JP2004356167A - 結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 - Google Patents
結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004356167A JP2004356167A JP2003148903A JP2003148903A JP2004356167A JP 2004356167 A JP2004356167 A JP 2004356167A JP 2003148903 A JP2003148903 A JP 2003148903A JP 2003148903 A JP2003148903 A JP 2003148903A JP 2004356167 A JP2004356167 A JP 2004356167A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- temperature distribution
- crystal growth
- region
- crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
【課題】良好な結晶品質を有する化合物半導体の結晶膜を同一基板内において異なる膜厚で形成する結晶成長方法を提供する。
【解決手段】本発明の結晶成長方法は、成長室10内に収容される基板搭載部材50に所与の基板60を搭載すること、成長室50内で基板60を加熱しながら、基板60上に化合物半導体を結晶成長させること、を含み、基板搭載部材50の基板60を搭載する面側には温度分布付加領域52が設けられており、温度分布付加領域52を介して基板60を加熱することによって基板60の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせながら化合物半導体の結晶成長を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の結晶成長方法は、成長室10内に収容される基板搭載部材50に所与の基板60を搭載すること、成長室50内で基板60を加熱しながら、基板60上に化合物半導体を結晶成長させること、を含み、基板搭載部材50の基板60を搭載する面側には温度分布付加領域52が設けられており、温度分布付加領域52を介して基板60を加熱することによって基板60の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせながら化合物半導体の結晶成長を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年のネットワークにおける情報量の増大に対応するため、1本の光ファイバに波長の異なる光信号を多重化して伝送する波長分割多重(WDM)方式の通信技術に関する研究開発が盛んに行われている。
【0003】
かかるWDM方式の光通信においては、伝送装置の小型化および高集積化のために複数の波長を出力可能な光送信機が必要とされる。この光送信機には、光源として一般的に半導体レーザーが用いられる。このため、同一基板上に複数の異なる波長を出射可能な複数の半導体レーザーを製造するための技術として、例えば、基板表面に面積の異なる凹部や凸部をパターニング等により形成して、その上に化合物半導体の結晶成長を行う方法や、基板表面に開口部の面積が異なる酸化物マスクを形成して、かかる開口部に化合物半導体を選択的に結晶成長させる方法などにより、素子間の活性層の膜厚を変化させて発光波長を異ならせる技術が提案されている。
【0004】
しかし、前者の方法では、さらにデバイスを構成する化合物半導体の結晶品質を左右する素子形成面上に凹凸を設けるため、品質の高い化合物半導体結晶を得ることが難しく、また、後者の方法においても、酸化物マスクを形成することで基板表面に加工ダメージを与えるおそれがあり、このように従来の方法では品質が高く、かつ異なる発光波長を有する半導体レーザーを同一基板上に複数形成することが難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な結晶品質を有する化合物半導体の結晶膜を同一基板内において異なる膜厚で形成する結晶成長方法、およびこれを用いた半導体レーザーの製造方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、上記結晶成長方法に好適な結晶成長装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1.結晶成長方法
本発明の結晶成長方法は、成長室内に収容される基板搭載部材に所与の基板を搭載すること、前記成長室内で前記基板を加熱しながら、該基板上に化合物半導体を結晶成長させること、を含み、前記基板搭載部材の前記基板を搭載する面側には温度分布付加部が設けられており、前記温度分布付加部を介して前記基板を加熱することによって前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせながら前記化合物半導体の結晶成長を行う。
【0008】
本発明でいう「基板搭載部材」とは、基板を搭載可能な領域を有する部材を意味し、専用部材に限られない。「基板搭載部材」としては、例えば、サセプタや基板ホルダーと呼ばれるものが含まれる。以下に示される各発明においても同様である。
【0009】
本発明によれば、基板の結晶成長面上に化合物半導体を結晶成長させる際に、基板搭載部材の温度分布付加部を介して基板の裏面から加熱を行うと、基板の結晶成長面に温度分布付加部の上部を中心に傾斜した温度分布(温度勾配)を生じさせることができる。
【0010】
ここで、化合物半導体の結晶成長においては、一般に結晶成長速度が基板の結晶成長面の温度に依存して変化しやすい。すなわち、本発明によれば、温度分布付加部によって基板の結晶成長面に温度分布が生じた状態で結晶成長を行うため、基板面内において成長速度が異なることにより、作製された化合物半導体の結晶膜が、基板の結晶成長面の温度分布に応じた膜厚分布を有することになる。このため、本発明によれば、同一基板内において、異なる膜厚が連続的に分布した化合物半導体の結晶膜を形成することができる。
【0011】
さらに、本発明では、上述した膜厚分布を生じさせるために、化合物半導体を結晶成長する基板の結晶成長面に特別な加工を施さないため、結晶成長面の表面状態を良好に維持したまま結晶成長を行うことができる。このため、本発明によれば、基板上に良好な結晶品質の化合物半導体の結晶膜を結晶成長により形成することができる。
【0012】
本発明の結晶成長方法は、以下の態様を採り得る。
【0013】
(A)前記温度分布付加部は、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域を有し、前記凸領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が加えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる。
【0014】
かかる態様によれば、凸領域を通じて基板が加熱することにより、基板の結晶成長面には、凸領域の上に対応する部分を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。従って、かかる態様によれば、この温度分布が生じた状態で基板の結晶成長面上に化合物半導体を結晶成長して形成することで、基板の結晶成長面における温度分布に対応した膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を良好な品質で形成することができる。
【0015】
(B)前記凸領域の周囲には、少なくとも前記温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の低い材料で形成された熱遮断領域が存在することができる。
【0016】
かかる態様によれば、熱遮断領域が形成された部分の上部には熱が伝わりにくいため、基板の結晶成長面における温度分布を比較的容易に制御することができる。また、かかる態様によれば、基板搭載部材の凸領域の周囲が埋められていることにより、基板搭載部材の上における基板の安定性および取扱性を向上させることができる。
【0017】
(C)前記温度分布付加部は、該温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の高い材料が凹部内に埋め込まれて形成された高熱伝導領域を有し、前記高熱伝導領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が与えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる。
【0018】
かかる態様によれば、凹部内に温度分布付加部よりも熱伝導率の高い材料を埋め込んで高熱伝導領域を設けることにより、材料間の熱伝導率の差を利用して高熱伝導領域から優先的に基板に熱を付与することができるので、基板の結晶成長面側に高熱伝導領域の上部を中心とした温度傾斜を有する温度分布を生じさせることができる。これにより、かかる温度分布が生じた状態で結晶成長を行うことによって、所望の膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を良好な品質で形成することができる。
【0019】
(D)前記化合物半導体の結晶成長速度が、前記基板の結晶成長面の温度に依存して変化する結晶成長方法を用いることができる。このような結晶成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法あるいは分子線エピタキシー法を用いることができる。
【0020】
(E)本発明の結晶成長方法は、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成するための製造方法であって、上記いずれかの結晶成長方法を用いて化合物半導体を結晶成長することを含む半導体レーザーの製造方法に適用することができる。
【0021】
一般に、半導体レーザーにおいては活性層の膜厚により発光波長が変化することが知られている。このため、かかる態様によれば、同一基板内において、異なる膜厚が連続的に分布した活性層を形成することができ、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0022】
2.結晶成長装置
(1)本発明の第1の結晶成長装置は、所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、を含み、前記基板搭載部材の基板搭載面は、前記基板を加熱した際に前記基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加領域が形成されている。
【0023】
本発明によれば、基板搭載部材の基板搭載面に温度分布付加領域が設けられた構成により上記した化合物半導体の結晶成長方法と同様の効果を実現することができる。なお、温度分布付加領域は、上記結晶成長方法の発明における温度分布付加部に対応する構成である。
