JP2004286456A - 通過予想時刻表示機能を有するナビゲーション装置および通過予想時刻表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】目的地までの走行経路上の特定の地点の車両通過予想時刻を表示する機能を備えたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段によって探索された走行経路およびその周辺の道路地図を表示するディスプレイ画面プレイ51と、走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を前記表示手段に表示させる、通過予想時刻表示制御手段とを有する。好ましくは、通過予想時刻表示制御手段は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出する。
【選択図】 図3
【解決手段】目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段によって探索された走行経路およびその周辺の道路地図を表示するディスプレイ画面プレイ51と、走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を前記表示手段に表示させる、通過予想時刻表示制御手段とを有する。好ましくは、通過予想時刻表示制御手段は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的地までの経路を探索し、探索された経路に従い目的地までの誘導を行うナビゲーション装置に関し、特に、走行経路上における車両の通過予想時刻の表示に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出することで、DVD、HDD等の地図記憶媒体から車両位置周辺の地図データを読み出し、地図をディスプレイ画面に描画するとともに該地図上に車両マークを重ねて描画する。車両の移動により現在位置が変化すると、それに合わせて地図をスクロールさせたりあるいは地図上の車両マークを移動させ、ユーザーに車両位置周辺の地図情報を判りやすく提示している。
【0003】
ナビゲーション装置は、ユーザーが設定した目的地までの経路を探索しその経路を誘導する機能を備えている。経路誘導機能では、地図データを用いて、現在の車両位置から目的地までを結ぶコストが低い経路をダイクストラ法等を用いて探索し、探索された経路を誘導経路データとしてメモリに記憶し、走行中にディスプレイ上にその経路を表示する。
【0004】
探索された走行経路に沿って目的地までの走行を行うに際して、走行ルートが長い場合や、目的地までの間に渋滞や規制がある場合には、目的地までの所要時間の見当がつきにくいことがある。このような問題に対処するため、例えば特許文献1は、目的地までの経路上に所定時間間隔で通過予想時刻を表示させ、かつ、その予想時刻が日中か夜間かを識別表示(特許文献1の図6を参照)させている。また、特許文献2は、車両が渋滞や規制等の交通障害のある道路を走行していると認定されたとき、FM多重レシーバやビーコンレシーバからの渋滞情報に基づき通過予想時間をユーザーに報知している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−160086号
【特許文献2】
特開平7−85395号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のナビゲーション装置は、目的地までの走行経路を走行中に、その所定の地点ごとに、通過予想時刻が表示されるものではなく、必ずしもユーザーの要求を満足させるものではなかった。特に、高速道路を走行中に、前方に渋滞や規制等が存在する場合、サービスエリアやパーキングエリアに到着する時刻を得ることができず、運転者にとってはイライラするなどストレスの原因ともなりかねない。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決し、目的地までの走行経路上の特定の地点の車両通過予想時刻を表示する機能を備えたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段によって探索された走行経路およびその周辺の道路地図を表示する表示手段と、前記走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を前記表示手段に表示させる、通過予想時刻表示制御手段とを有する。これにより、走行経路上の特定の地点ごとの通過予想時刻を容易に知ることができる。
【0009】
好ましくは、通過予想時刻表示制御手段は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出する。これにより渋滞や規制といった動的な状況を考慮し、正確な通過予想時刻を算出することができる。
【0010】
特定の地点は、例えば、高速道路を走行中の場合には、インターチェンジ、ジャンクション、料金所、サービスエリア、もしくはパーキングエリア等であり、一般道を走行中の場合には、道路種別が変わる交差点、路線番号が変わる交差点、行政界、次の案内表示を有する交差点等である。また、特定の地点は、ユーザーからの入力によって適宜選択することが可能であってもよい。
【0011】
さらに、走行経路およびその周辺の道路地図の縮尺が変更されたとき、特定の地点も変更され、変更された地点の通過予想時刻が表示される。例えば、広域地図、中域地図、詳細地図では、そこに表示し得る地図、道路、施設等が異なるため、そのレベルに応じた地点の通過予想時刻を表示させる。
【0012】
本発明に係る車両通過予想時刻の表示方法は、目的地までの経路を探索し、探索された走行経路をディスプレイに表示させるステップと、車両が目的地に向かい走行する間に、前記走行経路上の特定の地点における車両の通過通過予想時刻を算出し、算出された車両予想通過時刻を前記走行経路の前記特定の地点とともにディスプレイに表示させるステップとを有する。これにより、ユーザーに対して走行経路上の特定の地点毎の通過予想時刻を知らしめることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、GPS受信機10、自立航法用センサ11、VICS・FM多重レシーバ12、操作パネル20、音声入力部21、リモコン操作部22、入力インターフェース23、地図データ等を記憶する記憶部30、音声出力部40、スピーカ41、表示制御部50、ディスプレイ51、プログラムメモリ60、データメモリ70、および各部を制御する制御部80を含む。
