図示しないROMから図3(a)に示すマトリクスを選択して読み出す(S3)。なお、図3(a)から図3(f)の配合比率とは、出力画像全体に占める蛍光インクの配合比率をいう。
【0079】
そして、着色剤選択処理部25は、図3(a)のマトリクスの各要素のうち、処理対象となる要素に係るデータを読み出し、「非」のデータか否かを識別する(S4)。ここで、着色剤選択処理部25は、「非」のデータになっている要素については、非蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する(S5)。一方、着色剤選択処理部25は、「蛍」のデータになっている要素については、蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する(S6)。
【0080】
例えば、着色剤選択処理部25は、図3(a)のマトリクスにおいて、〔0,0〕の要素に対して、非蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する。また、着色剤選択処理部25は、図3(a)のマトリクスの〔1,0〕の要素に対して、蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する。さらに、着色剤選択処理部25は、図3(a)のマトリクスの〔0,1〕の要素に対して、非蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する。また、着色剤選択処理部25は、図3(a)のマトリクスの〔1,1〕の要素に対して、非蛍光インクを吐出する旨のドットデータを出力する。
【0081】
そして、着色剤選択処理部25は、全ての画素の画像データに対して着色剤選択処理が終了していない場合は、次の画素の画像データに対する処理に移行する(S7,NO)。一方、着色剤選択処理部25は、全ての画素の画像データに対して蛍光剤選択処理を終了している場合は、処理を終了する(S7,YES)。
【0082】
このように、図3(a)に示すマトリクスに基づいて、主走査方向および副走査方向ともに非蛍光インクと蛍光インクとを繰り返し用いれば、画像全体に占める蛍光インクの配合比率を0.5に近づけることができる。さらに、このようにして出力される画像においては、非蛍光インクにより形成されるドットと蛍光インクにより形成されるドットとが交互に配置されることとなるので、非蛍光インクと蛍光インクとが、いかにも混ざっているようにみえる。
【0083】
なお、以下に示す本実施形態では、図3(a)から図3(f)に示す複数のマトリクスが図示しないROMに予め格納されているものとする。さらに、これらのマトリクスは、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素数と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている。また、これらのマトリクスのなかには、非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素のみからなる図3(e)に示すものや、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素のみからなる図3(f)に示すものも存在する。
【0084】
そして、オペレータが、例えば操作パネル27を介して、1画像を処理する度に、適切な配合比率のマトリクスを選択することも可能である。これにより、画像を出力する度に、出力画像に占める蛍光インクの配合比率を変更することが可能となる。
【0085】
また、オペレータの所望する色再現域に対応したマトリクスが、着色剤選択処理部25によって読み出されることとしてもよい。これにより、画像を出力する度に、出力画像の色再現域を変更することが可能となる。
【0086】
例えば、画像処理装置13において、「色再現域普通モード」、「色再現域広モード」、「色再現域狭モード」が設定されているものとする。そして、オペレータが、操作パネル27を介して「色再現域普通モード」を選択した場合、S3において、図3(a)のマトリクス(配合比率0.5)が着色剤選択処理部25により読み出される。また、オペレータが、操作パネルを介して「色再現域狭モード」を選択した場合、S3において、図3(e)のマトリクス(配合比率0)が着色剤選択処理部25により読み出される。さらに、オペレータが、操作パネルを介して「色再現域広モード」を選択した場合、S3において、図3(f)のマトリクス(配合比率)が着色剤選択処理部25により読み出される。このように設定できる理由は、従来技術の項で説明したように、非蛍光インクに蛍光インクを配合することにより、減法混色をすることによって生成される画像における色再現域を拡張させることができるからである。
【0087】
さらに、原稿種別自動判別部17による判別結果に基づいて、着色剤選択処理部25が、図示しないROMに格納されている複数のマトリクスから、いずれか1のマトリクスを読み出すようにしても構わない。
【0088】
原稿種別自動判別部17による処理方法は、特開2002−218232に記載されている手段が適用される。以下この手段について概説する。
【0089】
まず、画像入力装置12が原稿画像に対してプレスキャンを行い、読み込まれた画像データを基に、原稿種別自動判別部17が画像データの各値としての各階調に対する度数を示したヒストグラムを作成する。そして、原稿種別自動判別部17は、上記ヒストグラムより、予め定められる所定値より小さい低度数階調区分の区分数と、第1の最大度数と、第2の最大度数とを算出する。なお、第1の最大度数とは、上記ヒストグラムにおける最も度数の大きい階調区分におけるその度数をいう。第2の最大度数とは、上記ヒストグラムにおいて、最大度数の階調区分および最大度数の階調に隣接する階調区分以外の階調区分における最も度数の大きい階調区分のその度数をいう。さらに、原稿種別自動判別部17は、上記ヒストグラムにおける総画素数に対する第1の最大度数の割合、上記総画素数を(第1の最大度数−第2の最大度数)で除算した値を算出する。
【0090】
そして、原稿種別自動判別部17は、上記低度数階調区分の区分数と予め定められた第1の閾値とを比較して、第1の閾値より上記低度数階調区分の区分数が高ければ、原稿画像が文字原稿であるものと判別する。さらに、原稿種別自動判別部17は、第1の最大度数と予め定められた第2の閾値とを比較して、第2の閾値より第1の最大度数が高ければ、原稿画像が文字原稿であるものと判別する。
【0091】
また、原稿種別自動判別部17は、上記総画素数を(第1の最大度数−第2の最大度数)で除算した値と予め定められた第3の閾値とを比較して、第3の閾値より上記除算した値が大きければ、原稿画像が写真原稿であると判断する。
【0092】
さらに、原稿種別自動判別部17は、原稿画像を写真原稿であるものと判断した場合、当該原稿画像から取り込んだ入力画像データを2値化して、ある注目画素を含む複数の画素よりなるマスクを設定する。つぎに、原稿種別自動判別部17は、上記マスクにおける主走査方向および副走査方向での「0」から「1」、「1」から「0」への変化点数の和を求める。そして、原稿種別自動判別部17は、算出した上記変化点数の和が、予め定められている第4の閾値以上ならば、原稿画像を印刷写真(網点写真)と判別し、第4の閾値未満ならば原稿画像を印画紙写真と判別する。このように判別できる理由を説明する。印刷写真から取り込んだ入力画像データは、局所領域における画像信号の変動が大きいからである。なお、処理の高速化のために、主走査方向の変化点数の和だけを求めても構わない。
【0093】
また、原稿種別自動判別部17は、文字原稿および写真原稿でないと判断される原稿については、文字と写真とが混在した原稿である文字/写真原稿であると判断する。
【0094】
そして、原稿種別自動判別部17は、このように判別された結果を示した原稿種別自動判定信号を出力し、着色剤選択処理部25へ送信する。ここで、着色剤選択処理部25は、原稿種別自動判別部17から送られてきた原稿種別自動判定信号に基づいて、図示しないROMに格納されている複数のマトリクスから、いずれか1のマトリクスを読み出す。
【0095】
着色剤選択処理部25は、原稿画像が文字原稿を示す旨の原稿種別自動判定信号を受け取った場合、蛍光成分の配合比率が非蛍光成分の配合比率よりも低いマトリクス(例えば、図3(b)に示すマトリクス)を読み出す。これは、文字原稿に係る画像の彩度は比較的低いため、出力画像に多量の蛍光成分を配合することによる色再現域の拡大を図る必要がないためである。
