JP2004288858A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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伊雄 岡本
Yosuke Okuya
洋介 奥谷
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Abstract

【課題】硫酸と過酸化水素水との混合液による処理後の基板の表面に硫黄残渣およびパーティクルが残ることを防止する。
【解決手段】硫酸と過酸化水素水との混合液によって基板の表面からレジスト膜が剥離された後に、SC1ソフトスプレー工程が行われて、基板の表面にSC1(NHOH+H+HO)の液滴の噴流が供給される。または、硫酸と過酸化水素水との混合液によって基板の表面からレジスト膜が剥離された後に、超音波振動SC1工程が行われて、基板の表面に超音波振動が付与されたSC1が供給される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、硫酸および過酸化水素水を用いて基板を処理する方法および装置に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板の表面に形成されたレジスト膜を剥離するための処理(レジスト剥離処理)が行われる。
レジスト剥離処理に関する先行技術として、たとえば、特開昭50−21681号公報(特許文献1)に開示されている技術がある。この先行技術では、処理対象の基板を硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)との混合液中に予め定める時間にわたって浸漬させ、その後、基板を水洗し、さらに乾燥させることによって、基板の表面に形成されているレジスト膜などの有機物を剥脱できるとされている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭50−21681号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
硫酸と過酸化水素水とを混合させると、化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じて、強い酸化力を有するHSOが生成されるので、硫酸と過酸化水素水との混合液は、レジスト膜のような有機物を良好に除去することができる。ところが、硫酸と過酸化水素水との混合液をレジスト剥離液として用いた場合、その混合液による処理の後に基板を水洗しても、基板の表面にSO 2−などの硫黄成分が残留することがあった。基板の表面に硫黄成分が残留していると、この硫黄成分の残留(硫黄残渣)が原因で、基板の表面にパーティクルが付着するおそれがある。
【0005】
そこで、この発明の目的は、硫酸と過酸化水素水との混合液による処理後の基板の表面に硫黄残渣およびパーティクルが残るのを防止できる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、硫酸および過酸化水素水を用いて基板(W)を処理する方法であって、基板保持手段(1)によって処理対象の基板を保持する工程と、上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて硫酸を供給する硫酸供給工程と、上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給工程と、上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程の後、上記基板保持手段によって保持されている基板に物理的効果が付与されたアルカリ性薬液を供給するアルカリ性薬液供給工程とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の方法によれば、基板の表面に硫酸および過酸化水素水が供給されて、基板に対して硫酸および過酸化水素水による処理が施された後、その基板に物理的効果が付与されたアルカリ性薬液が供給される。
硫酸と過酸化水素水との混合液を用いた処理を行った場合、基板の表面にSO 2−などの硫黄成分が残留することがある。基板の表面に硫黄成分が残留していると、この硫黄成分の残留(硫黄残渣)が原因で、基板の表面にパーティクルが付着するおそれがある。
【0008】
基板の表面に付着したパーティクルは、そのパーティクルのゼータ電位と基板の表面のゼータ電位とを同符号にすれば除去することができる。基板の表面およびその基板の表面に付着したパーティクルのゼータ電位は、基板の表面のpH(ペーハー)値が6以上になれば、基板の表面およびパーティクルのゼータ電位がともにマイナスの値を示す。
基板にアルカリ性薬液を供給することにより、基板の表面のpH値を大きくして、基板の表面およびパーティクルのゼータ電位を同符号(マイナス)にすることができ、基板の表面とパーティクルとの結合力を弱めることができる。そして、アルカリ性薬液に物理的効果が付与されていれば、その基板の表面との結合力が弱められたパーティクルを基板の表面から物理的に剥離させて除去することができる。
【0009】
よって、上記の方法によれば、硫黄残渣およびパーティクルの付着していない清浄な基板を得ることができる。
請求項2記載の発明は、上記アルカリ性薬液供給工程は、二流体スプレーノズル(4)を用いて、アルカリ性薬液と気体とを混合させることによってアルカリ性薬液の液滴の噴流を形成する噴流形成工程と、この噴流形成工程で形成されたアルカリ性薬液の液滴の噴流を基板に供給する工程とを含む工程であることを特徴とする請求項1記載の基板処理方法である。
【0010】
この方法によれば、二流体スプレーノズルから基板に供給されるアルカリ性薬液の液滴の噴流は、大きな流速を有しているので、アルカリ性薬液によって基板の表面との結合力が弱められたパーティクルを、アルカリ性薬液の液滴の噴流が基板の表面に衝突したときの衝撃で基板の表面から物理的に剥離させることができる。
請求項3記載の発明は、上記アルカリ性薬液供給工程は、超音波振動付与ノズルにアルカリ性薬液を供給して、アルカリ性薬液に超音波振動を付与する超音波振動付与工程と、この超音波振動付与工程で超音波振動が付与されたアルカリ性薬液を上記超音波ノズルから基板に供給する工程とを含む工程であることを特徴とする請求項1記載の基板処理方法である。
【0011】
