JP2004289217A - 振動片の製造方法、振動片および振動子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理部材20は、基板1、基板1上に設けられており、第一の開口部6を形成している金属マスク5A、5B、および金属マスク5A、5Bと第一の開口部6とを被覆するフォトレジスト膜7Aを備えている。フォトレジスト膜7Aに第二の開口部10が形成されている。被処理部材20をエッチング処理することによって、第二の開口部10に対応して振動片の輪郭12を形成する。次いでフォトレジスト膜7Aを除去する。次いで、振動子1Aをエッチング処理することによって、第一の開口部6に対応して振動片に凹部を形成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、振動片の製造方法、振動片および振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特許文献1には、振動片の両方の主面に溝を形成し、振動片の断面をH型とするための製法が記載されている。具体的には、水晶ウエハの表面と裏面とに金属マスクを形成し、この金属マスク上にフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をパターニングする。そしてフォトレジスト膜のパターンに合わせて金属マスクをパターニングする。このパターンは、振動子の外形輪郭に合わせて設計されている。次いで、金属マスクパターン上にフォトレジスト膜を成膜し、次いでフォトレジスト膜をパターニングする。このフォトレジスト膜のパターンは、振動片の溝のパターンに合わせて設計されている。次いで金属マスクのパターンに合わせて水晶ウエハをエッチングし、振動片の外形輪郭を成形する。次いで、金属マスクを溝パターンに合わせてパターニングし、次いでエッチングによって振動片に溝を形成する。
【特許文献1】
特開2002−76806号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この製法によれば、振動片に形成される溝の寸法精度は優れている。しかし、振動片の外形輪郭が設計パターンと異なってくる。具体的には、振動片の太さが、設計値に比べて小さくなり、振動片の共振周波数が設計値に比べてずれるという問題があった。そして、振動片の共振周波数の設計値からのずれが、製造された各振動子ごとに異なることもあり、製造歩留り低下の原因となっていた。
【0004】本発明の課題は、凹部が形成されている振動片を製造するのに際して、振動片の外形輪郭の寸法精度を高くできるような方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、凹部が形成されている振動片を製造する方法であって、
基板、この基板上に設けられており、第一の開口部を形成している金属マスク、および金属マスクと第一の開口部とを被覆するフォトレジスト膜を備えており、このフォトレジスト膜に第二の開口部が形成されている被処理部材をエッチング処理することによって、第二の開口部に対応して振動片の輪郭を形成する第一のエッチング工程、
フォトレジスト膜を除去する除去工程、および
基板をエッチング処理することによって、第一の開口部に対応して凹部を形成する第二のエッチング工程を有することを特徴とする。
【0006】また、本発明は、前記方法によって製造されたことを特徴とする、振動片に係るものであり、またこの振動片を備えている振動子に係るものである。
【0007】本発明者は、例えば特許文献1記載のような製法で振動片の輪郭と凹部とを二段階で成形する場合に、振動片の幅が設計値に比べて小さくなる原因を検討し、以下の知見を得た。即ち、第一のエッチング工程では、金属マスクのパターンに合わせて水晶ウエハをエッチングし、振動片の外形輪郭を成形している。次いで、金属マスクを溝パターンに合わせてパターニングし、次いでエッチングによって振動片に溝を形成する(第二のエッチング工程)。しかし、金属マスクを溝パターンに合わせてパターニングするときに、金属マスクにサイドエッチングが発生しやすい。こうなると基板に溝を形成するエッチング工程において、振動片の外形輪郭の方も更にエッチングされ、振動片が細くなり易い。
【0008】本発明によれば、第一のエッチング工程においては、フォトレジスト膜の開口部から基板をエッチングし、振動片の輪郭を形成している。この後でフォトレジスト膜を除去すると、第一の開口部を形成しているパターニング後の金属マスクが露出する。この後に基板をエッチング処理することによって、第一の開口部に対応して凹部を形成する。
【0009】つまり、振動片の輪郭形成用のエッチング工程時に、フォトレジスト膜をマスクとして転用しており、溝形成用のパターニングが施された金属マスクはこのフォトレジスト膜下に保護されている。従って、溝形成用の金属マスクのパターンがサイドエッチングを受けることはない。これによって振動片の輪郭の寸法精度を向上させることが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、更に具体的な実施形態について述べる。
