JP2004288723A - 半導体レーザー、半導体レーザーアレイ、および半導体レーザーの製造方法 - Google Patents

半導体レーザー、半導体レーザーアレイ、および半導体レーザーの製造方法 Download PDF

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Tetsuro Nishida
哲朗 西田
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Abstract

【課題】良好な結晶品質の化合物半導体から構成され、かつ波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザーの製造方法は、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板10の上に形成するための製造方法であって、基板10の第1の面から基板10を加熱した際に、基板10の第2の面に所定の温度分布を生じさせるための凸部20からなる温度分布付加領域を基板10の第1の面に設けること、凸部20の周囲に少なくとも基板10より熱伝導率の低い熱遮断膜30を形成すること、少なくとも温度分布付加領域20を用いて基板10を第1の面から加熱しながら、基板10の第2の面上に所与の化合物半導体100を結晶成長すること、を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザー、半導体レーザーアレイおよび半導体レーザーの製造方法に関し、特に発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一の基板上に形成するための製造方法、ならびにこれを用いて形成された半導体レーザーおよび半導体レーザーアレイに関する。
【0002】
【背景技術】
近年のネットワークにおける情報量の増大に対応するため、1本の光ファイバに波長の異なる光信号を多重化して伝送する波長分割多重(WDM)方式の通信技術に関する研究開発が盛んに行われている。
【0003】
かかるWDM方式の光通信においては、伝送装置の小型化および高集積化のために複数の波長を出力可能な光送信機が必要とされる。この光送信機には、光源として一般的に半導体レーザーが用いられる。このため、同一基板上に複数の異なる波長を出射可能な複数の半導体レーザーを製造するための技術として、例えば、基板表面に面積の異なる凹部や凸部をパターニング等により形成して、その上に化合物半導体の結晶成長を行う方法や、基板表面に開口部の面積が異なる酸化物マスクを形成して、かかる開口部に化合物半導体を選択的に結晶成長させる方法などにより、素子間の活性層の膜厚を変化させて発光波長を異ならせる技術が提案されている。
【0004】
しかし、前者の方法では、さらにデバイスを構成する化合物半導体の結晶品質を左右する素子形成面上に凹凸を設けるため、品質の高い化合物半導体結晶を得ることが難しく、また、後者の方法においても、酸化物マスクを形成することで基板表面に加工ダメージを与えるおそれがあり、このように従来の方法では品質が高く、かつ異なる発光波長を有する半導体レーザーを同一基板上に複数形成することが難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な結晶品質の化合物半導体から構成され、かつ波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる製造方法と、この製造方法により形成される半導体レーザーおよび半導体レーザーアレイを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の半導体レーザーの製造方法は、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成するための製造方法であって、前記基板の第1の面から該基板を加熱した際に、該基板の第2の面に所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加領域を該基板の第1の面に設けること、少なくとも前記温度分布付加領域を用いて前記基板を前記第1の面から加熱しながら、前記基板の第2の面上に所与の化合物半導体を結晶成長すること、を含む。
【0007】
本発明によれば、基板の第2の面上に化合物半導体を結晶成長させる際に基板の第1の面から加熱を行うと、温度分布付加領域を通じて基板の第2の面に対して第1の面の温度分布付加領域の上部を中心に傾斜した温度分布(温度勾配)を生じさせることができる。
【0008】
ここで、半導体レーザーを構成する化合物半導体の結晶成長においては、結晶成長速度が基板表面(第2の面)の温度に依存する。従って、本発明によれば、温度分布付加領域によって基板の第2の面に温度分布が生じた状態で結晶成長された化合物半導体の層は、基板面内において成長速度が異なることにより、結晶成長時の基板表面の温度分布に応じた膜厚分布を有することになる。そして、半導体レーザーにおいては活性層の膜厚により発光波長が変化する。このため、本発明によれば、同一基板内において、異なる膜厚が連続的に分布した活性層を形成することができ、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0009】
さらに、本発明では、上述した膜厚分布を生じさせるために、化合物半導体を結晶成長する基板の第2の面に特別な加工を施さず、成膜された結晶の品質に影響を与えない第1の面に温度分布付加領域を設けるため、結晶成長面となる基板の第2の面の表面状態を良好に維持したまま結晶成長を行うことができる。このため、本発明によれば、基板上に良好な結晶品質の化合物半導体を結晶成長することができ、特性に優れた半導体レーザーを得ることができる。