この方法によれば、アルカリ性薬液によって基板の表面とパーティクルとの結合力を弱めることができ、その基板の表面との結合力が弱められたパーティクルを、アルカリ性薬液に付与された超音波振動によって、基板の表面から物理的に剥離させることができる。
基板への硫酸および過酸化水素水の供給は、同時に行われてもよいし、互いに前後して行われてもよい。たとえば、請求項4に記載のように、上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程が並行して行われて、硫酸および過酸化水素水が、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面上または表面の近傍で混合されて基板の表面に供給されてもよいし、請求項5記載のように、上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程が互いに前後して行われて、硫酸および過酸化水素水が、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面上で混合されて基板の表面に供給されてもよい。さらには、上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程が並行して行われて、予め混合された硫酸および過酸化水素水が、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面に供給されてもよい。
【0012】
また、請求項6に記載のように、上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程のうちの少なくとも一方の工程が行われている間、上記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転工程をさらに含むことが好ましい。基板を回転させることにより、基板の表面のほぼ全域に硫酸および過酸化水素水の混合液をむらなく供給することができる。
請求項7記載の発明は、硫酸および過酸化水素水を用いて基板を処理する基板処理装置であって、処理対象の基板(W)を保持する基板保持手段(1)と、この基板保持手段によって保持されている基板に向けて硫酸を供給する硫酸供給手段(2,6)と、上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給手段(3)と、上記基板保持手段によって保持されている基板に物理的効果が付与されたアルカリ性薬液を供給するアルカリ性薬液供給手段(4)とを含むことを特徴とする基板処理装置である。
【0013】
この発明によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この基板処理装置は、基板の一例であるシリコン半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)の表面(上面)から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理を行う枚葉式の装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1に保持されたウエハWの表面に硫酸(HSO)を供給するための硫酸ノズル2と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に過酸化水素水を供給するための過酸化水素水ノズル3と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面にSC1(NHOH+H+HO)の液滴の噴流を供給するための二流体スプレーノズル4とを備えている。
【0015】
スピンチャック1は、たとえば、真空吸着式チャックであって、ほぼ鉛直な方向に延びたスピン軸11と、このスピン軸11の上端に取り付けられて、ウエハWをほぼ水平な姿勢でその裏面(下面)を吸着して保持する吸着ベース12とを有している。スピン軸11には、モータなどを含む回転駆動機構13が結合されていて、ウエハWを吸着ベース12に吸着保持した状態で、回転駆動機構13からスピン軸11に駆動力を入力することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢でスピン軸11の中心軸線まわりに回転させることができる。
【0016】
なお、スピンチャック1としては、このような真空吸着式チャックに限らず、たとえば、ウエハWの端面を複数個の挟持部材で挟持することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態でほぼ鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる構成のものが採用されてもよい。
硫酸ノズル2には、硫酸供給源からの硫酸を供給する硫酸供給管21が接続されている。この硫酸供給管21の途中部には、硫酸供給源側から順に、硫酸の温度を調節するための温度調節器22と、硫酸ノズル2からの硫酸の吐出を制御するための硫酸供給バルブ23とが介装されている。温度調節器22は、硫酸の温度を室温〜約80℃の範囲で調節可能なものであり、この実施形態では、硫酸供給管21を流通する硫酸の温度を室温程度(約23℃)に調節する。
【0017】
過酸化水素水ノズル3は、たとえば、過酸化水素水を霧化してウエハWに供給する噴霧ノズルであり、過酸化水素水供給源からの過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管31と、窒素ガス供給源からの窒素ガス(N)を供給する窒素ガス供給管32とが接続されている。過酸化水素水ノズル3に過酸化水素水と窒素ガスとが同時に供給されると、過酸化水素水ノズル3内で過酸化水素水が霧化され、この霧化した過酸化水素水が過酸化水素水ノズル3の先端からウエハWの表面に供給される。
【0018】
過酸化水素水供給管31の途中部には、過酸化水素水供給源側から順に、過酸化水素水の温度を調節するための温度調節器33と、過酸化水素水ノズル3への過酸化水素水の供給を制御するための過酸化水素水供給バルブ34とが介装されている。温度調節器33は、過酸化水素水の温度を室温〜約80℃の範囲で調節可能なものであり、この実施形態では、過酸化水素水供給管31を流通する過酸化水素水の温度を約40℃に調節する。
【0019】