図1〜図4は、本発明の第一の実施形態に係るプロセスを説明するためのものである。まず、図1(a)に示すように基板1を準備する。基板1はウエハー状であってよい。基板1の材質は限定されないが、圧電単結晶が好ましく、水晶、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶が特に好ましい。基板はZ板、X板(Y板)のいずれであってもよく、またZ板やX板(Y板)のオフセット基板であってよい。
【0011】基板1の表面をエッチングすることによって、表面の加工変質層を除去できる。次いで、基板1を洗浄することによって、パーティクルを減らすことができる。この際の洗浄液としては、アルカリ系洗剤、超純水、イソプロピルアルコール(ELグレード)などがある。
【0012】次いで基板1の主面1a、1b上に、それぞれ金属膜2A、2Bを形成する。これら金属膜は、後述するエッチング用のマスクとして機能し得る材質からなる。こうした材質は特に限定されないが、以下のものが特に好ましい。下地をCrとし、その上にAuを積層した多層膜、下地をTiとしその上にAuを積層した多層膜、タングステンなどがある。
【0013】次いで、図1(b)に示すように、各金属膜2A、2B上に、それぞれフォトレジスト膜3A、3Bを形成し、被覆する。次いで、図1(c)に示すように、フォトレジスト膜3A、3Bをパターニングし、パターニングされたフォトレジスト膜4A、4Bを得る。フォトレジスト膜3A、3Bのパターニングは、通常の露光方法によって実施できる。露光時にはコンタクトアライナーを使用することができる。
【0014】次いで、図2(a)に示すように、金属膜をエッチングし、フォトレジスト膜4A、4Bのパターンを金属膜に転写し、パターニングされた金属マスク5A、5Bを形成する。次いで、フォトレジスト膜4A、4Bを除去し、図2(b)に示す所定パターンの金属マスク5A、5Bを露出させる。ここで、金属マスク5A、5Bには、溝パターンに対応する第一の開口部6と、振動子の外形輪郭に対応する第二の開口部15とが形成されている。
【0015】次いで、図2(c)に示すように、金属マスク5A、5B、第一の開口部6および第二の開口部15を被覆するようにフォトレジスト膜7を形成する。次いで、フォトレジスト膜7をパターニングし、図3(a)に示すような被処理部材20を作製する。被処理部材20においては、パターニングされたフォトレジスト膜7Aが形成されており、フォトレジスト膜7Aの間に第二の開口部10が形成されている。第二の開口部10は振動片の外形輪郭に対応する。そして、金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6のパターンは、フォトレジスト膜7Aによって被覆されている。
【0016】次いで、基板1をエッチングし、図3(b)に示すように外形輪郭12を形成する(第一のエッチング工程)。このときフォトレジスト膜7Aはエッチング用マスクとして作用する。また、金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6のパターンは、フォトレジスト膜7Aによって被覆されているので、金属マスク5A、5Bのサイドエッチングは防止できる。
【0017】次いで、フォトレジスト膜7Aを除去し、図4(a)に示すように、金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6を露出させる。次いでこの被処理部材をエッチングし(第二のエッチング工程)、図4(b)に示すように凹部13A、13Bを形成する。
【0018】本実施形態では、第一のエッチング工程(図3(a)〜図3(b))においては、フォトレジスト膜7Aの開口部10から基板1をエッチングし、振動片の輪郭を形成している。この後でフォトレジスト膜7Aを除去すると(図4(a))、第一の開口部6を形成しているパターニング後の金属マスク5A、5Bが露出する。この後に基板1Aをエッチング処理することによって、第一の開口部6に対応して凹部13A、13Bが形成される。
【0019】つまり、振動片の輪郭形成用のエッチング工程時に、フォトレジスト膜7Aをマスクとして転用しており、溝形成用のパターニングが施された金属マスク5A、5Bはフォトレジスト膜7A下に保護されている。従って、溝形成用の金属マスク5A、5Bのパターンがサイドエッチングを受けることはない。これによって振動片の輪郭の寸法精度を向上させることが可能である。
【0020】エッチングの具体的方法は限定されず、ドライエッチング、ウエットエッチングでよいが、ウエットエッチングが好ましい。