【0096】
また、着色剤選択処理部25は、原稿画像が印画紙写真を示す旨の原稿種別自動判定信号を受け取った場合、蛍光成分の配合比率が非蛍光成分の配合比率よりも高いマトリクス(例えば、図3(c)に示すマトリクス)を読み出す。これは、印画紙写真に係る画像の彩度は比較的高いため、出力画像に多量の蛍光成分を配合することによる色再現域の拡大を図る必要があるからである。
【0097】
さらに、着色剤選択処理部25は、原稿画像が文字/写真原稿あるいは印刷写真原稿を示す旨の原稿種別自動判定信号を受け取った場合、蛍光成分の配合比率が非蛍光成分の配合比率よりも低く、文字原稿に対して読み出されるマトリクスよりも蛍光成分の配合比率が高いマトリクス(例えば、図3(d)に示すマトリクス)を読み出す。これは、文字/写真原稿あるいは印刷写真原稿には、印画紙写真原稿ほどではないが文字原稿より彩度の高い色が存在することが多いからである。
【0098】
このように、上記構成によれば、原稿種別自動判別部17が原稿画像の種類を判別して、着色剤選択処理部25が原稿種別自動判別部17の判定結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、原稿画像の種類に合った適切な配合比率で、非蛍光インクと蛍光インクとから画像を出力することが可能となる。なお、原稿種別の判別手段は上述した手順に限定されるものでなく、文字原稿,写真原稿等の種類を判別できる手段であれば、いかなる手段を用いても構わない。
【0099】
また、着色剤選択処理部25が、入力画像を構成する全画素の画像データまたは一部の画素の画像データから得られる色情報データに基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出す構成としてもよい。この場合、色補正部20において、明度彩度判定処理が実行される。なお、色情報データとは、明度、彩度、色相等を示す画像データをいう。
【0100】
図4は、色補正部20の詳細な構成を示すブロック図である。また、図5は、色補正部20において実行される明度彩度判定処理(色情報データの生成)の各手順を示すフローチャートである。
【0101】
図4に示すように、色補正部20は、第1色座標変換部50,明度彩度判定部51,第2色座標変換部52より構成される。
【0102】
第1色座標変換部50は、領域分離処理部19から送られてきたR,G,Bの画像データを、L,a,bの色情報データへ変換し、変換したL,a,bの色情報データをL,C,Hの色情報データにさらに変換して、明度彩度判定部51へ出力するブロックである。ここで、L,a,bとは、CIE(Commission International de l’Eclairage:国際照明委員会)で定められているL(明度)、a・b(色度)をいう。また、L,C,HにおけるL値は明度、Cは彩度、Hは色相角度を表す。
【0103】
明度彩度判定部51は、第1色座標変換部50から送られてきた画素ごとのL,C,Hの色情報データから、入力画像の全画素における最大明度および最大彩度を求め、上記最大明度および最大彩度を示した選択信号を着色剤選択処理部25へ送信するブロックである。また、明度彩度判定部51は、L,C,Hの色情報データを第2色座標変換部52へ送信するブロックでもある。
【0104】
第2色座標変換部52は、明度彩度判定部51から送られてきたL,C,Hの色情報データを、C,M,Yの画像データに変換して、変換後の画像データを黒生成下色除去部21へ送信するブロックである。
【0105】
以下、色補正部20における処理の手順を、図5に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0106】
まず、第1色座標変換部50が、R,G,Bの画像データをL,a,bの色情報データに変換する(S11)。ここで、R,G,Bの画像データからL,a,bの色情報データを求める手段を説明する。
【0107】
予め作成されている多数のカラーパッチごとにL,a,b値を測定すると共に、上記各カラーパッチを画像入力装置12に読み込ませて、各カラーパッチに対応するR,G,Bの画像データを得ておく。さらに、各カラーパッチが示すL,a,b値とR,G,Bの画像データとの対応関係を表す変換行列、またはLUTを作成して、図示しない演算用メモリに格納しておく。そして、第1色座標変換部50がR,G,Bの画像データを上記演算用メモリに入力することにより、R,G,Bの画像データをL,a,bの色情報データに変換することができる。なお、L,a,bの色情報データを求める手段は、ニューラルネットワークを用いた構成であっても構わない。
【0108】
さらに、第1色座標変換部50は、以下に示す演算により、上記L,a,bの色情報データをL,C,Hの色情報データに変換し(S12)、変換後のL,C,Hの色情報データを明度彩度判定部51へ送信する。
【0109】
【数1】
Figure 2004291509
【0110】
つぎに、明度彩度判定部51は、第1色座標変換部50から送られてきたL,C,Hの色情報データから、入力画像の全画素における最大明度および最大彩度を求める。この手順をさらに詳細に説明する。
【0111】
まず、明度彩度判定部51は、最大明度をL max=0、最大彩度をC max=0として設定、すなわち初期化を行う(S13)。そして、明度彩度判定部51は、第1色座標変換部50から送られてきたL,C,Hの色情報データにおける明度であるLとL maxとを対比し、L>L maxの場合(S14,YES)、L max=LになるようにL maxを更新する(S15)。一方、明度彩度判定部51は、L≦L maxの場合、L maxを更新しない(S14,NO)。
【0112】
また、明度彩度判定部51は、第1色座標変換部50から送られてきた色情報データにおける彩度であるCとC maxとを対比し、C>C maxの場合(S16,YES)、C max=CになるようにC maxを更新する(S17)。一方、明度彩度判定部51は、C≦C maxの場合、C maxを更新しない(S16,NO)。
【0113】
そして、明度彩度判定部51は、入力画像を構成する全画素の画像データに関して、S14からS17までの処理を終了していない場合、S14からS17までの処理を繰り返す(S18,NO)。一方、明度彩度判定部51は、入力画像を構成する全画素の画像データに関して、S14からS17までの処理を終了している場合、次のステップへ処理を移行する(S18,YES)。
【0114】
このようにして、S14〜S18の手順で得られたL maxが入力画像の最大明度となり、C maxが入力画像の最大彩度となる。そして、明度彩度判定部51は、L maxおよびC maxを示した選択信号を出力し(S19)、着色剤選択処理部25へ送信すると共に、L,C,Hの色情報データを第2色座標変換部52へ送信する。そして、第2色座標変換部52は、明度彩度判定部51から受け取ったL,C,Hの色情報データをC,M,Yの画像データに変換する(S20)。
【0115】
つぎに、色補正部20から上記選択信号を受け取った着色剤選択処理部25における処理を説明する。まず、着色剤選択処理部25は、予め定められているテーブルから、上記選択信号に基づいてマトリクスを読み出す。なお、予め定められているテーブルとは、L maxおよびC maxの組み合わせと、各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルをいう。
【0116】
さらに、着色剤選択処理部25では、このように選択されたマトリクスに基づいて、非蛍光インクを使用する旨のドットデータまたは蛍光インクを使用する旨のドットデータを出力する。このようにすることにより、減法混色により再現できないような明度または彩度を示す色が原稿画像に存在する場合であっても、当該色を出力画像において再現することが可能となる。以下、その理由を説明する。
【0117】
図8(a)は、入力画像のあるL値におけるa,b値の分布(斜線部分)と、各色成分の非蛍光インクから得られる色再現域(斜線部分上の白枠部分)を示したものである。上記入力画像において、最大明度または最大彩度を示す画素のL,a,b値は、各色成分の非蛍光インクから得られる色再現域を除いた領域に属することが多い。
【0118】
したがって、このようなL,a,b値を示す画素の画像データから、入力画像における色を適切に再現するためには、非蛍光インクと蛍光インクとを用いて色再現域の拡大を図る必要がある。例えば、着色剤選択処理部25が、図3(c)に示すマトリクスを読み出すと、画像形成時における蛍光インクの配合比率が0.75となるので、色再現域を大幅に拡張でき、入力画像における色を出力画像において適切に再現できる。