【0024】
本発明の第1の結晶成長装置は、以下の態様を採り得る。
【0025】
(A)前記温度分布付加領域には、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域が、前記基板搭載部材の基板搭載面を加工することにより形成されており、前記凸領域から前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされていることができる。
【0026】
(B)前記温度分布付加領域は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有することができる。
【0027】
(C)前記温度分布付加領域は、前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、前記高熱伝導領域は、前記基板搭載部材の基板搭載面に形成された凹部内に該基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されていることができる。
【0028】
(2) 本発明の第2の結晶成長装置は、所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、前記基板搭載部材と前記基板との間に介装され、前記基板を加熱した際に該基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加部材と、を含む。
【0029】
本発明によれば、第1の結晶成長装置の場合とは異なり、基板搭載部材とは、別個の部材として基板と基板搭載部材との間に介装される温度分布付加部材を設けることにより、上記した化合物半導体の結晶成長方法と同様の効果を実現することができる。なお、温度分布付加部材は、上記結晶成長方法の発明における温度分布付加部に対応する構成である。
【0030】
本発明の第2の結晶成長装置は、以下の態様を採り得る。
【0031】
(A)前記温度分布付加部材は、前記基板の搭載時に該基板と接触する凸領域を有し、前記凸領域から前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされていることができる。
【0032】
(B)前記温度分布付加部材は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有することができる。
【0033】
(C)前記温度分布付加部材は、前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、前記高熱伝導領域は、前記温度分布付加部材に形成された凹部内に該温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係るMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置1000について説明する。図1は、MOCVD装置1000を模式的に示す図である。
【0036】
MOCVD装置(結晶成長装置)1000は、成長室10と、第1〜第3原料室20,22,24とを有する。成長室10には、基板60の温度を制御するためのヒーター40が設けられている。そして、このヒーター40の上には、基板60を搭載するサセプタ(基板搭載部材)50が設けられている。また、第1〜第3原料室20,22,24のそれぞれと、成長室10とは、ガス供給ライン30により接続されている。MOCVD装置1000は、ガス供給ライン30に主としてキャリアガスたる水素(H2)ガスが供給されている。MOCVD装置1000には、これら図示した構成のほかに排気手段などが必要に応じて設けられる。
【0037】
第1原料室20には、ガリウム原料20aが充填されている。ガリウム原料20aとしては、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)を挙げることができる。
【0038】
第2原料室22には、アルミニウム原料22aが充填されている。アルミニウム原料22aとしては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)を挙げることができる。
【0039】
第3原料室24には、砒素原料24aが充填されている。砒素原料24aとしては、例えば、ターシャリーブチルアルシン(TBAs)を挙げることができる。
【0040】
また、必要に応じて、砒素原料としてのアルシン(AsH3)ガスが充填された第4原料室26を設けてもよい。
【0041】
サセプタ50は、主として熱伝導性の良好な金属あるいは合金を材料として形成されており、図2に示すように、基板60の搭載面に温度分布付加領域(温度分布付加部)52が形成されている。温度分布付加領域52は、例えば、サセプタ50の基板搭載面が周期的な凸領域54を有するようにパターニング加工することにより形成される。パターニングの態様としては、図3(A)〜図3(C)に示すように、柱状パターン(図3(A))や、ストライプパターン(図3(B))や、格子パターン(図3(C))など種々のパターンを採用することができる。温度分布付加領域52として例えば、凸領域54を設けた場合には、図4に示されるように、サセプタ50に基板60を搭載した際に、凸領域54が基板60と接触することになる。そして、このような状態においてヒーター40から基板搭載部材50を介して基板を加熱すると、凸領域54とその周囲の雰囲気ガスとの熱伝導率の差によって、基板60の裏面側から与えられる熱は、優先的に凸領域54から基板60の内部に伝わっていくことになる。このため、基板60の表面(結晶成長面)においては、図4に示すように、凸領域54の上部を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。ここで、図3において示した凸領域54のパターニングの態様に照らして基板60の表面の温度分布を観察すると、例えば、図5に示される等温度分布図のように、凸領域54上部の周囲に向かって等位温度領域が傾斜的に広がった温度分布を生じるものと考えられる。
【0042】
また、化合物半導体の結晶成長の速度は、図6に示すように、基板60の結晶成長面の温度に依存するため、基板60上に温度分布に対応した膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を形成するためには、基板60の結晶成長面の温度に結晶成長速度が依存する結晶成長方法を用いて形成すればよい。このような結晶成長方法として、有機金属気相成長法(MOCVD法)は好適である。また、分子線エピタキシー法(MBE法)も同様に、基板60の結晶成長面の温度に結晶成長温度が依存する結晶成長方法として例示できる。かかるMBE法を用いた場合は、後述にて説明する。また、結晶成長の際に基板60の裏面側から与えられる熱量は、基板60の結晶成長面の温度が結晶成長速度の急激に変化する温度領域に入るように制御することが好ましい。
【0043】
このように、本実施の形態に係るMOCVD装置1000によれば、温度分布付加領域52によって基板60の結晶成長面に温度分布が生じた状態で結晶成長を行うことができるため、基板60の面内において成長速度が異なることにより、作製される化合物半導体の結晶膜が、基板60の結晶成長面の温度分布に応じた膜厚分布を有することになる。このため、MOCVD装置1000によれば、同一基板60内において、異なる膜厚が連続的に分布した化合物半導体の結晶膜を形成することができる。さらに、MOCVD装置1000では、上述した膜厚分布を生じさせるために、化合物半導体を結晶成長する基板60の結晶成長面に特別な加工を施さないため、結晶成長面の表面状態を良好に維持したまま結晶成長を行うことができる。このため、本実施の形態に係るMOCVD装置1000によれば、基板60上に良好な結晶品質の化合物半導体の結晶膜を結晶成長により形成することが可能となる。
【0044】
[第2の実施形態]
以下では、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000を用いた化合物半導体の結晶成長方法を説明する。
【0045】
図7(A)〜図7(C)は、本実施の形態に係る化合物半導体の結晶成長工程を模式的に示す断面図である。
【0046】
(1)まず、図7(A)に示すように、化合物半導体を結晶成長するための基板60を用意する。基板60は、例えば、GaAs基板、InP基板、サファイア基板などが挙げられる。この基板60の材質は、その上に結晶成長する化合物半導体の種類に応じて適宜選択すればよい。ここでは、原料としてGaAs/AlGaAs系の化合物半導体を結晶成長するものとしてGaAs基板が選択される。
【0047】
(2)次に、図7(B)に示すように、基板60をサセプタ50の上に形成された温度分布付加領域52の上に搭載して成長室50に収容し、ヒーター40を用いて所定の温度になるまで基板60を加熱する。このとき、サセプタ50と基板60とは、温度分布付加領域52の凸領域54において接触しており、ヒーター40からサセプタ50を通じて基板60に与えられる熱は、この凸領域54を介して基板60に流入する。
【0048】
(3)次に、図7(C)に示すように、基板60上に化合物半導体を結晶成長して所望の化合物半導体からなる結晶成長部100を形成する。このとき、凸領域54とその周囲の雰囲気ガスの層との熱伝導率の差によって、基板60の結晶成長面には、図4に示されるような温度分布を生じている。従って、本実施の形態の結晶成長方法では、この温度分布に対応した結晶成長速度で化合物半導体の結晶成長が進行していくので、基板60の面内において凸領域54の上部が厚くなるような膜厚分布を持たせながら結晶成長部100を形成することができる。
【0049】
なお、MOCVD法による化合物半導体の結晶成長機構は、以下の通りである。まず、第1〜第4原料室20,22,24に充填されている原料20a,22a,24aは、それぞれ、キャリアガスとしての水素(H2)によりバブリングされながら、ガス供給ライン30を通じて成長室10に輸送される。そして、それぞれの原料20a,22a,24aは、成長室10において熱分解され、図7(C)に示すように、基板60の上に堆積して結晶成長していく。なお、図7(C)に示す化合物半導体の結晶成長の際、第4の原料室26に充填されたアルシンガスを、キャリアガスの水素とともに成長室10に導入してもよい。
【0050】
[第3の実施形態]
以下では、第2の実施形態で説明した結晶成長部100を基板60上に形成した後に、半導体レーザーとして加工を行い、ストライプレーザーまたは面発光型レーザーを形成するための製造工程を説明する。
【0051】
1.ストライプレーザーの製造工程
図8(A)および図8(B)は、ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0052】
ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100は、図8(B)に示すように、例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、例えば、n型AlGaAsからなるn型クラッド層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型クラッド層140、および例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層したものにより構成される。なお、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0053】
ここで、図9に示すように、半導体レーザーの発光波長は、活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存する。また、上述したように、本実施の形態の製造方法においては、結晶成長部100を構成する化合物半導体の各層110〜150が基板10の表面の温度分布に応じた膜厚分布をもって形成される。このため、図8(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。
【0054】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成することができる。
【0055】
図10は、基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0056】
まず、上述の第2の実施形態で説明した(1)〜(3)の工程により結晶成長部100を形成した後に、必要に応じて、図10(A)に示すように、基板10の裏面側を研磨して所与の厚さにする。
【0057】
次に、図10(B)に示すように、n型バッファ層110、n型クラッド層120、活性層130、p型クラッド層140、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離し、各素子間およびp型コンタクト層150の上に例えば、SiO2からなる絶縁層160を公知の手法を用いて形成し、これにストライプパターンの貫通孔165を形成する。
【0058】
そして、図10(C)に示すように、p型コンタクト層150および絶縁層160の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型電極170を形成する。p型電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0059】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、例えば、図11に示すように、発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204が同一基板10の上に形成された光源を実現することができる。
【0060】
2.面発光型レーザーの製造工程
図12(A)および図12(B)は、面発光型レーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0061】
面発光型レーザーの場合の結晶成長部100は、図12(B)に示すように、基板60上に例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、n型DBRミラー115、例えば、n型AlGaAsからなるn型コンファインメント層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層して形成することができる。なお、n型DBRミラー115は、例えば、n型GaAsとn型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、p型DBRミラー145は、例えば、p型GaAsとp型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0062】
ここで、面発光型レーザーの場合においても、上述したストライプレーザーの場合と同様に、発光波長が活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存するので、図12(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。また、面発光型レーザーの場合は、レーザーの縦モードの長さ(共振器長)が発光波長に対応する必要があるが、本実施の形態の製造方法では、活性層130のみならず、その上下に配置されるDBRミラー115、145などの各層に対しても同様の膜厚分布を生じさせることができるため、自己整合的に縦モードの長さを発光波長に対応させることができる。
【0063】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板60上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成することができる。
【0064】
図13は、基板60上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0065】
まず、上述の第2の実施形態で説明した(1)〜(3)の工程により結晶成長部100を形成した後に、必要に応じて、図13(A)に示すように、基板60の裏面側を研磨して所与の厚さにする。
【0066】
次に、図13(B)に示すように、n型バッファ層110、n型DBRミラー115、n型コンファインメント層120、活性層130、p型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離する。さらに、必要に応じて、n型コンファインメント層120〜p型コンタクト層150をエッチングして電流狭窄構造とすることができる。
【0067】
そして、図13(C)に示すように、各素子間を絶縁層160で絶縁分離した後に、少なくともp型コンタクト層150の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型リング電極170を形成する。p型リング電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0068】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、図14に示すような半導体レーザーアレイ300のように、発光波長の異なる複数の面発光型レーザー301〜304を同一基板60の上に形成することができる。
【0069】
上述したように、本実施の形態の製造方法を用いれば、基板60の結晶成長面に特殊な加工を施さないので基板60の表面に加工ダメージのない状態で、所与の膜厚分布を有するように化合物半導体を結晶成長することができる。このため、本実施の形態に係る製造方法によれば、良好な品質の化合物半導体結晶からなる活性層を有し、かつ発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204や面発光型レーザー301〜304を同一基板上に形成することができる。
【0070】
なお、以上に説明した第2及び第3の実施形態においては、結晶成長部100をGaAsおよびAlGaAsを主要な材料とした層により形成する場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、例えば、Ga、In、As、Al、N、Pなどを構成元素として含む公知のIII−V族化合物半導体材料を結晶成長部100を構成する層の材料として用いることができる。
【0071】
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態として上述した第1〜第3の実施形態に関する変形例を説明する。
【0072】
4−1.変形例1
まず、基板10の裏面側に設けられる温度分布付加領域の態様は、基板10に凸部20を設けるようにパターニングする場合に限られず、例えば、図15(A)や図15(B)に示すような態様を用いることができる。
【0073】
まず、図15(A)に示す態様では、温度分布付加領域を構成するサセプタ50の基板搭載面に形成された凸領域54の周囲に例えば、SiO2(酸化シリコン)からなる熱遮断領域56を形成している。この熱遮断領域56は、結晶成長を行うためのMOCVD装置1000内における基板60の安定性や基板60の取扱いの利便性などを考慮して必要に応じて設ければよい。この熱遮断領域56の材料としては、SiO2の他に、例えば、SiC(炭化シリコン)、Al2O3(酸化アルミニウム)などが挙げられるが、少なくともサセプタ50を構成する材料より熱伝導率の低い材料であればよく、上述したものに限定されない。
【0074】
また、図15(B)に示す態様では、温度分布付加領域としてサセプタ50を構成する材料より熱伝導率の高い材料をサセプタ50の基板搭載面側に形成した凹部内に埋め込んで形成された高熱伝導領域58を設けることにより、この高熱伝導領域58を通じて熱を基板60に与えて基板60の結晶成長面側に温度分布を生じさせることができる。このような高熱伝導領域58に用いることができる材料としては、例えば、W(タングステン)、AlN(窒化アルミニウム)などが挙げられる。さらに、かかる高熱伝導領域58を用いる態様では、サセプタ50に形成された凹部内に異なる熱伝導率の材料を埋め込んでおくことで、それぞれの高熱伝導領域58の上部において異なる膜厚分布を有する結晶成長部を形成することができる。かかる場合の結晶性成長工程は、図16(A)及び図16(B)に示される。
【0075】
まず、図16(A)に示すように、熱伝導率の異なる材料を用いて形成された高熱伝導領域58a、58bを有するサセプタ50の上に基板60を搭載する。次に、図16(B)に示すように、高熱伝導領域58a、58bを通じて基板60を加熱しながら、化合物半導体の結晶成長を行い、結晶成長部100を形成する。このとき、基板60の結晶成長面における高熱伝導領域58aの上部と、高熱伝導領域58bの上部とでは、高熱伝導領域58a、22bの熱伝導率の違いにより異なる温度分布が生じるため、その上に形成された領域101、102においては、異なる膜厚分布が生じることになる。これにより、領域101、102に対して上述した手法を用いてストライプレーザーや面発光型レーザーを形成することにより、さらに多種類の発光波長を有する半導体レーザーを同一基板10上に形成することが可能となる。また、かかる場合においては、例えば、図17(A)または図17(B)に示すように(図17(A)は、ストライプレーザーの場合、図17(B)は、面発光型レーザーの場合を示す)、領域101、102のそれぞれに少なくともひとつずつの半導体レーザーを形成しておけば、同一基板60上に発光波長の異なる複数の半導体レーザーを形成することができる。
【0076】
4−2.変形例2
図18は、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000に代えて第2の実施形態で説明した結晶成長方法や第3の実施形態で説明した半導体レーザーの製造方法に適用することができるMBE(分子線エピタキシー)装置2000を模式的に示す図である。
【0077】