【0021】金属マスクのエッチング方法それ自体は公知である。例えば、金用エッチャントとしては、よう素とよう化カリウムの水溶液が好ましく、クロム用エッチャントとしては、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸の水溶液が好ましい。また、金とクロムを同時にエッチングする場合には硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸と塩酸の水溶液が好ましい。
【0022】基板のエッチング方法それ自体は公知である。例えばエッチャントとしては以下を例示できる。
フッ化水素溶液、フッ化水素アンモニウム溶液、バッファードフッ酸溶液(フッ化水素アンモニウムとフッ化アンモニウムの混合液)水酸化ナトリウム溶液などがある。
【0023】本発明においては、金属マスクを被覆するフォトレジスト膜の材質は、基板用エッチャントに対して耐久性でなければならない。このような材質としては以下を例示できる。
ノボラック樹脂系ポジ型レジスト、主鎖切断(崩壊)型ポジ型レジスト、環化ポリイソプレン−アジド化合物系ネガ型レジスト、フェノール樹脂−アジド化合物系ネガ型レジスト、溶解抑制型電子線ポジ型レジスト、架橋型電子線ネガレジストなどがある。
【0024】好適な実施形態においては、フォトレジスト膜7の厚さが 1μm以上であり、より好ましくは3μm、更に好ましくは8μm以上である。この実施形態について述べる。
【0025】図3(a)、(b)に示すように、フォトレジスト膜7をエッチングマスクとして振動片の外形輪郭を形成するときに、フォトレジスト膜が破損してエッチャントがフォトレジスト膜の内側に侵入し、溝形成不良となり易いことが判明した。このようにフォトレジスト膜が破れる原因を検討したところ、以下の知見を得た。即ち、被処理部材20において、金属マスク5A、5Bと基板1との界面と、フォトレジスト膜7Aと基板1との界面との間では、界面の密着性が異なっている。このため、金属マスク5A、5Bとフォトレジスト膜との境界30において熱応力が発生しやすく、この熱応力によってフォトレジスト膜に割れが発生しやすい。このような溝形成時の不良品発生を防止するには、上述のようにフォトレジスト膜の厚さを大きくすることが好ましいことを見いだした。
【0026】また、このようなフォトレジスト膜の割れによる不良を防止するためには、基板とフォトレジスト膜との間、および金属マスクとフォトレジスト膜との間に、第二のエッチング工程においてエッチングされる材質からなる緩衝層を形成することが好ましい。これによって、基板とフォトレジスト膜との間、および金属マスクとフォトレジスト膜との間の密着性を同等とし、熱応力を低減できる。
【0027】図5、図6は、この実施形態を説明するための模式的断面図である。本実施形態においては、図2(b)において、第二のエッチング工程においてエッチングされる材質からなる緩衝層を形成し、緩衝層によって基板1の主面1a、1bおよび金属マスク5A、5Bを被覆する。次いで、緩衝層上に、図2(c)に示すフォトレジスト膜7を形成する。このフォトレジスト膜7をパターニングし、図5(a)に示す被処理部材20Aを得る。
【0028】被処理部材20Aにおいては、パターニングされたフォトレジスト膜7Aが形成されており、フォトレジスト膜7Aの間に第二の開口部10が形成されている。第二の開口部10は振動片の外形輪郭に対応する。金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6のパターンは緩衝層19によって被覆されており、緩衝層19はフォトレジスト膜7Aによっ被覆されている。
【0029】次いで、基板1をエッチングし、図5(b)に示すように外形輪郭12を形成する(第一のエッチング工程)。このときフォトレジスト膜7Aはエッチング用マスクとして作用する。金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6のパターンは、フォトレジスト膜7Aによって被覆されているので、金属マスク5A、5Bのサイドエッチングは防止できる。しかも、基板1とフォトレジスト膜7Aとの間、および金属マスク5A、5Bとフォトレジスト膜7Aとの間の密着性は、緩衝層19を介在させることによって同等となる。従って、金属マスク5A、5Bの外縁界面30付近において熱応力が低減される。
【0030】次いで、フォトレジスト膜7Aを除去し、図6(a)に示すように、緩衝層19、金属マスク5A、5Bおよび第一の開口部6を露出させる。次いでこの被処理部材をエッチングし(第二のエッチング工程)、図6(b)に示すように凹部13A、13Bを形成する。
【0031】ここで、緩衝層19のエッチング速度が小さかったり、あるいは緩衝層19が厚すぎると、凹部13A、13Bの寸法精度が低下する。従って、緩衝層19の材質は、水晶のエッチング溶液に容易にエッチングされ、エッチング速度の大きい材質であることが好ましく、特に以下の材質が好ましい。