【0119】
また、この場合、C,M,Yの全ての色成分について、互いに同一のマトリクスを用いてもよく、図8(b)に示すように、入力画像のa,b値の分布(斜線部分)に偏りがある場合は、色成分ごとに異なるマトリクスを用いても構わない。例えば、図8(b)の入力画像から画像データを取り込んで、上記画像データから画像を出力する場合、M,Yに関しては非蛍光インクと蛍光インクとを用い、Cに関しては非蛍光インクを用いるようにしても構わない。なお、図8(b)における斜線部分上の白枠部分は、非蛍光インクから得られる色再現域を示す。
【0120】
すなわち、色成分ごとで、互いに異なるマトリクスを選択してもよく、また、各色成分において、必ずしも蛍光成分を含んでいなくても良い。さらに、着色剤選択処理部25がマトリクスを読み出した時点で、出力画像における蛍光成分の配合比率が決まるので、マトリクスの組み合わせを代表的な色相毎に決めておくのが好ましい。
【0121】
また、上述した手段では、明度彩度判定部51は、L maxおよびC maxを示した選択信号を出力しているが、L maxのみを示した選択信号、またはC maxのみを示した選択信号であって構わない。
【0122】
さらに、明度彩度判定部51が、L maxのみを示した選択信号を出力する場合、着色剤選択処理部25において予め格納されているテーブルは、L maxと各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルとなる。
【0123】
また、明度彩度判定部51が、C maxのみを示した選択信号を出力する場合、着色剤選択処理部25において予め格納されているテーブルは、C maxと各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルとなる。この場合、図9に示すように、蛍光インクを配合することにより、非蛍光インクのみから出力する画像の色再現域を示した分布(図中の白枠部分)を、網掛け部分の分布にまで近づくように拡張できるようなマトリクスが読みだされる。なお、この場合も、上記マトリクスは色相毎に設定しておくのが好ましい。
【0124】
また、明度彩度判定部51が、原稿画像全体より画像データを取り込んで、明度・彩度・色相の分布を求め、着色剤選択処理部25が上記分布における全ての色、またはほとんどの色を再現できるように、色成分ごとにマトリクスを読み出しても構わない。また、ここで取り込まれる画像データは、全ての画素ではなく、数画素おきのデータでも構わない。例えば、間引き処理を行った数画素おきのデータやプレスキャンを行って主走査方向のデータのみを採用しても良い。プレスキャンは、通常、本スキャンより速い速度で走査されるので、入力されるデータは数ライン毎のデータとなる。
【0125】
さらに、図5のS19に示す手順における選択信号とは、入力画像の色情報データから導かれる最大明度および/または最大彩度であるが、すでに選択されたマトリクスの種類を示すデータを選択信号としても構わない。この場合、画素ごとの明度および彩度の組み合わせと、各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルは色補正部20に格納されている。
【0126】
ここで、画素ごとの明度および彩度に基づいて上記マトリクスが選択される手順を説明する。
【0127】
まず、第1色座標変換部50が、R,G,Bの画像データをL,a,bの色情報データに変換する(S31)。さらに、第1色座標変換部50は、上記L,a,bの色情報データをL,C,Hの色情報データに変換し(S32)、変換後のL,C,Hの色情報データを明度彩度判定部51へ送信する。
【0128】
つぎに、明度彩度判定部51は、L,C,Hの色情報データから、明度および彩度の組み合わせと各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルに基づいて、選択すべきマトリクスを示した選択信号を出力する(S33)。なお、上記選択信号は、着色剤選択処理部25へ画素ごとに送信される。また、明度および彩度の組み合わせと各配合比率のマトリクスのとの対応関係とは、画素ごとの明度および彩度と、その明度および彩度を再現できるような蛍光インクの配合比率のマトリクスとの関係をいう。
【0129】
ここで、着色剤選択処理部25は、上記選択信号に基づいて、図示しないROMに格納されている複数のマトリクスからいずれか1のマトリクスを読み出す。さらに、明度彩度判定部51は、L,C,Hの色情報データを第2色座標変換部52へ送信する。そして、第2色座標変換部52は、明度彩度判定部51から受け取ったL,C,Hの色情報データをC,M,Yの画像データに変換する(S34)。その後、入力画像を構成する全画素の画像データに関して、S31からS34までの処理を終了していない場合、S31からS34までの処理が繰り返される(S35,NO)。一方、原稿画像を構成する全画素の画像データに関して、S31からS34までの処理を終了している場合、次のステップへ処理が移行される(S35,YES)。
【0130】
また、上記テーブルは、明度および彩度の組み合わせと各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したものであるが、明度と各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルであっても構わない。さらに、上記テーブルは、彩度と各配合比率のマトリクスとの対応関係を示したテーブルであっても構わない。
【0131】
また、上記テーブルは、明度および彩度および色相角度の組み合わせと、各配合比率のマトリクスの対応関係を示したテーブルであっても構わない。
【0132】
また、着色剤選択処理部25が、上記色情報データとは無関係に、領域分離処理部19の処理結果に基づいて、領域ごとに配合比率の異なるマトリクスを読み出すこととしても構わない。これにより、出力画像における文字領域、網点領域、写真領域ごとで、蛍光成分の配合比率を異ならせることができ、より好ましい出力画像を形成することができる。
【0133】
なお、領域分離処理部19において、入力画像データを文字・網点・写真領域に分離する方法としては、例えば「画像電子学会研究会予稿90−06−04」に記載されている方法を用いることができる。以下に詳細を説明する。注目画素を中心としたM×N(M、Nは自然数)画素の領域内で以下▲1▼から▲3▼のような判定を行い、それを注目画素の領域識別信号とする。
【0134】
▲1▼領域分離処理部19は、上記領域内の中央の9画素に対して信号レベルの平均値(Dave)を求め、その平均値を用いて領域内の各画素を2値化する。また、領域分離処理部19は、領域内の全画素における最大信号レベルDmax、最小信号レベルDminも同時に求める。
【0135】
▲2▼また、小領域における画像データの変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高いことを利用し、領域分離処理部19によって網点領域が識別される。以下、識別方法を説明する。まず、領域分離処理部19は、2値化されたデータに対して主走査、副走査方向における、0から1への変化点数としてのK、1から0への変化点数であるKを求める。そして、領域分離処理部19は、Kと閾値Tとを比較し、KとTとを比較する。ここで、領域分離処理部19は、K>TかつK>Tである場合、当該領域を網点領域と判定する。
【0136】
また、背景との誤判定を防ぐために、領域分離処理部19は、Dmax−Dminと閾値Bとを比較し、Dave−Dminと閾値Bとを比較しても構わない。ここで、領域分離処理部19は、Dmax−Dmin>BかつDave−Dmin>BかつK>TかつK>Tである場合、当該領域を網点領域と判断し、それ以外の場合、当該領域を非網点領域と判断する。
【0137】
▲3▼さらに、文字領域では最大信号レベルと最小信号レベルの差が大きく、濃度も高いと考えられることを利用して、領域分離処理部19によって文字領域が以下のように識別される。領域分離処理部19は、非網点領域と判断した領域を対象として、先に求めていた最大信号レベルDmaxと閾値Pとを比較し、最小信号レベルDminと閾値Pとを比較し、Dmax−DminをDsubとして、DsubとPとを比較する。ここで、領域分離処理部19は、Dmax>PまたはDmin<PまたはDsub>Pである場合、当該領域を文字領域と判断し、それ以外の場合、当該領域を写真領域と判断する。
