JP2004290007A - 乾燥シート状梅干 - Google Patents
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Abstract
【課題】種を取り除いた梅実の加工食品をボリューム感のある食品にし、従来にないシート状の梅干加工食品として、多様な利用形態に供することのできるものとすることである。
【解決手段】塩漬されて熟成した梅肉の粉砕物2と、アマノリやワカメなどの食用の海藻1もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物をシート状に抄製し、水分含量が30%未満に乾燥させた乾燥シート状梅干とする。緑色などの呈する自然色の海藻1と、紅色の梅肉の粉砕物2とが折り重なるように混在しており、食すれば磯の香りと梅干の風味が混和して嗜好性の高い食品が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】塩漬されて熟成した梅肉の粉砕物2と、アマノリやワカメなどの食用の海藻1もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物をシート状に抄製し、水分含量が30%未満に乾燥させた乾燥シート状梅干とする。緑色などの呈する自然色の海藻1と、紅色の梅肉の粉砕物2とが折り重なるように混在しており、食すれば磯の香りと梅干の風味が混和して嗜好性の高い食品が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加工された梅干である乾燥シート状梅干に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、梅干(以下、梅漬けを含めて称する。)は、梅の実を塩漬にし、1〜4ヶ月程度熟成させ、所望により紫蘇の葉や食用色素を入れて着色し、また夏季に3〜4日程度日干しをして表面を乾燥させて、食感を向上させると共に肉くずれを防止して出荷されるものが一般的である。
【0003】
このような梅干は、クエン酸その他多種類の有機酸を多く含んでいて、消化を促進すると共に、ヒトの健康に種々の良い影響を与える保健健康食品として知られている。
【0004】
ところで、梅干の可食部は、種の周りに肥厚している果肉であるから、種と果肉を分離すれば食べやすくなるが、分離した果肉だけでは保形性がないから、一定の形状のある食品として成形などをするためには、ゲル化剤などを添加しなければならなず、その場合には味や舌触りが加工前より悪くなってしまうことが多い。
【0005】
梅肉加工の具体例としては、塩漬されかつ熟成された梅肉のすり身を成形機により、団子状、棒状、板状などに成形し、これをジェランガムなどの増粘多糖類の配合液に浸漬して表面に増粘多糖類の被膜を形成し、次いで食用油などの剥離性物質を噴霧塗布して乾燥させたものであって、口当たりがよく、また外観や保存性も良い加工梅が知られている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−131066号公報(特許請求の範囲、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の梅干の加工食品は、種を取り除いて梅肉をある程度肉厚の板状などに成形する際に、増粘多糖類の配合液に浸漬して表面に被膜を形成しているので、皮膜は本来の果実の皮のような食感ではなく、また成形によるボリューム感がなく、食材としての用途も種と梅肉を分離する以前とほとんど変わらないものであった。
【0008】
そのため、上記した従来技術では、梅の加工食品は、果肉をまとめた物に過ぎないものとなり、これでは新しい食材に利用したとは言い難いものであった。
【0009】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、種を取り除いた梅実の加工食品をボリューム感のある食品にし、これにより商品の付加価値を高め、また従来にない形状の梅干加工食品として、多様な利用形態に供することのできる梅干の加工食品とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、塩漬されて熟成した梅肉の粉砕物と、海藻もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物をシート状に抄製し、水分含量が30%未満に乾燥させてなる乾燥シート状梅干としたのである。
【0011】
上記したように構成されるこの発明の乾燥シート状梅干は、抄製することにより、従来の梅干の乾燥状態を超えて充分に乾燥させることが可能となり、たとえば紙または乾海苔のように薄いシート状に形成されたものであって、乾燥の程度が、水分含量を30%未満とする乾燥状態のものである。
【0012】
このような形状と乾燥状態からなる梅干加工品としたものであるから、僅かな重量であってもボリューム感があり、重量当りの付加価値の高いものになる。
【0013】
また、適宜に湿らせれば曲げることも可能なシート状であるから、通常の乾海苔と同様に巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯、米菓、麺類、惣菜類にふりかけたり、そのままスナック菓子やお茶受け、その他の多様な食材として使用できる。