【0014】
GPS受信機10は、人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信し車両の現在位置と現在方位を測定する。自立航法用センサ11は、車両の移動距離を検出する車速センサや車両の回転角度を検出する角度を含む。GPS受信機10および自立航法用センサ11の出力信号は制御部80に供給され、制御部80はこれらの出力信号に基づき車両の現在位置および方位を算出する。
【0015】
VICS・FM多重レシーバ12は、アンテナ13を介して車両外部の現在の道路交通情報を逐次受信する。VICS(Vehicle Information & Communication System)は、道路交通情報をリアルタイムで提供するもので、FM多重(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンにより情報を送信する。FM多重は広範囲のエリアの道路交通情報を網羅する。電波ビーコンおよび光ビーコンは、その中心から半径10km程度のエリアの道路交通情報を有し、車両がビーコンを通過するとき、情報を受信できるようになっている。VICSから送信されるデータは、各道路に対応するリンクに対して、渋滞のレベル、例えば、順調、混雑、渋滞や、渋滞の距離、通行規制、旅行時間等を含む。
【0016】
操作パネル20、音声入力部21およびリモコン操作部22は、ナビゲーション装置1の入力を構成する。ユーザーは、これらの入力を介してナビゲーション装置1に対して目的地までの検索、目的地までのルートの探索、ディスプレイ画面の設定変更等の各種の指示や設定を与える。操作パネル20は、例えば、ディスプレイ51の下部に設けられた複数の操作キー52を用いることができる。音声入力部21は、図示されない音声入力マイクからユーザーの音声入力を入力インターフェース23へ伝達し、ここで音声アナログ信号をデジタル信号に変換する。リモコン操作部22は複数の入力キーを含み、ユーザーが入力キーを操作したとき、その入力操作を無線を通して入力インターフェース23へ伝達する。入力インターフェース23は、操作パネル20、音声入力部21、リモコン操作部22に接続され、ユーザーにより入力された入力情報を制御部80に伝える。
【0017】
記憶部30は、CD、DVD、あるいはハードディスク等の記録媒体であって、ナビゲーション装置に必要とされる地図データや住所、電話、施設等のデータベース等を記憶する。好ましくはハードディスクを用いることにより、大容量の記憶を実現可能とし、高速なアクセスおよびデータの書き換えを可能にする。
【0018】
データ通信制御部31は、無線によりデータの送受信を行う。ナビゲーション装置に、データの送受信を行う通信装置を内蔵するものであってもよいし、ナビゲーション装置に携帯電話やパーソナルコンピューター等の通信機能を有する電子装置を接続するものであってもよい。データ通信制御部31は、外部のサーバー等とネットワークを介して通信を行い、例えばATIS等の交通情報センターと、道路交通情報に関するデータの送受を行うことで、リアルタイムの動的な情報を逐次得ることができる。さらに、所定のサーバーから、最新の地図データや施設データをダウンロードし、記憶部30の内容を更新することができる。また、データ通信制御部31は、携帯電話などに対して、ナビゲーション装置1が保有している施設、レストランなどの娯楽情報や道路交通情報を与えることも可能である。
【0019】
音声出力部40はスピーカ41に接続され、制御部80の制御によりスピーカ41から音声を出力させる。例えば、目的地に到達するまでの情報として交差点の手前で進路方向の注意を促す音声を出力をしたり、あるいは、ユーザーがナビゲーション装置に対して対話形式により入力を行うときに、ユーザーに操作入力の音声指示を出力する。
【0020】
表示制御部50は、ディスプレイ51に接続され、制御部80の制御下においてディスプレイ51に地図を表示したり、あるいは地図上に、車両の現在位置を示す車両マーク、目的地までのルート、交差点等の分岐点での案内表示および車両の移動軌跡等を合成させる。さらに、ユーザーによって操作パネル20等から入力された指示や操作に関する情報が地図上にあるいはそれとは別の画面上に表示される。表示制御部50は、好ましくはFIFO等のVRAMを含み、記憶部30やデータメモリ70から読み出された地図、道路、案内表示に関するデータをVRAMに記憶し、VRAMから読み出された地図データに各種データを合成させる。ディスプレイ51は、例えば、液晶やプラズマを用いた横長のワイド画面であり、表示制御部50の制御下において、2画面表示をすることも可能である。
【0021】
プログラムメモリ60は、ナビゲーション装置において実行される各種プログラムを記憶する。例えば、目的地までの経路を探索するプログラム61、ディスプレイ51上に表示される地図の設定・変更を行うプログラム62を含む。さらに、本発明では、目的地までの走行経路上の特定の地点の車両通過予想時刻を求め、これを走行経路の特定の地点に表示させるための車両通過予想時刻制御表示プログラム63を含む。プログラムメモリ60の内容は、ROMあるいはRAM等のメモリを用いて構成することもできるし、記憶部30に記憶させておくことも可能である。
【0022】
データメモリ70は、制御部80によって処理された処理結果や記憶部30から読み出された地図データ71等を記憶する。さらに、データメモリ70は、制御部80により目的地までの経路の探索処理が行われたとき、その探索された経路データ72を記憶したり、VICS・FM多重レシーバ12から受信した道路交通情報73を記憶する。さらに、本実施の態様では、車両通過予想時刻を求めるべき特定の地点のデータ74や、特定の地点に対して算出された通過予想時刻データ75を記憶し、これらのデータは走行経路を案内するときに読み出される。データメモリ70は、好ましくはDRAM、SRAM、フラッシュメモリ等を用いることができる。また、データメモリ70は、ナビゲーション装置1に装着自在である外部メモリ75を含むものであってもよい。
【0023】