【0138】
そして、領域分離処理部19は、このようにして各画素がいずれの領域に属するかを判別すると共に、判別結果を示した領域識別信号を画素ごとに着色剤選択処理部25へ送信する。
【0139】
さらに、着色剤選択処理部25は、以下のようにして、上記領域識別信号に基づいて、画素ごとにマトリクスを読み出す。文字領域、網点領域と判別された画素については、非蛍光インクの色再現域内の色で再現できることが多い。したがって、着色剤選択処理部25は、文字領域、網点領域の画素について、図3(e)に示す蛍光インクの混合比率が0であるマトリクスを読み出す。
【0140】
また、写真領域と判別された画素においては、非蛍光インクの色再現域外の色が比較的多い。したがって、着色剤選択処理部25は、写真領域の画素について、図3(c)に示すような蛍光インクの混合比率の高いマトリクスを読み出すことにより、写真領域の色をほぼ再現している。
【0141】
ただし、網点領域と判別された画素に関しては、彩度を上げた方が好ましい色再現をすることもあるので、蛍光インクの混合比率が文字領域におけるマトリクスと写真領域におけるマトリクスとの中間的なマトリクス(すなわち図3(d))が読み出される。
【0142】
また、色補正部20における色変換処理の際に、人の肌,空の青,草木の緑等の記憶色を示す画素を特定し、当該画素を構成するドットに対してマトリクスを読み出して、蛍光インクを配合した色を再現することも可能である。これにより、記憶色を示す画素から、高彩度かつ視覚に好ましい色再現が可能になる。
【0143】
つまり、上記記憶色を示す画像データについては、正確に色再現を行うよりも、人間が記憶している色に近い色を再現するほうが好ましく、蛍光インクを配合することにより記憶色に係る画素から画像を再現すると、鮮やかな色を表現することが可能となる。ここで好ましいというのは個人差があるので、通常プリンタなどでは多くの被験者の好ましい色の平均値を最も好ましい再現としていることが多い。
【0144】
記憶色は、身近に存在するものに対して、人間がイメージする色をマンセル色票から選ぶことにより決められる。この方法により選ばれた記憶色は、現実に画像入力装置12から取り込まれた画像に比べて彩度が高い。入力した画像データが記憶色であるか否かの判断は色補正部20で行われる(この場合、色補正部20の構成は図4と異なる)。
【0145】
このように、記憶色に係る画像データに対して、非蛍光インクと蛍光インクとを用いて画像を出力することで、彩度が上昇し視覚的に好ましい色再現が可能となる。本実施の形態においては、色補正部20において、R,G,Bの画像データについて、対象となる記憶色の範囲を示したデータを予め設定しておく。そして、色補正部20は、上記範囲内に存在する画像データに対して、記憶色に係る画素と判断する。さらに、着色剤選択処理部25は、記憶色に係る画素に対して、マトリクスを読み出す。これにより、記憶色に係る画素に関して、非蛍光インクと蛍光インクとを適切な配合比率で用いて画像を出力できる。
【0146】
例えば、0から255の範囲で、画像データの階調が表現される場合、R,G,Bの画像データが、110≦R≦150、150≦G≦190、200≦B≦255の範囲にある画素については、空の青色を表す色の記憶色に係る画素と判断するのが好ましい。また、R,G,Bの画像データが、50≦R≦90、120≦G≦170、20≦B≦60の範囲にある画素については、木の葉の緑色を表す色の記憶色に係る画素と判断するのが好ましい。このような記憶色に係る画素から画像を出力する場合、非蛍光インクと蛍光インクとを用いる。
【0147】
但し、肌色については、一般的に、記憶色の方が現実に取り込まれた画像よりも彩度が低いことが多い。したがって、肌色を示す記憶色に係る画素から画像を出力する場合、蛍光インクを用いる必要がない。
【0148】
また、非蛍光インクと蛍光インクとの配合比率は、現実の色と記憶色との彩度差に応じた適切な配合比率が算出されることとして、適切な配合比率を示したマトリクスが着色剤選択処理部25により読み出されるものとする。
【0149】
また、各記憶色の種類に応じて、表現する彩度をオペレータが任意に決定しても構わない。例えば、空の青色を示す記憶色の方が、木の葉の緑色を表す記憶色のよりもより彩度を高くしたほうが好ましい場合、空の青色を示す記憶色に係る画素に対するマトリクスの蛍光インクの配合比率は、木の葉の緑色を示す記憶色に係る画素に対するマトリクスの蛍光インクの配合比率より高いものに設定されることになる。
【0150】
また、上記マトリクスの各要素は、配合比率に応じて蛍光インクを選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって決まることとしても構わない。
【0151】
例えば、蛍光インクの配合比率を1/16刻みで設定できるようにする場合、すなわち17種類のマトリクスが必要な場合(配合比率=0/16も含めると17種類になる)、図6(a)に示すような基準マトリクスを設定しておく。
【0152】
図6(a)〜(f)において、マトリクス内における各要素に付された数字は、蛍光着色インクを選択する優先順序を示す。また、図6(b)〜(f)において、斜線部は蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素を示し、斜線部以外は非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素を示す。
【0153】
ここで、図6(a)に示すように、上記基準マトリクスは16個の要素からなる。そして、配合比率が1/16であれば、上記基準マトリクスから図6(c)に示すマトリクスが生成される。ここで、図6(c)のマトリクスによれば、「1」の優先順序を示す要素が蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応し、それ以外の要素が非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応する。
【0154】
また、配合比率が4/16であれば、上記基準マトリクスから図6(d)に示すマトリクスが生成される。ここで、図6(d)のマトリクスによれば、「1」から「4」の優先順序を示す要素が蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応し、それ以外の要素が非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応する。
【0155】
さらに、配合比率が9/16であれば、上記基準マトリクスから図6(e)に示すマトリクスが生成される。ここで、図6(e)のマトリクスによれば、「1」から「9」の優先順序を示す要素が蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応し、それ以外の要素が非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応する。
【0156】
また、蛍光インクを配合しない(配合比率=0/16)場合は、上記基準マトリクスから図6(b)に示すマトリクスが生成される。ここで、図6(b)のマトリクスによれば、全ての要素が非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応する。
【0157】
さらに、蛍光インクの配合比率が16/16の場合は、上記基準マトリクスから図6(f)に示すマトリクスが生成される。ここで、図6(f)のマトリクスによれば、全ての要素が蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素に対応する。
【0158】
このように、配合比率に応じて蛍光インクを選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素と、非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素とを決定できる。したがって、所望する配合比率を設定するだけで1つの基準マトリクスから互いに配合比率の異なる複数のマトリクスを生成することができる。つまり、1つの基準マトリクスのみ画像処理装置に格納しておけば、互いに配合比率を異にする複数マトリクスを生成することができるため、異なる配合比率ごとにマトリクスを予め格納しておく必要はなく、メモリ容量を削減することができる。
【0159】