MBE装置2000は、成長室10とこれとゲートバルブ14によって接続された準備室12を備える。成長室10には、所定の位置に基板ホルダー(基板搭載部材)51が配置され、基板ホルダー51に基板60が搭載可能とされている。また、成長室10には、基板ホルダー51の内部側から基板ホルダー51を介して基板60を加熱するためのヒーター40が設けられている。なお、MBE装置2000には、図示を省略するが、成長室10や準備室12を真空状態とするための減圧手段(排気手段)などが設けられる。
【0078】
また、成長室10には、その内壁に沿うように液体シュラウド10aが設けられていて、この液体シュラウド10a内に例えば、液体窒素などの冷却媒体が流されて、成長室10内を冷却しながら結晶成長が行われる。この液体シュラウド10aには、複数の貫通孔が設けられており、かかる貫通孔には、各種化合物半導体の原料(例えば、Ga、Al、As、など)が収容された分子線セル71〜74が挿入されて固定されている。分子線セル71〜74は、それぞれ個別に設けられた加熱手段(図示省略)により加熱可能とされ、内部に収容された化合物半導体の原料を蒸発(昇華)させて基板60側に分子線を照射可能とされている。また、分子線セル71〜74に対しては、それぞれに対応して設けられた開閉可能なセル側シャッター81〜84が設けられて基板60に照射する分子線の種類を切替可能とされている。そして、成長室10内の基板ホルダー51に搭載された基板60の結晶成長面側には、結晶成長工程に応じて開閉可能な基板側シャッター85が設けられており、これらのシャッター81〜85を開閉しながら、所望の化合物半導体の結晶膜を結晶成長して形成することができる。
【0079】
ところで、本例におけるMBE装置2000では、基板ホルダー51は、主として熱伝導性の良好な金属あるいは合金を材料として形成され、図19に示されるように、基板搭載面に温度分布付加領域52を有しており、第1の実施形態のMOCVD装置1000の場合と同様に基板に所与の温度分布を生じさせるように基板搭載面が加工されている(図3〜図5参照)。このため、本例におけるMBE装置2000においても、第1の実施形態に係るMOCVD装置1000の場合と同様に、基板ホルダー51の温度分布付加領域52を通じて基板60を加熱して、基板60の結晶成長面に温度分布付加領域52に応じた温度分布を付与しながら化合物半導体の結晶成長を行うことができる。
【0080】
4−3.変形例3
本例では、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000のサセプタ50や、本実施の形態で説明したMBE装置2000の基板ホルダー51のように基板搭載面に直接加工を施して温度分布付加領域を設けるのではなく、例えば、図20に示すように、MOCVD装置1000の場合には、サセプタ50と基板60との間に介装され、また例えば、図21に示すように、MBE装置2000の場合には、基板ホルダー51と基板60との間に介装される温度分布付加部材59を個別に設けた構成を採用することができる。温度分布付加部材59は、サセプタ50や基板ホルダー51と同様の材料により形成することができる。また、この温度分布付加部材59には、サセプタ50や基板ホルダー51に形成されていた温度分布付加領域52に対応する加工が施されており(図3を参照)、この温度分布付加領域52が基板60と接触して結晶成長時に基板60の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる(図4、図5を参照)。そして、本例のように、温度分布付加領域52が形成される部材を温度分布付加部材59として個別に設けることによって、この温度分布付加部材59を必要に応じて取り替えて用いることにより、容易に多種多様な膜厚分布状態で化合物半導体を結晶成長することができるようになる。
【0081】
以上に、本発明に好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において各種の態様をとりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るMOCVD装置を模式的に示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るMOCVD装置のサセプタを模式的に示す図である。
【図3】サセプタの基板搭載面のパターンを説明するための図である。
【図4】基板の結晶成長面の温度分布を説明するための図である。
【図5】基板の結晶成長面の温度分布を説明するための図である。
【図6】基板温度と結晶成長速度の関係を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るストライプレーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図9】活性層の膜厚と発光波長との関係を説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るストライプレーザーの製造工程を示す断面図である。
【図11】複数のストライプレーザーが形成された光源を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る面発光型レーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る面発光型レーザーの製造工程を示す断面図である。
【図14】複数の面発光型レーザーが形成された半導体レーザーアレイを示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係るサセプタの基板搭載面の変形例を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を示す断面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を適用した半導体レーザーを示す断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置を模式的に示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置の基板ホルダーを模式的に示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係るMOCVD装置の温度分布付加部材を説明するための図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置の温度分布付加部材を説明するための図である。
【符号の説明】
10 成長室、50 サセプタ(基板搭載部材)、51 基板ホルダー(基板搭載部材、52 温度分布付加領域、54 凸領域、56 熱遮断領域、58 高熱伝導領域、59温度分布付加部材、60 基板、100 結晶成長部、201,202,203,204 ストライプレーザー(半導体レーザー)、301,302,303,304 面発光型レーザー(半導体レーザー)、300 半導体レーザーアレイ、1000 MOCVD装置(結晶成長装置)、2000 MBE装置(結晶成長装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年のネットワークにおける情報量の増大に対応するため、1本の光ファイバに波長の異なる光信号を多重化して伝送する波長分割多重(WDM)方式の通信技術に関する研究開発が盛んに行われている。
【0003】
かかるWDM方式の光通信においては、伝送装置の小型化および高集積化のために複数の波長を出力可能な光送信機が必要とされる。この光送信機には、光源として一般的に半導体レーザーが用いられる。このため、同一基板上に複数の異なる波長を出射可能な複数の半導体レーザーを製造するための技術として、例えば、基板表面に面積の異なる凹部や凸部をパターニング等により形成して、その上に化合物半導体の結晶成長を行う方法や、基板表面に開口部の面積が異なる酸化物マスクを形成して、かかる開口部に化合物半導体を選択的に結晶成長させる方法などにより、素子間の活性層の膜厚を変化させて発光波長を異ならせる技術が提案されている。
【0004】
しかし、前者の方法では、さらにデバイスを構成する化合物半導体の結晶品質を左右する素子形成面上に凹凸を設けるため、品質の高い化合物半導体結晶を得ることが難しく、また、後者の方法においても、酸化物マスクを形成することで基板表面に加工ダメージを与えるおそれがあり、このように従来の方法では品質が高く、かつ異なる発光波長を有する半導体レーザーを同一基板上に複数形成することが難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な結晶品質を有する化合物半導体の結晶膜を同一基板内において異なる膜厚で形成する結晶成長方法、およびこれを用いた半導体レーザーの製造方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、上記結晶成長方法に好適な結晶成長装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1.結晶成長方法
本発明の結晶成長方法は、成長室内に収容される基板搭載部材に所与の基板を搭載すること、前記成長室内で前記基板を加熱しながら、該基板上に化合物半導体を結晶成長させること、を含み、前記基板搭載部材の前記基板を搭載する面側には温度分布付加部が設けられており、前記温度分布付加部を介して前記基板を加熱することによって前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせながら前記化合物半導体の結晶成長を行う。
【0008】
本発明でいう「基板搭載部材」とは、基板を搭載可能な領域を有する部材を意味し、専用部材に限られない。「基板搭載部材」としては、例えば、サセプタや基板ホルダーと呼ばれるものが含まれる。以下に示される各発明においても同様である。
【0009】
本発明によれば、基板の結晶成長面上に化合物半導体を結晶成長させる際に、基板搭載部材の温度分布付加部を介して基板の裏面から加熱を行うと、基板の結晶成長面に温度分布付加部の上部を中心に傾斜した温度分布(温度勾配)を生じさせることができる。
【0010】
ここで、化合物半導体の結晶成長においては、一般に結晶成長速度が基板の結晶成長面の温度に依存して変化しやすい。すなわち、本発明によれば、温度分布付加部によって基板の結晶成長面に温度分布が生じた状態で結晶成長を行うため、基板面内において成長速度が異なることにより、作製された化合物半導体の結晶膜が、基板の結晶成長面の温度分布に応じた膜厚分布を有することになる。このため、本発明によれば、同一基板内において、異なる膜厚が連続的に分布した化合物半導体の結晶膜を形成することができる。
【0011】
さらに、本発明では、上述した膜厚分布を生じさせるために、化合物半導体を結晶成長する基板の結晶成長面に特別な加工を施さないため、結晶成長面の表面状態を良好に維持したまま結晶成長を行うことができる。このため、本発明によれば、基板上に良好な結晶品質の化合物半導体の結晶膜を結晶成長により形成することができる。
【0012】
本発明の結晶成長方法は、以下の態様を採り得る。