記憶部30に記憶される地図データについて説明する。地図データは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。各図葉毎の地図データは、(1)地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、(2)マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、(3)交差点の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。描画ユニットには、VICSセンタから送られてくる道路交通情報に基づいて対応する道路を特定するために必要なVICS変換レイヤのデータと、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。
【0024】
道路ユニットにおいて、道路上のある交差点と隣接する他の交差点等とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ点をノードという。図2は、道路ユニットの全体構成を示す図である。道路ユニットは、道路ユニットであることを識別するためのユニットヘッダと、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、接続ノードテーブルの格納位置を示すノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0025】
ノードテーブルは、図2(b)に示すように、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード#0、#1、…を格納している。各ノードレコードは、その並び順に#0から順にノード番号が与えられており、各ノードに対応する接続ノードテーブルの格納位置を示す。
【0026】
接続ノードテーブルは、存在するノードのそれぞれ毎に、
a.正規化経度・緯度、
b.このノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、他の図葉との境界にあるノードであるか否かを示す隣接ノードフラグなどからなる「ノードの属性フラグ」、
c.このノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に各リンクの他方端を構成するノードの数を示す「接続しているノードの数」、
d.このノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合にはその「交通規制の数」、
e.このノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を示すリンク本数分の接続ノードレコード、
f.このノードが交差点ノードである場合には、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズ等が含まれる。
g.その他にも、交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す交通規制レコードや、ノードが他の図葉との境界にあるノードである場合には、隣接する図葉の対応するノードの接続ノードテーブルの位置を示す隣接ノードレコード等が含まれる。
【0027】
リンクテーブルは、図2(c)に示すように、着目している図葉に含まれる全てのリンクに対応したリンク番号順の複数のリンクレコードを含んでいる。これらの各リンクレコードは、
a.主に探索経路表示用に各リンクに付されたコードであるリンクID、
b.リンクの両端に位置する2つのノードを特定するノード番号1およびノード番号2、
c.リンクの距離・道幅、
d.このリンクを走行する場合の所要時間を道路種別等から計算により求めて、このリンクの通過に必要な時間を分単位で示したコスト、
e.このリンクがVICSセンタで管理しているVICSリンクと対応しているか否かを示すVICSリンク対応フラグを含む各種の道路属性フラグ、
f.このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるか、国道であるか県道であるか、といった種別を示す道路種別フラグ、
g.このリンクに対応した道路に付された路線番号、等が含まれる。
【0028】
さらに記憶部30には、経路誘導時において、特定の地点における車両の通過予想時刻を算出するため、予め特定の地点が登録される。これらの特定の地点は、例えば、正規化経度、緯度のデータとして記憶され、かつ、必要なノード、リンクおよび描画ユニットに含まれるデータと関連付けされる。本実施の形態では、次のような特定の地点が登録されている。
(1)一般道の場合
道路種別が変わる交差点(道路種別は、例えば、国道、県道、市道である)
路線番号が変わる交差点(路線番号は、国道や県道の路線番号である)
行政界が変わる地点(行政界は、例えば市区町村名が変わる境界である)
次の案内表示を有する交差点
高速道のインターチェンジの入り口
(2)高速道の場合
インターチェンジの出口
ジャンクション
料金所
サービスエリア
パーキングエリア
(3)ユーザーによって設定される地点
操作パネル20やリモコン22により、ユーザーが所望とする特定の地点の追加・削除を可能とする。
【0029】
次に、ナビゲーション装置における車両通過予想時刻の算出およびその表示動作について図3を参照して説明する。ユーザーによって出発地から目的地までの設定が行われる(ステップS101)。制御部80は、経路探索プログラム61に従い目的地までの最適なルートを探索する(ステップS102)。例えば、走行ルートのコストが一番小さくなるようなルートを探索する。探索された誘導経路は、探索経路データ72としてデータメモリ70に保存される(ステップS103)。次に、制御部80は、通過予想時刻制御プログラム63に従い、誘導経路に含まれる特定の地点についての通過予想時刻を算出する(ステップS104)。
【0030】
制御部80は、記憶部30に記憶された特定の地点に関する情報を参照し、この特定の地点が誘導経路に含まれているか否かを判別する。特定の地点が誘導経路に含まれている場合には、自車位置から特定の地点までのすべてのリンクの距離を、その道路種別ごとに設定されている平均速度で割ることにより各リンクの通過所要時間を求め、これらを合計して特定地点における通過予想時刻を算出する。誘導経路に含まれる特定の地点は、特定地点データ74として、また、特定地点に対して算出された通過予想時刻は、予想時刻データ75としてデータメモリ70に記憶される(ステップS105)。制御部80は、探索された誘導経路をディスプレイ51に表示させ(ステップS106)、その誘導経路に含まれる特定の地点に対してその通過予想時刻を表示させる(ステップS107)。
【0031】