以上のように、画像処理装置13によれば、互いに蛍光インクの配合比率が異なる複数のマトリクスが図示しないROMに格納されているが、単一のマトリクスのみが格納されている場合でも、本発明の所望する効果を実現することが可能である。つまり、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素と非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部25が備えられていれば、蛍光インクにより形成されるドットと非蛍光インクにより形成されるドットとを任意に配列することで出力画像を表現できる。このようにして表現される画像においては、いわゆる面積階調の効果により、非蛍光インクと蛍光インクとが混ざっているように見える。したがって、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成においても、非蛍光インクと蛍光インクとが混ざっているようにみせて、画像を出力することができる。
【0160】
また、画像処理装置13によれば、上記マトリクスで定められている非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素と、蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素とで、出力画像の所定範囲内の階調を表現できる。したがって、所望する蛍光インクの含有割合に基づいて、上記マトリクスにおける蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素数とを定めれば、上記所望の含有割合に応じて、画像を出力することが可能になる。これにより、1ドット単位の階調を2段階、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式においても、出力画像に占める蛍光着色剤の配合比率の自由度を高めることができる。
【0161】
また、本実施の形態によれば、着色剤選択処理部25は、上記蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光インクを吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている複数のマトリクスのうち、いずれか1のマトリクスを読み出し、読み出したマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力している。これにより、画像を出力する度に、用いられる非蛍光インクと蛍光インクとの配合比率を変更することが可能となる。
【0162】
さらに、本実施の形態によれば、原稿種別自動判別部17が原稿画像の種類を判別して、着色剤選択処理部25が、原稿種別自動判別部17の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、画像の種類に合った適切な配合比率で、非蛍光インクと蛍光インクとから画像を出力することが可能となる。
【0163】
また、本実施の形態によれば、領域分離処理部19が、入力する画像データに関する各画素を複数の領域に分類している。そして、着色剤選択処理部25が、領域分離処理部19の判別結果に基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、非蛍光インクと蛍光インクとから、入力画像データの画素の属する領域に応じて、蛍光インクのドットと非蛍光インクのドットとを適切な比率で配合した画像を出力することが可能となる。
【0164】
さらに、本実施の形態によれば、色補正部20が、画素ごとに上記画像データを色情報データに変換する。そして、着色剤選択処理部25は、上記色情報データに基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出している。したがって、非蛍光インクと蛍光インクとから、入力画像データの画素の示す色あいを適切に再現することが可能となる。つまり、原稿画像から、非蛍光インクのみでは出力できないような色を画像データとして取り込んだ場合でも、非蛍光着色インクと蛍光着色インクとを配合することで色再現域を拡張して、より原稿画像に近い色を出力できる。
【0165】
また、本実施の形態によれば、色情報データとして明度および/または彩度のデータが用いられているので、色情報データの各画素が、非蛍光着色インクのみから再現できる色再現域に含まれているか否かを判別することが可能となる。なお、上記色情報データは、明度および彩度および色相のデータとしても構わない。
【0166】
また、画像処理装置13において、色補正部20は、上記画像データが所定値範囲にある画素を、記憶色に係る画素と特定し、着色剤選択処理部25は、記憶色に係る画素に関し、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスを読み出す構成としても構わない。
【0167】
このような構成によれば、色補正部20は、上記画像データが所定値範囲にある画素を記憶色に係る画素と特定する。そして、着色剤選択処理部25は、上記記憶色に係る画素に関して、上記記憶色に係る画素を構成するドットに対応する所定のマトリクスを読み出している。ここで、記憶色に係る画素から色再現を行う場合、一般的に高彩度の色を再現することが要求される。上記構成によれば、上記記憶色に係る画素に関して、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスが読み出されるので、非蛍光インクと蛍光インクとを配合した画像を出力でき、上記記憶色を適切に再現することが可能となる。なお、色補正部20は、色情報データに基づいて記憶色に係る画素を特定することとしても構わない。
【0168】
また、本実施の形態によれば、C,M,Yごとに、蛍光着色インクと非蛍光インクの配合比率を適切なものとすることができ、より適切に色再現域を拡張させることができる。
【0169】
また、本発明は、画像処理装置13と、画像処理装置13から送られてきたドットデータに基づいて、非蛍光インクと蛍光インクとを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出する画像出力装置14とを備えたデジタルカラー複写機(画像形成装置)としても構わない。
【0170】
これにより、画像入力装置を備えずに、メモリーカード等から読み出した画像データからドットデータを生成し、該ドットデータに基づいて、非蛍光インクと蛍光インクとを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出することにより、蛍光インクを配合した画像を面積階調方式により形成できる。
【0171】
また、本発明の画像処理方法を、プリンタ・ドライバとして実現するようにしても良い。図7は、コンピュータに備えられるプリンタ・ドライバの構成を示すブロック図である。コンピュータ70は、プリンタ・ドライバ71、通信ポートドライバ77、通信ポート78を含んで構成される。プリンタ・ドライバ71は色補正部72、階調再現処理部73、着色材選択処理部74、出力変換部75、プリンタ言語翻訳部76より構成される。また、コンピュータは、RS232C・LAN等の通信ポートドライバ77・通信ポート78を介してインクジェット方式のプリンタ(画像出力装置)79と接続されている。
【0172】
コンピュータ70において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データは、プリンタ・ドライバ71内の色補正部72に送られる。色補正部72では、画像処理装置13に備えられた色補正部20と同様の処理を画像データに施す。さらに色補正部72では、カラー画像処理装置13における黒生成下色除去部21での処理も行う。色補正部72より出力された画像データは、次に階調再現処理部73に送られ、階調補正処理および中間調生成処理が施される。階調再現処理部73において処理がなされた画像データは、着色材選択処理部74により、非蛍光インク成分と蛍光インク成分に分ける処理が行われ、出力変換部75に送られる。なお、着色材選択処理部74においては、一定の着色材選択マトリクスにより処理しても良いが、色補正部72における色情報に基づいて画像毎あるいは画素毎に着色材選択マトリクスを切り換えても良い。さらに、画像データは、プリンタ言語翻訳部76に送られ、プリンタ言語に変換される。プリンタ言語翻訳部76から出力された画像データは、通信ポートドライバ77・通信ポート(RS232C・LAN等)78を介して、インクジェット方式であるプリンタ79に入力される。プリンタ79では、入力された画像データに基づく画像を紙等の記録媒体に出力する。プリンタ79は、プリンタ機能の他にコピー機能およびファックス機能を有するデジタル複合機であっても良い。