【0014】
特に、結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になって好ましい。
【0015】
このような乾燥シート状梅干のうち、特にテングサやフノリを用いる場合には、これらの熱水抽出物を添加すると、糊状の成分のみを添加することができ、外形状として梅干の破片同士が乾燥して結合したものであり、梅干の含有量の高い乾燥シート状梅干を製造することができる。
【0016】
また、海藻が、アマノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用の海藻である場合には、乾燥した海藻そのものを適宜な大きさに粉砕して混合することができる。このようにするとこれらの海藻から浸出して乾燥すると硬化する糊状の成分でもって、梅干の果肉と海藻との混合物を和紙のように抄製して乾燥シート状梅干を製造することができる。このようにすると、紅色の梅干の果肉と緑色の所定の海藻が折り重なって漉き込まれて装飾された和紙のようになり、外観にも優れた食品を製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明に用いる塩漬されて熟成した梅肉は、いわゆる梅漬または梅干と称される周知の食品を利用するものであり、梅肉以外の種は取り除くようにする。
【0018】
すなわち、梅の実を塩漬にし、1〜4ヶ月程度熟成させ、所望により紫蘇の葉や食用色素を入れて着色し、また夏季に3〜4日程度日干しをして表面を乾燥させ、このよう梅干を粉砕して、種を取り除き、梅肉のみとする。梅肉は、その表皮の形状が最大径で2〜10mm程度に残るように粉砕することが、後の工程で抄製を良く行なうために好ましいことである。
【0019】
この発明に用いる海藻は、食用海藻であって粘着性成分を含有し、食味の良いものであれば、特に種類を限定することなく、乾燥物を粉砕して使用することができる。粉砕の程度は、特に限定されるものではなく、ワカメ、アオサ、アマノリの葉部のような薄肉のものは、乾燥品を1〜30mm角程度にカッターや手で砕いてもよく、コンブのような肉厚のものは細かく粉砕するか、予めトロロコンブのように薄く切削したものを裁断または粉砕して用いることが好ましい。
【0020】
そのような食用海藻の具体例としては、例えば紅藻類のうち、食用とされるものであり、ウシケノリ科、アマノリ属のアサクサノリ、イワノリ、マルバアマノリ、ウップルイノリ、クロノリ、チシマクロノリ、コスジノリ、スサビノリなどが挙げられる。また、テングサ類、フノリ類を用いることもできる。
【0021】
テングサ類やフノリ類(マフノリ、ハナフノリ、フクロフノリなど)は、そのまま粉砕して用いてもよいが、熱水に浸漬してガラクタンを含有する寒天質を抽出し、これを添加することが好ましい。一般的には熱水抽出は、80〜100℃の熱水に10分以上浸漬し、固形物を分離して行なうことができる。
【0022】
結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になるが、その場合には、通常の海苔と同じように、「火入れ」と呼ばれる2次乾燥を行なうことが好ましい。
【0023】
また、ゼラチンは、通常、コラーゲンを水と共に長時間煮沸するという周知の人為的処理によって得られるものであり、食品として市販のものを使用することができる。
【0024】
上述のようにして得られる梅肉の粉砕物と、海藻もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物は、適当量の水を加えて流動性を高め、容器内でできるだけ均一に分散した状態におき、適量を簾または網などからなる平面状のスクリーンで均一な厚みに漉し取られるように掬って、脱水させながらスクリーンから剥離したシートを自然乾燥し、さらに必要に応じて加熱乾燥して抄製する。
【0025】
乾燥の程度は、水分含量を30%未満とすればよく、特に保存状態を良くするために5〜15%程度にすることも好ましい。一旦、乾燥した乾燥シート状梅干は、流通状態で吸湿を防止するために、密封包装すると共に、窒素充填包装するか、または脱酸素剤を使用することも好ましく、このようにすると海藻に含まれる脂質やカロチノイドの劣化を抑制することもできる。
【0026】
図1および図2に示すように、このようにして乾燥させたシートの外観は、緑色などの呈する自然色の海藻1と、紅色の梅肉の粉砕物2とが折り重なるように混在しており、食すれば磯の香りと梅干の風味が混和して嗜好性の高い食品が得られる。
【0027】
このようなシート状梅干の厚みは、通常、1〜3mm程度とすることがパリパリとした食感を楽しめるようにするため好ましく、また適宜に湿らせるとたわみやすくなり、通常の乾海苔と同様に巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯、米菓、麺類、惣菜類に振りかけたり、そのままスナック菓子やお茶受け、その他の多様な食材として使用できるものになる。
【0028】
【実施例】
梅干から種を取り除いて得られた梅肉を調理用電動カッターの回転刃で粉砕することにより、ペースト状に調製した粉砕物2kgと、アサクサノリを主成分としアオノリとアオサを添加した海藻2kgとの混合物に、水を添加して抄造可能な流動性のある状態に調製し、これをパレット状の容器内で網ですくい上げてシート状に抄製し、自然乾燥させた後、温度50℃で5時間乾燥させて水分含量が約20%に乾燥させた乾燥シート状梅干を製造した。