また、窒素ガス供給管32の途中部には、窒素ガス供給源側から順に、窒素ガスの温度を調節するための温度調節器35と、過酸化水素水ノズル3への窒素ガスの供給を制御するための窒素ガス供給バルブ36とが介装されている。温度調節器35は、窒素ガスの温度を室温〜約80℃の範囲で調節可能なものであり、この実施形態では、過酸化水素水供給管31を流通する過酸化水素水の温度を室温程度(約23℃)に調節する。
【0020】
二流体スプレーノズル4には、SC1供給源からのSC1を供給するSC1供給管41と、窒素ガス供給源からの高圧の窒素ガス(N)を供給する高圧窒素ガス供給管42とが接続されている。二流体スプレーノズル4にSC1と高圧窒素ガスとが同時に供給されると、そのSC1と高圧窒素ガスとが混合されて、SC1の微細な液滴が形成され、このSC1の液滴が噴流となってウエハWの表面に供給される。SC1供給管41の途中部には、二流体スプレーノズル4へのSC1の供給を制御するためのSC1供給バルブ43が介装されている。また、高圧窒素ガス供給管42の途中部には、二流体スプレーノズル4への窒素ガスの供給を制御するための高圧窒素ガス供給バルブ44が介装されている。
【0021】
スピンチャック1の側方には、旋回軸51が鉛直方向にほぼ沿って配置されており、二流体スプレーノズル4は、その旋回軸51の上端部からほぼ水平に延びたアーム52の先端部に取り付けられている。旋回軸51には、この旋回軸51を中心軸線まわりに回転駆動する旋回駆動機構53が結合されている。旋回駆動機構53から旋回軸51に駆動力を入力して、旋回軸51をその中心軸線まわりに所定の角度範囲内で往復回転させることにより、スピンチャック1に保持されたウエハWの上方でアーム52を揺動させることができ、これに伴って、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面上で、二流体スプレーノズル4からのSC1の液滴の噴流の供給位置をスキャン(移動)させることができる。また、旋回軸51および旋回駆動機構53は、昇降駆動機構54によって昇降されるようになっている。
【0022】
図2は、過酸化水素水ノズル3の構成を示す断面図である。過酸化水素水ノズル3は、円筒状の内周面301aを有する中空のノズル本体301と、このノズル本体301の中空部分に挿入された過酸化水素水流通部材302と、ノズル本体301の先端に接続されたノズルヘッド303とを有している。ノズルヘッド303は、キャップ304によって、ノズル本体301の先端に接続された状態で固定されている。
【0023】
過酸化水素水流通部材302は、ノズル本体301の内周面301aに気密性を保って密着した封止部305と、外径がノズル本体301の内径(内周面301aの径)よりも小さく形成された管状の小径部306と、この小径部306の先端部付近から側方に(内周面301aに向けて)突出した環状のフランジ部307とで構成されている。過酸化水素水流通部材302の内部には、封止部305および小径部306を貫通して、過酸化水素水をノズルヘッド303に向けて導くための過酸化水素水流通路308が形成されている。また、過酸化水素水流通部材302には、ノズル本体301に溶接された接続部材309を介して過酸化水素水供給管31が接続されており、過酸化水素水供給管31から供給される過酸化水素水は、接続部材309に貫通形成された接続路310を通して、過酸化水素水流通路308に流入するようになっている。
【0024】
ノズルヘッド303は、先端部が半球状に形成された中空体であり、ノズル本体301の内周面301aに段差なく連続した円筒状の内周面303aと、この内周面303aに段差面303bを介して接続されていて、過酸化水素水流通部材302の小径部306の外径よりも少し大きな径に形成された円筒状の内周面303cとを有している。また、半球状の先端部には、吐出口311が形成されている。
【0025】
過酸化水素水流通部材302の先端は、ノズルヘッド303の内周面303aに囲まれた空間内に入り込んでいて、過酸化水素水流通路308は、ノズルヘッド303の内周面303cに囲まれた空間内で吐出口311に向けて開口している。また、過酸化水素水流通部材302のフランジ部307は、その周面がノズル本体301の内周面301aとノズルヘッド303の内周面303aとに跨った状態で密着しており、フランジ部307よりも封止部305側の小径部306の周囲には、ノズル本体301の内周面301aとの間に隙間312が形成され、フランジ部307よりも先端側の小径部306の周囲には、ノズルヘッド303の内周面303aとの間に隙間313が形成されている。そして、フランジ部307には、環状の連通孔314が貫通形成されていて、フランジ部307によって仕切られた隙間312,313は、その環状の連通孔314を介して連通されている。さらに、過酸化水素水流通部材302(小径部306)の先端部とノズルヘッド303の内周面303cとの間には、微小な環状のガス流路315が形成されており、このガス流路315を介して、隙間313とノズルヘッド303の内周面303cに囲まれた空間とが連通している。
【0026】
また、ノズル本体301の外側面には、窒素ガス供給管32を接続するための接続部316が突出して形成されている。接続部316には、窒素ガス供給管32からの窒素ガスが流通する窒素ガス流通路317が形成されている。窒素ガス流通路317は、ノズル本体301の内周面301aに形成された開口318を介して隙間312に連通している。
この構成により、過酸化水素水供給管31から供給される過酸化水素水は、接続路310および過酸化水素水流通路308を通って、ノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間に吐出される。一方、窒素ガス供給管32から供給される窒素ガスは、窒素ガス流通路317を通って隙間312に流入し、さらに連通孔314、隙間313およびガス流路315を順に通って、ガス流路315からノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間に適当な圧力で吐出される。これにより、過酸化水素水ノズル3に過酸化水素水と窒素ガスとが同時に供給されると、ノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間で、過酸化水素水流通路308から吐出される過酸化水素水にガス流路315から吐出される窒素ガスが衝突し、この衝突によって過酸化水素水が霧化されて、スリット状の吐出口311から霧状の過酸化水素水が吐出される。
【0027】
図3は、ウエハWの表面上における過酸化水素水の供給範囲(形状)について説明するための図解図である。ウエハWの表面上における過酸化水素水の供給範囲は、たとえば、過酸化水素水ノズル3のノズルヘッド303に形成された吐出口311の形状によって決まる。