【0173】
また、上記プリンタ・ドライバ71をコンピュータ70ではなくプリンタ79に備えるようにし、デジタルカメラなどで撮像された画像データをメモリカード、あるいは、USB(Universe Serial Bus)などのケーブルを介して入力し、プリンタで上記と同様の処理を行うようにしても良い。
【0174】
また、本発明は、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、画像処理方法を記録することにより実現することもできる。この結果、画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0175】
なお、上記の記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0176】
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0177】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
【0178】
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
【0179】
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0180】
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像読取装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
【0181】
本発明は、インクジェット方式の画像形成装置のみならず、例えば、トナーを記録媒体に吐出して画像を記録する電子写真方式等の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0182】
最後に、上述した実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0183】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置は、以上のように、面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理装置であって、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部が備えられていることを特徴とする。
【0184】
これにより、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成においても、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを混ざっているようにみせて、画像を出力することができるという効果を奏する。
【0185】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記マトリクスは、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数とを定めたデータであることを特徴とする。
【0186】
これにより、1ドット単位の階調を2段階、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式においても、出力画像に占める蛍光着色剤の配合比率の自由度を高めることができるという効果を奏する。
【0187】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記着色剤選択処理部は、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている複数のマトリクスのうち、いずれか1のマトリクスを読み出し、読み出したマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力することを特徴とする。
【0188】
これにより、画像を出力する度に、用いられる非蛍光着色剤と蛍光着色剤との配合比率を変更することが可能になるという効果を奏する。
【0189】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、原稿画像の種類を判別する原稿画像判別部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記原稿画像判別部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0190】
これにより、原稿画像の種類に合った適切な配合比率で、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とから画像を出力することが可能になるという効果を奏する。
【0191】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、入力する画像データに関する各画素を複数の領域に分類する領域分離処理部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記領域分離処理部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを画素ごとに読み出すことを特徴とする。
【0192】
これにより、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とから、入力画像データの画素の属する領域に応じて、蛍光着色剤と非蛍光着色剤とを適切な比率で配合した画像を出力することが可能になるという効果を奏する。
【0193】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、画素ごとに上記画像データを色情報データに変換する色情報データ生成部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記色情報データに基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0194】
これにより、原稿画像から、非蛍光着色剤のみでは出力できないような色を画像データとして取り込んだ場合でも、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを配合することで色再現域を拡張して、より原稿画像に近い色を出力できるという効果を奏する。
【0195】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記色情報データとは、明度および/または彩度に関するデータであることを特徴とする。
【0196】
これにより、色情報データの各画素が、非蛍光着色剤のみから再現できる色再現域に含まれているか否かを判別することが可能になるという効果を奏する。
【0197】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記色情報データ生成部は、画素ごとに与えられている画像データが所定値範囲にある画素を、記憶色に係る画素と特定し、上記着色剤選択処理部は、記憶色に係る画素に関し、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0198】
これにより、上記記憶色に係る画素に関して、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスが読み出されるので、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを配合した画像を出力でき、上記記憶色を適切に再現することが可能になるという効果を奏する。
【0199】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、上記マトリクスの各要素は、配合比率に応じて蛍光着色剤を選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって決まることを特徴とする。
【0200】