Cr、Ti、Al、Ni、Mo、Coなどがあり、特にCrが好ましい
【0032】また、緩衝層19の厚さは、50nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
【0033】本発明の振動片は、例えば音叉型振動子の振動片であってよい。このような振動子としては、自動車の方向制御システム用の振動子、セラミックパッケージ音叉型振動子、シリンダータイプ音叉型振動子、音叉水晶発振器、デジタル携帯電話用振動子を例示できる。また、携帯情報端末に取り付けられたカメラの手振れ補正用の振動子を例示できる。
【0034】図7は、本発明の一実施形態に係る振動子29を概略的に示す斜視図である。本振動子29は、基部21、基部21から突出す一対の支持片22、各支持片22から突出する各一対の駆動振動片23、および基部21から突出する一対の検出振動片26を備えている。各駆動振動片23の先端には幅広部ないし重量部25が設けられている。各検出振動片26の先端には幅広部ないし重量部28が設けられている。
【0035】各駆動振動片23には、それぞれ細長い凹部24が形成されており、各検出振動片26にはそれぞれ細長い凹部27が形成されている。各駆動振動片23および検出振動片26に本発明を適用することができる。
【0036】駆動時には、各駆動振動片23を矢印Aのように、支持片22への付け根を中心としてX−Y平面内で屈曲振動させる。この状態で振動子29をZ軸の周りに回転させると、各支持片22が基部21への付け根を中心として矢印BのようにX−Y平面内で屈曲振動する。これに対応して、各検出振動片26が、基部21への付け根を中心として矢印Cのように屈曲振動する。この検出振動片26の屈曲振動を検出し、回転角速度を算出する。
【0037】本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。そして、上記実施の形態の構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。
【0038】
【実施例】図1〜図4を参照しつつ説明した前記方法に従い、図7に示すような形態の振動子を作製した。
具体的には、縦2インチ、横2インチ、厚さ0.1mmの水晶基板1を希フッ酸にてエッチング洗浄した後、スピンドライヤーにて乾燥し、主面1a、1bを清浄化した。次いで、清浄な水晶基板1の主面1a、1b上に、スパッタ装置を用いて厚さ0.01μm のクロム膜を形成し、クロム膜上に0.2 μm 厚さのAu膜を成膜し、金属膜2A、2Bを形成した(図1(a))。次に、Au膜の成膜面上にスピンコーターによりフォトレジストを塗布し、厚さ1μmのフォトレジスト膜3A、3Bを形成した(図1(b))。フォトレジスト膜の溶剤成分を除去するため、オーブンを用いて100℃で30分間プリベークした。
【0039】次に、基板の主面1a、1bの高精度アライメントが可能な露光装置と、外形エッチング加工パターンおよび振動片上に形成する溝パターンを描画したフォトマスクを用い、水晶基板1の主面1a、1bにフォトマスクパターンをフォトリソグラフィによって転写し、レジストパターン4A、4Bを形成した(図1(c)。このレジストパターン4A、4Bをマスクとして、硝酸セリウムアンモニウムと塩酸と過塩素酸の混合液にて金属膜2A、2Bをエッチングし、パターニングされた金属マスク5A、5Bを形成した(図2(a)。次に、金属マスク5A、5B上に残留したフォトレジスト膜4A、4Bをアセトンにて溶解し、除去した(図2(b))。この金属マスクパターン5A、5B上に、フォトレジストをスピンコーターによって塗布し、厚さ10μmのフォトレジスト膜7を形成した(図2(c))。フォトレジスト膜7の厚さは10μmである。
【0040】次に、表裏面の高精度アライメントが可能な露光装置と、外形エッチング加工パターンのみを描画したフォトマスクを用い、水晶基板1の主面1a、1bにフォトマスクパターンをフォトリソグラフィによって転写し、レジストパターン7Aを形成した(図3(a))。次に、基板1を、70℃に加熱した40%フッ化水素アンモニウム溶液に10時間浸漬し、水晶をエッチング加工して振動子の外形形状を得た(図3(b)。次に、残留したフォトレジスト膜7Aをアセトンによって溶解除去し、振動片上の金属マスク5A、5Bを露出させた(図4(a))。その後、70℃に加熱した40%フッ化水素アンモニウム溶液に振動子1Aを0.5時間浸漬し、振動片の溝パターン13A、13Bを、深さが30μmとなるようエッチング加工した(図4(b))。次に、硝酸セリウムアンモニウムと塩酸と過塩素酸の混合液にて、振動子1A上に残った金属マスク5A、5Bを剥離除去し、所望の形状を有する水晶振動子29を得た。