この実施形態では、吐出口311は、ノズルヘッド303の半球状の先端部に、その頂点を通る円弧に沿ってスリット状に長く形成されている。これにより、吐出口311から吐出される霧状の過酸化水素水は、吐出口311の長手方向に拡がりつつウエハWの表面に向けて進み、ウエハWの表面上のウエハWの半径Rを含むスリット状の範囲SAに供給される。また、その過酸化水素水の供給範囲SAは、その供給範囲SAがウエハWの回転中心から周縁まで及ぶように設定されている。よって、スピンチャック1によってウエハWを回転させつつ、その回転しているウエハWの表面に過酸化水素水ノズル3から霧状の過酸化水素水を供給することにより、ウエハWの表面の全域に隈無く過酸化水素水を供給することができる。
【0028】
図4は、二流体スプレーノズル4の構成例を示す断面図である。二流体スプレーノズル4は、たとえば、いわゆる内部混合型の二流体スプレーノズルであって、中空のノズル本体401と、このノズル本体401に接続された気体導入管402および液体導入管403とを有している。気体導入管402には、高圧窒素ガス供給管42から高圧窒素ガスが供給され、液体導入管403には、SC1供給管41からSC1が供給されるようになっている。
【0029】
ノズル本体401は、上面および円筒状の内周面を有する接続部404と、この接続部404の下端に連なり、下方に向かうにつれて内径が小さく形成されたテーパ部405と、このテーパ部405の下端に連なり、内径が一様な直管形状のストレート部406とで構成されている。接続部404の上面には、ほぼ中心に開口407が形成されており、気体導入管402は、その開口407に挿通されて、下半分程度の部分がノズル本体401内に突出した状態に設けられている。また、液体導入管403は、接続部404に形成された接続口408に接続されていて、その接続口408を介して、気体導入管402の外周面と接続部404の内周面との間の環状の空間409に連通している。
【0030】
この構成により、SC1供給管41から供給されるSC1は、液体導入管403を通って環状空間409に流入し、さらに、環状空間409から気体導入管402の下方の空間410に流入する。その一方で、気体導入管402に高圧窒素ガスが供給されると、高圧窒素ガスが気体導入管402の下端開口から噴出されて、気体導入管402の下方の空間410に流入したSC1に高速で衝突する。その結果、気体導入管402の下方の空間410でSC1と窒素ガスとの気液混合が生じて、SC1の微細な液滴が形成され、このSC1の液滴が、テーパ部405およびストレート部406を通って、ストレート部406の下端開口411から吐出される。SC1の液滴は、テーパ部405を通過することによって流圧(流速)が大きく高められるので、下端開口411から吐出されるSC1の液滴は、大きな流速を有する噴流となって、ストレート部301cの先端からスピンチャック1に保持されたウエハWの表面に直線状に勢いよく供給される。
【0031】
図5は、レジスト剥離処理について説明するための図である。レジスト剥離処理は、たとえば、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置(図示せず)が、予め定められたプログラムに従って、回転駆動機構13、旋回駆動機構53および昇降駆動機構54などの動作を制御し、また、硫酸供給バルブ23、過酸化水素水供給バルブ34、窒素ガス供給バルブ36、SC1供給バルブ43および高圧窒素ガス供給バルブ44の開閉を制御することにより達成される。
【0032】
処理対象のウエハWがスピンチャック1に受け渡されると、まず、硫酸供給バルブ23が開かれて、硫酸ノズル2からウエハWの表面の中央部に、室温程度に温度調節された硫酸が水流の状態で連続的に供給される。このとき、回転駆動機構13は動作しておらず、ウエハWは静止されたままの状態である。したがって、ウエハWの表面に供給された硫酸は、ウエハWの表面に拡がり、その表面張力でウエハWの表面上に液膜となって溜められていく。
【0033】
この硫酸の液膜をウエハWの表面上に形成するためのHSOパドル(液盛り)工程の途中で、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1によるウエハWの回転が開始される。ウエハWの回転速度は、ウエハWの表面上に溜められた硫酸が回転による遠心力を受けてウエハW上から流下しない程度の低回転速度(たとえば、10〜20rpm)まで徐々に増速されていく。こうしてウエハWが低回転速度で回転されることにより、硫酸の液膜がウエハWの表面上のほぼ全域でより均一な膜厚に形成される。
【0034】
ウエハWの表面に十分な量の硫酸が供給されて、ウエハWの表面全域に硫酸の液膜が形成されると、硫酸供給バルブ23が閉じられて、硫酸ノズル2からウエハWへの硫酸の供給が停止される。その後、過酸化水素水供給バルブ34および窒素ガス供給バルブ36が開かれて、過酸化水素水ノズル3からウエハWの表面に向けて、約40℃に温度調節された過酸化水素水が霧状に供給される。過酸化水素水ノズル3からの霧状の過酸化水素水は、上述したように、ウエハWの表面上に設定されたスリット状の範囲SAに向けて供給される。一方、このH供給工程では、HSOパドル工程から継続して、ウエハWが上記低回転速度で回転されている。よって、過酸化水素水ノズル3からの過酸化水素水は、ウエハWの表面上の全域に隈無く供給される。
【0035】
過酸化水素水ノズル3からウエハWの表面に向けて供給される過酸化水素水は霧状であるから、この霧状の過酸化水素水は、ウエハWの表面上に形成されている硫酸の液膜を破壊することなく、硫酸の液膜の表面の全域からその液膜内に浸透する。これにより、ウエハWの表面上では、その全域で、硫酸と過酸化水素水との化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じて、強い酸化力を有するHSOを含むレジスト剥離液が生成される。また、ウエハWの表面上の硫酸の温度は室温程度で、過酸化水素水ノズル3から供給される霧状の過酸化水素水の温度は約40℃であるが、硫酸と過酸化水素水との化学反応時に発生する反応生成熱によって、HSOを含むレジスト剥離液の温度は、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を良好に剥離することのできる約100℃以上の高温に達する。したがって、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜は、適温に昇温したレジスト剥離液の酸化力によって良好に剥離されて除去される。