次に第2の実施の形態に係る車両通過予想時刻の表示動作について説明する。車両の走行中、道路の渋滞や規制等の動的な要因により、予想通過時刻の正確さが損なわれるおそれがある。これに対処するため、VICSセンターからの道路交通情報を利用して予想通過時刻を算出する。図4は、第2の実施の形態の動作フローを示す図である。上述したように目的地までの誘導経路上に特定の位置が含まれている場合、それらの特定の位置についての通過予想時刻が算出され、自車の走行とともに、それらの通過予想時刻がディスプレイ51に表示される。走行中に、VICSからの道路交通情報をVICS・FM多重レシーバ12で受信したとき、これらは道路交通情報73としてデータメモリ70に記憶される(ステップS201)。道路交通情報73には、渋滞や規制を反映したリンク旅行時間が含まれており、このリンク旅行時間を用いて、特定の位置についての通過予想時刻を算出する(ステップS202)。データメモリ70に記憶された予想時刻データ75は、リンク旅行時間に基づき算出された通過予想時刻に書き換えられる(ステップS203)。制御部80は、データメモリ70から更新された通過予想時刻データ75を読み出し(ステップS204)、誘導経路上に通過予想時刻を表示させる(ステップS205)。
【0032】
次に、通過予想時刻の表示例を説明する。図5は、ディスプレイ51上に広域地図が表示されている例である。自車301が一般道を走行中、その誘導経路が都道府県の行政界を跨ぐとき(ここではA県とB県)、そこに通過予想時刻“9:00”が表示される。さらに、現在走行中の国道(国道6号線)が、その先の交差点において他の国道(国道49号線)と交差する交差点であるため、言い換えれば道路の路線番号が変わる交差点であるため、そこに通過予想時刻“9:40”が表示される。また、VICSからの道路交通情報により誘導経路上に渋滞302が発生しているとき、VICSからのリンク旅行時間に基づき渋滞を反映した通過予想時刻が算出され、通過予想時刻“10:30”が次の交差点において表示される。
【0033】
図6は、ディスプレイ51上に中域地図が表示されている例である。ユーザーが操作パネル20等を操作して、画面の縮尺を切り替えた場合、その尺度によって表示可能となる道路や市区町村名が変わり、それに対応した特定の地点の通過予想時刻が表示される。自車301が一般道を走行中に、その誘導経路が市区町村の行政界を跨ぐとき(ここではC市とD市)、そこに通過予想時刻“11:00”が表示される。さらに、現在走行中の国道(国道6号線)が、その先の交差点において県道と交差する、道路種別が変更する交差点において、通過予想時刻“11:20”が表示される。VICSからの渋滞や規制302があることが通知された場合には、上記したように、VICSからのリンク旅行時間に基づき通過予想時刻が算出され、その時刻“11:50”が表示される。
【0034】
図7は、ディスプレイ上に詳細地図が表示されている例である。ディスプレイ51は、自車周辺の地図画面51aと、次の交差点の案内を表示する案内表示画面51bとの2画面表示となっている。自車301が誘導経路を走行中に、次の交差点が案内表示を含む場合には、その交差点に通過予想時刻“11:55”が表示される。また、誘導経路が一般道から高速道路に移行する場合には、インターチェンジの入り口に通過予想時刻“12:00”が表示される。
【0035】
図8は、高速道路を走行している場合の表示例である。ディスプレイ51上において、誘導経路である高速道路を自車301が走行中に、その次のインターチェンジの出口310、パーキングエリア(PA)、ジャンクション(JCT)、サービスエリア(SA)にそれぞれ通過予想時刻が表示される。また、渋滞や規制311があるときは、VICSからのリンク予行時間に基づき、渋滞や規制等の動的な障害を反映した通過予想時刻が表示される。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0037】
上記実施の態様における通過予想時刻を表示するための特定の地点は一例であって、これ以外の地点を設定するものであっても良い。通過予想時刻を見易くするために、表示の色を変更するものであっても良い。さらに、VICSからの道路交通情報に基づき算出された予想通過時刻を、それ以外の静的条件によって算出された予想通過時刻から区別するような表示をするものであってもよい。さらに、自車位置が予想通過時刻の表示された特定の地点に、一定距離の接近をしたとき、音声により予想通過時刻を案内するものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を表示させるようにしたので、ユーザーは自車の走行経路上の到達予想時刻を容易にしることができ、旅行等のスケジュールを立て易くなる。さらに、走行経路上に渋滞や規制等の動的な障害がある場合には、それらを考慮した道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出するため、精度の高い通過予想時刻を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】道路ユニットのデータ構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る通過予想時刻表示動作を説明するフローである。
【図4】第2の実施の形態に係る通過予想時刻表示動作を説明するフローである。
【図5】広域地図における通過予想時刻の表示例である。
【図6】中域地図における通過予想時刻の表示例である。
【図7】詳細地図における通過予想時刻の表示例である。
【図8】高速道路における通過予想時刻の表示例である。
【符号の説明】
1:ナビゲーション装置、10:GPS受信機、11:自立航法用センサ、12:VICS・FM多重レシーバ、20:操作パネル、21:音声入力部、22:リモコン、23:入力IF、30:記憶部、31:通信制御部、40:音声出力部、41:スピーカ、50:表示制御部、51:ディスプレイ、60:プログラムメモリ、70:データメモリ、80:制御部、
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的地までの経路を探索し、探索された経路に従い目的地までの誘導を行うナビゲーション装置に関し、特に、走行経路上における車両の通過予想時刻の表示に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出することで、DVD、HDD等の地図記憶媒体から車両位置周辺の地図データを読み出し、地図をディスプレイ画面に描画するとともに該地図上に車両マークを重ねて描画する。車両の移動により現在位置が変化すると、それに合わせて地図をスクロールさせたりあるいは地図上の車両マークを移動させ、ユーザーに車両位置周辺の地図情報を判りやすく提示している。