【0041】次に、スパッタ装置を用いて、0.03μm 厚さのCrを下地層として0.2μm 厚さの電極用Au膜を、水晶振動子29の主面1a、1b及び側面に成膜した。次に、スプレー式レジストコーターを用いて、振動子29の主面1a、1b及び側面、更にはエッジ部上にフォトレジストを塗布した。次に、表裏面の高精度アライメントが可能な露光装置と、電極配線パターンを描画したフォトマスクとを用い、振動子29の表裏面に電極配線パターンをフォトリソグラフによって転写し、振動子29上にフォトレジスト膜からなる電極パターンを形成した。次にフォトレジスト電極パターンをマスクとして、電極金属であるAuとCrを硝酸第二セリウムアンモニウムと塩酸と過塩素酸の混合液に30秒浸漬してエッチング除去し、所望の電極パターンが形成された水晶振動子を得た。
【0042】また、前記実施例において、フォトレジスト膜7の厚さを種々変更し、フォトレジスト膜の割れによる不良の有無を確認したところ、フォトレジスト膜7の厚さを8μm以上とすることによって不良が著しく低減した。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、凹部が形成されている振動片を製造するのに際して、振動片の外形輪郭の寸法精度を高くできるような方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、金属膜2A、2Bが形成された基板1を模式的に示す断面図であり、(b)は、金属膜2A、2B上にフォトレジスト膜3A、3Bを形成した状態を示す断面図であり、(c)は、パターニングされたフォトレジスト膜4A、4Bを示す断面図である。
【図2】(a)は、基板1、パターニングされた金属マスク5A、5Bおよびフォトレジスト膜4A、4Bを示す断面図であり、(b)は、フォトレジスト膜4A、4Bを除去した後の状態を示す断面図であり、(c)は、フォトレジスト膜7によって基板1および金属マスク5A、5Bを被覆した状態を示す断面図である。
【図3】(a)は、フォトレジスト膜7をパターニングした後の被処理部材20を示す断面図であり、(b)は、被処理部材20をエッチング処理(第一のエッチング工程)した後の状態を示す断面図である。
【図4】(a)は、フォトレジスト膜7Aを除去した後の状態を示す断面図であり、(b)は、第二のエッチング工程によって凹部13A、13Bを形成した状態を示す断面図である。
【図5】(a)は、緩衝層19の形成された被処理部材20Aを示す断面図であり、(b)は、被処理部材20Aをエッチング処理(第一のエッチング工程)した後の状態を示す断面図である。
【図6】(a)は、フォトレジスト膜7Aを除去した後の状態を示す断面図であり、(b)は、第二のエッチング工程によって凹部13A、13Bを形成した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る振動子26を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】1 基板 1A 振動子(振動片) 1a、1b 基板1の主面 2A、2B 金属膜 3A、3B、7 パターニング前のフォトレジスト膜 4A、7A パターニングされたフォトレジスト膜 5A、5B パターニングされた金属マスク 6 第一の開口部 10 第二の開口部 12 振動片(外形輪郭) 13A、13B 凹部 20、20A 被処理部材
Claims (7)
- 凹部が形成されている振動片を製造する方法であって、
基板、この基板上に設けられており、第一の開口部を形成している金属マスク、およびこの金属マスクと前記第一の開口部とを被覆するフォトレジスト膜を備えており、このフォトレジスト膜に第二の開口部が形成されている被処理部材をエッチング処理することによって、前記第二の開口部に対応して前記振動片の輪郭を形成する第一のエッチング工程、
前記フォトレジスト膜を除去する除去工程、および
前記基板をエッチング処理することによって、前記第一の開口部に対応して前記凹部を形成する第二のエッチング工程
を有することを特徴とする、振動片の製造方法。 - 前記フォトレジスト膜の厚さが1μm以上であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記基板と前記フォトレジスト膜との間、および前記金属マスクと前記フォトレジスト膜との間に、前記第二のエッチング工程においてエッチングされる材質からなる緩衝層を形成する工程を有することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 前記基板の一方の主面および他方の主面上にそれぞれ前記金属マスクおよび前記フォトレジスト膜を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記基板が圧電性単結晶からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする、振動片。
- 請求項6記載の振動片を備えていることを特徴とする、振動子。
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