【0036】
ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を剥離するのに必要かつ十分な時間が経過すると、過酸化水素水供給バルブ34および窒素ガス供給バルブ36が閉じられる。これによりH供給工程は終了であり、つづいて、ウエハWの表面に残留しているレジスト剥離液を純水で洗い流すためのリンス工程が所定時間にわたって行われる。たとえば、回転駆動機構13が制御されて、ウエハWが所定の回転速度(たとえば、約1500rpm)で回転されつつ、その回転中のウエハWの表面に図示しない純水ノズルから純水が供給される。ウエハWの表面に供給された純水は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、その供給位置からウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面の全域に純水が行き渡り、その純水によってウエハWの表面からレジスト剥離液が洗い流される。
【0037】
リンス工程が終了すると、SC1ソフトスプレー工程が行われる。SC1ソフトスプレー工程では、回転駆動機構13が制御されて、ウエハWが所定の回転速度(たとえば、約1000rpm)で回転される。その一方で、旋回駆動機構53および昇降駆動機構54が制御されて、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に二流体スプレーノズル4が近づけられる。そして、SC1供給バルブ43および高圧窒素ガス供給バルブ44が開かれて、二流体スプレーノズル4からウエハWの表面にSC1の液滴の噴流が供給される。また、SC1の液滴の噴流がウエハWの表面に供給されている間、旋回駆動機構53が制御されて、二流体スプレーノズル4からの液滴の噴流が導かれるウエハWの表面上の供給位置が、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、円弧状の軌跡を描きつつ繰り返し移動(スキャン)させられる。スピンチャック1によってウエハWが回転される一方で、そのウエハWの表面上をSC1の液滴の噴流がスキャンすることにより、ウエハWの表面の全域にSC1の液滴の噴流がむらなく供給される。
【0038】
硫酸と過酸化水素水との混合液を用いてレジスト膜を剥離した場合、レジスト膜を剥離した後にリンス工程を行って、ウエハWの表面を水洗しても、ウエハWの表面にSO 2−などの硫黄成分が残留することがある。ウエハWの表面に硫黄成分が残留していると、この硫黄成分の残留(硫黄残渣)が原因で、基板の表面にパーティクルが付着するおそれがある。
ウエハWの表面に付着したパーティクルは、そのパーティクルのゼータ電位とウエハWの表面のゼータ電位とを同符号にすれば除去することができる。ウエハWの表面およびそのウエハWの表面に付着したパーティクルのゼータ電位は、ウエハWの表面のpH(ペーハー)値が大きいほど小さくなり、pH値が6以上になれば、ウエハWの表面およびパーティクルのゼータ電位がともにマイナスの値を示す。
【0039】
そこで、この実施形態に係る基板処理装置では、硫酸と過酸化水素水との混合液によってレジスト膜が剥離された後に、SC1ソフトスプレー工程が行われて、ウエハWの表面に強アルカリ性のSC1の液滴の噴流が供給される。ウエハWの表面にSC1が供給されることにより、ウエハWの表面のpH値が大きくなって、ウエハWの表面およびパーティクルのゼータ電位が同符号(マイナス)となり、ウエハWの表面とパーティクルとの結合力が弱められる。そして、SC1の液滴の噴流は大きな流速を有しているので、SC1の液滴の噴流がウエハWの表面に衝突することにより、ウエハWの表面との結合力が弱められたパーティクルが、その衝撃でウエハWの表面から物理的に剥離されて除去される。
【0040】
SC1ソフトスプレー工程が所定時間にわたって続けられると、SC1供給バルブ43および高圧窒素ガス供給バルブ44が閉じられ、その後、ウエハWの表面からSC1などを洗い流すためのリンス工程が行われる。このリンス工程は、H供給工程後のリンス工程と同様な工程である。リンス工程が終了すると、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1が予め定める乾燥時間だけ高速回転(たとえば、約3000rpm)される。これにより、ウエハWの表面から純水が遠心力で振り切られて、ウエハWの表面が乾燥する。このスピンドライ工程の終了後は、スピンチャック1の回転が止められて、スピンチャック1から処理後のウエハWが搬出されていく。
【0041】
以上のように、硫酸と過酸化水素水との混合液によってウエハWの表面からレジスト膜が剥離された後に、SC1ソフトスプレー工程が行われて、ウエハWの表面に強アルカリ性のSC1の液滴の噴流が供給されることにより、ウエハWの表面から硫黄残渣およびパーティクルがきれいに除去される。よって、この実施形態によれば、硫黄残渣およびパーティクルの付着していない清浄なウエハWを得ることができる。
【0042】
また、常温の硫酸の液膜が形成されているウエハWの表面に、約40℃の過酸化水素水が供給されることにより、ウエハWの表面上で100℃以上のレジスト剥離液が生成され、このレジスト剥離液に含まれるH2SO5の高い酸化力によって、ウエハWの表面に形成されている不要なレジスト膜が化学的に剥離される。したがって、この実施形態によれば、100℃よりも低温に温度調節された硫酸および過酸化水素水を用いて、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を良好に剥離することができる。そして、硫酸供給管21を流通する硫酸の温度、過酸化水素水供給管31を流通する過酸化水素水の温度および窒素ガス供給管32を流通する窒素ガスの温度は、いずれも100℃よりも低い温度であるから、硫酸供給管21、過酸化水素水供給管31および窒素ガス供給管32に、100℃以上の高温に耐え得る耐熱性を持たせる必要がない。
【0043】
さらに、硫酸と過酸化水素水との化学反応時に発生する反応生成熱によって、レジスト剥離液の温度を100℃以上に昇温させているから、この実施形態に係る基板処理装置はエネルギー効率性に優れているといえる。