【0003】
ナビゲーション装置は、ユーザーが設定した目的地までの経路を探索しその経路を誘導する機能を備えている。経路誘導機能では、地図データを用いて、現在の車両位置から目的地までを結ぶコストが低い経路をダイクストラ法等を用いて探索し、探索された経路を誘導経路データとしてメモリに記憶し、走行中にディスプレイ上にその経路を表示する。
【0004】
探索された走行経路に沿って目的地までの走行を行うに際して、走行ルートが長い場合や、目的地までの間に渋滞や規制がある場合には、目的地までの所要時間の見当がつきにくいことがある。このような問題に対処するため、例えば特許文献1は、目的地までの経路上に所定時間間隔で通過予想時刻を表示させ、かつ、その予想時刻が日中か夜間かを識別表示(特許文献1の図6を参照)させている。また、特許文献2は、車両が渋滞や規制等の交通障害のある道路を走行していると認定されたとき、FM多重レシーバやビーコンレシーバからの渋滞情報に基づき通過予想時間をユーザーに報知している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−160086号
【特許文献2】
特開平7−85395号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のナビゲーション装置は、目的地までの走行経路を走行中に、その所定の地点ごとに、通過予想時刻が表示されるものではなく、必ずしもユーザーの要求を満足させるものではなかった。特に、高速道路を走行中に、前方に渋滞や規制等が存在する場合、サービスエリアやパーキングエリアに到着する時刻を得ることができず、運転者にとってはイライラするなどストレスの原因ともなりかねない。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決し、目的地までの走行経路上の特定の地点の車両通過予想時刻を表示する機能を備えたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段によって探索された走行経路およびその周辺の道路地図を表示する表示手段と、前記走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を前記表示手段に表示させる、通過予想時刻表示制御手段とを有する。これにより、走行経路上の特定の地点ごとの通過予想時刻を容易に知ることができる。
【0009】
好ましくは、通過予想時刻表示制御手段は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出する。これにより渋滞や規制といった動的な状況を考慮し、正確な通過予想時刻を算出することができる。
【0010】
特定の地点は、例えば、高速道路を走行中の場合には、インターチェンジ、ジャンクション、料金所、サービスエリア、もしくはパーキングエリア等であり、一般道を走行中の場合には、道路種別が変わる交差点、路線番号が変わる交差点、行政界、次の案内表示を有する交差点等である。また、特定の地点は、ユーザーからの入力によって適宜選択することが可能であってもよい。
【0011】
さらに、走行経路およびその周辺の道路地図の縮尺が変更されたとき、特定の地点も変更され、変更された地点の通過予想時刻が表示される。例えば、広域地図、中域地図、詳細地図では、そこに表示し得る地図、道路、施設等が異なるため、そのレベルに応じた地点の通過予想時刻を表示させる。
【0012】
本発明に係る車両通過予想時刻の表示方法は、目的地までの経路を探索し、探索された走行経路をディスプレイに表示させるステップと、車両が目的地に向かい走行する間に、前記走行経路上の特定の地点における車両の通過通過予想時刻を算出し、算出された車両予想通過時刻を前記走行経路の前記特定の地点とともにディスプレイに表示させるステップとを有する。これにより、ユーザーに対して走行経路上の特定の地点毎の通過予想時刻を知らしめることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、GPS受信機10、自立航法用センサ11、VICS・FM多重レシーバ12、操作パネル20、音声入力部21、リモコン操作部22、入力インターフェース23、地図データ等を記憶する記憶部30、音声出力部40、スピーカ41、表示制御部50、ディスプレイ51、プログラムメモリ60、データメモリ70、および各部を制御する制御部80を含む。
【0014】
GPS受信機10は、人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信し車両の現在位置と現在方位を測定する。自立航法用センサ11は、車両の移動距離を検出する車速センサや車両の回転角度を検出する角度を含む。GPS受信機10および自立航法用センサ11の出力信号は制御部80に供給され、制御部80はこれらの出力信号に基づき車両の現在位置および方位を算出する。
【0015】
VICS・FM多重レシーバ12は、アンテナ13を介して車両外部の現在の道路交通情報を逐次受信する。VICS(Vehicle Information & Communication System)は、道路交通情報をリアルタイムで提供するもので、FM多重(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンにより情報を送信する。FM多重は広範囲のエリアの道路交通情報を網羅する。電波ビーコンおよび光ビーコンは、その中心から半径10km程度のエリアの道路交通情報を有し、車両がビーコンを通過するとき、情報を受信できるようになっている。VICSから送信されるデータは、各道路に対応するリンクに対して、渋滞のレベル、例えば、順調、混雑、渋滞や、渋滞の距離、通行規制、旅行時間等を含む。
【0016】
操作パネル20、音声入力部21およびリモコン操作部22は、ナビゲーション装置1の入力を構成する。ユーザーは、これらの入力を介してナビゲーション装置1に対して目的地までの検索、目的地までのルートの探索、ディスプレイ画面の設定変更等の各種の指示や設定を与える。操作パネル20は、例えば、ディスプレイ51の下部に設けられた複数の操作キー52を用いることができる。音声入力部21は、図示されない音声入力マイクからユーザーの音声入力を入力インターフェース23へ伝達し、ここで音声アナログ信号をデジタル信号に変換する。リモコン操作部22は複数の入力キーを含み、ユーザーが入力キーを操作したとき、その入力操作を無線を通して入力インターフェース23へ伝達する。入力インターフェース23は、操作パネル20、音声入力部21、リモコン操作部22に接続され、ユーザーにより入力された入力情報を制御部80に伝える。