得られた乾燥シート状梅干は、10cm角の大きさで2g程度と軽量であり、ボリューム感があって、食すると梅干の香りと海苔の芳香が合わさって、巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯に振り掛けるなどによって、美味に食することのできるものが得られ、付加価値の高い乾燥シート状梅干であった。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、塩漬の梅肉粉砕物と、所定の結着性食材との混合物をシート状に抄製し、乾燥させた乾燥シート状梅干としたので、梅実の加工食品が、充分にボリューム感のある食品になり、このような商品の付加価値が高まって、従来にない形状の梅干加工食品として、多様な利用形態に供することのできる利点がある。
【0030】
結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の乾燥シート状梅干を示す平面図
【図2】実施形態の乾燥シート状梅干の断面を模式的に示す説明図
【符号の説明】
1 海藻
2 梅肉の粉砕物
【発明の属する技術分野】
この発明は、加工された梅干である乾燥シート状梅干に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、梅干(以下、梅漬けを含めて称する。)は、梅の実を塩漬にし、1〜4ヶ月程度熟成させ、所望により紫蘇の葉や食用色素を入れて着色し、また夏季に3〜4日程度日干しをして表面を乾燥させて、食感を向上させると共に肉くずれを防止して出荷されるものが一般的である。
【0003】
このような梅干は、クエン酸その他多種類の有機酸を多く含んでいて、消化を促進すると共に、ヒトの健康に種々の良い影響を与える保健健康食品として知られている。
【0004】
ところで、梅干の可食部は、種の周りに肥厚している果肉であるから、種と果肉を分離すれば食べやすくなるが、分離した果肉だけでは保形性がないから、一定の形状のある食品として成形などをするためには、ゲル化剤などを添加しなければならなず、その場合には味や舌触りが加工前より悪くなってしまうことが多い。
【0005】
梅肉加工の具体例としては、塩漬されかつ熟成された梅肉のすり身を成形機により、団子状、棒状、板状などに成形し、これをジェランガムなどの増粘多糖類の配合液に浸漬して表面に増粘多糖類の被膜を形成し、次いで食用油などの剥離性物質を噴霧塗布して乾燥させたものであって、口当たりがよく、また外観や保存性も良い加工梅が知られている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−131066号公報(特許請求の範囲、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の梅干の加工食品は、種を取り除いて梅肉をある程度肉厚の板状などに成形する際に、増粘多糖類の配合液に浸漬して表面に被膜を形成しているので、皮膜は本来の果実の皮のような食感ではなく、また成形によるボリューム感がなく、食材としての用途も種と梅肉を分離する以前とほとんど変わらないものであった。
【0008】
そのため、上記した従来技術では、梅の加工食品は、果肉をまとめた物に過ぎないものとなり、これでは新しい食材に利用したとは言い難いものであった。
【0009】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、種を取り除いた梅実の加工食品をボリューム感のある食品にし、これにより商品の付加価値を高め、また従来にない形状の梅干加工食品として、多様な利用形態に供することのできる梅干の加工食品とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、塩漬されて熟成した梅肉の粉砕物と、海藻もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物をシート状に抄製し、水分含量が30%未満に乾燥させてなる乾燥シート状梅干としたのである。
【0011】
上記したように構成されるこの発明の乾燥シート状梅干は、抄製することにより、従来の梅干の乾燥状態を超えて充分に乾燥させることが可能となり、たとえば紙または乾海苔のように薄いシート状に形成されたものであって、乾燥の程度が、水分含量を30%未満とする乾燥状態のものである。
【0012】
このような形状と乾燥状態からなる梅干加工品としたものであるから、僅かな重量であってもボリューム感があり、重量当りの付加価値の高いものになる。
【0013】
また、適宜に湿らせれば曲げることも可能なシート状であるから、通常の乾海苔と同様に巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯、米菓、麺類、惣菜類にふりかけたり、そのままスナック菓子やお茶受け、その他の多様な食材として使用できる。
【0014】
特に、結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になって好ましい。