なお、この実施形態では、ウエハWの表面に硫酸の液膜を形成しておき、その硫酸の液膜が形成されているウエハWの表面に霧状の過酸化水素水を供給する構成を例にとったが、硫酸ノズル2として噴霧ノズルを採用し、過酸化水素水ノズル3には過酸化水素水を水流の状態で連続的に供給するノズルを採用して、まず、過酸化水素水ノズル3からウエハWの表面に過酸化水素水を供給することにより、ウエハWの表面に過酸化水素水の液膜を形成しておき、その過酸化水素水の液膜が形成されているウエハWの表面に硫酸ノズル2から霧状の硫酸を供給するようにしてもよい。
【0044】
図6は、この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この図6において、図1に示す各部に相当する部分には、図1の場合と同一の参照符号が付されている。
この実施形態に係るレジスト剥離装置では、ウエハWの表面に硫酸を供給するための硫酸ノズル6として、硫酸を霧化してウエハWの表面に供給する噴霧ノズルが採用されている。そして、硫酸ノズル6からウエハWの表面に霧状の硫酸が供給されるのと同時に、過酸化水素水ノズル3からウエハWの表面に霧状の過酸化水素水を供給されることにより、ウエハWの表面上で硫酸と過酸化水素水とが混合されて、ウエハWの表面上にH2SO5を含むレジスト剥離液が生成され、このレジスト剥離液によってウエハWの表面に形成されているレジスト膜が化学的に剥離される。
【0045】
すなわち、スピンチャック1の上方には、スピンチャック1に保持されたウエハWの上面に硫酸を霧化して供給するための硫酸ノズル6が設けられている。硫酸ノズル6には、硫酸供給源からの硫酸を供給する硫酸供給管61と、窒素ガス供給源からの窒素ガス(N)を供給する窒素ガス供給管62とが接続されている。硫酸ノズル6に硫酸と窒素ガスとが同時に供給されると、硫酸ノズル6内で硫酸が霧化され、この霧化した硫酸が硫酸ノズル6の先端からウエハWの表面に供給される。
【0046】
硫酸供給管61の途中部には、硫酸供給源側から順に、硫酸の温度を室温〜約80℃の範囲で調節可能な温度調節器63と、硫酸ノズル6への硫酸の供給を制御するための硫酸供給バルブ64とが介装されている。また、窒素ガス供給管62の途中部には、窒素ガス供給源側から順に、窒素ガスの温度を室温〜約80℃の範囲で調節可能な温度調節器65と、硫酸ノズル6への窒素ガスの供給を制御するための窒素ガス供給バルブ66とが介装されている。温度調節器63,65は、それぞれ硫酸および窒素ガスの温度を室温程度に調節する。
【0047】
硫酸ノズル6は、スピンチャック1の上方でほぼ水平に延びたアーム71に、過酸化水素水ノズル3とともに取り付けられている。アーム71は、スピンチャック1の側方で鉛直方向にほぼ沿って配置された昇降軸72の上端部に固定されており、昇降駆動機構73によって昇降軸72を昇降させることによって、スピンチャック1に対して昇降するようになっている。ウエハWの搬入出時には、スピンチャック1に対するウエハWの受渡しの妨げにならないように、昇降駆動機構73が駆動されて、アーム71がスピンチャック1の上方に大きく退避される。
【0048】
硫酸ノズル6の具体的な構成は、過酸化水素水ノズル3とほぼ同様であり、硫酸ノズル6から吐出される霧状の硫酸は、ウエハWの表面上のウエハWの半径Rを含むスリット状の範囲に供給されるようになっている。そして、その硫酸の供給範囲は、図7に示すように、過酸化水素水ノズル3からの過酸化水素水の供給範囲SAと重なって、ウエハWの回転中心から周縁まで及ぶように設定されている。よって、スピンチャック1によってウエハWを回転させつつ、その回転しているウエハWの表面に過酸化水素水ノズル3から霧状の過酸化水素水を供給するとともに、硫酸ノズル6から霧状の硫酸を供給することにより、ウエハWの表面上の供給範囲SAにおいて、硫酸と過酸化水素水とが良好に混合させることができ、この硫酸と過酸化水素水との混合液(レジスト剥離液)をウエハWの表面に隈無く供給することができる。
【0049】
処理対象のウエハWがスピンチャック1に受け渡されると、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1に保持されているウエハWが所定の低回転速度(たとえば、200rpm)で回転される。そして、昇降駆動機構73が制御されて、その回転中のウエハWの表面に過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6が近づけられる。その後、過酸化水素水供給バルブ34、硫酸供給バルブ64および窒素ガス供給バルブ36,66が開かれて、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6からウエハWの表面上のスリット状の供給範囲SAに、それぞれ霧状の過酸化水素水および硫酸が供給される。
【0050】
ウエハWの表面上の供給範囲SAに過酸化水素水および硫酸が同時に供給されることにより、その供給範囲SA上で硫酸と過酸化水素水との化学反応が生じて、強い酸化力を有するHSOを含むレジスト剥離液が生成される。また、ウエハWの表面上の硫酸の温度は室温程度で、過酸化水素水ノズル3から供給される霧状の過酸化水素水の温度は約40℃であるが、硫酸と過酸化水素水との化学反応時に発生する反応生成熱によって、HSOを含むレジスト剥離液の温度は、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を良好に剥離することのできる約100℃以上の高温に達する。そして、ウエハWが回転されていることにより、ウエハWの表面の全域に適温に昇温したレジスト剥離液が隈無く供給され、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜がレジスト剥離液の酸化力によって良好に剥離されて除去される。
【0051】
ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を剥離するのに必要かつ十分な時間が経過すると、過酸化水素水供給バルブ34、硫酸供給バルブ64および窒素ガス供給バルブ36,66が閉じられる。そして、ウエハWの表面に残留しているレジスト剥離液を純水で洗い流すためのリンス工程が所定時間にわたって行われ、このリンス工程が終了すると、SC1ソフトスプレー工程が行われる。このSC1ソフトスプレー工程が行われることにより、ウエハWの表面から硫黄残渣およびパーティクルをきれいに除去することができ、硫黄残渣およびパーティクルの付着していない清浄なウエハWを得ることができる。
【0052】