【0017】
記憶部30は、CD、DVD、あるいはハードディスク等の記録媒体であって、ナビゲーション装置に必要とされる地図データや住所、電話、施設等のデータベース等を記憶する。好ましくはハードディスクを用いることにより、大容量の記憶を実現可能とし、高速なアクセスおよびデータの書き換えを可能にする。
【0018】
データ通信制御部31は、無線によりデータの送受信を行う。ナビゲーション装置に、データの送受信を行う通信装置を内蔵するものであってもよいし、ナビゲーション装置に携帯電話やパーソナルコンピューター等の通信機能を有する電子装置を接続するものであってもよい。データ通信制御部31は、外部のサーバー等とネットワークを介して通信を行い、例えばATIS等の交通情報センターと、道路交通情報に関するデータの送受を行うことで、リアルタイムの動的な情報を逐次得ることができる。さらに、所定のサーバーから、最新の地図データや施設データをダウンロードし、記憶部30の内容を更新することができる。また、データ通信制御部31は、携帯電話などに対して、ナビゲーション装置1が保有している施設、レストランなどの娯楽情報や道路交通情報を与えることも可能である。
【0019】
音声出力部40はスピーカ41に接続され、制御部80の制御によりスピーカ41から音声を出力させる。例えば、目的地に到達するまでの情報として交差点の手前で進路方向の注意を促す音声を出力をしたり、あるいは、ユーザーがナビゲーション装置に対して対話形式により入力を行うときに、ユーザーに操作入力の音声指示を出力する。
【0020】
表示制御部50は、ディスプレイ51に接続され、制御部80の制御下においてディスプレイ51に地図を表示したり、あるいは地図上に、車両の現在位置を示す車両マーク、目的地までのルート、交差点等の分岐点での案内表示および車両の移動軌跡等を合成させる。さらに、ユーザーによって操作パネル20等から入力された指示や操作に関する情報が地図上にあるいはそれとは別の画面上に表示される。表示制御部50は、好ましくはFIFO等のVRAMを含み、記憶部30やデータメモリ70から読み出された地図、道路、案内表示に関するデータをVRAMに記憶し、VRAMから読み出された地図データに各種データを合成させる。ディスプレイ51は、例えば、液晶やプラズマを用いた横長のワイド画面であり、表示制御部50の制御下において、2画面表示をすることも可能である。
【0021】
プログラムメモリ60は、ナビゲーション装置において実行される各種プログラムを記憶する。例えば、目的地までの経路を探索するプログラム61、ディスプレイ51上に表示される地図の設定・変更を行うプログラム62を含む。さらに、本発明では、目的地までの走行経路上の特定の地点の車両通過予想時刻を求め、これを走行経路の特定の地点に表示させるための車両通過予想時刻制御表示プログラム63を含む。プログラムメモリ60の内容は、ROMあるいはRAM等のメモリを用いて構成することもできるし、記憶部30に記憶させておくことも可能である。
【0022】
データメモリ70は、制御部80によって処理された処理結果や記憶部30から読み出された地図データ71等を記憶する。さらに、データメモリ70は、制御部80により目的地までの経路の探索処理が行われたとき、その探索された経路データ72を記憶したり、VICS・FM多重レシーバ12から受信した道路交通情報73を記憶する。さらに、本実施の態様では、車両通過予想時刻を求めるべき特定の地点のデータ74や、特定の地点に対して算出された通過予想時刻データ75を記憶し、これらのデータは走行経路を案内するときに読み出される。データメモリ70は、好ましくはDRAM、SRAM、フラッシュメモリ等を用いることができる。また、データメモリ70は、ナビゲーション装置1に装着自在である外部メモリ75を含むものであってもよい。
【0023】
記憶部30に記憶される地図データについて説明する。地図データは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。各図葉毎の地図データは、(1)地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、(2)マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、(3)交差点の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。描画ユニットには、VICSセンタから送られてくる道路交通情報に基づいて対応する道路を特定するために必要なVICS変換レイヤのデータと、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。
【0024】
道路ユニットにおいて、道路上のある交差点と隣接する他の交差点等とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ点をノードという。図2は、道路ユニットの全体構成を示す図である。道路ユニットは、道路ユニットであることを識別するためのユニットヘッダと、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、接続ノードテーブルの格納位置を示すノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0025】
ノードテーブルは、図2(b)に示すように、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード#0、#1、…を格納している。各ノードレコードは、その並び順に#0から順にノード番号が与えられており、各ノードに対応する接続ノードテーブルの格納位置を示す。
【0026】
接続ノードテーブルは、存在するノードのそれぞれ毎に、
a.正規化経度・緯度、
b.このノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、他の図葉との境界にあるノードであるか否かを示す隣接ノードフラグなどからなる「ノードの属性フラグ」、