これにより、1つの基準マトリクスのみ画像処理装置に格納しておけば、互いに配合比率を異にする複数マトリクスを生成することができるため、異なる配合比率ごとにマトリクスを予め格納しておく必要はなく、メモリ容量を削減することができるという効果を奏する。
【0201】
本発明の画像処理装置は、上記構成に加えて、色成分の画像データごとに異なるマトリクスを読み出すことを特徴とする。
【0202】
これにより、色成分ごとの画像データで、蛍光着色剤と非蛍光着色剤の配合比率をそれぞれ適切なものとすることができ、より適切に色再現域を拡張させることができるという効果を奏する。
【0203】
本発明の画像形成装置は、以上のように、上記画像処理装置と、上記画像処理装置から送られてきたドットデータに基づいて、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出する画像出力装置とを備えたことを特徴とする。
【0204】
これにより、1ドット当たりの着色剤吐出量が一定であっても、非蛍光着色剤と蛍光着色剤との配合比率を自由に選択して、面積階調方式により画像を形成することが可能になるという効果を奏する。
【0205】
本発明の画像処理方法は、以上のように、面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理方法であって、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、ドットデータを出力することを特徴とする。
【0206】
これにより、1ドット単位の階調を一定、もしくは、1ドット単位の階調を数段階しか調整できない面積階調方式に基づく画像形成においても、非蛍光着色剤に蛍光着色剤を混ぜて、画像を出力することができるという効果を奏する。
【0207】
本発明の画像処理プログラムは、上記課題を解決するために、上記画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。また、本発明の画像処理プログラムは、上記課題を解決するために、上記画像処理装置が備えている各部として、コンピュータを機能させるための画像処理プログラムであってもよい。さらに、本発明は、上記画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能にしてなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体としても構わない。
【0208】
これにより、上記記録媒体、またはネットワークを介して、一般的なコンピュータに画像処理プログラムをインストールすることによって、該コンピュータを用いて上記の画像処理方法を実現する、言い換えれば、該コンピュータを画像処理装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置、画像出力装置を備えたデジタルカラー複写機の概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理方法の手順を示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係るマトリクスを示した説明図であって、(a)は蛍光インクの配合比率=0.5のマトリクス、(b)は上記配合比率=0.25のマトリクス、(c)は上記配合比率=0.75のマトリクス、(d)は上記配合比率=0.4のマトリクス、(e)は上記配合比率=0のマトリクス、(f)は上記配合比率=1のマトリクスを示す。
【図4】上記画像処理装置の構成要素である色補正部の概略構成を示したブロック図である。
【図5】上記色補正部で実現される処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】各要素に対しインクの吐出順序を示したデータを設定した上記マトリクスの説明図であって、(a)は基準マトリクス、(b)は蛍光インクの配合比率=0/16のマトリクス、(c)は上記配合比率=1/16のマトリクス、(d)は上記配合比率=4/16のマトリクス、(e)は上記配合比率=9/16のマトリクス、(f)は上記配合比率=16/16のマトリクスを示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像処理方法が実現されるプリンタ・ドライバを備えるコンピュータの概略構成を示したブロック図である。
【図8】(a)は、入力画像のa値の分布と非蛍光インクから得られる色再現域とを示した平面図であり、(b)は、別の入力画像のa値の分布と非蛍光インクから得られる色再現域を示した平面図である。
【図9】入力画像のL値の分布と非蛍光インクから得られる色再現域を示した平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示した斜視図である。
【図11】上記画像形成装置に備えられているインクタンクを示した斜視図である。
【図12】上記色補正部で実現されている処理であって、図5の処理とは異なる処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
11 デジタルカラー複写機(画像形成装置)
12 画像入力装置
13 画像処理装置
14 画像出力装置
17 原稿種別自動判別部(原稿画像判別部)
19 領域分離処理部
20 色補正部(色情報データ生成部)
25 着色剤選択処理部

Claims (15)

  1. 面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理装置であって、
    蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力する着色剤選択処理部が備えられていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記マトリクスは、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数とを定めたデータであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記着色剤選択処理部は、蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数と、非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素数との比率をそれぞれで異ならせている複数のマトリクスのうち、いずれか1のマトリクスを読み出し、読み出したマトリクスに基づいて、上記ドットデータを出力することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 原稿画像の種類を判別する原稿画像判別部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記原稿画像判別部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 入力する画像データに関する各画素を複数の領域に分類する領域分離処理部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記領域分離処理部の判別結果に基づいて、いずれか1のマトリクスを画素ごとに読み出すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 画素ごとに上記画像データを色情報データに変換する色情報データ生成部が備えられ、上記着色剤選択処理部は、上記色情報データに基づいて、画素ごとにいずれか1のマトリクスを読み出すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 上記色情報データとは、明度および/または彩度に関するデータであることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 上記色情報データ生成部は、画素ごとに与えられている画像データが所定値範囲にある画素を、記憶色に係る画素と特定し、