SC1ソフトスプレー工程が所定時間にわたって続けられると、SC1供給バルブ43および高圧窒素ガス供給バルブ44が閉じられ、その後、ウエハWの表面からSC1などを洗い流すためのリンス工程が行われる。そして、リンス工程が終了すると、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1が予め定める乾燥時間だけ高速回転(たとえば、約3000rpm)される。これにより、ウエハWの表面から純水が遠心力で振り切られて、ウエハWの表面が乾燥する。このスピンドライ工程は、スピンチャック1の回転が止められて、スピンチャック1から処理後のウエハWが搬出されていく。
【0053】
このように、この実施形態に係る基板処理装置においても、第1の実施形態に係る基板処理装置と同様な効果を達成することができる。
なお、この実施形態において、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6は、それぞれ過酸化水素水および硫酸を霧化してウエハWの表面に供給する噴霧ノズルであるとしているが、ウエハWの表面上の供給範囲SAにそれぞれ過酸化水素水および硫酸を水流の状態で連続的に供給するノズルが過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6として採用されてもよい。過酸化水素水および硫酸を供給範囲SAに同時に供給する場合、過酸化水素水および硫酸が連続流であっても、その過酸化水素水および硫酸をウエハWの表面上で上手く混合させることができ、適温に昇温されたHSOを含むレジスト剥離液を良好に生成することができる。
【0054】
図8は、この発明のさらに他の実施形態について説明するための図である。上述のように、硫酸と過酸化水素水との混合液を用いてウエハWの表面のレジスト膜を剥離した後に、そのレジスト膜が剥離されたウエハWの表面から硫黄残渣およびパーティクルを除去するためには、レジスト膜の剥離後のウエハWの表面に、物理的効果が付与されたアルカリ性薬液を供給すればよい。そこで、上記の各実施形態では、レジスト膜の剥離後のウエハWの表面に強アルカリ性のSC1の液滴の噴流を供給しているが、たとえば、所定周波数(たとえば、0.2〜3.0MHz)の超音波振動が付与されたSC1をウエハWの表面に供給することによっても、ウエハWの表面にSC1の液滴の噴流を供給することによっても同様な効果を得ることができる。
【0055】
ウエハWの表面に超音波振動が付与されたSC1を供給するためには、たとえば、図1に示す二流体スプレーノズル4に代えて、SC1供給源から供給されるSC1に超音波振動を付与し、その超音波振動を付与したSC1をウエハWの表面に供給する超音波SC1ノズルがアーム52に取り付けられるとよい。この構成が採用された基板処理装置では、たとえば、HSOパドル工程、H供給工程およびリンス工程が順に行われた後、超音波SC1ノズルから超音波振動が付与されたSC1をウエハWの表面に供給する超音波振動SC1工程が行われる。超音波振動SC1工程の後は、リンス工程およびスピンドライ工程が順に行われる。
【0056】
超音波振動SC1工程では、ウエハWが所定の回転速度(たとえば、約1000rpm)で回転される。その一方で、旋回駆動機構53および昇降駆動機構54が制御されて、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に超音波SC1ノズルが近づけられる。そして、超音波SC1ノズルからウエハWの表面に超音波振の付与されたSC1が供給される。また、SC1がウエハWの表面に供給されている間、旋回駆動機構53が制御されて、超音波SC1ノズルからのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置が、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、円弧状の軌跡を描きつつ繰り返し移動(スキャン)させられる。スピンチャック1によってウエハWが回転される一方で、そのウエハWの表面上を超音波振動の付与されたSC1がスキャンすることにより、ウエハWの表面の全域に超音波振動の付与されたSC1がむらなく供給される。これにより、ウエハWの表面のpH値が大きくなって、ウエハWの表面およびパーティクルのゼータ電位が同符号(マイナス)となり、ウエハWの表面とパーティクルとの結合力を弱められる。そして、そのウエハWの表面との結合力が弱められたパーティクルは、SC1が有する超音波振動によって、ウエハWの表面から物理的に剥離されて除去される。
【0057】
よって、この実施形態によっても、上記の各実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6は、それぞれ霧状の過酸化水素水および硫酸をスリット状の範囲SAに供給するように構成されているとしたが、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6としては、図9に示すように、それぞれ霧状の過酸化水素水および硫酸をコーン状(円錐状)に吐出して、ウエハWの表面上のウエハWの半径Rを含む円形状の範囲RAに供給する構成のノズル(コーンノズル)を採用してもよい。このコーンノズルを採用する場合において、ウエハWの表面に過酸化水素水および硫酸を同時に供給して、ウエハWの表面上で過酸化水素水と硫酸とを混合させる場合には、過酸化水素水ノズル3からの霧状の過酸化水素水の供給範囲RAと硫酸ノズル6からの霧状の硫酸の供給範囲RAとが重なり合うように、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル6の取付位置および取付角度を設計すればよい。
【0058】
また、二流体スプレーノズル4の構成例として、いわゆる内部混合型の構成を取り上げたが、二流体スプレーノズル4は、図10に示すような外部混合型の二流体スプレーノズルであってもよい。外部混合型の二流体スプレーノズルは、下面に断面台形状の凹部81aを有する保持体81と、保持体81の凹部81aの周面を斜めに貫通して保持された液体導入管82と、この保持体81の中心軸線に沿って設けられた気体導入管83とを有している。気体導入管83および液体導入管82には、それぞれSC1供給管41および高圧窒素ガス供給管42が接続される。液体導入管82は、保持体82の中心軸線に近づくに従って下方に傾斜するように設けられている。また、気体導入管83の下端は、保持体81の凹部81a内に達している。この構成により、SC1供給管41から液体導入管82にSC1を供給するとともに、高圧窒素ガス供給管42から気体導入管83に高圧窒素ガスを供給すると、液体導入管82の先端から吐出されるSC1に高圧窒素ガスが衝突し、その結果、SC1の液滴の噴流が形成されて、このSC1の液滴の噴流が下方に向けて噴射される。