【0013】
(A)前記温度分布付加部は、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域を有し、前記凸領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が加えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる。
【0014】
かかる態様によれば、凸領域を通じて基板が加熱することにより、基板の結晶成長面には、凸領域の上に対応する部分を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。従って、かかる態様によれば、この温度分布が生じた状態で基板の結晶成長面上に化合物半導体を結晶成長して形成することで、基板の結晶成長面における温度分布に対応した膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を良好な品質で形成することができる。
【0015】
(B)前記凸領域の周囲には、少なくとも前記温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の低い材料で形成された熱遮断領域が存在することができる。
【0016】
かかる態様によれば、熱遮断領域が形成された部分の上部には熱が伝わりにくいため、基板の結晶成長面における温度分布を比較的容易に制御することができる。また、かかる態様によれば、基板搭載部材の凸領域の周囲が埋められていることにより、基板搭載部材の上における基板の安定性および取扱性を向上させることができる。
【0017】
(C)前記温度分布付加部は、該温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の高い材料が凹部内に埋め込まれて形成された高熱伝導領域を有し、前記高熱伝導領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が与えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる。
【0018】
かかる態様によれば、凹部内に温度分布付加部よりも熱伝導率の高い材料を埋め込んで高熱伝導領域を設けることにより、材料間の熱伝導率の差を利用して高熱伝導領域から優先的に基板に熱を付与することができるので、基板の結晶成長面側に高熱伝導領域の上部を中心とした温度傾斜を有する温度分布を生じさせることができる。これにより、かかる温度分布が生じた状態で結晶成長を行うことによって、所望の膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を良好な品質で形成することができる。
【0019】
(D)前記化合物半導体の結晶成長速度が、前記基板の結晶成長面の温度に依存して変化する結晶成長方法を用いることができる。このような結晶成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法あるいは分子線エピタキシー法を用いることができる。
【0020】
(E)本発明の結晶成長方法は、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成するための製造方法であって、上記いずれかの結晶成長方法を用いて化合物半導体を結晶成長することを含む半導体レーザーの製造方法に適用することができる。
【0021】
一般に、半導体レーザーにおいては活性層の膜厚により発光波長が変化することが知られている。このため、かかる態様によれば、同一基板内において、異なる膜厚が連続的に分布した活性層を形成することができ、発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成することができる。
【0022】
2.結晶成長装置
(1)本発明の第1の結晶成長装置は、所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、を含み、前記基板搭載部材の基板搭載面は、前記基板を加熱した際に前記基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加領域が形成されている。
【0023】
本発明によれば、基板搭載部材の基板搭載面に温度分布付加領域が設けられた構成により上記した化合物半導体の結晶成長方法と同様の効果を実現することができる。なお、温度分布付加領域は、上記結晶成長方法の発明における温度分布付加部に対応する構成である。
【0024】
本発明の第1の結晶成長装置は、以下の態様を採り得る。
【0025】
(A)前記温度分布付加領域には、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域が、前記基板搭載部材の基板搭載面を加工することにより形成されており、前記凸領域から前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされていることができる。
【0026】
(B)前記温度分布付加領域は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有することができる。
【0027】
(C)前記温度分布付加領域は、前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、前記高熱伝導領域は、前記基板搭載部材の基板搭載面に形成された凹部内に該基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されていることができる。
【0028】
(2) 本発明の第2の結晶成長装置は、所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、前記基板搭載部材と前記基板との間に介装され、前記基板を加熱した際に該基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加部材と、を含む。
【0029】
本発明によれば、第1の結晶成長装置の場合とは異なり、基板搭載部材とは、別個の部材として基板と基板搭載部材との間に介装される温度分布付加部材を設けることにより、上記した化合物半導体の結晶成長方法と同様の効果を実現することができる。なお、温度分布付加部材は、上記結晶成長方法の発明における温度分布付加部に対応する構成である。
【0030】
本発明の第2の結晶成長装置は、以下の態様を採り得る。
【0031】
(A)前記温度分布付加部材は、前記基板の搭載時に該基板と接触する凸領域を有し、前記凸領域から前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされていることができる。
【0032】
(B)前記温度分布付加部材は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有することができる。
【0033】
(C)前記温度分布付加部材は、前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、前記高熱伝導領域は、前記温度分布付加部材に形成された凹部内に該温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係るMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置1000について説明する。図1は、MOCVD装置1000を模式的に示す図である。
【0036】
MOCVD装置(結晶成長装置)1000は、成長室10と、第1〜第3原料室20,22,24とを有する。成長室10には、基板60の温度を制御するためのヒーター40が設けられている。そして、このヒーター40の上には、基板60を搭載するサセプタ(基板搭載部材)50が設けられている。また、第1〜第3原料室20,22,24のそれぞれと、成長室10とは、ガス供給ライン30により接続されている。MOCVD装置1000は、ガス供給ライン30に主としてキャリアガスたる水素(H2)ガスが供給されている。MOCVD装置1000には、これら図示した構成のほかに排気手段などが必要に応じて設けられる。
【0037】
第1原料室20には、ガリウム原料20aが充填されている。ガリウム原料20aとしては、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)を挙げることができる。
【0038】
第2原料室22には、アルミニウム原料22aが充填されている。アルミニウム原料22aとしては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)を挙げることができる。
【0039】
第3原料室24には、砒素原料24aが充填されている。砒素原料24aとしては、例えば、ターシャリーブチルアルシン(TBAs)を挙げることができる。
【0040】
また、必要に応じて、砒素原料としてのアルシン(AsH3)ガスが充填された第4原料室26を設けてもよい。
【0041】
サセプタ50は、主として熱伝導性の良好な金属あるいは合金を材料として形成されており、図2に示すように、基板60の搭載面に温度分布付加領域(温度分布付加部)52が形成されている。温度分布付加領域52は、例えば、サセプタ50の基板搭載面が周期的な凸領域54を有するようにパターニング加工することにより形成される。パターニングの態様としては、図3(A)〜図3(C)に示すように、柱状パターン(図3(A))や、ストライプパターン(図3(B))や、格子パターン(図3(C))など種々のパターンを採用することができる。温度分布付加領域52として例えば、凸領域54を設けた場合には、図4に示されるように、サセプタ50に基板60を搭載した際に、凸領域54が基板60と接触することになる。そして、このような状態においてヒーター40から基板搭載部材50を介して基板を加熱すると、凸領域54とその周囲の雰囲気ガスとの熱伝導率の差によって、基板60の裏面側から与えられる熱は、優先的に凸領域54から基板60の内部に伝わっていくことになる。このため、基板60の表面(結晶成長面)においては、図4に示すように、凸領域54の上部を中心とした温度勾配を有する温度分布が生じる。ここで、図3において示した凸領域54のパターニングの態様に照らして基板60の表面の温度分布を観察すると、例えば、図5に示される等温度分布図のように、凸領域54上部の周囲に向かって等位温度領域が傾斜的に広がった温度分布を生じるものと考えられる。
【0042】
また、化合物半導体の結晶成長の速度は、図6に示すように、基板60の結晶成長面の温度に依存するため、基板60上に温度分布に対応した膜厚分布を有する化合物半導体の結晶膜を形成するためには、基板60の結晶成長面の温度に結晶成長速度が依存する結晶成長方法を用いて形成すればよい。このような結晶成長方法として、有機金属気相成長法(MOCVD法)は好適である。また、分子線エピタキシー法(MBE法)も同様に、基板60の結晶成長面の温度に結晶成長温度が依存する結晶成長方法として例示できる。かかるMBE法を用いた場合は、後述にて説明する。また、結晶成長の際に基板60の裏面側から与えられる熱量は、基板60の結晶成長面の温度が結晶成長速度の急激に変化する温度領域に入るように制御することが好ましい。