    上記着色剤選択処理部は、記憶色に係る画素に関し、上記記憶色に係る画素に対応する所定のマトリクスを読み出すことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  9. 上記マトリクスの各要素は、配合比率に応じて蛍光着色剤を選択する優先順序を示したデータが設定されている基準マトリクスと配合比率とによって決まることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  10. 色成分ごとの画像データで、それぞれ異なるマトリクスを読み出すことを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像処理装置と、上記画像処理装置から送られてきたドットデータに基づいて、非蛍光着色剤と蛍光着色剤とを別々の吐出口からそれぞれ一定量で吐出する画像出力装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 面積階調方式により画像を形成するための画素ごとに与えられるドットデータを出力する画像処理方法であって、
    蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素と非蛍光着色剤を吐出することにより画素を表す要素とをどのように配列するかを定めたマトリクスに基づいて、ドットデータを出力することを特徴とする画像処理方法。
  13. 請求項12に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  14. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像処理装置が備えている各部として、コンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
  15. 請求項13または14に記載の画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能にしてなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
JP2003089334A 2003-03-27 2003-03-27 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体 Withdrawn JP2004291509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003089334A JP2004291509A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003089334A JP2004291509A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004291509A true JP2004291509A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33403202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003089334A Withdrawn JP2004291509A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004291509A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113808004A (zh) * 2020-06-11 2021-12-17 丰田自动车株式会社 图像变换装置、图像变换方法以及图像变换用计算机程序

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113808004A (zh) * 2020-06-11 2021-12-17 丰田自动车株式会社 图像变换装置、图像变换方法以及图像变换用计算机程序
CN113808004B (zh) * 2020-06-11 2023-09-29 丰田自动车株式会社 图像变换装置、图像变换方法以及图像变换用计算机程序

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8040569B2 (en) Image processing apparatus and method for contrast processing and intermediate color removal
JP4139834B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4495197B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録する記録媒体
US7742194B2 (en) Image processing device, image processing method, image forming apparatus, image processing program, and storage medium
JP4531606B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、および画像処理方法
JP4226278B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、およびこれを記録した記録媒体
JP2005286571A (ja) 画像処理装置、画像処理装置を備えた画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録した記録媒体
JP2002325182A (ja) 画像処理方法および画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置
JP7123752B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体
JP7266462B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及びプログラム
JP2002218271A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、並びに画像処理方法
JP3738810B2 (ja) 画像印刷方法および装置
JP2004291510A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体
JP4080252B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体
JP2004291509A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体
JP4149368B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置及び画像形成装置、コンピュータプログラム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体
JP2003264701A (ja) 画像処理方法および画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置
JP3927426B2 (ja) 画像処理方法および画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置
JP2005072635A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2004248103A (ja) 画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、およびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4101741B2 (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体
JP2011015172A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムが記録される記録媒体
JP2004357010A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体
JP2003219178A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、および画像形成装置
JP2004242106A (ja) 画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録した記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606