c.このノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に各リンクの他方端を構成するノードの数を示す「接続しているノードの数」、
d.このノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合にはその「交通規制の数」、
e.このノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を示すリンク本数分の接続ノードレコード、
f.このノードが交差点ノードである場合には、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズ等が含まれる。
g.その他にも、交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す交通規制レコードや、ノードが他の図葉との境界にあるノードである場合には、隣接する図葉の対応するノードの接続ノードテーブルの位置を示す隣接ノードレコード等が含まれる。
【0027】
リンクテーブルは、図2(c)に示すように、着目している図葉に含まれる全てのリンクに対応したリンク番号順の複数のリンクレコードを含んでいる。これらの各リンクレコードは、
a.主に探索経路表示用に各リンクに付されたコードであるリンクID、
b.リンクの両端に位置する2つのノードを特定するノード番号1およびノード番号2、
c.リンクの距離・道幅、
d.このリンクを走行する場合の所要時間を道路種別等から計算により求めて、このリンクの通過に必要な時間を分単位で示したコスト、
e.このリンクがVICSセンタで管理しているVICSリンクと対応しているか否かを示すVICSリンク対応フラグを含む各種の道路属性フラグ、
f.このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるか、国道であるか県道であるか、といった種別を示す道路種別フラグ、
g.このリンクに対応した道路に付された路線番号、等が含まれる。
【0028】
さらに記憶部30には、経路誘導時において、特定の地点における車両の通過予想時刻を算出するため、予め特定の地点が登録される。これらの特定の地点は、例えば、正規化経度、緯度のデータとして記憶され、かつ、必要なノード、リンクおよび描画ユニットに含まれるデータと関連付けされる。本実施の形態では、次のような特定の地点が登録されている。
(1)一般道の場合
道路種別が変わる交差点(道路種別は、例えば、国道、県道、市道である)
路線番号が変わる交差点(路線番号は、国道や県道の路線番号である)
行政界が変わる地点(行政界は、例えば市区町村名が変わる境界である)
次の案内表示を有する交差点
高速道のインターチェンジの入り口
(2)高速道の場合
インターチェンジの出口
ジャンクション
料金所
サービスエリア
パーキングエリア
(3)ユーザーによって設定される地点
操作パネル20やリモコン22により、ユーザーが所望とする特定の地点の追加・削除を可能とする。
【0029】
次に、ナビゲーション装置における車両通過予想時刻の算出およびその表示動作について図3を参照して説明する。ユーザーによって出発地から目的地までの設定が行われる(ステップS101)。制御部80は、経路探索プログラム61に従い目的地までの最適なルートを探索する(ステップS102)。例えば、走行ルートのコストが一番小さくなるようなルートを探索する。探索された誘導経路は、探索経路データ72としてデータメモリ70に保存される(ステップS103)。次に、制御部80は、通過予想時刻制御プログラム63に従い、誘導経路に含まれる特定の地点についての通過予想時刻を算出する(ステップS104)。
【0030】
制御部80は、記憶部30に記憶された特定の地点に関する情報を参照し、この特定の地点が誘導経路に含まれているか否かを判別する。特定の地点が誘導経路に含まれている場合には、自車位置から特定の地点までのすべてのリンクの距離を、その道路種別ごとに設定されている平均速度で割ることにより各リンクの通過所要時間を求め、これらを合計して特定地点における通過予想時刻を算出する。誘導経路に含まれる特定の地点は、特定地点データ74として、また、特定地点に対して算出された通過予想時刻は、予想時刻データ75としてデータメモリ70に記憶される(ステップS105)。制御部80は、探索された誘導経路をディスプレイ51に表示させ(ステップS106)、その誘導経路に含まれる特定の地点に対してその通過予想時刻を表示させる(ステップS107)。
【0031】
次に第2の実施の形態に係る車両通過予想時刻の表示動作について説明する。車両の走行中、道路の渋滞や規制等の動的な要因により、予想通過時刻の正確さが損なわれるおそれがある。これに対処するため、VICSセンターからの道路交通情報を利用して予想通過時刻を算出する。図4は、第2の実施の形態の動作フローを示す図である。上述したように目的地までの誘導経路上に特定の位置が含まれている場合、それらの特定の位置についての通過予想時刻が算出され、自車の走行とともに、それらの通過予想時刻がディスプレイ51に表示される。走行中に、VICSからの道路交通情報をVICS・FM多重レシーバ12で受信したとき、これらは道路交通情報73としてデータメモリ70に記憶される(ステップS201)。道路交通情報73には、渋滞や規制を反映したリンク旅行時間が含まれており、このリンク旅行時間を用いて、特定の位置についての通過予想時刻を算出する(ステップS202)。データメモリ70に記憶された予想時刻データ75は、リンク旅行時間に基づき算出された通過予想時刻に書き換えられる(ステップS203)。制御部80は、データメモリ70から更新された通過予想時刻データ75を読み出し(ステップS204)、誘導経路上に通過予想時刻を表示させる(ステップS205)。
【0032】
次に、通過予想時刻の表示例を説明する。図5は、ディスプレイ51上に広域地図が表示されている例である。自車301が一般道を走行中、その誘導経路が都道府県の行政界を跨ぐとき(ここではA県とB県)、そこに通過予想時刻“9:00”が表示される。さらに、現在走行中の国道(国道6号線)が、その先の交差点において他の国道(国道49号線)と交差する交差点であるため、言い換えれば道路の路線番号が変わる交差点であるため、そこに通過予想時刻“9:40”が表示される。また、VICSからの道路交通情報により誘導経路上に渋滞302が発生しているとき、VICSからのリンク旅行時間に基づき渋滞を反映した通過予想時刻が算出され、通過予想時刻“10:30”が次の交差点において表示される。
【0033】