【0043】
このように、本実施の形態に係るMOCVD装置1000によれば、温度分布付加領域52によって基板60の結晶成長面に温度分布が生じた状態で結晶成長を行うことができるため、基板60の面内において成長速度が異なることにより、作製される化合物半導体の結晶膜が、基板60の結晶成長面の温度分布に応じた膜厚分布を有することになる。このため、MOCVD装置1000によれば、同一基板60内において、異なる膜厚が連続的に分布した化合物半導体の結晶膜を形成することができる。さらに、MOCVD装置1000では、上述した膜厚分布を生じさせるために、化合物半導体を結晶成長する基板60の結晶成長面に特別な加工を施さないため、結晶成長面の表面状態を良好に維持したまま結晶成長を行うことができる。このため、本実施の形態に係るMOCVD装置1000によれば、基板60上に良好な結晶品質の化合物半導体の結晶膜を結晶成長により形成することが可能となる。
【0044】
[第2の実施形態]
以下では、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000を用いた化合物半導体の結晶成長方法を説明する。
【0045】
図7(A)〜図7(C)は、本実施の形態に係る化合物半導体の結晶成長工程を模式的に示す断面図である。
【0046】
(1)まず、図7(A)に示すように、化合物半導体を結晶成長するための基板60を用意する。基板60は、例えば、GaAs基板、InP基板、サファイア基板などが挙げられる。この基板60の材質は、その上に結晶成長する化合物半導体の種類に応じて適宜選択すればよい。ここでは、原料としてGaAs/AlGaAs系の化合物半導体を結晶成長するものとしてGaAs基板が選択される。
【0047】
(2)次に、図7(B)に示すように、基板60をサセプタ50の上に形成された温度分布付加領域52の上に搭載して成長室50に収容し、ヒーター40を用いて所定の温度になるまで基板60を加熱する。このとき、サセプタ50と基板60とは、温度分布付加領域52の凸領域54において接触しており、ヒーター40からサセプタ50を通じて基板60に与えられる熱は、この凸領域54を介して基板60に流入する。
【0048】
(3)次に、図7(C)に示すように、基板60上に化合物半導体を結晶成長して所望の化合物半導体からなる結晶成長部100を形成する。このとき、凸領域54とその周囲の雰囲気ガスの層との熱伝導率の差によって、基板60の結晶成長面には、図4に示されるような温度分布を生じている。従って、本実施の形態の結晶成長方法では、この温度分布に対応した結晶成長速度で化合物半導体の結晶成長が進行していくので、基板60の面内において凸領域54の上部が厚くなるような膜厚分布を持たせながら結晶成長部100を形成することができる。
【0049】
なお、MOCVD法による化合物半導体の結晶成長機構は、以下の通りである。まず、第1〜第4原料室20,22,24に充填されている原料20a,22a,24aは、それぞれ、キャリアガスとしての水素(H2)によりバブリングされながら、ガス供給ライン30を通じて成長室10に輸送される。そして、それぞれの原料20a,22a,24aは、成長室10において熱分解され、図7(C)に示すように、基板60の上に堆積して結晶成長していく。なお、図7(C)に示す化合物半導体の結晶成長の際、第4の原料室26に充填されたアルシンガスを、キャリアガスの水素とともに成長室10に導入してもよい。
【0050】
[第3の実施形態]
以下では、第2の実施形態で説明した結晶成長部100を基板60上に形成した後に、半導体レーザーとして加工を行い、ストライプレーザーまたは面発光型レーザーを形成するための製造工程を説明する。
【0051】
1.ストライプレーザーの製造工程
図8(A)および図8(B)は、ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0052】
ストライプレーザーを形成する場合の結晶成長部100は、図8(B)に示すように、例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、例えば、n型AlGaAsからなるn型クラッド層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型クラッド層140、および例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層したものにより構成される。なお、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0053】
ここで、図9に示すように、半導体レーザーの発光波長は、活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存する。また、上述したように、本実施の形態の製造方法においては、結晶成長部100を構成する化合物半導体の各層110〜150が基板10の表面の温度分布に応じた膜厚分布をもって形成される。このため、図8(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。
【0054】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成することができる。
【0055】
図10は、基板10上に発光波長の異なる複数のストライプレーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0056】
まず、上述の第2の実施形態で説明した(1)〜(3)の工程により結晶成長部100を形成した後に、必要に応じて、図10(A)に示すように、基板10の裏面側を研磨して所与の厚さにする。
【0057】
次に、図10(B)に示すように、n型バッファ層110、n型クラッド層120、活性層130、p型クラッド層140、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離し、各素子間およびp型コンタクト層150の上に例えば、SiO2からなる絶縁層160を公知の手法を用いて形成し、これにストライプパターンの貫通孔165を形成する。
【0058】
そして、図10(C)に示すように、p型コンタクト層150および絶縁層160の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型電極170を形成する。p型電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0059】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、例えば、図11に示すように、発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204が同一基板10の上に形成された光源を実現することができる。
【0060】
2.面発光型レーザーの製造工程
図12(A)および図12(B)は、面発光型レーザーを形成する場合の結晶成長部100の断面を模式的に示した図である。
【0061】
面発光型レーザーの場合の結晶成長部100は、図12(B)に示すように、基板60上に例えば、n型GaAsからなるn型バッファ層110、n型DBRミラー115、例えば、n型AlGaAsからなるn型コンファインメント層120、例えば、AlGaAsバリア層/GaAs井戸層/AlGaAsバリア層からなる量子井戸構造(単一量子井戸であってもよいし、多重量子井戸であってもよい)を有する活性層130、例えば、p型AlGaAsからなるp型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、例えば、p型GaAsからなるp型コンタクト層150を順次積層して形成することができる。なお、n型DBRミラー115は、例えば、n型GaAsとn型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、p型DBRミラー145は、例えば、p型GaAsとp型AlGaAsとが交互に積層された多層反射膜ミラーを用いることができる。また、活性層130は、上述した量子井戸構造を有するものに限らず、例えば、p型GaAsからなる単層であってもよい。
【0062】
ここで、面発光型レーザーの場合においても、上述したストライプレーザーの場合と同様に、発光波長が活性層(量子井戸構造の場合は、井戸層)130の膜厚に依存するので、図12(B)に示すように、活性層130の膜厚が異なる領域では、発光波長の異なる半導体レーザーを得ることができる。また、面発光型レーザーの場合は、レーザーの縦モードの長さ(共振器長)が発光波長に対応する必要があるが、本実施の形態の製造方法では、活性層130のみならず、その上下に配置されるDBRミラー115、145などの各層に対しても同様の膜厚分布を生じさせることができるため、自己整合的に縦モードの長さを発光波長に対応させることができる。
【0063】
そこで、本実施の形態に係る製造方法では、以下のようにして基板60上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成することができる。
【0064】
図13は、基板60上に発光波長の異なる複数の面発光型レーザーを形成するための製造工程を模式的に示す断面図である。
【0065】
まず、上述の第2の実施形態で説明した(1)〜(3)の工程により結晶成長部100を形成した後に、必要に応じて、図13(A)に示すように、基板60の裏面側を研磨して所与の厚さにする。
【0066】
次に、図13(B)に示すように、n型バッファ層110、n型DBRミラー115、n型コンファインメント層120、活性層130、p型コンファインメント層140、p型DBRミラー145、およびp型コンタクト層150を素子となる領域ごとに分離する。さらに、必要に応じて、n型コンファインメント層120〜p型コンタクト層150をエッチングして電流狭窄構造とすることができる。
【0067】
そして、図13(C)に示すように、各素子間を絶縁層160で絶縁分離した後に、少なくともp型コンタクト層150の上に、例えば、蒸着法を用いて金属膜からなるp型リング電極170を形成する。p型リング電極170としては、例えば、Cr膜、AuZn膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。続いて、基板10の裏面に金属膜からなるn型電極180を形成する。n型電極180としては、例えば、Cr膜、AuGe膜、Ni膜、Au膜などの積層膜を用いることができる。
【0068】
このように、本実施の形態に係る製造工程を用いることにより、図14に示すような半導体レーザーアレイ300のように、発光波長の異なる複数の面発光型レーザー301〜304を同一基板60の上に形成することができる。
【0069】