【0015】
このような乾燥シート状梅干のうち、特にテングサやフノリを用いる場合には、これらの熱水抽出物を添加すると、糊状の成分のみを添加することができ、外形状として梅干の破片同士が乾燥して結合したものであり、梅干の含有量の高い乾燥シート状梅干を製造することができる。
【0016】
また、海藻が、アマノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用の海藻である場合には、乾燥した海藻そのものを適宜な大きさに粉砕して混合することができる。このようにするとこれらの海藻から浸出して乾燥すると硬化する糊状の成分でもって、梅干の果肉と海藻との混合物を和紙のように抄製して乾燥シート状梅干を製造することができる。このようにすると、紅色の梅干の果肉と緑色の所定の海藻が折り重なって漉き込まれて装飾された和紙のようになり、外観にも優れた食品を製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明に用いる塩漬されて熟成した梅肉は、いわゆる梅漬または梅干と称される周知の食品を利用するものであり、梅肉以外の種は取り除くようにする。
【0018】
すなわち、梅の実を塩漬にし、1〜4ヶ月程度熟成させ、所望により紫蘇の葉や食用色素を入れて着色し、また夏季に3〜4日程度日干しをして表面を乾燥させ、このよう梅干を粉砕して、種を取り除き、梅肉のみとする。梅肉は、その表皮の形状が最大径で2〜10mm程度に残るように粉砕することが、後の工程で抄製を良く行なうために好ましいことである。
【0019】
この発明に用いる海藻は、食用海藻であって粘着性成分を含有し、食味の良いものであれば、特に種類を限定することなく、乾燥物を粉砕して使用することができる。粉砕の程度は、特に限定されるものではなく、ワカメ、アオサ、アマノリの葉部のような薄肉のものは、乾燥品を1〜30mm角程度にカッターや手で砕いてもよく、コンブのような肉厚のものは細かく粉砕するか、予めトロロコンブのように薄く切削したものを裁断または粉砕して用いることが好ましい。
【0020】
そのような食用海藻の具体例としては、例えば紅藻類のうち、食用とされるものであり、ウシケノリ科、アマノリ属のアサクサノリ、イワノリ、マルバアマノリ、ウップルイノリ、クロノリ、チシマクロノリ、コスジノリ、スサビノリなどが挙げられる。また、テングサ類、フノリ類を用いることもできる。
【0021】
テングサ類やフノリ類(マフノリ、ハナフノリ、フクロフノリなど)は、そのまま粉砕して用いてもよいが、熱水に浸漬してガラクタンを含有する寒天質を抽出し、これを添加することが好ましい。一般的には熱水抽出は、80〜100℃の熱水に10分以上浸漬し、固形物を分離して行なうことができる。
【0022】
結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になるが、その場合には、通常の海苔と同じように、「火入れ」と呼ばれる2次乾燥を行なうことが好ましい。
【0023】
また、ゼラチンは、通常、コラーゲンを水と共に長時間煮沸するという周知の人為的処理によって得られるものであり、食品として市販のものを使用することができる。
【0024】
上述のようにして得られる梅肉の粉砕物と、海藻もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物は、適当量の水を加えて流動性を高め、容器内でできるだけ均一に分散した状態におき、適量を簾または網などからなる平面状のスクリーンで均一な厚みに漉し取られるように掬って、脱水させながらスクリーンから剥離したシートを自然乾燥し、さらに必要に応じて加熱乾燥して抄製する。
【0025】
乾燥の程度は、水分含量を30%未満とすればよく、特に保存状態を良くするために5〜15%程度にすることも好ましい。一旦、乾燥した乾燥シート状梅干は、流通状態で吸湿を防止するために、密封包装すると共に、窒素充填包装するか、または脱酸素剤を使用することも好ましく、このようにすると海藻に含まれる脂質やカロチノイドの劣化を抑制することもできる。
【0026】
図1および図2に示すように、このようにして乾燥させたシートの外観は、緑色などの呈する自然色の海藻1と、紅色の梅肉の粉砕物2とが折り重なるように混在しており、食すれば磯の香りと梅干の風味が混和して嗜好性の高い食品が得られる。
【0027】
このようなシート状梅干の厚みは、通常、1〜3mm程度とすることがパリパリとした食感を楽しめるようにするため好ましく、また適宜に湿らせるとたわみやすくなり、通常の乾海苔と同様に巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯、米菓、麺類、惣菜類に振りかけたり、そのままスナック菓子やお茶受け、その他の多様な食材として使用できるものになる。
【0028】
【実施例】
梅干から種を取り除いて得られた梅肉を調理用電動カッターの回転刃で粉砕することにより、ペースト状に調製した粉砕物2kgと、アサクサノリを主成分としアオノリとアオサを添加した海藻2kgとの混合物に、水を添加して抄造可能な流動性のある状態に調製し、これをパレット状の容器内で網ですくい上げてシート状に抄製し、自然乾燥させた後、温度50℃で5時間乾燥させて水分含量が約20%に乾燥させた乾燥シート状梅干を製造した。