図6は、ディスプレイ51上に中域地図が表示されている例である。ユーザーが操作パネル20等を操作して、画面の縮尺を切り替えた場合、その尺度によって表示可能となる道路や市区町村名が変わり、それに対応した特定の地点の通過予想時刻が表示される。自車301が一般道を走行中に、その誘導経路が市区町村の行政界を跨ぐとき(ここではC市とD市)、そこに通過予想時刻“11:00”が表示される。さらに、現在走行中の国道(国道6号線)が、その先の交差点において県道と交差する、道路種別が変更する交差点において、通過予想時刻“11:20”が表示される。VICSからの渋滞や規制302があることが通知された場合には、上記したように、VICSからのリンク旅行時間に基づき通過予想時刻が算出され、その時刻“11:50”が表示される。
【0034】
図7は、ディスプレイ上に詳細地図が表示されている例である。ディスプレイ51は、自車周辺の地図画面51aと、次の交差点の案内を表示する案内表示画面51bとの2画面表示となっている。自車301が誘導経路を走行中に、次の交差点が案内表示を含む場合には、その交差点に通過予想時刻“11:55”が表示される。また、誘導経路が一般道から高速道路に移行する場合には、インターチェンジの入り口に通過予想時刻“12:00”が表示される。
【0035】
図8は、高速道路を走行している場合の表示例である。ディスプレイ51上において、誘導経路である高速道路を自車301が走行中に、その次のインターチェンジの出口310、パーキングエリア(PA)、ジャンクション(JCT)、サービスエリア(SA)にそれぞれ通過予想時刻が表示される。また、渋滞や規制311があるときは、VICSからのリンク予行時間に基づき、渋滞や規制等の動的な障害を反映した通過予想時刻が表示される。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0037】
上記実施の態様における通過予想時刻を表示するための特定の地点は一例であって、これ以外の地点を設定するものであっても良い。通過予想時刻を見易くするために、表示の色を変更するものであっても良い。さらに、VICSからの道路交通情報に基づき算出された予想通過時刻を、それ以外の静的条件によって算出された予想通過時刻から区別するような表示をするものであってもよい。さらに、自車位置が予想通過時刻の表示された特定の地点に、一定距離の接近をしたとき、音声により予想通過時刻を案内するものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を表示させるようにしたので、ユーザーは自車の走行経路上の到達予想時刻を容易にしることができ、旅行等のスケジュールを立て易くなる。さらに、走行経路上に渋滞や規制等の動的な障害がある場合には、それらを考慮した道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出するため、精度の高い通過予想時刻を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】道路ユニットのデータ構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る通過予想時刻表示動作を説明するフローである。
【図4】第2の実施の形態に係る通過予想時刻表示動作を説明するフローである。
【図5】広域地図における通過予想時刻の表示例である。
【図6】中域地図における通過予想時刻の表示例である。
【図7】詳細地図における通過予想時刻の表示例である。
【図8】高速道路における通過予想時刻の表示例である。
【符号の説明】
1:ナビゲーション装置、10:GPS受信機、11:自立航法用センサ、12:VICS・FM多重レシーバ、20:操作パネル、21:音声入力部、22:リモコン、23:入力IF、30:記憶部、31:通信制御部、40:音声出力部、41:スピーカ、50:表示制御部、51:ディスプレイ、60:プログラムメモリ、70:データメモリ、80:制御部、
Claims (9)
- 目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された走行経路およびその周辺の道路地図を表示する表示手段と、
前記走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された通過予想時刻を前記表示手段に表示させる、通過予想時刻表示制御手段と、を有するナビゲーション装置。 - 前記通過予想時刻表示制御手段は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき通過予想時刻を算出する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
- 前記ナビゲーション装置はさらに、ユーザー入力手段を有し、前記走行経路上の特定の地点は、前記ユーザー入力手段によって選択可能である、請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
- 前記走行経路上の特定の地点は、高速道路におけるインターチェンジ、ジャンクション、料金所、サービスエリア、もしくはパーキングエリアの少なくとも1つを含む、請求項1ないし3いずれかに記載のナビゲーション装置。
- 前記走行経路上の特定の地点は、一般道における道路種別が変わる交差点、路線番号が変わる交差点、行政界、次の案内表示を有する交差点の少なくとも1つを含む、請求項1ないし3いずれかに記載のナビゲーション装置。
- 前記表示手段は、前記走行経路およびその周辺の道路地図を異なる縮尺で表示可能であり、前記通過予想時刻表示制御手段は、前記表示手段の縮尺に応じて、通過予想時刻を表示すべき特定の地点を変更する、請求項1ないし5いずれかに記載のナビゲーション装置。
- 目的地までの経路を探索し、探索された走行経路をディスプレイに表示させ、
車両が目的地に向かい走行する間に、前記走行経路上の特定の地点における車両の通過予想時刻を算出し、算出された車両予想通過時刻を前記走行経路の前記特定の地点とともに表示させる、車両通過予想時刻の表示方法。 - 前記通過予想時刻は、外部から供給される渋滞や規制等の道路交通情報に基づき算出される、請求項7に記載の車両通過予想時刻の表示方法。
- 前記ディスプレイの縮尺が変更されたとき、車両通過予想時刻を表示すべき特定の地点を変更する、請求項7に記載の車両通過予想時刻の表示方法。
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