【0059】
ウエハWの表面から硫黄残渣およびパーティクルを除去するためのアルカリ性薬液としては、SC1以外に、コリン((CH)N+CHCHOH)またはアンモニアを用いることができる。
また、上記の各実施形態では、ウエハWの表面上またはウエハWの表面の近傍で硫酸と過酸化水素水とを混合させているが、硫酸と過酸化水素水とを予め混合した混合液を、スピンチャック1の上方に配置されたノズルからウエハWの表面に供給するようにしてもよい。
【0060】
さらに、上記の各実施形態では、ウエハWの表面から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理を例にとったが、処理対象となる基板は、ウエハWに限らず、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディプレイパネル用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板および磁気/光ディスク用基板などの他の種類の基板であってもよい。また、基板に対する処理は、硫酸および過酸化水素水との混合液を用いた処理であれば、レジスト剥離処理に限らず、基板の表面に付着したレジスト膜以外の有機物(パーティクル)を除去するための洗浄処理であってもよい。
【0061】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。
【図2】過酸化水素水ノズルの構成を示す断面図である。
【図3】基板(ウエハ)表面上における過酸化水素水の供給範囲について説明するための図解図である。
【図4】二流体スプレーノズルの構成を示す断面図である。
【図5】レジスト剥離処理について説明するための図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。
【図7】基板(ウエハ)表面上における過酸化水素水および硫酸の供給範囲について説明するための図解図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態について説明するための図である。
【図9】過酸化水素水ノズルおよび硫酸ノズルの他の構成について説明するための図解図である。
【図10】二流体スプレーノズルの他の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 硫酸ノズル
3 過酸化水素水ノズル
4 二流体スプレーノズル
6 硫酸ノズル
W ウエハ

Claims (7)

  1. 硫酸および過酸化水素水を用いて基板を処理する方法であって、
    基板保持手段によって処理対象の基板を保持する工程と、
    上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて硫酸を供給する硫酸供給工程と、
    上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給工程と、
    上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程の後、上記基板保持手段によって保持されている基板に物理的効果が付与されたアルカリ性薬液を供給するアルカリ性薬液供給工程と
    を含むことを特徴とする基板処理方法。
  2. 上記アルカリ性薬液供給工程は、
    二流体スプレーノズルを用いて、アルカリ性薬液と気体とを混合させることによってアルカリ性薬液の液滴の噴流を形成する噴流形成工程と、
    この噴流形成工程で形成されたアルカリ性薬液の液滴の噴流を基板に供給する工程と
    を含む工程であることを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  3. 上記アルカリ性薬液供給工程は、
    超音波振動付与ノズルにアルカリ性薬液を供給して、アルカリ性薬液に超音波振動を付与する超音波振動付与工程と、
    この超音波振動付与工程で超音波振動が付与されたアルカリ性薬液を上記超音波ノズルから基板に供給する工程と
    を含む工程であることを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  4. 上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程は、並行して行われて、硫酸および過酸化水素水は、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面上または表面の近傍で混合されて基板の表面に供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
  5. 上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程は、互いに前後して行われて、硫酸および過酸化水素水は、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面上で混合されて基板の表面に供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
  6. 上記硫酸供給工程および過酸化水素水供給工程のうちの少なくとも一方の工程が行われている間、上記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理方法。
  7. 硫酸および過酸化水素水を用いて基板を処理する基板処理装置であって、
    処理対象の基板を保持する基板保持手段と、
    この基板保持手段によって保持されている基板に向けて硫酸を供給する硫酸供給手段と、
    上記基板保持手段によって保持されている基板に向けて過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給手段と、
    上記基板保持手段によって保持されている基板に物理的効果が付与されたアルカリ性薬液を供給するアルカリ性薬液供給手段と
    を含むことを特徴とする基板処理装置。
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