得られた乾燥シート状梅干は、10cm角の大きさで2g程度と軽量であり、ボリューム感があって、食すると梅干の香りと海苔の芳香が合わさって、巻き寿司やお握りに巻いたり、刻んで米飯に振り掛けるなどによって、美味に食することのできるものが得られ、付加価値の高い乾燥シート状梅干であった。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、塩漬の梅肉粉砕物と、所定の結着性食材との混合物をシート状に抄製し、乾燥させた乾燥シート状梅干としたので、梅実の加工食品が、充分にボリューム感のある食品になり、このような商品の付加価値が高まって、従来にない形状の梅干加工食品として、多様な利用形態に供することのできる利点がある。
【0030】
結着性食材として使用する海藻が、アマノリ、テングサ、フノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用海藻である場合には、海苔などの香味と相性よく一体となった乾燥シート状梅干になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の乾燥シート状梅干を示す平面図
【図2】実施形態の乾燥シート状梅干の断面を模式的に示す説明図
【符号の説明】
1 海藻
2 梅肉の粉砕物
Claims (3)
- 塩漬されて熟成した梅肉の粉砕物と、海藻もしくはその熱水抽出物またはゼラチンからなる結着性食材との混合物をシート状に抄製し、水分含量が30%未満に乾燥させてなる乾燥シート状梅干。
- 海藻が、アマノリおよびワカメから選ばれる一種以上の食用の海藻である請求項1に記載の乾燥シート状梅干。
- 熱水抽出物が、テングサおよびフノリから選ばれる一種以上の海藻の熱水抽出物である請求項1に記載の乾燥シート状梅干。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003083158A JP2004290007A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 乾燥シート状梅干 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003083158A JP2004290007A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 乾燥シート状梅干 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004290007A true JP2004290007A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=32985038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003083158A Pending JP2004290007A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 乾燥シート状梅干 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004290007A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015012817A (ja) * | 2013-07-04 | 2015-01-22 | 日本エフディ株式会社 | 果実含有フレーク及びその製造方法 |
Citations (5)
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---|---|---|---|---|
JPS51148054A (en) * | 1975-06-12 | 1976-12-18 | Makoto Shibata | Method of making dried laver like pickled plum |
JPS57141268A (en) * | 1982-01-20 | 1982-09-01 | Tomoko Shimizu | Seasoned dried ume flesh |
JPS63267245A (ja) * | 1987-04-24 | 1988-11-04 | Ina Shokuhin Kogyo Kk | 寒天及びその製造方法 |
JPH04281755A (ja) * | 1991-03-11 | 1992-10-07 | Kiteii:Kk | 握り飯用のシート状具材の製造法 |
JPH06181713A (ja) * | 1992-12-22 | 1994-07-05 | Shokuhin Oyo Kaihatsu Kenkyusho:Kk | 梅干様食品及びその製造法 |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003083158A patent/JP2004290007A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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