上述したように、本実施の形態の製造方法を用いれば、基板60の結晶成長面に特殊な加工を施さないので基板60の表面に加工ダメージのない状態で、所与の膜厚分布を有するように化合物半導体を結晶成長することができる。このため、本実施の形態に係る製造方法によれば、良好な品質の化合物半導体結晶からなる活性層を有し、かつ発光波長の異なる複数のストライプレーザー201〜204や面発光型レーザー301〜304を同一基板上に形成することができる。
【0070】
なお、以上に説明した第2及び第3の実施形態においては、結晶成長部100をGaAsおよびAlGaAsを主要な材料とした層により形成する場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、例えば、Ga、In、As、Al、N、Pなどを構成元素として含む公知のIII−V族化合物半導体材料を結晶成長部100を構成する層の材料として用いることができる。
【0071】
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態として上述した第1〜第3の実施形態に関する変形例を説明する。
【0072】
4−1.変形例1
まず、基板10の裏面側に設けられる温度分布付加領域の態様は、基板10に凸部20を設けるようにパターニングする場合に限られず、例えば、図15(A)や図15(B)に示すような態様を用いることができる。
【0073】
まず、図15(A)に示す態様では、温度分布付加領域を構成するサセプタ50の基板搭載面に形成された凸領域54の周囲に例えば、SiO2(酸化シリコン)からなる熱遮断領域56を形成している。この熱遮断領域56は、結晶成長を行うためのMOCVD装置1000内における基板60の安定性や基板60の取扱いの利便性などを考慮して必要に応じて設ければよい。この熱遮断領域56の材料としては、SiO2の他に、例えば、SiC(炭化シリコン)、Al2O3(酸化アルミニウム)などが挙げられるが、少なくともサセプタ50を構成する材料より熱伝導率の低い材料であればよく、上述したものに限定されない。
【0074】
また、図15(B)に示す態様では、温度分布付加領域としてサセプタ50を構成する材料より熱伝導率の高い材料をサセプタ50の基板搭載面側に形成した凹部内に埋め込んで形成された高熱伝導領域58を設けることにより、この高熱伝導領域58を通じて熱を基板60に与えて基板60の結晶成長面側に温度分布を生じさせることができる。このような高熱伝導領域58に用いることができる材料としては、例えば、W(タングステン)、AlN(窒化アルミニウム)などが挙げられる。さらに、かかる高熱伝導領域58を用いる態様では、サセプタ50に形成された凹部内に異なる熱伝導率の材料を埋め込んでおくことで、それぞれの高熱伝導領域58の上部において異なる膜厚分布を有する結晶成長部を形成することができる。かかる場合の結晶性成長工程は、図16(A)及び図16(B)に示される。
【0075】
まず、図16(A)に示すように、熱伝導率の異なる材料を用いて形成された高熱伝導領域58a、58bを有するサセプタ50の上に基板60を搭載する。次に、図16(B)に示すように、高熱伝導領域58a、58bを通じて基板60を加熱しながら、化合物半導体の結晶成長を行い、結晶成長部100を形成する。このとき、基板60の結晶成長面における高熱伝導領域58aの上部と、高熱伝導領域58bの上部とでは、高熱伝導領域58a、22bの熱伝導率の違いにより異なる温度分布が生じるため、その上に形成された領域101、102においては、異なる膜厚分布が生じることになる。これにより、領域101、102に対して上述した手法を用いてストライプレーザーや面発光型レーザーを形成することにより、さらに多種類の発光波長を有する半導体レーザーを同一基板10上に形成することが可能となる。また、かかる場合においては、例えば、図17(A)または図17(B)に示すように(図17(A)は、ストライプレーザーの場合、図17(B)は、面発光型レーザーの場合を示す)、領域101、102のそれぞれに少なくともひとつずつの半導体レーザーを形成しておけば、同一基板60上に発光波長の異なる複数の半導体レーザーを形成することができる。
【0076】
4−2.変形例2
図18は、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000に代えて第2の実施形態で説明した結晶成長方法や第3の実施形態で説明した半導体レーザーの製造方法に適用することができるMBE(分子線エピタキシー)装置2000を模式的に示す図である。
【0077】
MBE装置2000は、成長室10とこれとゲートバルブ14によって接続された準備室12を備える。成長室10には、所定の位置に基板ホルダー(基板搭載部材)51が配置され、基板ホルダー51に基板60が搭載可能とされている。また、成長室10には、基板ホルダー51の内部側から基板ホルダー51を介して基板60を加熱するためのヒーター40が設けられている。なお、MBE装置2000には、図示を省略するが、成長室10や準備室12を真空状態とするための減圧手段(排気手段)などが設けられる。
【0078】
また、成長室10には、その内壁に沿うように液体シュラウド10aが設けられていて、この液体シュラウド10a内に例えば、液体窒素などの冷却媒体が流されて、成長室10内を冷却しながら結晶成長が行われる。この液体シュラウド10aには、複数の貫通孔が設けられており、かかる貫通孔には、各種化合物半導体の原料(例えば、Ga、Al、As、など)が収容された分子線セル71〜74が挿入されて固定されている。分子線セル71〜74は、それぞれ個別に設けられた加熱手段(図示省略)により加熱可能とされ、内部に収容された化合物半導体の原料を蒸発(昇華)させて基板60側に分子線を照射可能とされている。また、分子線セル71〜74に対しては、それぞれに対応して設けられた開閉可能なセル側シャッター81〜84が設けられて基板60に照射する分子線の種類を切替可能とされている。そして、成長室10内の基板ホルダー51に搭載された基板60の結晶成長面側には、結晶成長工程に応じて開閉可能な基板側シャッター85が設けられており、これらのシャッター81〜85を開閉しながら、所望の化合物半導体の結晶膜を結晶成長して形成することができる。
【0079】
ところで、本例におけるMBE装置2000では、基板ホルダー51は、主として熱伝導性の良好な金属あるいは合金を材料として形成され、図19に示されるように、基板搭載面に温度分布付加領域52を有しており、第1の実施形態のMOCVD装置1000の場合と同様に基板に所与の温度分布を生じさせるように基板搭載面が加工されている(図3〜図5参照)。このため、本例におけるMBE装置2000においても、第1の実施形態に係るMOCVD装置1000の場合と同様に、基板ホルダー51の温度分布付加領域52を通じて基板60を加熱して、基板60の結晶成長面に温度分布付加領域52に応じた温度分布を付与しながら化合物半導体の結晶成長を行うことができる。
【0080】
4−3.変形例3
本例では、第1の実施形態で説明したMOCVD装置1000のサセプタ50や、本実施の形態で説明したMBE装置2000の基板ホルダー51のように基板搭載面に直接加工を施して温度分布付加領域を設けるのではなく、例えば、図20に示すように、MOCVD装置1000の場合には、サセプタ50と基板60との間に介装され、また例えば、図21に示すように、MBE装置2000の場合には、基板ホルダー51と基板60との間に介装される温度分布付加部材59を個別に設けた構成を採用することができる。温度分布付加部材59は、サセプタ50や基板ホルダー51と同様の材料により形成することができる。また、この温度分布付加部材59には、サセプタ50や基板ホルダー51に形成されていた温度分布付加領域52に対応する加工が施されており(図3を参照)、この温度分布付加領域52が基板60と接触して結晶成長時に基板60の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせることができる(図4、図5を参照)。そして、本例のように、温度分布付加領域52が形成される部材を温度分布付加部材59として個別に設けることによって、この温度分布付加部材59を必要に応じて取り替えて用いることにより、容易に多種多様な膜厚分布状態で化合物半導体を結晶成長することができるようになる。
【0081】
以上に、本発明に好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において各種の態様をとりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るMOCVD装置を模式的に示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るMOCVD装置のサセプタを模式的に示す図である。
【図3】サセプタの基板搭載面のパターンを説明するための図である。
【図4】基板の結晶成長面の温度分布を説明するための図である。
【図5】基板の結晶成長面の温度分布を説明するための図である。
【図6】基板温度と結晶成長速度の関係を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るストライプレーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図9】活性層の膜厚と発光波長との関係を説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るストライプレーザーの製造工程を示す断面図である。
【図11】複数のストライプレーザーが形成された光源を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る面発光型レーザーを形成する場合の層構造を示す断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る面発光型レーザーの製造工程を示す断面図である。
【図14】複数の面発光型レーザーが形成された半導体レーザーアレイを示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係るサセプタの基板搭載面の変形例を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を示す断面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る化合物半導体の結晶成長工程の変形例を適用した半導体レーザーを示す断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置を模式的に示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置の基板ホルダーを模式的に示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係るMOCVD装置の温度分布付加部材を説明するための図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係るMBE装置の温度分布付加部材を説明するための図である。