【0010】
本発明の製造方法は、以下の態様を採り得る。
【0011】
(A)前記基板の第1の面に対して所与の領域に凸部を有するようにパターニングすることによって前記温度分布付加領域を設けることができる。
【0012】
かかる態様によれば、基板の第1の面側に形成された凸部を通じて基板が加熱されると、基板の第2の面には、第1の面の凸部の上に対応する部分を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。従って、かかる態様によれば、この温度分布が生じた状態で基板の第2の面上に化合物半導体を結晶成長して形成することで、基板の第2の面における温度分布に対応した膜厚分布を有する化合物半導体の層を形成することができ、この膜厚分布に応じて発光波長が異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0013】
また、かかる態様においては、前記凸部の周囲に少なくとも前記基板より熱伝導率の低い熱遮断膜を形成することを含むことができる。
【0014】
これにより、熱遮断膜が形成された部分の上部には熱が伝わりにくいため、第2の面における温度分布を制御することができる。また、かかる態様によれば、基板の第1の面の凸部の周囲を熱遮断膜で埋めることにより、結晶成長時における基板の安定性および取扱性が向上させることができる。
【0015】
(B)前記基板の第1の面の所与の領域の上に少なくとも空気より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設けることができる。
【0016】
かかる態様によれば、基板の第1の面に形成された熱伝導部を通じて基板が加熱されると、基板の第2の面側では、第1の面の熱伝導部の上に対応する部分を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。従って、かかる態様によっても、この温度分布を利用して基板の第2の面上に膜厚分布を有する化合物半導体の層を形成することができ、この膜厚分布に応じて発光波長が異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0017】
また、かかる態様においては、前記熱伝導部の周囲に少なくとも該熱伝導部より熱伝導率の低い熱遮断膜を形成することを含むことができる。
【0018】
これにより、熱遮断膜が形成された部分の上部には熱が伝わりにくいため、第2の面における温度分布を制御することができる。また、かかる態様によれば、基板の第1の面の凸部の周囲を熱遮断膜で埋めることにより、結晶成長時における基板の安定性および取扱性を向上させることができる。
【0019】
(C)前記基板の第1の面に対して所与の領域に凹部を有するようにパターニングを行い、前記凹部内に少なくとも前記基板より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設けることができる。
【0020】
かかる態様によれば、基板の第1の面側に形成された凹部内に基板よりも熱伝導率の高い熱伝導部を設けることにより、基板材料と熱伝導部の材料との熱伝導率の差を利用して基板の第2の面側に熱伝導部の上部を中心とした温度傾斜を有する温度分布を生じさせることができる。これにより、かかる温度分布が生じた状態で結晶成長を行うことによって、膜厚分布を有する化合物半導体の層を形成することができ、かかる膜厚分布に応じて発光波長が異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0021】
(D)前記基板の第1の面の上に熱遮断膜を形成し、前記熱遮断膜に対して所与の領域において少なくとも前記基板の第1の面が露出するようにパターニングして凹部を形成し、前記凹部内に少なくとも前記熱遮断膜より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設けることができる。
【0022】
かかる態様によれば、まず、基板の第1の面側に熱遮断膜を形成し、この熱遮断膜に形成された凹部内に熱遮断膜より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することにより、化合物半導体の結晶成長の際に熱遮断膜と熱伝導部との熱伝導率の差を利用して基板の第2の面側に所定の温度分布を生じさせることができる。従って、かかる態様においても、基板の第2の面の上に膜厚分布を有する化合物半導体の層を形成することができ、かかる膜厚分布に応じて発光波長が異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0023】
(E)前記温度分布付加領域は、前記基板の第1の面に複数設けることができる。
【0024】
かかる態様によれば、基板の第2の面側に温度分布を生じさせる領域を散在させることにより、異なる発光波長を有する複数の半導体レーザーからなる光源を同一基板を用いて大量生産することができる。
【0025】
また、かかる態様においては、前記温度分布付加領域は、前記基板の第1の面に少なくとも2以上の異なる温度分布を生じさせるものを複数設けることができる。
【0026】
かかる態様によれば、異なる発光波長を有する複数の半導体レーザーからなる光源であって、かつそれぞれの光源において発光波長帯が異なるものを同一基板を用いて大量生産することができる。
【0027】
(F)前記化合物半導体を前記基板の第2の面の温度に結晶成長速度が依存する結晶成長方法を用いて形成することができる。このような前記結晶成長方法として、例えば、有機金属気相成長法または分子線エピタキシー法を用いることができる。
【0028】
(2)本発明の半導体レーザーは、上記製造方法に形成することができ、また本発明の半導体レーザーアレイは、上記製造方法を用いて形成された発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一の基板上に含む。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る半導体レーザーの製造方法における化合物半導体の結晶成長工程を模式的に示す断面図である。
【0031】
(1)まず、図1(A)に示すように、例えば、n型GaAs(ガリウム砒素)からなる基板10を用意する。基板10としては、上記したGaAs基板のほかにInP基板やサファイア基板などを用いることができる。
【0032】
(2)次に、図1(B)に示すように、基板10の裏面(第1の面)側に対して所与の領域に凸部20が形成されるように、パターニングを行う。この凸部20は、基板10裏面に複数設けることができ、パターニングの態様としては、図2(A)〜(C)に示すように、柱状パターン(図2(A))や、ストライプパターン(図2(B))や、格子パターン(図2(C))など種々のパターンを採用することができる。そして、本実施の形態に係る製造方法では、この基板10の裏面に形成された凸部20を素子形成面となる基板表面(第2の面)に温度分布をもたせる温度分布付加領域として用いる。
【0033】
(3)次に、図1(C)に示すように、基板10の裏面の凸部20の周囲に例えば、SiO(酸化シリコン)からなる熱遮断膜30を形成する。この熱遮断膜30は、結晶成長を行うための装置内における基板10の安定性や基板10の取扱いの利便性などを考慮して必要に応じて設ければよい。この熱遮断膜30の材料としては、SiOの他に、例えば、SiC(炭化シリコン)、Al(酸化アルミニウム)などが挙げられるが、少なくとも基板10より熱伝導率の低い材料であればよく、上述したものに限定されない。
【0034】
(4)次に、図1(D)に示すように、基板10を裏面側から凸部20を通じて加熱しながら、化合物半導体の結晶成長を行い、凸部20の上部が厚くなるような膜厚分布を有する結晶成長部100を形成する。
【0035】
この結晶成長の際には、凸部20と熱遮断膜30との熱伝導率の差によって、基板10の裏面側から与えられる熱は、優先的に凸部20から基板10の内部に伝わっていくことになる。このため、基板10の表面においては、図3に示すように、凸部20が形成されている領域の上部を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。ここで、図2において示した凸部20のパターニングの態様に照らして基板10の表面の温度分布を観察すると、例えば、図4に示される等温度分布図のように、凸部20の周囲に等位温度領域が傾斜的に広がった温度分布を生じるものと考えられる。
【0036】
また、化合物半導体の結晶成長の速度は、図5に示すように、基板10の表面温度に依存するため、結晶成長部100は、基板10の表面の温度分布に対応した膜厚分布で形成されることになる。すなわち、本実施の形態に係る製造方法においては、化合物半導体を基板10の表面の温度に結晶成長速度が依存する結晶成長方法を用いて形成すればよい。このような結晶成長方法として、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)または分子線エピタキシー法(MBE法)を用いることができる。また、結晶成長の際に基板10の裏面側から与えられる熱量は、基板10の表面温度が結晶成長速度の急激に変化する温度領域に入るように制御することが好ましい。
【0037】
なお、基板10の裏面側に凸部20のみが形成されている場合であっても、凸部20とその周囲の空気の層との熱伝導率の差によって、基板10の表面に同様の温度分布を生じさせながら結晶成長部100を形成することができる。
【0038】
以下では、かかる結晶成長部100を基板10上に形成した後に、半導体レーザーとしてストライプレーザーまたは面発光型レーザーを形成するための製造工程を説明する。
【0039】
1.ストライプレーザーの製造工程
図6(A)および図6(B)は、ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0040】
ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100は、図6(B)に示すように、例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、例えば、n型AlGaAsからなるn型クラッド層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型クラッド層140、および例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層したものにより構成される。なお、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0041】
ここで、図7に示すように、半導体レーザーの発光波長は、活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存する。また、上述したように、本実施の形態の製造方法においては、結晶成長部100を構成する化合物半導体の各層110〜150が基板10の表面の温度分布に応じた膜厚分布をもって形成される。このため、図6(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。
【0042】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成することができる。
【0043】
図8は、基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0044】
まず、上述の(1)〜(4)の工程により結晶成長部を形成した後に、図8(A)に示すように、基板10の裏面側を研磨して所与の厚さにする。かかる研磨により基板10の裏面側に形成された凸部20および熱遮断膜30は、取り除かれる。
【0045】
次に、図8(B)に示すように、n型バッファ層110、n型クラッド層120、活性層130、p型クラッド層140、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離し、各素子間およびp型コンタクト層150の上に例えば、SiOからなる絶縁層160を公知の手法を用いて形成し、これにストライプパターンの貫通孔165を形成する。
【0046】
そして、図8(C)に示すように、p型コンタクト層150および絶縁層160の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型電極170を形成する。p型電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0047】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、図9に示すように、発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204が同一基板10の上に形成された光源を実現することができる。
【0048】
2.面発光型レーザーの製造工程
図10(A)および図10(B)は、面発光型レーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0049】
面発光型レーザーの場合の結晶成長部100は、図10(B)に示すように、基板10上に例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、n型DBRミラー115、例えば、n型AlGaAsからなるn型コンファインメント層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層して形成することができる。なお、n型DBRミラー115は、例えば、n型GaAsとn型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、p型DBRミラー145は、例えば、p型GaAsとp型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0050】
ここで、面発光型レーザーの場合においても、上述したストライプレーザーの場合と同様に、発光波長が活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存するので、図10(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。また、面発光型レーザーの場合は、レーザーの縦モードの長さ(共振器長)が発光波長に対応する必要があるが、本実施の形態の製造方法では、活性層130のみならず、その上下に配置されるDBRミラー115、145などの各層に対しても同様の膜厚分布を生じさせることができるため、自己整合的に縦モードの長さを発光波長に対応させることができる。
【0051】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板10上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成することができる。
【0052】
図11は、基板10上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0053】
まず、上述の(1)〜(4)の工程により結晶成長部を形成した後に、図11(A)に示すように、基板10の裏面側を研磨して所与の厚さにする。かかる研磨により基板10の裏面側に形成された凸部20および熱遮断膜30は、取り除かれる。
【0054】
次に、図11(B)に示すように、n型バッファ層110、n型DBRミラー115、n型コンファインメント層120、活性層130、p型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離する。さらに、必要に応じて、n型コンファインメント層120〜p型コンタクト層150をエッチングして電流狭窄構造とすることができる。
【0055】
そして、図11(C)に示すように、各素子間を絶縁層160で絶縁分離した後に、少なくともp型コンタクト層150の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型リング電極170を形成する。p型リング電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0056】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、図12に示すような半導体レーザーアレイ300のように、発光波長の異なる複数の面発光型レーザー301〜304を同一基板10の上に形成することができる。
【0057】
上述したように、本実施の形態の製造方法を用いれば、結晶成長がなされる基板10の表面に特殊な加工を施さないので基板10の表面に加工ダメージのない状態で、所与の膜厚分布を有するように化合物半導体を結晶成長することができる。このため、本実施の形態に係る製造方法によれば、良好な品質の化合物半導体結晶からなる活性層を有し、かつ発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204や面発光型レーザー301〜304を同一基板上に形成することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る製造方法は、以下のような変形例により実施することができる。
【0059】
例えば、基板10の裏面側に設けられる温度分布付加領域の態様は、基板10に凸部20を設けるようにパターニングする場合に限られず、図13(A)〜図13(C)に示すような態様を用いることができる。
【0060】
まず、図13(A)に示す態様では、温度分布付加領域として熱伝導率の高い熱伝導部22を設けることにより、この熱伝導部22を通じて熱を基板10に与えて基板10の表面側に温度分布を生じさせることができる。図13(B)に示す態様は、この熱伝導部22の周囲に熱遮断膜30を設けたものである。図13(C)に示す態様は、熱伝導部22を基板10の内部に埋め込んだものである。
【0061】
このような熱伝導部22に用いることができる材料としては、W(タングステン)、AlN(窒化アルミニウム)などが挙げられるが、図13(A)に示す態様では、少なくとも空気より熱伝導率の高い材料であればよく、特に限定されない。また、熱伝導部22の材料は、図13(B)に示す態様では、熱遮断膜30の材料より熱伝導率が高い材料であればよく、特に限定されない。また、熱伝導部22の材料は、図13(C)に示す態様では、基板10の材料より熱伝導率の高い材料であればよく、特に限定されない。
【0062】
さらに、かかる熱伝導部22を用いる態様では、基板10の裏面側に異なる材料のものを複数設けることで、それぞれの熱伝導部22の上部において異なる膜厚分布を有する結晶成長部を形成することができる。かかる場合の結晶性成長工程は、図14に示される。
【0063】
まず、図14(A)に示すように、基板10の裏面側に熱伝導率の異なる材料を用いて熱伝導部22a、22bを形成する。次に、図14(B)に示すように、熱伝導部22a、22bの周囲に必要に応じて熱遮断膜30を形成する。そして、図14(C)に示すように、熱伝導部22a、22bを通じて基板10を加熱しながら、化合物半導体の結晶成長を行い、結晶成長部100を形成する。このとき、基板10の表面における熱伝導部22aの上部と、熱伝導部22bの上部とでは、熱伝導部22a、22bの熱伝導率の違いにより異なる温度分布が生じるため、その上に形成された領域101、102においては、異なる膜厚分布が生じることになる。これにより、領域101、102に対して上述した手法を用いてストライプレーザーや面発光型レーザーを形成することにより、さらに多種類の発光波長を有する半導体レーザーを同一基板10上に形成することが可能となる。また、かかる場合においては、例えば、図16(A)または図16(B)に示すように(図16(A)は、ストライプレーザーの場合、図16(B)は、面発光型レーザーの場合を示す)、領域101、102のそれぞれに少なくともひとつずつの半導体レーザーを形成しておけば、同一基板10上に発光波長の異なる複数の半導体レーザーを形成することができる。
【0064】
また、かかる熱伝導部22を用いる態様では、図13(C)に示すように熱伝導部22を基板10の内部に埋め込む場合には、熱伝導部22を埋め込むために基板10の裏面側に形成される凹部の深さを変更することによっても、異なる膜厚分布を有する結晶成長部を形成することができる。かかる場合の結晶性成長工程は、図15に示される。
【0065】
まず、図15(A)に示すように、基板10の裏面に深さの異なる凹部24a、24bを形成する。次に、図15(B)に示すように、かかる凹部24a、24bに少なくとも基板10の材料より熱伝導率の高い材料を用いて熱伝導部25a、25bを形成する。そして、図15(C)に示すように、基板10を裏面から加熱しながら、基板10の表面上に化合物半導体の結晶成長を行い、結晶成長部100を形成する。このとき、基板10の裏面側に与えられた熱は、熱伝導率の高い熱伝導部25a、25bから効率よく加熱され、また、このとき熱伝導部25a、25bの最上面から基板10の表面までの高さが異なるので、熱伝導部25a、25bの上部においては、それぞれ異なる温度分布が生じる。従って、熱伝導部25a、25bの上部では、その上に形成された結晶成長部100の領域101、102において異なる膜厚分布が生じることになる。これにより、領域101、102に対して上述した手法を用いてストライプレーザーや面発光型レーザーを形成することにより、上記の場合と同様に多種類の発光波長を有する半導体レーザーを同一基板10上に形成することが可能となる。また、かかる場合においては、例えば、図16(A)または図16(B)に示すように(図16(A)は、ストライプレーザーの場合、図16(B)は、面発光型レーザーの場合を示す)、領域101、102のそれぞれに少なくともひとつずつの半導体レーザーを形成しておけば、同一基板10上に発光波長の異なる複数の半導体レーザーを形成することができる。
【0066】
また、以上の実施例においては、結晶成長部100をGaAsおよびAlGaAsを材料とした層により形成する場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、例えば、Ga、In、As、Al、N、Pなどを構成元素として含む公知のIII−V族化合物半導体材料を結晶成長部100を構成する層の材料として用いることができる。
【0067】
以上に、本発明に好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において各種の態様をとりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程を示す断面図である。
【図2】基板裏面のパターンを説明するための図である。
【図3】基板表面の温度分布を説明するための図である。
【図4】基板表面の温度分布を説明するための図である。
【図5】基板温度と結晶成長速度の関係を説明するための図である。
【図6】ストライプレーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図7】活性層の膜厚と発光波長との関係を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態に係るストライプレーザーの製造工程を示す断面図である。
【図9】複数のストライプレーザーが形成された光源を示す図である。
【図10】面発光型レーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る面発光型レーザーの製造工程を示す断面図である。
【図12】複数の面発光型レーザーが形成された半導体レーザーアレイを示す図である。
【図13】温度分布付加領域を設けるための変形例を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を示す断面図である。
【図16】本発明の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を適用した半導体レーザーを示す断面図である。
【符号の説明】
10 基板、20 凸部(温度分布付加領域)、22 熱伝導部(温度分布付加領域)、30 熱遮断膜、100 結晶成長部、201,202,203,204ストライプレーザー(半導体レーザー)、301,302,303,304 面発光型レーザー(半導体レーザー)、300 半導体レーザーアレイ

Claims (13)

  1. 発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成するための製造方法であって、
    前記基板の第1の面から該基板を加熱した際に、該基板の第2の面に所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加領域を該基板の第1の面に設けること、
    少なくとも前記温度分布付加領域を通じて前記基板を前記第1の面から加熱しながら、前記基板の第2の面上に所与の化合物半導体を結晶成長すること、を含む、半導体レーザーの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記基板の第1の面に対して所与の領域に凸部を有するようにパターニングすることによって前記温度分布付加領域を設ける、半導体レーザーの製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記凸部の周囲に少なくとも前記基板より熱伝導率の低い熱遮断膜を形成することを含む、半導体レーザーの製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記基板の第1の面の所与の領域の上に少なくとも空気より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設ける、半導体レーザーの製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記熱伝導部の周囲に少なくとも該熱伝導部より熱伝導率の低い熱遮断膜を形成することを含む、半導体レーザーの製造方法。
  6. 請求項1において、
    前記基板の第1の面に対して所与の領域に凹部を有するようにパターニングを行い、
    前記凹部内に少なくとも前記基板より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設ける、半導体レーザーの製造方法。
  7. 請求項1において、
    前記基板の第1の面の上に熱遮断膜を形成し、
    前記熱遮断膜に対して所与の領域において少なくとも前記基板の第1の面が露出するようにパターニングして凹部を形成し、
    前記凹部内に少なくとも前記熱遮断膜より熱伝導率の高い熱伝導部を形成することによって前記温度分布付加領域を設ける、半導体レーザーの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記温度分布付加領域は、前記基板の第1の面に複数設けられる、半導体レーザーの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記温度分布付加領域は、前記基板の第1の面に少なくとも2以上の異なる温度分布を生じさせるものが複数設けられる、半導体レーザーの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、
    前記化合物半導体を前記基板の第2の面の温度に結晶成長速度が依存する結晶成長方法を用いて形成する、半導体レーザーの製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記結晶成長方法は、有機金属気相成長法または分子線エピタキシー法である、半導体レーザーの製造方法。
  12. 請求項1〜11に記載された製造方法を用いて形成された、半導体レーザー。
  13. 請求項1〜11に記載された製造方法を用いて形成された発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一の基板上に含む、半導体レーザーアレイ。
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