【符号の説明】
10 成長室、50 サセプタ(基板搭載部材)、51 基板ホルダー(基板搭載部材、52 温度分布付加領域、54 凸領域、56 熱遮断領域、58 高熱伝導領域、59温度分布付加部材、60 基板、100 結晶成長部、201,202,203,204 ストライプレーザー(半導体レーザー)、301,302,303,304 面発光型レーザー(半導体レーザー)、300 半導体レーザーアレイ、1000 MOCVD装置(結晶成長装置)、2000 MBE装置(結晶成長装置)
Claims (16)
- 成長室内に収容される基板搭載部材に所与の基板を搭載すること、
前記成長室内で前記基板を加熱しながら、該基板上に化合物半導体を結晶成長させること、
を含み、
前記基板搭載部材の前記基板を搭載する面側には温度分布付加部が設けられており、
前記温度分布付加部を介して前記基板を加熱することによって前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせながら前記化合物半導体の結晶成長を行う、結晶成長方法。 - 請求項1において、
前記温度分布付加部は、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域を有し、
前記凸領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が加えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせる、結晶成長方法。 - 請求項2において、
前記凸領域の周囲には、少なくとも前記温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の低い材料で形成された熱遮断領域が存在する、結晶成長方法。 - 請求項1において、
前記温度分布付加部は、該温度分布付加部を構成する材料より熱伝導率の高い材料が凹部内に埋め込まれて形成された高熱伝導領域を有し、
前記高熱伝導領域から前記温度分布付加部の他の領域に優先して前記基板に熱が与えられることにより前記基板の結晶成長面に所定の温度分布を生じさせる、結晶成長方法。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記化合物半導体の結晶成長速度が、前記基板の結晶成長面の温度に依存して変化する結晶成長方法を用いる、結晶成長方法。 - 請求項5において、
前記結晶成長方法は、有機金属気相成長法あるいは分子線エピタキシー法である、結晶成長方法。 - 発光波長の異なる複数の半導体レーザーを同一基板上に形成するための製造方法であって、
請求項1〜6のいずれかに記載された結晶成長方法を用いて化合物半導体を結晶成長することを含む、半導体レーザーの製造方法。 - 所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、
前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、
を含み、
前記基板搭載部材の基板搭載面は、前記基板を加熱した際に前記基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加領域が形成されている、結晶成長装置。 - 請求項8において、
前記温度分布付加領域には、前記基板を搭載した際に該基板と接触する凸領域が、前記基板搭載部材の基板搭載面を加工することにより形成されており、
前記凸領域から前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされている、結晶成長装置。 - 請求項9において、
前記温度分布付加領域は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有する、結晶成長装置。 - 請求項8において、
前記温度分布付加領域は、前記温度分布付加領域の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、
前記高熱伝導領域は、前記基板搭載部材の基板搭載面に形成された凹部内に該基板搭載部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されている、結晶成長装置。 - 所与の基板上に化合物半導体を結晶成長させる成長室と、
前記成長室内に収容され、前記基板が搭載される基板搭載部材と、
前記基板搭載部材と前記基板との間に介装され、前記基板を加熱した際に該基板の結晶成長面に対して所定の温度分布を生じさせるための温度分布付加部材と、
を含む、結晶成長装置。 - 請求項12において、
前記温度分布付加部材は、前記基板の搭載時に該基板と接触する凸領域を有し、前記凸領域から前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とされている、結晶成長装置。 - 請求項13において、
前記温度分布付加部材は、前記凸領域の周囲に少なくとも前記温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の低い材料で覆われた熱遮断領域を有する、結晶成長装置。 - 請求項12において、
前記温度分布付加部材は、前記温度分布付加部材の他の領域に優先して前記基板に熱を付与可能とする高熱伝導領域を有しており、
前記高熱伝導領域は、前記温度分布付加部材に形成された凹部内に該温度分布付加部材を構成する材料より熱伝導率の高い材料が埋め込まれて形成されている、結晶成長装置。 - 請求項8〜15のいずれかにおいて、
有機金属気相成長法あるいは分子線エピタキシー法により前記化合物半導体を結晶成長する、結晶成長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003148903A JP2004356167A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003148903A JP2004356167A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004356167A true JP2004356167A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34045153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003148903A Withdrawn JP2004356167A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004356167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013197340A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Stanley Electric Co Ltd | 半導体発光素子ウェハの製造方法、半導体発光素子ウェハ、及びサセプタ |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003148903A patent/JP2004356167A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013197340A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Stanley Electric Co Ltd | 半導体発光素子ウェハの製造方法、半導体発光素子ウェハ、及びサセプタ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3830051B2 (ja) | 窒化物半導体基板の製造方法、窒化物半導体基板、光半導体装置の製造方法および光半導体装置 | |
US10868407B2 (en) | Monolithic WDM VCSELS with spatially varying gain peak and fabry perot wavelength | |
US6670204B2 (en) | Semiconductor light emitting device and method for manufacturing the same | |
JP2004111766A (ja) | 窒化ガリウム系半導体素子及びその製造方法 | |
WO2002056435A9 (fr) | Element laser a semi-conducteur au nitrure et dispositif optique contenant cet element | |
JP3448939B2 (ja) | 面発光型半導体レーザ | |
JP4560307B2 (ja) | Iii族窒化物の結晶製造方法 | |
JP4784922B2 (ja) | Iii族窒化物結晶製造方法 | |
JP4631214B2 (ja) | 窒化物半導体膜の製造方法 | |
JP5056272B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体面発光素子、および窒化ガリウム系半導体面発光素子を作製する方法 | |
JP2004356167A (ja) | 結晶成長方法、半導体レーザーの製造方法、および結晶成長装置 | |
JP2009147347A (ja) | 埋没アパーチャ窒化物発光素子 | |
Hayashi et al. | Flip‐chip bonding and fabrication of well‐ordered nanocolumn arrays on sputter‐deposited AlN/Si (111) substrate | |
JP2004165550A (ja) | 窒化物半導体素子 | |
JP2004288723A (ja) | 半導体レーザー、半導体レーザーアレイ、および半導体レーザーの製造方法 | |
JP2000031596A (ja) | 半導体レーザ及び半導体レーザの製造方法 | |
JP2000022283A (ja) | 半導体素子、半導体素子の製造方法及び半導体基板の製造方法 | |
JP4656782B2 (ja) | 窒化物半導体レーザ素子とその半導体光学装置 | |
JP4414247B2 (ja) | Iii族窒化物の結晶製造方法 | |
JP2004165349A (ja) | 化合物半導体の結晶成長方法および発光素子の製造方法 | |
JPH06181364A (ja) | 面発光型半導体レーザおよびその製造方法 | |
JP5113097B2 (ja) | Iii族窒化物の結晶製造方法 | |
JPH08264886A (ja) | 半導体レーザ素子およびその製造方法 | |
JP2005229055A (ja) | 化合物半導体の結晶成長方法および化合物半導体装置の製造方法 | |
JP4196063B2 (ja) | 半導体発光素子用ウエハの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |